JP2007043197A - 積層型コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波インピーダンスが低く、容積が小さく、製造に於いて簡易に歩留まりの良い積層型コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】2個のコンデンサ素子を積層した積層型コンデンサにおいて、下方のコンデンサ素子が陰極部と陽極部の厚さが異なるアルミニウム固体電解コンデンサ素子であり、前記下方のコンデンサ素子は陰極および陽極の端子をリードフレームに載置して、それぞれリードフレームの陰極リード端子、リードフレームの陽極リード端子に接続され、前記下方のコンデンサ素子上に積層セラミックスコンデンサを載置し、該積層セラミックスコンデンサ素子は両端子をリード線により前記リードフレームの陰極リード端子、前記陽極リード端子の両端子に接続され、リードフレームの一部を残して樹脂で封止した積層型コンデンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は高周波インピーダンスが低く、容積が小さく、製造において歩留が良好な積層型コンデンサに関する。
電子部品材において、近年は多品種、高機能化、小型化が要求されており、コンデンサの分野においても例外ではなく、各種の機能を備えたコンデンサが要求されている。なお一般にコンデンサとは、工場から出荷されるコンデンサ機能を有するパーツを指し、回路基板や電子パーツに組み込みそこで全体を封止するために外装封止してないコンデンサ機能を有するパーツおよび外装封止したコンデンサの両者を言う。
従来、積層コンデンサは、一般にコンデンサ素子同士を積層することによって作製されている。たとえば板状の弁金属エッチング箔を打ち抜いて、不要の部分を除去し、複数の長方形部分の一端が接続されて櫛状に並列している弁金属エッチング箔成形体をつくり、これら長方形部分に順次誘電体酸化皮膜層、半導体層、導電体層を形成した後、複数の櫛状成形体の長方形部分を重ね合わせ、上記長方形部分が複数枚積層されている部分を導電ペースト浴に浸漬一体化した後、切断分離する方法(特許文献1)。
あるいは、弁金属エッチング箔を打ち抜いて、不要の部分を除去し、複数の長方形部分が串ダンゴ状に連結され、さらに串ダンゴ状のものが並列している弁金属エッチング箔成形体をつくり、上記串ダンゴ状部分に順次誘電体酸化皮膜層、半導体層、導電体層を形成した後、長方形部分の連結されている部分で折り曲げて、長方形部分を重ね合わせて一体化し、それぞれの重ね合わせた部分を切断分離する方法(特許文献2)等が知られている。
即ち、従来の積層コンデンサはコンデンサ素子としては1個のものである。
また外装封止したフィルム卷回型コンデンサ素子同士、または外装封止したセラミックコンデンサ素子同士の同種のコンデンサ素子を並列接続した積層型コンデンサ(特許文献3及び特許文献4)があるが、使用するコンデンサ素子が既に封止されており、リードフレームに接合した後あるいはプリント基板などに組み込まれた後で封止外装する際にその外装が大きくなるばかりでなくコストアップとなることが避けられない。
特開昭63−239917号公報 特公昭57−10564号公報 実開昭56−36128号 実開昭59−173331号
しかしながら、上記櫛状成形体を重ね合わせて積層体を形成する固体電解コンデンサ素子では、各コンデンサ素子の陰極部は、アルミニウム箔等の陽極基体の表面に半導体層および導電体層が積層されているため、陽極部より厚みが厚くなっている。従ってこの厚みの差はコンデンサ素子の積層枚数が増加した場合より顕著となる。そして積層コンデンサ素子の陽極部は、陽極リード端子に通常スポット溶接にて溶接される。しかしながら前記のように複数枚積層された積層コンデンサ素子の場合は、陰極部と陽極部との厚みの差が大きくなり、封止の際に厚みの差の分を変形させる加圧力を加えて陽極部をスポット溶接行うことが必要となる。そのため陽極部、もしくは陰極部に応力、歪等を発生させ、漏れ電流による不良率を増加させる問題があった。
また、前述した串ダンゴ状の連結体を折り曲げ積層体を形成する方法では、折り曲げ部にも半導体層および導電体層が設けられているため、折り曲げ部からの漏れ電流発生が避けられず作製したコンデンサの漏れ電流不良を多数発生させ歩留が極めて悪いものとなる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、高周波インピーダンスが低く、容積が小さく、製造において簡易に歩留の良い積層型コンデンサを提供することを目的とする。即ち、本発明に従えば、リードフレームの両端子に載置接続された片方のコンデンサ素子上に、両リード線を有する他方のコンデンサ素子が載置され、該両リード線が前記リードフレームの両端子に各々接続された積層型コンデンサが得られる。
