JP3080652B2 - 過塩基性スルホン酸マグネシウムの調製 - Google Patents

過塩基性スルホン酸マグネシウムの調製

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、過塩基性スルホン酸マグネシウムの製造方
法及びその方法により調製された過塩基性スルホン酸マ
グネシウムに関する。その方法により調製された過塩基
性スルホン酸マグネシウムは、油系組成物、特に潤滑油
用の添加剤として特に有効であり、また、本発明はこれ
らの過塩基性金属スルホン酸塩を含む油系組成物に関す
る。
油系組成物、例えば、潤滑剤、グリース及び燃料の添
加剤として用いられる過塩基性スルホン酸マグネシウム
は周知である。これらは、清浄剤及び酸中和剤として作
用することにより、摩耗及び腐食を減少させ、エンジン
に使用した場合、エンジンの寿命を延長する。同様の目
的にたいてい用いられる他の過塩基性金属スルホン酸塩
は、過塩基性スルホン酸カルシウムである。
カルシウム及びマグネシウムの過塩基性スルホン酸塩
を製造するために多くの方法が提案されてきており、好
ましい方法は、一般的には、有機溶剤又は希釈剤の存在
下に、油溶性スルホン酸塩及び/又は油溶性スルホン酸
並びに存在する任意の酸と反応するために要する所望の
上記金属の化合物の過剰量の混合液の炭酸化を含んでい
る。過塩基性スルホン酸マグネシウムが一般に対応する
カルシウム化合物より調製が困難であることは既知であ
り、提案されている過塩基性スルホン酸マグネシウムの
調製方法には、種々の特別な方法、例えば、特定の反応
条件の使用及び/又は1種以上の追加物質の炭酸化され
るべき混合液への混合を含んでおり、かかる追加物質と
しては、例えば、水、アルコール及び各種促進剤が挙げ
られている。また、これまでに提案された方法の多く
は、言わばマグネシウムの相対的反応形態、例えば、あ
る最小限度の反応性を有するマグネシウム化合物として
の使用を必要とするものである。
過塩基性スルホン酸マグネシウムの調製において特定
の反応条件又は工程の使用を開示している先行特許の例
としては、多段炭酸化法を開示している米国特許第3 62
9 109号、“軽質”(活性)酸化マグネシウムを含む混
合液を炭酸化する際に、指定された温度条件の使用又は
炭酸化中での追加の水及びアルコールの添加の特許を請
求している米国特許第4 129 589号、“活性化”酸化マ
グネシウムを含む混合液を炭酸化する際に、指定された
温度の使用及び二酸化炭素の割合の特許を請求している
米国特許第4 148 740号、“炭酸化臨界速度”で炭酸化
する特許を請求し、“複雑で予期しえない技術”として
過塩基性添加剤の調製を言及している米国特許第4 192
758号、連続向流法の特許を請求している英国特許第2 1
35 330 A号、C1〜C5アルコール又はC3〜C6ケトンを含む
混合液を炭酸化するための指定された炭酸化温度の使用
及び二酸化炭素の割合の特許を請求している英国特許第
2 036 781 A号がある。
主として、炭酸化されるべき混合液における追加物質
の使用に関する先行特許の例としては、水、アルカノー
ル並びに指定された第1及び第2促進剤の組み合わせを
含む反応混合液の使用の特許を請求している米国特許第
4 617 135号、ヒドロキシ含有化合物及びホウ酸塩及び
2〜8個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビルジア
ミン又はポリアミンを含む促進剤系の使用の特許を請求
している米国特許第3 928 216号、水、低級アルカノー
ル及びナフテン酸を含む反応混合液の使用の特許を請求
している米国特許第3 853 774号、C4〜C6ジケトン及びC
8〜C10カルボン酸を各々含む反応混合液の使用の特許を
請求している英国特許第2 037 801 A号及び同第2 037 3
10 A号、水、アルコール、コハク酸無水物又はその誘導
体を含む第1促進剤並びにナフテン酸及び水溶性カルボ
ン酸より選ばれた共促進剤を含む反応系の使用の特許を
請求している英国特許第2 175 598 A号、水、C3〜C6
トン並びにカルボン酸又はその塩、アミン及びC4〜C6
ケトンからなる群より選ばれた反応促進剤1種以上を含
む反応系の使用の特許を請求している欧州特許第13808A
号、特許を請求した方法が無灰分散剤を含む反応混合液
を使用している欧州特許第323 088 A号及び特許を請求
した方法における反応混合液が水、アルコール、C6〜C
20コハク酸無水物又はその誘導体を含む第1促進剤並び
にナフテン酸及び水溶性カルボン酸より選ばれた共促進
剤を含んでいる米国特許第4 647 387号がある。
具体的なマグネシウム原料の使用を開示している先行
特許には、出発物質としてマグネシウム金属を必要とす
る米国特許第3 150 089号、特許を請求した方法が約200
を超える全塩基価を有するスルホン酸マグネシウムから
出発している米国特許第4 225 446号、約1000℃以下の
か焼温度に相当するかさ密度を有する酸化マグネシウム
(即ち、“軽質”又は“反応性”酸化マグネシウム)の
使用を必要としている米国特許第3 865 737号及び双方
が活性酸化マグネシウムの使用の特許を請求している上
記で言及した米国特許第4 129 589号及び同第4 148 740
号がある。
潤滑油及び燃料のような油系組成物の添加剤として用
いられるべき過塩基性物質が透明な液体であり且つ沈降
物を含まないことは重要である。過塩基性スルホン酸マ
グネシウムの調製方法において炭酸化の終わりに得られ
る生成物は、ある望ましくない物質(通常過塩基性にす
る工程で形成される硬質沈降物及び/又はゼラチン状物
質)を含む。経済的観点から、沈降物を迅速且つ簡単
に、好ましくはろ過により除去することができることは
望ましいことであり、また、除去されるべき沈降物の量
もできるだけ少ないことも望ましいことである。ゼラチ
ン状物質が存在すると、フィルターを塞ぐことによりろ
過を妨害あるいは阻止する傾向がある。ろ過による精製
が可能である場合には、これをできるだけ迅速に行うこ
とが望ましい。多量の沈降物が存在すると、沈降物は通
常ろ過よりもむしろ遠心分離により除去されなければな
らず、少量の沈降物であってもこの工程が大規模に行わ
れる場合にはフィルターを塞ぐ傾向があり、この傾向は
系が過塩基性にする工程で形成されたゼラチン状物質を
含む場合特に顕著である。
炭酸化直後(即ち、沈降物を除去するために遠心分離
又はろ過する前)の反応混合液中の沈降物の割合は、
“後炭酸化沈降物”又は“PCS"として一般に既知であ
り、通常反応混合液の容量に対するPCS容量%として表
される。異種系における沈降物の割合を比較する場合、
同じような系、好ましくはいかなる揮発性物質、例え
ば、水、メタノール及び反応のために混合液中に含まれ
るが最終の過塩基性生成物には必要としない溶媒を含ま
ない“ストリップした”系について、PCS%を算出する
ことが重要である。ある方法においては、これらの揮発
性物質は、沈降物が除去された後までも除去されず、発
表されているPCS%はこのように揮発性物質をなお含ん
でいる反応系の容量に基づいているが、比較のために適
切な計算により揮発性物質を含まない概念的系のPCS%
の数値を得ることが可能である。
油系組成物のための添加剤として用いられるべき過塩
基性物質が相対的に高い塩基度を有することは、これが
最も経済的な金属の使用をもたらすので通常望ましいこ
とである。塩基度は、生成物の全塩基価(TBN)によっ
て表され、TBNは強酸で滴定する場合の生成物1gに等価
な水酸化カリウムのミリグラム数である。ある適用の場
合、ASTM D2896によって測定されるTBNは少なくとも35
0、好ましくは少なくとも400mgKOH/gである。しかしな
がら、高TBNを有する過塩基性物質の製造方法は、しば
しば、低TBNを有する過塩基性物質より炭酸化工程の終
わりに著しく高いレベルの沈降物を生じるか又は相対的
に低いレベルの沈降物が得られるべきである場合には高
レベルの促進剤の使用を必要とする。高レベルの促進剤
