JP3080022U - シャツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャツのスタンダードなデザインを生かしつ
つ肩部分の通気性を向上して夏期などに涼感が得られる
ようにする。 【解決手段】 外気温度の高い季節に涼感を得るための
シャツ１に関し、肩部分を別の衣料生地により形成せず
に後身頃５から衿腰３’に到る一枚の衣料生地により形
成し、後身頃５の上側部分を衿腰３’に対し左右から折
り込んで縫い付けることによりボックスプリーツ７を形
成し、該ボックスプリーツ７上端付近の三重部分におけ
る最内側の衣料生地にのみ織ネーム４を縫い付けるよう
にする。このようにすれば、シャツ１の肩部分の通気性
が向上され、しかも、シャツ１のデザイン自体はスタン
ダードなタイプのまま維持されることになる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、シャツに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６に示す如きワイシャツやカジュアルシャツなどといったシャツ１において は、外気温度の高い夏期などに外出していると、肩部分から衿にかけての比較的 厚手の部分に熱が籠って不快な暑さを感じることがある。

【０００３】 即ち、シャツ１の肩部分を成すヨーク２や衿３の部分は、図７に示す如く、シ ャツ１の立体感を醸し出すための保形性を有するように二枚の衣料生地２ａ，２ ｂ及び３ａ，３ｂを重ね合わせて仕立てられているので、この二重部分における 通気性が損なわれて熱が籠り易くなってしまうのである。

【０００４】 ただし、ヨーク２が二重になっていると、図８に示す如きヨーク２裏側の襟首 付近に縫着されてブランド名やサイズなどを表示する織ネーム４を内側の衣料生 地２ａにのみ縫い付け、この衣料生地２ａの反対側に現れるステッチｓを外側の 衣料生地２ｂで覆い隠すことができるというメリットがある。

【０００５】 尚、図中５はヨーク２の背面側に縫い付けられた後身頃、６はヨーク２の正面 側に縫い付けられた前身頃、７は後身頃５の上側部分を折り込んでヨーク２の背 面側下端に縫い付けることにより形成したアウトボックス型のボックスプリーツ （背面側にゆとりを持たせるためのもの）を夫々示している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、以上に述べた如き従来からの慣習的なシャツ１の構造様式は、 長年に亘り踏襲され続けてきており、半袖シャツや開襟シャツなどといった根本 的なデザイン変更により涼感を得られるようにしたシャツも既に知られてはいる が、このようなデザイン変更によるものは、シャツのスタンダードなデザインを 好む購買層には受け入れられていないのが実情であり、特にビジネス用のワイシ ャツとしては得意先などを訪問するのにあたり先方に不適切な印象を与えかねな い。

【０００７】 本考案は、上述の実情に鑑みてなしたもので、シャツのスタンダードなデザイ ンを生かしつつ肩部分の通気性を向上して夏期などに涼感が得られるようにする ことを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、外気温度の高い季節に涼感を得るためのシャツであって、肩部分を 別の衣料生地により形成せずに後身頃から衿腰に到る一枚の衣料生地により形成 したことを特徴とするものである。

【０００９】 而して、このようにすれば、シャツの肩部分が後身頃から衿腰に到る一枚の衣 料生地で形成されることによりシャツの肩部分の通気性が向上され、しかも、シ ャツのデザイン自体はスタンダードなタイプのまま維持されることになる。

【００１０】 更に、本考案においては、後身頃の上側部分を衿腰に対し左右から折り込んで 縫い付けることによりボックスプリーツを形成し、該ボックスプリーツ上端付近 の三重部分における最内側の衣料生地にのみ織ネームを縫い付けることが好まし い。

【００１１】 このようにすれば、シャツの肩部分を別の衣料生地により形成することをやめ ても、背面側にボックスプリーツが形成されたゆとりのあるシャツを従来通り実 現することが可能であり、しかも、肩部分が一枚の衣料生地となっても、ボック スプリーツ上端付近の三重部分を利用することで織ネームのステッチを表側に現 れないようにすることが可能となる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下本考案の実施の形態を図示例と共に説明する。

【００１３】 図１は本考案の実施の形態の一例を示すもので、図中図６〜図８と同一の符号 を付した部分は同一物を表わしている。

【００１４】 図１に示すように、本形態例においては、シャツ１の肩部分を別の衣料生地に より形成せずに後身頃５から衿腰３’（衿の折返しより下の首に沿った部分。衿 台ともいう。）に到る一枚の衣料生地で形成するようにしており、しかも、その 肩部分を成している後身頃５の上側部分を衿腰３’に対し左右から折り込んで縫 い付けることによりボックスプリーツ７を形成し、該ボックスプリーツ７上端付 近の三重部分における最内側の衣料生地にのみ織ネーム４を縫い付けるようにし ている。

