JPH08483Y2 - 4サイクルエンジンの動弁装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの動弁装置

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JPH08483Y2
JPH08483Y2 JP1990027683U JP2768390U JPH08483Y2 JP H08483 Y2 JPH08483 Y2 JP H08483Y2 JP 1990027683 U JP1990027683 U JP 1990027683U JP 2768390 U JP2768390 U JP 2768390U JP H08483 Y2 JPH08483 Y2 JP H08483Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 (産業上の利用分野) この考案は、運転状況に応じて吸・排気バルブのリフ
ト量やバルブ開閉タイミング等を変化させることができ
る4サイクルエンジンの動弁装置に係り、特にロッカシ
ャフトを回動するロッカシャフト回動駆動源等の配置構
造を改良した4サイクルエンジンの動弁装置に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車および自動二輪車等の車両に搭載され
る4サイクルエンジンでは、燃焼室上方に吸・排気バル
ブが配設されており、これらのバルブは動弁装置によっ
て駆動される。上記動弁装置は、エンジンのクランクシ
ャフトに連動するカムシャフトを備え、このカムシャフ
トに形成されたカムによって吸・排気バルブを所定の弁
開閉タイミングとリフト量を与えて上下動させている。
(考案が解決しようとする課題) ところで、4サイクルエンジンでは、低回転数域から
高回転数域にかけての広い回転数域内で高い出力が得ら
れること、つまりパワーバンドが広帯域であることが望
ましい。
しかし、従来の動弁装置では、バルブの開閉タイミン
グおよびリフト量が固定されているため、特定のエンジ
ン回転数域でピーク値を有する出力特性しか得られず、
したがって低回転数域の出力特性に重点を置くか、もし
くは中・高回転数域の出力特性に重点を置くかの選択を
余儀なくされる。
この考案は、上述の事情を考慮してなされたものであ
り、広い回転数域内で出力を向上させることができると
共に、ロッカシャフトの回転駆動源等の組付けを容易に
実施でき、簡素な配置構造の4サイクルエンジンの動弁
装置を提供することを目的とする。
〔考案の構成〕
(課題を解決するための手段) この考案に係る4サイクルエンジンの動弁装置は、上
述した課題を解決するために、少なくとも2つの気筒を
並設し、並設された各気筒上方の一側に吸気用のカムシ
ャフトおよびロッカシャフトを、他側に排気用のカムシ
ャフトおよびロッカシャフトをそれぞれ配設し、前記両
気筒間におけるカムチェーン室上部にロッカシャフト回
転駆動用のアクチュエータを配設し、前記各気筒の吸気
用および排気用ロッカシャフトのカムチェーン室側端部
にピニオンをそれぞれ設け、各ピニオンに前記アクチュ
エータにより進退自在に駆動されるラックを上方からそ
れぞれ噛合させる一方、前記ロッカシャフトはエキセン
トリック大径部を備えて回動可能に支持され、上記ロッ
カシャフトに低速用ロッカアームを直接嵌挿させるとと
もに、低速用ロッカアームの側方に配置される高速用ロ
ッカアームをロッカシャフトのエキセントリック大径部
に嵌挿させたものである。
(作用) この考案に係る4サイクルエンジンの動弁装置によれ
ば、ロッカシャフトをアクチュエータの駆動により所定
角度回転させてエキセントリック大径部を回転させるこ
とにより、高速用ロッカアームを低速用ロッカアームに
対し上下方向に相対的に位置変化させる。高速用ロッカ
アームを低速用ロッカアームに対し下方へ位置変化させ
たときには、高速用ロッカアームと高速用カムとの当接
が解除され、低速用ロッカアームと低速用カムとが当接
して、4サイクルエンジンのバルブはこの低速用カムに
より駆動され、低速用カムでバルブの開閉タイミングお