の使用は、例えば、経済上の理由で及び/又は促進剤が
中間体又は最終生成物に望ましくない特性を付与するこ
とから一般に好ましくない。従って、例えば、ある場合
には、高レベルの促進剤は相対的にゆっくりとしかろ過
されない高粘度を有する後炭酸化生成物を生じてしま
う。
従来の技術で記載されている過塩基性スルホン酸マグ
ネシウムの調製方法の多くは、実質量の沈降物、主とし
て未反応マグネシウム出発物質の除去を含んでいる。例
えば、米国特許第4 192 758号には、“ほとんどの酸化
物がろ過することが困難な非分散固形物になる”ことが
指摘されている。米国特許第4 617 135号には、その中
に記載されている方法が“極めて少量の後炭酸化沈降
物”を有する過塩基性スルホン酸マグネシウムを製造す
ることを可能にすることが述べられているが、沈降物の
レベルが従来提案されている方法で得られたものと比較
して低いけれども、なお相対的に高いことは明らかであ
る。即ち、この特許には、“本反応により生じたPCS%
は、通常、反応混合液の5.0容量%未満である”ことが
指摘され、引用されている最低値は2%である。更に、
特許第4 617 135号の実施例から、その明細書に記載さ
れているPCS%値が水、メタノール及びナフサのような
揮発性添加剤を取り除くために加熱する前の反応混合液
に基づいていることは明らかである。揮発性物質を含ま
ない系について算出されたPCS%値は、この明細書に引
用されている数値より高くなる。従って、特許第4 617
135号の実施例1に記載されている、例えばPCS%3.8は
揮発性添加剤を含まない系に基づいて算出された場合10
に近く、PCS%2は同一基準で算出された場合5に近
い。
主として耐水性が高い過塩基性スルホン酸マグネシウ
ムに関し、Cumminsテストを通過させるスルホネート後
形成耐水性の添加剤の存在によらない英国特許第2 175
598 A号には、“最小後炭酸化沈降物”の維持に通過す
ることに言及されているが、記載されている最小PCS%
は2(実施例1)であり、残りの実施例には5.4(n−
オクテニルコハク酸無水物を促進剤として用いた場合)
〜8.8のPCS%値が記載されている。(実施例のすぐ前の
方法の説明から記載されているPCS%値がスリッピング
前の数値であると思われる。)スリッピング後かなり低
レベルの沈降物を含み且つ迅速ろ過により精製すること
ができる生成物を得ることを可能にする方法の教示はな
い。
米国特許第3 865 737号では、沈降物がB.S.& W.テス
トで測定され、ml.ppt./100g生成物として記載されてお
り、B.S.& W.値が遠心分離及びろ過により改良するこ
とができるので、10%までのB.S.& W.値を有する物質
が商品として用いることができることが述べられてい
る。記載されているB.S.& W.最小値は0.6%であるが、
これは酢酸塩基価320を有する生成物の場合のみであ
る。上記のように、高TBNを有する物質の製造方法は、
かなり高レベルの沈降物を生じることが予想される。
過塩基性スルホン酸マグネシウムを調製するために従
来数多く提案されたにもかかわらず、上記で論じた特許
に開示されている方法は選択だけであり、そのような物
質、特に、相対的に低レベルの後炭酸化沈降物が得られ
(好ましくは高レベルの促進剤を使用する必要のない)
且つ沈降物含有反応生成物の相対的に迅速なろ過が可能
である相対的に高TBNを有する過塩基性スルホン酸マグ
ネシウムを調製するのに適切な方法の要求が依然として
残っている。
驚くべきことに、出願人は、他成分の中で、水及び水
溶性アルコールを、水の一部及びアルコールの少なくと
も一部を炭酸化中に混合液に導入することを組み合わせ
て含む反応系において、マグネシウム原料として相対的
に反応性の低い酸化マグネシウムの使用が、揮発性物質
を含まない反応系に対して極めて低いPCS%、典型的に
は、2%未満、ある場合には、1%未満を有する高TBN
を有する過塩基性スルホン酸マグネシウムを得ることを
可能にし且つ大規模に適用する際、典型的には、少なく
とも150、好ましくは少なくとも200、特に少なくとも25
0kg/m2/時間の速度で相対的に迅速にろ過することがで
き、これらの結果が許容しえない高割合の促進剤を使用
せずに得られることを見出した。また、生成物は相対的
に低粘度を有することができる。本発明に従って極めて
少量の沈降物が得られる事実は、大規模に適用する際、
処分されるべき廃棄物質が少ないので、生態学的観点か
ら有利である。
本発明は、過塩基性スルホン酸マグネシウムの製造方
法であって、 (a)油溶性スルホネート及び/又は油溶性スルホン
酸; (b)(a)と完全に反応させるのに要するものである
としても過剰量の酸化マグネシウム; (c)炭化水素溶媒; (d)水; (e)水溶性アルコール;及び (f)促進剤 を含む混合液を炭酸化することを含み、混合液を調製す
るために用いられる酸化マグネシウムがクエン酸価(下
記で定義される)200秒以上及びBET一点法により測定さ
れた表面積12m2/g未満を有し、酸化マグネシウムの少な
くとも92容量%の粒子サイズが2μm以上であり、水の
一部と好ましくは水溶性アルコールの少なくとも一部が
炭酸化中に混合液に導入され、炭酸化前に導入される水
を含むが化学反応によって生成される水を除く混合液に
導入される水の全量が(b)で指定された過剰量のモル
に対して少なくとも0.5モルである方法を提供するもの
である。また、本発明は、過塩基性スルホン酸マグネシ
ウムの製造方法において沈降物を減少させるために上記
で指定したクエン酸価、表面積及び粒子サイズ分布を有
する酸価マグネシウムの使用を提供する。
本発明の方法で用いられるスルホネート又はスルホン
酸は天然でも合成でもよく、合成アルキルアリールスル
ホネート及びスルホン酸が好ましい。本発明が関与する
過塩基性スルホン酸マグネシウムは、コロイド状マグネ
シウム誘導体、例えば、炭酸マグネシウム、酸化マグネ
シウム及び/又は水酸化マグネシウムを分散するために
界面活性剤として使用するスルホン酸マグネシウムの油
状溶液を含む。従って、スルホン酸又はスルホネートが
油溶性であることは重要である。油溶性スルホン酸及び
油溶性スルホネートより選ばれた物質の混合液を用いる
ことができることは当然のことである。
過塩基性スルホン酸マグネシウム中のコロイド状分散
マグネシウム誘導体、例えば炭酸マグネシウム、酸化マ
グネシウム及び/又は水酸化マグネシウムの割合は、生
成物の塩基度を決定する。出発物質として用いられる酸
化マグネシウムは、生成物中所望のTBNを得るのに十分
な量で用いられる。酸化マグネシウムは、スルホン酸の
各当量に対してマグネシウムの当量1〜45、好ましくは
1〜25に対応する総量で用いることが有利である:酸化
マグネシウムを既にスルホン酸マグネシウムを含む系に
添加する場合、スルホン酸マグネシウムに対応するマグ
ネシウム及びスルホン酸の当量は上記数字に含まれる。
場合によっては、酸化マグネシウムの一部は炭酸化中に
反応系に添加される。
上記のように、本発明の重要な特徴は、相対的に低い
反応性を有する酸化マグネシウムを使用することであ
る。また、上記のように、これまでに提案された過塩基
性スルホン酸マグネシウムの製造方法の多くは、“軽
質”、“活性”又は“か焼”酸化マグネシウムとして一
般に知られる相対的に反応性の酸化マグネシウム形態の
使用を明記している。これらの酸化マグネシウム形態
は、相対的に密度が高く、相対的に低い表面積を有し且
つ相対的に化学的に不活性な傾向がある酸化マグネシウ
ムの“重質”又は“硬焼”形態と反対に相対的に低い密
度及び相対的に高い表面積を有する。本発明に従って用
いられる酸化マグネシウムは“軽質”よりむしろ“重
質”であるが、重質酸化マグネシウムすべてが本発明に
従って使用するのに適切なものではない。
上記のように、本発明に従って使用するのに適切な酸
化マグネシウムは、クエン酸価(下記で定義される)20
0秒以上及びBET一点法で測定した表面積12m2/g未満を有
し、酸化マグネシウムの少なくとも92容量%の粒子サイ
ズは2μm以上である。
上記のように、クエン酸価は1リットルの水溶液中1.
