JP3076262B2 - 含油排水の処理装置 - Google Patents

含油排水の処理装置

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JP3076262B2 JP10745497A JP10745497A JP3076262B2 JP 3076262 B2 JP3076262 B2 JP 3076262B2 JP 10745497 A JP10745497 A JP 10745497A JP 10745497 A JP10745497 A JP 10745497A JP 3076262 B2 JP3076262 B2 JP 3076262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含油排水の処理装
置に関し、特に業務用の厨房または食品加工工場などか
ら排出され、油脂類阻集装置内に収容されている多量の
油脂類を含有する排水を処理するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ホテル、旅館、レストラン、食道、ゴル
フ場、サービスエリア等の業務用の厨房、または食品加
工工場等の排水には、多量の油脂類(ヘキサン抽出物
質)が含まれる。この排水は、以前はそのまま放流され
ていたこともあったが、現在は、グリース阻集器(グリ
ーストラップ)や油水分離装置と称される油脂類阻集装
置の設置が義務づけられたため、この装置によって阻集
され、油脂類を除いた状態で公共下水道に排出されるよ
うになっている。阻集された油脂類は、バキュームによ
る吸引か手作業によって、定期的に除去、清掃すること
になっている。しかし、阻集装置の清掃は極めて汚く煩
わしい作業のため、所定の周期で除去・清掃が行なわれ
ず、放置されがちである。装置内に滞留した油脂類は、
酸化腐敗し、悪臭を発生したり、雑菌が繁殖し、不衛生
となるだけでなく、しばしば排水とともにそのまま装置
外に放出され、排水管の目詰まりや河川の汚染の原因と
なる。このような事態が生じれば、油脂類阻集装置とし
ての所期の目的は達成されない。
【0003】近年、阻集装置内に収容されている油脂類
を多量に含む排水に、油脂類を資化・分解する微生物を
投入し、エアレーションを施し、阻集されている油脂類
を分解処理する微生物処理法が試みられている。この方
法は、微生物が分泌する油脂類分解酵素(リパーゼ)に
より、油脂類を炭素数10〜24の飽和または不飽和の
脂肪酸とグリセリンとに加水分解し、一般の微生物が資
化しやすい形にし、それによって阻集装置内からの油脂
類の除去、清掃作業をなくすることを目的としている。
しかし、阻集装置は、もともと油脂類を阻集する目的の
みに必要な容量で設計されており、そのままで微生物処
理を効率的に十分な程度実施できるほど大きくない。ま
た、この小さい容量ゆえに、装置内に阻集される比重が
軽い油脂類は高濃度で装置内の上層部に大きな塊となっ
て滞留している。すなわち、油脂類と水との接触面積が
限られ、油脂類が容易に加水分解できない状況を呈して
いる。さらに油脂類は、それ自体酸化しやすく、雑菌の
繁殖や周囲の有機物を含む夾雑物を抱き込む形でスカム
状に腐敗し、一層加水分解が起こりにくい状態になる。
このため、何の工夫も行なわず、単に微生物を投入し、
エアレーションを行なっているだけの従来法では、油脂
類の分解がほとんど進行せず、効果が得られていないの
が実情である。
【0004】上記問題に対し、排水中において、油脂類
を小さな粒にし、さらには分散、可溶化させ、加水分解
を効率よく実施するために、阻集装置内に収容されてい
る排水を多量の空気量による強力なエアレーションで攪
拌する方法、あるいは界面活性剤を投入して排水中の油
脂類を分散・可溶化させる方法が試みられている。しか
し、いずれの従来法でも、上述したように阻集装置の容
量が小さいため、油脂類を完全に加水分解させるだけの
滞留時間を確保することができず、排水が容易に装置外
へ流出するおそれの高い状態で強力なエアレーションま
たは界面活性剤の投入が行なわれ、水中に分散または溶
解した油脂類が分解されずにそのまま流出してしまうと
いう大きな問題が生じている。これでは、阻集装置を設
置している意味が全くない。
【0005】油脂類を資化・分解する微生物を1日数回
に分けて定期的に油脂類阻集装置内に投入する方法も試
みられている。この方法は、排水とともに装置内から微
生物が大部分流出しても、あるいは装置内において微生
物の大部分が死滅しても、1日数回投入する微生物のい
ずれかが装置内に生息し、活性化してくるであろうとい
う、極めて不確実な予想に基づく方法である。この方法
は、始めから無駄な微生物を投入することを念頭に置い
ているため、甚だ不経済である。また別の方法として、
油脂類を資化・分解する微生物の活性槽を別に設け、そ
の活性槽に微生物と一定温度の水と栄養源とを投入し、
さらにエアレーションを施して、微生物を培養し十分活
性化してから阻集装置内に供給する方法が試みられてい
る。しかし、この方法においても、肝心の阻集装置内に
おける劣悪な環境は何ら改善されない。各方面で応用さ
れている有用微生物による各種処理において、微生物の
環境への馴致が重視されていることからも、活性化槽と
いう理想的な環境から阻集装置内の劣悪な環境へいきな
り微生物を供給する方法は、かえって微生物にとって急
激な環境変化を招くことになり、効果をそれほど期待で
きない。また、この方法は、微生物の培養のために大掛
かりな装置が必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の問題を解決し、油脂類阻集装置内に収容
されている排水に含まれる油脂類を効率よく分解できる
装置を提供することにある。
【0007】本発明のさらなる目的は、油脂類阻集装置
内の排水に投入された微生物の活性を安定に維持するこ
とができ、それにより阻集装置内において油脂類の加水
分解を十分に行なうことができる装置を提供することに
ある。
【0008】本発明のさらなる目的は、油脂類阻集装置
内に収容される排水において油脂類を十分に分解し、従
来行なわれてきた定期的な油脂類の除去・清掃を不要に
することができる装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、油脂類阻集装
置内に収容されている油脂類を含む排水を微生物により
処理するための装置であって、空気量を変化させること
ができるエアレーションのための手段を備えることを特
徴とする。
【0010】気供給量を変化させることができるエア
レーションのための手段を備える含油排水の処理装置に
おいて、阻集装置内に排水が流入する時間帯において
は、エアレーションのための手段を介して、未処理の排
水が阻集装置から流出しない程度の少量の空気を排水に
供給することができ、かつその後、空気の供給量を変化
させ、阻集装置内に排水が流入しない時間帯または阻集
装置内への排水の流入量が減少する時間帯において、エ
アレーションのための手段により、排水を攪拌すること
ができる程度の多量の空気を排水に供給することができ
る。
【0011】また本発明による含油排水の処理装置は
