JP3075722B1 - 粒状還元鉄原料の供給量調整方法およびその供給装置 - Google Patents

粒状還元鉄原料の供給量調整方法およびその供給装置

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Abstract

【要約】 【課題】 移動式炉床炉に供給する還元鉄原料の供給量
を高精度で調整することができる還元鉄原料の供給装置
を提供する。 【解決手段】 移動式炉床炉3に還元鉄原料であるペレ
ットPを供給する供給装置10を、ペレットPを受入れ
る原料受入ホッパ11と、供給パイプおよび水冷ジャケ
ットからなり、前記原料受入ホッパ11内のペレットを
移動式炉床炉3に供給する筒状部材13と、移動式炉床
炉3の上部に配設され、前記筒状部材13を昇降させ
て、この筒状部材13の下端と炉床3aとの間の隙間T
を調整する電動シリンダ16とからなる構成にすれば、
ペレットPの排出量の変動は原料受入ホッパ11で吸収
され、そしてペレットPの平均径が変動したとしても、
前記隙間Tを調整することにより筒状部材13から炉床
3aに供給されるペレットPの供給量を調整することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、移動式炉床
炉の炉床上に供給する炭素系還元材料と酸化鉄とを主成
分とする粒状還元鉄原料の供給量を調整する粒状還元鉄
原料の供給量調整方法およびその供給装置の技術分野に
属する。
【0002】
【従来の技術】炭素系還元材料と酸化鉄とを主成分とす
るペレット状やブリケット状の粒状還元鉄原料を還元す
るのに、従来から移動式炉床炉が使用されている。この
移動式炉床炉に粒状還元鉄原料を供給する場合は、造粒
機で造粒した粒状還元鉄原料を乾燥炉で乾燥させ、乾燥
させた粒状還元鉄原料を粒状還元鉄原料供給装置、つま
りベルトコンベヤや振動コンベヤにより搬送して移動式
炉床炉の炉床上に供給するが、その供給量を調整する場
合には前記ベルトコンベヤの搬送速度や振動コンベヤの
振動数を調整するようにしている。(従来例1)
【0003】また、ベルトコンベヤや振動コンベヤ以外
の粒状還元鉄原料の供給手段は、例えばU.S.Pa
t.No.5885521(従来例2)に開示されてい
る。この従来例2に係るものは、供給原料あるいはペレ
ット均し機を示す供給装置の概略側面図の図4に示すよ
うに、乾燥炉で乾燥させた粒状還元鉄原料を、垂直な供
給パイプ102を介して移動式炉床炉である回転式炉床
炉の炉床36に供給するが、前記供給パイプ102の先
端部側面に設けた均し手段であるペレットレベラ104
(アジャスタブル ゲート)で排出口の隙間を調整する
ものであ。なお、同図における符号112はペレットレ
ベラ104と同様均し機で、これは供給パイプ102か
ら排出された粒状還元鉄原料を1〜2層の深さに均す働
きをするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例1に係るベ
ルトコンベヤの搬送速度や振動コンベヤの振動数の調整
で移動式炉床炉の炉床上に供給する粒状還元鉄原料の供
給量を調整する供給量調整手段には後述するような解決
すべき課題がある。即ち、通常運転中でも造粒機や乾燥
機から排出される粒状還元鉄原料の排出量が大きく変動
するため、移動式炉床炉の炉床上に供給する粒状還元鉄
原料の供給量を高精度で制御することが困難であった。
炉床上に供給される粒状還元鉄原料の供給量が変動する
と、バーナの熱負荷の変化により移動式炉床炉の運転条
件が変動するだけでなく、この移動式炉床炉の炉床に敷
かれる粒状還元鉄原料の層数が変動し、粒状還元鉄原料
の加熱状況が変わるために、製品となる粒状還元鉄の品
質が低下してしまう。
【0005】また、例えば粒状還元鉄原料の搬送に振動
コンベヤを用いる場合には、搬送時の振動や炉床への落
下の衝撃等により粒状還元鉄原料が割れたり粉化を起こ
す。すると、十分に還元できなくなるので粒状還元鉄の
品質が低下し、また発生した粉の一部が二次ダストとし
て排ガス中に飛散して歩留りが低下してしまう。さら
に、二次ダストは有効利用に供するために、炉内におけ
る加熱や還元により原料から揮発する亜鉛や鉛等の金属
分を多くすることが望まれるが、粒状還元鉄原料の粉が
二次ダストに混入するため二次ダストの価値が低下して
しまう。
【0006】また、移動式炉床炉が回転式炉床炉である
場合には、供給された粒状還元鉄原料は炉内を一周して
粒状還元鉄として回転式炉床炉外へ排出されるため、粒
