JP3082108B2 - 電動式パチンコ機の打球装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、モータの回転駆動によ
り打球を自動弾発する電動式パチンコ機の打球装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電動式パチンコ機の打球装置とし
ては、図８及び図９に示すように打球杆１０１に交互に
磁極が配列された環状の永久磁石１０２を固着すると共
に、モータ１０３の出力軸１０４に前記永久磁石１０２
と同じ構成の環状の永久磁石１０５を相対するように固
着し、モータ１０３の回転に伴なう両永久磁石１０２，
１０５の吸引反発作用によって打球杆１０１を往復回動
して発射位置１０６の打球を弾発するようにしたものが
知られている（例えば特開昭６３−１６４９７８号公報
参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のパチンコ機の打
球装置にあっては、図９に示すように打球杆１０１に環
状の永久磁石１０２を直接に固着するようにしているた
め、どうしても特殊構造の打球杆１０１が必要とされ、
一般に使用されている量産タイプの打球杆に比べて著る
しくコスト高になるという問題点があった。また、打球
杆１０１の側面にモータ１０３が位置しているため、打
球杆１０１を交換する場合にはモータ１０３を取外さな
ければならずその作業が非常に面倒であり、しかも、す
べての構成部品が前面枠の裏面に取付けられる取付プー
レト１０７の後面側に配設されているため、これらの構
成部品がパチンコ機の後方に突出して輸送時域いはアウ
ト球タンクの設置時に邪魔になるという種々の問題点が
あった。本発明は、従来技術の有するこのような問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、一般に使用されている量産タイプの打球杆の使用を
可能にして経済効果を高めると共に、主要構成部品を取
付プレートの前面側に集約設置するようにしてパチンコ
機の裏構造を簡素化し得るような電動式パチンコ機の打
球装置を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電動式パチンコ機の打球装置は、前面枠の
裏面に取付けられる取付プレートに支持板を一体に形成
した支軸を回転自在に軸支すると共に、該支軸の取付プ
レートの後面に突出する部分に打球杆を固着し、前記取
付プレートの前面に位置する支持板に複数の磁極が交互
に配列された環状の永久磁石を固着すると共に、前記永
久磁石に相対向するように同形状の永久磁石を固着した
回転体を支軸に回転自在に装着して両永久磁石の間に磁
力調節用のシールド板を進退自在に介在させ、一方、取
付プレートの前面に打球杆の回動範囲を規制するストッ
パ部材と回転体を回転させるモータを設けると共に、前
面枠の前面に設けられた操作ハンドルの回動操作により
前記シールド板を進退させるように該操作ハンドルの回
動軸とシールド板とを連係させるようにしたものであ
る。

【０００５】

【作用】モータの駆動によって回転体が支軸を中心とし
て回転し、該回転体に固着した永久磁石と支軸と一体の
支持板に固着した永久磁石との吸引作用によって打球杆
が回転体と共に後方に回動される。そして、打球杆はス
トッパ部材に当接してその回動が阻止されると共に、両
永久磁石の反発力で急激に前方（弾発方向）に回動し発
射位置の打球を弾発する。また、操作ハンドルを回転す
る度合でシールド板が進退して両永久磁石間の磁力が加
減され、それによって打球杆の弾発力を自由に調節する
ことができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。図１は本発明に係わる打球装置を後面側から見た斜
視図、図２は同じく前面側から見た斜視図、図３はその
分解斜視図である。この打球装置は、パチンコ機の前面
枠ａ（図６参照）の裏面下方部に固着される取付プレー
ト１を備える。この取付プレート１の前面には、ケース
体２が固着される。ケース体２は、皿状本体３と蓋体４
とからなり、該皿状本体３と蓋体４のそれぞれほぼ中央
部に形成された円筒部５，６にベアリング７，８を介し
て支軸９を回転自在に設けている。なお、前記ベアリン
グ７は、支軸９に装着した状態でカップリング１７を介
して円筒部５に支持される。また、ケース体２は、皿状
本体３の外側裏面に形成した円形隆起部１０を取付プレ
ート１の円形孔１１に臨ませることにより正しい取付け
位置が選ばれる。

