JP3071035B2 - 積層基板 - Google Patents

積層基板

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JP3071035B2
JP3071035B2 JP13511092A JP13511092A JP3071035B2 JP 3071035 B2 JP3071035 B2 JP 3071035B2 JP 13511092 A JP13511092 A JP 13511092A JP 13511092 A JP13511092 A JP 13511092A JP 3071035 B2 JP3071035 B2 JP 3071035B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子部品を実装する
積層基板に関し、特に基板の熱膨張率を小さくして実装
される電子部品のハンダ接合部の信頼性を向上できる積
層基板構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の積層基板の層構成を示す断
面図、図8は図7のより詳細な層構成を示す斜視図であ
る。図において、1aおよび1dは第1の長繊維複合材
料層であるプリプレグ3上に例えば電解銅で形成された
銅箔からなる第1および第4の配線、2は第1および第
4の配線1a、1d上に例えば電解銅メッキで形成され
たオーバーメッキである。このプリプレグ3は、レジン
30をガラス繊維を編んで構成したガラス繊維布31に
低圧、例えば30Toll以下の真空中で含浸させた
後、Bステージまで硬化させて構成している。5はレジ
ン50をガラス繊維を編んで構成したガラス繊維布51
に低圧、例えば30Toll以下の真空中で含浸させた
後、硬化させて構成した第2の長繊維複合材料層である
基材であり、この基材5の両面には、例えば銅箔からな
る第2および第3の配線1b、1cがそれぞれ形成され
ている。
【0003】このように構成されたプリプレグ3および
基材5を用い、一対のプリプレグ3の間に基材5を挟み
込んでプレスし、Bステージまで硬化しているプリプレ
グ3を硬化させて、プリプレグ3と基材5とを3層一体
化した積層基板を形成している。
【0004】このように構成された積層基板において
は、積層基板を長繊維複合材料とみなすことができ、図
8中に示される矢印方向の複合材料としての熱膨張率α
0は、次式で表される。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、k1、k2、k3、k4はそれぞれ第
1、第2、第3および第4の配線1a、1b、1c、1
dの各板厚寸法で各々の幅寸法Wに対する断面での配線
導体金属の占有率を示し、例えばk4=(w1+w2+・
・・+w3)/Wとなる。C30、C50はそれぞれ断面に
おけるレジン30、50の占有率を示し、(1−
30)、(1−C50)はそれぞれ断面におけるガラス繊
維布31、51の占有率を示している。(1−k2)、
(1−k3)はそれぞれt1a、t1b部における第2およ
び第3の配線1b、1cのない部分にプレスで押し込ま
れたプリプレグ3、つまりレジン30およびガラス繊維
布31の占有率を示している。
【0007】したがって、レジン30、50をエポキシ
レジンとすると熱膨張率α30=α50=70〜90×10
-6(1/℃)、電解銅箔の熱膨張率α1=16.5×1
-6(1/℃)、ガラス繊維布31、51の熱膨張率α
31=α51=2.8×10-6(1/℃)とすると、レジン
30、50の占有率C30、C50は重量比で52〜53
%、面積比で62%と大きく、従来のガラスエポキシ積
層基板の熱膨張率α0は、15.5×10-6(1/℃)
以下とすることが困難であった。
【0008】また、導体配線として電解銅箔を用いてい
るため、弾性係数EはE=4600kgf/mm2と大
きく、特に第2および第3の配線1b、1cを電源配線
層やアース配線層とした場合には、その占有率k2、k3
は0.6〜0.8と大きく形成されているため、熱膨張
率を下げるためにはネックとなっていた。
【0009】また、基板製造上の理由から、第1〜第4
の配線1a〜1dの厚みは等しく(t1=t1a=t1b
1)構成され、プリプレグ3のレジン30およびガラ
