JP3078630B2 - 化粧表面の形成方法 - Google Patents

化粧表面の形成方法

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JP3078630B2 JP03359244A JP35924491A JP3078630B2 JP 3078630 B2 JP3078630 B2 JP 3078630B2 JP 03359244 A JP03359244 A JP 03359244A JP 35924491 A JP35924491 A JP 35924491A JP 3078630 B2 JP3078630 B2 JP 3078630B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化粧表面の形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より化粧材等における化粧表面を形
成する方法として、絵柄等を設けた転写層を有する転写
箔を、基材と重ね合わせて加熱・加圧して基材上に転写
層を転写したり、エンボス加工により表面に凹凸形状を
付与した化粧層を形成する方法等が知られている。
【0003】上記化粧層を形成する方法として、例え
ば、 基材上に熱可塑性樹脂を塗布し、この熱可塑性樹脂層
と転写層との接着性を利用して、熱可塑性樹脂層表面に
転写層を熱転写したり、熱可塑性樹脂層表面にエンボス
加工を施して凹凸形状を付与する方法。 基材上に熱硬化性樹脂を塗布して半硬化させた後、転
写層を熱転写したり、エンボス加工を施し、転写やエン
ボス加工時の熱や、その後の更なる加熱により熱硬化性
樹脂層を完全に硬化させる方法。
【0004】基材に熱硬化性樹脂よりなる接着剤液を
塗布し、塗布した接着剤が粘着性を有している間に転写
を行ったり、接着剤層表面にエンボス加工を施し、接着
剤層を硬化させる方法。 転写層表面に熱硬化性の接着剤層を設けた転写箔を用
いて熱転写するとともに、接着剤層を硬化させる方法。 等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の
方法は、基材がガラスや金属の場合、熱可塑性樹脂と基
材との密着性が低いことから転写層と基材との接着性が
低い欠点がある。またエンボス加工により熱可塑性樹脂
層表面に形成した凹凸形状は、熱や摩擦によって容易に
消失してしまう欠点があった。の方法は、熱硬化性樹
脂が完全硬化してしまうと転写層との接着性がなくなっ
たり、エンボス加工を施すことができなくなるめ、転写
層との粘着性や、エンボス加工性を有する程度に熱硬化
性樹脂を半硬化させる必要があり、熱硬化性樹脂層を半
硬化させるための工程管理が難しいという問題があっ
た。
【0006】またの方法は、塗布した接着剤が未乾燥
状態で流動性を有する間に転写するため、転写時の圧力
ムラにより転写された転写層表面が凹凸状になったり、
接着剤と転写層とが反応して転写層の絵柄が溶け出した
りする問題があった。また流動性のある接着剤層表面に
エンボス加工を施して凹凸形状を施しても、接着剤の流
動により凹凸形状が消失してしまう欠点があった。更に
の方法は、転写箔に予め熱硬化性樹脂よりなる接着剤
層を塗布しておくため、熱硬化性樹脂の経時的な硬化に
より転写箔の保存寿命が短くなるという欠点があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
上記従来の欠点を解消した化粧表面の形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の化粧表面の
形成方法は、 熱硬化開始温度が異なる2種以上の熱硬化性樹脂の混
合物からなる混合熱硬化性樹脂を基材に塗布して熱硬化
性樹脂層を形成し、熱硬化開始温度が最も低い熱硬化性
