JP3077936U - 光ディスクセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザーの興趣性を満足させうると共に、
レーベル印刷層及び印刷シールがチャッキング用中心孔
の存在によりデザイン上の制約を受けることのない光デ
ィスクセットを提供する。 【解決手段】 中央にチャッキング用中心孔５を有し、
反射層３側の片面にレーベル印刷層７を備えた光ディス
ク本体10と、前記レーベル印刷層７の上面に貼着される
１ないし複数枚の印刷シール８との組み合わせからなる
ものとする。レーベル印刷層７を伸縮性を有する薄膜か
らなると共にチャッキング用中心孔５を覆う態様に形成
する。印刷シール８を伸縮性に富んだ合成樹脂フィルム
から作製し、裏面に弱粘着剤層を設け、レーベル印刷層
７に着脱自在に貼着されうるものとすると共に、レーベ
ル印刷層７の全面を覆う大きさとする。レーベル印刷層
７及び印刷シール８の厚さを、いずれも０．０２mmに設
定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、いわゆるコンパクトディスク、ＤＶＤ等の光ディスクとそのレー ベル印刷面に貼着される印刷シールとの組み合わせに係る光ディスクセットに関 する。

【０００２】

【従来の技術と課題】

近時、情報媒体として不可欠のものとなった光ディスクの中でもいわゆるコン パクトディスクは、図５（ロ）に示すように、透明の合成樹脂製基板（１）に情 報記録層（２）、反射層（３）及び保護層（４）が順次積層されると共に、図５ （イ）及び（ロ）に示すように、チャッキング用中心孔（５）の外側にクランピ ングエリア（６）が設けられ、該クランピングエリア（６）の外側に前記情報記 録層（２）が輪状に形成されているものである。そして、コンパクトディスクに 記録された情報を案内する文字・図形等のいわゆるレーベル印刷は、前記保護層 （４）に直接行ったり、あるいは保護層の上面に印刷ラベルを貼着固定したりす ることにより行われていた。

【０００３】 而して、いずれの場合も一つのコンパクトディスクには、一種類の文字、デザ インによるレーベル印刷がなされているだけであることに加えて、該レーベル印 刷が、コンパクトディスクのチャッキング用中心孔の存在によりデザイン上の制 約を受けており、ユーザーの興趣性を満足させることができなかった。

【０００４】 この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、第１の目的は、ユーザ ーの興趣性を満足させうる光ディスクセットを提供すること、第２の目的は、チ ャッキング用中心孔の存在によりレーベル印刷層及び印刷シールがデザイン上の 制約を受けることのない光ディスクセットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記第１の目的を達成するために、この考案に係る光ディスクセットは、透明 の合成樹脂製基板に情報記録層、反射層が順次積層されると共に中央にチャッキ ング用中心孔が設けられ、前記反射層側の片面にレーベル印刷層が設けられてな る光ディスク本体と、前記レーベル印刷層の上面に貼着される１ないし複数枚の 印刷シールとの組み合わせからなり、該印刷シールが少なくともレーベル印刷層 の表面形状の１／２以上ないし同大の大きさに設定されてなる構成を採用する。

【０００６】 この光ディスクセットによれば、予め印刷された光ディスク本体のレーベル印 刷層とは異なる図柄の印刷シールを光ディスク本体に貼着することができるので 、ユーザーの興趣性を満足させうる。特に、印刷シールの裏面に弱粘着剤層を設 け、レーベル印刷層及び他の印刷シールに着脱自在に貼着されうるものとし、そ のような印刷シールを複数枚用意しておくと、重ね貼りをすることができ、印刷 シールの交換も行い易く、より一層、ユーザーの興趣性を満足させうる。

【０００７】 各印刷シールの弱粘着剤層は、いわゆる剥離紙により被覆され、該剥離紙を剥 がしてレーベル印刷層に強く圧着することにより貼着されると共に、任意に剥離 することができ、このような貼着・剥離を反復できる程度の粘着力を備えている ものである。もとより、印刷シールはレーベル印刷面に剥離非容易に強固に接着 されるようなものとされることもある。

