JP2864399B2 - 4サイクルエンジンの動弁装置 - Google Patents

4サイクルエンジンの動弁装置

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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、運転状況に応じて吸・排気バルブのリフ
ト量や開弁時期等を変化させることができる4サイクル
エンジンの動弁装置に係り、特にカムにより駆動されず
浮動状態にあるロッカアームとカムとの間に生ずるおそ
れのある打音の発生を防止した4サイクルエンジンの動
弁装置に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車および自動二輪車等の車両に搭載され
る4サイクルエンジンでは、燃焼室上方に吸・排気バル
ブが配設されており、これらのバルブは動弁装置によっ
て駆動される。すなわち、上記動弁装置は、エンジンの
クランクシャフトに連動するカムシャフトを備え、この
カムシャフトに形成されたカムによって上記吸・排気バ
ルブを所定のタイミングで上下動させている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記4サイクルエンジンは、低回転数域か
ら中・高回転数域にかけての広い回転数域内で高い出力
が得られること、つまりパワーバンドが広帯域であるこ
とが望ましい。
しかし、従来の動弁装置では、バルブの開閉タイミン
グおよびリフト量が固定されているため、特定のエンジ
ン回転数域でピーク値を有する出力特性しか得られず、
したがって低回転数域の出力特性に重点を置くか、もし
くは中・高回転数域の出力特性に重点を置くかの選択を
余儀なくされる。
この発明は、上述の事情を考慮してなされたものであ
り、広い回転数域内で出力を向上させることができると
共に、ロッカアームを駆動しないカムと、カムにより駆
動されず浮動状態にあるロッカアームとの間に生ずるお
それのある打音の発生を防止できる4サイクルエンジン
の動弁装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は、回転可能に支持されるとともにエキセン
トリック大径部が形成されたロッカシャフトと、このロ
ッカシャフトに直接嵌挿されて分岐先端部が形成された
第1のロッカアームと、この第1のロッカアームの両側
に配置されて上記エキセントリック大径部に嵌挿された
第2および第3のロッカアームと、上記第1、第2およ
び第3のロッカアームをそれぞれ駆動する第1、第2お
よび第3のカムと、を有し、上記第2および第3のロッ
カアームの先端部と上記第1のロッカアームの分岐先端
部とが上下に重ね合されるとともに、上記第2および第
3のカムが同じカムプロフィールに形成され、上記第1
のカムのカムプロフィールが上記カムプロフィールと異
なって形成され、また、上記第1のロッカアームの支持
部と上記第2および第3のロッカアームの支持部との一
方に遊び調整用スクリューが設けられ、他方にスクリュ
ー受け部が形成され、上記遊び調整用スクリューの先端
と上記スクリュー受け部とのクリアランスが調整可能に
構成されたことを特徴とするものである。
(作用) したがって、この発明に係る4サイクルエンジンの動
弁装置によれば、ロッカシャフトを所定角度回転させて
エキセントリック大径部を回転させることにより、上記
第2および第3ロッカアームのカムフロア面を第1ロッ
カアームのカムフロア面に対し上下方向に相対的に位置
変化させる。第1および第3ロッカアームのカムフロア
面を第1ロッカアームのカムフロア面に対し下方へ位置
変化させたときには、第2および第3ロッカアームと第
2および第3カムとの当接が解除され第1ロッカアーム
と第1カムとが当接して、4サイクルエンジンのバルブ
はこの第1カムにより駆動する。
また、第2および第3ロッカアームのカムフロア面を
第1ロッカアームのカムフロア面に対しほぼ上方へまた
は同一位置に位置変化させたときには、第1ロッカアー
ムと第1カムとの当接が解除され、第2および第3ロッ
カアームと第2および第3カムとがそれぞれ当接して、
4サイクルエンジンのバルブはこの第2および第3のカ
ムにより作動する。このようにロッカシャフトを回動さ
せることによるカムの選択によって、広い回転数域に亘