処理すべき排水にほぼ一定温度の水を添加するための手
段を備えることができる。この装置において、ほぼ一定
温度の水を添加するための手段により、処理すべき排水
の温度または水質を、油脂類を分解できる微生物の活性
を維持できる温度域または水質に調節することができ
る。
【0012】また本発明による含油排水の処理装置は
処理すべき排水にカチオン界面活性剤を添加するための
手段を備えることができる。この装置において、カチオ
ン界面活性剤を添加するための手段により、処理すべき
排水中の雑菌の増殖を抑制しかつ油脂類を分解できる微
生物の活性を安定化することができる。
【0013】かくして、本発明により、空気供給量を変
化させることができるエアレーションのための手段と処
理すべき排水にほぼ一定温度の水を添加するための手段
とを備える装置、空気供給量を変化させることができる
エアレーションのための手段と処理すべき排水にカチオ
ン界面活性剤を添加するための手段とを備える装置、空
気供給量を変化させることができるエアレーションのた
めの手段と処理すべき排水にほぼ一定温度の水を添加す
るための手段と処理すべき排水にカチオン界面活性剤を
添加するための手段とを備える装置をそれぞれ提供する
ことができる。これらの装置において、それぞれの手段
による機能を組合せて、排水がより効率的に処理できる
装置を提供することができる。
【0014】本発明による装置は、油脂類を分解できる
微生物を収容しかつ所定の時期に所定量処理すべき排水
に供給するための微生物供給手段を備えることが好まし
い。この微生物供給手段によって、阻集装置内に排水が
流入しない時間帯または阻集装置内への排水の流入量が
減少する時間帯に、微生物を処理すべき排水中に投入す
ることができる。また、微生物供給手段と処理すべき排
水にほぼ一定温度の水を添加するための手段とを備える
装置では、水を添加するための手段によりほぼ一定温度
の水が排水に添加された後、微生物供給手段によって微
生物を排水中に投入することができる。
【0015】本発明による装置は、処理すべき排水にノ
ニオン界面活性剤を添加するための手段を備えることが
より好ましい。ノニオン界面活性剤を添加することによ
り、処理すべき排水中の油脂類の分散または可溶化を促
進することができる。
【0016】本発明により、上述した手段を備え、それ
らの手段の作動および停止が自動化された装置を提供す
ることができる。そのような装置は、油脂類を分解する
微生物を収容しかつ所定の時期に所定量排水中に供給す
るための微生物供給手段と、空気供給量を変化させるこ
とができるエアレーションのための手段と、処理すべき
排水にほぼ一定温度の水を添加するための手段と、処理
すべき排水にカチオン界面活性剤を添加するための手段
と、処理すべき排水にノニオン界面活性剤を添加するた
めの手段と、微生物供給手段、エアレーションのための
手段、一定温度の水を添加するための手段、カチオン界
面活性剤を添加するための手段およびノニオン界面活性
剤を添加するための手段がそれぞれ作動および停止する
時期を制御するための手段とを備える。この装置によ
り、阻集装置内に排水が流入する時間帯において、未処
理の排水が阻集装置から流出しない程度の少量の空気を
排水に供給することができ、その後、阻集装置内に排水
が流入しない時間帯または阻集装置内への排水の流入量
が減少する時間帯において、未処理の排水が阻集装置か
ら流出しない程度の少量の空気を排水に供給するかまた
は空気の供給を停止した状態で、処理すべき排水にほぼ
一定温度の水を添加することができ、次いで、阻集装置
内に排水が流入しない時間帯または阻集装置内への排水
の流入量が減少する時間帯において、微生物を処理すべ
き排水に投入すること、ノニオン界面活性剤を処理すべ
き排水に投入することおよび処理すべき排水を攪拌する
ことのできる程度の多量の空気を排水に供給することが
でき、かつ微生物投入の前で一定温度の水もしくは阻集
装置に流入する排水で希釈が可能な時期または微生物投
入から充分後で阻集装置内に流入する排水もしくは一定
温度の水で希釈が可能な時期において、処理すべき排水
にカチオン界面活性剤を添加することができる。
【0017】本発明の装置において、一定温度の水を添
加するための手段は、上水道に接続される水槽と、水槽
内に収容される水道水を加熱するためのヒータと、水槽
内に収容される水道水の温度を測定するための手段とを
備えることができる。この装置において、ヒータによっ
て加熱される前の水槽内の水温に応じ、微生物の供給量
および/またはカオチン界面活性剤の添加量を調節でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、油脂類阻集装置
は、たとえば、堰板と油阻止板とによって仕切られ、直
列に連結する複数の槽から構成されるものである。堰板
は、槽の底部から直立して、その上縁が槽に収容されて
いる排水の液面より低くなるように設置されている。油
阻止板は、堰板に平行にはなれて配置され、かつその上
縁が排水の液面より高く、下縁が槽の底部より離れるよ
うに設置される。槽の入口は、調理場等の排水源に接続
され、出口は、公共下水道または排水処理施設に接続さ
れる。油脂類阻集装置には、このような構造またはこれ
に類似する構造により、排水中に含まれる油脂分を阻
止、分離、収集するための装置が含まれる。また、油脂
類阻集装置は、一般に、グリース阻集器、工場製造グリ
ース阻集器、現場施工大形グリース阻集器と呼ばれるグ
リース阻集器を含む。
【0019】本発明の装置により処理する排水には、た
とえば、ホテル、旅館、レストラン、食道、ゴルフ場、
サービスエリア等の食事を賄う施設および食品加工工場
の単独のグリース阻集器(グリーストラップ)または油
水分離装置内に収容されている油脂類を含む排水、下水
設備のないホテル、旅館、レストラン、食道、ゴルフ
場、サービスエリア等の食事を賄う施設、および食品加
工工場、および各家庭からの排水の、分離・沈殿・滞留
処理と併用されているグリース阻集器(グリーストラッ
プ)または油水分離装置内に収容される排水、あるい
は、機械工場やガソリンスタンドのオイル阻集器(オイ
ルトラップ)または油水分離装置内に収容されている排
水などが含まれる。
【0020】本発明の装置は、処理すべき排水にエアレ
ーションを施す。エアレーション手段には、たとえば、
エアポンプ、ブロアー等の空気送風機、空気供給パイプ
および散気手段を組合せた既知の装置を用いることがで
きる。
【0021】本発明の装置は、油脂類を資化・分解する
働きを有する微生物の作用を排水処理において効果的に
発揮させるために構成される。排水処理のための微生物
源として、たとえば、市販されている微生物製剤を用い
ることができる。微生物製剤は、粉状、粒状または液状
に固定化され、微生物の増殖を一時的に抑止した状態で
市販されている。
【0022】本発明の装置において、微生物は、人手に
よって適宜排水に投入してもよいし、微生物を所定の時
期に所定量排水に供給する手段を用いて投入してもよ
い。調理場等の排水源から阻集装置内に排水が流入しな
い時間帯または排水の流入量が投入した微生物製剤を容
