JPH018331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は成形用樹脂型に関するものであり、詳
しくはフツ素樹脂系フイルムによる離型層をその
表面に形成した樹脂型に関するものである。

フエノール樹脂等の熱硬化性樹脂からなる樹脂
型を用いて表面にエンボスが施された熱硬化性樹
脂化粧板を製造する場合は、従来はポリプロピレ
ンフイルム、ポリエステルフイルム等の離型フイ
ルムをそれらの間に挟んで成形し、成形後にその
フイルムを除去するといつた方法が採られてい
た。従つて、化粧板を１枚製造する毎に離型フイ
ルムを１枚消費し、コスト面、能率面で不利益が
多かつた。

本考案はそのような不利な点を解消し、表面に
エンボスが施された熱硬化性樹脂化粧板を、能率
良く安価に製造することのできる成形用樹脂型を
提供するものである。

以下本考案を図面に従つて詳細に説明する。

本考案の成形用樹脂型は、第１図に示すように
基体となるべき熱硬化性樹脂層１の上に、接着剤
３を介してフツ素樹脂系フイルム２が積層一体化
された構造を有する。

フツ素樹脂系フイルムとしては各種のフツ化ビ
ニルフイルムが使用でき、その片面には予め接着
処理を施しておく。

なお、他の離型フイルム、すなわちポリプロピ
レンフイルムやポリエステルフイルムは、耐熱温
度が低いため、繰返しの使用により除々に変形し
均一な成形品が得られない。また離型フイルムと
基体との接着が強固に行われにくいため、型の耐
久性も十分でない。

接着剤としては市販のフツ化ビニル用接着剤が
使用できる。

本考案の成形用樹脂型を製造するには、第２図
に示すように樹脂型の基体となるべき熱硬化性樹
脂含浸紙布４の上に接着剤３を塗布したフツ素樹
脂系フイルム２を重ね、更にその上に母型５を重
ねた後に熱盤６，７の間に挿入して加熱加圧す
る。すると、熱硬化性樹脂含浸紙布と接着剤とフ
ツ素樹脂系フイルムとが一体化して、表面が母型
と逆の形状に賦型された樹脂型が得られる。熱硬
化性樹脂含浸紙には、この加熱加圧により凹凸が
形成されるとともに、この凹凸に沿つてフツ素樹
脂系フイルムが積層されている。なお、この凹凸
の形成された熱硬化性樹脂は化粧板製造時の熱圧
で樹脂型が変形するのを防いで、樹脂型の再使用
を可能とする。

なお、フイルムを用いる代わりにフツ素樹脂等
を塗布して離型樹脂層を設ける方法も考えられる
が、この場合は凹凸のある樹脂型の表面にフツ素
樹脂等を必要な厚さに均一に塗布するのは困難で
あり、ツヤムラが発生しやすい。また、フツ素樹
脂の硬化に要する温度は樹脂型の耐熱温度を上回
る場合が多く実施が困難である。

以上のような構成から成る本考案の成形用樹脂
型は次のような効果を有する。

フツ素樹脂系フイルムが熱硬化性の基体と一
体化しているので、化粧板製造時の熱圧に耐え
て、繰り返し使用しても樹脂型の離型性には変
化がない。

塗布による離型被膜と異なり、艷ムラ等がな
く全面が均一な艷に仕上る。

フツ素樹脂系フイルムは薄いので、母型の凹
凸形状の再現性を損ねることがなく、また、母
型→樹脂型→成型品の製造過程において離型フ
イルムの介在物がないため、成型品の表面は母
型の表面に極めて酷似したものとなる。

この樹脂型の製造には従来の生産手段がその
まま利用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一例を示すものであり、第１図
は成形用樹脂型の断面図、第２図はその成形用樹
脂型を製造する工程を示す説明図を各々示す。 １……熱硬化性樹脂層、２……フツ素樹脂系フ
イルム、３……接着剤、４……熱硬化性樹脂含浸
紙布、５……母型、６，７……熱盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面凹凸の熱硬化性樹脂層の表面に、この凹凸
   に沿つて、接着剤を介してフツ素樹脂系フイルム
   を積層したことを特徴とする成形用樹脂型。