りエンジン出力を向上させることができる。
さらに、遊び調整用スクリューの先端とスクリュー受
け部とのクリアランスが調整可能に構成されたので、こ
のクリアランスの調整により、カムに駆動されずに浮動
状態にあるロッカアームをカムに駆動されているロッカ
アームの運動に同調させることができる。これ故、ロッ
カアームを駆動していないカムと、カムにより駆動され
ず浮動状態にあるロッカアームとの間に生ずるおそれの
ある打音の発生を防止することができる。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
第3図は、この発明に係る4サイクルエンジンの動弁
装置の一実施例を示す斜視図、第1図および第2図は第
3図の動弁装置を示すそれぞれ側面図および平面図、第
4図および第5図は第3図の動弁装置の作用を示す動作
状態図である。
この動弁装置は、エンジンの1つのシリンダにおける
吸気側と排気側にそれぞれ配設される。したがって、第
1図〜第5図に示すバルブ1,2は吸気または排気を行な
うために配置されている。
この一実施例は、第1カムとしての低速用カム3、並
びにこの低速用カム3の一側方および他側方にそれぞれ
配置された第2カムとしての中高速用カム4および第3
カムとしての同じく中高速用カム5を有したカムシャフ
ト6(第1図、第4図、第5図)と、カム3,4および5
のそれぞれの下方に位置された第1ロッカアームとして
の低速用ロッカアーム7、第2ロッカアームとしての中
高速用ロッカアーム8および第3ロッカアームとしての
同じく中高速用ロッカアーム9と、これらのロッカアー
ム7,8および9の支持部7a,8aおよび9aが嵌挿され、かつ
図示しない軸受部によって回動自在に支承されたロッカ
シャフト11と、を備えて構成される。
低速用ロッカアーム7の先端は2方に分岐し、これら
の両分岐先端部7bは、図示しないエンジンの燃焼室を開
閉する上記バルブ1および2のステム頭部にそれぞれ当
接している。また、低速用ロッカアーム7の支持部7a
は、ロッカシャフト11に直接嵌挿されて、回動可能に設
けられる。
中高速用ロッカアーム8の支持部8aは、ロッカシャフ
ト11よりも大径の偏心ブッシュ12を介して、ロッカシャ
フト11に対し回動可能に嵌挿される。この偏心ブッシュ
12は、第4図および第1図に示す如く、軸心P,P′がロ
ッカシャフト11の中心Oから偏心しており、位置決め固
定ピン10によってロッカシャフト11に着脱自在に固定さ
れる。したがって、この偏心ブッシュ12は、ロッカシャ
フト11におけるエキセントリック大径部として機能す
る。
ここで、偏心ブッシュ12の軸心Pは、厚肉頂部12aが
斜め前方へ位置(第1図および第4図)したエンジン低
回転数域における軸心であり、軸心P′は、厚肉頂部12
aが斜め後方に位置(第5図)したエンジン中・高速回
転数域における軸心である。
また、第2図に示す如く、中高速用ロッカシャフト9
の支持部9aも、上記偏心ブッシュ12と同一の形状を有し
かつ同一方法に偏心する偏心ブッシュ13を介して、ロッ
カシャフト11に対し回動可能に嵌挿される。この偏心ブ
ッシュ13も位置決め固定ピン10によりロッカシャフト11
に着脱自在に固定され、エキセントリック大径部として
機能する。
さらに、中高速用ロッカアーム8および9の各先端部
8aおよび9aの下面は、低速用ロッカアーム7の一方およ
び他方の分岐先端部7bに、シャム14aを介してそれぞれ
当接される。これらの低速用ロッカアーム7の分岐先端
部7bと中高速用ロッカアーム8および9の先端部8bおよ
び9bとの接触点は、バルブ1および2の略軸線上に設定
される。
したがって、第4図に示すように、低速用カム3が低
速用ロッカアーム7のカムフロア面7cを押下して、その
各分岐先端部7bを下降させた場合、ロッカアーム8およ
び9の各先端部8bおよび9bは、重力によりこの分岐先端
部7bに追従して下降する。一方、第5図に示すように中
高速用カム4および5が中高速用ロッカアーム8および
9のカムフロア面8cおよび9cをそれぞれ押下した場合に
は、これらのロッカアーム8および9の先端部8bおよび
9bが低速用ロッカアーム7の各分岐先端部7bを押下する
ことから、この分岐先端部7bが強制的に下降される。
なお、上記シム14aは、縦断面T字形状のシムであ
り、低速用ロッカアーム7の両分岐先端部7bに上方から
