JP3080359B2 - 多分岐重合体およびその製造方法 - Google Patents
多分岐重合体およびその製造方法Info
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
ンドリマ)およびその製造方法に関し、特に可逆的に陽
イオンをドープすることが可能な多分岐重合体およびそ
の製造方法等に関する。
般的に導電性や蓄電性を示すことが多い。さらに、イオ
ンをドープすることによって蓄電性を示すことが多い。
さらに、イオンをドープすることによって蓄電性を示す
π共役系高分子材料は、イオンのドーピングに伴って色
を変化させるエレクトロクロミズム特性を示すことが多
い。このようなπ共役系高分子材料はエレクトロニクス
やオプトエレクトロニクスの分野においてデバイスへの
応用が期待されている。
材料は、電池の電極材料としての利用が期待される。ポ
リアセンはコイン型一次電池の材料として既に利用され
ている。ポリアニリンは、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールと混合して正極を構成でき、L
i金属の負極と組み合わせて電池を作成する研究が進め
られている。
高分子材料が数多く報告されているが、その多くは陰イ
オンをドープできるものであった。陽イオンをドープで
きるπ共役系高分子材料の種類は少なく、高分子材料と
しての多様性に欠けている。
オンをドープできる新規な多分岐重合体ないしその製造
方法等を提供することである。
グによるエレクトロクロミック特性を有す新規な多分岐
重合体ないしその製造方法等を提供することである。
ば、一般式
重合体が提供される。本発明の他の観点によれば、一般
式
工程と、前記グリニヤール試薬をグリニヤール反応によ
って重合させる工程とを含む多分岐重合体の製造方法が
提供される。
陽イオンをドープすることができる。陽イオンとして
は、Li+ 、Na+ 、K+ 、Rb+ 、Sc+ 等のアルカ
リ金属イオン、H4 N+ 、Me(メチル)4 N+ 、Et
(エチル)4 N+ 、(n−Bu(ブチル))4 N+ 等の
第4アルキルアンモニウムイオン等を用いることができ
る。これらの陽イオンのドーピングは、電気化学的方
法、化学的方法等で実行できる。
グに伴って白色から赤色または茶色へ色変化し、脱ドー
ピングによって白色に戻る。このようなエレクトロクロ
ミック現象を利用してエレクトロクロミック表示材料と
して利用することができる。また、陽イオンを可逆的に
ドーピング、脱ドーピングできる特性を利用し、電池の
電極などの充放電材料として利用することが可能であ
る。
合体の製造に成功した。以下、この多分岐重合体の製造
方法を説明する。まず、一般式
方法は、米国特許第3,932,402号に記載されて
いる。この多分岐重合体にアルキルリチウム試薬を作用
させ、一般式
間体化合物に、さらにハロゲン化マグネシウムエーテラ
ートを作用させ、一般式
のグリニヤール試薬をニッケル触媒の存在下においてグ
リニヤール重合させ、目的とする多分岐重合体を得る。
i、EtLi、n−BuLi、sec−BuLi等を用
いることができる。反応溶媒としては、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソー
ル、その他のエーテル系溶媒を用いることができる。グ
リニヤール試薬は、大気中の水蒸気や酸素と激しく反応
してしまうため、全ての反応は、酸素、水分との副反応
を避けるために不活性ガス雰囲気下で行う。
重合体は、前述のように陽イオンをドーピングすること
ができる。陽イオンを電気化学的にドーピングする場
合、電極表面に多分岐重合体を担持させ、この電極を対