樹脂の熱硬化開始温度:T1 と、熱硬化開始温度が最も
高い熱硬化性樹脂の熱硬化開始温度:T2 との間の温
度:T3 にて加熱し、熱硬化性樹脂層を半硬化させる工
程。 基材と転写箔とを、基材の熱硬化性樹脂層側と、転写
箔の転写層側とが当接するように重ね合わせ、加熱・加
圧して転写層を転写する工程。 前記熱硬化開始温度:T2 以上の温度:T4 で加熱し
て熱硬化性樹脂層を硬化させる工程。 の各工程からなることを特徴とする。
【0009】また本発明方法は、エンボス加工による凹
凸状の化粧表面を形成する方法を包含し、この方法は、 熱硬化開始温度が異なる2種以上の熱硬化性樹脂の混
合物よりなる混合熱硬化性樹脂を基材に塗布して熱硬化
性樹脂層を形成し、熱硬化開始温度が最も低い熱硬化性
樹脂の熱硬化開始温度:T1 と、熱硬化開始温度が最も
高い熱硬化性樹脂の熱硬化開始温度:T2 との間の温
度:T3 にて加熱し、熱硬化性樹脂層を半硬化させる工
程。 半硬化した熱硬化性樹脂層表面にエンボス加工を施し
て凹凸形状を付与する工程。 前記熱硬化開始温度:T2 以上の温度:T4 で加熱し
て熱硬化性樹脂層を硬化させる工程。 の各工程よりなることを特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。
【0011】図1は本発明方法において、転写法により
化粧表面を形成する工程の一例を示す略図である。本発
明方法では図1に示すように、まず基材1の表面に、熱
硬化開始温度が異なる2種の熱硬化性樹脂からなる混合
熱硬化性樹脂2を、例えば塗布ロール3を用いたロール
コート法等によって塗布して熱硬化性樹脂層4を形成す
る(図2)。
【0012】基材1としては、紙や合成樹脂のシート、
板、アルミニウム、鉄等の金属の箔、板、木質板、無機
板、ポリ塩化ビニル樹脂被覆鋼板、陶磁器板等を用いる
ことができる。基材1の厚みは0.1〜50mmが好まし
い。また熱硬化性樹脂層4の塗布厚みは、5〜50μm
が好ましい。
【0013】上記熱硬化性樹脂としては、通常の熱硬化
性樹脂を用いることができ、例えばフェノール樹脂、尿
素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グア
ナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン系
樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミ
ン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等
が挙げられ、これらの2種又はそれ以上を混合して用い
る。
【0014】必要に応じてこれら樹脂組成物に、硬化剤
として架橋剤、重合開始剤、触媒等を添加する。この種
の硬化剤としては、例えば不飽和ポリエステル、ポリウ
レタン等の場合はイソシアネートが、エポキシの場合は
アミン等が挙げられる。また特に硬化開始温度を正確に
制御するためには、所謂ブロックイソシアネートを添加
する。ブロックイソシアネートは、所定の温度以下でイ
ソシアネートの活性を阻害し、所定の温度で活性化して
架橋、硬化反応に寄与するものである。
【0015】硬化開始温度を正確に制御するために、上
記ブロックイソシアネートを添加した樹脂としては、以
下のものが例示される。 フェノール類やフェノール樹脂をマスク剤としたイソ
シアネートを硬化剤として添加したエポキシ樹脂。ここ
でフェノール類としては石炭酸、クレゾール、p−ナフ
トール等が挙げられる。 活性水素化合物をマスク剤としたイソシアネートを添
加したポリオールを用いたいポリウレタン。ここで活性
水素化合物としては、石炭酸、クレゾール、p−ナフト
ール等のフェノール類、メタノール、エタノール等のア
