JP3078694B2 - ゲニステインの製造法 - Google Patents
ゲニステインの製造法Info
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- JP3078694B2 JP3078694B2 JP05343304A JP34330493A JP3078694B2 JP 3078694 B2 JP3078694 B2 JP 3078694B2 JP 05343304 A JP05343304 A JP 05343304A JP 34330493 A JP34330493 A JP 34330493A JP 3078694 B2 JP3078694 B2 JP 3078694B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はイソフラボン混合物か
ら、高純度のゲニステインを簡単な操作で分離して得る
方法に関するものである。
ら、高純度のゲニステインを簡単な操作で分離して得る
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び課題】マメ科、キク科、アヤメ科等多
くの植物体にはダイゼイン、ゲニステイン、およびその
配糖体であるダイジン、ゲニスチン等のイソフラボン
(イソフラボンアグリコンおよびその配糖体)が含まれ
ており、これらにはエストロゲン作用、抗菌作用、抗酸
化作用、制ガン作用をはじめとして多くの薬理効果があ
ることが確認されている。植物体中のイソフラボンは、
その95%以上が配糖体として存在しているが、制ガン
作用等の薬理効果は、配糖体よりもダイゼイン、ゲニス
テイン等のアグリコンの方が強い。
くの植物体にはダイゼイン、ゲニステイン、およびその
配糖体であるダイジン、ゲニスチン等のイソフラボン
(イソフラボンアグリコンおよびその配糖体)が含まれ
ており、これらにはエストロゲン作用、抗菌作用、抗酸
化作用、制ガン作用をはじめとして多くの薬理効果があ
ることが確認されている。植物体中のイソフラボンは、
その95%以上が配糖体として存在しているが、制ガン
作用等の薬理効果は、配糖体よりもダイゼイン、ゲニス
テイン等のアグリコンの方が強い。
【0003】従来、植物原料からゲニステインを含有す
るイソフラボン溶液を得る方法は公知であるが(特公平
4-21670、特公平4-34526)、これらは数種類のイソフラ
ボンの混合物を得る方法であってゲニステインを分離す
る方法ではない。
るイソフラボン溶液を得る方法は公知であるが(特公平
4-21670、特公平4-34526)、これらは数種類のイソフラ
ボンの混合物を得る方法であってゲニステインを分離す
る方法ではない。
【0004】またイソフラボン混合物よりゲニステイン
を単離する方法も公知であるが(特開昭61-247396)、
これはカラムクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフ
ィーを繰り返す大変煩雑な方法であり、時間的、経済的
コストが高いという問題がある。そのため、イソフラボ
ン混合物より、高純度のゲニステインを簡単な操作で分
離する方法の確立が一層期待されている。
を単離する方法も公知であるが(特開昭61-247396)、
これはカラムクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフ
ィーを繰り返す大変煩雑な方法であり、時間的、経済的
コストが高いという問題がある。そのため、イソフラボ
ン混合物より、高純度のゲニステインを簡単な操作で分
離する方法の確立が一層期待されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような現状を鑑み、
本発明者らはイソフラボン混合物から簡単な操作でゲニ
ステインを分離する方法について検討した結果、イソフ
ラボンのうちゲニステインのみが一般式CHnCl
4-n(n=0,1,2)で表される溶剤に易溶であるこ
とを見出だし本発明を完成した。すなわち本発明はイソ
フラボン混合物を一般式CHnCl4-n(n=0,1,
2)で表される溶剤で抽出処理することを特徴とするゲ
ニステインの製造法である。
本発明者らはイソフラボン混合物から簡単な操作でゲニ
ステインを分離する方法について検討した結果、イソフ
ラボンのうちゲニステインのみが一般式CHnCl
4-n(n=0,1,2)で表される溶剤に易溶であるこ
とを見出だし本発明を完成した。すなわち本発明はイソ