向電極と共に中性の支持電解質を溶解した電解液中に浸
積する。電極間の印加電圧あるいは電流を適切に制御す
ることにより、可逆的にイオンを着脱させることができ
る。
白金、金、炭素、インジウム−錫酸化物などを挙げるこ
とができる。支持電解質としては、テトラフルオロほう
酸テトラn−ブチルアンモニウムなどのテトラフルオロ
ほう酸アルキルアンモニウム塩、テトラフルオロほう酸
リチウムなどのテトラフルオロほう酸アルカリ金属塩、
過塩素酸テトラエチルアンモニウムなどの過塩素酸アル
キルアンモニウム塩、過塩素酸リチウムなどの過塩素酸
アルカリ金属塩、ヘキサフルオロ燐酸テトラn−ブチル
アンモニウム等のヘキサフルオロ燐酸アルキルアンモニ
ウム塩、ヘキサフルオロ燐酸ナトリウムなどのヘキサフ
ルオロ燐酸アルカリ金属塩、p−トルエンスルホン酸テ
トラメチルアンモニウム等のp−トルエンスルホン酸ア
ルキルアンモニウム塩、トリフルオロ酢酸ナトリウム等
のトリフルオロ酢酸アルカリ金属塩等が挙げられる。
ピレン、ニトロメタン、スルホラン、N−メチルピロリ
ドン等を挙げることができる。以下、多分岐重合体を製
造した具体例に従って説明する。
6−トリス(p−ブロモフェニル)−1,3,5−トリ
アジンの製造方法を説明する。なお、この方法は米国特
許第3,932,402号記載の合成方法に従ってい
る。
トリル1.97g(10.8mmol)を攪拌しなが
ら、トリフルオロメタンスルホン酸5.50g(36.
6mmol)を滴下ロートより滴下し、添加した。反応
系は、氷水浴によって、0℃から10℃の間に保持し
た。添加終了後、反応系を室温にし、攪拌を停止し、1
8時間静置した。
し、氷を氷解した後に得られる白色の沈殿を含んだ酸性
水溶液をアンモニア水で中和した。沈殿を濾取し、1対
1のアセトン−ジクロロメタン70mlを用いて洗浄し
た。さらに沈殿をベンゼンで再結晶し、60℃で2時間
真空乾燥した。収量1.59g(収率81%)であっ
た。生成物は白色針状結晶で、融点は367℃〜370
℃であった。
クトルを示す。原料に含まれるニトリル基による222
5cm-1の吸収は消滅し、原料が十分反応したことを示
している。一方、1580、1515、1402、13
71cm-1付近には、原料に比べ数多くの強い吸収が観
察できる。これは、ベンゼン環のC=C伸縮振動および
新たに生成したトリアジン環のC=N伸縮振動に起因す
ると考えられる。
収は、ベンゼン環のC−H面内変角振動に帰属される。
843、807cm-1の吸収は、C−H面外変角振動に
帰属される。496および476cm-1の吸収は、C−
Br伸縮振動によるものと考えられる。
る一般式を示す。すなわち、2,4,6−トリス(p−
ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジンが生成され
たと考えられる。この組成物が、目的とする多分岐重合
体のモノマーに相当する。なお、ベンゼン環にBrが結
合した組成を示したが、ClやIが結合した組成物を生
成させることも可能である。これらの組成の場合も上述
の米国特許第3,932,402号の合成方法を用いる
ことができる。
−トリス(p−ブロモフェニル)−1,3,5−トリア
ジンを重合し、多分岐重合体を製造する方法を説明す
る。本発明者らは、重合方法としてグリニヤール反応を
用いた。反応はすべて不活性ガスであるアルゴンガス雰
囲気中において行なった。水分および酸素、特に水分、
を除去するため、溶媒のテトラヒドロフランは水素化カ
ルシウム存在下で蒸留し、ジエチルエーテルは一晩塩化
カルシウムで乾燥後、蒸留したものを使用した。
ロモフェニル)−1,3,5−トリアジン0.218g
(0.40mmol)を取り、テトラヒドロフラン2.