嵌装される。また、バルブ1および2のバルブステム頭
部に有蓋円筒形状のシム14bが被冠され、このシム14b
に、低速用ロッカアーム7の分岐先端部7b下面が当接す
る。これらのシム14aおよび14bは、バルブ1および2の
タペットクリアランス調整用に用いられる。
また、前記カム3,4および5のうち、中高速用カム4
および5は同一のカムプロフィールを有し、また低速用
カム3はこれらの中高速用カム4および5のカムプロフ
ィールとは異なるカムプロフィールを有する。つまり、
低速用カム3は、エンジンが低回転数域で運転されてい
るときに適したバルブリフト量および開閉弁時期が得ら
れるようにそのカムプロフィールが設定される。また、
中高速用カム4および5は、エンジンが中・高回転数域
で運転されているときに適したバルブリフト量および開
閉弁時期が得られるようにそのカムプロフィールが設定
される。
上記バルブリフト量は、バルブ1および2のストロー
ク長であり、カムリフト量と一致する。第6図には、低
速用カム3のカムプロフィールを実線A(カムリフト量
la)で示し、また中高速用カム4および5のカムプロフ
ィールを破線B(カムリフト量lb)で示している。この
第6図から明らかなように、中高速用カム4および5
は、低速用カム3よりも大きなバルブリフト量が得られ
るようにそのカムプロフィールが設定されている。
なお、第6図の二点鎖線Cは、ロッカシャフト11を回
動して偏心ブッシュ12および13の厚肉頂部12aおよび13a
を斜め前方へ位置させたとき(第4図)の中高速用カム
4および5におけるカムプロフィールを示す。
ところで、第3図に示すように、ロッカシャフト11の
回動は、エンジンからの油圧によって作動する油圧シリ
ンダ15によってなされる。この油圧シリンダ15のピスト
ン(図示せず)にラック16が連結され、このラック16
が、ロッカシャフト11の一端部に形成されたピニオン17
に噛み合される。また、油圧シリンダ15には、低速用油
圧ポート18および高速用油圧ポート19がそれぞれ設けら
れ、それぞれのポート18,19に選択的にエンジンからの
油圧が導かれる。
エンジン回転数が低回転数域にあるときには、低速用
油圧ポート18へ油圧が供給され、ラック16は引き戻さ
れ、ピニオン17は矢印M方向に回転されて、偏心ブッシ
ュ12および13は第1図および第4図に示すように、その
厚肉頂部12aおよび13aが斜め前方へ位置するよう回動す
る。また、エンジン回転数が中・高回転域にあるときに
は、中高速用油圧ポート19へ油圧が供給されて、ラック
16は押し出され、ピニオン17は矢印N方向へ回動され
て、偏心ブッシュ12および13は第5図に示すように、そ
の厚肉頂部12aおよび13aが斜め後方へ位置するよう回動
する。
このように、ロッカシャフト11は、油圧シリンダ等1
5,16,17の作動により、偏心ブッシュ12,13の厚肉頂部12
aおよび13aが常時ロッカシャフト11の上半側で斜め前方
から斜め後方の範囲を回動するように構成される。
さて、第1図および第2図に示すように、前述の低速
用ロッカアーム7の支持部7aには、スクリュー受け部20
が一体に成形される。このスクリュー受け部20は、支持
部7aに対し分岐先端部7bと反対方向へ延び、その幅は支
持部7aと略同一である。
一方、中高速用ロッカアーム8および9の支持部8aお
よび9aには、アジャストアーム21および22がそれぞれ一
体に成形される。これらのアジャストアーム21および22
は、支持部8aおよび9aに対し先端部8aおよび9bと反対方
向へ延び、途中でスクリュー受け部20の方向へ屈曲して
形成される。これらのアジャストアーム21および22のそ
れぞれの先端部に、遊び調整用スクリューとしてのアジ
ャストスクリュー23および24が螺装され、このアジャス
トスクリュー23および24にロックナット25および26がそ
れぞれ螺合される。
ロックナット25および26を緩め、アジャストスクリュ
ー23および24を進退させることにより、ロックナット25
および26の先端部とスクリュー受け部20とのクリアラン
スが調整可能に設けられる。エンジン低回転数域にある
とき、中高速用ロッカアーム8および9が中高速用カム
4および5にそれぞれ当接せず浮動状態となるが、低速
用ロッカアーム7のスクリュー受け部20の上面がアジャ
ストスクリュー23および24の先端部に当接することによ