【０００８】 また、印刷シールの形状は、チャッキング用中心孔に対応する部位を切り欠い ておいても良いし、チャッキング用中心孔を覆う態様のものであっても良い。

【０００９】 後者の場合は、チャッキング用中心孔の存在によるデザイン上の制約を受ける ことがないので、ユーザーの興趣性をさらに満足させうる。ただし、印刷シール の素材が伸縮性に乏しいものであるときは、ディスクプレーヤーにセットする際 、レーベル印刷層上に貼着した印刷シールを剥がさなければならないが、印刷シ ールを伸縮性に富んだ合成樹脂フィルムから作製しておけば、光ディスク本体か ら剥がすことなく光ディスクをディスクプレーヤーにセットすることができる。 ディスクプレーヤー内でのチャッキング時に、ディスクチャックが、印刷シール のチャッキング用中心孔を上方に押し上げながらチャッキング用中心孔を貫通し 、所期するチャッキングが確実に行われるからである。また、合成樹脂フィルム の一部がディスクチャックとディクスクランプとの間に挟み込まれるので、回転 ムラの防止に大いに寄与することになる。

【００１０】 印刷シールがこのように機能するためには、その厚さは、０．０１〜０．０３ mmであることが望ましい。

【００１１】 第２の目的を達成するためには、レーベル印刷層が伸縮性に富んだ素材の薄膜 からなると共にチャッキング用中心孔を覆う態様に形成されてなる構成が採用さ れる。

【００１２】 このような光ディスクセットによれば、光ディスク本体のレーベル印刷層がチ ャッキング用中心孔の存在によるデザイン上の制約を受けることがないので、印 刷シールが同様の態様である以上にユーザーの興趣性を満足させうる。しかも、 ディスクプレーヤーへのセットも確実に行われる。ディスクプレーヤー内でのチ ャッキング時に、ディスクチャックが、レーベル印刷層のチャッキング用中心孔 対応部位を上方に押し上げながらチャッキング用中心孔を貫通するからである。

【００１３】 レーベル印刷層がこのように機能するためには、その厚さは、０．０１〜０． ０３mmであることが望ましい。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、この考案を図示実施形態に基づいて説明する。

【００１５】 図１は、この発明に係る光ディスクセットの実施形態におけるコンパクトディ スク（Ａ）を、透明の合成樹脂製基板（１）を下面とした平面図及び断面図を示 し、図２は、前記コンパクトディスクから印刷シール（８）を剥がした状態のコ ンパクトディスク本体（10）の平面図及び断面図を示すもので、ディスク本体（ 10）上面にレーベル印刷層としての薄膜（７）が全面に亘って積層され、該薄膜 （７）によりチャッキング用中心孔（５）の反射層側の開口が閉塞されている。

【００１６】 前記合成樹脂製基板（１）の上面に情報記録層（２）、反射層（３）及び保護 層（４）が順次積層されてなること及びクランピングエリア（６）の外側に情報 記録層（２）が輪状に形成されていることは従来のコンパクトディスクと同様で ある。

【００１７】 前記薄膜（７）は、伸縮性を有する軟質塩化ビニルフィルムの下面に非透光性 のアルミ蒸着層が設けられてなるもので、その厚さは０．０２mmに設定されてい る。また、この薄膜（７）は、光ディスク本体（10）のクランピングエリア（６ ）以外の部位をレーベル印刷面に貼着されている。

【００１８】 前記印刷シール（８）は、厚さ０．０２mmの伸縮性に富んだ合成樹脂フィルム に文字・図柄が印刷されてなるもので、前記薄膜（７）を全面的に覆う態様、す なわち光ディスク本体（10）のチャッキング用中心孔（５）を覆う態様に形成さ れている。該印刷シール（８）は、通常は、その裏面の弱粘着剤層が剥離紙によ り被覆され（図示省略）、貼着時に該剥離紙を剥がして、レーベル印刷面に貼着 されるものとなされている。