7gの酸化マグネシウム、100mlの水及び26gのクエン酸1
水和物及び0.1gのフェノールフタレインを含む100mlの
クエン酸溶液を22℃において中和するのに要する秒時間
である。中和は、ピンク色に変わる混合液によって示さ
れる。本発明に従って用いられる酸化マグネシウムのク
エン酸価は、多くても700秒であることが有利であり、2
00〜600秒、好ましくは400〜500秒の範囲であることが
有利である。
微粒子固形物の表面積を測定するためのBET一点法
は、Journal of Analytical Chemistry,Vol.26,No.4,p.
734−735(1954)−M.J.Katz,An Explicit Function fo
r Specific Surface Areaに記載されている。この方法
により測定される本発明に従って用いられる好ましい酸
化マグネシウム形態の表面積は、10m2/g未満であること
が有利であり、2〜10m2/gであることが好ましい。
本発明に従って用いられる酸化マグネシウムの少なく
とも92容量%の粒子サイズは、2μm以上である。酸化
マグネシウムの少なくとも94容量%が2μm以上の粒子
サイズを有することが有利である。
本発明に従って用いられる酸化マグネシウムは、EDTA
滴定により測定した純度少なくとも95%を有することが
好ましい。EDTA滴定法においては、酸化マグネシウムの
試料を希塩酸に溶解し、この溶液をpH約10に緩衝化し、
次いでエチレンジアミン四酢酸の二ナトリウム塩の溶液
で滴定する。2ナトリウム塩は溶液中でマグネシウムイ
オンと錯体を形成するので、マグネシウムイオンの濃度
は用いられる二ナトリウム塩の量から算出することがで
きる。酸化マグネシウムとして表されるマグネシウムの
質量を最初の試料の質量と比較して純度%を得る。
炭酸化に用いられる炭化水素溶媒は、スルホン酸及び
過塩基性スルホネートが少なくとも部分的に可溶性であ
り、炭酸化中混合液を保持するのに十分な量で用いられ
る溶媒である。溶媒は揮発性で、好ましくは常圧での沸
点150℃以下を有するので、炭酸化の完了後除去される
ことが有利である。適切な炭化水素溶媒の例は、脂肪族
炭化水素、例えば、ヘキサン又はヘプタン及び芳香族炭
化水素、例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレンであ
り、好ましい溶媒はトルエンである。芳香族及び脂肪族
溶媒を用いることができる事実は、一方あるいはもう一
方に制限されているこれまでに提案された方法より有利
である。典型的には、酸化マグネシウムの質量部に対し
て約5質量部の量で用いられる。
炭化水素溶媒も炭酸化混合液も不揮発性希釈油、例え
ば、鉱油を含むことができるが、かかる油の使用は必須
ではない。本発明の方法においては、不揮発性希釈油は
かかる油をスルホン酸出発物質に存在させる場合にのみ
用いることが好ましいが、ある場合には炭酸化の完了後
の希釈油の添加が生成物の取扱を容易にするのに有利で
ある。
混合液に導入される水の全量は、炭酸化前に導入され
た水を含むが化学反応によってその場で生じた水を除い
て、過剰量の酸化マグネシウム(即ち、コロイド状に分
散した塩基的に反応する生成物を形成するために有効な
酸化マグネシウム)のモル当たり少なくとも0.5モル、
有利には1モルである。導入される水の全量は、過塩基
性にする酸化マグネシウムのモル当たり5モルを超え
ず、好ましくは2.5モルを超えないことが有利である。
水の一部は炭酸化中に炭酸化混合液に導入され、一部
は炭酸化の開始前に混合液中に存在させる。導入される
水の全量の10〜90質量%、好ましくは30〜60質量%を炭
酸化の開始前の混合液に存在させ、水の全量の90〜10質
量%、好ましくは70〜40質量%が炭酸化中に添加される
ことが有利である。炭酸化の開始前に存在させる水の割
合の炭酸化中に添加される割合に対する最も適切な比率
は系の至るところで異なり、通常の実験により求めるこ
とができる。水が炭酸化中に混合液に導入される方法
は、下記で詳細に述べられる。
本発明に従って用いられる適切な水溶性アルコールの
例として、低級脂肪族アルカノール、アルコキシアルカ
ノール及びそのような化合物の2種以上の混合液を言及
することができ、最大の炭素原子数は通常多くても5で
ある。適切なアルカノールの例は、メタノール、イソプ
ロパノール、n−プロパノール、ブタノール及びペンタ
ノールである。メタノールが好ましい。適切なアルコキ
シアルカノールの例は、メトキシエタノールである。
上記のように、アルコールの少なくとも一部は炭酸化
中に炭酸化混合液に導入される。導入されるアルコール
の全量(この“全量”はスルホン酸が存在する場合これ
を中和する際に用いられるアルコールを除く)の少なく
とも10質量%、好ましくは40〜70質量%は、炭酸化中に
導入されることが有利である。炭酸化の開始前に存在さ
せるアルコールの割合の炭酸化中に添加される割合に対
する最も適切な比率は系の至るところで異なり、水とア
ルコールの最も適切な相対比率であるように通常の実験
で求めることができる。指標として、水のアルコールに
対する質量比は典型的には10:0.1〜1、特に7:1.5〜1
である。
炭酸化中に反応混合液に導入される水及び/又は炭酸
化中に導入されるアルコールは、好ましくは実質的に一
定速度で実質的に連続的に導入されることが有利であ
る。“実質的に連続的”とは、水及び/又はアルコール
を個々の部分の添加の間が短時間である複数の少量部分
で導入する場合を含むが、水及び/又はアルコールが1
個以上の相対的に大きなバッチで導入される場合を含ま
ない。水及びアルコール双方を炭酸化中に混合液に導入
する場合、これらは同一時間かけて導入されることが有
利であり、一緒に導入されることが便利である。炭酸化
中に導入される水及びアルコールは、炭酸化の少なくと
も最初の20%の時間で、有利には該時間の少なくとも最
初の50%で、好ましくは少なくとも最初の75%で、特に
少なくとも最初の90%で導入されることが有利である。
場合によっては、水及びアルコールを異なった時間で導
入してもよいが、これは通常好ましくない。
任意の促進剤又は促進剤系が本発明の方法で用いら
れ、具体的には、過塩基性スルホン酸マグネシウムを調
製するのに用いるのに適切である任意の促進剤が本明細
書で言及した特許で述べられている。適切な促進剤の例
は、アンモニア、アンモニウム化合物、アミン(例え
ば、エチレンジアミン)、ケトン、ナフテン酸及びカル
ボン酸又は無水物であり、米国特許第4 617 135号に記
載されている油溶性及び水溶性有機酸の混合液を包含す
る。適切なカルボン酸/無水物としては、英国特許第2
037 310 A号に言及されているC8〜C12カルボン酸(例え
ば、n−オクタン酸、n−デカン酸及びネオデカン酸)
及び置換された、例えば、アルケニル置換された無水物
として用いられることが好ましいコハク酸(例えば、オ
クテニルコハク酸無水物)が挙げられる。本発明による
方法の使用は、同一量の促進剤を用いて低レベルの沈降
