JP3079780B2 - 積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

積層型固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JP3079780B2 JP04165755A JP16575592A JP3079780B2 JP 3079780 B2 JP3079780 B2 JP 3079780B2 JP 04165755 A JP04165755 A JP 04165755A JP 16575592 A JP16575592 A JP 16575592A JP 3079780 B2 JP3079780 B2 JP 3079780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型固体電解コンデン
サおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、固体電解コンデンサは、アルミニ
ウム、タンタル等の弁作用を有する皮膜形成性金属の表
面に誘電体酸化皮膜を形成し、該誘電体皮膜上に二酸化
マンガン、二酸化鉛、テトラシアノキノジメタン錯体、
あるいは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリ
ン等の導電性高分子を固体電解質として介在させたもの
が開発されている。
【0003】一方で、近年電気電子機器の軽薄短小化が
進行するに伴い電子部品の小型化も要求され、その中で
電解コンデンサは小型化、大容量化が進行しており、さ
らに回路基板上への表面実装化の流れからチップ型コン
デンサの需要が増大している。電解コンデンサの大容量
化、チップ化のために特開平3−21006や特開平3
−116813等に報告されているような、アルミニウ
ムなどからなるエッチング箔を化成し、その上に導電性
高分子を形成したコンデンサを巻回したり、また、前記
コンデンサを金属ケースに封入するものや、図8の特開
平3−145115に報告されているよう複数枚のコン
デンサ素子の陽極部を冷間圧接した後、圧接部をレーザ
溶接し、積層するものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
巻回構造の電解コンデンサの場合、金属箔の湾曲部に機
械的ストレスがかかりコンデンサの電気特性が損なわれ
る可能性があり、さらに、金属箔間に隙間が生じること
により、また、形が円柱形であるためにケースに封入し
た時に体積効率が悪化するという欠点がある。また、陽
極部を冷間圧接後、圧接部をレーザ溶接することにより
板状コンデンサを積層する方法では、陽極部の面積を比
較的広く形成することが必要であるために体積効率が悪
化し、また、図8(b)に示すように圧接時に陽極部と
陰極部との境界部が湾曲することによりエッチング箔に
機械的ストレスがかかり、コンデンサの電気特性が損な
われる可能性がある。その上、圧接部をレーザ溶接する
ときに、複数枚の金属箔にレーザを貫通させ同時に溶接
することが困難であるという欠点がある。
【0005】本発明の目的は、単板固体電解コンデンサ
の複数枚を電気的並列に接続するに際し、外部応力によ
る機械的ストレスにより誘電体酸化皮膜が破壊されるの
を防ぐとともに体積効率の上昇した小型大容量の積層型
固体電解コンデンサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成させる
ために、本発明は、弁作用を有する皮膜形成性金属箔の
表面に誘電体酸化皮膜を形成し、誘電体酸化皮膜上
に、二酸化マンガン、二酸化鉛等の無機半導体、あるい
は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等の
導電性高分子膜を形成した単板固体電解コンデンサ
数枚積層した積層型固体電解コンデンサにおいて、各々
前記単板固体電解コンデンサの陽極部が一連の金属線
または帯状金属箔によりなる導体のよって電気的、機械
的に接続されており、前記単板固体電解コンデンサの各
々の前記陽極部に接着された一連の前記金属線、または
前記帯状金属箔が、前記単板固体電解コンデンサの表、
裏に交互に接着されていることを特徴とする積層型固体
電解コンデンサ。
【0007】また、本発明に於て導体としては金属線、
または金属箔を用い、積層方法としては連続した導体を
つづら折りすることを特徴とする。導体である金属線、
または金属箔の材質がコンデンサ金属と同種の金属、ま
たは同種の金属を成分に持つ合金、あるいはコンデンサ