よびリフト量が制御される また、高速用ロッカアームを低速用ロッカアームに対
しほぼ上方へまたは同一位置に位置変化させたときに
は、低速用ロッカアームと低速用カムとの当接が解除さ
れ、高速用ロッカアームと高速用カムとがそれぞれ当接
して、4サイクルエンジンのバルブは高速用カムにより
作動する。このようにロッカシャフトを回動させること
によるカムの選択によって、広い回転数域に亘りエンジ
ン出力を向上させることができる。
さらに、カムチェーン室の上部にロッカシャフト回転
駆動用のアクチュエータを配置し、このアクチュエータ
により進退駆動されるラックを吸気用および排気用ロッ
カシャフトのカムチェーン室側端部に設けられたピニオ
ンに上方から噛合させたから、アクチュエータはカムチ
ェーン室のデッドスペースを利用して配置でき、このア
クチュエータで並設された各気筒の吸気用および排気用
ロッカシャフトをそれぞれ回転駆動させることができ、
各気筒の吸気用および排気用ロッカシャフトを回転駆動
させるために個別に独立したアクチュエータを必要とせ
ず、アクチュエータの数を減少させることができるので
配置構造を簡素化でき、組立コストの軽減が図れる。
また、アクチュエータにより駆動されるラックがロッ
カシャフトのピニオンに上方から噛み合うよう構成され
たので、シリンダヘッドにロッカシャフト、ロッカアー
ムおよびバルブ等を完全に組み付けた後、しかもロッカ
シャフトをスライドさせることなく、ラックおよびロッ
カシャフト回動駆動用アクチュエータ源をシリンダヘッ
ドに容易に設置することができる。
(実施例) 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
第4図は、この考案に係る4サイクルエンジンの動弁
装置の一実施例を示す斜視図、第2図は第4図の動弁装
置が適用されたシリンダヘッドの部分平面図、第1図お
よび第3図は第2図のI−I線、III-III線にそれぞれ
沿う断面図、第5図は第4図の動弁装置の平面図、第6
図および第7図は第4図の動弁装置の作用を示す動作状
態図である。
この動弁装置は、エンジンの1つのシリンダにおける
吸気側と排気側にそれぞれ配設される。したがって、第
4図〜第7図に示すバルブ1,2は吸気または排気を行な
うために配置されている。
この動弁装置は、第2図に示すように、4サイクルエ
ンジンの気筒がカムチェーン室26の両側にそれぞれ列状
に並設され、並設された各気筒上方の一側に吸気用ロッ
カシャフト11が、他側に排気用ロッカシャフト18がそれ
ぞれ配設される。吸気用および排気用ロッカシャフト17
の上方に第3図に示すようにカムシャフト6が平行に配
設され、オーバーヘッドカム(OHC)方式の動弁装置が
構成される。
カムチェーン室26の上部に、第2図および第3図に示
すように、ロッカシャフト回転駆動用のアクチュエータ
15が設置される。このアクチュエータ15は油圧シリンダ
であり、アクチュエータ15の前後左右に進退駆動される
ラック16が配置され、各ラック16は吸気用および排気用
ロッカシャフト11のカムチェーン室26側に設けられたピ
ニオン17に上方から噛合している。
また、この4サイクルエンジンの動弁装置において
は、カムシャフト6に、第3図、第6図および第7図に
示すように、第1カムとしての低速用カム3、並びにこ
の低速用カム3の一側方および他側方にそれぞれ配置さ
れた第2カムとしての中高速用カム4および第3カムと
しての中高速用カム5が備えられており、またカム3,4
および5のそれぞれの下方に配置されたロッカシャフト
11には、第1ロッカアームとしての低速用ロッカアーム
7、第2ロッカアームとしての中高速用(高速用)ロッ
カアーム8および第3ロッカアームとしての中高速用
(高速用)ロッカアーム9の基部側に形成される各支持
部7a,8aおよび9aが嵌挿される。ロッカシャフト11は後
述のロッカシャフト軸受部28(第3図)によって回動自
在に支承される。
低速用ロッカアーム7の先端は2股に分岐し、これら
の両分岐先端部7bは、図示しないエンジンの燃焼室を開
閉する上記バルブ1および2のステム頭部にそれぞれ当
接している。また、低速用ロッカアーム7の支持部7a