ス繊維布31の占有率C30、(1−C30)と、基材5の
レジン50およびガラス繊維布51の占有率C50、(1
−C50)とはほぼ等しく構成されているので、熱膨張率
をコントロールする自由度が非常に少なかった。さら
に、第1〜第4の配線1a〜1dとして電解銅箔を用い
ているので、各配線の熱膨張率および弾性係数が固定さ
れ、自由度がなかった。さらにまた、電源配線層および
アース配線層は、ベタ面で構成することが一般的で、熱
膨張率に大きな影響を与えるにも拘わらず、銅の占有率
を低下することが困難であった。そのために、従来のガ
ラスエポキシ積層基板の熱膨張率α0は、15.5×1
-6(1/℃)以下とすることが困難であった。
【0010】このように構成された従来のガラスエポキ
シ積層基板は、熱膨張率が15.5×10-6(1/℃)
以下とできず、さらに今後、実装されるメモリICはメ
モリ容量の増大にともなって寸法が大きくなり、かつ大
容量のメモリのパッケージ相当の熱膨張率は8×10-6
(1/℃)より小さくなる傾向がある。また、実装され
た後のハンダ部にかかる熱応力σは、ICのパッケージ
の全長をL、温度差を(Te−Te0)、積層基板の熱
膨張率をα0、ICのパッケージの熱膨張率をαICとす
ると、σ∝(α0−αIC)・(Te−Te0)・Lと表され
る。
【0011】したがって、α0が15.5×10−6(1
/℃)より小さくすることができず一定とすると、αIC
は小さくなるので、(α0−αIC)は大きくなり、さら
にLはICの寸法が増大するので大きくなり、今後IC
を実装した際のハンダ部に発生する応力は(α0
αIC)・Lの比で大きくなり、一方信頼性はその逆数で
低下することになる。
【0012】つぎに、積層基板が材料物性の異なる3種
類の材料から構成してなるものと模式化して、(式1)
を簡略化して以下に説明する。ここで、添字i〜iiiは各
材料を示すものとする。3種類の材料からなる積層基板
の熱膨張率αeqは、基板の総厚みをT、各材料の厚みを
Ti、Tii、Tiii、基板の幅をW、各材料の弾性係数お
よび熱膨張率をEi、Eii、Eiiiおよびαi、αii、αi
iiとすると、次式で表される。
【0013】
【数2】
【0014】今、TiEi+TiiEii+TiiiEiii=TE
eqとすると、(式2)は次式となる。
【0015】
【数3】
【0016】したがって、積層基板の熱膨張率は、(式
3)から、各材料の厚みTnと弾性係数Enとの積を、
基板の総厚みTと等価弾性係数Eeqとの積で除した値を
重みとする各材料の熱膨張率の重み付け平均として考え
られる。
【0017】ここで、添字iの材料をガラス繊維布、添字
iiの材料をレジンとした場合、レジン占有率をCとし、
Ti+Tii=Tiv、Tii=CTivとすると、Ti=Tiv−
Tii=Tiv−CTiv=(1−C)Tivとなり、(式3)
は次式となる。
【0018】
【数4】
【0019】したがって、ガラス繊維布とレジンとの熱
膨張率を比較すると、αi<αiiであることから、(式
4)から積層基板の熱膨張率を低下するには、レジン占
有率Cを小さくする必要がある。
【0020】しかしながら、従来の積層基板では、レジ
ン占有率Cはプリプレグ3および基材5のレジン占有率
30、C50(C30=C50)で構成され、かつ、プリプレ
グ3はBステージまで硬化させ、積層後硬化させるため
に、成形性の関係からC30を極端に下げることができ
ず、そのため基材5のレジン占有率も、成形性の関係か
ら決められたプリプレグ3のレジン占有率と等しく作製
されており、レジン占有率を小さくすることができなか
った。
【0021】また、添字iの材料を第1の導体、添字iiの
材料を第2の導体とした場合、従来の積層基板では、Ei
=Eiiおよびαi=αiiとして構成されているので、第
1および第2の導体の厚みTi、Tiiを薄くする以外に
熱膨張率を下げることができなかった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層基板は以上
のように構成されているので、積層基板の熱膨張率を低
くするには、ガラス繊維の占有率を上げてレジンの占有
率を下げる必要があるが、そのためにはプリプレグ3の
厚さを厚くする、もしくはプリプレグ3の積層枚数を増
