JP3071940B2 - 絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法 - Google Patents

絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法

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JP3071940B2
JP3071940B2 JP4115503A JP11550392A JP3071940B2 JP 3071940 B2 JP3071940 B2 JP 3071940B2 JP 4115503 A JP4115503 A JP 4115503A JP 11550392 A JP11550392 A JP 11550392A JP 3071940 B2 JP3071940 B2 JP 3071940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁ゲイト型半導体装
置、特に薄膜状の絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ
(TFT)の作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜状絶縁ゲイト型電界効果トラ
ンジスタ(TFT)が盛んに研究されている。例えば、
本発明人等の発明である特願平4−30220や同4−
38637には、ゲイト電極として、アルミニウムやチ
タン、クロム、タンタル、シリコンを使用し、その周囲
を陽極酸化法によって形成した酸化物で覆い、よって、
ソース/ドレインとゲイト電極の重なりを無くし、むし
ろオフセット状態とし、また、ソース/ドレイン領域を
レーザーアニールによって再結晶化せしめる作製方法お
よびTFTが記述されている。
【0003】このようなTFTは、従来のオフセットを
有しないシリコンゲイトTFTやタンタルやクロムのよ
うな高融点金属をゲイト電極とし、熱アニールによって
活性化したTFTに比較して優れた特性を示した。しか
しながら、その特性を再現性よく得ることは困難であっ
た。
【0004】原因の1つは、陽極酸化時にはゲイト電極
に50〜300Vもの高電圧を印加するので、下地の半
導体被膜の間に過大な電圧がかかり、あいだのゲイト絶
縁膜にトラップ準位が形成されるためであった。半導体
領域には外部から電圧が印加されていないのであるが、
微妙な電界分布によって、20〜150V程度の電圧が
かかっているものと推定される。
【0005】すなわち、図1(A)に示すように絶縁基
板101上の半導体領域102は電気的に浮遊状態にあ
る。もし、ゲイト絶縁膜103上のゲイト電極104に
正の電圧が印加されたとすると、最初のうちは最も大き
な電圧は、ゲイト電極と電解溶液の間に生じる。そし
て、半導体領域とゲイト電極の間の電界は無視できるほ
ど小さい。このため、ゲイト電極の表面に陽極酸化膜1
05が形成される。しかし、ある程度、陽極酸化膜が厚
くなるとその抵抗のため、むしろ電解溶液と半導体領
域、半導体領域とゲイト絶縁膜を挟んでゲイト電極の間
の電界が無視できない大きさとなって、ゲイト電極の下
のゲイト絶縁膜に電子106が注入されることとなる。
【0006】例えば、ゲイト絶縁膜の厚さを100nm
とすると、特願平4−30220や同4−38637に
記述される陽極酸化によって、アルミニウムのゲイト電
極の周囲には約300〜400nmの酸化アルミニウム
の被膜が形成される。したがって、ゲイト絶縁膜である
酸化珪素と、陽極酸化によってできた酸化アルミニウム
の抵抗率が同じであるとすると、電解溶液からゲイト絶
縁膜と半導体領域と再びゲイト絶縁膜を経由してゲイト
電極に到る場合の電界とゲイト電極と電解溶液間の電界
とは同じ値をとるので、陽極酸化膜に印加される電界密
度よりもゲイト電極の下のゲイト絶縁膜に印加される電
界密度の方が大きくなる。実際には半導体領域はI型な
ので、その部分での電圧降下があるが、通常のTFTの
使用におけるゲイトと半導体領域の間の電界よりも大き
くなる。そして、このような状態では、さらに陽極酸化
を進めようとしても、ゲイト絶縁膜が破壊されて使用で
きなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は
陽極酸化過程におけるゲイト絶縁膜の不良を回復し、信
頼性を向上させることを課題とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明は、ゲイト電極の
陽極酸化後、あるいはその工程の間に、負の適当な電圧
を印加することを特徴とする。本発明の原理を図1
(B)〜(E)に示す。まず、図1(B)に示すよう
に、ゲイト電極に正の電圧を印加して陽極酸化をおこな
う。このときには、チャネル領域(半導体領域)とゲイ
ト電極の間に大きな電位差が生じ、半導体領域から電子
がゲイト電極の方に向かい、一部はゲイト絶縁膜中にト
ラップされる。あるいはこのような高速の電子によって
負に帯電した欠陥が生じる。このような電子のトラップ
あるいは欠陥は特に半導体領域とゲイト絶縁膜の界面で
は著しい。また、このような電子のトラップあるいはそ
の他の欠陥はゲイト絶縁膜に窒化珪素等が使用されてい
る場合には著しい。
【0009】このようにゲイト絶縁膜中にトラップされ
た電子あるいはその他の欠陥は陽極酸化が終了してゲイ
ト電極の正の電圧が取り除かれた後も図1(C)のよう
に、残留し、チャネル領域に影響を及ぼす。すなわち、
この電子の影響で、チャネル領域の上部にはP型の反転
層が生じる。もし、PチャネルTFTであれば、この反
転層によってリーク電流が発生し、NチャネルTFTで
あれば、しきい値電圧が正の方向にシフトする。
【0010】そこで、図1(D)のように逆にゲイト電
極に負の電圧を印加する。このときにはゲイト絶縁膜に
トラップされた電子がチャネル形成領域に戻る。あるい
はその他の欠陥にはホールが注入されて中和される。こ
のときには、紫外線を照射するとより大きな効果が得ら
れる。この操作によってゲイト絶縁膜に生じた欠陥を除
去し、図1(E)に示すようにチャネル形成領域のバン
ドを適切な形状に戻し、TFTの特性を回復させること
ができる。上記図1(D)の工程の後、再び陽極酸化の
工程をおこなってもよい。すなわち、陽極酸化と負電圧
印加とを交互に複数回繰り返してもよい。
【0011】また、このようにゲイト電極に負電圧を印
可する際には、陽極酸化のときのように電解溶液中であ
っても、そうでなくてもよい。しかし、電解溶液以外で
上記の操作をおこなうには、半導体領域が正となるよう
に電気的に接続されていなければならない。電解溶液中
では、陽極酸化の場合と同じく、電解溶液を通じて正の
対向電極に接続されるので、このような問題はない。
【0012】量産的には、陽極酸化工程では、多数の島
状の半導体領域は独立して設けられているので、これら
の島状半導体領域を正にバイアスするには、新たに層間
絶縁物を形成して立体配線を形成しなければならないの
で、きわめて厄介である。逆に電解溶液に浸す方法は低
コスト、高歩留りに寄与する。
【0013】さらに、電解溶液中でゲイト電極に負の電
圧を印加すると、半導体領域内やゲイト絶縁膜に水素が
侵入する。このような水素は、半導体材料やゲイト絶縁
膜中のダングリングボンドをターミネイトする上で非常
に効果的である。
【0014】本発明では、ゲイト電極に負の電圧を印加
するが、電解溶液中では本発明を実施すると、ゲイト電
極の酸化物(陽極酸化膜)が還元されやすい材料であれ
ば、陽極酸化膜が還元され、あるいはゲイト電極が溶出
してしまうことがある。ゲイト電極をアルミニウム、
ロム、チタン、タンタル、シリコン又はそれらいずれか
の合金で形成した場合には、それらの酸化物は還元され
にくいので問題はないが、銅、亜鉛、銀の酸化物は容易
に還元されるので、電解溶液中で行うことは避けねばな
らない。
【0015】
【実施例】〔実施例1〕 図2には本実施例の作製工程
断面図を示す。なお、本実施例の詳細な条件は、本発明
人らの出願した特願平4−30220、あるいは同4−
38637とほとんど同じであるので、特別には詳述し
ない。まず、基板201として日本電気硝子社製のN−
0ガラスを使用した。このガラスは歪温度が高いけれど
も、リチウムが多く含まれ、また、ナトリウムもかなり
の量が存在する。そこで、基板からのこれら可動イオン
の侵入を阻止する目的で、プラズマCVD法もしくは減
圧CVD法で窒化珪素膜202を厚さ10〜50nmだ