状還元鉄の排出位置は粒状還元鉄原料の供給位置に近接
した位置である。勿論、回転式炉床炉内は燃焼ガス等に
より高温に保持する必要があるために、高温ガスや未燃
ガスが回転式炉床炉外へ漏出することがないように、通
常は負圧に保持されている。ところが、上記従来例1の
ような供給量調整手段であるベルトコンベヤや振動コン
ベヤによると、粒状還元鉄原料の供給口に大きな隙間が
必要になる。そのため、この隙間からの外気の流入によ
り粒状還元鉄が再酸化して、粒状還元鉄の品質が低下し
てしまう。
【0007】一方、従来例2に係る原料供給手段の供給
量調整手段であるペレットレベラによれば、従来例1に
係る上記問題点がそれなりに解決されると考えられる。
しかしながら、粒状還元鉄原料の供給量を精度良く調整
するという点で必ずしも優れていない。つまり、隙間調
整可能な構成になってはいるものの、稼働中に隙間を調
整することができないために、粒状還元鉄原料の炉床へ
の供給量に影響を及ぼす、粒状還元鉄原料の乾燥機から
の排出量の変動や粒状還元鉄原料の平均径の変動に対応
し得ないからである。また、ペレットレベラが上下に微
調整されることなく固定された位置に設置される場合に
は供給パイプから流出する粒状還元鉄原料流の一部を阻
害するようにペレットレベラが取付けられているので、
炉床上における粒状還元鉄原料の層厚を薄くしようとす
ればするほど、粒状還元鉄原料が崩壊する度合いが増加
し、粉や片状原料が増加するという恐れがある。
【0008】さらに、周知のとおり、粒状還元鉄原料に
は石炭、製鉄所ダスト等、タール分や油分等の油性成分
が含まれていて、この油性成分が、炉床からの輻射熱に
より高温になっている供給パイプの内壁に付着して次第
に成長する。そのため、供給パイプからの粒状還元鉄原
料の排出が阻害されて遂には閉塞状態になり、粒状還元
鉄原料の供給量を精度良く調整することが出来なくなる
恐れがある。
【0009】従って、本発明の目的とするところは、従
来例2と同様に、炉内への外気の混入、粒状還元鉄原料
の割れや粉化を防止し得て、しかも移動式炉床炉の外部
から隙間を調整することにより、移動式炉床炉の炉床上
に供給する粒状還元鉄原料の供給量を高精度で調整する
ことを可能ならしめる粒状還元鉄原料の供給量調整方法
およびその供給装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記実情に鑑み
てなされたものであって、従って本発明の請求項1に係
る粒状還元鉄原料の供給量調整方法の要旨は、粒状還元
鉄原料を原料受入ホッパーに投入し、この原料受入ホッ
パーから筒状部材を介して移動式炉床炉の炉床上に供給
する前記粒状還元鉄原料の供給量を調整する粒状還元鉄
原料の供給量調整方法において、前記筒状部材を上下動
させて、この筒状部材の下端と前記炉床との間の隙間を
調整することを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係る粒状還元鉄原料の
供給量調整方法の要旨は、請求項1に記載の粒状還元鉄
原料の供給量調整方法において、前記筒状部材を冷却す
ることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る粒状還元鉄原料の
供給装置が採用した手段は、粒状還元鉄原料を受入れる
原料受入ホッパーと、この原料受入ホッパーに受入れら
れた前記粒状還元鉄原料を移動式炉床炉の炉床上に供給
する筒状部材と、この筒状部材を上下動させて、この筒
状部材の下端と前記炉床との間の隙間を調整する隙間調
整手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に係る粒状還元鉄原料の
供給装置が採用した手段は、請求項3に記載の粒状還元
鉄原料の供給装置において、前記筒状部材を冷却する冷
却手段を設けたことを特徴とする。
【0014】上記請求項1に係る粒状還元鉄原料の供給
量調整方法または請求項3に係る粒状還元鉄原料の供給
装置によると、原料受入ホッパーが設けられていて、こ
の原料受入ホッパーに投入される粒状還元鉄原料の量の
変動が吸収され、そして筒状部材の内側は粒状還元鉄原
料で満たされた状態で維持されるから、移動式炉床炉内
への外気の侵入量が少なくなる。また、筒状部材の下端
と前記炉床との間の隙間が調整されるので、移動式炉床
炉の炉床上に供給される粒状還元鉄原料の供給量が高精
度で調整される。さらに、上記のとおり、筒状部材の内
側は粒状還元鉄原料で満たされているから、粒状還元鉄
