JP2642833B2 - 油圧式吸排気弁駆動装置 - Google Patents
油圧式吸排気弁駆動装置Info
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Description
気弁駆動装置の改良に関するものである。
方式としては、機械式の動弁装置が採用されている。こ
れは、カム軸に設けられたカムで押棒を昇降させ、揺れ
腕を介して弁を開閉させる機構であって、弁の閉止には
ばねの弾性力を用いている。
ダの頂部に排気弁が設けられたいわゆるユニフロー式機
関が主流となっている。このユニフロー式機関では、排
気弁の動弁装置として、前述した機械式の機構のほか、
油圧式の機構が用いられるようになっている。これは、
カム軸に設けられたカムでプランジャ室内のプランジャ
を昇降させ、プランジャ室内の作動油を吐出させる。そ
して、プランジャ室から吐出した高圧の作動油を排気弁
の油圧式動弁機構に直接送り込んで該排気弁を駆動する
ものである。
られていた従来の油圧式弁駆動装置によれば、プランジ
ャ室から吐出した高圧の作動油を直接動弁機構に送り込
んでいるだけであり、作動油吐出のタイミングを調整す
る手段をもたなかった。このため、機関の負荷率に応じ
て弁の開閉タイミングを変化させ、燃焼を改善したり、
低質油でも使用できるようにするということができなか
った。
駆動装置は、内燃機関のクランク軸に連動するカムと、
頂部に作動油の吐出孔を有し側部に作動油の供給孔を有
するプランジャ室と、前記プランジャ室の供給孔と作動
油の供給源とを接続する通路と、前記プランジャ室の吐
出孔と吸排気弁の油圧動弁機構を接続する通路と、前記
カムに従動して前記プランジャ室内で移動することによ
り前記プランジャ室の吐出孔から吸排気弁の油圧動弁機
構に作動油を送り出して前記内燃機関の吸排気弁を駆動
するプランジャと、常態で入口側から出口側への作動油
の流れを許容し、その反対側への作動油の流れを阻止す
る第1の逆止弁と、前記第1の逆止弁の弁体を出口側に
移動させてシート面を開放する第1の制御ピストンと、
前記作動油の供給源と前記第1の逆止弁の入口側を接続
する通路と、前記プランジャの移動方向に沿って前記プ
ランジャ室の頂部と前記供給孔の間に位置するように前
記プランジャ室の側部に形成された排出孔と、前記第1
の逆止弁の出口側と前記排出孔とを接続する通路と、常
態で入口側から出口側への作動油の流れを許容し、その
反対側への作動油の流れを阻止する第2の逆止弁と、前
記第2の逆止弁の弁体を出口側に移動させてシート面を
開放する第2の制御ピストンと、前記作動油の供給源と
前記第2の逆止弁の入口側を接続する通路と、前記プラ
ンジャ室の吐出孔と前記第2の逆止弁の出口側とを接続
する通路とを有している。
供給された作動油は、カムの駆動で上昇するプランジャ
に圧縮されて吐出孔から吐出され、吸排気弁の油圧動弁
機構に送られる。低負荷運転時には、第1の制御ピスト
ンを作動させて第1の逆止弁のシート面を開放する。プ
ランジャの上昇に伴い、プランジャ室内の作動油は排出
孔から逃げ、第1の逆止弁のシート面を経て供給源側に
逆流する。さらにプランジャが上昇して排出孔を塞ぐ
と、プランジャ室内の作動油は圧力が上昇し始め、通常
運転よりも遅れたタイミングで吸排気弁の油圧動弁機構
に送られる。また、作動油に油圧を発生させたくない場
合には、第2の制御ピストンを作動させて第2の逆止弁
のシート面を開放する。プランジャが上昇してプランジ
ャ室から押出された作動油は、第2の逆止弁の出口側に
導かれ、その開放されたシート面を経て作動油の供給源
に逆流する。従ってプランジャ室内の作動油には油圧が
発生しない。
する。本実施例は、4サイクルディーゼル機関におい
て、吸排気弁の油圧動弁機構を駆動する油圧式吸排気弁
駆動装置1(以下、本装置1と呼ぶ。)に関するもので
ある。
4サイクルディーゼル機関は自己逆転機関であり、クラ
ンク軸と連動するカム軸2には、吸気弁用及び排気弁用
のダブルカム3,4がそれぞれ設けられている。5は燃
料カムである。なお、排気弁側の機構と吸気弁側の機構
は全く同じ構成である。
ン7を介してローラガイド8に取付けられている。この
ローラガイド8は中空であり、ダブルカム3の回転に連
動し、ブシュ9の内面に沿って上下に摺動できる。
部10aには、内部に作動油の径路等が形成されたブロ
ック11が取付けられている。このブロック11の下面
には、プランジャ室cが開口して形成されている。そし
て、前記ローラガイド8を案内している前記ブシュ9
