JP3074332B2 - ホスホン酸ジエステル誘導体 - Google Patents

ホスホン酸ジエステル誘導体

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JP3074332B2 JP07507465A JP50746595A JP3074332B2 JP 3074332 B2 JP3074332 B2 JP 3074332B2 JP 07507465 A JP07507465 A JP 07507465A JP 50746595 A JP50746595 A JP 50746595A JP 3074332 B2 JP3074332 B2 JP 3074332B2
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保久 黒木
可彦 津田
一彦 堤
武史 岩本
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は新規なホスホン酸ジエステル誘導体に関す
る。
従来技術 本発明のホスホン酸ジエステル誘導体は文献未載の新
規化合物である。
発明の開示 本発明は後記するように医薬品として有用な化合物の
提供を目的とする。
本発明によれば下記一般式(1)で表わされるホスホ
ン酸ジエステル誘導体が提供される。
〔式中R1、R2及びR3は同一又は異なって水素原子、低級
アルキル基、ハロゲン基、シアノ基、ヒドロキシル基又
は置換基としてハロゲン原子、フェニル基もしくはヒド
ロキシピペリジノ基を有することのある低級アルコキシ
基を、R4は水素原子、低級アルコキシ基、ハロゲン原子
又は置換基としてハロゲン原子もしくはシアノ基を有す
ることのある低級アルキル基を、R5及びR6は同一又は異
なって水素原子又は低級アルキル基を、それぞれ示
す。〕 上記一般式(1)中の各基としては、具体的には次の
各基を例示できる。
即ち、低級アルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、te
rt−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖又は分技鎖
状低級アルキル基を例示できる。
置換基としてハロゲン原子もしくはシアノ基を有する
ことのある低級アルキル基としては、上記低級アルキル
基に加えて、例えばブロモメチル、クロロメチル、ヨー
ドメチル、1−ブロモエチル、1−ブロモプロピル、1
−ブロモブチル、1−ブロモペンチル、1−ブロモヘキ
シル、シアノメチル、1−シアノエチル、1−シアノプ
ロピル、1−シアノブチル、1−シアノペンチル、1−
シアノヘキシル基等を例示できる。
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ基等を例示できる。
置換基としてハロゲン原子、フェニル基もしくはヒド
ロキシピペリジノ基を有することのある低級アルコキシ
基としては、上記低級アルコキシ基に加えて、例えばベ
ンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、3−フェニルプ
ロポキシ、4−フェニルブトキシ、5−フェニルペンチ
ルオキシ、6−フェニルヘキシルオキシ、クロロメトキ
シ、ブロモメトキシ、2−クロロエトキシ、3−クロロ
プロポキシ、4−クロロブトキシ、5−クロロペンチル
オキシ、6−クロロヘキシルオキシ、4−ヒドロキシピ
ペリジノメトキシ、3−ヒドロキシピペリジノメトキ
シ、2−ヒドロキシピペリジノメトキシ、2−(4−ヒ
ドロキシピペリジノ)エトキシ、3−(4−ヒドロキシ
ピペリジノ)プロポキシ、4−(4−ヒドロキシピペリ
ジノ)ブトキシ、5−(4−ヒドロキシピペリジノ)ペ
ンチルオキシ、6−(4−ヒドロキシピペリジノ)ヘキ
シルオキシ基等を例示できる。
ハロゲン原子には、弗素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子が包含される。
上記一般式(1)で表わされる本発明のホスホン酸ジ
エステル誘導体は、優れた脂質低下作用、血圧降下作用
並びに血糖降下作用を有しており、高脂質血症治療剤や
高血圧治療剤、糖尿病治療剤として、高コレステロール
血症、高トリグリセリド血症、高リン脂質血症、高遊離
脂肪酸血症等の各種疾患(高脂質血症)の治療及び予防
に、高血圧の治療及び予防に、また糖尿病の治療及び予
防に有用である。
一般式(1)で表される本発明ホスホン酸ジエステル
誘導体の内で、上記各種医薬用途に好適なものとして
は、R2及びR3が共に水素原子である誘導体を例示でき
る。
該好適な誘導体中でも特に、R1が水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又は置換基とし
てハロゲン原子、フェニル基もしくはヒドロキシピペリ
ジノ基を有することのある低級アルコキシ基で、R4が水
素原子、低級アルコキシ基又は置換基としてシアノ基を
有することのある低級アルキル基で、R5及びR6が同一又
は異なって低級アルキル基である誘導体は好ましい。
特に好適な本発明誘導体は、下記一般式(1′)で表
される。
〔式中、R1′はハロゲン原子又はベンジルオキシ基
を、R4′は水素原子、低級アルコキシ基又は低級アル
キル基を、R5′及びR6′は同一又は異なって低級ア
ルキル基を示す。〕 上記一般式(1′)に属する誘導体の内でも、R1′
が塩素原子で、R4′が水素原子又はメチル基であるも
のは、本発明において最も好ましい。