原料の移動式炉床炉の炉床上への落下速度が減速され
る。
【0015】上記請求項2に係る粒状還元鉄原料の供給
量調整方法または請求項4に係る粒状還元鉄原料の供給
装置によると、原料供給手段が高温の場合にはこの筒状
部材の内壁に粒状還元鉄原料に含まれている油性成分が
付着するので、次第に筒状部材からの粒状還元鉄原料の
排出が阻害されるのに加えて、遂には閉塞状態になる恐
れがあるが、冷却されるためこの筒状部材の内壁に油性
成分が付着するようなことがない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の粒状還元鉄原料の
供給量調整方法を実現する粒状還元鉄原料の供給装置
を、移動式炉床炉の主要部を含むその模式的構成説明図
の図1と、その筒状部材の構成説明図(但し、昇降用ブ
ラケットは省略してある。)の図2とを参照しながら説
明する。
【0017】図1に示す符号1は乾燥機であり、この乾
燥機1により乾燥された炭素系還元材料と酸化鉄とを主
成分とする粒状還元鉄原料(以下、ペレットという。)
Pはベルトコンベヤ2により搬送され、後述する構成に
なる供給装置10を介して移動式炉床炉3の炉床3a上
に供給されるように構成されている。なお、移動式炉床
炉3の炉床3aは回転する円形状形式のものであって
も、また直進する直線状形式の何れであっても良いもの
である。
【0018】前記供給装置10は、排出口にスライドゲ
ート11aを有し、ベルトコンベヤ2から投入されるペ
レットPを受け入れる原料受入ホッパー11と、この原
料受入ホッパー11の下部に蛇腹状の上部伸縮部材12
を介して取付けられて、前記原料受入ホッパー11に受
入れられたペレットPを移動式炉床炉3の炉床3a上に
供給する後述する構成になる筒状部材13と、この筒状
部材13を上下動させて、この筒状部材13の下端と前
記炉床3aとの間の隙間Tを自在に調整する隙間調整手
段である電動シリンダ16とを備えている。なお、前記
スライドゲート11aは原料受入ホッパー11内のペレ
ットPを排出させ、かつ排出を停止させるだけの機能を
備えたもので、通常の操業時には開状態で使用される。
【0019】前記筒状部材13が移動式炉床炉3を貫通
する部分には蛇腹状の下部伸縮部材17が外装されてお
り、この下部伸縮部材17の上端が筒状部材13の外周
に周設されたなるフランジに固着される一方、下端が移
動式炉床炉3の上に固着されている。つまり、これによ
り、移動式炉床炉3内への外気の侵入を防止するように
なっている。勿論、従来例2の場合と同様に、同図にお
ける右側には筒状部材13から供給されたペレットPを
炉床3aの上に分散させて均す均し機が設けられてい
る。
【0020】前記電動シリンダ16は、移動式炉床炉3
の上部に配設されており、筒状部材13の上下方向の中
心付近の外周に突設されてなる昇降用ブラケット13a
を上方に押上げ得るように構成されている。つまり、こ
の電動シリンダ16の伸縮ロッド16aを伸長させる
と、上部伸縮部材12と下部伸縮部材17が伸縮可能で
あるため、原料供給手段13は原料受入ホッパー11の
下方位置において昇降用ブラケット13aを介して上方
に押上げられると共に、伸縮ロッド16aの縮小により
下降するものである。
【0021】なお、この実施の形態に係る供給装置10
の場合には、上記のとおり、電動シリンダ16を用いて
いるが、原料供給手段13の昇降範囲は最大100mm
程度であれば十分であるため他の昇降手段、例えば油圧
シリンダ、機械式ジャッキあるいはカム機構等を採用す
ることもできる。
【0022】前記筒状部材13は、図2に示すように、
冷却手段を備えている。即ち、この筒状部材13は原料
供給ホッパー11内のペレットPを炉床3aに供給する
供給パイプ14と、この供給パイプ14に外装され、冷
却水出入口15a,15aを有する周知の水冷ジャケッ
ト15とから構成されている。このような水冷ジャケッ
ト15により供給パイプ14を水冷するようにしたの
は、粒状還元鉄原料に含まれている油性成分が供給パイ
プ14の内壁に付着するのを防止することを狙いとした
ものである。
【0023】なお、この実施の形態においては、水冷ジ
ャケット15を用いたが、例えば供給パイプ14の外周
にコイル状にチューブを巻付け、このチューブに冷却水
を通水することにより供給パイプ14を冷却する構成に
することができるので、冷却手段は水冷ジャケットに限
定されず、また冷媒として蒸気、ガス等を用いることが
できるので冷却水に限定されるものではない。