物をあるいは低量の促進剤を用いて同一レベルの沈降物
を得ることを可能にするものである。
酸化マグネシウムをコロイド状生成物に最大限に転化
するために、炭酸化は、通常二酸化炭素の有意な取込み
がなくなるまで続けられる。炭酸化が行われる温度は、
用いられる促進剤系に左右される。用いられる最低温度
は炭酸化混合液が流体のままである温度であり、最高は
最低分解温度を有する成分の分解温度又は1種以上の揮
発性成分の許容しえない量が混合液から失われる最低温
度である。炭酸化は全還流用装置セットを用いて行うこ
とが好ましい。反応物の温度は、通常、炭酸化を開始す
る前に使用値に調節され、次いで、反応が進行するにつ
れて炭酸化中に変動させる。一般的には、炭酸化は20〜
200℃、好ましく40〜70℃の温度で行われる。
二酸化炭素の有意な取込みがなくなったときに、炭酸
化混合液を取り除いて水、アルコール及び揮発性溶媒を
除去し、混合液中に残存している固形分を、好ましくは
ろ過により除去する。固形分を除去する前あるいは後
に、混合液がストリップされる。更に、場合によって
は、ストリッピング中に二酸化炭素を反応混合液に通過
させ、この二酸化炭素は主として揮発性物質を洗浄する
ように作用する。上記のように、驚くべきことに、本発
明は極めて低い割合の後炭酸化沈降物を有し、ろ過で精
製することができる高TBNを有する過塩基性スルホン酸
マグネシウムを得ることを可能にするものである。
本発明の方法によって得られた過塩基性スルホン酸マ
グネシウムは、油系組成物、例えば、潤滑剤、グリース
及び燃料用の添加剤として有効であり、従って、本発明
は、また、過塩基性スルホン酸マグネシウムを含む組成
物を提供するものである。エンジン潤滑剤に用いる際
に、過塩基性スルホン酸マグネシウムはエンジンの操作
により生成された酸を中和し且つ油中の固形分を分散す
るように働いて有害な沈積物の形成を減少させる。これ
らは、また、潤滑剤のさび止め性能を高める。油系組成
物中に含めねばならない過塩基性スルホン酸マグネシウ
ムの量は、組成物及びその提案された適用の種類に左右
される。自動車のクランクケース用潤滑油は、油質量に
基づく有効成分に対して過塩基性スルホン酸マグネシウ
ム0.01〜5質量%を含むことが好ましい。
本発明に従って調製された過塩基性スルホン酸マグネ
シウムは油溶性であるかもしくは(下記で言及されるあ
る種の他の添加剤を共通して含む)適切な溶媒によって
油に溶解性であるか又は安定な分散性物質である。本明
細書で用いられる用語の油溶性、溶解性又は安定な分散
性は、物質が油にすべての割合で可溶性、溶解性、混和
性であるか又は懸濁することができることを必ずしも表
さない。しかしながら、物質が、例えば、油が用いられ
る条件において企図された効果を十分示す程度まで油に
可溶性又は安定な分散性であることを意味している。更
に、他の添加剤の追加の混合は、場合によっては、高レ
ベルの特定の添加剤を混合させることができる。
本発明に従って調製された過塩基性スルホン酸マグネ
シウムを包含する添加剤は、便利な方法で基油に混合す
ることができる。即ち、所望レベルの濃度で油に分散又
は溶解することにより油に直接添加することができる。
かかる配合は、室温又は高温で生じることができる。
本発明に従って製造した過塩基性スルホン酸マグネシ
ウムは、重油又は潤滑油に有効である。通常液状の重油
は、一般に石油原料、例えば、通常の液状石油留出油か
ら得られるが、フィッシャー−トロプシュ法及び関連方
法、有機廃棄物質の配合又は石炭、亜炭もしくはけつ岩
の配合により合成的に製造されたものを含めてもよい。
このような重油組成物は、当業者に周知である最終用途
により種々の沸点範囲、粘度、曇り点及び流動点を有す
る。そのような重油の中には、ディーゼル燃料、留出
油、例えば、ガソリン、暖房溶残油及びバンカー重油と
して一般に知られるものがあり、本明細書ではまとめて
重油と呼ぶ。かかる重油の性能は、例えば、アメリカ材
料試験協会,1916 Race Street,Philadelphia,Pennsylva
nia 19103から入手できるASTM規格D 396−73で示される
ように当業者に周知である。
中間留分の重油は、灯油、ディーゼル燃料、家庭暖房
用重油、ジェット燃料等のような留出油沸点約120〜725
゜F(約49〜385℃)(例えば、375〜725゜F(191〜385
℃))を包含し、その20%及び90%蒸留点は212゜F(10
0℃)未満で異なり及び/又はその90%から最終沸点ま
での範囲が約20〜50゜F(約−7〜10℃)であり及び/
又はその最終沸点が600〜700゜F(約316〜371℃)の範
囲にあるものが最も好ましい。
本発明に従って調製された過塩基性スルホン酸マグネ
シウムは、混合液を溶解又は分散されている基油を使用
する潤滑油組成物に特に有効である。過塩基性スルホン
酸が用いられる基油には、スパーク点火及び圧縮点火内
燃機関エンジン、例えば、自動車及びトラックエンジ
ン、舶用及び鉄道用内燃機関エンジン用クランクケース
潤滑油として用いるのに適切なものを包含する。これら
はまた、航空潤滑剤として又は2サイクルエンジン用潤
滑剤として用いるのに適切な基油にも用いられる。
合成基油としては、ジカルボン酸のアルキルエステ
ル、ポリグリコール及びアルコール;ポリブテンのよう
なポリ−α−オレフィン;アルキルベンゼン;リン酸の
有機エステル;及びポリシリコーン油が挙げられる。
天然基油としては、原油に関して、例えば、パラフィ
ン系、ナフテン系、混合系かあるいはパラフィン−ナフ
テン系かに関して、且つそれらの製造に用いられる方法
に関して、例えば、蒸溜範囲、直留又は分解、水素精
製、溶剤抽出等に関して広く異なっている潤滑鉱油を包
含する。
更に詳細には、使用することができる潤滑天然油系ス
トックは、ストレート潤滑鉱油又はパラフィン系、ナフ
テン系、アスファルト系又は混合系原油である。また、
場合によっては、種々の配合油及び残油、特にアスファ
ルト成分が除去されているものが用いられる。油は、例
えば、酸、アルカリ及び/又は粘土又は塩化アルミニウ
ムのような他の物質を用いる任意の適切な方法によって
精製されるか又は溶剤、例えば、フェノール、二酸化イ
オウ、フルフラール、ジクロロジエチルエーテル、ニト
ロベンゼン又はクロトンアルデヒドを用いる溶剤抽出に
よって製造された抽出油であってもよい。
潤滑油系ストックは、100℃において約2.5〜約12cSt
(約2.5×10-6〜約12×10-6m2/s)及び好ましくは約2.5
〜約9cSt(約2.5×10-6〜約9×10-6m2/s)の粘度を有
する。場合によっては、合成及び天然系油の混合液も用
いられる。
本発明に従って調製された過塩基性スルホン酸マグネ
シウムは、例えば、上記割合において、典型的には優位
量の潤滑油及び典型的には劣量のスルホネートを含む潤
滑油組成物において用いられる。追加の添加剤は、具体
的な要件を満たすことを可能にするために組成物中に混
合される。潤滑油組成物中に含まれる添加剤の例は、他
の清浄剤及び金属系清浄剤、粘度指数向上剤、腐食抑制