け形成する。さらに、下地の酸化珪素皮膜203を厚さ
100〜800nmだけ、スパッタ法によって形成し
た。その上にアモルファスシリコン被膜をプラズマCV
D法によって20〜100nmだけ形成し、600℃で
12〜72時間、窒素雰囲気中でアニールし、結晶化さ
せた。さらに、これをフォトリソグラフィー法と反応性
イオンエッチング(RIE)法によってパターニングし
て、図2(A)に示すように島状の半導体領域204
(NチャネルTFT用)と205(PチャネルTFT
用)とを形成した。
【0016】さらに、酸化珪素をターゲットとする酸素
雰囲気中でのスパッタ法によって、ゲイト酸化膜206
を厚さ50〜200nmだけ堆積した。さらに、窒化珪
素膜207をプラズマCVD法もしくは減圧CVD法に
よって、厚さ2〜20nm、好ましくは8〜11nmだ
け堆積した。
【0017】次に、スパッタリング法もしくは電子ビー
ム蒸着法によってアルミニウム被膜を形成して、これを
混酸(5%の硝酸を添加した燐酸溶液)によってパター
ニングし、ゲイト電極・配線208〜211を形成し
た。このようにして、TFTの外形を整えた。
【0018】さらに、電解溶液中でゲイト電極・配線2
08〜211に電流を通じ、陽極酸化法によって、酸化
アルミニウム膜212〜215を形成した。陽極酸化の
条件としては、本発明人等の発明である特願平4−30
220に記述された方法を採用した。すなわち、最大電
圧としてゲイト電極に300Vの電圧を印加した。この
結果、得られた酸化アルミニウム膜の厚さは約350n
mであった。ここまでの様子を図2(B)に示す。
【0019】ついで、ゲイト電極に負の電圧を印加し
た。その際には、10V/分の割合で電圧を上げてゆ
き、300Vに達した状態で1時間ホールドした。その
後、10V/分の割合で電圧を下げた。
【0020】次に、公知のイオン注入法によって、半導
体領域204にはN型の不純物を、半導体領域205に
はP型の不純物を注入し、N型不純物領域(ソース、ド
レイン)216とP型不純物領域217を形成した。こ
の工程は公知のCMOS技術を使用した。
【0021】このようにして、図2(C)に示されるよ
うな構造が得られた。なお、当然のことながら、先のイ
オン注入によって不純物の注入された部分の結晶性は著
しく劣化し、実質的に非結晶状態(アモルファス状態、
あるいはそれに近い多結晶状態)になっている。そこ
で、レーザーアニールによって結晶性を回復させた。こ
の工程は、600〜850℃の熱アニールによってもよ
い。レーザーアニールの条件は、例えば、特願平4−3
0220に記述されたものを使用した。レーザーアニー
ル後は、250〜450℃の水素雰囲気(1〜700t
orr、このましくは500〜700torr)で30
分〜3時間、アニールをおこない、半導体領域に水素を
添加し、格子欠陥(ダングリングボンド等)を減らし
た。
【0022】このようにして、素子の形状を整えた。そ
の後は、通常のように、酸化珪素のスパッタ成膜によっ
て層間絶縁物218を形成し、公知のフォトリソグラフ
ィー技術によって電極用孔を形成して、半導体領域ある
いはゲイト電極・配線の表面を露出させ、最後に、第2
の金属被膜(アルミニウムあるいはクロム)を選択的に
形成して、これを電極・配線219〜221とした。以
上のようにして、NTFT222とPTFT223を形
成できた。
【0023】〔実施例2〕 図3に本発明を用いたCM
OSの作製実施例を説明する。本実施例では基板301
としてコーニング社の7059番ガラス基板を使用し
た。基板301上には基板からの可動イオンの侵入を阻
止する目的で、厚さ5〜200nm、例えば10nmの
窒化珪素膜302をRFプラズマCVD法で形成した。
さらに、窒化珪素膜上に、RFプラズマCVD法によっ
て、厚さ20〜1000nm、例えば50nmの酸化珪
素膜303を形成した。これらの被膜の膜厚は、可動イ
オンの侵入の程度、あるいは活性層への影響の程度に応
じて設計される。また、これらの皮膜の形成には、上記
のようなプラズマCVD法だけでなく、減圧CVD法や
スパッタ法等の方法によって形成してもよい。それらの
手段の選択は投資規模や量産性等を考慮して決定すれば
よい。これらの被膜は連続的に成膜されてもよいことは
いうまでもない。