金属と同種の金属、または合金の主成分であることが望
ましい。
【0008】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0009】図3は本発明の第1の実施例における積層
型固体電解コンデンサの単体構造をしめしたもので、
(a)は平面図(b)はA−A線における断面図であ
る。弁作用を有する皮膜形成性金属としてはアルミニウ
ム、タンタル、チタン等の箔あるいは板材を使用してい
る。
【0010】第1の実施例では、幅3mmの短冊状に切
断された金属箔8の所定の部分をアジピン酸系化成液中
で陽極酸化を行い、誘電体となる陽極酸化皮膜9を形成
した。その所定の部分に電解重合または化学重合により
固体電解質となるポリピロール層10を形成した。さら
に陰極引き出し用にグラファイト層11、銀ペースト層
12を順次形成し図3の単板固体電解コンデンサ3を得
た。
【0011】図1は本発明の一実施例の積層型固体電解
コンデンサ及びその製造方法を説明するために工程順に
示した積層型固体電解コンデンサの主要工程の平面図、
斜視図、断面図である。
【0012】まず、図3に示した複数枚の単板固体電解
コンデンサ3の陽極部13の表裏交互に直径100μm
のアルミニウムの金属線1を抵抗溶接により接続(図1
(a))し、アルミニウムの金属部分をつづらに折
り(図1(b))、積層体5(図では5枚)を得る(図
1(c),(d))。積層体5の陰極部は導電性接着剤
層4を形成させることにより一体化する。
【0013】以上のようにして形成した積層体5に図4
のような電極端子を接続した。すなわち、陽極リード線
14としてはCP線を用い陽極接続で用いたアルミニウ
の金属線1に抵抗溶接により接続し、陰極リード線1
5としては陽極リード線14と同様のものを、積層体5
の陰極部端面である導電性接着剤層4上に銀系の導電性
接着剤により接続した。その後図6に示すようにエポキ
シ樹脂などで素子部を外装してリードタイプとし、第1
の実施例のディップ型積層型固体電解コンデンサを完成
させた。
【0014】また、第2の実施例としての図5ではチッ
プ形端子に設計されたリードフレーム15に陽極側を溶
接により、陰極側を銀系の導電性接着剤により接続し
た。次いで図7に示すようにコンデンサ素子をエポキシ
樹脂などで素子部を外装し、外装後リードフレームから
電極部を引き出し外装部に沿って折り曲げチップタイプ
のものとした。図2は本発明の第3の実施例の積層前帯
状金属箔溶接後の斜視図である。第3の実施例として、
前記実施例と同様な方法で単板固体電解コンデンサを形
成し、アルミニウムの金属線1を幅1mmの帯状金属箔
6に変えた以外は同様な方法で積層型固体電解コンデン
サを作成した。
【0015】さらに、第4の実施例は第一の実施例と同
様な方法で単板固体電解コンデンサ3を形成しアルミニ
ウムの金属線1を幅1mmの帯状金属箔6に変え、図2
のように複数枚の単板固体電解コンデンサ3の陽極端面
と幅1mmの帯状金属箔6端面をレーザ溶接し、帯状金
属箔6部分をつづらに折り積層体5(図では5枚)を得
る方法も実施した。積層体5の陰極部は導電性接着剤に
浸漬させることにより一体化する。
【0016】以上のように作成した積層型固体電解コン
デンサの積層後の漏れ電流、オープン不良を表1に示し
た。従来例は陽極部を冷間圧接後、圧接部18をレーザ
により溶接したものである。
【0017】
【表1】
【0018】(10V−4.7μFのコンデンサを用い
た。サンプル数は100個である。LCは10V−1分
値で測定し、3μA以上のものを不良とした。オープン
不良は温度サイクル試験(−55℃〜85℃)50サイ
クル後の値である) 表1からも明らかなように実施例に於いては従来例と比
較してLC不良率、オープン不良率とも減少している。
LC不良は酸化皮膜が破壊することから生じると思わ
れ、また、実施例では複数枚の単板固体電解コンデンサ
の陽極部がアルミニウム線あるいは帯状金属箔を介して
確実に電気的導通がとれているためオープン不良が減少
している。
【0019】尚、本実施例に於いては陽極接続にアルミ
ニウム線(あるいは箔)を用いたが、これはアルミニウ
ムに限られたものではなくCP半田めっき線(あるいは
箔)、Ni半田めっき線(あるいは箔)、42アロイ線
(あるいは箔)、リン青銅線(あるいは箔)等でもよ
い。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、複数枚の箔形固体電
解コンデンサを電気的並列に積層する際、あらかじめ