従って、本発明は、上記一般式(1)で表されるホス
ホン酸ジエステル誘導体、或はこれに属する前記した好
ましい誘導体の少なくとも一種を有効成分として含有す
る糖尿病治療をも提供するものである。
該糖尿病治療剤における有効成分化合物としては、特
にR1′が塩素原子で、R4′が水素原子又はメチル基
である前記一般式(1′)で表される誘導体を例示でき
る。
以下、本発明ホスホン酸ジエステル誘導体の製法につ
き詳述すれば、該化合物は下記各反応工程式に示す各種
の方法により製造することができる。
〔式中R1、R2及びR3は前記に同じ。R5a及びR6aは低級ア
ルキル基を、Xはハロゲン原子を示す。〕 反応工程式−1に示すヒドロキシアセトフェノン誘導
体(2)と酸ハロゲン化物(3)との反応は、例えばジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の不活性溶媒
中、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン等の脱酸剤の存在下
に実施できる。
上記における酸ハロゲン化物(3)の使用量は、通常
ヒドロキシアセトフェノン誘導体(2)に対して、ほぼ
等モル量とするのが好ましく、脱酸剤は通常過剰量用い
るのが一般的である。反応は、0℃〜室温の温度条件下
に、約1〜12時間程度で終了する。
上記により得られるエステル体(4)の転位反応は、
ピリジン、コリジン、ルチジン等の溶媒中、1〜3当量
の強塩基の存在下に実施できる。該強塩基としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物を好ましく例示でき、反応温度としては通常
室温〜100℃程度の範囲を、反応時間としては通常0.5〜
4時間程度をそれぞれ採用できる。
上記に引続き、転位反応生成物(5)を酢酸、プロピ
オン酸等の脂肪族カルボン酸系溶媒中で、硫酸等の脱水
剤で処理することにより、本発明化合物(1a)を収得で
きる。この反応は、通常0℃〜室温の温度下に、0.5〜
5時間程度で完結する。
〔式中R1、R2、R3、R5a、R6a及びXは前記に同じ。R4a
は低級アルキル基を示す。〕 反応工程式−2に示す化合物(6)と酸ハロゲン化物
(3)との反応は、反応工程式−1に示したヒドロキシ
アセトフェノン誘導体(2)と酸ハロゲン化物(3)と
の反応と同様にして行ない得る。
次いで、得られるエステル体(7)を反応工程式−1
と同様の転位反応に付すと、所望の転位反応に引き続い
て環化反応も起こり、本発明化合物(1b)が得られる。
〔式中R1、R2、R3、R4a、R5a及びR6aは前記に同じ。R4b
は置換基としてハロゲン原子を有する低級アルキル基を
示す。〕 反応工程式−3によれば、化合物(1b)をモノハロゲ
ン化することにより、化合物(1c)を収得できる。
該反応は、ベンゼン、四塩化炭素等の不活性溶媒中、
過酸化ベンゾイル、α,α′−アゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)等の触媒の存在下、N−ブロムコハク酸イ
ミド(NBS)、N−クロルコハク酸イミド(NCS)、臭素
等のハロゲン化剤を用いて実施できる。該ハロゲン化剤
の使用量は、1〜1.1当量程度とするのが一般的であ
り、反応は約50℃〜溶媒の還流温度下に2〜20時間程度
を要して行ない得る。
〔式中R1、R2、R3、R4b、R5a及びR6aは前記に同じ。R4c
は置換基としてシアノ基を有する低級アルキル基を示
し、Mはアルカリ金属を示す。〕 反応工程式−4によれば、化合物(1c)を、メタノー
ル、エタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、エタノール−水混液等の不
活性溶媒中で、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム
等のアルカリ金属シアン化物(8)で処理することによ
り、化合物(1d)を収得できる。
上記反応におけるアルカリ金属シアン化物(8)の使
用量は、通常化合物(1c)に対して等モル〜少過剰量と
するのがよく、反応は、室温〜溶媒の還流温度下に4〜
12時間程度で終了する。
〔式中R1、R2、R3、R5a及びR6aは前記に同じ。Yはハロ
ゲン原子を示す。
反応工程式−5に示す化合物(1a)のハロゲン化反応
は、アセトニトリル、DMF、ジメチルアセトアミド等の
不活性溶媒中、NBS、NCS等のハロゲン化剤を1〜1.1当
量程度用いて行なわれ、反応は0℃〜室温下に12〜24時
間程度で完結する。
〔式中R1、R2、R4、R5a及びR6aは前記に同じ。R3aは置
換基としてα位にフェニル基を有する低級アルコキシ基
を示す。〕 反応工程式−6によれば、化合物(1f)を水素化分解
することにより、化合物(1g)を収得できる。
該反応は、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサ
ン、酢酸、酢酸エチル、DMF等の不活性溶媒中、酸化白
金(IV)、白金ブラック、パラジウム付活性炭、パラジ
ウムブラック等の触媒の存在下、水素を添加して実施で
きる。この反応は、常圧下、室温で約0.5〜3時間を要
して実施できる。
〔式中R1、R2、R4、R5a及びR6aは前記に同じ。R3bは置
換基としてハロゲン原子を有する低級アルコキシ基を示
し、R3cは置換基としてヒドロキシピペリジノ基を有す
る低級アルコキシ基を示す。〕 反応工程式−7に示す化合物(1h)とヒドロキシピペ
