JP3071671B2 - Uo2焼結ペレットの結晶粒径の制御方法 - Google Patents

Uo2焼結ペレットの結晶粒径の制御方法

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料ペレット製
造に関し、特にUO焼結ペレットの結晶粒径を制御す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】UO燃料の製造において発生するUO
スクラップは、大別して粉末とペレットに区分される
が、これらは回収して再利用に供される。UOスクラ
ップの回収にあたっては、湿式法と乾式法が採用され
る。
【0003】粉末とペレットに適用される湿式法では、
UOスクラップを酸で溶解し、二ウラン酸アンモニウ
ム(NHO・2UOまたはUOとして沈澱さ
せ、UO粉末を得る。一方、主にペレットに適用され
る乾式法では、UOスクラップを酸化雰囲気中で処理
し、U粉末を得る。
【0004】湿式法によるUOスクラップの回収には
プラント設備の費用がかかったり、廃液処理等の問題が
あるため、乾式法の採用が好ましい。しかし、乾式法で
得られたU粉末は、これをUO粉末に添加し、
成形、焼結すると、還元雰囲気中でUOに相変化を起
し、密度低下の原因となる。
【0005】従って、安定した焼結密度を有するUO
粉末を得るには、まず前述したU粉末の粒度を調
整することが必要となる。焼結粒子の大きさを調整する
方法としては、一般には機械的粉砕あるいは造粒が採用
される。しかし、これらの機械的方法では設備投資が必
要であったり、原料である酸化処理前のUOスクラッ
プの特性が直接大きく影響する等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、U
末の粒径を制御するために、従来採用されていた機械的
方法に代る、確実で生産性の優れた新規な方法を提供す
ることをその目的としている。また、本発明の目的は、
UOスクラップの酸化回収粉末の粒度を制御する方法
を見い出し、これにより焼結密度およびデンシフィケー
ション値をコントロールすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、U
粉末の平均粒径を制御するためには、まず出発物質であ
るUO焼結体の平均結晶粒径を調整すれば良いことを
知見した。すなわち、酸化前のUO焼結ペレットの結
晶粒径と製造されたU粉末の粒径との間にはある
一定の相関関係があることを見い出したのである。
【0008】本発明は、下記の事項をその特徴としてい
る。原子燃料用UO焼結ペレットのスクラップを回収
して再使用に供するにあたり、酸化雰囲気内で得られる
粉末の粒径を制御するために、前処理として水
素雰囲気中にて処理ボート内に5%程度のAl
よびSiOの小片を入れてUO焼結ペレットのスク
ラップを再焼結する、UO焼結ペレットの結晶粒径の
制御方法。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。まず、
UO焼結体からU粉末を得るための処理工程に
ついて述べる。出発物質であるUO焼結体は、500
〜600℃で1〜2時間、酸化雰囲気中で酸化される。
その酸化のメカニズムは、まず結晶粒界が酸化され、そ
の後、結晶粒内に酸化が進行する。
【0010】図1に示すように、一般的に焼結体は多結
晶体であり、粒界により区分されている。UO焼結体
は、20μm程度の結晶粒により構成されている。空気
雰囲気中で酸化が開始されると、粒界にまず酸素が侵入
し、その後粒内に酸素が侵入して酸化が完了する。粒界
に酸素が侵入し、酸化が始まると粒界のUOがU
に相変化し、体積膨脹して剥がれ落ちる。従って、出
発物質であるUO焼結体の粒径を制御することによ
り、最終物質であるUの粒径を制御することが出
来る。
【0011】UO焼結体の結晶粒径は、一般的な原子
燃料の製造パラメータである温度1700〜1800
℃、2〜6時間で焼結した場合、平均で10〜20μm
程度である。従って、結晶粒界に沿って酸化が進行する
と10〜20μmの結晶粒が基本となって、U
末の平均粒径が決定される。
【0012】出発物質であるUO焼結体の平均粒径の
制御は再焼結熱処理により達成される。さらに、再焼結
時にAlおよびSiOの蒸気が雰囲気中に存在
すれば、その蒸気が粒界から侵入し、結晶粒の成長がよ
り促進される。
【0013】Uを添加したUO成形体を水素雰
囲気で焼結すると、UがUOに相変化し、体積
が減少する。これはUが気孔形成剤になり得るこ
とを意味している。気孔形成剤により出来上がった気孔
は、そのサイズにより原子炉内で挙動の違いを表す。す
なわち、サイズの小さい(一般的に、数μm)気孔は消
滅しやすく、その結果、原子炉内燃焼時に収縮する減
少、すなわち、焼きしまり(デンシフィケーション)が
発生する。この現象はペレットから被覆管への熱伝達の
低下や被覆管のつぶれ(コラップス)を誘発するので好
ましくない。粒径を制御されたものは44μm以下の粉
末が少なくなっているので、微細な気孔の発生が抑制さ
れ、品質の向上につながる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。従来
法により、出発物質として、1790℃で4時間焼結し
たUO焼結体を用意した。この焼結体の平均結晶粒径
は15μmであった。次いで、この焼結体を500℃で
2時間、空気雰囲気中で酸化し、得られたU粉末
を74μm以下のふるいにかけて粉度分布を測定した。
その結果を、図2に示す。
【0015】本発明法により、1790℃で8時間、水
素ガス雰囲気中で、かつ容器内のUO量に対し5%の
AlとSiO片と共に熱処理して、UO焼結
体を得た。この焼結体の平均結晶粒径は30μmであっ
た。次いで、この焼結体を500℃で2時間、空気雰囲
気中で酸化し、得られたU粉末を74μm以下の
ふるいにかけて粒度分布を測定した。その結果を、図3
に示す。
【0016】以下に、図2と図3を比較する。図2から
分るように、粒径の制御をしていないUO焼結体を酸
化した粉末の粒径はバラツキが大きい。これは出発物質
であるUOの結晶粒の分布にバラツキがあり、微細な
結晶粒が多く存在していることを示している。一方、図
3から分るように、本発明法により、焼結体の結晶粒径
を制御すると、微細な結晶粒がなくなり、最終物質であ
るU粉末の粒度分布が均一化する。
【発明の効果】本発明により、微細な結晶粒粉末が少な
くなり、かつ密度コントロールも安定的であり、核燃料
ペレットの品質向上に有益である。更に、粒度制御のた
めの粉砕機等への投資も不要となり、その経済効果も大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】UO焼結体における酸化のメカニズムを示し
た説明図である。
【図2】従来法により製造した粉末の粒度分布を示した
グラフである。
【図3】本発明法により製造した粉末の粒度分布を示し
たグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子燃料用UO焼結ペレットのスクラッ
    プを回収して再使用に供するにあたり、酸化雰囲気内で
    得られるU粉末の粒径を制御するために、前処理
    として水素雰囲気中で処理ボート内にAlとSi
    の小片を入れてUO焼結ペレットのスクラップを
    再焼結することを特徴とする、UO焼結ペレットの結
    晶粒径の制御方法。
  2. 【請求項2】AlとSiOの小片の量がUO
    の全量に対し5%であることを特徴とする、請求項1に
    記載のUO焼結ペレットの結晶粒径の制御方法。
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KR100794071B1 (ko) * 2006-12-05 2008-01-10 한국원자력연구원 핵연료 소결체의 제조 방법
KR101165452B1 (ko) 2010-10-20 2012-07-12 한국수력원자력 주식회사 이종 첨가 원소의 결정립계 및 결정립계 주변의 고용 농도 조절 방법 및 이를 이용한 결정립이 큰 핵연료 소결체의 제조방법.

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