加させて、導体配線の銅の占有率に比較してガラス繊維
の占有率を上げなければならず、前者の場合には、積層
基板の板厚みが厚くなり、後者の場合には、ガラス繊維
とレジンとの占有率の比率が変わらず、薄い板厚で低い
熱膨張率の積層基板を得ることが困難であるという課題
があった。
【0023】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、薄い板厚で熱膨張率の小さい積
層基板を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る積層基板は、第2の長繊維複合材料層の断面におけ
る第2のレジンの占有率を、第1の長繊維複合材料層の
断面における第1のレジンの占有率より小さくするもの
である。
【0025】また、この発明の第2の発明に係る積層基
板は、第1および第4の配線の弾性係数を、第2および
第3の配線の弾性係数より小さくするものである。
【0026】また、この発明の第3の発明に係る積層基
板は、第2および第3の配線の熱膨張率を、第1および
第4の配線の熱膨張率より小さくするものである。
【0027】
【0028】また、この発明の第の発明に係る積層基
板は、長繊維とレジンとからなる長繊維複合材料層によ
り、一方の面に第2の配線が設けられ、他方の面に第3
の配線が設けられた絶縁性単一材料層を挟むように、長
繊維複合材料層と絶縁性単一材料層とを交互に積層し、
最外層の長繊維複合材料層の一方の面に第1の配線が設
けられ、他方の面に第4の配線が設けられるものであ
る。
【0029】さらに、この発明の第の発明に係る積層
基板は、少なくとも第1乃至第4の配線の一部をペアノ
曲線で構成するものである。
【0030】
【作用】この発明の第1の発明においては、第2の長繊
維複合材料層の断面における第2のレジンの占有率を、
第1の長繊維複合材料層の断面における第1のレジンの
占有率より小さくしているので、積層基板全体の熱膨張
率を小さくすることができる。
【0031】また、この発明の第2の発明においては、
第1および第4の配線の弾性係数を第2および第3の配
線の弾性係数より小さくしているので、上記(式3)に
おいてEii>Eiとなりαiの重み付けが小さくなり、積
層基板全体の熱膨張率を小さくすることができる。
【0032】また、この発明の第3の発明においては、
第2および第3の配線の熱膨張率を、第1および第4の
配線の熱膨張率より小さくしているので、上記(式3)
においてαi>αiiとなり、積層基板全体の熱膨張率を
小さくすることができる。
【0033】
【0034】また、この発明の第の発明においては、
長繊維とレジンとからなる長繊維複合材料層により、絶
縁性単一材料層を挟むように、長繊維複合材料層と絶縁
性単一材料層とを交互に積層しているので、長繊維複合
材料層の熱膨張率より絶縁性単一材料層の熱膨張率が小
さく、積層基板全体の熱膨張率を小さくすることができ
る。
【0035】また、この発明の第の発明においては、
少なくとも第1乃至第4の配線の一部をペアノ曲線で構
成しているので、特に配線に電源ライン等のべタ面を形
成する場合には、配線の占有率を低減でき、積層基板の
熱膨張率を小さくすることができる。
【0036】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.この実施例1は、この発明の第1の発明に係
る一実施例である。上記実施例1では、ガラス繊維布と
エポキシレジンとからなるプリプレグ3および基材5を
用い、第1乃至第4の配線1a〜1dを電解銅箔で構成
するとともに第1および第4の配線1a、1dと第2お
よび第3の配線1b、1cとのそれぞれの占有率(k)
を0.4、0.6とし、プリプレグ3および基材5のレジン占
有率をそれぞれ52wt%、43wt%とし、各部の厚みをT:0.4
46mm、t1:0.035mm、t2:0.018mm、t3:0.085mm、
5:0.17mmとして、図7および図8に示した従来の積
層基板と同様にして、図1に示す積層基板を作製した。
【0037】上記実施例1による積層基板の熱膨張率を
測定したところ、その熱膨張率は1.35×10-5(1
/℃)であり、プリプレグ3および基材5のレジン占有
率を52wt%とする従来の構成の積層基板の熱膨張率1.