剤、酸化抑制剤、摩擦調整剤、分散剤、泡消し剤、耐摩
耗性添加剤、流動点降下剤及びさび止め添加剤である。
追加の洗浄剤及び金属系洗浄剤としては、スルホン酸
の他の金属塩、好ましくは過塩基性金属塩、特にカルシ
ウム及びナトリウム塩及び硫化アルキルフェノール、ア
ルキルサリチル酸、ナフテン酸及び他の油溶性物及びジ
カルボン酸の金属塩、好ましくは過塩基性金属塩が挙げ
られる。
粘度指数向上剤(又は粘度調整剤)は、潤滑油に対し
て高及び低温度作業性を付与し、高温でせん断安定性を
維持させることができ且つ低温で許容しうる粘性又は流
動性を示すものである。粘度調整剤として用いるのに適
切な化合物は、一般的には、ポリエステルのような高分
子量炭化水素ポリマーであり、粘度指数向上分散剤は、
分散剤及び粘度指数向上剤として作用する。油溶性粘度
調整ポリマーは、一般的には、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー又は光散乱法によって求めた重量平均
分子量約10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,0
00を有する。
適切な粘度調整剤の代表例は、ポリイソブチレン、エ
チレン/プロピレンコポリマー、ポリメタクリレート、
メタクリレートコポリマー、不飽和ジカルボン酸/ビニ
ル化合物コポリマー、スチレン/アクリル酸エステルコ
ポリマー及びスチレン/イソプレン、スチレン/ブタジ
エン及びイソプレン/ブタジエンの部分的水素化コポリ
マー並びにブタジエン及びイソプレンの部分的水素化ホ
モポリマーである。
腐食防止剤としても知られる腐食抑制剤は、潤滑油組
成物が接触した金属部分の分解を減少させる。具体的な
腐食抑制剤は、リン硫化炭化水素及びリン硫化炭化水素
とアルカリ土類金属酸化物又は水酸化物とを、好ましく
はアルキル化フェノールの存在下に、更に好ましくは二
酸化炭素の存在下に反応させることにより得られた生成
物である。リン硫化炭化水素は、適切な炭化水素、例え
ば、テルペン又はポリイソブチレンのようなC2〜C6オレ
フィンポリマーの重質石油留分とリンの硫化物5〜30質
量%とを約65〜約315℃の温度で1/2〜15時間反応させる
ことにより調整される。リン硫化炭化水素の中和は、任
意の適切な方法、例えば、米国特許第1,969,324号に教
示されている方法で行われる。
酸化抑制剤あるいは酸化防止剤は、鉱油のサービスに
おける劣化傾向を減少させ、かかる劣化の証拠は、例え
ば、金属表面のワニス状沈積物及びスラッジの生成及び
粘度増加である。適切な酸化抑制剤としては、ZDDP、芳
香族アミン、例えば、アルキル化フェニルアミン及びフ
ェニルアルファナフチルアミン、妨害フェノール、C5
C12アルキル側鎖を有することが好ましい硫化アルキル
−フェノール、例えば、硫化ノニルフェニルカルシウ
ム;硫化オクチルフェニルバリウム;及びリン硫化又は
硫化炭化水素が挙げられる。
潤滑油組成物に用いられる他の酸化抑制剤又は酸化防
止剤は、油溶性銅化合物を含む。銅は、任意の適切な油
溶性銅化合物として油に配合される。油溶性は、化合物
が油又は添加剤パッケージ中通常の配合条件下で油溶性
であることを意味する。銅化合物は、第一銅であっても
第二銅であってもよい。銅は、例えば、銅ジヒドロカル
ビルチオ又はジチオホスフェートとすることができる。
また、銅は、合成又は天然カルボン酸の銅塩として添加
される。適切な酸の例としては、ステアリン酸又はパル
ミチン酸のようなC8〜C18脂肪酸を包含するが、オレイ
ン酸のような不飽和酸又は分子量約200〜500のナフテン
酸のような分枝鎖カルボン酸又は合成カルボン酸が、得
られた銅カルボキシレートの取扱及び溶解性を改善する
ために好ましい。一般式RcRd(NCSS)zCu(式中、zは
1又は2であり、Rc及びRdは1〜18個、好ましくは2〜
12個の炭素原子を含む同一又は異なるヒドロカルビル
基、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、アラル
キル、アルカリル及び環状脂肪族基である。)を有する
油溶性銅ジチオカルバメートである。Rc及びRd基が2〜
8個の炭素原子を有するアルキル基であることが特に好
ましい。即ち、これらの基は、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチ
ル、アミン、n−ヘキシル、i−ヘキシル、n−ヘプチ
ル、n−オクテル、デシル、ドデシル、オクタデシル、
2−エチルヘキシル、フェニル、ブチルフェニル、シク
ロヘキシル、メチルシクロペンチル、プロペニル又はブ
テニル基とすることができる。油溶性を得るために、炭
素原子の総数(即ち、RcとRdの炭素原子)は、通常約5
以上である。銅スルホネート、フェネート及びアセチル
アセトネートも用いられる。
有効な銅化合物の例は、アルケニルコハク酸又は無水
物から誘導される銅CuI及び/又はCuII塩である。塩そ
のものは、塩基性、中性又は酸性でもよい。これらは、
(a)少なくとも1個の遊離カルボン酸基を有するポリ
アルキレン−ポリアミンから誘導されるポリアルキレン
スクシンイミド(n700〜5,000を有する高分子基を有
する)と(b)反応性金属化合物とを反応させることに
より生成される。適切な反応性金属化合物としては、第
二銅又は第一銅の水酸化物、酸化物、酢酸塩、ホウ酸塩
及び炭酸塩又は銅の塩基性炭酸塩が挙げられる。
これらの金属塩の例は、ポリイソブテニルコハク酸無
水物から誘導されるCu塩及びポリイソブテニルコハク酸
のCu塩である。銅は、二価の形態、CuIIであることが好
ましい。好ましい基質は、アルケニル基が分子量約700
以上を有するポリアルケニルコハク酸である。アルケニ
ル基は、約900〜1,400且つ2,500までを有すること
が好ましく、約950が最も好ましい。ポリイソブチ
レンコハク酸無水物又は酸が特に好ましい。これらの物
質は、溶剤、例えば、鉱油に溶解し、金属担持物質の水
溶液(又はスラリー)の存在下に約70〜約200℃の温度
に加熱することが好ましい。100〜140℃の温度が、通
常、適切である。生成される塩によっては、反応混合液
を約140℃以上の温度で長時間、例えば、5時間以上保
つことは必要でないか又は塩の分解が生じてしまう。
銅酸化防止剤(例えば、Cu−ポリイソブテニルスクシ
ネート、Cu−オレエート又はその混合液)は、通常、最
終潤滑組成物中に銅約50〜500ppm/重量の量で用いられ
る。
最終油の他の成分と適合する摩擦調整剤及び省燃費物
質も含めることができる。そのような物質の例は、高級
脂肪酸のグリセリルモノエステル、例えば、グリセリル
モノオレエート、長鎖ポリカルボン酸とジオールとのエ
ステル、例えば、二量化不飽和脂肪酸のブタンジオール
エステル及びオキサゾリン化合物である。
分散剤は、流体において懸濁液中の使用中に酸化を生
じる油溶性物質を維持するので、スラッジのフロキュレ
ーション及び金属部分上の沈降又は沈積を防止する。い
わゆる無灰分散剤は、上記金属含有(即ち、灰分形成)