【0024】以下、上記実施の形態に係るペレットPの
供給装置10の作用態様を説明すると、乾燥機1から排
出されるペレットPの排出量が変動しても、その変動が
原料受入ホッパー11内で吸収され、そして供給パイプ
14の内側は常にペレットPで満たされた状態で維持さ
れ続ける。従って、移動式炉床炉3内への外気の侵入量
が少なくなるため、従来例1のように、移動式炉床炉3
で還元された粒状還元鉄が再酸化されるようなことがな
いから、従来例1よりも品質が優れた粒状還元鉄を生産
することができる。
【0025】また、移動式炉床炉3の外側に設けた電動
シリンダ16により供給パイプ14の下端と前記炉床3
aとの間の隙間Tを自在に調整することができるので、
従来例1や2よりも移動式炉床炉3の炉床3a上に供給
されるペレットPの供給量を高精度で調整することがで
きる。また、上記のとおり、供給パイプ14の内側はペ
レットPで満たされていて、その移動式炉床炉3の炉床
3a上への落下速度が減速される。
【0026】従って、本実施の形態では、従来例1のよ
うにペレットPが割れたり粉化を起したりするようなこ
とがないから、移動式炉床炉3によりペレットPを十分
に還元することができ、粒状還元鉄の品質の低下が防止
されるばかりでなく、粉の一部が二次ダストとして排ガ
ス中に飛散することもないために、歩留りが低下するよ
うなことも、二次ダストの価値が低下するようなことも
ない。さらに、従来例2の場合と同様に、供給パイプを
使用するものの、この供給パイプ14は水冷ジャケット
15で水冷されているため、ペレットPに含まれている
油性成分が供給パイプ14の内壁に付着するようなこと
がない。従って、供給パイプ14からペレットPをスム
ーズに排出することができ、従来例2よりもペレットの
供給量を精度良く、しかも長期間にわたって調整し続け
ることができるから、粒状還元鉄の品質の向上に大いに
寄与することができるという優れた効果がある。
【0027】
【実施例】次に、本実施の形態に係るペレットの供給装
置を用いた実施例を、隙間Tとペレットの供給量との関
係を示す表1と、ペレットの直径と供給量との関係を示
す表2と、乾燥機から排出されるペレットの排出量と供
給パイプから供給されるペレットの供給量〔縦軸にペレ
ット量(t/h)をとり、横軸に計測時間(分)をとる
と共に、乾燥機から排出されるペレットの排出量を黒丸
で、供給パイプから供給されるペレットの供給量を白丸
で示している。〕との関係説明図の図3とを参照しなが
ら説明する。
【0028】先ず、供給パイプ14の先端と炉床3aと
の間の隙間Tと、ペレットPの炉床3aへの供給量との
関係を求めた。その結果は下記表1に示すとおりであ
る。なお、炉床3aの移動速度は全て一定である。
【表1】 上記表1によれば、当然のことながら供給パイプ14の
下端と炉床3aとの間の隙間Tが大きくなるにつれて、
供給パイプ14から炉床3aに供給されるペレットPの
供給量が多くなることが示されている。
【0029】次に、ペレットの平均径と供給量との関係
を調べた。その結果は下記表2に示すとおりである。
【表2】 上記表2によれば、ペレットPの平均径に応じて供給パ
イプ14の下端と炉床3aとの間の隙間Tを調整する
と、この隙間Tを調整しない場合に比較して、遙にペレ
ットPの供給量の変動が少なくなっており、従来例2よ
りもペレットの供給量を高精度で調整することが可能に
なることが示されている。
【0030】また、乾燥機から排出されるペレットの排
出量(変動する)と供給パイプから供給されるペレット
の供給量との稼働時間の経過に対する変動関係を調べ
た。その結果は、図3に示すとおりである。この図3に
よると、乾燥機1から排出されるペレットPの排出量が
0〜6.0(t/h)の範囲で激しく、しかも無規則に
変動しているにもかかわらず、ほぼ3.2(t/h)で
維持され続けており、供給パイプ14の下端と炉床3a
との間の隙間Tの調整が供給パイプ14からのペレット
Pの供給量の調整に極めて有効であることが判る。
【0031】なお、以上では、筒状部材13の供給パイ
プ14の横断断面形状が円形であって、かつ垂直配設さ
れている場合を例として説明した。しかしながら、この
供給パイプ14の横断断面形状は特に円形である必要が
なく、楕円形であっても矩形であっても良く、また垂直
配設する必要がなく傾斜配設されていても良いので、上
記実施の形態に限定されるものではない。また、供給パ
イプ14の下端は、図1,2に示すように、炉床3aと