55×10-5(1/℃)に対して、87、1%に下げる
ことができた。
【0038】実施例2.この実施例2は、この発明の第
1の発明に係る他の実施例である。上記実施例1では、
プリプレグ3および基材5のレジン占有率をそれぞれ52
wt%、43wt%としているが、この実施例2では、プリプレ
グ3および基材5のレジン占有率をそれぞれ47.5wt%、3
6.5wt%とし、他の構成を同構成として、図1に示す積層
基板を作製した。
【0039】上記実施例2による積層基板の熱膨張率を
測定したところ、その熱膨張率は1.237×10
-5(1/℃)であり、プリプレグ3および基材5のレジ
ン占有率を52wt%とする従来の構成の積層基板の熱膨張
率1.55×10-5(1/℃)に対して、79.8%に
下げることができた。
【0040】このように、上記実施例1、2によれば、
第1の長繊維複合材料層であるプリプレグ3のレジン占
有率に対して、第2の長繊維複合材料層である基材5の
レジン占有率を小さくすることにより、積層基板全体の
熱膨張率を小さくすることができ、さらにプリプレグ3
および基材5のそれぞれのレジン占有率を小さくするほ
ど、積層基板の熱膨張率を一層小さくすることができ
る。
【0041】実施例3.この実施例3は、この発明の第
2の発明に係る一実施例である。上記実施例2では、第
1乃至第4の配線1a〜1dを電解銅箔(弾性係数:4
600kgf/mm2)としているが、この実施例3で
は、第1および第4の配線1a、1dを圧延銅箔(弾性
係数:1800kgf/mm2)とし、他の構成を同構
成として、図1に示す積層基板を作製したところ、積層
基板の熱膨張率は1.194×10-5(1/℃)であっ
た。ここで、圧延銅箔の弾性係数は、7980kgf/
mm2であるが、加熱加圧することで、1800kgf
/mm2と弾性係数が変化する。
【0042】このように、上記実施例3によれば、第1
および第4の配線1a、1dの弾性係数を、第2および
第3の配線1b、1cの弾性係数より小さくすることに
より、積層基板全体の熱膨張率を小さくすることができ
る。
【0043】実施例4.この実施例4は、この発明の第
3の発明に係る一実施例である。上記実施例2では、第
1乃至第4の配線1a〜1dを電解銅箔(熱膨張率:
1.65×10-5(1/℃))としているが、この実施
例4では、第2および第3の配線1b、1cを42アロ
イ(熱膨張率:0.50×10-5(1/℃))とし、他
の構成を同構成として、図1に示す積層基板を作製した
ところ、積層基板の熱膨張率は0.99×10-5(1/
℃)であった。
【0044】このように、上記実施例4によれば、第2
および第3の配線1b、1cの熱膨張率を、第1および
第4の配線1a、1dの熱膨張率より小さくすることに
より、積層基板の熱膨張率を小さくすることができる。
【0045】実施例5.上記 実施例2では、プリプレグ3および基材5のレジン
としてエポキシレジン(熱膨張率:8×10-5(1/
℃))を用いているが、この実施例5では、基材5とし
てビイフェニールトリアミン(BTレジン、熱膨張率:
5.44×10-5(1/℃))とガラス繊維とからなる
BT基板とし、他の構成を同構成として、図1に示す積
層基板を作製した。上記実施例2では、積層基板の熱膨
張率が1.237×10-5(1/℃)であったのに対
し、この実施例5では、積層基板の熱膨張率は1×10
-5(1/℃)と低下することができた。
【0046】このように、上記実施例5によれば、基材
5の熱膨張率をプレプレグ3の熱膨張率より小さくして
いるので、積層基板全体の熱膨張率を小さくすることが
できた。
【0047】実施例6. この実施例6は、この発明の第の発明に係る一実施例
である。上記実施例5では、ガラス繊維布とBTレジン
とからなる基材5を用いているが、この実施例6では、
基材5にかえて絶縁性単一材料層であるアルミナ基板
(熱膨張率:7.8〜8.1×10-6(1/℃))を用
いて、その熱膨張率を一層小さくしているので、積層基
板の熱膨張率をさらに低下できた。
【0048】なお、上記実施例6では、基材5にかえて
熱膨張率の小さな絶縁性単一材料層としてのアルミナ基
板を用いるものとして説明しているが、絶縁性単一材料
層はアルミナに限定されるものではなく、例えばケイ酸
カルシウム、ムライト、ジルコニア等を用いても、同様
の効果を奏する。
【0049】実施例7. この実施例7は、この発明の第の発明に係る一実施例
である。この実施例7では、ガラス繊維布とエポキシレ
ジンとからなるプリプレグ3および基材5を用い、第1
乃至第4の配線1a〜1dを電解銅箔で構成し、各部の
厚みをT:0.44mm、t1:0.035mm,t2
0.035mm,t3:0.15mm,t5:0.15m
mとして、プリプレグ3および基材5のレジン占有率と
第1乃至第4の配線1a〜1dの占有率(k)とを変え
て、図1に示す積層基板を作製し、得られた積層基板の
熱膨張率を測定し、その結果を図2に示す。
【0050】図2に示すように、レジンの占有率を小さ
くするほど積層基板の熱膨張率は低下する傾向を示し、
さらに配線の占有率(k)を小さくするほど、積層基板
の熱膨張率が低下する結果が得られた。
【0051】ここでは、第1乃至第4の配線1a〜1d
は、図3乃至図5に示すように、2次元面を1次元曲線