ルコール類、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の
活性メチレン類、メルカプタン類、酸アジド類、亜硫酸
塩類、カルバミン酸塩類等が挙げられる。これらの組成
を用いることにより、硬化開始温度を5〜20℃程度の
精度で設定することができる。
【0016】本発明方法では、上記熱硬化性樹脂のなか
から、熱硬化開始温度が異なる2種以上を混合してなる
混合熱硬化性樹脂2を基材1に塗布するが、混合樹脂2
中の熱硬化性樹脂の熱硬化開始温度の差は(最も熱硬化
開始温度の差が小さいもの)20℃以上、特に30℃以
上が好ましい。
【0017】基材1上に混合熱硬化性樹脂2を塗布して
熱硬化性樹脂層3を形成した後、加熱炉5等によって加
熱し、熱硬化性樹脂層3を半硬化させる。加熱炉5にお
ける加熱温度:T3 は、混合熱硬化性樹脂2を構成する
2種以上の熱硬化性樹脂のうち、最も熱硬化開始温度が
低い樹脂の熱硬化開始温度をT1 、最も熱硬化開始温度
が高い樹脂の熱硬化開始温度をT2 としたとき、T1
3 <T2 なる温度である。特に、加熱温度:T3 はT
1 より10℃以上高く、T2 より20℃低い温度が好ま
しい。
【0018】上記の如き温度:T3 で加熱することによ
り、混合熱硬化性樹脂2中の、少なくとも熱硬化開始温
度がT1 である熱硬化性樹脂は略硬化し、少なくとも熱
硬化開始温度がT2 である熱硬化性樹脂は実質的に未硬
化状態のままであるが、混合熱硬化性樹脂2を塗布して
形成した熱硬化性樹脂層4は半硬化状態となる。
【0019】上記、熱硬化性樹脂層4の半硬化状態と
は、熱硬化性樹脂層4の表面を指触した際に、流動やベ
タツキ等がなく熱硬化性樹脂層4の表面が乾燥している
が、しかし他の樹脂との接着反応性、熱可塑性は完全に
失っていない状態をいう。このような状態とするために
は、例えば混合熱硬化性樹脂2中における、熱硬化開始
温度がT1 である熱硬化性樹脂を、熱硬化開始温度がT
2 である熱硬化性樹脂の割合よりも多くしたり、常温で
固体のポリマーを添加したり、シリカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム等の添加剤を混合熱硬化性
樹脂2に添加する等の方法を採用することができる。
【0020】次に、半硬化した熱硬化性樹脂層4表面
に、転写箔供給ロール6より供給される転写箔7の転写
層8(図3参照)側を重ね合わせ、加圧ロール9とピン
チロール15とによって挟圧して加圧ロール9によって
転写箔7側より加熱・加圧した後、基材シート10を剥
離することにより、熱硬化性樹脂層4表面に転写層8が
転写される。この転写箔7としては離型性を有する基材
シート10の表面に絵柄等を有する転写層8を設けた公
知のものを用いることができる。この転写箔7は、転写
層8(または転写箔8の表面に必要に応じて設けた接着
層)の材質が、熱硬化性樹脂層4(特に熱硬化開始温
度:T2 を有する未硬化の熱硬化性樹脂)との相溶性の
良いものを選択して用いる。また、転写箔7としては上
記した熱転写方式のもの以外に、絵柄層または接着剤層
を溶剤にて一部膨潤、溶解せしめて接着性を付与し転写
する、所謂溶剤活性転写も用いることができる。
【0021】熱硬化性樹脂層4上に転写層8を転写した
後、第2の加熱炉11内において、T4 >T2 なる温
度:T4 で加熱することにより、最も熱硬化開始温度が
高い樹脂(熱硬化開始温度がT2 の樹脂)を硬化させ、
これにより熱硬化性樹脂層4が硬化されるが、熱硬化性
樹脂層4の硬化前に、必要に応じて転写層8表面に熱硬
化開始温度:T5 が、T5 >T2 なる関係を有する透明
な熱硬化性樹脂12を塗布して透明熱硬化性樹脂層13
(図4参照)を形成しておくことができる。
【0022】このように、T5 >T2 なる熱硬化開始温