易に阻集装置外へ流出させることのない少量の時間帯の
初期に、処理すべき排水に微生物製剤を所定量供給する
ことが好ましい。これにより、供給された微生物製剤か
らの微生物が活性化するまでの間に、排水とともに微生
物が阻集装置外へ容易に流出することはない。
【0023】阻集装置内に排水が流入しないかまたは少
量しか流入しない時間帯とは、たとえば業務用厨房の活
動が停止する時間帯(一般的には夜間または休業日)、
あるいは食品加工工場の未稼動時間帯(一般的には夜間
または休業日)を意味する。その時間帯の初期におい
て、処理すべき排水に微生物製剤を所定量供給すれば、
その後数時間から10数時間の間、微生物を有効に作用
させることができる。また、24時間営業の業務用厨
房、あるいは24時間稼動の食品加工工場においても、
排水状況を一定期間にわたり、調査、分析すれば、1日
のうちで少なくとも1〜3時間排水が流入しないかまた
は少量しか流入しない時間帯を特定できる。本発明の装
置において、そのような時間帯の初期に微生物を排水に
投入することができる。供給する微生物の量は、用いる
微生物製剤の固有の処理能力、阻集装置の容量、阻集装
置内に流入する1日の油脂量等により決定される。粉状
または粒状の微生物製剤を所定量供給する手段として、
微生物製剤を収容するホッパとロータリフィーダとを組
合せた既知の手段を用いることができる。また液状の微
生物製剤を所定量供給する手段として、微生物製剤を収
容する貯留槽とポンプまたは電磁弁とを組合せた既知の
手段を利用することができる。これらの手段とタイマと
を組合せれば、所定量を所定の時期に供給できる。
【0024】本発明の装置において、エアレーションを
施すための手段は、空気供給量を変化させることができ
る手段を備えることが好ましい。阻集装置内に排水が流
入しないかまたは少量しか流入しないときは、多量の空
気供給量によるエアレーションを施し、そのエアレーシ
ョンの作用によって処理すべき排水を攪拌し、油脂類を
水中に分散させることができる。このエアレーションモ
ードにおいて、油脂類を資化・分解する微生物の作用に
より油脂類の加水分解効率を向上させる。一方、阻集装
置内に排水が流入しているときは、処理すべき排水を攪
拌するに至らない程度の、微生物に酸素を供給する目的
だけの少量の空気を供給するエアレーションモードに切
換え、阻集装置内から油脂類が流出することを防止す
る。
【0025】空気供給量の切換は、たとえば、調理場等
の排水源から阻集装置までの排水経路に水分検知器を設
置し、検知器と連動した切換スイッチにより行なうこと
ができる。多量の空気供給によるエアレーションで攪拌
された油脂類は、排水中に小さな粒となって分散し、そ
れが再び大きな粒となって液面に浮上するには、ある程
度の時間がかかるので、多量から少量の空気供給による
エアレーションに切換え、排水の攪拌が収まった直後に
阻集装置内に排水が流入した場合、分散された油脂類が
そのまま阻集装置外へ流出する危険が生じる場合があ
る。このような場合に備え、阻集装置内に不定期に排水
が流入しかつその流入量が一定でない時間帯、たとえば
業務用厨房の活動時間帯、あるいは食品加工工場の稼動
時間帯において、少量の空気供給によるエアレーション
を実施し、一方、阻集装置内に排水が流入しないかまた
は少量しか流入しない時間帯において、多量の空気供給
によるエアレーションを実施することが好ましい。その
ようなエアレーションの切換は、タイマとそのタイマに
連動した切換スイッチにより行なうことができる。な
お、厨房の活動時間帯や工場の稼動時間帯においてエア
レーションを完全に停止してしまうと、阻集装置内に流
入する食材屑等の有機物残渣やその他の夾雑物が散気筒
の孔を塞ぎ、目詰まりが起こってメインテナンス頻度が
高くなる場合が生じる。一方、常に強力なエアレーショ
ンモードを持続していると、阻集装置からの油脂類の流
出が起こったり、排水に含まれる洗剤の影響で多量の泡
立ちが生じる場合もある。これらの場合に対し、上述し
たエアレーションモードの切換は非常に有効である。
【0026】エアレーションにおいて空気供給量自体を
変化させる手段として、同程度の出力を有する空気送風
機を2台用意し、多量の空気量が必要なときは2台とも
運転させ、少量の空気量が必要なときはいずれか1台だ
けを運転させる手段を用いることができる。また、出力
の異なる空気送風機を2台用意し、多量の空気供給量が
必要なときは高出力の空気送風機を運転させ、少量の空
気供給量が必要なときは低出力の空気送風機を運転させ
ることができる。一方、より経済的な手段として、1台
の空気送風機で空気供給量を変化させることもできる。
たとえば、以下に示すような手段によって1台の空気送
風機で空気供給量を変化させれば、2台の空気送風機を
用いる場合よりも顕著に経済的に有利な装置を提供でき
る。たとえば、水分検知器またはタイマと連動した切換
スイッチと空気送風機との間に、位相制御回路を設置
し、多量の空気供給量が必要なときは位相制御回路をパ
スさせ、空気送風機の定格どおり出力させる。一方少量
の空気供給量が必要なときは、位相制御回路を通過させ
空気送風機の出力を低下させることができる。位相制御
回路による出力制御は、たとえば電熱器具において応用
されている既知の手段である。
【0027】さらに好ましくは、位相制御回路に可変抵
抗器を組合せ、制御される出力範囲に幅をもたせること
ができる。この手段によれば、阻集装置の容量に応じ
て、供給空気により処理すべき排水を十分攪拌できるよ
う空気送風機の定格出力を決定し、排水を攪拌するに至
らない程度の少量の空気量に必要な空気送風機の出力
を、可変抵抗器と連動しているつまみにより簡単に調整
することができる。ここで、排水を十分に攪拌するため
に必要な多量の空気量は、阻集装置の容量および構造、
散気筒の配置、散気孔の面積等によって決定されるが、
具体的目安として、幅600mm、長さ1200mm、
水深約400mmの呼称250リットルのグリース阻集
器に対し、20リットル/分〜50リットル/分の定格
出力を有する空気送風機が好適である。この空気送風機
の出力を、位相制御回路と可変抵抗器の作用により、定
格出力の20%〜80%に調整できるようにしておけ
ば、処理すべき排水を攪拌するに至らない程度の少量の
空気量を簡便に調節することができる。
【0028】散気手段として、多孔質の空気透過性の石
でできたエアストーン、ABS樹脂またはポリプロピレ
ン樹脂でできた浄化槽用の散気筒など、市販されている
散気手段を利用できる。排水を攪拌できるほどの空気量
を散気する場合、排水に含まれる洗剤の影響で排水が異
常に泡立ち、ときに阻集装置の上縁を超えて泡立ちが発
生する場合がある。各空孔面積が非常に小さく、空孔数
が多く、散気される空気の粒が非常に微細になる散気手
段は、このような泡立ちを発生させやすい。したがっ
て、そのような場合、孔の間を10mm以上離し、しか
も孔の直径が0.5〜3mmである、ポリ塩化ビニル等
の樹脂からなるパイプ、またはステンレス等の金属から
なるパイプを散気筒として好適に利用できる。このよう
な散気筒を用いれば、散気される空気の粒は大きく、容
易に泡立ちを発生させることがない。なお、孔径が0.