【0024】その後、減圧CVD法によって、モノシラ
ンを原料として、厚さ20〜200nm、例えば100
nmのアモルファスシリコン膜304を形成した。基板
温度は430〜480℃、例えば450℃とした。さら
に、連続的に基板温度を変化させ、520〜560℃、
例えば550℃で、厚さ5〜200nm、例えば10n
mのアモルファスシリコン膜305を形成した。基板温
度は後の結晶化の際に重要な影響を与えることが本発明
人等の研究の結果、明らかにされた。例えば、480℃
以下で成膜したものは結晶化させることが難しかった。
逆に520℃以上の温度で成膜したものは結晶化しやす
かった。このようにして得られたアモルファスシリコン
膜は、600℃で24時間熱アニールした。その結果、
シリコン膜305のみが結晶化し、いわゆるセミアモル
ファスシリコンと言われる結晶性シリコンを得た。一
方、シリコン膜304はアモルファス状態のままであっ
た。
【0025】シリコン膜305の結晶化を促進するため
には膜中に含まれている炭素、窒素、酸素の濃度は、い
ずれも7×1019cm-3以下であることが望ましい。本
実施例では、SIMS分析によって1×1017cm-3
下であることを確認した。
【0026】従来のTFTにおいては、酸化珪素膜30
3の上には半導体被膜の活性層が形成されるため、その
作製には細心の注意が必要であった。例えば、酸化珪素
膜303に可動イオンが存在することは絶対にあっては
ならないことであったが、それにもまして、トラップ準
位が存在することは致命的であった。可動イオンの侵入
はプロセスの清浄化によってある程度は解決できるもの
であったが、トラップ準位の問題はプロセスの制約から
ある一定以上の改善は不可能であった。特に酸化珪素膜
とその上の半導体活性層間の界面準位密度はそのTFT
の特性を左右する重要なファクターであった。通常の単
結晶半導体のMOSICで使用される熱酸化のゲイト酸
化膜(酸化珪素)と単結晶半導体の界面の準位密度は1
10cm-2程度であったが、例えば本実施例のようなR
FプラズマCVD法あるいは大気圧CVD法(APCV
D法)や減圧CVD法(LPCVD法)によって作製し
た酸化珪素膜とその上の多結晶シリコン膜との界面準位
密度は1012cm-2以上であり、とても実用に耐えるも
のではなかった。
【0027】すなわち、このように界面準位密度が大き
いと、様々な電荷がトラップされ、これらの電荷によっ
て活性層の導電型が、ゲイト電圧に依存しないで決定さ
れてしまい、リーク電流の増加を招いた。このため、従
来はこのような下地の酸化膜であってもゲイト酸化膜と
同じだけの高い品位が要求された。熱酸化方式が採用で
きない低温プロセスや中温プロセスにあっては、スパッ
タ法やECRプラズマCVD法が採用されたが、これら
の方法によって得られる界面での準位密度は、熱酸化法
よりも1桁程度大きなものであった。
【0028】しかしながら、本実施例では後のプロセス
において、酸化珪素膜303上の半導体膜のうち、酸化
珪素膜に接する部分はアモルファスシリコン膜であり、
従来に問題とされたようなことはほとんど生じない。す
なわち、酸化珪素膜303にどのようなトラップ準位が
存在して、どのような電荷がトラップされたとしても、
アモルファスシリコンはチャネルとしてはほとんど機能
しないので、電荷のトラップによって、半導体膜の導電
型が依存することはない。本発明人等の研究によると、
酸化珪素膜303とその上のアモルファスシリコン膜と
の界面準位密度は5×1012cm-2程度まで問題がない
ことがわかった。
【0029】したがって、先のようなRFプラズマCV
D法やLPCVD法、APCVD法によって酸化珪素膜
を形成することができる。これらのCVD法は、スパッ
タ法やECRプラズマCVD法に比べて量産性に優れた
方法である。すなわち、スパッタ法ではバッチ方式が採
用できず、量産性に欠ける上、ターゲットに可動イオン
が付着しないように細心の注意を払わなくてはならな
い。また、ターゲットのサイズをむやみに大きくできな
いので大面積化には不適当である。ECRプラズマCV
D法は、装置に対する投資が巨額となり、また、一度に
処理できる基板の枚数や大きさも大きな制約を受ける。
【0030】さて、アモルファスシリコン膜305を熱