度:T5 の透明熱硬化性樹脂層13を、加熱炉11内で
4 >T2 なる温度:T4 にて加熱する前に転写層8表
面に塗布しておくと、加熱炉11内での加熱によって混
合熱硬化性樹脂層4を硬化させると同時に、透明熱硬化
性樹脂層13も硬化させることができ、硬化した透明熱
硬化性樹脂層13によって、転写層8の保護層を形成す
ることができるため好ましい。
【0023】上記、加熱炉11における加熱温度:T4
は、T4 >T2 なる関係を有することが必要であるが、
加熱温度が熱硬化開始温度:T2 にあまりに近い温度で
あると硬化反応の進行が緩やかになり過ぎて効率が悪い
ものとなり、また逆に高過ぎると、転写層8の材質にも
よるが転写層8が熱変形したりする等の問題を生じる虞
がある。このため加熱温度:T4 は、T2 より20〜5
0℃高い温度が好ましい。また転写箔7としては、この
加熱温度:T4 における耐熱性を有する樹脂よりなる転
写層8を有するものを用いることが好ましい。
【0024】尚、上記透明熱可塑性樹脂層13は、加熱
炉11内で加熱する前に塗布する場合に限らず、加熱炉
11内でT4 >T2 なる温度:T4 にて加熱して混合熱
硬化性樹脂層4を完全硬化させた後、転写層8の表面に
塗布しても良く、この場合、透明熱硬化性樹脂層13形
成後、透明熱硬化性樹脂の硬化開始温度:T5 以上の温
度で加熱して透明熱硬化性樹脂層13を硬化させる。
【0025】また転写層8表面に透明熱硬化性樹脂層1
3を設けない場合や、透明熱硬化性樹脂層13を設ける
場合でも、混合熱硬化性樹脂層4を硬化させた後に設け
る場合には、転写箔7の基材シート10の剥離は混合熱
硬化性樹脂層4を完全硬化させた後に行うことができ
る。
【0026】図5は、本発明の方法においてエンボス加
工による凹凸形状の化粧表面を形成する工程の一例を示
す。
【0027】まず前記したと同様に、基材1上に、異な
る熱硬化開始温度:T1 、T2 (ただしT1 <T2 )を
有する2種以上の熱硬化性樹脂を混合してなる混合熱硬
化性樹脂2を塗布ロール3等を用いて塗布して熱硬化性
樹脂層4を形成し、加熱炉5においてT1 <T3 <T2
なる温度:T3 にて加熱し、熱硬化性樹脂層4を半硬化
させる。この半硬化とは前記したと同様の状態をいう。
【0028】次いで基材1上に、半硬化した熱硬化性樹
脂層4を形成した積層体を、エンボスロール14とピン
チロール15とで挟圧して、半硬化した熱硬化性樹脂層
4表面に、エンボスロール14表面の凹凸形状を転写す
る(図6参照)。尚、加圧の際、T<T2 なる温度:T
で加熱し、未硬化樹脂分を熱可塑化してから挟圧する
と、良好な凹凸形状の転写、賦形ができる。
【0029】しかる後、加熱炉11内においてT4 >T
2 なる温度:T4 で加熱して熱硬化性樹脂層4を硬化さ
せるが、凹凸形状の化粧表面を形成する方法において
も、熱硬化性樹脂層4表面に必要に応じて、更に熱硬化
開始温度:T5 が、T5 >T2 なる関係を有する透明な
熱硬化性樹脂12を塗布して透明熱硬化性樹脂層13を
形成しておくことができる。このようにして図7に示す
ように凹凸形状の表面を有する硬化した透明熱硬化性樹
脂層13を保護層として設けた化粧表面を形成すること
ができる。
【0030】この方法においても、加熱炉11において
熱硬化性樹脂層4を硬化させた後に、熱硬化性樹脂層4
の表面に透明熱硬化性樹脂12を塗布して透明熱硬化性
樹脂層13を形成し、更に透明熱硬化性樹脂12の熱硬
化開始温度:T5 以上の温度に加熱して透明熱硬化性樹
脂層13を硬化させるようにすることもできる。また、
透明熱硬化性樹脂12は、基材1上に混合熱硬化性樹脂
2を塗布して熱硬化性樹脂層4を形成し、この熱硬化性
樹脂層4を加熱炉5において半硬化させる前(加熱炉5
にて加熱する前)に熱硬化性樹脂層4表面に塗布しても
良い。