は、プランジャ室cが開口した該ブロック11の下面に
取付けられている。
開放された円筒形のライナ13が設けられている。この
ライナ13の内部には、プランジャ14が上下摺動自在
に設けられている。該プランジャ14の下面には押棒1
5が設けられている。押棒15は前記ローラガイド8の
内部に挿入され、ローラガイド8の内部に設けられた受
金16にばね17の弾性力をもって当接している。
動油の通路等について説明する。図2及び図3に示すよ
うにブロック11に設けられた供給口aには、図1に示
すように作動油の供給源が接続されている。図1〜図3
に示すように、供給口aから供給された作動油は、通路
b、ニードル弁18を介して、プランジャ室cのライナ
13に形成された供給孔shからプランジャ室c内に入
るようになっている。
された作動油は、プランジャ室cの頂部に形成された吐
出孔seから吐出され、図1〜図3に示すように通路d
を経て図示しない吸排気弁の油圧動弁機構へと送られる
ようになっている。
は、第1の逆止弁である低負荷切替弁Aと、第2の逆止
弁である前後進切替弁Bとが設けられている。両弁A,
Bとも基本的な構成は次の通りである。即ち、ブロック
11に形成された孔19の片側には、プラグ20を介し
て略円筒形の弁ケース21が固定されている。弁ケース
21の内部には、弁体22が摺動自在に設けられてい
る。弁体22と前記プラグ20の間には付勢手段として
のばね23が設けられており、付勢された弁体22が弁
ケース21とシート面24で接触し、切替弁A,Bの入
口h側と出口g側とが常時連通しないようになってい
る。また、この切替弁A,Bの弁ケース21及び弁体2
2には、出口g側に連通する通路fが設けられている。
Bが片側に設けられている前記ブロック11の孔19の
他方側には、第1及び第2の切替弁A,Bを開放する開
放手段として、第1及び第2の制御ピストン30,30
がそれぞれ設けられている。制御ピストン30の一端に
設けられた棒体31は前記切替弁A,Bの弁体22を出
口g方向に押せるようになっている。制御ピストン30
と弁ケース21の間にはばね32が設けられており、前
記棒体31が弁体22から離れるように制御ピストン3
0を付勢している。
ない空気供給手段に接続されるフランジ33が取付けら
れている。このフランジ33の孔に空気を供給すれば、
ピストン30が作動して棒体31が弁体22を出口g側
に押し、切替弁A,Bのシート面24が開放される。
1には、前記供給口aに連通して通路mが形成されてい
る。この通路mは、前記各制御ピストン30,30の近
傍において、ブロック11の各孔19にそれぞれ連通し
ており、従って前記各切替弁A,Bの入口h側にそれぞ
れ接続連通されている。
は通路eが分岐している。この通路eは、前後進切替弁
Bの通路fを介して前後進切替弁Bの出口g側に接続連
通している。
ライナ13には、前記供給孔shよりもやや上方の適宜
位置に作動油の排出孔slが形成されている。
は、ブロック11内に形成された通路j,k,lを介し
て、前記低負荷切替弁Aの通路fに接続されており、従
って低負荷切替弁Aの出口g側に接続連通されている。
通常運転時、(2)低負荷運転時、(3)前後進切替時
の3つの場合に分けて説明する。
を経てプランジャ室c内に供給される。この際、ニード
ル弁18によって作動油の流量を調節することにより、
吸排気弁の開閉タイミング調整をすることができる。
ると、プランジャ室c内の作動油が圧縮され、高圧の作
動油が吐出孔Seから通路dに吐出する。この時、高圧
の作動油は通路eを通って前後進切替弁Bの通路fから
出口g側にも供給される。これによって前後進切替弁B
のシート面24は確実に閉止される。
がばね17の力で下降すると、作動油は通路dからプラ
ンジャ室cへと逆流し、プランジャ室c内及びプランジ
ャ室cに連通する高圧側の作動油の圧力が下がる。これ
によってプランジャ室c内の圧力は作動油の供給圧力よ
りも低下し、前記前後進切替弁Bのシート面24が開放
される。このため、供給口aから供給された作動油は、
前後進切替弁Bの入口h、同切替弁Bのシート面24を
流れ、同切替弁Bの通路f、通路eを経てプランジャ室
c内に入り、油漏分のみが補給される。
ごとに油漏分を確実に補給することができるので、次の
動作時には、作動油に高圧を発生させて吸排気弁を確実
に駆動することができる。
ると、不完全燃焼傾向となる。そこで、低負荷運転時に
は、燃料噴射目盛の指示、機関回転数、給気圧力等のピ
ックアップ信号を用いて図示しない制御空気系の電磁弁