即ち、本発明は
[1] 2個のコンデンサ素子を積層した積層型コンデンサにおいて、下方のコンデンサ素子が陰極部と陽極部の厚さが異なるアルミニウム固体電解コンデンサ素子であり、前記下方のコンデンサ素子は陰極および陽極の端子をリードフレームに載置して、それぞれリードフレームの陰極リード端子、リードフレームの陽極リード端子に接続され、前記下方のコンデンサ素子上に積層セラミックスコンデンサを載置し、該積層セラミックスコンデンサ素子は両端子をリード線により前記リードフレームの陰極リード端子、前記陽極リード端子の両端子に接続され、リードフレームの一部を残して樹脂で封止した積層型コンデンサ、
を開発することにより上記の課題を解決した。
本発明に係る積層型コンデンサは、下方のコンデンサ素子は陰極および陽極の端子をそれぞれのリードフレームに直接載置し。且つ上方のコンデンサ素子の両端子をリード線により前記のリードフレームにそれぞれ接続されているので従来の積層型コンデンサに比較して高周波インピーダンスが低く、容積が小さく、製造において歩留が極めて良好であり、また簡便に作製でき、さらに作製したコンデンサは特性が優れる等の長所を有している。
コンデンサには、陽極部と陰極部を有する有極性コンデンサ素子、例えば固体電解コンデンサ素子と、極性を有していない無極性コンデンサ素子があるが、本発明においては、2個のコンデンサ素子のうち少なくとも一つは陰極部と陽極部を有する有極性コンデンサ素子である必要がある。
本発明において積層型コンデンサとは、2個のコンデンサ素子を並列に結合したものであって、下方のコンデンサ素子は、陰極部と陽極部の厚さが異なるコンデンサ素子を並列に接続した積層型コンデンサである。
以下、本発明について詳細に説明する。図1は、本発明を説明するための積層された後のコンデンサの断面図であり、リードフレーム1の両端子にコンデンサ素子2は陰極部と陽極部の厚さが異なる固体電解コンデンサ素子が載置接続されている。さらに、両リード線3を有する積層セラミックスコンデンサ素子4がコンデンサ素子2上に載置され両リード線3がリードフレーム1の両端子に各々接続されている。
リードフレーム1は広幅の金属で箔又は板が使用される。材質は、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム又はこれらの合金等であり表面に半田メッキ、錫メッキ、銀メッキ等が施されていても良い。コンデンサ素子2との接続は、溶接、半田等の溶融金属、導電ペースト等で行われる。
一方、コンデンサ素子2および4は、従来公知のアルミニウム固体電解コンデンサ素子及び積層セラミックスコンデンサ素子である。そして少なくともリードフレームに接続する一方が陰極部と陽極部の厚さが異なるコンデンサ素子であり、且つ両者のコンデンサ素子のうち少なくともいずれかが外装されていないコンデンサ素子であれば同種であっても異種のコンデンサ素子を用いても良い。
即ち本発明においては、コンデンサ素子2および/又はコンデンサ素子4は、既に積層構造のコンデンサ素子であっても良い。また、コンデンサ素子2および4は外装封止されていないか、または少なくとも一方が樹脂又はセラミックス等で外装されていても良いが、両者共外装されていると、積層後に行う外装の大きさが大きくなるばかりでなく高価なものとなり好ましくない。
コンデンサ素子4をコンデンサ素子2に載置する場合、載置を強固にするためにポリマー、導電ペースト、半田等の接着剤で一部又は全部を接合しておいても良い。
リード線3は銅、鉄、ニッケル、アルミニウム又はこれらの合金等からなり表面に半田メッキ、錫メッキ、銀メッキが施されていても良い。また形状は棒状、板状、箔状のものが用いられ、コンデンサ素子4に直接又はコンデンサ素子4の内部端子に溶接、半田等の溶接金属、導電ペースト等で接続されている。
両リード線3とリードフレーム1の両端子の接続は、溶接、半田等の溶接金属、導電ペースト等で接続される。図1においては、リードフレーム1の両端子および両リード線3を各コンデンサ素子の逆方向から出しているが、共に同一方向から出しても良いし、一方のみを同一方向から出しても良い。以上のようにして得た積層型コンデンサは、リードフレームの一部を残して樹脂、セラミックス又はフィルム等で外装封止され所定の積層型コンデンサとなる。
(実施例1)