フラボン混合物を一般式CHnCl4-n(n=0,1,
2)で表される溶剤で抽出処理することを特徴とするゲ
ニステインの製造法である。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。イソフラ
ボン混合物を得るための出発原料は、イソフラボンを含
有する植物の抽出物であればどのようなものでもよい
が、特にイソフラボンを大量に含む大豆を用いることが
好ましい。大豆抽出物としては丸大豆、脱皮大豆、脱脂
大豆、大豆粉、大豆胚芽等を水、有機溶媒または水と有
機溶媒との混合溶媒で抽出したもの、あるいは豆腐、味
噌、醤油、分離大豆蛋白質等を製造する工程で生じる
「煮汁」、「ゆ」、「ホエー」等を挙げることができ
る。また、醤油粕をメタノール、エタノール等のアルコ
ール、あるいは含水アルコールで抽出したものを使用す
ることも可能である。さらには醤油油にカセイソーダ溶
液を加え、加熱して不要な油をケン化し、エチルエーテ
ルで不ケン化物であるイソフラボンアグリコンを抽出し
たものを用いることもできる。
ボン混合物を得るための出発原料は、イソフラボンを含
有する植物の抽出物であればどのようなものでもよい
が、特にイソフラボンを大量に含む大豆を用いることが
好ましい。大豆抽出物としては丸大豆、脱皮大豆、脱脂
大豆、大豆粉、大豆胚芽等を水、有機溶媒または水と有
機溶媒との混合溶媒で抽出したもの、あるいは豆腐、味
噌、醤油、分離大豆蛋白質等を製造する工程で生じる
「煮汁」、「ゆ」、「ホエー」等を挙げることができ
る。また、醤油粕をメタノール、エタノール等のアルコ
ール、あるいは含水アルコールで抽出したものを使用す
ることも可能である。さらには醤油油にカセイソーダ溶
液を加え、加熱して不要な油をケン化し、エチルエーテ
ルで不ケン化物であるイソフラボンアグリコンを抽出し
たものを用いることもできる。
【0007】以下に、大豆の水浸漬液を出発原料として
イソフラボン混合物を得る方法について、具体例を挙げ
て説明する。 1 脱皮大豆を10倍量の50℃の温水(アルカリでp
H9に調整)に2時間浸漬し、浸漬液を分離する。 2 この浸漬液を合成樹脂(例えばダイヤイオンHP-2
0、YMC-GEL ODS-Aタイプ60-01)に接触させ、浸漬液中
のイソフラボンを合成樹脂に吸着させる。浸漬液と合成
樹脂との接触には、バッチ法またはカラム法のいずれの
方法を使用しても良い。 3 合成樹脂に吸着したイソフラボンをアルカリ性水溶
液、アルコール、あるいは含水アルコールを用いて脱着
・溶出し、樹脂吸着物として回収する。 4 得られた樹脂吸着物を減圧濃縮し、シロップ状の濃
縮物を得る。この濃縮物にはイソフラボン配糖体の他に
クロロフィル、カロチノイド、リン脂質等複数の脂溶性
成分が混在しているので、この濃縮物に有機溶剤(例え
ばヘキサン等)を加え、脂溶性成分を抽出除去した後、
抽出残渣を回収する。抽出残渣の主成分はイソフラボン
配糖体、具体的にはダイジンおよびゲニスチンであり、
ゲニスチンは本発明の目的とするゲニステインの配糖体
である。
イソフラボン混合物を得る方法について、具体例を挙げ
て説明する。 1 脱皮大豆を10倍量の50℃の温水(アルカリでp
H9に調整)に2時間浸漬し、浸漬液を分離する。 2 この浸漬液を合成樹脂(例えばダイヤイオンHP-2
0、YMC-GEL ODS-Aタイプ60-01)に接触させ、浸漬液中
のイソフラボンを合成樹脂に吸着させる。浸漬液と合成
樹脂との接触には、バッチ法またはカラム法のいずれの
方法を使用しても良い。 3 合成樹脂に吸着したイソフラボンをアルカリ性水溶
液、アルコール、あるいは含水アルコールを用いて脱着
・溶出し、樹脂吸着物として回収する。 4 得られた樹脂吸着物を減圧濃縮し、シロップ状の濃
縮物を得る。この濃縮物にはイソフラボン配糖体の他に
クロロフィル、カロチノイド、リン脂質等複数の脂溶性
成分が混在しているので、この濃縮物に有機溶剤(例え
ばヘキサン等)を加え、脂溶性成分を抽出除去した後、
抽出残渣を回収する。抽出残渣の主成分はイソフラボン
配糖体、具体的にはダイジンおよびゲニスチンであり、
ゲニスチンは本発明の目的とするゲニステインの配糖体
である。
【0008】本発明は、この抽出残渣を用いて行なうこ
とも可能であるが、ゲニステインの収率を上げるため、
加水分解処理により抽出残渣中の配糖体成分をイソフラ
ボンアグリコンとしたものを用いることが好ましい。 5 上記の方法により得られた抽出残渣に塩酸酸性アル
コールを加え、還流させながら100℃、6時間加水分