を作動させ、前記低負荷切替弁A側の制御ピストン30
に制御空気を送る。
体22を出口g側に移動させて同切替弁Aのシート面2
4を開放する。
ャ室c内の作動油は排出孔slから通路j,k,lに流
れ、低負荷切替弁Aの通路f及びシート面24を通り、
同切替弁の入口hから通路mを経て供給孔aに逆流す
る。従って、この間、プランジャ室c内の作動油は高圧
にならない。
止されると、プランジャ室c内の油圧が上昇して(1)
で説明した通常運転時と同一の作動行程となる。
Aを作動させると、作動油が高圧となって吐出されてい
くタイミングが変化する。即ち、プランジャ室cの供給
孔shを排出孔slの間隔を適宜に設定しておくことに
より、低負荷運転時に吸排気のタイミングを任意に変更
することができる。
ーバラップ部分があるが、同図中破線で示すように両弁
の作動タイミングを変えれば、そのオーバラップ量を通
常運転時に比べて減少させることができる。
作動油の油圧を調整することにより吸排気弁のリフトを
変更することができるので、吸排気弁のリフト及びタイ
ミングの双方を変更すれば、図6に示すような吸排気弁
の作動を得ることができ、低負荷時の完全燃焼化改善が
可能となる。
クル機関であり、ダブルカム3,4を設けたカム軸2を
油圧で軸方向に移動させ、カムとプランジャ14による
油圧発生のタイミングをクランク軸の回転方向に応じて
変えられるようになっている。
ない制御空気系の電磁弁を作動させ、前記前後進切替弁
Bの制御ピストン30に制御空気を供給する。
切替弁Bの弁体22を出口g方向に押し、シート面24
を開放する。
室cから吐出された作動油は、通路e,前後進切替弁B
の通路f、同切替弁Bのシート面24及び入口hを介し
て供給口aに逆流していく。
圧力以上には上昇しない。従ってカム軸2に大きな負荷
をかけずにカムの切換えができ、ダブルカムの損傷を防
止し、かつカムの切換えが確実になる。
も船速によりプロペラが遊転して機関を逆に駆動させる
状態となる。この時、前後進切替弁Bにエアを供給すれ
ば、吸排気弁が閉じたままの状態となり、強力なエンジ
ンブレーキとなって速やかに停船することができる。大
型船の停船時間を短くする有効な手段が今までなかった
が、本装置によりこれを短縮することが可能となる。
ランジャ室に作動油を逃がすための排出孔が設けてあ
り、該排出孔と第1の逆止弁の出口側を通路で結び、低
負荷運転時には第1の制御ピストンで第1の逆止弁を開
放できるようにしている。従って、機関の負荷率が低下
した時には第1の制御ピストンで第1の逆止弁を開き、
プランジャ室内の作動油を逃がして高圧の作動油が吐出
されるタイミンをずらすことができる。
に応じて吸排気弁の開閉タイミングを変更し、各負荷に
適した吸排気弁の作動調整ができる。特に、低負荷時の
燃焼が改善され、低質油を使用できるようになる。ま
た、本発明の油圧式吸排気弁駆動装置は、プランジャの
上昇時にはプランジャ室から高圧で吐出した作動油はそ
のまま動弁機構に供給され、プランジャが下降して作動
油圧が下がった時には第2の逆止弁が開いて作動油供給
源からプランジャ室内に作動油が必要量だけ補給される
ため、油圧機構による吸排気弁の駆動が円滑、確実に行
われるという効果がある。さらに、必要に応じて第2の
制御ピストンによってシート面を開放できる第2の逆止
弁を備えており、かつプランジャ室から吐出される高圧
の作動油を該第2の逆止弁の出口側に導く通路を設け、
同入口側と作動油の供給源を接続している。 従って、例
えばカムの切替等のように、カムやカム軸に負荷をかけ
たくない場合などには、第2の逆止弁を開放してプラン
ジャ室内の作動油を供給源に逆流させれば、油圧は発生
しなくなる。また、船のエンジンブレーキとしての効果
が大きい。即ち本発明によれば、簡単な構成で油圧式吸
排気弁駆動装置の油圧をゼロにすることができる。
る。
図である。
角度の関係を示すグラフである。
角度の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関のクランク軸に連動するカム
と、頂部に作動油の吐出孔を有し側部に作動油の供給孔を有
するプランジャ室と、 前記プランジャ室の供給孔と作動油の供給源とを接続す
る通路と、 前記プランジャ室の吐出孔と吸排気弁の油圧動弁機構を
接続する通路と、 前記カムに従動して前記プランジャ室内で移動すること
により前記プランジャ室の吐出孔から吸排気弁の油圧動
弁機構に作動油を送り出して前記内燃機関の吸排気弁を
駆動するプランジャと、 常態で入口側から出口側への作動油の流れを許容し、そ