平行にする必要がなく、炉床3aに対して傾斜状や階段
状に形成しても良い。
【0032】さらに、以上では、筒状部材13が1セッ
トだけ設けられている場合を例として説明したが、大型
の移動式炉床炉、つまり炉床の幅が広い移動式炉床炉の
場合には複数セット設けることができる。なお、粒状還
元鉄原料の主成分である炭素系還元材料としては、例え
ば石炭、コークス、チャー、オイルコークス等を使用す
ることができ、また酸化鉄としては、例えば鉄鉱石、酸
化鉄精鉱、副製物の酸化鉄、高炉所ダスト、製鋼所等の
廃材等を使用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る粒状還元鉄原料の供給量調整方法または請求項3
に係る粒状還元鉄原料の供給装置によると、原料受入ホ
ッパーが設けられていて、この原料受入ホッパーに投入
される粒状還元鉄原料の量の変動が吸収され、そして筒
状部材内は常に粒状還元鉄原料で満たされた状態で維持
されるから、移動式炉床炉内への外気の侵入量が少なく
なる。また、筒状部材の下端と炉床との間の隙間が調整
されるので、炉床上に供給される粒状還元鉄原料の供給
量が高精度で調整される。さらに、上記のとおり、筒状
部材内は粒状還元鉄原料で満たされていて、粒状還元鉄
原料の炉床上への落下速度が減速されるので、粒状還元
鉄原料の割れや粉化を防止することができる。
【0034】上記請求項2に係る粒状還元鉄原料の供給
量調整方法または請求項4に係る粒状還元鉄原料の供給
装置によると、筒状部材が高温の場合には、この筒状部
材の内壁に、粒状還元鉄原料に含まれている油性成分が
付着するので、次第に供給パイプからの粒状還元鉄原料
の排出が阻害されるのに加えて、遂には閉塞状態になる
恐れがあるが、冷却されるため油性成分が付着するよう
なことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、移動式炉床炉の主
要部を含む供給装置の模式的構成説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係り、供給装置の原料供
給手段の構成説明図である。
【図3】本発明の実施例に係り、乾燥機から排出される
ペレットの排出量と供給パイプから供給されるペレット
の供給量との関係説明図である。
【図4】従来例2に係り、供給原料あるいはペレット均
し機を示す供給装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1…乾燥機,2…ベルトコンベヤ,3…移動式炉床炉,
3a…炉床 10…供給装置,11…原料受入ホッパー,11a…ス
ライドゲート,12…上部伸縮部材,13…筒状部材,
13a…昇降用ブラケット,14…供給パイプ,15…
水冷ジャケット,15a…冷却水出入口,16…電動シ
リンダ,16a…伸縮ロッド,17…下部伸縮部材 P…ペレット,T…供給パイプの下端と炉床との間の隙

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状還元鉄原料を原料受入ホッパーに投
    入し、この原料受入ホッパーから筒状部材を介して移動
    式炉床炉の炉床上に供給する前記粒状還元鉄原料の供給
    量を調整する粒状還元鉄原料の供給量調整方法におい
    て、前記筒状部材を上下動させて、この筒状部材の下端
    と前記炉床との間の隙間を調整することを特徴とする粒
    状還元鉄原料の供給量調整方法。
  2. 【請求項2】 前記筒状部材を冷却することを特徴とす
    る請求項1に記載の粒状還元鉄原料の供給量調整方法。
  3. 【請求項3】 粒状還元鉄原料を受入れる原料受入ホッ
    パーと、この原料受入ホッパーに受入れられた前記粒状
    還元鉄原料を移動式炉床炉の炉床上に供給する筒状部材
    と、この筒状部材を上下動させて、この筒状部材の下端
    と前記炉床との間の隙間を調整する隙間調整手段とを備
    えたことを特徴とする粒状還元鉄原料の供給装置。
  4. 【請求項4】 前記筒状部材を冷却する冷却手段を設け
    たことを特徴とする請求項3に記載の粒状還元鉄原料の
    供給装置。
JP11243406A 1999-08-30 1999-08-30 粒状還元鉄原料の供給量調整方法およびその供給装置 Expired - Lifetime JP3075722B1 (ja)

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