【０００７】前記支軸９は、長さのほぼ中間に円形状の
支持板１２が一体に形成されている。また、支軸１２の
後端部分を取付プレート１の前面側に突出させている。
そして、その突出部分に形成された角柱部１３に打球杆
１４の角孔１５を嵌合し、ナット１６の締付けにより該
打球杆１４を支軸９に固着している。

【０００８】前記支軸９に形成された支持板１２の前面
には、複数の磁極が交互に配列された環状の永久磁石１
８を固着している。前記支持板１２と永久磁石１８と
は、支持板１２に平らな切削面を有する台座１９を形成
し、永久磁石１８の中心孔２０を台座１９に一致する形
状に形成して該中心孔２０を台座１９に嵌合させること
により回り止めを施こし、常に支軸９と永久磁石１８と
が一体となって回転するようにしている。

【０００９】また、前記支軸９の前端部分には、外周に
凹凸を周設した歯車状の回転体２１をベアリング２２を
介して回転自在に装着している。また、回転体２１の側
面には、前記永久磁石１８と所定の間隔を保って相対向
するように同形状の永久磁石２３を固着している。前記
回転体２１と永久磁石２３とは、回転体２１に平らな切
削面を有する台座２４を形成し、永久磁石２３の中心孔
２５を台座２４に一致する形状に形成して該中心孔２５
を台座２４に嵌合させることにより回り止めを施こし、
常に回転体２１と永久磁石２３とが一体となって回転す
るようにしている。

【００１０】一方、取付プレート１の後面にはモータ２
６が固着される。該モータ２６のモータ軸２７は、取付
プレート１に形成した透孔２８から前面に突出させてそ
の突出端に原動歯車２９を固着する。原動歯車２９は、
皿状本体３の円筒部５１に回動自在に装着される。そし
て、前記回転体２１と原動歯車２９との間にタイミング
ベルト３０を掛けて連動し、モータ２６の回転により回
転体２１を回転させるようにしている。また、取付プレ
ート１の後面には、打球杆１４の回動範囲を規制するた
めの複数の弾性ストッパ部材３１が設けられている。

【００１１】前記、ケース体２の内部には、前記両永久
磁石１８と２３の間に進退自在に臨ませて磁気吸引力を
調節するシールド板３２が設けられる。このシールド板
３２は、全体形状がほぼ横Ｙ字形に形成され、その直線
状基部が皿状本体３の側部から横方向に腕状に延びる枠
状部３ａに摺動自在に収容される。前記枠状部３ａに
は、長さ方向に沿って開口溝３３が形成されると共に、
シールド板３２を挟持するように前後２枚のガイド板３
４，３４が収められている。また、シールド板３２は、
直線状基部の下側縁にラック歯３５が形成されると共
に、後端にはガイド板３４に形成された横長孔３６から
開口溝３３に突出する折曲片３７が形成されている。そ
して、折曲片３７に枠状部３ａの一端に止着したコイル
ばね３８の他端を係止してシールド板３２を常に前進位
置（図５矢印方向）に付勢するようにしている。また、
枠状部３ａの下部には円筒部３９が形成されており、該
円筒部３９に歯車４０を回転自在に装着して該歯車４０
と前記シールド板３２のラック歯３５とを噛合させてい
る。

【００１２】一方、前面枠ａの前面には操作ハンドル４
１が設けられ、該操作ハンドル４１の握り部に回動自在
に設けられた弾発力調節用のレバー４２の回動軸４３を
前記歯車４０の中心孔４０ａに嵌合して該レバー４２の
回動軸４３と歯車４０とを一体に結合させている。前記
回動軸４３と中心孔４０ａとは例えばＤカットなど回り
止めが施こされている。

【００１３】なお、４４は両永久磁石１８と２３の間に
臨ませた磁力調節用の補助シールド板で、皿状本体３の
側部に形成された箱枠部４５の内部に横方向へ移動自在
に収められている。また、補助シールド板４４には、箱
枠部４５に形成した長溝４６から取付プレート１の後面
に突出するピン４７が一体に設けられており、該ピン４
７をばね４８で上方に付勢された係止部材４９の上面凹
凸部に圧接させて位置調節自在に保持されている。そし
て、取付プレート１の後面において、ピン４７を横方向
へ移動操作することにより両永久磁石１８と２３の磁力
を自由に調節可能としている。