リジノ(9)との反応は、メタノール、エタノール、ア
セトニトリル、DMF等の不活性溶媒中、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウ
ム等の無機塩基及びヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム
等のヨウ化物塩の存在下に実施できる。化合物(1h)の
使用量は、ヒドロキシピペリジノ(9)に対してほぼ等
モル量とするのがよく、無機塩基及びヨウ化物は過剰量
用いるのが一般的である。反応は室温〜溶媒の還流温度
下に1〜12時間程度を要して行ない得る。
〔式中R1、R2、R3、R4、R5a及びR6aは前記に同じ。〕 反応工程式−8によれば、化合物(1j)を塩化リチウ
ム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等のハロゲン化リチ
ウムと反応させ、後処理段階で、塩酸、硫酸等の鉱酸水
溶液で処理することにより、目的化合物(1k)を収得で
きる。該反応は、アセトニトリル、DMF等の不活性溶媒
中、過剰量のハロゲン化リチウムを用いて、室温〜溶媒
の還流温度下に5〜24時間程度を要して行なわれる。
〔式中R1、R2、R3、R4、R5aR6aは前記に同じ。〕 反応工程式−9によれば、化合物(1j)を、クロロト
リメチルシラン、クロロトリエチルシラン等のハロゲン
化トリアルキルシランと反応させ、後処理段階で、塩
酸、硫酸等の鉱酸水溶液で処理することにより、目的化
合物(1)を収得できる。該反応は、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等の不活性溶媒中、ヨウ化ナトリ
ウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨウ化物塩の存
在下で実施される。化合物(1j)に対するハロゲン化ト
リアルキルシラン及びアルカリ金属ヨウ化物塩の使用量
は、それぞれ2倍モル以上とするのがよく、反応は、室
温〜溶媒の還流温度下に2〜12時間程度で終了する。
〔式中R1、R2及びR3は前記に同じ。R4dは低級アルコキ
シ基を示し、R5bは低級アルキル基を示し、R6bはR5b
同一の基を、またZはハロゲン原子を示す。〕 反応工程式−10における化合物(10)のモノハロゲン
化反応は、前記反応工程式−3に示した化合物(1b)の
モノハロゲン化反応と同様にして行ない得、かくして得
られる化合物(11)は、これを亜リン酸トリアルキル
(12)と反応させることにより、本発明化合物(1m)に
変換することができる。
該変換反応は、メタノール、エタノール等の低級アル
コール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、DMF等の不活性溶媒中でも実施することがで
きるが、好ましくは無溶媒で行なわれる。上記における
亜リン酸トリアルキル(12)は化合物(11)に対し、等
モル〜過剰量用いられる。反応は用いる化合物(11)の
種類に応じて若干異なるが、一般には100〜180℃の温度
条件下に、0.5〜3時間程度を要して行ない得る。
尚、上記反応工程式−10の出発原料として利用する化
合物(10)は、例えば下記反応工程式−11に示す方法に
より製造することができる。
〔式中R1、R2、R3及びR4dは前記に同じ。〕 反応工程式−11に示すヒドロキシアセトフェノン誘導
体(2)とトルアルデヒド(13)との縮合反応は、メタ
ノール、エタノール等の低級アルコール類中或は之等低
級アルコール類と水との混合溶媒中で、強塩基の存在下
に実施できる。ここで強塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好まし
く、之等はヒドロキシアセトフェノン誘導体(2)に対
して過剰量用いられる。反応は0℃〜室温下に、2〜6
時間程度で終了する。
かくして得られるカルコン誘導体(14)は、これを単
離精製することなく、同一反応容器中で次の反応に供し
得る。即ち、上記反応混合物中に、0℃〜室温下で、過
酸化水素水溶液を加え、7〜16時間程度反応させること
により、化合物(15)を収得でき、該化合物(15)をア
ルキル化反応に付すことにより、所望の原料化合物(1
0)を得ることができる。該アルキル化反応は、THF、1,
4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、DFM等の不活
性溶媒中又は之等の混合溶媒中、1当量〜過剰量のハロ
ゲン化アルキル及び1当量〜少過剰量の強塩基を用いて
実施できる。ここでハロゲン化アルキルとしては、ヨウ
化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチ
ル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル、臭化メチル、臭
化エチル等を、また強塩基としては、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、金属ナトリウム等をそれぞれ使用
できる。反応は室温〜溶媒の還流温度条件下に約12〜48
時間程度で完結する。
上記各工程における目的化合物は、通常の分離手段に
より容易に単離精製できる。かかる手段としては例え
ば、吸着クロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロ
マトグラフイー、溶媒抽出、再結晶等を例示できる。