5mm以下の場合は、散気される空気粒が微細となって
泡立ちが多くなる傾向にあり、一方、孔径が3mm以上
の場合、1箇所の孔から散気される空気量が多すぎるた
め、散気筒全体に均一な圧力がかからなくなり、空気送
風機から遠い位置にある孔からは、散気されにくくなる
ことがわかった。
【0029】さらに好ましくは、図1に示すような空気
供給手段を用いることができる。空気送風機14から散
気筒(図示省略)までの間の空気供給パイプ21に、供
給空気の一部を系外へ開放できる分岐経路を設け、その
経路に、空気開放弁15および消音機構16を配設する
ことができる。空気送風機14から供給される空気量
は、開放弁15の開度を調節することによって、任意に
低減できる。併わせて、開放弁15から空気が流出する
ときに発生する吐出音を、消音機構16で消すことがで
きる。この手段によれば、予め用意した空気送風機の定
格出力が排水を過度に攪拌してしまうような場合に、別
の空気送風機に交換することなく容易に空気供給量を低
減できる。また、この手段によれば、阻集装置の容量に
応じて個別に異なる定格出力の空気送風機を選定する必
要がなくなり、たとえば、100〜300リットルまで
の容量の阻集装置に対し、共通の定格出力を有する空気
送風機を用いることができる。空気送風機からの供給空
気量を低減させる方法として、通過する空気量を絞るた
めに空気供給パイプ自体に空気調整弁を設置する手段が
あるが、この手段では、供給される定格の空気量をむり
やり絞り込むため、自動車にたとえればアクセルとブレ
ーキの両方を同時に踏んでいる状況と同じであり、空気
送風機に加わる負担が大きく、空気送風機の寿命を短く
してしまう。これに比べ、図1に示すような手段は、空
気送風機自体には何ら負担をかけることがなく、空気供
給量を低減できる。また、上述した位相制御回路を用い
る手段は、空気送風機自体の出力を調整するため、この
手段においても空気送風機に負担は加わらない。
【0030】図1に示す空気開放弁15には、たとえば
市販されているコック、ニードルバルブ等の手段が利用
できる。また、消音機構16は、たとえば、ポリ塩化ビ
ニル等の樹脂からなるパイプ、ステンレス等の金属から
なるパイプに0.5〜2mmの孔を数カ所〜数十箇所設
け、孔の合計面積が空気開放弁の開口面積の1/2〜2
倍になるようにしたパイプを用いることができる。
【0031】上述した空気供給量が可変のエアレーショ
ン手段とタイマとを組合せれば、所定の時期にエアレー
ションのモードを切換えることができる。本発明によれ
ば、任意の適切な時期にエアレーションモードを切換
え、任意の適切な時期に排水に微生物を供給できる装置
を提供できる。この装置において、阻集装置内に排水が
流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯の初期
に、エアレーションのための空気供給量を少量から多量
に切換え、それと同時期に微生物を排水に供給できる。
油脂類を資化・分解する微生物の作用と、排水を攪拌し
て油脂類を排水中に分散させる作用の両方により、油脂
類を効率よく加水分解できる。
【0032】本発明の装置は、一定温度の水を排水に添
加するための手段を備えることが好ましい。このような
手段は、水を導き入れる水槽と、水槽に収容される水を
一定温度まで加熱する手段と、水槽内の水を阻集装置に
供給する手段とを備えることができる。一定温度の水を
阻集装置に収容される排水に供給し、油脂類を資化・分
解する微生物が活性を維持できる温度域にその水温を安
定させることができる。また、排水を水で希釈すれば、
排水源から流入する次亜塩素酸、苛性ソーダ等の微生物
活性を阻害したり殺菌効果のある物質の濃度を低減し、
微生物活性を維持することができる。
【0033】本発明の装置において、阻集装置内に排水
が流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯の初期
に、一定温度の水を供給することにより、比較的長時間
にわたり、微生物の活性を維持できる温度域と水質をも
たらすことができる。上述したように、一般に阻集装置
内に排水が流入しないかまたは少量しか流入しない時間
帯は、1日数時間から10数時間に及び、その間、阻集
装置に収容されている排水は一定の状態で存在してい
る。この一定の状態は、排水が流入しないかまたは少量
しか流入しない時間帯の直前に阻集装置内に流入してく
る排水の状態で決定される。たとえば、食器洗浄機を使
用した直後に厨房活動を終了した場合は、熱湯が阻集装
置内に流入し、その量によっては排水の温度が50℃以
上になる。またその逆に、冬場の水道水を野菜の洗浄や
調理場の清掃等で多量に使用した直後に厨房活動を終了
した場合、排水の温度が10℃以下になる。さらに、食
器の漂白に次亜塩素酸を使用した直後や調理器具等の洗
浄に苛性ソーダを使用した直後に厨房活動を終了した場
合、微生物を阻害する殺菌効果のある物質が排水中に高
濃度で存在することが考えられる。その後、数時間から
数十時間の間、阻集装置内に排水が流入しないかまたは
少量しか流入しない時間帯は、微生物にとって劣悪な環
境のままの状態となる。本発明によって一定温度の水を
供給する手段を用いれば、このような状況は改善され
る。
【0034】一般に微生物製剤として市販されている油
脂類を資化・分解する微生物の生息温度は、10℃〜4
5℃とされ、高活性を維持できる温度は15℃〜40℃
とされ、さらに最適温度は20℃〜35℃とされてい
る。一方、空気調和・衛生工学会規格「グリース阻集
器」HASS217−1981に記載されているデータ
を引用し、計算した結果、業務用の厨房から排出される
1日の総排水量は、阻集装置容量の160〜180倍と
なる。これだけ多量に阻集装置内に流入する排水自体
を、たとえば冬場に微生物が活性化できる温度域まで保
持しようとすれば、投げ込みヒーター等による加熱手段
によって供給されるエネルギは多量になり、不経済であ
る。一方、多量の熱湯が流入した場合は、加熱手段によ
って対応できない。本発明の装置では、一定温度の水を
供給する手段を設けることにより、阻集装置内に排水が
流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯の初期
に、阻集装置容量の25%〜100%の範囲の量の20
℃〜35℃の範囲で一定となった水を阻集装置内に供給
できる。一定温度の水を供給する前の排水温度が10℃
以下の場合は、最低でも10℃以上に、できれば15℃
以上となるように、一定温度の水を供給し、一方、排水
温度が50℃以上の場合は、45℃以下、できれば40
℃以下となるように一定温度の水を供給できる。一定温
度の水を処理すべき排水に混ぜることによって、微生物
が活性を維持できる温度域および水質を、1日の総排水
量に比べて極めて少ない量の水で経済的に保持すること
ができる。
【0035】さらに好ましくは、阻集装置内に排水が流
入しないかまたは少量しか流入しない時間帯の中で、最
初に一定温度の水を添加した後、1〜2回以上一定温度
の水の供給を繰返せば、処理すべき排水の温度および水
質はさらに安定する。たとえば1日3回一定温度の水を
供給した場合、その合計量は1日の総排水量の0.4〜
1.8%と極めて少なく経済的である。本発明の装置に
おいて、水の供給手段は、フロートスイッチに連動し
た、水道水源に直結される給水用電磁弁にて水槽内に水
を導く手段を備えることができる。加熱手段としては、
水炊き用のヒーターを利用できる。温度制御手段には、
温度センサまたはサーモスタットによるいずれも既知の
手段を利用できる。水道水源から給水用電磁弁を介して
水槽内に収容された水は、温度センサまたはサーモスタ
ットによって制御されるヒーターのもとで、一定温度に
される。一定温度に達した水は、温度センサまたはサー
モスタットとタイマに連動した排水用電磁弁または水中
ポンプにより、給水パイプを介して阻集装置内に供給で
きる。また水槽の容量が、処理すべき排水を好ましい温
度にするのに必要な水の量に満たない場合、水槽への給
水、加熱、水槽からの排水の一連の工程を繰返し実施す
ればよい。
【0036】水供給手段を用いる場合、阻集装置内に排
水が流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯にな
った直後に、一定温度の水を所定量供給し、微生物にと
って活性を維持できる温度域にするとともに微生物の活
動を阻害する物質の濃度を薄めた後、微生物製剤を阻集
装置内に供給できる。
【0037】さらに好ましくは、水道水源に直結した水
槽内に導かれた水において、所定の温度に調節される前
の水温を測定し、その水温の高低に応じて、微生物製剤
の供給量を変えることができる。阻集装置に収容されて
いる排水の温度は、調理場等の作業内容によって異なる
温度の排水が流入するため、絶えず変動しているが、1
日の平均温度でみると、夏場と冬場とでは明らかに異な
る。本発明の装置において、一定温度の水の供給によ
り、処理すべき排水の温度は好ましい温度に調節される
が、たとえば夏場に比べて冬場の温度が低くなる傾向に
ある。そこで、冬場の微生物製剤の供給量を夏場に比べ
て増加させることは、好ましい方向に作用する。表1に
示すように、水道水の温度と季節とは相関関係があるた
め、本発明の装置において水槽内に導かれた直後の水道
水の温度を測定すれば、高い信頼性でその場の季節を認
識することができ、それに応じて微生物の供給量を調節
することができる。この水道水の温度を測定する方法に
比べて、たとえば室温を測定する方法は空調の影響を大
きく受け、また処理すべき排水の温度を測定する方法で
は、平均温度を算出しなければならない。これらの方法
に比べ、水道水の温度を測定する方法は信頼性が高い。
【0038】
【表1】
【0039】水槽内の水道水の温度を測定する手段とし
て、たとえば温度センサを用いることができる。また、
ヒーターに通電し加熱を開始した時点から、一定温度に
達してサーモスタットが検知するまでの時間をタイマ等
で測定し、その沸き上がり時間から、初期水温を推定す
ることもできる。一方、処理すべき排水の温度が高い場
合は、ヒーターを作動させることなく、水槽に貯留され
た水道水を添加することにより、排水の温度を下げるこ
とができる。具体的な微生物製剤の供給量は、たとえ
ば、水槽内の初期水温が25℃以上のときを1とし、初
期水温が25℃以下のとき、その1〜2倍の量の範囲
で、少なくとも2段階以上に供給量を調節できるよう設
定しておけば好適である。粉状、粒状の微生物製剤を用
いる場合、ロータリフィーダの回転数を変えることによ
って微生物製剤の供給量を変えることができる。また液
状の微生物製剤を用いる場合、ポンプまたは電磁弁の作
動時間をタイマにより変化させればよい。
【0040】本発明の装置において、一定温度の水を処
理すべき排水に供給している間、エアレーションを停止
させることによって、阻集装置内から油脂類が流出する
ことを防止できる。ただし、エアレーションを停止した
ために散気筒の孔が目詰まりするおそれがある場合、上
述した位相制御回路を利用し、散気筒の目詰まり防止だ
けを目的とした極めて微量な空気量を供給するように、
空気送風機の出力を調整することが好ましい。この場
合、たとえば、空気供給量は、多量、少量、微量の3段
階とすることができる。
【0041】さらに好ましくは、一定温度の水を処理す
べき排水に供給する数分〜10数分前に、エアレーショ
ンを停止するかまたは微量空気量のエアレーションに切
換え、多量空気量のエアレーションによる攪拌作用によ
り水中に小さな粒として分散していた油脂類が大きな粒
に戻り液面に浮上するまでの猶予時間を利用して、一定
温度の水を供給すれば、阻集装置内からの油脂類の流出
を確実に防止できる。このエアレーションを停止するか
または微量空気量によるエアレーションに切換えてか
ら、一定温度の水を処理すべき排水中に供給するまでの
猶予時間は、3分〜15分が好適である。具体例とし
て、水槽内の水が一定温度に到達した時点でエアレーシ
ョンを停止するかまたは微量空気量のエアレーションに
切換え、タイマによる猶予時間を経過した後、一定温度
の水を供給できる。また、一定温度を検知するサーモス
タットとは別に、その検知温度より猶予時間分早く検知
できる低い温度に設定された低温設定のサーモスタット
を用い、低温設定サーモスタットが検知した時点でエア
レーションを停止するかまたは微量空気量のエアレーシ
ョンに切換え、その後所定の温度に到達した時点で一定
温度の水を供給することもできる。
【0042】エアレーションが可変でありかつ一定温度
の水を供給できる本発明の装置においては、阻集装置内
に排水が流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯
になった直後にエアレーションを施すための供給空気量
を少量から多量に切換え、それと同時期に水槽内に水道
水を導いて加熱を開始し、一定温度に到達する数分〜1
0数分前から一定温度の水の供給が終了するまで、エア
レーションを停止するかまたは微量空気量のエアレーシ
ョンに切換えることができる。一定温度の水の供給が終
了すると同時期に微生物製剤を所定量供給し、多量空気
量のエアレーションに切換えることができる。
【0043】本発明の装置は、カチオン界面活性剤を所
定量供給するための手段を備えることが好ましい。処理
すべき排水にカチオン界面活性剤を添加することによ
り、排水中に生息する雑菌の増殖を抑制し、油脂類の加
水分解を効率よく進めることがてきる。特に、スファエ
ロチルス等の糸状菌、あるいはノカルディア属の放線菌
の増殖に伴う、活性汚泥法にしばしば発生するバルキン
グに類する状況により、排水の液面に有機物その他の夾
雑物とともに油脂類が酸化腐敗するスカミングを防止で
きる。カチオン界面活性剤として、第四級アンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩などの逆性石鹸と呼ばれる
ものを好ましく用いることができる。たとえば、アルキ
ルアンモニウムクロリドを共通の構造として有する各種
の市販品をカチオン性界面活性剤として利用できる。な
お、溶媒にイソプロピルアルコールやエタノール等の引
火性のある物質を含有していないものを用いることが好
ましい。カチオン界面活性剤は、雑菌の増殖を抑制する
他に、油脂類を資化・分解する微生物が必要以上に増殖
することを抑制することもできる。
【0044】具体的に次のような実験を行なった。実容
量6リットルで3槽構造を有する実験用油脂類阻集装置
内に、表2に示す組成の人工下水180リットルと、サ
ラダ油30gを1日20回に分けて供給し、エアレーシ
ョンを施しながら微生物を適当量投入した。この実験系
において、市販の第四級アンモニウム塩であるカチオン
界面活性剤を30mg/リットルの濃度で1日1回投入
した場合と、全く投入しなかった場合とを比較した。カ
チオン界面活性剤を投入しない方の系では、実験開始3
日で装置の壁面全体に微生物の集落が付着し、2週間目
になるとその厚みは厚いところで10mm以上に達し
た。その一部は剥離浮上し、液面のサラダ油と合わさ
り、そのまま放置しておくとスカミングが発生した。一
方、カチオン界面活性剤を投入した系では、壁面に付着
した集落の厚みが増加する速度は遅く、また厚みが5m
m程度となってからはほとんど増加せず、油脂類の分解
効率の低下もほとんどみられなかった。以上の実験か
ら、カチオン界面活性剤を投入することによって、油脂
類を資化・分解する微生物そのものの過剰な増殖を抑
え、長期にわたり安定して油脂類を分解できることがわ
かった。
【0045】
【表2】
【0046】本発明の装置において、カチオン界面活性
剤を排水に供給する手段として、界面活性剤を貯留でき
る容器と、ポンプまたは電磁弁とを組合せた既知の手段
を利用することができる。界面活性剤の必要量は、数種
の実験により、阻集装置の容量に対して5mg/リット
ル〜100mg/リットルが好適であることがわかっ
た。また、その濃度は、10分〜60分間維持できるこ
とが好ましく、界面活性剤は1日1回以上供給すること
が望ましい。具体的には、阻集装置内に排水が流入しな
いかまたは少量しか流入しない時間帯が終了する10分
〜60分前に、カチオン界面活性剤を所定量供給すれ
ば、濃度を維持することができる。また、業務用の厨房
から排出される1日の総排水量は、上述したように、阻
集装置容量の160〜180倍のため、本発明の装置に
おいて使用する界面活性剤の1日総排水量に対する割合