アニールによって、結晶性シリコン膜としたのち、これ
を適当なパターンにエッチングして、NTFT用の島状
半導体領域307とPTFT用の島状半導体領域306
とを形成する。各島状半導体領域の上部は実質的に真性
であった。
【0031】その後、酸素雰囲気中での酸化珪素をター
ゲットとするスパッタ法によって、ゲイト絶縁膜(酸化
珪素)310を厚さ50〜300nm、例えば150n
mだけ形成した。この厚さは、TFTの動作条件等によ
って決定される。
【0032】次にスパッタ法によって、アルミニウム皮
膜を厚さ500nmだけ形成し、これを混酸(5%の硝
酸を添加した燐酸溶液)によってパターニングし、ゲイ
ト電極・配線311および312を形成した。エッチン
グレートは、エッチングの温度を40℃としたときに2
25nm/分であった。このようにして、TFTの外形
を整えた。このときのチャネルの大きさは、いずれも長
さ8μm、幅20μmとした。このときの状態を図3
(B)に示す。
【0033】さらに、陽極酸化法によってアルミニウム
配線の表面に酸化アルミニウムを形成した。陽極酸化の
方法としては、本発明人等の発明である特願平3−23
1188もしくは特願平3−238713に記述される
方法を用いた。詳細な実施の様態については、目的とす
る素子の特性やプロセス条件、投資規模等によって変更
を加えればよい。本実施例では、陽極酸化によって、厚
さ350nmの酸化アルミニウム被膜313および31
4を形成した。
【0034】ついで、ゲイト電極に負の電圧を印加し
た。その際には、10V/分の割合で電圧を上げてゆ
き、300Vに達した状態で1時間ホールドした。その
後、10V/分の割合で電圧を下げた。
【0035】その後、ゲイト酸化膜を通したイオン注入
法によって、公知のCMOS作製技術を援用し、N型ソ
ース/ドレイン領域316とP型ソース/ドレイン領域
315を形成した。いずれも不純物濃度は8×1019
-3となるようにした。イオン源としては、P型はフッ
化ホウ素イオンを、N型はリンイオンを用い、前者は加
速電圧80keVで、後者は加速電圧110keVで注
入した。加速電圧はゲイト酸化膜の厚さや半導体領域3
06、307の厚さを考慮して設定される。イオン注入
法のかわりに、イオンドーピング法を用いてもよい。イ
オン注入法では注入されるイオンは質量によって分離さ
れるので、不必要なイオンは注入されることがないが、
イオン注入装置で処理できる基板の大きさは限定され
る。一方、イオンドーピング法では、比較的大きな基板
(例えば対角30インチ以上)も処理する能力を有する
が、水素イオンやその他不必要なイオンまで同時に加速
されて注入されるので、基板が加熱されやすい。この場
合にはイオン注入法で使用するようなフォトレジストを
マスクとした選択的な不純物注入は難しい。
【0036】このようにして、オフセット領域を有する
TFTが作製された。その様子を図3(C)に示す。最
後に、レーザーアニール法によって、ゲイト電極部をマ
スクとしてソース/ドレイン領域の再結晶化をおこなっ
た。レーアーアニールの条件は、例えば特願平3−23
1188や同3−238713に記述されている方法を
使用した。そして層間絶縁物319として、酸化珪素を
RFプラズマCVD法で形成し、これに電極形成用の穴
を開け、アルミニウム配線320〜322を形成して、
素子を完成させた。
【0037】本実施例では、レーザーアニールによっ
て、もともと結晶性シリコンであった、被膜306、3
07のみならず、アモルファスシリコンであった被膜3
08、309までもが結晶化される。これは、レーアー
アニールが強力だからである。その結果、図3(D)に
示すように初期のアモルファス領域308、309はチ
ャネルの下の部分317、318以外は全てソース/ド
レインとおなじ結晶性を有する材料に変換されてしまっ
た。その結果、ソース/ドレインの厚さは島状半導体領
域307、308と実質的に同じとなった。しかしなが
ら、実質的なチャネルの厚さは図から明らかなように、
約10nmというようにソース/ドレイン領域よりも薄
かった。その結果、ソース/ドレインのシート抵抗は小
さく、また、チャネルが薄い分だけOFF電流が少ない
という優れた特性を示すことができた。
【0038】〔実施例3〕 図4には本実施例の作製工
