JP3078051B2 - 皮膚老化防止化粧料 - Google Patents

皮膚老化防止化粧料

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喬太郎 蓮沼
稔 平田
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚老化防止化粧料
(皮膚の老化防止に用いる皮膚化粧料)に係り、更に詳
しくは、皮膚老化防止効果(荒れ肌改善効果、角質改善
効果、ターンオーバー速度を速くする効果、美肌効果
等)に優れた皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】老化皮
膚とは、乾燥して滑らかさのない荒れ肌で、角質細胞剥
離現象が認められる皮膚である。そして、一般に老化皮
膚はターンオーバー速度が遅く、皮膚に老化防止効果が
付与発現することにより、このターンオーバー速度が速
くなるといわれている。
【0003】本出願人は、先に、ビタミンEニコチン酸
エステル、ビタミンEオロチン酸エステル、並びにγ−
アミノ酪酸系化合物が、皮膚の抹消血管拡張作用により
皮膚機能を亢進し老化を防止する効果を有することを見
出し、既に提案している(特公昭48−43868号、
特公昭52−2979号、及び特公昭58−26726
号公報)。また、ジイソプロピルアミンジクロロアセテ
ートが、皮膚組織賦活作用により皮膚機能を亢進し、同
様に皮膚老化防止効果を有することを見出して提案した
(特開昭53−136528号公報)。
【0004】しかしながら、上記の皮膚機能を亢進する
成分である皮膚賦活剤を単独で配合してなる皮膚化粧料
は、いずれも老化防止等の効果は遅効性で、例えばクリ
ームの場合では6ヶ月後に、ローションの場合は3ヶ月
後に効果が現れるというように、充分満足し得るもので
はなく、改良の余地を残していた。
【0005】本発明者らは、この難点を改良せんとして
鋭意研究した結果、γ−アミノ酪酸とジイソプロピルア
ミンジクロロアセテートとを配合する場合は、両者によ
る相乗効果によって、優れた皮膚老化防止効果(荒れ肌
改善効果及び角質改善効果に優れターンオーバー速度を
速くする効果)が、使用開始後1〜2ヶ月目という極く
短時間に発現し、持続する速効性の皮膚老化防止化粧料
が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、γ−アミノ酪
酸とジイソプロピルアミンジクロロアセテートを配合し
てなる皮膚老化防止化粧料である。
【0007】本発明に係るγ−アミノ酪酸、ジイソプロ
ピルアミンジクロロアセテートは、公知の化合物であっ
て、各々に関しては前記公報に詳細に記載されている。
【0008】そして、本発明の皮膚老化防止化粧料の前
記γ−アミノ酪酸は、アミノ酸系の皮膚賦活剤であり、
ジイソプロピルアミンジクロロアセテートと共に水溶性
の皮膚賦活剤で、ローション、乳液、クリーム等の皮膚
化粧料基剤に水相成分として配合し、乳化、混合、分散
溶解、可溶化等の処理を行なうことによって調整され
る。
【0009】即ち、この両者の皮膚賦活剤が相乗的に皮
膚に作用して、皮膚末梢血管を拡張し、皮膚機能を亢進
して、肌のしわを防止し、肌理(きめ)こまかな、且つ
しっとりとした皮膚にする(美肌効果)と共に、優れた
皮膚老化防止効果(荒れ肌改善効果及び角質改善効果に
優れ、ターンオーバー速度を速める効果)を短時間に発
現し、持続する等、顕著な効果を奏し得るのである。こ
のとき、ジイソプロピルアミンジクロロアセテートの配
合量は、化粧料(組成物)の総量を基準として0.1〜
2重量%(以下、wt%と略記する)である。また、γ
−アミノ酪酸の配合量は、化粧料の総量を基準として
0.05〜1wt%である。これら各々の配合量は、上
記範囲の上限を越えても、その越えた配合量に見合った
効果は期待できず、また、下限未満の配合量では本発明
の目的を達成することができない。尚、ジイソプロピル
アミンジクロロアセテートとγ−アミノ酪酸との配合量
(重量)の比率は、1:0.2〜1.0であることが望
ましい。
【0010】また、本発明の皮膚化粧料には、上記の他
に色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料、抗酸化剤等
を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することが
できる。
【0011】
【実施例】以下、実施例について説明する。尚、実施例
に記載の角質層のターンオーバー速度測定法、荒れ肌改
善効果の測定試験法、角質改善効果の測定試験法、及び
官能テストは下記の通りである。
【0012】(1)角質層のターンオーバー速度測定法 螢光色素のダンシルクロライドを白色ワセリン中に5w
t%配合した軟膏を作り、被験者の前腕部の皮膚に24