コンデンサ素子としてアルミニウム固体電解コンデンサ素子を使用した場合の実施例を説明する。厚さ100μm、大きさ5mm×3mmのアルミニウムエッチング化成箔(75μF/cm2 、以下化成箔という)の3mm×3mmの部分に特開昭63−51621号公報の方法に従い、二酸化鉛と硫酸鉛からなる半導体層を形成した。さらに該半導体層上にカーボンペーストおよび導電ペーストを順に積層しコンデンサ素子を形成した。次に厚さ0.1mm、幅3mm、長さ10mmの両端子を有するリードフレーム(鉄ニッケル合金、表面に半田メッキ)に、前記コンデンサ素子の導電ペースト付着部と化成箔のみの部分を各々載置し、前者は銀ペーストで後者は溶接で電気的・機械的に接続した。一方、前述したコンデンサ素子と同様なものを作製し、該コンデンサ素子の導電ペースト付着部と化成箔のみの部分に各々直径0.25mm、長さ8mmの錫メッキ銅線を前者は銀ペーストで後者は溶接で接続した。さらに該錫メッキ銅線の先端部をL字状に折り曲げ、該コンデンサ素子を前述したコンデンサ素子に載置すると共に、前記リードフレームの両端子に溶接した。その後積層型コンデンサの性能検査を行うためリードフレームの一部を残してエポキシ樹脂で封止して積層型コンデンサを作製した。
(実施例2)
6mm×7mmの積層セラミックスコンデンサ(4.7μF)の両端子に実施例1で記載した錫メッキ銅線を半田付けした。一方、実施例1と同様な手法で得たリードフレームの両端子に接続されたアルミニウム固体電解コンデンサ素子上に該積層セラミックスコンデンサを載置すると共に、錫メッキ銅線をリードフレームの両端子に各々半田付けした。さらに積層型コンデンサの性能検査を行うためエポキシ樹脂でリードフレームの一部を残して封止し積層型コンデンサを得た。
(比較例1)
特開昭63−239917号公報に基づき、長さ5mm、幅3mmの櫛状部を10個持ったアルミニウムエッチング化成箔(厚さ100μm、75μF/cm2 )の櫛状成形体を2枚用意した。櫛状部の下端3mm×3mmの部分に実施例1と同様な半導体層および導電体層を形成した後、櫛状成形体を重ね銀ペースト浴に浸漬し一体化した後、下端から5mmの部分で切断した。一方、実施例1と同様なリードフレームの両端子に載置し、銀ペーストと溶接で接続した。化成箔のみの部分は、先端は屈曲してリードフレームの端子に接続されていた。さらに積層型コンデンサの性能検査を行うため実施例1と同様にしてエポキシ樹脂で封止した。
(比較例2)
特公昭57−10564号公報に基づき、長さ3mm×3mmの部分を2個設けたアルミニウムエッチング化成箔(厚さ100μm、75μF/cm2 )の串ダンゴ状連結体(連結部1mm×1mm)全面に実施例1と同様にして半導体層を形成した後、連結部を折り曲げ積層し、カーボンペースト層および銀ペースト層を順次形成することにより一体化した。さらに上端2mmの化成箔のみの所で切断し、実施例1と同様なリードフレームの両端子に接続した。さらに積層型コンデンサの性能検査を行うため実施例1と同様にしてエポキシ樹脂で封止した。
以上作製した実施例および比較例のサンプル各50点の歩留(漏れ電流値が0.1μA以下の個数)および電気性能(良品の平均値)を表1に示した。
Figure 2007043197
本発明の積層型コンデンサは上記の構成となっているので、リードフレームに載置接続された下方のコンデンサはリード線がないためインピーダンスが小さく、またコンデンサ素子間の厚みの差による外部リード線への接続時のひずみ発生およびコンデンサ素子を折り曲げることによって発生する漏れ電流不良発生も生じないために歩留が良好になる。さらに少なくとも一方が封止されていないコンデンサを使用するため封止後の積層型コンデンサコンデンサの容積を小さくすることができる。この様に組み合わせたコンデンサを使用することにより、多様な要望に応えることができる積層型コンデンサである。
本発明を説明するための積層した後の積層型コンデンサの断面図である。
符号の説明
1 リードフレーム
2 一方のコンデンサ素子
3 リード線
4 他方のコンデンサ素子

Claims (1)

  1. 2個のコンデンサ素子を積層した積層型コンデンサにおいて、下方のコンデンサ素子が陰極部と陽極部の厚さが異なるアルミニウム固体電解コンデンサ素子であり、前記下方のコンデンサ素子は陰極および陽極の端子をリードフレームに載置して、それぞれリードフレームの陰極リード端子、リードフレームの陽極リード端子に接続され、前記下方のコンデンサ素子上に積層セラミックスコンデンサを載置し、該積層セラミックスコンデンサ素子は両端子をリード線により前記リードフレームの陰極リード端子、前記陽極リード端子の両端子に接続され、リードフレームの一部を残して樹脂で封止した積層型コンデンサ。
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