本発明のホスホン酸ジエステル誘導体は、これを医薬
として実用するに当っては、通常適当な無毒性製剤担体
を用いて一般的な医薬製剤組成物の形態とされる。該製
剤担体としては製剤の使用形態に応じて、通常使用され
る充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性
剤、滑沢剤等の希釈剤乃至賦形剤を例示でき、之等は得
られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用され
る。
上記医薬製剤の投与単位形態としては、各種の形態が
治療目的に応じて選択できる。その代表的なものとして
は錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カ
プセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等を例示で
きる。
錠剤の形態に成形するに際しては、上記製剤担体とし
て例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿
素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、液晶セルロ
ース、ケイ酸、リン酸カリウム糖の賦形剤、水、エタノ
ール、プロパノール、単シロツプ、ブドウ糖液、デンプ
ン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デン
プン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン
末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の
界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添
加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリ
ル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプ
ン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイ
ト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステア
リン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢
剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を
施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フイルムコーテイング錠あるいは二重錠、多層錠と
することができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例
えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物
油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、ト
ラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナ
ラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
坐剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例
えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコー
ル、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グ
リセライド等を使用できる。
カプセル剤は常法に従い通常本発明の有効成分化合物
を上記で例示した各種の製剤担体と混合して硬質ゼラチ
ンカプセル、軟質カプセル等に充填して調整される。
本発明薬剤が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調
整される場合、之等は殺菌され且つ血液と等張であるの
が好ましく、之等の形態に成形するに際しては、希釈剤
として例えば水、エチルアルコール、マグロゴール、プ
ロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用でき
る。尚、この場合等張性の溶液を調整するのに充分な量
の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを本発明薬剤中に
含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。
更に、本発明医薬製剤中には、必要に応じて着色剤、
保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有さ
せることもできる。
上記医薬製剤の投与方法は特に制限がなく、各種製剤
形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に
応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、
乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、注射剤は