解を行う。本処理によりイソフラボン配糖体の主成分で
あるダイジンおよびゲニスチンは、ゲニステインおよび
ダイゼインに加水分解される。
とも可能であるが、ゲニステインの収率を上げるため、
加水分解処理により抽出残渣中の配糖体成分をイソフラ
ボンアグリコンとしたものを用いることが好ましい。 5 上記の方法により得られた抽出残渣に塩酸酸性アル
コールを加え、還流させながら100℃、6時間加水分
解を行う。本処理によりイソフラボン配糖体の主成分で
あるダイジンおよびゲニスチンは、ゲニステインおよび
ダイゼインに加水分解される。
【0009】尚、加水分解処理は酵素(β−グルコシダ
ーゼ)を用いて行なうことも可能である。 6 加水分解物を減圧濃縮した後、蒸留水で充分に洗浄
し、中性領域(pH5−7)に調整する。洗浄後、残渣
を回収し乾燥させる。この残渣(イソフラボン混合物)
の主成分はイソフラボンアグリコン、具体的にはダイゼ
インおよびゲニステインである。
ーゼ)を用いて行なうことも可能である。 6 加水分解物を減圧濃縮した後、蒸留水で充分に洗浄
し、中性領域(pH5−7)に調整する。洗浄後、残渣
を回収し乾燥させる。この残渣(イソフラボン混合物)
の主成分はイソフラボンアグリコン、具体的にはダイゼ
インおよびゲニステインである。
【0010】本発明では、上記のように調製したイソフ
ラボン混合物を一般式CHnCl4-n(n=0,1,2)
で表される溶剤、具体的にはクロロホルム、ジクロロメ
タン、四塩化炭素で抽出処理してゲニステインを分離す
る。上記の方法により得られたイソフラボン混合物の主
成分はイソフラボンアグリコン、具体的にはゲニステイ
ンおよびダイゼインであり、このうちゲニステインのみ
が上記の溶剤に易溶である。そのため、イソフラボン混
合物をこれらの溶剤に接触させると、ゲニステインのみ
が溶剤層に抽出される。本発明で使用する溶剤のうち、
特にクロロホルムは、ゲニステインを特異的に抽出する
効果が優れている。
ラボン混合物を一般式CHnCl4-n(n=0,1,2)
で表される溶剤、具体的にはクロロホルム、ジクロロメ
タン、四塩化炭素で抽出処理してゲニステインを分離す
る。上記の方法により得られたイソフラボン混合物の主
成分はイソフラボンアグリコン、具体的にはゲニステイ
ンおよびダイゼインであり、このうちゲニステインのみ
が上記の溶剤に易溶である。そのため、イソフラボン混
合物をこれらの溶剤に接触させると、ゲニステインのみ
が溶剤層に抽出される。本発明で使用する溶剤のうち、
特にクロロホルムは、ゲニステインを特異的に抽出する
効果が優れている。
【0011】イソフラボン混合物と上記の溶剤との接触
には、還流抽出法を用いることが好ましい。また溶剤の
量はイソフラボン混合物の30〜500倍量、抽出時間
は3時間前後とし、これを数回繰り返すことが好まし
い。イソフラボン混合物を溶剤で抽出処理した後、溶剤
層を、例えば減圧濃縮することにより目的とするゲニス
テインを分離することができる。本発明の方法により得
られるゲニステインは、必要に応じてアルミナ、シリカ
ゲル等を用いてさらに精製しても良い。
には、還流抽出法を用いることが好ましい。また溶剤の
量はイソフラボン混合物の30〜500倍量、抽出時間
は3時間前後とし、これを数回繰り返すことが好まし
い。イソフラボン混合物を溶剤で抽出処理した後、溶剤
層を、例えば減圧濃縮することにより目的とするゲニス
テインを分離することができる。本発明の方法により得
られるゲニステインは、必要に応じてアルミナ、シリカ
ゲル等を用いてさらに精製しても良い。
【0012】以下実験例により、本発明の効果を説明す
る。 実験例1 (イソフラボン混合物の調製法)脱皮大豆を、10倍量
の50℃の温水(アルカリでpH9に調整)に2時間浸
漬し、浸漬液を分離する。次いでバッチ法により浸漬液
に合成樹脂(ダイヤイオンHP-20)を加え、1時間攪拌
する。合成樹脂を水で充分に洗浄した後、1N−アンモ
ニア水を加え、樹脂吸着物を溶出させる。同様の溶出操
作を2回行なった後、溶出液を合わせて減圧濃縮し、シ
ロップ状の濃縮物を得る。この濃縮物にクロロホルムを
加えて3時間の還流抽出を3回行なった後、抽出残渣を
回収し、この抽出残渣に4%塩酸メタノール溶液を加
え、還流しながら100℃、6時間加水分解する。加水
分解物を減圧濃縮した後、蒸留水で充分に洗浄し、洗浄
後の残渣を乾燥させて褐色の固形物を得た。この固形物
を、HPLC(Waters社 209D型)で分析したところ、