は、多くとも0.7mg/リットルを超えることはな
く、環境汚染の心配のない経済的な量を用いることがで
きる。また、排水が流入しない時間帯の終了後に流入す
る排水により、その濃度は速やかに低下する。このた
め、殺菌、静菌効果が必要以上に長く続くことはない。
【0047】本発明の装置において、排水が阻集装置内
に流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯の初期
に微生物製剤を投入し、同時間帯の終了前にカチオン界
面活性剤を供給すれば、その間は数時間から10数時間
あり、カチオン界面活性剤によって投入した微生物製剤
の活性が低下することを防ぐことができる。
【0048】また、本発明の装置において、上述したよ
うに泡立ちが容易に発生しない構造の散気筒を用いれ
ば、カチオン界面活性剤に起因する泡立ちを抑えること
ができる。
【0049】本発明の装置において、添加したカチオン
界面活性剤は、一定温度の水を排水に供給することによ
って希釈することができる。具体的には、一定温度の水
を処理すべき排水に供給する10〜60分前にカチオン
界面活性剤を所定量供給し、その後所定の時期に一定温
度の水を供給すれば、その濃度は確実に低下する。一定
温度の水により希釈すれば、調理場や食品加工工場の休
業日等において排水の流入がない場合が生じても、界面
活性剤の殺菌、静菌効果が必要以上長期間にわたって持
続する心配がなくなり、安心して界面活性剤を利用でき
る。
【0050】また、本発明の装置において、水槽内に導
かれた加熱前の水道水の温度を測定し、その水温の高低
によりカチオン界面活性剤の供給量を変えることができ
る。殺菌および静菌効果のある界面活性剤を夏場多量に
使用し、冬場はその使用量を抑えることによって、微生
物への影響をコントロールできる。具体的な界面活性剤
の使用量は、加熱前の水温が25℃以上の場合を1と
し、25℃以下のときはその50〜100%の量の範囲
で、少なくとも2段階以上に供給量を変えるように設定
しておけば好適である。
【0051】本発明の装置において、阻集装置内に排水
が流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯になっ
た直後にカチオン界面活性剤を所定量供給し、それと同
時期にエアレーションを施すための空気量を少量から多
量に切換えることができる。多量空気量のエアレーショ
ンによる攪拌作用により、界面活性剤と雑菌との接触機
会を増やす。それと同時期に水槽内に水道水を導いて加
熱を開始し、一定温度に到達する数分〜10数分前から
一定温度の水の供給が終了するまでの間、エアレーショ
ンを停止するかまたは微量のエアレーションに切換える
ことができる。一定温度の水の供給が終了し、処理すべ
き排水中のカチオン界面活性剤の濃度が低下した直後
に、多量のエアレーションに切換え、それと同時期に微
生物製剤を所定量供給できる。
【0052】また本発明の装置において、ノニオン界面
活性剤(非イオン界面活性剤)を処理すべき排水中に所
定量供給するための手段を備えることが好ましい。ノニ
オン界面活性剤は、排水中において油脂類を分散、可溶
化させ、微生物によって資化・分解するに好ましい形態
にする。このような分散および可溶化が進めば、微生物
による油脂類の加水分解は促進される。ノニオン界面活
性剤を処理すべき排水中に供給する手段として、界面活
性剤を貯留できる容器と、ポンプまたは電磁弁とを組合
せた既知の手段を利用できる。ノニオン界面活性剤は、
天然由来のもの、あるいは合成品を用いることができ、
ノニルフェノール系、アルキルフェノール系、脂肪酸エ
ステル系、高級アルコール系等、家庭用、業務用に市販
されている各種商品を用いることができる。たとえば、
HLBが10〜18であるノニオン界面活性剤は、可溶
化剤として効果が高く望ましい。
【0053】ノニオン界面活性剤は、処理すべき排水中
の塩素イオン等のアニオン、カルシウムイオン、マグネ
シウムイオン等のカチオンの両方の影響を受けないた
め、油脂類を分散、可溶化する性質を安定して作用し続
けることができるため好適である。またノニオン界面活
性剤は安全性が高い。
【0054】ノニオン界面活性剤の添加量は、阻集装置
容量に対して5〜100mg/リットルが好適であり、
界面活性剤は1日1回以上供給することが望ましい。具
体的には、阻集装置内に排水が流入しないかまたは少量
しか流入しない時間帯の初期に、ノニオン界面活性剤を
所定量供給すれば、その濃度を維持することができる。
しかも、業務用厨房から排出される1日の総排水量は、
上述したように阻集装置容量の160〜180倍である
ことから、使用するノニオン界面活性剤の1日の総排水
量に対する割合は、多くとも0.7mg/リットルを超
えることはなく、環境汚染の心配のない経済的な量とな
る。
【0055】本発明の装置において、油脂類を分解する
微生物と同時期にノニオン界面活性剤を排水中に供給す
れば、油脂類の加水分解を効率よく進めることができ
る。また、多量空気量のエアレーションにより排水を攪
拌する作用と、ノニオン界面活性剤による分散・可溶化
作用を同時に進行させると、油脂類の加水分解をさらに
効率よく進めることができる。またさらに、一定温度の
水を供給した直後に、ノニオン界面活性剤を処理すべき
排水に供給すれば、その濃度を維持することができる。
【0056】本発明の装置において、カチオン界面活性
剤とノニオン界面活性剤とを併用すれば、それぞれを単
独で用いたときには静菌または殺菌効果が実質的に認め
られない低濃度の範囲においても、バルキングやスカミ
ング等の固液分離障害を抑制できることが期待できる。
【0057】本発明の装置において、阻集装置内に排水
が流入しないかまたは少量しか流入しない時間帯になっ
た直後に、カチオン界面活性剤を所定量供給し、それと
同時期にエアレーションを施すための空気量を少量から
多量に切換えることができる。多量空気量のエアレーシ
ョンによる攪拌作用により、界面活性剤と雑菌との接触
機会を増加させることができる。それと同時期に水槽内
に水道水を導いて加熱を開始し、一定温度に到達する数
分〜10数分前から一定温度の水の供給が終了するまで
の間、エアレーションを停止するかまたは微量のエアレ
ーションに切換えることができる。一定温度の水の供給
が終了し、排水中のカチオン界面活性剤の濃度が低下し
た直後に、多量のエアレーションに切換え、それと同時
期に微生物製剤およびノニオン界面活性剤を所定量供給
することができる。
【0058】本発明の装置は、微生物供給手段、エアレ
ーションのための手段、一定温度の水を添加するための
手段、カチオン界面活性剤を添加するための手段および
ノニオン界面活性剤を添加するための手段がそれぞれ作
動および停止する時期を制御するための手段を備えるこ
とができる。この制御手段により、人手を必要とせずに
制御装置において予め設定されたプログラムに基づいて
自動的に排水の処理を行なうことができる。この制御手
段として、内部に時計機能を有するタイマを備え、シー
ケンスプログラムに基づいて作動することのできる通常
の制御装置を用いることができる。この制御装置はコン
パクトなものであり、その他の必要な手段と組合せて
も、阻集装置近傍の小さなスペースに、コンパクトに一
体化された処理装置を提供することができる。本発明
は、大掛かりな設備を必要とせず、阻集装置に簡単に設
置できるコンパクトな処理装置を提供できるものであ
る。
【0059】
【実施例】以下、図2を参照して、本発明をより詳細に
説明する。図2は、油脂類阻集装置28に含油排水処理
装置19を取付けた様子を示す模式図である。処理装置
19は、水槽2、微生物製剤貯留槽8、カチオン界面活
性剤貯留槽9、ノニオン界面活性剤貯留槽10、制御装
置17、空気送風機出力可変装置18、および空気送風
機14を主な構成要素として有している。
【0060】水槽2には、水道水源からの水道水を槽2
内に導き入れる給水電磁弁1、槽内の水量を一定に制御
するフロートスイッチ3、水を加熱するヒーター4、一
定温度に検知温度が設定されているサーモスタットセン
サ5、センサ5より低温に検知温度が設定されているサ
ーモスタットセンサ6、および水槽2内の水を供給パイ