り、中高速用ロッカアーム8および9の先端部8bおよび
9bが低速用ロッカアーム7の分岐先端部7b側へ回動し
て、中高速用ロッカアーム8および9は低速用ロッカア
ーム7の運動と同調する。このようにして、中高速用ロ
ッカアーム8および9と中高速用カム4および5との間
の打音の発生が防止される。
上記アジャストスクリュー23および24とスクリュー受
け部20とのクリアランスtは、偏心ブッシュ12および13
の厚肉頂部12aおよび13aが斜め前方にあるとき(エンジ
ン低回転数域)には、打音の許容量によっても異なるが
略タペットクリアランス程度である。
また、厚肉頂部12aおよび13aが斜め後方にあるとき
(エンジン中・高回転数域)、あるいは厚肉頂部12aお
よび13aが斜め前方から後方へ変化するときには、上記
タペットクリアランス程度のクリアランス以上のクリア
ランスが確保されるよう、アジャストスクリュー23およ
び24の設置位置、アジャストスクリュー23および24のロ
ッカシャフト11からの距離、あるいはアジャストアーム
21および22の取付角度等が設計される。例えば、ロッカ
シャフト11の中心Oを通る水平線を基準線l、偏心ブッ
シュ12および13の軸心PおよびP′を結ぶ直線をkと
し、これらの基準線lおよび直線kの成す角α1、シム1
4b上面と基準線lとの成す角(バルブ取付角)α2、ア
ジャストアーム21および22と基準線lとの成す角α3
スクリュー受け部20と基準線lとの成す角α4とする
と、 α1≒α2≒α3≒α4−(5°〜15°) となるよう設計される。このような設計により、厚肉頂
部12aおよび13aが斜め後方にあるときあるいは斜め前方
から後方へ変化したときに、アジャストスクリュー25お
よび26並びにスクリュー受け部20によって、その状態あ
るいはその変化が阻害されることがない。
次に、作用を説明する。
エンジンが低回転数域にあるときに、油圧シリンダ15
の作動によってロッカシャフト11が矢印M方向に回動す
ると、偏心ブッシュ12および13のそれぞれの厚肉頂部12
aおよび13aが斜め前方に位置する(第4図)。これによ
り、中高速用ロッカアーム8および9のカムフロア面8c
および9cが低速用ロッカアーム7のカムフロア面7cに対
し相対的に下方へ移動する。したがって、中高速用カム
4および5の周面と中高速用ロッカアーム8および9の
カムフロア面8cおよび9cとの間に隙間が形成されること
になり、その結果、中高速用カム4および5は空転す
る。
また、このとき、低速用ロッカアーム7は、バルブス
プリング27の付勢力によってロッカシャフト11の軸心を
中心として常時上方へ押し上げられているので、そのカ
ムフロア面7cが低速用カム3の周面と当接する。したが
って、カムシャフト6が回転すると、バルブ1および2
は第6図に示した低速用カム3のリフト特性Aに基づい
て上下動する。つまり、バルブ1および2は、低エンジ
ン回転数域に適したバルブのリフト量を確保しつつ、燃
焼室を開閉する。
一方、エンジンが中・高回転域にあるときに、油圧シ
リンダ15の作動によってロッカシャフト11が矢印N方向
に回転すると、偏心ブッシュ12および13のそれぞれ厚肉
頂部12aおよび13aが斜め後方に位置する(第5図)。こ
れにより、中高速用ロッカアーム8および9のカムフロ
ア面8cおよび9cが低速用ロッカアーム7のカムフロア面
7cに対して相対的に略上方または同一位置まで移動し、
このカムフロア面8cおよび9cがそれぞれ中高速用カム4
および5の周面に当接する。
ここで、第6図に示したように、中高速用カム4およ
び5は低速用カム3よりもカムリフト量が大きく形成さ
れているので、第5図に示す状態下でカムシャフト6が
回転された場合、低速用カム3は空転し、一方、中高速
用カム4および5がそれぞれ中高速用ロッカアーム8お
よび9を介して、第6図のリフト特性Bに基づきバルブ
1および2を駆動する。この結果、バルブ1および2
は、エンジンの中・高回転数域に適したバルブリフト量
を確保しつつ、燃焼室を開閉する。
上記実施例によれば、低速用カム3にエンジンの低回
転数域に適したカムプロフィールが形成され、中高速用
カム4および5にエンジンの中・高回転数域に適したカ
ムプロフィールが形成され、さらにロッカシャフト11の
偏心ブッシュ12および13に中高速用ロッカアーム8およ
び9をそれぞれ回動自在に嵌挿し、ロッカシャフト11に