清浄剤と対照的に、燃焼で実質的に灰分を形成しない有
機物質である。適切な分散剤としては、例えば、長鎖炭
化水素−置換カルボン酸があり、炭化水素基は50〜400
個の炭素原子を含み、かかる誘導体の例は高分子量ヒド
トカルビル−置換コハク酸の誘導体である。かかる炭化
水素−置換カルボン酸は、例えば、窒素含有化合物、有
利にはポリアルキレンポリアミン又はエステルと反応さ
せることができる。かかる窒素含有及びエステル分散剤
は、当該技術において周知である。特に好ましい分散剤
は、ポリアルキレンアミンとアルケニルコハク酸無水物
との反応生成物である。
一般に、適切な分散剤としては、長鎖炭化水素−置換
モル及びジカルボン酸又はその無水物の油溶性塩、アミ
ド、イミド、オキサゾリン及びエステル又はその混合
液;ポリアミドが直接結合している長鎖脂肪族炭化水
素;及び約1モルの長鎖置換フェノールを約2.5モルの
ホルムアルデヒド及び約0.5〜2モルのポリアルキレン
ポリアミドと縮合することにより生成されたマンニッヒ
縮合生成物が挙げられる。これらの分散剤においては、
長鎖炭化水素基はC2〜C5モノオレフィンのポリマーから
誘導されることが適切であり、ポリマーは分子量約700
〜約5000を有する。
上記のように、粘度指数向上分散剤は、粘度指数向上
剤及び分散剤の双方として作用する。本発明に従って用
いるのに適切な粘度指数向上分散剤の例としては、アミ
ン、例えば、ポリアミンとヒドロカルビル置換モノ又は
ジカルボン酸との反応生成物があり、ヒドロカルビル置
換基は化合物に粘度指数向上性能を付与するのに十分な
長さの鎖を含んでいる。一般に、粘度指数向上分散剤
は、例えば、C4〜C24のビニルアルコールの不飽和エス
テル又はC3〜C10不飽和モノカルボン酸もしくはC4〜C10
ジカルボン酸と4〜20個の炭素原子を有する不飽和窒素
含有モノマーとのポリマー;C2〜C20オレフィンとアミ
ン、ヒドロキシアミン又はアルコールで中和された不飽
和C3〜C10モノ又はジカルボン酸とのポリマー;又はエ
チレンとC3〜C20オレフィンとのポリマーでこれにC4〜C
20不飽和窒素含有モノマーをグラフトするかあるいはポ
リマー骨格に不飽和酸をグラフトし、次いでグラフト酸
のカルボン酸基とアミン、ヒドロキシアミン又はアルコ
ールとを反応させることにより反応させたものとするこ
とができる。
本発明に従って用いられる分散剤及び粘度指数向上分
散剤の例は、欧州特許第24146 B号に見られ、この特許
の開示を参考として本明細書に引用する。
耐摩耗性添加剤としては、亜鉛ジヒドロカルビルジチ
オホスフェート(ZDDP)がある。
潤滑油流動向上剤としても知られる流動点降下剤は、
流体が流動するか又は流動させることができる温度を低
下させる。かかる添加剤は周知である。低温流動性を向
上させる代表的な添加剤は、C8〜C18ジアルキルフマレ
ート/酢酸ビニルコポリマー、ポリメタクリレート及び
ワックスナフタレンである。泡コントロールは、ポリシ
ロキサン型、例えば、シリコーン油又はポリジメチルシ
ロキサンの泡消し剤によって与えることができる。
上記添加剤のいくつかは多数の効果を与えることがで
きる;即ち、例えば、単一添加剤は分散剤一酸化抑制剤
として作用することができる。この方法は周知であり、
本明細書で更に詳述する必要はない。
組成物が上記添加剤を含む場合、典型的には、それら
の正規の作用を与えるのに効果的な量で基油に配合され
る。かかる添加剤が存在する場合、代表的な有効量は次
のように示される: 複数の添加剤を使用する場合、必須ではないが、添加剤
を含む添加濃縮物(濃縮物は本明細書では添加パッケー
ジと呼ぶ)を調製することが好ましく、これにより数種
の添加剤が同時に基油に添加されて潤滑油組成物を生成
することができる。添加濃縮物の潤滑油への溶解は、例
えば、加熱を伴って混合することにより促進されるが、
これは必須ではない。濃縮物又は添加剤パッケージは、
典型的には、添加パッケージを所定量のベース潤滑剤と
混合する際、最終処方に所望の濃度を与える適切な量で
添加剤を含むように処方される。即ち、本発明に従って
調製された1種以上の過塩基性スルホン酸マグネシウム
は、少量の基油又は他の適合しうる溶剤に他の添加剤と
共に加え、添加剤パッケージに対して、例えば、適切な
割合の添加剤約2.5〜約90質量%、好ましくは約5〜約7
5質量%、最も好ましくは約8〜50質量%/重量の量で
有効成分を含み、残りが基油である添加剤パッケージを
形成することができる。
最終処方は、典型的には添加剤パッケージ約10質量%
を用いてもよく、残りは基油である。
下記実施例は、本発明を具体的に説明するものであ
る。
実施例及び比較例において用いられる酸化マグネシウ
ムは、表Iに示される特徴を有し、クエン酸価、表面積
及び純度は前記のように測定した。
実施例1 800gのトルエン及び360g(0.37モル)の希釈油中アル
キルベンゼンスルホン酸(分子量670)の69.1質量%溶
液を十分攪拌しながら混合し、還流コンデンサー、ガス
分配管及び温度コントローラーを備えた反応器内で22℃
まで加熱した。次いで15g(0.47モル)のメタノールを
加えた。温度が25℃に上昇した結果としてすぐに発熱し
た。次いで、150g(3.72モル)の酸化マグネシウムAを
加えた。スルホン酸を中和するにつれて急速に発熱し、
温度が34℃に上昇した。24g(0.14モル)のネオデカン
酸を促進剤として加え、次いで24g(0.75モルのメタノ
ール及び38.2g(2.14モル)の水を加えた。温度を55℃
に上げ、このレベルで維持すると同時にこの混合液に二
酸化炭素を30g/時間の速度で注入し、36gのメタノール
及び71.5gの水の混合液を添加した。メタノール/水混
合液は、実質的に一定の速度で150分かけて連続的に加
えた。
炭酸処理中、炭酸化混合液の温度は自然のままにし、
約70℃まで徐々に上昇し、次いで、反応が止むにつれて
再び降下し、酸化マグネシウムが消費された。温度が約
60℃に降下した際、熱を加え、炭酸化が完了するまで温
度を60℃に維持した。3時間20分炭酸化した後、100gの
二酸化炭素を混合液に注入したときに、装置を還流から
蒸留配置に変えた。全量138gの二酸化炭素を注入した
後、注入速度を39g/時間に増加した。全量175gの二酸化
炭素が反応混合液に通過されるまでこの速度を維持し
た。
炭酸処理が完了したときに、試料を反応混合液から取
り出し、遠心した。試料中の沈降物は0.5容量%であっ
た。
混合液の温度を60℃に維持しながら、260℃の希釈油
を60℃において加え、このようにして得られた混合液を
窒素気流を導入しながら常圧蒸留した。蒸留温度が165
℃に達したときに、減圧し、2時間維持して最終痕跡量
の水、メタノール及びトルエンを除去した。減圧をゆる
めた後、ストリップした混合液から試料50mlを取り出
し、50mlのトルエンで希釈した。次いで、この希釈試料
を遠心すると沈降物(PCS)0.8容量%がストリップした
混合液に残存していることを示した。
24gのスピードプラスフィルター助剤を反応器内のス
