JP3073202U - モルタル充填式拡底パイプアンカー - Google Patents

モルタル充填式拡底パイプアンカー

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JP3073202U
JP3073202U JP2000004136U JP2000004136U JP3073202U JP 3073202 U JP3073202 U JP 3073202U JP 2000004136 U JP2000004136 U JP 2000004136U JP 2000004136 U JP2000004136 U JP 2000004136U JP 3073202 U JP3073202 U JP 3073202U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砂地を除いた、どのような地質、地層の地盤
においても確実に支持力(引抜き強度)が得られる構造
の地中係止用パイプアンカーを提供する。 【解決手段】 アンカーの本体となる鋼管(円筒管1)
の周壁にモルタル8を充填するための流通孔3を穿設
し、先端下部を六乃至八ヵ所軸方向に切込んで切目4を
形設するとともに各切込み片6(舌片)を外側に押し拡
げる役目を果たすテーパー付三角りブ7(突片)を舌片
6の内側に係着して拡開部17を形成してなる円筒管1
をオーガー12により支持地盤に穿設した削孔13内に
挿入して外管とし、これに別途、厚鋼管で尖頭部に押し
拡げ用の裁頭円錐型(楔形)キャップ21が装着されて
なる打設管2を挿入し、これを叩打して舌片6を拡開さ
せた後、打設管2を引抜き、外管内および外管と孔壁1
4との空隙15にモルタル8を充填し、地山と外管を一
体化したモルタル充填式拡底パイプアンカーを地中に装
設する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、地中アンカーに係わり、特に地盤の状況に拘らず確実に地中での支 持力を得るためパイプの先端部を拡開するとともに地盤との摩擦抵抗を高めるた めパイプの内外にモルタルを充填してなる拡底型鋼管杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の地中アンカーに関する技術においては、先端部に抵抗板が付い た鍬型アンカーが一般的に知られている。 そして、パイプ本体の先端部が拡開する構造のものとしては、(イ)平2−4 729号、(ロ)平4−73321号、(ハ)実開平5−94333号、(ニ) 特開平8−284162号のほか(ホ)平5−75847号などか公知されてい るが、 (イ)は、膨脹剤を使って拡開させるものであり、 (ロ)(ハ)は、コンクリートやALCからなる基礎体に使用するものであり、 (ニ)は、パイプに螺旋羽根が付いたアンカーを装備する掘削機械装置に関する ものであり、 (ニ)は、パイプの全長に分裂線が軸方向に欠切されており打設棒によりパイプ の全長あるいは一部を拡開させるとともに打設棒を引抜いた後、拡開部よ りの土砂を押しやるためパイプの中に漆喰あるいはコンクリート混和剤を 注入するもで、 いずれも地中に挿設したパイプ本体と孔壁との間にはモルタルなどの硬化剤を 注入しない構造のため地盤との係合性に乏しく十分な引揚力(引抜き抵抗力)が 得られなかった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案のモルタル充填式(MCともいう)拡底パイプアンカーは、従来の技術 の有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、 (a)砂地を除く、どのような地質、地層の地盤にも適応する構造とする。 (b)軽量な小径パイプを使用して作業性を良くする。 (c)先端下部が拡開する構造として地山の耐力を有効に活用する。 (d)パイプの周壁にモルタルが流通する孔を所要数穿設し、パイプ内およびパ イプと孔壁との空隙にモルタルを充填してパイプと孔壁とを密着させるこ とにより周辺地山との一体化を図る。 などにより地中アンカーの支持力(引揚げ耐力)の一層の向上、確保を図るも のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案におけるパイプアンカーは、一般構造用鋼 管の小径パイプ(以下、円筒管という)を使用し、設置する場所の地質、地層に 対応したヘッドの付いたスパイラルオーガーにより地表下1m(標準)の深さの 立坑を穿設し、その穴に円筒管を挿設する。 そのため、円筒管の標準長さを1.2mとするとともに削成する立坑(以下、 削孔ともいう)の内径は円筒管の外径より大き目にする。
【0005】 また、先端の拡開部については、円筒管の周壁を軸方向に六乃至八ヵ所切込ん で切目と舌片(切込み片)を形成するとともに弧状の舌片が外側に折曲し易いよ う切目の終端部に切削孔を設け、さらに切削孔の外周壁面に沿って水平方向にV 形の切込み溝(以下、切欠という)を形設ける。
【0006】 また、各舌片の内側にテーパー付三角リブ(以下、突片という)を断面配置が 星乃至米形(60°乃至45°ピッチ)に係着し、別途、厚鋼管の尖頭部に裁頭 円錐型(先頭沓型ともいう)のキャップが付いた打設管を叩打し、楔の作用によ り舌片が外側に拡開する構造とした。
【0007】 また、モルタルが流通するように内径が2cmの孔を円筒管の周壁の所要箇所 に穿設し、円筒管に充填するモルタルが孔壁とパイプとの空隙にも容易に流入し て充填される構造とした。