は、ロッカシャフト11に直接嵌挿されて、回動可能に設
けられる。
中高速用ロッカアーム8の支持部8aは、ロッカシャフ
ト11よりも大径の偏心ブッシュ12を介して、ロッカシャ
フト11に対し回動可能に嵌挿される。この偏心ブッシュ
12は、第6図に示す如く、軸心がロッカシャフト11の中
心から偏心しており、抜止めピン10によってロッカシャ
フト11に着脱自在に固定される。したがって、この偏心
ブッシュ12は、ロッカシャフト11におけるエキセントリ
ック大径部として機能する。
第5図に示す如く、中高速用ロッカシャフト9の支持
部9aも、上記偏心ブッシュ12と同一の形状を有しかつ同
一方向に偏心する偏心ブッシュ13を介して、ロッカシャ
フト11に対し回動可能に嵌挿される。この偏心ブッシュ
13も抜止めピン10によりロッカシャフト11に着脱自在に
固定され、エキセントリック大径部として機能する。
また、中高速用ロッカアーム8および9の各先端部8a
および9aの下面は、低速用ロッカアーム7の一方および
他方の分岐先端部7bに、シム14aを介してそれぞれ当接
される。これらの低速用ロッカアーム7の分岐部7bと中
高速用ロッカアーム8および9の先端部8bおよび9bとの
接触点は、バルブ1および2の略軸線上に設定される。
したがって、第6図に示すように、低速用カム3が低
速用ロッカアーム7のカムフロア面7cを押下げて、その
各先端部7bを下降させた場合、ロッカアーム8および9
の各先端部8bおよび9bは、重力によりこの分岐部7bに追
従して下降する。一方、第7図に示すように中高速用カ
ム4および5が中高速用ロッカアーム8および9のカム
フロア面8cおよび9cをそれぞれ押下げた場合には、これ
らのロッカアーム8および9の先端部8bおよび9bが低速
用ロッカアーム7の各先端部7bを押下げることから、こ
の先端部7bが強制的に下降される。
なお、このシム14aは、縦断面T字形状の間隔保持片
であり、低速用ロッカアーム7の両分岐先端部7bに上方
から嵌装される。また、バルブ1および2のバルブステ
ム頭部には有蓋円筒形状のシム14bが被冠され、このシ
ム14bに、低速用ロッカアーム7の分岐先端部7b下面が
当接する。これらのシム14aおよび14bは、バルブ1およ
び2のタペットクリアランス調整用に用いられる。
また、前記カム3,4および5のうち、中高速用カム4
および5は同一のカムプロフィールを有し、また低速用
カム3はこれらの中高速用カム4および5のカムプロフ
ィールとは異なるカムプロフィールを有する。つまり、
低速用カム3は、エンジンが低回転数域で運転されてい
るときに適したバルブリフト量および弁開閉タイミング
が得られるようにそのカムプロフィールが設定される。
また、中高速用カム4および5は、エンジンが中・高回
転数域で運転されているときに適したバルブリフト量お
よび開閉弁時期が得られるようにそのカムプロフィール
が設定される。
上記バルブリフト量は、バルブ1および2のストロー
ク長であり、カムリフト量と一致する。第8図には、低
速用カム3のカムプロフィールを実戦A(カムリフト量
la)で示し、また中高速用カム4および5のカムプロフ
ィールを破線B(カムリフト量lb)で示している。この
第8図から明らかなように、中高速用カム4および5
は、低速用カム3よりも大きなバルブリフト量が得られ
るようにそのカムプロフィールが設定されている。
なお、第8図の二点鎖線Cは、ロッカシャフト11を回
動して偏心ブッシュ12および13の厚肉頂部12aおよび13a
を斜め前方へ位置させたとき(第6図)の中高速用カム
4および5におけるカムプロフィールを示す。
ところで、第1図、第3図および第4図に示すよう
に、ロッカシャフト11の回動は、エンジンからの油圧に
よって作動するロッカシャフト回動駆動源としての油圧
アクチュエータ15によってなされる。この油圧アクチュ
エータ15のピストン27(第1図)にラック16が連結さ
れ、このラック16が、ロッカシャフト11の一端部に形成
されたピニオン17に噛み合される。また、油圧シリンダ
15には、低速用油圧ポート18および高速用油圧ポート19
がそれぞれ設けられ、それぞれのポート18,19に選択的