【0031】尚、エンボス加工は上記したエンボスロー
ル14の如き円筒状のエンボス版を用いて行う場合に限
らず、平板状のエンボス版を用いて行うこともできる。
また凹凸形状としては公知の各種形状を採用できる。例
えば、木目状、石目状、布目状、砂目状等の天然物の凹
凸形状や、文字記号、万線状の条溝、各種の抽象模様等
の凹凸形状を採用することができる。
【0032】以下に具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 まず、厚さ25μmのPETフィルム(東レ(株)製:
X−24)に、アクリル系樹脂(昭和インク工業(株)
製:ハクリ)よりなる剥離層を設け、この上にアクリル
系樹脂インクにより絵柄層を設け、更にこの絵柄層の上
にアクリル系樹脂よりなる感熱接着剤層を設けた後、6
0℃にて5分間乾燥させて転写箔を得た。
【0033】一方、厚さ0.15mmのアルミニウム板表面
に、熱硬化開始温度が150℃のアクリル系熱硬化性樹
脂A(諸星インキ(株)製)30重量部と、熱硬化開始
温度が190℃のアクリル系熱硬化性樹脂B(諸星イン
キ(株)製)70重量部との混合物よりなる混合熱硬化
性樹脂をフローコート法にて乾燥時の塗布厚が15μm
となるように塗布して熱硬化性樹脂層を形成した。
【0034】次いで上記熱硬化性樹脂層を形成したアル
ミニウム板を、170℃の熱オーブン内に1分間放置
し、熱硬化性樹脂層を半硬化させた(指触乾燥状態であ
った。)。
【0035】半硬化させた熱硬化性樹脂層表面に、前記
転写箔の転写層側が接するように転写箔を重ね合わせ、
温度200℃、荷重30kg/inchの加圧ロールで、転写
箔側から加熱・加圧し、転写箔の絵柄層を含む転写層を
基材上に転写した。次いで転写された転写層上に、熱硬
化開始温度が140℃の透明アクリル系熱硬化性樹脂
(諸星インキ(株)製)をグラビアオフセット法で、乾
燥時の塗布厚が5μmとなるように塗布して透明熱硬化
性樹脂層を形成した。
【0036】上記透明熱硬化性樹脂層を形成した後、直
ちに200℃の熱オーブン内にて2分間放置して半硬化
状態の熱硬化性樹脂層及び透明熱硬化性樹脂層を硬化さ
せて化粧表面を有する化粧材を得た。この化粧材を、5
0℃の温水中に1週間浸漬し、充分乾燥した後、転写層
の基材に対する密着性を試験した。この試験は、転写層
表面にセロハンテープを接着した後、該テープを強く引
き剥がした際に、転写層が剥離されるかどうかで判定し
た。この結果、上記化粧材は転写層の剥離が認められ
ず、転写層の基材に対する密着性に優れていることが認
められた。
【0037】比較例1 熱硬化性樹脂層を、熱硬化開始温度が150℃のアクリ
ル系熱硬化性樹脂Aのみで構成した他は実施例1と同様
にして化粧材を得た。この化粧材における転写層の密着
性を実施例1と同様の方法で試験したところ、転写層が
剥離し、転写層と基材との密着不良が認められた。
【0038】実施例2 実施例1と同様の混合熱硬化性樹脂を用いて形成した熱
硬化性樹脂層を、同様にして半硬化させた後、この半硬
化した熱硬化性樹脂層表面にエンボスロールを用いて、
150℃×16kg/cm2 の条件でエンボス加工を施して
凹凸形状を付与した。しかる後、200℃の熱オーブン
内にて2分間放置して半硬化状態の熱硬化性樹脂層を硬
化させて凹凸形状の化粧表面を有する化粧材を得た。こ
の化粧材表面にはボスロール表面の凹凸形状と一致した
凹凸形状が付与されていた。
【0039】比較例2 熱硬化性樹脂層を、熱硬化開始温度が150℃のアクリ
ル系熱硬化性樹脂Aのみで構成した他は実施例2と同様
にしてエンボス加工を施したところ、熱硬化性樹脂層が
完全硬化してしまっているため、熱硬化性樹脂層表面に
凹凸形状を付与することができなかった。
【0040】比較例3 熱硬化性樹脂層を、熱硬化開始温度が190℃のアクリ