直接低速用ロッカアーム7を嵌挿して、ロッカシャフト
11の回動により、低速用カム3と低速用ロッカアーム7
との当接、中高速用カム4および5と中高速用ロッカア
ーム8および9とのそれぞれの当接を選択できるので、
バルブ1および2を低速用カム3あるいは中高速用カム
4,5にて選択的に駆動させることができる。したがっ
て、エンジンの低回転数域から中・高回転数域にかけて
の広い回転数域で、4サイクルエンジンの出力を向上さ
せることができる。
また、低速用カム3、中高速用カム4および5の選択
を偏心ブッシュ12および13の回動によって行なっている
ので、カム3,4,5の選択時に各部に大きなストレスが生
ずることがない。このため、カム3,4,5をスムーズに選
択することができる。
さらに、中高速用ロッカアーム8および9のそれぞれ
のアジャストアーム21および22にアジャストスクリュー
23および24が取り付けられ、また低速用ロッカアーム7
にスクリュー受け部20が形成され、これらアジャストス
クリュー23および24とスクリュー受け部20とのクリアラ
ンスが調整可能に設けられたので、エンジン低回転数域
でアジャストスクリュー23および24がスクリュー受け部
20と当接し、中高速用ロッカアーム8および9を低速用
ロッカアーム7の運動に同調させることができる。この
結果、エンジン低回転数域における中高速用ロッカアー
ム8および9と中高速用カム4および5との打音の発生
を防止できる。
また、エンジン低回転数域における中高速用ロッカア
ーム8および9と中高速用カム4および5との打音が防
止されることから、これら中高速用ロッカアーム8およ
び9並びに中高速用カム4および5への衝撃も低減し
て、これら中高速用ロッカアーム8および9と中高速用
カム4および5との耐久性を向上させることもできる。
第9図および第10図は、この発明に係る4サイクルエ
ンジンの動弁装置の他の実施例を示す平面図および側面
図である。この他の実施例において、前記一実施例と同
様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
中高速用ロッカアーム8および9の支持部8aおよび9a
には、アジャストアーム31および32が一体に成形され
る。これらのアジャストアーム31および32は、支持部8a
および9aに対し、先端部8bおよび9bと反対方向に直線に
延びて成形される。これらのアジャストアーム31および
32にアジャストスクリュー23および24がそれぞれ螺装さ
れる。一方、低速用ロッカアーム7の支持部7aには、ス
クリュー受け部30が一体成形される。このスクリュー受
け部30は、支持部7aに対して分岐先端部7bと反対方向に
延び、その先端両側に当接部33が形成される。この当接
部33は、アジャストスクリュー23および24の直下位置ま
で延びる。
したがって、この実施例においても、アジャストスク
リュー23および24とスクリュー受け部30の当接部33との
クリアランスを調整できるので、エンジン低回転数域に
おける中高速用ロッカアーム8および9を低速用ロッカ
アーム7の運動に同調させることができる。この結果、
中高速用ロッカアーム8および9の浮動状態(遊び)を
防止でき、中高速用ロッカアーム8および9と中高速用
カム4および5との打音の発生を防止できると共に、こ
れら中高速用ロッカアーム8および9と中高速用カム4
および5との耐久性も向上させることができる。
さらに、アジャストアーム31および32が直線状に延び
るだけなので、中高速用ロッカアーム8および9の慣性
重量を前記一実施例に比べ低減できる。この結果、エン
ジンの限界回転数を向上させることができる。
なお、上記両実施例では、中高速用カム4および5の
カプロフィールが第6図の破線Bに示すものである場合
につき述べたが、この中高速用カム4および5のカムプ
ロフィールを第7図の破線B′あるいは第8図の破線
B″に示すものとして、エンジンの中・高回転時におけ
るバルブ1および2のリフトを変更してもよい。
また、上記実施例では、ロッカシャフト11の回転駆動
源として油圧シリンダ15を用いる場合につき説明した
が、この回転駆動源としてモータを用い、プーリおよび
ベルト等の動力伝達手段によってロッカシャフト11を回
転駆動させるようにしてもよい。
さらに、上記両実施例では、低速用ロッカアーム7の