にエンジンからの油圧が導かれる。
エンジン回転数が低回転数域にあるときには、低速用
油圧ポート18へ油圧が供給されてピストン27が押し戻さ
れ、ラック16も引き戻され、ピニオン17は第4図の矢印
O方向に回転されて、偏心ブッシュ12および13は第6図
に示すように、そのブッシュ厚肉部12aおよび13aが斜め
前方へ位置するよう回動する。また、エンジン回転数が
中・高回転域にあるときには、高速用油圧ポート19へ油
圧が供給されてピストン27が押し出され、ラック16も押
し出されて、ピニオン17は第4図の矢印P方向へ回動さ
れ、偏心ブッシュ12および13は第7図に示すように、そ
のブッシュ厚肉部12aおよび13aが斜め後方へ位置するよ
う回動する。
このように、ロッカシャフト11は、油圧アクチュエー
タ等15,16,17の作動により、偏心ブッシュ12,13のブッ
シュ厚肉部12aおよび13aが常時ロッカシャフト11の上半
側で斜め前方から斜め後方の範囲を回動するように構成
される。
上述のようなロッカシャフト11および油圧アクチュエ
ータ15等は、第1図〜第3図に示すシリンダヘッド21に
配置される。ロッカシャフト11は、シリンダヘッド21の
車両前後および左右に1本ずつ計4本配置され、車両左
右方向い延びて配設される。各ロッカシャフト11は、シ
リンダヘッド21に形成されたロッカシャフト軸受部28に
より回動可能に支持される。これらのロッカシャフト11
の上方に、カムシャフト6を支持する下半軸受孔22が形
成される。また、この下半軸受孔22付近にはバルブガイ
ド23が配置され、スタッドボルト挿通孔24が形成され
る。さらに、シリンダヘッド21の上部には、ヘッドカバ
ーとの合せ面25が形成され、またシリンダヘッド21の車
両左右方向中央位置にカムチェーン室26が形成される。
また、シリンダヘッド21の下部には、図示しない燃焼
室が形成され、この燃焼室に連通して吸気ポートおよび
排気ポート(共に図示せず)が形成される。バルブ1お
よび2のバルブフェースは、燃焼室と吸気ポートおよび
排気ポートとの境界に配置される。バルブスプリング20
並びに低速用ロッカアーム7、中高速用ロッカアーム8
および9の作用により、吸気ポートおよび排気ポートが
開閉される。
これらの低速用ロッカアーム7、中高速用ロッカアー
ム8および9は、第2図および第3図に示すように1本
のロッカシャフト11に2組設置される。各組の低速用ロ
ッカアーム7および中高速用ロッカアーム8および9
は、ロッカシャフト11に介在された位置決めスプリング
29によって、ロッカシャフト11とともにその位置が規制
される。
さらに、第1図〜第3図に示すように、シリンダヘッ
ド21のカムチェーン室26内に油圧アクチュエータ15およ
びラック16が配置される。このラック16は、ロッカシャ
フト11のピニオン17に上方から噛み合うよう構成され
る。したがって、この油圧シリンダ15およびラック16
は、シリンダヘッド21にロッカシャフト11;低速用ロッ
カアーム7、中高速用ロッカアーム8および9並びにバ
ルブ1および2等の各種部品を組み付けた後、最後に組
み付けられる。
なお、第1図および第3図中、符号30は軸受ハウジン
グであり、下半軸受孔22と共にカムシャフト6を軸支す
る。また、符号31はヘッドカバーを示す。さらに、第1
図では軸受ハウジング30を省略して示し、第2図ではバ
ルブ1および2並びにバルブスプリング20を省略して示
す。
次に、作用効果を説明する。
エンジンが低回転数域にあるときに、油圧シリンダ15
の作動によってロッカシャフト11が第4図の矢印O方向
に回動すると、偏心ブッシュ12および13のそれぞれのブ
ッシュ厚肉部12aおよび13aが斜め前方に位置する(第6
図)。これにより、中高速用ロッカアーム8および9の
カムフロア面8cおよび9cが低速用ロッカアーム7のカム
フロア面7cに対し相対的に下方へ移動する。したがっ
て、中高速用カム4および5の周面と中高速用ロッカア
ーム8および9のカムフロア面8cおよび9cとの間に隙間
が形成されることになり、その結果、中高速用カム4お
よび5は空転(遊動)する。
また、このとき、低速用ロッカアーム7は、バルブス