プ20に排出する排水電磁弁7が設けられている。微生
物製剤貯留槽8には、その下部に電磁弁11が設けら
れ、微生物製剤を供給パイプ20に排出するようになっ
ている。カチオン界面活性剤貯留槽9には、その下部に
電磁弁12が設けられ、それとつながる供給パイプ20
に界面活性剤を排出できるようになっている。ノニオン
界面活性剤貯留槽10には、その下部に電磁弁13が設
けられ、供給パイプ20に界面活性剤を排出できるよう
になっている。
【0061】制御装置17は、内部に時計機能を有する
タイマを備えるものであり、シーケンスプログラムに基
づいて、制御装置17に接続される各装置の作動および
停止を自動的に制御できる。制御装置17は、フロート
スイッチ3、一定温度設定サーモスタット5および低温
設定サーモスタット6からの検知信号と、予め設定され
た条件とによって、給水電磁弁1、ヒーター4、排水電
磁弁7、各貯留槽の電磁弁11、12、13、空気送風
機出力可変装置18、ならびに空気送風機14の駆動を
制御している。
【0062】空気送風機出力可変装置18は、制御装置
17からの信号により、空気送風機14の出力を制御し
ている。空気送風機14は、制御装置17からの信号
と、空気送風機出力可変装置18の制御によって、定格
出力または制御された出力で運転され、空気供給パイプ
21に空気を送っている。
【0063】供給パイプ20は、一定温度の水、微生物
製剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を阻集
装置28に供給するポリ塩化ビニル製のパイプである。
空気供給パイプ21は、空気送風機14から供給される
空気を、途中で空気開放弁15と接続する分岐経路で一
部逃がしながら、空気量バランス調整弁22を経て、阻
集装置28に収容されている排水中に設けられた散気筒
23に供給している。
【0064】空気開放弁15は、空気送風機14から送
られる空気の一部を逃がすものであり、逃がされた空気
は消音装置16に送られる。消音装置16は、逃がされ
た空気を系外へ放出するとともに、放出音を消す。空気
量バランス調整弁22は、空気送風機14から供給され
た空気を、各槽ごとに敷設された散気筒23から出され
る空気量を調節し、ばらつきが生じないようにしてい
る。
【0065】次に、含油排水処理装置19によって、調
理場等からの排水源から油脂類阻集装置28内に収容さ
れる排水を処理する手順について説明する。最初に事前
調整として、排水中に敷設される散気筒23の能力を調
整する。調整にあたっては、空気送風機14を定格出力
で運転し、空気量バランス調整弁22を調整し、散気筒
23の空気量バランスを揃える。このとき散気筒23か
ら出される空気量が過剰な場合は、空気開放弁15を調
節し、「多量空気量」を決定する。次に、空気送風機出
力可変装置18のつまみを調整し、「少量空気量」、
「微量空気量」をそれぞれ調整し、決定する。続いて、
阻集装置28の容量に応じて設定され制御装置17に格
納されている制御プログラムを選択し、微生物製剤、カ
チオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤の各供給
量、ならびに一定温度の水の供給回数等を制御プログラ
ムにおいて設定し、事前調整を終了し、運転を開始す
る。
【0066】含油排水処理装置19の主電源を入れる
と、空気送風機14を「少量空気量」の出力で運転開始
する。やがて制御装置に内蔵されている時計機能によ
り、現在時刻が、油脂類阻集装置28内に排水が流入し
ない時間帯または少量の排水しか流入しない時間帯にな
ったと判断すると、空気送風機14を「多量空気量」の
出力に切換え、それと同時に給水電磁弁1に駆動信号を
送り、水槽2内へ水道水を導き入れる。水道水が定量に
到達すると、フロートスイッチ3の検知信号により給水
電磁弁1を停止し、ヒーター4を通電させ加熱を開始す
る。水槽2内の水が、低温設定サーモスタット6の設定
温度に到達すると、検知信号により空気送風機14を
「微量空気量」の出力に切換える一方、ヒーター4は水
槽2内の水が一定温度に到達していないため、そのまま
通電されている。やがて一定温度に到達すると、一定温
度設定サーモスタット5が検知し、ヒーター4の通電を
停止し加熱を終了する。たとえば、この状態を1分間保
持した後、排水電磁弁7をタイマで設定された所定時間
作動させ、水槽2内の一定温度水を供給パイプ20に排
出する。排水電磁弁7の作動終了とともに1サイクル終
了となり、空気送風機14を「多量空気量」の出力に切
換え、それと同時に給水電磁弁1を作動させ、2サイク
ル目に入る。必要に応じて、一定温度の水を所定量供給
するため、このサイクルを阻集装置28の容量に応じて
数回繰返す。仮に6サイクル繰返す場合で説明すると、
微生物製剤とノニオン界面活性剤の供給は、6サイクル
目の水槽2内の水が一定温度に到達し、ヒーター4の加
熱が終了してから、排水電磁弁7が作動開始するまで
の、1分間の保持時間の間に、電磁弁11と13とを所
定の時間作動させて行なわれる。この動作により微生物
製剤とノニオン界面活性剤とを供給パイプ20に排出
し、保持時間終了時間で排水電磁弁7が作動し、水槽2
から排出される一定温度水とともに、油脂類阻集装置2
8へ供給する。カチオン界面活性剤は、1サイクル目の
保持時間に電磁弁12を所定時間作動させ、供給パイプ
20に排出させる。このように運転させれば、1サイク
ル目に供給されたカチオン界面活性剤は、2サイクル目
の一定温度水が供給されるまで濃度を維持でき、「多量
空気量」のエアレーションとも併用できるため、雑菌の
静菌、殺菌の効果を発揮できる。また、微生物製剤が供
給される6サイクル目までには、一定温度水によってカ
チオン界面活性剤の濃度は低下させられている。なお、
1サイクル目で加熱に要した時間を、制御装置17が計
測しており、その要した時間により、微生物製剤とカチ
オン界面活性剤の供給量は、適量に調整される。また、
水槽2に導かれる水道水の温度が高く、低温設定サーモ
スタット6が始めから検知信号を出している場合は、空
気送風機14を「微量空気量」の出力に切換えてから、
一定温度水の排出をタイマによって所定の時間遅らせて
いる。
【0067】上述した数サイクルの工程を1ブロックと
して、油脂類阻集装置28内に排水が流入しない時間帯
または少量の排水しか流入しない時間帯に、2〜3ブロ
ックが実施され、最終ブロックの工程が終了する時点
で、空気送風機14を「少量空気量」の出力に切換える
よう設定してある。
【0068】以上に示した含油排水処理装置を、1日約
400食を調理する中華料理店で使用した実験例を以下
に説明する。本実験例では、油脂類阻集装置28は、幅
600mm、長さ1200mm、水深約400mmの容
量250リットルの2槽構造を有するものであった。空
気送風機14は定格40リットル/分であり、少量空気
量は定格出力の約40%、微量空気量は定格出力の約2
5%に設定された。上述したように含油排水処理装置1
9を運転し、実験を開始した。実験開始4カ月後の比較
的客数の多い日曜日の翌日午前9時の時点、および翌々
日の午前9時の時点の2回、油脂類阻集装置28内から
排水を採取し、JIS K0102に従って分析した結
果を表3に示す。表3は、採取された各排水について、
ヘキサン抽出物のデータをそれぞれ示している。ヘキサ
ン抽出物のデータ1は、客数約400名の日曜日の翌日
午前9時の時点についてのものであり、データ2は、客
数約250名の月曜日の翌日午前9時の時点についての
ものである。また、データ1およびデータ2について示
したそれぞれの阻集油脂量濃度は、空気・調和衛生工学
会規格「グリース阻集器」HASS217−1981に
記載されているデータを引用して求められた、客数約4
00名および約250名のときの油脂類阻集装置内に阻
集される油脂類の計算値である。この分析の結果、本発
明による含油排水処理装置により、油脂類阻集装置内に
収容されている排水の油脂類濃度は、大幅に低減された
といえる。
【0069】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置に用いられる好ましい空気供給手
段の1具体例を示す模式図である。