支持部7aにスクリュー受け部20,30が形成され、中高速
用ロッカアーム8および9の支持部8aおよび9aにアジャ
ストアーム21および22、31および32がそれぞれ形成され
る場合につき述べたが、低速用ロッカアーム7の支持部
7aにアジャストアーム21および22あるいは31および32が
形成され、中高速用ロッカアーム8および9の支持部8a
および9aにスクリュー受け部20,30がそれぞれ形成され
て、アジャストスクリュー23および24の先端がスクリュ
ー受け部20,30の下面に当接するように構成されてもよ
い。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明に係る4サイクルエンジンの
動弁装置によれば、回動可能に支持されたロッカシャフ
トにエキセントリック大径部が形成され、第2および第
3ロッカアームがこのエキセントリック大径部に嵌挿さ
れると共に、第1ロッカアームが第2および第3ロッカ
アームの間に配置されて直接ロッカシャフトに嵌挿され
たことから、ロッカシャフトの回動による上記カムの選
択によって、広い回転数域に亘りエンジン出力を向上さ
せることができる。
また、上記第1のロッカアームの支持部と上記第2お
よび第3のロッカアームの支持部との一方に遊び調整用
スクリューが設けられ、他方にスクリュー受け部が形成
され、これら遊び調整用スクリューの先端とスクリュー
受け部とのクリアランスが調整可能に構成されたことか
ら、カムに駆動されず浮動状態にあるロッカアームをカ
ムに駆動されているロッカアームの運動に同調させるこ
とができるので、この浮動状態にあるロッカアームと、
ロッカアームを駆動しないカムとの間に生ずるおそれの
ある打音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第3図の動弁装置を示す側面図、第2図は第3
図の動弁装置を示す平面図、第3図はこの発明に係る4
サイクルエンジンの動弁装置の一実施例を示す斜視図、
第4図および第5図は第3図の動弁装置の作用を示す動
作状態図、第6図は第3図のカムのカムプロフィールを
示す図、第7図および第8図は第6図に示すカムプロフ
ィールのそれぞれの変形例を示す図、第9図および第10
図は4サイクルエンジンの動弁装置の他の実施例をそれ
ぞれ示す平面図および側面図である。 1,2……バルブ、3……低速用カム、4,5……中高速用カ
ム、7……低速用ロッカアーム、7a……低速用ロッカア
ームの支持部、7b……低速用ロッカアームの分岐先端
部、8,9……中高速用ロッカアーム、8a,9a……中高速用
ロッカアームの支持部、8b,9b……中高速用ロッカアー
ムの先端部、11……ロッカシャフト、12,13……偏心ブ
ッシュ、20……スクリュー受け部、23,24……アジャス
トスクリュー、A……低速用カムのカムプロフィール、
B……中高速用カムのカムプロフィール、t……クリア
ランス。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能に支持されるとともにエキセント
    リック大径部が形成されたロッカシャフトと、このロッ
    カシャフトに直接嵌挿されて分岐先端部が形成された第
    1のロッカアームと、この第1のロッカアームの両側に
    配置されて上記エキセントリック大径部に嵌挿された第
    2および第3のロッカアームと、上記第1、第2および
    第3のロッカアームをそれぞれ駆動する第1、第2およ
    び第3のカムと、を有し、上記第2および第3のロッカ
    アームの先端部と上記第1のロッカアームの分岐先端部
    とが上下に重ね合されるとともに、上記第2および第3
    のカムが同じカムプロフィールに形成され、上記第1の
    カムのカムプロフィールが上記カムプロフィールと異な
    って形成され、また、上記第1のロッカアームの支持部
    と上記第2および第3のロッカアームの支持部との一方
    に遊び調整用スクリューが設けられ、他方にスクリュー
    受け部が形成され、上記遊び調整用スクリューの先端と
    上記スクリュー受け部とのクリアランスが調整可能に構
    成されたことを特徴とする4サイクルエンジンの動弁装
    置。
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