プリング20の付勢力によってロッカシャフト11の軸心を
中心として常時上方へ押し上げられているので、そのカ
ムフロア面7cが低速用カム3の周面と当接する。したが
って、カムシャフト6が回転すると、バルブ1および2
は第8図に示した低速用カム3のリフト特性Aに基づい
て上下動する。つまり、バルブ1および2は、低エンジ
ン回転数域に適したバルブのリフト量を確保しつつ、燃
焼室を開閉する。
一方、エンジンが中・高回転域にあるときに、油圧ア
クチュエータ15の作動によってロッカシャフト11が第4
図の矢印P方向に回転すると、偏心ブッシュ12および13
のそれぞれブッシュ厚肉部12aおよび13aが斜め後方に位
置する(第7図)。これにより、中高速用ロッカアーム
8および9のカムフロア面8cおよび9cが低速用ロッカア
ーム7のカムフロア面7cに対して相対的に略上方または
同一位置まで移動し、このカムフロア面8cおよび9cがそ
れぞれ中高速用カム4および5の周面に当接する。
ここで、第8図に示したように、中高速用カム4およ
び5は低速用カム3よりもカムリフト量が大きく形成さ
れているので、第7図に示す状態下でカムシャフト6が
回転された場合、低速用カム3は空転し、一方、中高速
用カム4および5がそれぞれ中高速用ロッカアーム8お
よび9を介して、第8図のリフト特性Bに基づきバルブ
1および2を駆動する。この結果、バルブ1および2
は、エンジンの中・高回転数域に適したバルブリフト量
を確保しつつ、燃焼室を開閉する。
上記実施例によれば、低速用カム3にエンジンの低回
転数域に適したカムプロフィールが形成され、中高速用
カム4および5にエンジンの中・高回転数域に適したカ
ムプロフィールが形成され、さらにロッカシャフト11の
偏心ブッシュ12および13に中高速用ロッカアーム8およ
び9をそれぞれ回動自在に嵌挿し、ロッカシャフト11に
直接低速用ロッカアーム7を嵌挿して、ロッカシャフト
11の回動により、低速用カム3と低速用ロッカアーム7
との当接、中高速用カム4および5と中高速用ロッカア
ーム8および9とのそれぞれの当接を選択できるので、
バルブ1および2を低速用カム3あるいは中高速用カム
4,5にて選択的に駆動させることができる。したがっ
て、エンジンの低回転数域から高回転数域にかけての広
いエンジン回転数域で、4サイクルエンジンの出力を向
上させることができる。
また、低速用カム3、中高速用カム4および5の選択
を偏心ブッシュ12および13の回動によって行なっている
ので、カム3,4,5の選択時に各部に大きなストレスが生
ずることがない。このため、カム3,4,5をスムーズに選
択することができる。
さらに、油圧アクチュエータ15のピストン27に連結さ
れたラック16が、シリンダヘッド21の上方からピニオン
17に噛み合うよう構成されたことから、シリンダヘッド
21にロッカシャフト11、低速用ロッカアーム7、中高速
用ロッカアーム8および9並びにバルブ1および2等の
部品を完全に組み付けた後に、油圧アクチュエータ15お
よびラック16をシリンダヘッド21に組み付けることがで
きる。しかも、油圧アクチュエータ15およびラック16の
組付けの際に、ロッカシャフト11を位置決めスプリング
29の付勢力に抗してシリンダヘッド21の外方へスライド
させる必要がないので、油圧アクチュエータ15およびラ
ック16を容易に設置できる。
また、ラック16の歯面が下方に向いているので、切削
屑等がラック16の歯に詰まることがなく、ラック16およ
びピニオン17の作動不良を防止できる。
さらに、ラック16がピニオン17の下方から噛み合う場
合には、油圧アクチュエータ15の設置位置がカムチェー
ン室26内において下方に位置してしまう。これに対し、
上記実施例の如く、ラック16がピニオン17に上方から噛
み合される場合には、油圧アクチュエータ15の設置位置
がカムチェーン室26内において上方位置にあるため、こ
のカムチェーン室26内においてヘッド潤滑用オイルの落
下通路を確実に確保できる。
なお、上記実施例では、中高速用カム4および5のカ
ムプロフィールが第8図の破線Bに示すものである場合
につき述べたが、この中高速用カム4および5のカムプ