単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合し
て静脈内投与され、更に必要に応じ単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直腸内投与さ
れる。
本発明薬剤中に含有されるべき一般式(1)で表わさ
れる有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲より
適宜選択されるが、通常医薬製剤中に約1〜70重量%程
度含有されるものとするのがよい。上記医薬製剤の投与
量は、その用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患
の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である
本発明化合物の量が1日当り体重1KG当り約0.05〜100mg
程度とするのがよく、該製剤は1日に1〜4回に分けて
投与することができる。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明化合
物の製造例を実施例として挙げる。
実施例1 ジエチル 4−(6−フルオロ−4H−1−ベンゾピラン
−4−オン−2−イル)ベンジルホスホナートの製造 4−〔(ジエトキシホスホリル)メチル〕ベンゾイル
クロリド19.0gを、乾燥ジクロロメタン65mlに溶解さ
せ、氷冷撹拌下、この混合物中に5′−フルオロ−2′
−ヒドロキシアセトフェノン10.0gのピリジン65ml溶液
をゆっくり滴下した。室温で12時間撹拌後、反応混合物
中に、水100mlを加え、クロロホルムで抽出した。クロ
ロホルム層を10%塩酸水溶液250ml及び水200mlで順次洗
浄した後、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去して得ら
れた残渣をピリジン65mlに溶解させ、室温攪拌下にこの
溶液中に水酸化カリウム5.4gを加え、50℃で20時間加熱
攪拌した。反応混合物中に、10%塩酸水溶液100mlを加
え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水200m
lで洗浄し、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、得
られた粗結晶を、ジエチルエーテル−n−ヘキサンより
再結晶して、ジエチル 4−〔3−5−フルオロ−2−
ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソプロピル〕ベン
ジルホスホナートの結晶15.7gを得た。
得られた結晶5.1gを酢酸16mlに溶解させ、室温下、こ
の溶液中に濃硫酸1.2mlを加え、1時間攪拌した。反応
混合物を2N水酸化ナトリウム水溶液200ml中に注加した
後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水100m
lで洗浄し、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去して得
られた粗結晶をジクロロメタン−n−ヘキサンより再結
晶して、標記化合物の無色結晶3.1gを得た。得られた化
合物の構造及び物性を第1表に示す。
実施例2〜19 実施例1と同様にして第1表に示す各化合物を製造し
た。之等各化合物の構造及び物性を第1表に併記する。
実施例20 ジメチル 4−(6−クロロ−3−メチル−4H−1−ベ
ンゾピラン−4−オン−2−イル)ベンジルホスホナー
トの製造 4−〔(ジメトキシホスホリル)メチル〕ベンゾイル
クロリド39.4gを、乾燥ジクロロメタン150mlに溶解さ
せ、氷冷撹拌下、この混合物中に5′−クロロ−2′−
ヒドロキシルプロピオフェノン27.7gのピリジン150ml溶
液をゆっくり滴下した。室温で10時間撹拌した後、反応
混合物中に、水150mlを加え、クロロホルムで抽出し
た。クロロホルム層を10%塩酸水溶液300ml及び水200ml
で順次洗浄した後、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去
して得られた残渣をピリジン150mlに溶解させ、室温攪
拌下、この溶液中に水酸化カリウム14.0gを加えた。50
℃で2時間加熱攪拌した後、反応混合物中に、10%塩酸
水溶液300mlを加え、クロロホルムで抽出した。クロロ
ホルム層を水100mlで洗浄し、芒硝上で乾燥した。溶媒
を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=1:1で溶出)に
より精製し、得られた粗結晶をジクロロメタン−n−ヘ
キサンより再結晶して、標記化合物の無色結晶3.9gを得
た。得られた化合物の構造及び物性を第1表に示す。
実施例21及び22 実施例20と同様にして第1表に示す各化合物を製造し
た。之等各化合物の構造及び物性を第1表に併記する。
実施例23 ジエチル 4−(3−ブロモメチル−6−クロロ−4H−
1−ベンゾピラン−4−オン−2−イル)ベンジルホス
ホナートの製造 実施例22で得られた化合物3.42g、NBS1.5g及び過酸化
ベンゾイル50mgを四塩化炭酸50mlに懸濁させ、12時間加
熱還流した。反応混合物中に、水50mlを加え、ジクロロ
メタンで抽出した。ジクロロメタン層を水50ml及び飽和
食塩水50mlで順次洗浄した後、芒硝上で乾燥した。溶媒