数の単板固体電解コンデンサの陽極部を表裏交互に一連
金属線あるいは帯状金属箔の導体に接続することで、
各陽極間でこの導体を容易につづら折りでき積層体
できるので、積層後の陽極接続が不要となり、単板固
体電解コンデンサにかかる機械的ストレスを低減するこ
とができ、各々の陽極間が金属線(または箔)の導体
より確実に電気的導通がとれているのでオープン不良の
減少した、体積効率に優れた積層型固体電解コンデンサ
が得られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の積層型固体電解コンデ
ンサの製造工程を示す平面図,斜視図,断面図で、
(a)積層前で導体を接着後、(b)つづら折りの過程
図、(c),(d)は完成図である。
【図2】本発明の第3の実施例の積層型固体電解コンデ
ンサの積層前、帯状金属箔溶接後の斜視図である。
【図3】本発明に使用する単板固体電解コンデンサの
(a)平面図、(b)A−Aに於ける断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例のディップ型積層型固体
電解コンデンサのリード付け後の斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例のチップ型積層型固体電
解コンデンサのリード付け後の斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例のディップ型積層型固体
電解コンデンサの外装後の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例のチップ型固体電解コン
デンサの外装後の斜視図である。
【図8】従来の積層型固体電解コンデンサの(a)平面
図、(b)B−Bに於ける断面図である。
【符号の説明】
1 金属線 2 抵抗溶接部 3 単板固体電解コンデンサ 4 導電性接着剤 5 積層体 6 帯状金属箔 7 レーザ溶接部 8 金属箔 9 陽極酸化皮膜 10 ポリピロール層 11 グラファイト層 12 銀ペースト層 13 陽極部 14 陽極リード線 15 陰極リード線 16 リードフレーム 17 冷間圧接部およびレーザ貫通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 智次 東京都港区芝五丁目7番1号日本電気株 式会社内 (56)参考文献 特開 平4−206621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/012 H01G 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用を有する皮膜形成性金属箔の表面
    に誘電体酸化皮膜を形成し、該誘電体酸化皮膜上に、二
    酸化マンガン、二酸化鉛等の無機半導体、あるいは、ポ
    リピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性
    高分子膜を形成した単板固体電解コンデンサを複数枚積
    層した積層型固体電解コンデンサにおいて、各々の前記
    単板固体電解コンデンサの陽極部が一連の金属線または
    帯状金属箔により電気的、機械的に接続されており、前
    記単板固体電解コンデンサの各々の前記陽極部に接着さ
    れた一連の前記金属線、または前記帯状金属箔が、前記
    単板固体電解コンデンサの表、裏に交互に接着されてい
    ることを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 弁作用を有する皮膜形成性金属箔の表面
    に誘電体酸化皮膜を形成する工程と、前記誘電体酸化皮
    膜上に二酸化マンガン,二酸化鉛等の無機半導体、ある
    いは、ポリピロール,ポリチオフェン,ポリアニリン等
    の導電性高分子膜を形成した単板固体電解コンデンサを
    形成する工程と、前記単板固体電解コンデンサを複数枚
    積層し、各々の単板固体電解コンデンサの陽極部の表、
    裏に交互に一連の金属線または帯状金属箔からなる導体
    を抵抗溶接、またはレーザ溶接により接着し電気的,機
    械的に接続する工程と、前記単体固体コンデンサの陽極
    間の前記導体を、山折り,谷折りを交互に繰り返し、つ
    づら折りする工程とを含むことを特徴とする積層型固体
    電解コンデンサの製造方法
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