ロフィールを第9図の破線B′あるいは第10図の破線
B″に示すものとして、エンジンの中・高速回転時にお
けるバルブ1および2のリフトを変更してもよい。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案に係る4サイクルエンジンの
動弁装置によれば、オーバヘッドカム(OHC)方式が採
用され、回動可能に支持されたロッカシャフトにエキセ
ントリック大径部が形成され、高速用ロッカアームがこ
のエキセントリック大径部に嵌挿されると共に、低速用
ロッカアームが高速用ロッカアームの側方に配置されて
直接ロッカシャフトに嵌挿されたことから、ロッカシャ
フトの回動による上記カムの選択によって、広い回転数
域に亘りエンジン出力を向上させることができる。
さらに、カムチェーン室の上部にロッカシャフト回転
駆動用のアクチュエータを配置し、このアクチュエータ
により進退駆動させるラックを吸気用および排気用ロッ
カシャフトのカムチェーン室側端部に設けられたピニオ
ンに上方から噛合させたから、アクチュエータはカムチ
ェーン室のデッドスペースを利用して配置でき、このア
クチュエータで並設された各気筒の吸気用および排気用
ロッカシャフトをそれぞれ回転駆動させることができ、
各気筒の吸気用および排気用ロッカシャフトを回転駆動
させるために個別に独立したアクチュエータを必要とせ
ず、アクチュエータの数を減少させることができるので
配置構造を簡素化でき、組立コストの軽減が図れる。
また、アクチュエータにより駆動されるラックがロッ
カシャフトのピニオンに上方から噛み合うように構成さ
れたので、シリンダヘッドにロッカシャフト、ロッカア
ームおよびバルブ等を完全に組み付けた後、しかもロッ
カシャフトをスライドさせることなく、ラックおよびロ
ッカシャフト回転駆動用アクチュエータをシリンダヘッ
ドに容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2図のI−I線に沿う断面図、第2図はこの
考案に係る4サイクルエンジンの動弁装置を備えたシリ
ンダヘッドの部分平面図、第3図は第2図のIII-III線
に沿う断面図、第4図はこの考案に係る4サイクルエン
ジンの動弁装置の一実施例を示す斜視図、第5図は第4
図の動弁装置の平面図、第6図および第7図は第4図の
動弁装置の作用を示す動作状態図、第8図は第4図のカ
ムのカムプロフィールを示す図、第9図および第10図は
第8図に示すカムプロフィールのそれぞれの変形例を示
す図である。 1,2……バルブ、3……低速用カム、4,5……中高速用カ
ム、6……カムシャフト、7……低速用ロッカアーム、
8,9……中高速用ロッカアーム、11……ロッカシャフ
ト、12,13……偏心ブッシュ、15……油圧アクチュエー
タ、16……ラック、17……ピニオン、21……シリンダヘ
ッド、A……低速用カムのカムプロフィール、B……中
高速用カムのカムプロフィール。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2つの気筒を並設し、並設され
    た各気筒上方の一側に吸気用のカムシャフトおよびロッ
    カシャフトを、他側に排気用のカムシャフトおよびロッ
    カシャフトをそれぞれ配設し、前記両気筒間におけるカ
    ムチェーン室上部にロッカシャフト回転駆動用のアクチ
    ュエータを配設し、前記各気筒の吸気用および排気用ロ
    ッカシャフトのカムチェーン室側端部にピニオンをそれ
    ぞれ設け、各ピニオンに前記アクチュエータにより進退
    自在に駆動されるラックを上方からそれぞれ噛合させる
    一方、前記ロッカシャフトはエキセントリック大径部を
    備えて回動可能に支持され、上記ロッカシャフトに低速
    用ロッカアームを直接嵌挿させるとともに、低速用ロッ
    カアームの側方に配置される高速用ロッカアームをロッ
    カシャフトのエキセントリック大径部に嵌挿させたこと
    を特徴とする4サイクルエンジンの動弁装置。
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