の反対側への作動油の流れを阻止する第1の逆止弁と、 前記第1の逆止弁の弁体を出口側に移動させてシート面
を開放する第1の制御ピストンと、 前記作動油の供給源と前記第1の逆止弁の入口側を接続
する通路と、 前記プランジャの移動方向に沿って前記プランジャ室の
頂部と前記供給孔の間に位置するように前記プランジャ
室の側部に形成された排出孔と、 前記第1の逆止弁の出口側と前記排出孔とを接続する通
路と、 常態で入口側から出口側への作動油の流れを許容し、そ
の反対側への作動油の流れを阻止する第2の逆止弁と、 前記第2の逆止弁の弁体を出口側に移動させてシート面
を開放する第2の制御ピストンと、 前記作動油の供給源と前記第2の逆止弁の入口側を接続
する通路と、 前記プランジャ室の吐出孔と前記第2の逆止弁の出口側
とを接続する通路と、を有する 油圧式吸排気弁駆動装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4150907A JP2642833B2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 油圧式吸排気弁駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4150907A JP2642833B2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 油圧式吸排気弁駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05340221A JPH05340221A (ja) | 1993-12-21 |
JP2642833B2 true JP2642833B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=15506996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4150907A Expired - Lifetime JP2642833B2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 油圧式吸排気弁駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642833B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602006017128D1 (de) * | 2006-04-12 | 2010-11-04 | Man B & W Diesel As | Grosser Zweitakt-Kreuzkopfdieselmotor mit Gleichstromspülung |
JP4597264B2 (ja) * | 2010-05-07 | 2010-12-15 | エムエーエヌ・ディーゼル・アンド・ターボ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー・ティスクランド | クロスヘッド型大型ユニフロー式2サイクルディーゼル機関 |
DK177695B1 (en) * | 2012-11-16 | 2014-03-17 | Man Diesel & Turbo Deutschland | A large slow running turbocharged two-stoke uniflow internal combustion engine with crosshead and a cam driven exhaust valve actuation system |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60169614A (ja) * | 1984-02-14 | 1985-09-03 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 排気弁の開閉タイミング制御装置 |
-
1992
- 1992-06-10 JP JP4150907A patent/JP2642833B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05340221A (ja) | 1993-12-21 |
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