この固形物はダイゼインとゲニステインを主成分とする
イソフラボン混合物であった。また、ダイゼインとゲニ
ステインの量比は約1:1であった。
る。 実験例1 (イソフラボン混合物の調製法)脱皮大豆を、10倍量
の50℃の温水(アルカリでpH9に調整)に2時間浸
漬し、浸漬液を分離する。次いでバッチ法により浸漬液
に合成樹脂(ダイヤイオンHP-20)を加え、1時間攪拌
する。合成樹脂を水で充分に洗浄した後、1N−アンモ
ニア水を加え、樹脂吸着物を溶出させる。同様の溶出操
作を2回行なった後、溶出液を合わせて減圧濃縮し、シ
ロップ状の濃縮物を得る。この濃縮物にクロロホルムを
加えて3時間の還流抽出を3回行なった後、抽出残渣を
回収し、この抽出残渣に4%塩酸メタノール溶液を加
え、還流しながら100℃、6時間加水分解する。加水
分解物を減圧濃縮した後、蒸留水で充分に洗浄し、洗浄
後の残渣を乾燥させて褐色の固形物を得た。この固形物
を、HPLC(Waters社 209D型)で分析したところ、
この固形物はダイゼインとゲニステインを主成分とする
イソフラボン混合物であった。また、ダイゼインとゲニ
ステインの量比は約1:1であった。
【0013】(ゲニステインの抽出)上記の方法により
調製したイソフラボン混合物に、表1に示した溶剤を加
え、3時間の還流抽出を3回行なった後、溶剤層をメン
ブランフィルターで濾過し、濾液を上記と同様の条件で
HPLC分析したところ、その成分はゲニステインおよ
びダイゼインであった。結果を表1に示す。
調製したイソフラボン混合物に、表1に示した溶剤を加
え、3時間の還流抽出を3回行なった後、溶剤層をメン
ブランフィルターで濾過し、濾液を上記と同様の条件で
HPLC分析したところ、その成分はゲニステインおよ
びダイゼインであった。結果を表1に示す。
【0014】
【0015】この実験例から明らかなように、イソフラ
ボン混合物を一般式CHnCl4-n(n=0,1,2)で
表される溶剤、すなわちクロロホルム、ジクロロメタ
ン、四塩化炭素で抽出処理することにより、高純度のゲ
ニステインを簡単な操作で分離することができる。特に
クロロホルムはゲニステインを特異的に抽出する効果が
優れていることがわかる。
ボン混合物を一般式CHnCl4-n(n=0,1,2)で
表される溶剤、すなわちクロロホルム、ジクロロメタ
ン、四塩化炭素で抽出処理することにより、高純度のゲ
ニステインを簡単な操作で分離することができる。特に
クロロホルムはゲニステインを特異的に抽出する効果が
優れていることがわかる。
【0016】
【発明の効果】 本発明により大豆イソフラボン混合物
より、高純度のゲニステインを簡単な操作で分離・精製
することができる。従ってカラムクロマトグラフィーや
薄層クロマトグラフィー等の煩雑な操作が不要となり、
時間的、経済的コストを低減することができる。
より、高純度のゲニステインを簡単な操作で分離・精製
することができる。従ってカラムクロマトグラフィーや
薄層クロマトグラフィー等の煩雑な操作が不要となり、
時間的、経済的コストを低減することができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示す。 実施例1 脱皮大豆2kgを、アルカリでpH9に調整した50℃
の水20lに2時間浸漬し、浸漬液を分離した。次いで
バッチ法により、浸漬液に合成樹脂(ダイヤイオンHP-2
0)500gを加え、1時間攪拌した。合成樹脂を水で
充分に洗浄した後、1N−アンモニア水700mlを加
えて樹脂吸着物を溶出させた。同様の溶出操作を2回行
なった後、溶出液を合わせて減圧濃縮し、シロップ状の
濃縮物1.57gを得た。この濃縮物にヘキサン100
mlを加えて3時間の還流抽出を3回行なった。次いで
抽出残渣を回収し、この抽出残渣に4%塩酸メタノール
溶液150mlを加え、還流しながら3時間加水分解し
た。加水分解物を減圧濃縮した後、この加水分解物を蒸
留水で充分に洗浄し、洗浄後の残渣を乾燥させて褐色の
固形物367mgを得た。この固形物に、クロロホルム
50mlを加えて3時間の還流抽出を3回行なった後、
溶剤層を減圧濃縮して高純度のゲニステイン152mg
を得た。
の水20lに2時間浸漬し、浸漬液を分離した。次いで
バッチ法により、浸漬液に合成樹脂(ダイヤイオンHP-2
0)500gを加え、1時間攪拌した。合成樹脂を水で
充分に洗浄した後、1N−アンモニア水700mlを加
えて樹脂吸着物を溶出させた。同様の溶出操作を2回行
なった後、溶出液を合わせて減圧濃縮し、シロップ状の