【００１５】 即ち、図２にボックスプリーツ７を正面側から見た詳細図を、図３にボックス プリーツ７を上面側から見た断面図を夫々示しているように、本形態例のシャツ １では、シャツ１の肩部分を成している後身頃５の上側部分をボックス形状が外 側に現れるように左右から折り込んで衿腰３’に縫い付け、これによりアウトボ ックス型のボックスプリーツ７が形成されるようにしており、更には、シャツ１ の内側におけるボックスプリーツ７上端付近の左右の折り込みを突き合わせた箇 所に、この突き合わせ箇所を左右に跨ぐようにして最内側の衣料生地に対し織ネ ーム４が縫い付けられている。

【００１６】 而して、このようにすれば、シャツ１の肩部分が後身頃５から衿腰３’に到る 一枚の衣料生地で形成されることによりシャツ１の肩部分の通気性が向上され、 しかも、シャツ１のデザイン自体はスタンダードなタイプのまま維持されること になる。

【００１７】 また、シャツ１の肩部分を別の衣料生地により形成することをやめても、背面 側にボックスプリーツ７が形成されたゆとりのあるシャツ１を従来通り実現する ことが可能であり、しかも、肩部分が一枚の衣料生地となっても、ボックスプリ ーツ７上端付近の三重部分を利用することで織ネーム４のステッチｓを表側に現 れないようにすることが可能となる。

【００１８】 従って、上記形態例によれば、シャツ１のスタンダードなデザインを生かしつ つ肩部分の通気性を向上して外気温度の高い夏期などに涼感が得られるようにす ることができ、例えばビジネス用のワイシャツなどに適用すれば、夏期に得意先 などを訪問するのにあたり先方に身なりの整った好印象を与えることができる。

【００１９】 更には、背面側にボックスプリーツ７が形成されたゆとりのあるシャツ１を従 来通り実現することができ、しかも、織ネーム４を縫着しているものとはっきり 判るようなステッチｓがシャツ１の肩部分の表側に現れることを未然に回避でき 、シャツ１の背面側の美観を良好に維持することができる。

【００２０】 図４及び図５は本考案の別の形態例を示すもので、ここに図示している例では 、シャツ１の肩部分を成している後身頃５の上側部分をボックス形状が内側に現 れるように左右から折り込んで衿腰３’に縫い付け、これによりインボックス型 のボックスプリーツ７が形成されるようにしており、また、シャツ１の内側にお けるボックスプリーツ７上端付近のボックス形状を成している部分に、このボッ クス形状を成している部分の最内側の衣料生地に対し織ネーム４が縫い付けられ ている。

【００２１】 このようにインボックス型のボックスプリーツ７を採用した場合であっても、 ボックスプリーツ７上端付近の三重部分を利用することで織ネーム４のステッチ ｓを表側に現れないようにすることが可能であり、前述した図１〜図３の形態例 の場合と同様の作用効果を得ることができる。

【００２２】 尚、本考案のシャツは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本考案 の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００２３】

【考案の効果】

上記した本考案のシャツによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

【００２４】 （Ｉ）本考案の請求項１に記載のシャツによれば、シャツのスタンダードなデ ザインを生かしつつ肩部分の通気性を向上して外気温度の高い夏期などに涼感が 得られるようにすることができ、例えばビジネス用のワイシャツなどに適用すれ ば、夏期に得意先などを訪問するのにあたり先方に身なりの整った好印象を与え ることができる。

【００２５】 （ＩＩ）本考案の請求項２に記載のシャツによれば、背面側にボックスプリー ツが形成されたゆとりのあるシャツを従来通り実現することができ、しかも、織 ネームを縫着しているものとはっきり判るようなステッチがシャツの肩部分の表 側に現れることを未然に回避でき、シャツの背面側の美観を良好に維持すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施する形態の一例を示す背面図であ
る。

【図２】図１のボックスプリーツを正面側から見た詳細
図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ方向の矢視図である。

【図４】本考案の別の形態例におけるボックスプリーツ
を正面側から見た詳細図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ方向の矢視図である。

【図６】従来のシャツの一例を示す背面図である。

【図７】図６の要部の詳細を一部を破断して示した斜視
図である。

【図８】織ネームの縫着位置を説明するためのシャツの
衿もと付近の正面図である。

【符号の説明】

１ シャツ ３ 衿 ３’ 衿腰 ４ 織ネーム ５ 後身頃 ７ ボックスプリーツ ｓ ステッチ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外気温度の高い季節に涼感を得るための
   シャツであって、肩部分を別の衣料生地により形成せず
   に後身頃から衿腰に到る一枚の衣料生地により形成した
   ことを特徴とするシャツ。
2. 【請求項２】 後身頃の上側部分を衿腰に対し左右から
   折り込んで縫い付けることによりボックスプリーツを形
   成し、該ボックスプリーツ上端付近の三重部分における
   最内側の衣料生地にのみ織ネームを縫い付けたことを特
   徴とする請求項１に記載のシャツ。