を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=1:1で溶出)に
より精製して、標記化合物の油状物2.0gを得た。得られ
た化合物の構造及び物性を第1表に示す。
実施例24 ジエチル 4−(6−クロロ−3−シアノメチル−4H−
1−ベンゾピラン−4−オン−2−イル)ベンジルホス
ホナートの製造 実施例23で得られた化合物2.0gをエタノール5mlと水
0.6mlとの混液に溶解させ、室温攪拌下、この溶液中に
シアン化ナトリウム0.48gを加え、12時間加熱還流し
た。反応混合物中に水20mlを加え、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を水20ml及び飽和食塩水20mlで順次洗
浄した後、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去した後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム−酢酸エチル=1:1で溶出)により精製し、得られ
た粗結晶をジクロロメタン−n−ヘキサンより再結晶し
て、標記化合物の無色結晶1.0gを得た。得られた化合物
の構造及び物性を第1表に示す。
実施例25 ジエチル 4−(7−ベンジルオキシ−3−クロロ−4H
−1−ベンゾピラン−4−オン−2−イル)ベンジルホ
スホナートの製造 実施例12で得られた化合物2.9gをDMF10mlに溶解さ
せ、室温攪拌下、この溶液中にNCS0.8gのDMF10ml溶液を
ゆっくり滴下した。室温で12時間攪拌した後、反応混合
物中に、水50mlを加えた。析出結晶を濾取し、水50mlで
2回洗浄した。得られた粗結晶を風乾した後、ジクロロ
メタン−n−ヘキサンより再結晶して、標記化合物の無
色結晶2.9gを得た。得られた化合物の構造及び物性を第
1表に示す。
実施例26 ジエチル 4−(6−ヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラ
ン−4−オン−2−イル)ベンジルホスホナートの製造 実施例11で得られた化合物2.0gと10%パラジウム付活
性炭0.24gをエタノール50mlに懸濁させ、室温攪拌下に
充分脱気した後、水素を添加した。室温下、5時間攪拌
した後、反応混合物中の不溶物を濾別した。濾液を減圧
濃縮して得られた粗結晶をエタノール−n−ヘキサンよ
り再結晶して、標記化合物の無色結晶1.3gを得た。得ら
れた化合物の構造及び物性を第1表に示す。
実施例27 実施例26と同様にして、第1表に示す化合物を製造し
た。得られた化合物の構造及び物性を第1表に併記す
る。
実施例28 ジエチル 4−〔7−{2−(4−ヒドロキシピペリジ
ノ)エトキシ}−4H−1ベンゾピラン−4−オン−2−
イル〕ベンジルホスホナートの製造 実施例9で得られた化合物1.5g、4−ヒドロキシピペ
リジン0.51g、無水炭酸カリウム0.69g及びヨウ化ナトリ
ウム0.56gをDMF10mlに懸濁させ、80℃で12時間加熱攪拌
した。反応混合物中に水50mlを加え、ジクロロメタンで
抽出した。ジクロロメタン層を水40ml及び飽和食塩水40
mlで順次洗浄し、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去し
て得られた粗結晶を、エタノール−n−ヘキサンより再
結晶して、標記化合物の無色結晶0.50gを得た。得られ
た化合物の構造及び物性を第1表に示す。
実施例29 エチル 4−(6−メチル−4H−1−ベンゾピラン−4
−オン−2−イル)ベンジルホスホナートの製造 実施例5で得られた化合物1.4gと臭化リチウム1.6gと
をアセトニトリル30mlに懸濁させ、12時間加熱還流し
た。反応混合物を室温に放冷した後、析出結晶を濾取
し、アセトニトリル10mlで2回洗浄した。得られた結晶
を水20mlに溶解させ、室温攪拌下、この溶液中に10%塩
酸水溶液10mlを加えた。室温で10分間攪拌後、析出結晶
を濾取し、水10mlで2回洗浄して、標記化合物の無色結
晶0.85gを得た。得られた化合物の構造及び物性を第2
表に示す。
実施例30〜32 実施例29と同様にして、第2表に示す各化合物を製造
した。得られた化合物の構造及び物性を第2表に併記す
る。
実施例33 4−(6−メチル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン−
2−イル)ベンジルホスホン酸の製造 実施例5で得られた化合物1.3gとヨウ化ナトリウム2.
9gとをアセトニトリル10mlに懸濁させ、水冷攪拌下、こ
の懸濁液中にクロロトリメチルシラン2.1gをゆっくり滴
下した。室温で2時間攪拌後、反応混合物中に10%塩酸
水溶液10mlを加えた。析出した結晶を濾取し、10%チオ
硫酸ナトリウム水溶液20ml及び水20mlで順次洗浄して、
標記化合物の無色結晶1.0gを得た。得られた化合物の構
造及び物性を第1表に示す。
実施例34 ジメチル 4−(6−クロロ−3−メトキシ−4H−1−
ベンゾピラン−4−オン−2−イル)ベンジルホスホナ
ートの製造 5′−クロロ−2′−ヒドロキシアセトフェノン8.5g
とp−トルアルデヒド6.0gとをエタノール105mlに溶解
させ、室温攪拌下、この溶液中に水酸化ナトリウム10g
の水17ml溶液をゆっくり滴下した。室温で4時間攪拌
後、反応混合物中にエタノール350ml及び水酸化ナトリ
ウム3.5gの水17ml溶液を加え、更に30%過酸化水素水8.