濃縮物1.57gを得た。この濃縮物にヘキサン100
mlを加えて3時間の還流抽出を3回行なった。次いで
抽出残渣を回収し、この抽出残渣に4%塩酸メタノール
溶液150mlを加え、還流しながら3時間加水分解し
た。加水分解物を減圧濃縮した後、この加水分解物を蒸
留水で充分に洗浄し、洗浄後の残渣を乾燥させて褐色の
固形物367mgを得た。この固形物に、クロロホルム
50mlを加えて3時間の還流抽出を3回行なった後、
溶剤層を減圧濃縮して高純度のゲニステイン152mg
を得た。
【0018】実施例2 脱脂大豆を原料として製造された醤油の副産物である醤
油粕50gに、1500mlのメタノールを加えて3時
間の還流抽出を3回繰り返した後、抽出液を合わせ、こ
れを減圧濃縮しシロップ状の濃縮物4.0gを得た。こ
の濃縮物にヘキサン200mlを加えて3時間の還流抽
出を3回行なった。次いで、抽出残渣を回収し、蒸留水
で充分に洗浄した後、残渣を乾燥させて褐色の固形物1
450mgを得た。この固形物の主成分はイソフラボン
アグリコン、具体的にはダイゼインおよびゲニステイン
であった。
油粕50gに、1500mlのメタノールを加えて3時
間の還流抽出を3回繰り返した後、抽出液を合わせ、こ
れを減圧濃縮しシロップ状の濃縮物4.0gを得た。こ
の濃縮物にヘキサン200mlを加えて3時間の還流抽
出を3回行なった。次いで、抽出残渣を回収し、蒸留水
で充分に洗浄した後、残渣を乾燥させて褐色の固形物1
450mgを得た。この固形物の主成分はイソフラボン
アグリコン、具体的にはダイゼインおよびゲニステイン
であった。
【0019】尚、醤油粕中のイソフラボン配糖体は、醤
油製造工程中にβ−グルコシダーゼによる加水分解を受
けてアグリコンとなっているため、加水分解操作を行な
う必要はない。上記残渣にクロロホルム500mlを加
え、実施例1と同様にして還流抽出を行ない、溶剤層を
減圧濃縮して高純度のゲニステイン769mgを得た。
油製造工程中にβ−グルコシダーゼによる加水分解を受
けてアグリコンとなっているため、加水分解操作を行な
う必要はない。上記残渣にクロロホルム500mlを加
え、実施例1と同様にして還流抽出を行ない、溶剤層を
減圧濃縮して高純度のゲニステイン769mgを得た。
Claims (1)
- 【請求項1】 イソフラボン混合物を一般式CHnCl
4-n(n=0,1,2)で表される溶剤で抽出処理する
ことを特徴とするゲニステインの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05343304A JP3078694B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | ゲニステインの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05343304A JP3078694B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | ゲニステインの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07173148A JPH07173148A (ja) | 1995-07-11 |
JP3078694B2 true JP3078694B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=18360488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05343304A Expired - Lifetime JP3078694B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | ゲニステインの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3078694B2 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE275959T1 (de) | 1992-05-19 | 2004-10-15 | Graham Edmund Kelly | Verwendung von isoflavon phyto-östrogen extrakten von soja oder klee |