トリップした混合液に加え、そのようにして得られた混
合液を160℃に予備加熱し且つプレコートとして5gのス
ピードプラスフィルター助剤を含む加圧フィルターでろ
過した。ろ過速度は492kg/m2/時間であった。ろ過生成
物は鮮やかで透明であり、TBN408mgKOH/gを有した。
実施例2〜4及び比較例1〜9 別の種類の酸化マグネシウムを用いて、実施例1で記
載した方法を繰り返した。得られた結果を表IIに纏め、
実施例1で得られた結果も示す。
表IIの結果は、本発明に従って酸化マグネシウムを用
いると高TBN、低レベルの沈降物及び相対的に迅速なろ
過度を有する生成物が得られたが、本発明の範囲外で酸
化マグネシウムを使用すると不十分な結果となったこと
を示している。例えば、比較例5及び7は、クエン酸価
及び表面積が本発明に従って指定された範囲に近いが範
囲外の酸化マグネシウムを使用すると不十分な結果が得
られたことを示している。更に、比較例8は、クエン酸
価及び表面積が本発明に従って指定された範囲内でさえ
も、酸価マグネシウムが2μm未満の粒子サイズの割合
を本発明に従って指定された範囲より多く含む場合には
不十分な結果が得られることを示している。極めて少量
でさえもゲルを含む生成物は、ゲル化物質がフィルター
を塞ぐ傾向があるので本来不十分であることは留意され
るべきである。
実施例5〜8及び比較例10〜15 炭酸化前に導入される異なった比率のメタノール:炭
酸化中に導入されるメタノール及び炭酸化前に導入され
る水:炭酸化中に導入される水(実施例5〜8)を用い
て、実施例1で記載した方法を繰り返した。(各場合と
もスルホン酸の中和を促進するために用いるメタノール
を除く。) 炭酸化前にメタノールの全部を反応混合液に導入し
て、実施例1及び2で記載した方法を繰り返した(比較
例10及び11)。また、炭酸化前にメタノールと水の全部
を反応混合液に導入し(比較例12)、炭酸化中にメタノ
ールの全部を炭酸化前に水の全部を導入し(比較例1
3)、炭酸化前にメタノールの全部及び水の全部を導入
し(比較例14)、炭酸化中にメタノールのいくらか及び
水の全部を導入して(比較例15)実施例1を繰り返し
た。
得られた結果を表IIIに示し、比較のために実施例1
及び2の結果も示す。
表IIIは、メタノールの少なくとも一部及び水の一部
だけを炭酸化中に反応媒体に導入する場合にのみ満足な
結果が得られることを示している。
実施例9 720gのトルエン及び365g(0.53モル)の希釈油中アル
キルベンゼンスルホン酸(分子量480)の70質量%溶液
を十分攪拌しながら混合し、還流コンデンサー、ガス分
配管及び温度コントローラーを備えた実施例1で記載し
た反応器内で22℃まで加熱した。次いで13gのメタノー
ルを加えた。温度が25℃に上昇した結果としてすぐに発
熱した。次いで、154g(3.82モル)の酸化マグネシウム
Aを加えた。スルホン酸を中和するにつれて急速に発熱
し、温度が36℃に上昇した。14.5g(0.069モル)のオク
テニルコハク酸無水物を促進剤として加え、次いで29.3
gのメタノール及び40gの水を加えた。混合液の温度を55
℃に上げ、このレベルで維持すると同時にこの混合液に
二酸化炭素を39g/時間の速度で注入し、73.7gのメタノ
ール及び90gの水の混合液を添加した。メタノール/水
混合液は、実質的に一定の速度で60分かけて連続的に加
えた。
炭酸化中、炭酸化混合液の温度は自然のままにし、約
70℃まで上昇し、次いで、反応が止むにつれて再び降下
し、酸化マグネシウムが消費された。温度が約60℃に降
下した際、熱を加え、炭酸化が完了するまで温度を60℃
に維持した。138gの二酸化炭素を炭酸化混合液に注入し
たときに、装置を還流から蒸留配置に変えた。175gの二
酸化炭素が反応混合液に通過されるまで炭酸化を続け
た。
炭酸化が完了したときに、試料を反応混合液から取り
出し、遠心した。試料中の沈降物は0.8容量%であっ
た。
混合液の温度を60℃に維持しながら、260gの希釈油を
60℃において加え、このようにして得られた混合液を窒
素気流を導入しながら常圧蒸留した。蒸留温度が165℃
に達した後、減圧し、2時間維持して最終痕跡量の水、
メタノール及びトルエンを除去した。減圧をゆるめた
後、ストリップした混合液から試料50mlを取り出し、50
mlのトルエンで希釈した。この希釈試料を遠心すると沈
降物(PCS)1.0容量%がストリップした混合液に残存し
ていることを示した。
8gのフィルター助剤を反応器内のストリップした混合
液に加え、そのようにして得られた混合液を160℃に予
備加熱し且つプレコートとして5gのフィルター助剤を含
む加圧フィルターでろ過した。ろ過は918kg/m2/時間の
速度で極めて迅速であった。ろ過生成物は鮮やかで透明
であり、TBN426mgKOH/gを有した。
比較例16 炭酸化を開始する前にメタノールと水の全部を導入し
て、実施例9を繰り返した。沈降レベルは、ストリッピ
ング前6容量%及びストリッピング後10容量%であり、
フィルターを遮断したストリップした生成物は、炭酸化
する前にメタノールと水の全部を導入すると満足な結果
が得られないことを示した。
実施例10 下記の変更をして実施例9を繰り返した: 実施例1で記載した360gのスルホン酸溶液を用いた; 151.3gの酸化マグネシウムAを用いた; 10gのギ酸と13gのアセチルアセトンの混合液を促進剤
として用いた; 炭酸化前にメタノール(中和工程で用いられるメタノ
ールを除く)及び水を各々20.6g及び27.5g充填した; 炭酸化中にメタノール及び水の量各々61.9g及び82.5g
を加えた; 炭酸化の開始温度を40℃とし、温度が60℃まで降下す
る前に約65℃まで上昇させ、これを残りの炭酸化の間維
持した; 267gの希釈油を用いた。
炭酸化が完了したときに、試料は沈降物1.0容量%を
含んだ。ストリッピング後、沈降物レベルは2.0容量%
であった。ろ過速度は210kg/m2/時間であった。生成物
は鮮やかで透明であり、TBN403mg/KOH/gを有した。
比較例17 炭酸化を開始する前にメタノールろ水の全部を導入し
て、実施例10を繰り返した。炭酸化の終わりの沈降物は
8容量%であり、許容しえない高さであった。
実施例11 下記の変更をして実施例9を繰り返した: 実施例1で記載した360gのスルホン酸溶液を用いた; 24gのネオデカン酸を促進剤として用いた; 炭酸前にメタノール及び水(中和工程で用いられるメ
タノールを除く)を各々17.5g及び27.5g充填した; 炭酸化中にメタノール及び水の量各々62.5g及び82.5g
充填した; 炭酸化の最初の90分中にメタノール/水混合液を加え
た。
炭酸化が完了したときに、試料は沈降物0.8容量%を
含んだ。ストリッピング後、沈降物レベルは1.6容量%
であった。ろ過速度は321kg/m2/時間であった。最終生
成物は鮮やかで透明であり、TBN407mg/KOH/gを有した。
比較例18 炭酸化を開始する前にメタノールと水の全部を導入し
て、実施例11を繰り返した。炭酸化の終わりの沈降物は