【００１９】 この実施形態の光ディスクセットによれば、薄膜（７）によりチャッキング用 中心孔（５）の反射層（３）側の開口が閉塞されているので、チャッキング用中 心孔（５）に邪魔されることなく薄膜全体に文字、絵柄等を表すことができ、従 来のコンパクトディスクおけるようなチャッキング用中心孔（５）の存在による デザイン上の制約を回避することができる。また、薄膜（７）が伸縮性を有する 軟質塩化ビニルフィルムの下面に非透光性のアルミ蒸着層が設けられてなる積層 体であるから、金属薄膜からなる輪状の反射層（３）が薄膜側（レーベル印刷面 ）側から透かし見えることがなくなり、絵柄の独立性が保持される。

【００２０】 そして、レーベル印刷層としての前記薄膜（７）の上面に印刷シール（８）が 着脱自在に貼着されているので、一旦貼着されて印刷シール（８）を剥離して、 他の印刷シール（８）と取り替えたり、あるいは貼着されたした印刷シール（８ ）の上面に他の印刷シール（８）を重ね貼りして、レーベル印刷層（７）とは異 なる図柄を光ディスク本体（10）に表示させ、ユーザーの興趣性を満足させるも のとなしうる。

【００２１】 しかも、チャッキング時には、図３に示すように、レーベル印刷層（７）及び 印刷シール（８）のチャキング用中心孔対応部位が、ディスクチャック（84）と ディスククランパ（85）との間に挟み込まれることにより、ディスククランパ（ 85）とディスクターンテーブル（83）との間に挟持され、ディスクターンテーブ ル駆動用モータ（88）によってディスクターンテーブル（83）及びディスククラ ンパ（85）と一緒に確実に回転されるものとなされ、回転ムラの防止にも寄与し うることになる。

【００２２】 図４は、上記光ディスクを、いわゆるノート型パソコンのディスクドライブ装 置にセットした状態の概略図を示し、薄膜（７）が、光ディスク本体（10）のク ランピングエリア（６）対応部位以外の部位をレーベル印刷面に貼着され、クラ ンピングエリア（６）対応部位は未貼着とされているので、ディスクチャック（ 84）から出入り自在の係止爪（86）の動作が薄膜（７）及び印刷シール（８）に より阻害されることなく行われる。

【００２３】

【考案の効果】

上述の次第で、この考案に係る光ディスクセットは、片面にレーベル印刷層（ ７）が設けられてなる光ディスク本体（10）と、前記レーベル印刷層（７）の上 面に貼着される１ないし複数枚の印刷シール（８）との組み合わせからなり、該 印刷シール（８）が少なくともレーベル印刷層の表面形状の１／２以上ないし同 大の大きさに設定されてなるものであるから、予め印刷されたレーベル印刷層（ ７）とは異なる図柄の印刷シール（８）を光ディスク本体（10）に貼着すること ができるので、ユーザーの興趣性を満足させうる。

【００２４】 印刷シール（８）が、裏面に弱粘着剤層を有し、レーベル印刷層（７）に着脱 自在に貼着されうるものとなされている場合には、任意に貼着・剥離を反復させ ることができ、より一層、ユーザーの興趣性を満足させうる。

【００２５】 印刷シール（８）が、チャッキング用中心孔（５）を閉塞しうる形状に形成さ れてなる場合には、チャッキング用中心孔（５）の存在によるデザイン上の制約 を回避できるので、ユーザーの興趣性をさらに満足させうるものを提供できる。

【００２６】 印刷シール（８）が、伸縮性に富んだ素材からなる場合には、光ディスクのデ ィスクドライブ装置への装填も印刷シール（８）を剥がすことなくスムーズに行 われかつ回転ムラの生じ難いものとなしうる。