5mlを加え、テトラヒドロフラン中に懸濁した。メタ
ノール中にドライアイスを投入した冷媒を用い、懸濁液
を−78℃に冷却し、攪拌しながら濃度1.6Mのn−
ブチルリチウム−ヘキサン溶液を0.25ml(0.4
0mmol)加え、10分間反応を行なった。
キサン溶液の量は、2,4,6−トリス(p−ブロモフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン分子中のBrが1
個、Liに置換される量に制御してある。このようにし
て上述の化学式10(X=Br)で示される組成が得ら
れる。
78℃に保ちながら、0.5mlのジエチルエーテルに
溶解した0.135g(0.52mmol)のマグネシ
ウムブロマイドエーテラートをシリンジを用いて滴下し
た。攪拌を続けながら、室温に戻し、10分間反応さ
せ、グリニヤール試薬を含む白色の反応液を得た。この
ようにして、化学式11(X=Br)で示される組成が
得られる。このようにして、重合反応が可能なモノマが
得られた。
15.0mg(0.05mmol)を、テトラヒドロフ
ラン10mlに溶解し、別のフラスコに用意した。シリ
ンジで前述の反応液を抜き取り、テトラヒドロフラン溶
液中に滴下した。攪拌しながら昇温し、65℃で20時
間重合反応を行なった。反応液は黄緑色を呈した。
制御することによって変化させることができる。テトラ
ヒドロフランを用いた場合はその沸点により65℃以上
の昇温は行なえないが、他の溶媒を用いることにより反
応温度を上昇させることができる。
と考えられる。逆に、反応温度を低下させれば、重合度
は減少すると考えられる。重合反応を終了した後、溶液
を室内温度に戻し、0.1mlの蒸留水を添加し、反応
を停止させた。水を添加することにより、反応基MgB
rが終端化されると考えられる。このようにして、目的
とする多分岐重合体が得られた。
った。反応液に含まれる溶媒をロータリエバポレータを
用いて留去し、得られた固形物に325mlのクロロホ
ルムを加えて60℃に加熱し、攪拌して未反応原料を溶
解させた。325mlのクロロホルムは、原料がすべて
未反応であったとしてもその全量を溶解させる量であ
る。
0mlで洗浄した。さらに、蒸留水20ml、メタノー
ル20mlで順次洗浄を行なった。残った固形分を50
℃で30分間真空乾燥し、75.4mgの黄白色の重合
体を得た。収率は48%であった。
までの昇温を行なったが、重合体は溶融しなかった。従
って、耐熱性の優れた材料が得られたと考えられる。図
3は、得られた重合体の赤外線吸収スペクトルを示す。
原料の赤外線吸収スペクトルである図1と比較すること
により、その特徴がより明確に読み取れる。1607、
1566、1504、1359cm-1にベンゼン環およ
びトリアジン環の伸縮振動に帰属される強い吸収が見ら
れる。1179、1069、1004、839、808
cm-1には、C−H変角振動に由来する吸収が、図1の
吸収曲線と同様に確認できる。500cm-1付近のC−
Br伸縮振動に基づく吸収は低くなっており、C−Br
結合は減少していることが示唆される。
重合体構造を示す。化学式11に示されるモノマのMg
XとXとが反応して脱離し、2次元的、3次元的に重合
が生じるものと考えられる。モノマのハロゲン基はB
r、Cl、Iのいずれであっても、結果として得られる
重合体はほぼ同様のものであろう。
ドーピングする方法を説明する。5.0mg/mlの濃
度になるように、多分岐重合体をジメチルホルムアミド
に懸濁した。重合体を含む懸濁液を、縦1.0cm横
1.0cmの白金電極上に塗布し、100℃に加熱して
ジメチルホルムアミドを蒸発させた。このようにして、
重量0.016mgの多分岐重合体薄膜を白金電極表面
に形成した。
329g(1.0mmol)のテトラフルオロほう酸テ
トラn−ブチルアンモニウムを10mlのアセトニトリ
ルに溶解し、溶在酸素を除くためにアルゴンガスで30
分間バブリングを行なった。アセトニトリルは、あらか
じめ水素化カルシウム存在下で蒸留したものを用いた。
極として重合体薄膜を塗布した白金電極、対向電極とし
て縦1.0cm、横1.0cmの白金電極、参照電極と
して銀線をそれぞれ浸積した。参照電極と対向電極の間
の電位を参照電極の電位を基準に制御し、重合体薄膜に
電解質溶液中の陽イオンであるn−ブチルアンモニウム
イオンをドーピングした。電位印加および制御はポテン
ショスタット装置を用いて行なった。
タモグラムを示す。陽イオンをドーピングするため、電
圧掃引は負電圧を用いて行なった。掃引速度は、50m
V/secである。図中、−1.6V付近に得られる下
向きの電流ピークは、テトラn−ブチルアンモニウムイ
オンのドーピングに由来する。−1.5V付近の上向き
の電流ピークは、テトラn−ブチルアンモニウムイオン
の脱ドーピングに由来する。すなわち、作用電極に印加
する電圧を負に増大していくと、テトラn−ブチルアン
モニウムイオンがドーピングされ、印加電圧を0に戻し
ていくと、ドーピングされたテトラn−ブチルアンモニ
ウムイオンが重合体から脱離し、脱ドーピングが行なわ
れる。このように、図5は作用電極上の重合体膜が可逆