13容量%であり、実験を放棄した。
実施例12〜14及び比較例19及び20 種々の量のネオデカン酸を促進剤として用い、ある場
合には、炭酸化を開始する前にメタノールと水の全部を
導入して、実施例9を繰り返した。蒸留中に添加される
希釈油の量は、用いられるデカン酸の量により変えた。
得られた結果を表IVに纏める: 表IVは、炭酸化中でのメタノールと水の一部の添加が著
しく減量した促進剤を用いて満足な結果を得ることを可
能にすることを示している。
実施例15 下記の変更をして実施例9を繰り返した: 水35.5質量%、メタノール35.5質量%、エチレンジア
ミン16.8質量%及び二酸化炭素12.2質量%を含む28gの
エチレンジアミンカルバメート溶液を促進剤として用い
た; 炭酸化前にメタノール(中和工程で用いられるメタノ
ールを除く)及び水を各々20.6g及び30.1g充填した; 炭酸化開始の炭酸化混合液の温度を40℃とした; 炭酸化中にメタノール及び水の量各々61.8g及び90.2g
を充填した; 系におけるメタノールの全量(中和工程及び促進剤溶
液に用いられるメタノールを含む)は105.3gとした; 系における水の全量(促進剤溶液中の水を含む)を13
0.2gとした; 炭酸化の最初の90分中にメタノール/水混合液を加え
た。
炭酸化が完了したときに、得られた試料は沈降物0.6
容量%を含んだ。ストリッピング後、沈降物レベルは1.
0容量%であった。ろ過速度は450kg/m2/時間であった。
最終生成物は鮮やかで透明であり、TBN431mg/KOH/gを有
した。
比較例21 炭酸化前にメタノールと水の全部を反応混合液に導入
して、実施例15を繰り返した。得られた結果を下記表V
に示す。
比較例22 57gの促進剤溶液を用い、メタノール及び水の充填を
わずかに変えて、比較例21を繰り返した。得られた結果
を表Vに示す。
表Vは、炭酸化中でのメタノールと水の一部の添加が
著しく減量した促進剤を用いて満足な結果を得ることを
可能にすることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 70:00 (72)発明者 ウォードル ロバート アレン イギリス オックスフォードシャー オ ーエックス143エヌエイ アービングド ン シャーウッド アベニュー 63 (72)発明者 スウィートリック ジョセフ マリアン イギリス オックスフォードシャー オ ーエックス143エックスユー アービン グドン オールド ファーム クローズ 18 (72)発明者 マーシュ ジョン フレデリック イギリス オックスフォードシャー オ ーエックス143エスアール アービング ドン キャメロン クローズ 7 (72)発明者 スペンサー ジェレミー ロジャー イギリス オックスフォードシャー オ ーエックス29エスジー ボートレイ ロ ング クローズ 6 (56)参考文献 特開 昭54−154705(JP,A) 特公 昭47−35894(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 159/20 - 159/24 C07C 303/32

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過塩基性スルホン酸マグネシウムの製造方
    法であって、 (a)油溶性スルホネート及び/又は油溶性スルホン
    酸; (b)(a)と完全に反応させるのに要するものである
    としても過剰量の酸化マグネシウム; (c)炭化水素溶媒; (d)水; (e)水溶性アルコール;及び (f)促進剤 を含む混合液を炭酸化することを含み、該混合液を調製
    するために用いられる酸化マグネシウムがクエン酸価20
    0秒以上及びBET一点法で測定された表面積12m2/g未満を
    有し、酸化マグネシウムの少なくとも92容量%の粒子サ
    イズが2μm以上であり、水の一部とアルコールの少な
    くとも一部が炭酸化中に混合液に導入され、炭酸化前に
    導入された水を含むが化学反応により生成された水を除
    く混合液に導入された水の全量が(b)で指定された過
    剰量のモルに対して少なくとも0.5モルである方法。
  2. 【請求項2】酸化マグネシウムがクエン酸価多くても70
    0秒を有する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】酸化マグネシウムがクエン酸価200〜600秒
    を有する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】酸化マグネシウムがBET一点法で測定され
    た表面積2〜10m2/gを有する請求項1〜3のいずれか記
    載の方法。
  5. 【請求項5】酸化マグネシウムの少なくとも94容量%が
    粒子サイズ2μm以上を有する請求項1〜4のいずれか
    記載の方法。
  6. 【請求項6】酸化マグネシウムがEDTA滴定で測定された
    純度少なくとも95%を有する請求項1〜5のいずれか記
    載の方法。
  7. 【請求項7】炭酸化前に導入された水を含むが化学反応
    により生成された水を除く混合液に導入された水の全量
    が請求項1の(b)で指定された過剰量のモルに対して
    少なくとも1モルである請求項1〜6のいずれか記載の
    方法。
  8. 【請求項8】導入される水の全量の10〜90質量%を炭酸
    化の開始前に混合液に存在させる請求項1〜7のいずれ
    か記載の方法。
  9. 【請求項9】スルホン酸が存在する場合、これを中和す
    る際に用いられるアルコールを除くアルコールの全量の
    少なくとも10質量%が炭酸化中に炭酸化混合液に導入さ
    れる請求項1〜8のいずれか記載の方法。
  10. 【請求項10】炭酸化中に混合液に導入される水及び/
    又はアルコールが実質的に連続的に導入される請求項1
    〜9のいずれか記載の方法。
  11. 【請求項11】炭酸化中に混合液に導入される水とアル
    コールが一緒に導入される請求項1〜10のいずれか記載
    の方法。
  12. 【請求項12】炭酸化中に混合液に導入される水及び/
    又はアルコールが炭酸化の少なくとも最初の20%の間で
    導入される請求項1〜11のいずれか記載の方法。
  13. 【請求項13】促進剤がアミン及び有機酸より選ばれた
    物質少なくとも1種を含む請求項1〜12のいずれか記載
    の方法。
  14. 【請求項14】促進剤が8〜10個の炭素原子を有するカ
    ルボン酸又は置換コハク酸又は無水物を含む請求項13記
    載の方法。
  15. 【請求項15】請求項1に規定したクエン酸価、表面積
    及び粒子サイズ分布を有する酸化マグネシウムを含有す
    る、過塩基性スルホン酸マグネシウムの製造方法におけ
    る沈降物減少剤。
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