ル系熱硬化性樹脂Bのみで構成した他は実施例2と同様
にしてエンボス加工を施した後、熱硬化性樹脂層を硬化
させたところ、エンボス形状が流れてしまい、硬化後の
熱硬化性樹脂層表面には所期のエンボス形状が形成され
ていなかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、転写法によって転写層を転写形成したり、エンボス
加工法によって凹凸形状を付与した化粧表面を形成する
に際し、転写法においては転写層が確実に基材に密着し
た化粧表面を得ることができるとともに、エンボス加工
法においては凹凸形状が確実に付与された化粧表面を得
ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写法により転写層を転写して化粧表面を形成
する方法の一例を示す工程略図である。
【図2】図1のA部付近の縦断面図である。
【図3】図1のB部付近の縦断面図である。
【図4】図1のC部付近の縦断面図である。
【図5】エンボス法により凹凸形状を付与して化粧表面
を形成する方法の一例を示す工程略図である。
【図6】図5のD部付近の縦断面図である。
【図7】図5のE部付近の縦断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 混合熱硬化性樹脂 4 熱硬化性樹脂層 5 加熱炉 7 転写箔 8 転写層 11 加熱炉 14 エンボスロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B44C 3/02 B44C 3/02 A // B29K 101:10 (56)参考文献 特開 昭53−146762(JP,A) 特開 昭56−162613(JP,A) 特開 昭60−92810(JP,A) 特開 昭61−89899(JP,A) 特開 平2−78548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 7/26 B29C 59/00 - 59/18 B44C 1/16 - 1/175 B44C 3/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程よりなることを特徴とする化粧
    表面の形成方法。 熱硬化開始温度が異なる2種以上の熱硬化性樹脂の混
    合物からなる混合熱硬化性樹脂を基材に塗布して熱硬化
    性樹脂層を形成し、熱硬化開始温度が最も低い熱硬化性
    樹脂の熱硬化開始温度:T1 と、熱硬化開始温度が最も
    高い熱硬化性樹脂の熱硬化開始温度:T2 との間の温
    度:T3 にて加熱し、熱硬化性樹脂層を半硬化させる工
    程。 基材と転写箔とを、基材の熱硬化性樹脂層側と、転写
    箔の転写層側とが当接するように重ね合わせ、加熱・加
    圧して転写層を転写する工程。 前記熱硬化開始温度:T2 以上の温度:T4 で加熱し
    て熱硬化性樹脂層を硬化させる工程。
  2. 【請求項2】 下記工程よりなることを特徴とする化粧
    表面の形成方法。 熱硬化開始温度が異なる2種以上の熱硬化性樹脂の混
    合物よりなる混合熱硬化性樹脂を基材に塗布して熱硬化
    性樹脂層を形成し、熱硬化開始温度が最も低い熱硬化性
    樹脂の熱硬化開始温度:T1 と、熱硬化開始温度が最も
    高い熱硬化性樹脂の熱硬化開始温度:T2 との間の温
    度:T3 にて加熱し、熱硬化性樹脂層を半硬化させる工
    程。 半硬化した熱硬化性樹脂層表面にエンボス加工を施し
    て凹凸形状を付与する工程。 前記熱硬化開始温度:T2 以上の温度:T4 で加熱し
    て熱硬化性樹脂層を硬化させる工程。
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