【0008】 さらに、モルタルが充填された後、円筒管の上部に引留め金具のU型クレビス をボルト・ナットを使用して装着するとともに頭部にキャップを被着する構造と した。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面について説明する。 図3において、(a)(b)のごとく事前にスパイラルオーガー12により穿 孔された削孔13の中にモルタル8の流通孔3と拡開部17が装設された小径の 円筒管1(外径D10cm、厚みt3.2mm、長さL1.2m)を挿設する。
【0010】 図2において、先端の拡開部17を構成するため円筒管1の軸方向に切目4( 幅w3mm)を六乃至八ヵ所(60°乃至45°ピッチ、断面が星乃至米型)設 け、これにより形成された六乃至八個の各舌片4の裏側に突片7(厚みt6mm )を溶着するとともに舌片4の折曲を容易にするために切目の終端部に切削孔5 1(内径d4mm)を設け、その外側の周壁面に沿って切欠5(幅w3mm,深 さ1.5mm)を形設する。
【0011】 厚鋼管(外径D9cm、厚みt4.2mm)の尖頭部に突片7と同じテーパー の裁頭円錐型(楔形)のキャップ21を溶着した打設管2を図3の(b)のごと く円筒管1の中に挿入し、これを叩打することにより同図の(c)のごとく円筒 管1の拡開部17の舌片6が外側に押し拡げられて突片7が地山に食い込み円筒 管1の本体と地盤とが係合する。
【0012】 打設管2を引抜いた後、図3の(d)のごとく円筒管1の中と円筒管1と孔壁 14との空隙15にモルタル8を充填し、円筒管1と孔壁14が密着することに より周辺地盤とを一体化させる。
【0013】 モルタル8を充填後、円筒管1の先端上部に引留め金具9(Uクレビス)をボ ルト・ナット91を使って装着するとともに頭部にキャップ10を被着してMC 拡底パイプアンカーを完成する。
【0014】
【考案の効果】
本考案のMC拡底パイプアンカーは、以上、説明したように構成されているの で、次に記載する効果を有する。
【0015】 地盤に穿設した削孔に挿設した拡底パイプアンカーの内外にモルタルを充填し て該アンカーの本体と地山の地盤とを一体化した引揚げ耐力が極めて大きいアン カー構造のため垂直支線など狭隘な場所に設置する引留め杭にも適用できる。
【0016】 また、小径口のスパイラルオーガーを使って穿設する削孔の深さも1mと浅く 鑿掘も容易であるため砂地を除く、どのような地盤(地質、地層に関係なく)に おいても適応できる構造で汎用性に富んでいる。
【0017】 また、構成部品の製作が容易であり、円筒管の重量も7kg/本と軽量のため 取扱い易く、かつ施工も簡単で作業性に富んだ工法のため施工費のコスト低減化 が図れる。
【0018】 さらに、円筒管の地際部に別途、土圧板(アングル等)をUボルトを使用して 装着することによって水平耐力が一層向上するため、斜方あるいは水平方向から の支線アンカーとして有効利用できるなど、その実用価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】地中に挿設されたMC拡底パイプアンカーの使
用状態を示す側面と部分断面図である。
【図2】突片が六個の場合のMC拡底パイプアンカーの
要部(拡開部と流通孔)を示す図で、 (a) 円筒管の垂直断面図である (b) 円筒管の側面図である。 (c) 拡開部の配置状況を示すA−A断面図である。 (d) 流通孔の配置状況を示すB−B断面図である。
【図3】MC拡底パイプアンカーの施工手順を示す断図
面で、 (a) オーガーによる削孔状況図である。 (b) 円筒管を挿設後、打設管を円筒管内に挿入した
状況図である。 (c) 打設管を叩打し、拡底部が形成された状況図で
ある。 (d) 中詰めモルタルを充填し後、引留め金具を装着
した状況図である。
【符号の説明】
1 円筒管(鋼管) 2 打設管(厚鋼管) 21 裁頭円錐形(楔形)キャップ 3 流通孔 4 切目(切込み) 5 切欠(切欠き溝) 51 切削孔 6 舌片(切込み片) 7 テーパー付三角リブ(突片) 8 モルタル(中詰め) 9 引留め金具(Uクレビス) 91 取付け用ボルト・ナット 10 キャップ(円筒管頭部) 11 地中 12 オーガー(スパイラル) 13 削孔(立坑) 14 孔壁 15 空隙 16 底盤部 17 拡開部 M モルタル充填式拡底パイプアンカー(MC拡底パイ
プアンカー) GL 地表 D 外径 d 内径 L 全長 l 長さ t 厚み w 幅

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒管を地盤に穿設した円形の立坑に挿
    入して定着させる地中係止用アンカー装置において (イ) 円筒管の周壁にモルタル注入用の孔を所要箇所
    穿設し、(ロ) 円筒管の先端下部を軸方向に六乃至八
    ヵ所切込んで舌片を形成し、(ハ) 各切込み舌片の内
    側にテーパー付三角リブを係着して拡開部を形設し、
    (ニ) 尖頭部に楔形キャップが装着された打設管を円
    筒管中に挿入し、(ホ) 打設管を叩打して先端下部の
    切込み舌片を拡開させた後、(ヘ) 打設管を引抜き、
    円筒管の中と孔壁との空隙にモルタルを充填してなるこ
    とを特徴とするモルタル充填式拡底パイプアンカー。
JP2000004136U 2000-05-11 2000-05-11 モルタル充填式拡底パイプアンカー Expired - Fee Related JP3073202U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014077323A (ja) * 2012-10-12 2014-05-01 Hokuriku Kenko Kk
JP2016027231A (ja) * 2014-07-04 2016-02-18 有限会社川田 設置用の基礎杭、太陽光パネルの設置用の基礎杭、基礎杭の設置方法および太陽光パネルの基礎杭の設置方法

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