【００２７】 印刷シール（８）が、厚さが０．０１〜０．０３mmに設定されてなる場合には 、光ディスクのディスクドライブ装置への装填がより一層行い易くなる。

【００２８】 レーベル印刷層（７）が伸縮性に富んだ薄膜からなると共にチャッキング用中 心孔（５）を覆う態様に形成されてなる場合には、レーベル印刷層（７）が、チ ャッキング用中心孔の存在によるデザイン上の制約を受けることがないので、印 刷シールが同様の態様である以上にユーザーの興趣性を満足させうる。

【００２９】 前記レーベル印刷層としての薄膜（７）が、光ディスク本体（10）のクランピ ングエリア（６）との対応位置においては未貼着である場合には、ノート型パソ コンのディスクドライブ装置にも確実に装填されうる光ディスクを提供できる。

【００３０】 レーベル印刷層（７）が、厚さ０．０１〜０．０３mmに設定されている場合に は、光ディスクのディスクドライブ装置への装填がより一層行い易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）は、この発明に係る光ディスクセットの
一実施形態の平面図、（ロ）は、（イ）のＩ−Ｉ線拡大
断面図である。

【図２】（イ）は、同光ディスクセットの光ディスク本
体の平面図、（ロ）は、（イ）のII−II線拡大断面図で
ある。

【図３】ディスククランパーを有するディスクプレーヤ
における同チャッキング時の要部拡大断面図である。

【図４】ノート型パソコンにおける同チャッキング時の
要部拡大断面図である。

【図５】（イ）は、従来のコンパクトディスクの平面
図、（ロ）は、（イ）のＶ−Ｖ線断面図である。

【符号の説明】

１…透明合成樹脂製基板 ２…情報記録層 ３…反射層 ４…保護層 ５…チャッキング用中心孔 ６…クランピングエリア ７…レーベル印刷層 ８…印刷シール 10…光ディスク本体

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明の合成樹脂製基板（１）に情報記録
   層（２）、反射層（３）が順次積層されると共に中央に
   チャッキング用中心孔（５）が設けられ、前記反射層
   （３）側の片面にレーベル印刷層（７）が設けられてな
   る光ディスク本体（10）と、 前記レーベル印刷層（７）の上面に貼着される１ないし
   複数枚の印刷シール（８）との組み合わせからなり、該
   印刷シール（８）が少なくともレーベル印刷層の表面形
   状の１／２以上ないし同大の大きさに設定されてなるこ
   とを特徴とする光ディスクセット。
2. 【請求項２】 印刷シール（８）は、裏面に弱粘着剤層
   を有し、レーベル印刷層（７）に着脱自在に貼着されう
   るものとなされてなる請求項１に記載の光ディスクセッ
   ト。
3. 【請求項３】 印刷シール（８）は、チャッキング用中
   心孔（５）を閉塞しうる形状に形成されてなる請求項２
   に記載の光ディスクセット。
4. 【請求項４】 印刷シール（８）は、伸縮性に富んだ素
   材からなる請求項３に記載の光ディスクセット。
5. 【請求項５】 印刷シール（８）は、厚さが０．０１〜
   ０．０３mmに設定されてなる請求項４に記載の光ディス
   クセット。
6. 【請求項６】 レーベル印刷層（７）が伸縮性に富んだ
   薄膜からなると共にチャッキング用中心孔（５）を覆う
   態様に形成されてなる請求項２ないし請求項５のいずれ
   かに記載の光ディスクセット。
7. 【請求項７】 前記レーベル印刷層の薄膜（７）は、光
   ディスク本体（10）のクランピングエリア（６）との対
   応位置においては未貼着である請求項６に記載の光デス
   クセット。
8. 【請求項８】 レーベル印刷層（７）は、厚さが０．０
   １〜０．０３mmに設定されてなる請求項６又は請求項７
   のいずれかに記載の光ディスクセット。