時間閉塞貼付し、角質層にダンシルクロライドを浸透結
合させる。その後同じ部位に1日2回(朝、夕)被験試
料を塗布し、毎日ダンシルクロライドの螢光を調べ、そ
の螢光が消滅するまでの日数を皮膚角質層のターンオー
バー速度とした。尚、通常の皮膚角質層のターンオーバ
ー速度は14〜16日であるが、老化した皮膚において
は18日前後にのび、それに対して老化防止効果が現れ
ると12日前後にまで短縮される。
【0013】(2)荒れ肌改善効果の測定試験法 下脚に荒れ肌を有する中高年被験者20名を対象として
4週間連続塗布効果を調べた。被験者の左側下脚試験部
位に1日2回約1gの試料を塗布し、試験開始前及び終
了後の皮膚の状態を下記の判定基準により判定した。右
側下脚は試料を塗布せず対照とした。 〔皮膚乾燥度の判定基準〕 − :正常 ± :軽微乾燥、落屑なし + :乾燥、落屑軽度 ++ :乾燥、落屑中等度 +++:乾燥、落屑顕著 試験前後の試験部位と対照部位の判定結果を比較し、皮
膚乾燥度が2段階以上改善された場合(例えば+→−、
++→±)を「有効」、1段階改善された場合を「やや
有効」、変化がなかった場合を「無効」とした。試験結
果は「有効」、「やや有効」となった被験者の人数で示
した。
【0014】(3)角質改善(角質細胞の抗剥離性増
大)効果の測定試験法 前述の荒れ肌改善測定試験開始前及び終了後の被験部皮
膚にスコッチテープ(ニチバンメンディングテープ)を
接着し、これを剥離したときテープに付着した角質細胞
の状態を走査型電子顕微鏡によって詳細に調べ、下記の
判定基準によって皮膚角質細胞抗剥離性を分離し、角質
改善効果を求めた。 〔角質改善効果(角質細胞抗剥離性増大)の判定基準〕 評価点1:スケールを認めず 〃 2:小スケール点在 〃 3:小〜中スケール顕著 〃 4:大スケール顕著 判定は4週間連続塗布後の試験部位の評価点と対照部位
のそれとの差が2点以上の場合を「有効」、1点の場合
を「やや有効」、0点の場合を「無効」とした。試験結
果は「有効」、「やや有効」となった被検者の人数で示
した。
【0015】(4)官能テスト(美肌効果試験) 荒れ肌、小じわ、乾燥肌等を訴える女子被験者(35〜
55才)20人に試料を1日2回(朝、夕)連続3ヶ月
間塗布して、1,2,3ヶ月後の効果を評価した。試験
結果は、皮膚の湿潤性、平滑性、弾力性の各項目に対し
て、「皮膚に潤いが生じた」、「皮膚が滑らかになっ
た」、「皮膚に張りが生じた」と回答した人数で示し
た。
【0016】実施例1〜4、比較例1〜4 〔スキンクリーム〕 γ−アミノ酪酸(以下GABAと
略す)と、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート
(以下DADAと略す)を表1に記載の通りに配合し、
下記の組成で各々のスキンクリームを調製し、前記の諸
試験を実施した。 (1)組成
【0017】
【表1】
【0018】(2)調製法 (A)成分及び(B)成分を各々80°Cに加熱溶解し
た後混合して、攪拌しつつ30°C迄冷却して各スキン
クリームを調製した。 (3)特性 各スキンクリームの諸試験を実施した結果を表2に記載
した。表2に示す如く、比較例1〜4のDADA或いは
GABAのみを単独で配合したスキンクリームは諸特性
において充分なる効果は得られず、本発明の実施例1〜
4の如くDADAとGABAとを配合したスキンクリー
ムは諸特性において顕著な効果が見られ、官能テストで
は試料塗布後1〜2ヶ月で優れた美肌効果を示した。
【表2】
【0019】実施例5〜8、比較例5〜8 〔二層型スキンローション〕 実施例1と同様に、表3
の組成において各々の二層型スキンローションを調製し
て諸試験を実施し、その結果を表4に示した。 (1)組成
【0020】
【表3】
【0021】(2)調製法 (A)、(B)を各々均一に溶解した後、(A)成分と
(B)成分とを混合攪拌分散し、次いで容器に充填す
る。使用時には内容物を均一に振盪分散して使用する。 (3)特性 表4に示すように、比較例5〜8に対して本発明の皮膚
老化防止化粧料である実施例5〜8は、諸試験において
すべて良好な結果を示し、官能テストにおける美肌効果
も極めて短期に発現している。
【表4】
【0022】
【発明の効果】以上記載の如く、本発明が、荒れ肌改善
効果、角質改善効果、及びターンオーバー速度を速くす
る効果に優れると共に、顕著な美肌効果を有する皮膚老
化防止化粧料を提供することは明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−アミノ酪酸とジイソプロピルアミン
    ジクロロアセテートとを配合してなる皮膚老化防止化粧
    (但し、上皮成長因子を含まない。)
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