【図2】本発明による含油排水処理装置の1具体例を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 給水電磁弁 2 水槽 3 フロートスイッチ 4 ヒーター 5 一定温度設定サーモスタット 6 低温設定サーモスタット 7 排水電磁弁 8 微生物製剤貯留槽 9 カチオン界面活性剤貯留槽 10 ノニオン界面活性剤貯留槽 11 電磁弁 12 電磁弁 13 電磁弁 14 空気送風機 15 空気開放弁 16 消音装置 17 制御装置 18 空気送風機出力可変装置 19 含油排水処理装置 20 供給パイプ 21 空気供給パイプ 22 空気量バランス調整弁 23 散気筒 24 バスケット 25 堰板 26 油阻止板 27 油脂類阻集槽 28 油脂類阻集装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/34 C02F 3/02 - 3/12 E03F 5/16

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂類阻集装置内に収容されている油脂
    類を含む排水を油脂類を分解できる微生物により処理す
    るための装置であって、 空気供給量を変化させることができる、処理すべき排水
    にエアレーションを施すための手段を備え、 前記阻集装置内に排水が流入する時間帯において、未処
    理の排水が前記阻集装置から流出しない程度の少量の空
    気を前記排水に供給することができ、かつその後、空気
    の供給量を変化させ、前記阻集装置内に排水が流入しな
    い時間帯または前記阻集装置内への排水の流入量が減少
    する時間帯において、前記排水を攪拌することができる
    程度の多量の空気を前記排水に供給することができる、
    含油排水の処理装置。
  2. 【請求項2】 処理すべき排水にほぼ一定温度の水を添
    加するための手段をさらに備え、それにより、処理すべ
    き排水の温度または水質を、前記油脂類を分解できる微
    生物の活性を維持できる温度域または水質に調節するこ
    とができる、請求項1に記載の含油排水の処理装置。
  3. 【請求項3】 処理すべき排水にカチオン界面活性剤を
    添加するための手段をさらに備え、それにより、処理す
    べき排水中の雑菌の増殖を抑制しかつ前記油脂類を分解
    できる微生物の活性を安定化することができる、請求項
    1に記載の含油排水の処理装置。
  4. 【請求項4】 油脂類阻集装置内に収容されている油脂
    類を含む排水を前記油脂類を分解できる微生物により処
    理するための装置であって、 空気供給量を変化させることができる、処理すべき排水
    にエアレーションを施すための手段と、 処理すべき排水にほぼ一定温度の水を添加するための手
    段と、 処理すべき排水にカチオン界面活性剤を添加するための
    手段とを備え、 前記阻集装置内に排水が流入する時間帯において、未処
    理の排水が前記阻集装置から流出しない程度の少量の空
    気を前記排水に供給することができ、 その後、空気の供給量を変化させ、前記阻集装置内に排
    水が流入しない時間帯または前記阻集装置内への排水の
    流入量が減少する時間帯において、前記排水を攪拌する
    ことができる程度の多量の空気を前記排水に供給するこ
    とができ、 前記ほぼ一定温度の水を添加するための手段により、処
    理すべき排水の温度または水質を、前記油脂類を分解で
    きる微生物の活性を維持できる温度域または水質に調節
    することができ、かつ前記カチオン界面活性剤を添加す
    るための手段により、処理すべき排水中の雑菌の増殖を
    抑制しかつ前記油脂類を分解できる微生物の活性を安定
    化することができる、含油排水の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記油脂類を分解できる微生物を収容し
    かつ所定の時期に所定量処理すべき排水中に供給するた
    めの微生物供給手段をさらに備え、 前記微生物供給手段によって、前記阻集装置内に排水が
    流入しない時間帯または前記阻集装置内への排水の流入
    量が減少する時間帯に、前記微生物を処理すべき排水中
    に投入することができる、請求項1〜のいずれか1項
    に記載の含油排水の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記油脂類を分解できる微生物を収容し
    かつ所定の時期に所定量処理すべき排水中に供給するた
    めの微生物供給手段をさらに備え、 前記ほぼ一定温度の水を添加するための手段により処理
    すべき排水にほぼ一定温度の水が添加された後、前記微
    生物供給手段によって、前記微生物を処理すべき排水中
    に投入することができる、請求項2または4に記載の含
    油排水の処理装置。
  7. 【請求項7】 処理すべき排水にノニオン界面活性剤を
    添加するための手段をさらに備え、それにより、処理す
    べき排水中の油脂類の分散または可溶化を促進すること
    ができる、請求項1〜のいずれか1項に記載の含油排
    水の処理装置。
  8. 【請求項8】 油脂類阻集装置内に収容されている油脂
    類を含む排水を処理するための装置であって、 前記油脂類を分解できる微生物を収容しかつ所定の時期
    に所定量処理すべき排水中に供給するための微生物供給
    手段と、 空気供給量を変化させることができるエアレーションの
    ための手段と、 処理すべき排水にほぼ一定温度の水を添加するための手
    段と、 処理すべき排水にカチオン界面活性剤を添加するための
    手段と、 処理すべき排水にノニオン界面活性剤を添加するための
    手段と、 前記微生物供給手段、前記エアレーションのための手
    段、前記一定温度の水を添加するための手段、前記カチ
    オン界面活性剤を添加するための手段および前記ノニオ
    ン界面活性剤を添加するための手段がそれぞれ作動およ
    び停止する時期を制御するための手段とを備え、 前記阻集装置内に排水が流入する時間帯において、未処
    理の排水が前記阻集装置から流出しない程度の少量の空
    気を前記排水に供給することができ、 その後、前記阻集装置内に排水が流入しない時間帯また
    は前記阻集装置内への排水の流入量が減少する時間帯に
    おいて、未処理の排水が前記阻集装置から流出しない程
    度の少量の空気を前記排水に供給するかまたは空気の供
    給を停止した状態で、処理すべき排水にほぼ一定温度の
    水を添加することができ、 次いで、前記阻集装置内に排水が流入しない時間帯また
    は前記阻集装置内への排水の流入量が減少する時間帯に
    おいて、前記微生物を処理すべき排水に投入すること、
    ノニオン界面活性剤を処理すべき排水に添加することお
    よび処理すべき排水を攪拌することのできる程度の多量
    の空気を処理すべき排水へ供給することができ、かつ前
    記微生物投入の前で前記ほぼ一定温度の水もしくは前記
    阻集装置内に流入する排水で希釈が可能な時期または前
    記微生物投入から充分後で前記阻集装置内に流入する排
    水もしくは前記ほぼ一定温度の水で希釈が可能な時期に
    おいて、処理すべき排水にカチオン界面活性剤を添加す
    ることができる、含油排水の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記ほぼ一定温度の水を添加するための
    手段は、上水道に接続される水槽と、前記水槽内に収容
    される水道水を加熱するためのヒータと、前記水槽内に
    収容される水道水の温度を測定するための手段とを備
    え、 前記ヒータによって加熱される前の前記水槽内の水温に
    応じて、前記微生物の供給量および/または前記カオチ
    ン界面活性剤の添加量が調節される、請求項に記載の
    含油排水の処理装置。
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