的にイオンを着脱している様子を示す。
ドーピングも試みた。しかし、この重合体に陰イオンを
ドーピングすることはできなかった。陽イオンのドーピ
ングに伴い、重合体は白色から赤褐色へエレクトロクロ
ミック現象を示した。脱ドーピングを行なうと、重合体
は赤褐色から白色へエレクトロクロミック現象を示し
た。ドーピング電位は、−1.61V(対Ag参照電
極)と求められた。また、ドーピングされたテトラn−
ブチルアンモニウムイオンは、重合体の繰り返し単位当
り0.15と求められた。
ドーピングすることのできる新規な多分岐重合体が得ら
れた。なお、ハロゲン元素としてBrを用いた場合を説
明したが、他のハロゲン元素を用いることも可能なこと
は当業者に自明であろう。また、その他の原料、溶媒、
ドープするイオンなども目的、条件などに応じ適宜変更
できることも当業者には自明であろう。
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組合わせなどが可能なことは当業者
にとって自明であろう。
陽イオンを可逆的にドーピングできる多分岐重合体が提
供される。
い、エレクトクロミック特性を示す多分岐重合体が提供
される。この多分岐重合体を表示材料、電池用電極材料
などに利用することが可能である。
ペクトルである。
を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 で表わされる繰り返し単位を有する多分岐重合体。
- 【請求項2】 請求項1記載の多分岐重合体に陽イオン
をドープした多分岐重合体。 - 【請求項3】 前記陽イオンがアルカリ金属イオン、ま
たは第4アルキルアンモニウムイオンである請求項2記
載の多分岐重合体。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の多分岐
重合体を含む電池用電極。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の多分岐
重合体を含む耐熱性材料。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の多分岐
重合体を含む表示用材料。 - 【請求項7】 (a)一般式 【化2】 で表わされる化合物から、一般式 【化3】 で表わされるグリニヤール試薬を生成する工程と、 (b)前記グリニヤール試薬をグリニヤール反応によっ
て重合させる工程とを含む多分岐重合体の製造方法。 - 【請求項8】 一般式 【化4】 で表わされる繰り返し単位を有する多分岐重合体に陽イ
オンをドープする工程と、 前記陽イオンをドープした多分岐重合体から陽イオンを
脱ドープする工程とを含む多分岐重合体の使用方法。
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JP08114891A JP3080359B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 多分岐重合体およびその製造方法 |
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JP08114891A JP3080359B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 多分岐重合体およびその製造方法 |
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JPH09302073A JPH09302073A (ja) | 1997-11-25 |
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ID=14649244
Family Applications (1)
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JP08114891A Expired - Lifetime JP3080359B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 多分岐重合体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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WO2018142619A1 (ja) * | 2017-02-06 | 2018-08-09 | 日立化成株式会社 | 枝分かれポリマーの製造方法、枝分かれポリマー、及び有機エレクトロニクス素子 |
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-
1996
- 1996-05-09 JP JP08114891A patent/JP3080359B2/ja not_active Expired - Lifetime
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