程断面図を示す。なお、本実施例の詳細な条件は、本発
明人らの出願した特願平4−30220とほとんど同じ
であるので、特別には詳述しない。まず、基板401と
して日本電気硝子社製のN−0ガラスを使用し、プラズ
マCVD法もしくは減圧CVD法で下地の酸化珪素皮膜
402を厚さ100〜800nmだけ、スパッタ法によ
って形成した。その上にアモルファスシリコン被膜をプ
ラズマCVD法によって20〜100nmだけ形成し、
600℃で12〜72時間、窒素雰囲気中でアニール
し、結晶化させた。さらに、これをパターニングして、
図4(A)に示すように島状の半導体領域403(Nチ
ャネルTFT用)と404(PチャネルTFT用)とを
形成した。さらに、スパッタ法によって、ゲイト酸化膜
405を厚さ50〜200nmだけ堆積した。
【0039】次に、スパッタリング法もしくは電子ビー
ム蒸着法によってアルミニウム被膜を形成して、これを
パターニングし、ゲイト電極・配線406、407を形
成した。このようにして、図4(A)のようにTFTの
外形を整えた。
【0040】さらに、電解溶液中でゲイト電極・配線4
06、407に電流を通じ、陽極酸化法によって、酸化
アルミニウム膜408、409を形成した。陽極酸化の
条件としては、本発明人等の発明である特願平3−30
220に記述された方法を採用した。ここまでの様子を
図4(B)に示す。
【0041】次に、図4(C)に示すように、ゲイト酸
化膜に電極形成用の穴410を形成し、クロムによって
配線411、412を形成した。そして、配線412を
アースとし、配線411を正に接続して電流を通じた。
このときには配線411と配線412の間の電位差は3
0〜100V、好ましくは35〜50Vとした。このよ
うな状況では電流の自己発熱とエレクトロマイグレーシ
ョン効果によって、半導体領域403、404がアニー
ルされる。
【0042】さらに、ゲイト電極には負の電圧を印加し
た。ゲイト電極には−30〜−100V、好ましくは−
35〜−50Vの電圧を印加した。この状態を1時間継
続した。さらに、ゲイト電極に負の電圧を印加している
あいだに、基板401の裏面から波長300〜350n
mの紫外光(パワー密度は、例えば、100〜300m
W/cm2 )を照射した。
【0043】例えば、半導体領域中にナトリウム等の可
動イオンがあったとしても、このような電圧の印加によ
って掃き出されてしまう。また、このような電界の存在
によって、自由な水素イオンが半導体領域の中を流さ
れ、半導体(シリコン)中のダングリングボンドにトラ
ップされて、そのダングリングボンドをターミネイトす
る。このような効果は、本発明人等の発明である特公平
3−19694に記述されている。しかしながら、この
発明では半導体内のバルクの欠陥を改善することは可能
であるが、特に絶縁ゲイト型半導体素子(キャパシタを
含む)では重要とされるゲイト絶縁膜と半導体領域の界
面の改善については特に記述されていなかった。また、
電界の印加だけでは除去することが困難な欠陥について
は、上記の紫外線照射が有効である。
【0044】その後、配線411、412を除去し、さ
らに、イオン注入法によって、半導体領域403にはN
型の不純物を、半導体領域404にはP型の不純物をド
ーピングし、N型不純物領域(ソース、ドレイン)41
3とP型不純物領域414を形成した。この工程は公知
のCMOS技術を使用した。
【0045】このようにして、図4(D)に示されるよ
うな構造が得られた。その後、実施例1と同様にレーザ
ーアニールをおこない、レーザーアニール後は、250
〜450℃の水素雰囲気(1〜700torr、このま
しくは500〜700torr)で30分〜3時間、ア
ニールをおこない、半導体領域に水素を添加し、格子欠
陥(ダングリングボンド等)を減らした。
【0046】このようにして、素子の形状を整えた。そ
の後は、通常のように、酸化珪素のスパッタ成膜によっ
て層間絶縁物415を形成し、公知のフォトリソグラフ
ィー技術によって電極用孔を形成して、半導体領域ある
いはゲイト電極・配線の表面を露出させ、最後に、第2
の金属被膜(アルミニウムあるいはクロム)を選択的に
形成して、これを電極・配線416〜418とした。以
上のようにして、NTFTとPTFTを形成できた。
【0047】