MX9710479A (es) | 1995-09-07 | 1998-03-31 | Oreal | Extracto de iridaceas y composiciones que la contienen. |
FR2738486B1 (fr) * | 1995-09-07 | 1997-11-14 | Oreal | Utilisation d'au moins un extrait d'au moins une iridacee dans une composition cosmetique ou pharmaceutique |
FR2738488B1 (fr) * | 1995-09-07 | 1997-11-14 | Oreal | Composition contenant a titre de principe actif au moins un extrait d'au moins une iridacee |
AUPO203996A0 (en) | 1996-08-30 | 1996-09-26 | Novogen Research Pty Ltd | Therapeutic uses |
US6146668A (en) | 1997-04-28 | 2000-11-14 | Novogen, Inc. | Preparation of isoflavones from legumes |
DE69830495T2 (de) * | 1997-07-30 | 2006-04-06 | Indena S.P.A. | Sojaextrakt, verfahren zu dessen herstellung und pharmazeutische zusammensetzung |
JP2000095792A (ja) | 1998-09-21 | 2000-04-04 | Showa Sangyo Co Ltd | ゲニスチンから成るイソフラボン組成物の取得方法 |
US6703051B1 (en) | 1998-10-13 | 2004-03-09 | Solae, Llc | Process for separating and recovering protein and isoflavones from a plant material |
AUPQ266199A0 (en) | 1999-09-06 | 1999-09-30 | Novogen Research Pty Ltd | Compositions and therapeutic methods involving isoflavones and analogues thereof |
AUPR363301A0 (en) | 2001-03-08 | 2001-04-05 | Novogen Research Pty Ltd | Dimeric isoflavones |
ES2390965T3 (es) * | 2003-09-19 | 2012-11-20 | Sunstar Inc. | Procedimiento para inhibir la resorción ósea alveolar y la pérdida de membrana periodontal y composición para la utilización interna destinada a su utilización en el mismo |
JP2012171923A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Kao Corp | Ppar活性化剤 |
CN104546998B (zh) * | 2014-10-20 | 2017-09-29 | 长春大学 | 高染料木苷含量大豆异黄酮的生产方法 |
JP6970992B2 (ja) | 2020-01-30 | 2021-11-24 | 愛知県 | ウナギ雌化誘導方法、ウナギ飼育方法、ウナギ雌化剤、及び、ウナギ用飼料 |
TW202228527A (zh) | 2020-10-02 | 2022-08-01 | 日商共立製藥股份有限公司 | 食用養殖鰻魚 |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP05343304A patent/JP3078694B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07173148A (ja) | 1995-07-11 |
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