3mlをゆっくり滴下した。室温で12時間攪拌後、反応混
合物中に10%塩酸を加えて、反応液をpH3にした。析出
した結晶を濾取し、水10ml、エタノール5ml及びジエチ
ルエーテル10mlで順次洗浄して、6−クロロ−3−ヒド
ロキシ−2−(4−メチルフェニル)−4H−1−ベンゾ
ピラン−4−オンの結晶6.0gを得た。
得られた結晶5.0gのDMF15ml溶液を、水冷攪拌下、60
%水素化ナトリウム(油性)0.70gのTHF65ml懸濁液中に
ゆっくり滴下した。室温で2時間攪拌後、反応混合物中
にヨウ化メチル11.6gをゆっくり滴下した。室温で12時
間攪拌後、反応混合物を200mlの氷水中に注加し、酢酸
エチルで抽出した。酢酸エチル層を水100ml及び飽和食
塩水100mlで順次洗浄し、芒硝上で乾燥した。溶媒を減
圧留去して得られた粗結晶を酢酸エチル−nヘキサンか
ら再結晶して、6−クロロ−3−メトキシ−2−(4−
メチルフェニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オンの
無色結晶4.2gを得た。
得られた結晶4.0g、NBS2.8g及び過酸化ベンゾイル50m
gをベンゼン30mlに懸濁させ、10時間加熱還流した。反
応混合物中に水50mlを加え、ジクロロメタンて抽出し
た。ジクロロメタン層を水100ml及び飽和食塩水100mlで
順次洗浄し、芒硝上で乾燥した。溶媒を減圧留去して得
られた粗結晶をジクロロメタン−n−ヘキサンより再結
晶して、2−(4−ブロモメチルフェニル)−6−クロ
ロ−3−メトキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンの
無色結晶4.4gを得た。
得られた結晶2.0gを亜リン酸トリメチル5mlに懸濁さ
せ、160℃で3時間加熱攪拌した。未反応の亜リン酸ト
リメチルを減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=1:1で
溶出)により精製し、得られた粗結晶をジクロロメタン
−n−ヘキサンより再結晶して、標記化合物の無色結晶
1.4gを得た。得られた化合物の構造及び物性を第1表に
示す。
実施例35 実施例34と同様にして、第1表に示す化合物を製造し
た。得られた化合物のの構造及び物性を第1表に併記す
る。
以下、本発明ホスホン酸ジエステル誘導体を有効成分
として利用した医薬製剤の調製例を製剤例として挙げ
る。
製剤例1 錠剤の調製 有効成分として実施例18で得られた化合物を用い、1
錠当りその250mgを含有する錠剤(1000錠)を、次の処
方により調製した。 成 分 量(g) 実施例18で得た化合物 250 乳糖(日本薬局方品) 33.5 コーンスターチ(日本薬局方品) 16.5 カルボキシメチルセルロースカルシウム (日本薬局方品) 12.5 メチルセルロース(日本薬局方品) 6.0ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 1.5 全 量 320.0 即ち、上記処方に従い、実施例18で得た化合物、乳
糖、コーンスターチ及びカルボキシメチルセルロースカ
ルシウムを充分に混合し、メチルセルロース水溶液を用
いて顆粒化し、24メッシュの篩を通し、ステアリン酸マ
グネシウムと混合して錠剤にプレス成形した。
製剤例2 カプセル剤の調製 有効成分として実施例3で得られた化合物を用い、1
カプセル当りその250mgを含有する硬質ゼラチンカプセ
ル(1000個)を、次の処方により調製した。 成 分 量(g) 実施例3で得た化合物 250 結晶セルロース(日本薬局方品) 30 コーンスターチ(日本薬局方品) 17 タルク(日本薬局方品) 2ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 1 全 量 300 即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均
一な混合物となるように混和した後、所望の寸法を有す
る経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプ
セルを得た。
製剤例3 顆粒剤の調製 有効成分として実施例22で得られた化合物を用い、1g
当りその500mgを含有する顆粒剤(1000g)を、次の処方
により調製した。 成 分 量(g) 実施例22で得た化合物 500 結晶セルロース(日本薬局方品) 100 コーンスターチ(日本薬局方品) 250 乳糖(日本薬局方品) 100 カルボキシメチルセルロースカルシウム (日本薬局方品) 40 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(日本薬局方品) 10 全 量 1000 即ち、上記処方に従い、実施例22で得た化合物、乳
糖、コーンスターチ、結晶セルロース及びカルボキシメ
チルセルロースカルシウムを充分に混合し、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース水溶液を加えて混練し、押出
し造粒機にて造粒し、50℃で2時間乾燥して、目的顆粒
剤を調製した。
以下、本発明誘導体を用いた薬理試験例を挙げる。