【００１４】次に、以上の構成よりなる本発明の打球装
置の作用について説明する。モータ２６の回転駆動（図
４矢印方向）で原動歯車２９，タイミングベルト３０を
介して回転体２１と共に永久磁石２３が回転する。該永
久磁石２３が回転するとこれの吸引作用で永久磁石１８
も回転し、該永久磁石１８を固着している支持板１２と
一体の支軸９が回転する。これによって、支軸９に固着
した打球杆１４が図４実線位置から同図鎖線位置まで回
動して弾性ストッパ３１に当接し、その回動が阻止され
る。一方、永久磁石２３は回転体と共に回転を続け、該
永久磁石２３と永久磁石１８とが同極で対向したとき、
打球杆１４はその反発力によって急激に前方へ回動して
発射レール５０の打球を弾発する。

【００１５】一方、遊技客が操作ハンドル４１のレバー
４２を図２矢示方向に回動するとその回動軸４３に結合
した歯車４０が図５矢印方向に回転し、該歯車４０にラ
ック歯３５を噛合させたシールド板３２が図５鎖線のよ
うに両永久磁石１８と２３の間を後退する。これによっ
て両永久磁石１８と２３との対向面積が変化して磁力が
強められるもので、レバー４２の回動度合によって打球
の弾発力を自由に調節することができる。なお、操作ハ
ンドル４１は手を放せばコイルばね３８の弾発力で元の
位置に戻る。

【００１６】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明の電動式パ
チンコ機の打球装置は、前面枠の裏面に取付けられる取
付プレートに支軸を回転自在に軸支し、該支軸に打球杆
と両永久磁石を別々に取付けるようにしたものであるか
ら、打球杆は特殊なものを必要とせず、一般の量産タイ
プのものが使用できてコストを軽減することができると
共に、打球杆の交換作業が容易にできる。また、永久磁
石や打球の弾発力を調節するためのシールド板など主要
構成部品を取付プレートの前面側に集約設置するように
したものであるから、これらの構成部品がパチンコ機の
後方に出張るようなことがなくなり、輸送や設置時の作
業が容易となる。さらに、パチンコ機の裏構造が簡素化
されて見た目にも非常にすっきりとした感じを与えるこ
とができるなど種々の有益な利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の打球装置を後面側から見た斜視図。

【図２】同打球装置を前面側から見た斜視図。

【図３】同分解斜視図。

【図４】同正面図。

【図５】同蓋部材を外して示す裏面図。

【図６】図４Ａ−Ａ線断面図。

【図７】図４Ｂ−Ｂ線断面図。

【図８】従来例の斜視図。

【図９】従来例の打球杆の斜視図。

【符号の説明】

ａ 前面枠 １ 取付プレート ９ 支軸 １２ 支持板 １４ 打球杆 １８，２３ 永久磁石 ２１ 回転体 ２６ モータ ３１ ストッパ部材 ３２ シールド板 ４１ 操作ハンドル ４３ 回動軸

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面枠の裏面に取付けられる取付プレー
   トに支持板を一体に形成した支軸を回転自在に軸支する
   と共に、該支軸の取付プレートの後面に突出する部分に
   打球杆を固着し、 前記取付プレートの前面に位置する支持板に複数の磁極
   が交互に配列された環状の永久磁石を固着すると共に、
   前記永久磁石に相対向するように同形状の永久磁石を固
   着した回転体を支軸に回転自在に装着して両永久磁石の
   間に磁力調節用のシールド板を進退自在に介在させ、 一方、取付プレートの前面に打球杆の回動範囲を規制す
   るストッパ部材と回転体を回転させるモータを設けると
   共に、前面枠の前面に設けられた操作ハンドルの回動操
   作により前記シールド板を進退させるように該操作ハン
   ドルの回動軸とシールド板とを連係させてなることを特
   徴とする電動式パチンコ機の打球装置。