【発明の効果】以上のように、ゲイト電極の陽極酸化
後、ゲイト電極に負の電圧を印加することによって、陽
極酸化時にゲイト絶縁膜に形成される欠陥を除去するこ
とができた。このような工程を経ることによって、ゲイ
ト絶縁膜の信頼性を高め、歩留りを向上させることが出
来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する。
【図2】本発明による半導体装置の作製工程図(断面)
を示す。
【図3】本発明による半導体装置の作製工程図(断面)
を示す。
【図4】本発明による半導体装置の作製工程図(断面)
を示す。
【符号の説明】
101 絶縁基板 102 半導体領域 103 ゲイト絶縁膜 104 ゲイト電極・配線 105 陽極酸化物層 107 トラップされた電子等の欠陥

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面を有する基板上に半導体領域を形
    成する第1の工程と、 前記半導体領域上にゲイト絶縁膜を形成する第2の工程
    と、前記ゲイト絶縁膜 上にアルミニウム、クロム、チタン、
    タンタル、シリコン又はそれらいずれかの合金でなるゲ
    イト電極を形成する第3の工程と、電解溶液中において前記ゲイト電極に正の電圧を印加し
    て該ゲイト電極の表面に酸化物を形成する第4の工程
    と、 前記第4の工程の後、電解溶液中において前記ゲイト電
    極に 負の電圧を印加する第5の工程と、 を有することを特徴とする絶縁ゲイト型半導体装置の作
    製方法。
  2. 【請求項2】絶縁表面を有する基板上に半導体領域を形
    成する第1の工程と、 前記半導体領域上にゲイト絶縁膜を形成する第2の工程
    と、前記ゲイト絶縁膜 上にアルミニウム、クロム、チタン、
    タンタル、シリコン又はそれらいずれかの合金でなるゲ
    イト電極を形成する第3の工程と、電解溶液中において前記ゲイト電極に正の電圧を印加し
    て該ゲイト電極の表面に酸化物を形成する第4の工程
    と、 前記第4の工程の後、 前記半導体領域に電流を通じつ
    つ、前記ゲイト電極に負の電圧を印加する第5の工程
    と、 を有することを特徴とする絶縁ゲイト型半導体装置の作
    製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記第
    5の工程は紫外光を照射した状態で行われることを特徴
    とする絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】絶縁表面を有する基板上に半導体領域を形
    成する第1の工程と、 前記半導体領域上にゲイト絶縁膜を形成する第2の工程
    と、前記ゲイト絶縁膜 上にアルミニウム、クロム、チタン、
    タンタル、シリコン又はそれらいずれかの合金でなるゲ
    イト電極を形成する第3の工程と、電解溶液中において前記ゲイト電極に正の電圧および負
    の電圧を交互に印加して該ゲイト電極の表面に酸化物を
    形成する第4の工程と、 を有することを特徴とする絶縁ゲイト型半導体装置の作
    製方法。
  5. 【請求項5】 絶縁表面を有する基板上に半導体領域を形
    成する第1の工程と、 前記半導体領域上にゲイト絶縁膜を形成する第2の工程
    と、 前記ゲイト絶縁膜上にアルミニウム、クロム、チタン、
    タンタル、シリコン又はそれらいずれかの合金でなるゲ
    イト電極を形成する第3の工程と、 前記半導体領域に電流を通じつつ、前記ゲイト電極に正
    の電圧および負の電圧を交互に印加して該ゲイト電極の
    表面に酸化物を形成する第4の工程と、 を有することを特徴とする絶縁ゲイト型半導体装置の作
    製方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、前記第
    4の工程は紫外光を照射した状態で行われることを特徴
    とする絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法。
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