薬理試験例1 3T3L1細胞による糖取込み量測定試験 3T3L1細胞(CCL−92.1;大日本製薬)を10%牛胎児血
清を含むダルベッコ変法イーグル培地(日水製薬社製;
コード05919)で、5%二酸化炭素雰囲気中37℃で培養
した。細胞がコンフルエントになって2日後に、イソブ
チルメチルキサンチン500μM及びデキサメタゾン250μ
Mを添加し、5%二酸化炭素雰囲気中37℃で2日間イン
キュベートした後、イソブチルメチルキサンチンとデキ
サメタゾンを含まない元の培地で、5%二酸化炭素雰囲
気中37℃で3日間培養した。
この培養細胞に、供試化合物のジメチルスルホキシド
(DMSO)溶液10-5Mを加え、5%二酸化炭素雰囲気中37
℃で24時間インキュベートし、次に培地を吸引して除
き、下記組成のクレブスバッファーを加えて37℃で10分
間インキュベートし、更に14C−2−デオキシグルコー
スを0.5μCi/ml添加して37℃で10分間インキュベートし
た。
〈クレブスバッファー(1000ml中)〉 塩化ナトリウム 6.896g 塩化カリウム 0.358g リン酸二水素カリウム 0.163g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.320g N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラ ジン−N′−2−エタンスルホン酸 2.383g 130mM塩化カルシウム水溶液 10ml 8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液 10ml 5g/dlグルコース水溶液 1ml 細胞に取り込まれた14C−2−デオキシグルコースの
量を測定し、対照として供試化合物無添加のDMSOのみを
加えた場合の同取込み量測定結果を1として、各供試化
合物を用いた場合の上記測定置の相対値を求めた。
かくして得られた結果を第3表に示す。
上記第3表より、本発明化合物は、いずれも細胞への
糖の取込みを促進する作用を奏し得、このことから血中
の糖量を低下させ、糖尿病の治療及び予防に有効である
ことが明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 岩本 武史 徳島県小松島市田浦町字近里83―1 ケ ントパレス徳島南606 (72)発明者 奈波 智恵子 徳島県鳴門市撫養町南浜字蛭子前東4― 4 (56)参考文献 特開 平6−9670(JP,A) 特開 平5−43589(JP,A) 特開 平4−243888(JP,A) 特開 昭57−150698(JP,A) 米国特許4870199(US,A) Eur.J.Med.Chem.,V ol.28,No.7−8,pages 539−546(1993) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/655 A61K 31/665 A61P 3/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって水素原子、低
    級アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル
    基又は置換基としてハロゲン原子、フェニル基もしくは
    ヒドロキシピペリジノ基を有することのある低級アルコ
    キシ基を、R4は水素原子、低級アルコキシ基、ハロゲン
    原子又は置換基としてハロゲン原子もしくはシアノ基を
    有することのある低級アルキル基を、R5及びR6は同一又
    は異なって水素原子又は低級アルキル基を、それぞれ示
    す。〕 で表わされるホスホン酸ジエステル誘導体。
  2. 【請求項2】R2及びR3が共に水素原子である請求の範囲
    1に記載のホスホン酸ジエステル誘導体。
  3. 【請求項3】R1が水素原子、低級アルキル基、ハロゲン
    原子、ヒドロキシル基又は置換基としてハロゲン原子、
    フェニル基もしくはヒドロキシピペリジノ基を有するこ
    とのある低級アルコキシ基で、R4が水素原子、低級アル
    コキシ基又は置換基としてシアノ基を有することのある
    低級アルキル基で、R5及びR6が同一又は異なって低級ア
    ルキル基である請求の範囲2に記載のホスホン酸ジエス
    テル誘導体。
  4. 【請求項4】一般式 〔式中、R1′はハロゲン原子又はベンジルオキシ基
    を、R4′は水素原子、低級アルコキシ基又は低級アル
    キル基を、R5′及びR6′は同一又は異なって低級ア
    ルキル基を示す。〕 で表わされるホスホン酸ジエステル誘導体。
  5. 【請求項5】R1′が塩素原子で、R4′が水素原子又
    はメチル基である請求の範囲4に記載のホスホン酸ジエ
    ステル誘導体。
  6. 【請求項6】請求の範囲1〜5のいずれかに記載のホス
    ホン酸ジエステル誘導体の少なくとも1種を有効成分と
    して無毒性製剤担体と共に含有する糖尿病治療剤。
  7. 【請求項7】有効成分が請求の範囲5に記載のホスホン
    酸ジエステル誘導体の少なくとも1種である請求の範囲
    6に記載の糖尿病治療剤。
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