で埋め尽し得る曲線、いわゆるペアノ(peano)曲線で構
成し、配線の占有率(k)を任意に選択している。例え
ば、図5に示すように、ペアノ曲線の線幅をH/8で描
くと、ベタ面の占有率100%を12.5%に低減で
き、ベタ面をH/8の線幅のペアノ曲線でエッチングし
て除去すると、87.5%の配線占有率が得られること
になる。
【0052】このように、上記実施例7によれば、第1
乃至第4の配線1a〜1dをペアノ曲線で構成している
ので、配線の占有率を任意に設定でき、かつ、方向によ
る占有率のバラツキの少ない配線を作製できる。配線の
占有率(k)の低減は、剛性を小さくすることと等価
で、積層基板の等価弾性率を低下させることも同時に可
能であり、例えばICを実装した時ICに与える影響を
小さくできる。特に、ベタ面で形成されるアース配線等
の電源配線の場合には、アース配線等をペアノ曲線で形
成することにより、配線の占有率が大幅に低減でき、積
層基板の熱膨張率を低下できる。この時、配線を42ア
ロイで構成すると、積層基板の熱膨張率は一層低減され
る。
【0053】なお、上記実施例7では、図3に示すペア
ノ曲線を用いて配線の占有率を変えるものとしている
が、配線パターンはペアノ曲線で構成すればよく、例え
ば図6に示すペアノ曲線を用いても、同様の効果を奏す
る。
【0054】なお、上記各実施例では、基材5をプリプ
レブ3で挟み込んだ3層積層構造について説明している
が、基材5をプリプレグ3で挟み込むように、基材5と
プリプレグ3とを交互に複数枚積層した多層積層基板に
おいても、同様の効果を奏する。
【0055】また、上記各実施例では、ガラスエポキシ
基板、BT基板を用いるものとして説明しているが、ポ
リイミドガラス基板、テフロンガラス基板を用いるもの
としても、同様の効果を奏する。
【0056】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0057】この発明の第1の発明によれば、第2の長
繊維複合材料層の断面における第2のレジンの占有率
を、第1の長繊維複合材料層の断面における第1のレジ
ンの占有率より小さく構成しているので、積層基板全体
の熱膨張率を低下することができる。
【0058】また、この発明の第2の発明によれば、第
1および第4の配線の弾性係数を、前記第2および第3
の配線の弾性係数より小さく構成しているので、積層基
板全体の熱膨張率を低下することができる。
【0059】また、この発明の第3の発明によれば、第
2および第3の配線の熱膨張率を、前記第1および第4
の配線の熱膨張率より小さく構成しているので、積層基
板全体の熱膨張率を低下することができる。
【0060】
【0061】また、この発明の第の発明によれば、長
繊維とレジンとからなる長繊維複合材料層により、一方
の面に第2の配線が設けられ、他方の面に第3の配線が
設けられた絶縁性単一材料層を挟むように、前記長繊維
複合材料層と前記絶縁性単一材料層とを交互に積層し、
最外層の前記長繊維複合材料層の一方の面に第1の配線
が設けられ、他方の面に第4の配線が設けられているの
で、積層基板全体の熱膨張率を低下することができる。
【0062】さらに、この発明の第の発明によれば、
少なくとも前記第1乃至第4の配線の一部をペアノ曲線
で構成したので、配線の占有率をバラツキなく低減で
き、積層基板全体の熱膨張率を低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の積層基板の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】この発明の実施例7を示す積層基板におけるレ
ジン占有率と積層基板熱膨張率との関係を表す図であ
る。
【図3】この発明の実施例7の積層基板における配線形
成に用いられるペアノ曲線の一実施例を示す平面図であ
る。
【図4】図3に示すペアノ曲線の相似性を示す平面図で
ある。
【図5】図3に示すペアノ曲線の相似性を示す平面図で
ある。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれこの発明の積層基板
における配線形成に用いられるペアノ曲線の他の実施例
を示す平面図および相似性を示す平面図である。
【図7】従来の積層基板の一例を示す断面図である。
【図8】従来の積層基板の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a 第1の配線 1b 第2の配線 1c 第3の配線 1d 第4の配線 3 プリプレグ(第1の長繊維複合材料層) 30 レジン(第1のレジン) 31 ガラス繊維布(第1の長繊維) 5 基材(第2の長繊維複合材料層) 50 レジン(第2のレジン) 51 ガラス繊維布(第2の長繊維)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46 H05K 1/03

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の長繊維と第1のレジンとからなる
    第1の長繊維複合材料層により、一方の面に第2の配線
    が設けられ、他方の面に第3の配線が設けられた第2の
    長繊維と第2のレジンとからなる第2の長繊維複合材料
    層を挟むように、前記第1の長繊維複合材料層と前記第
    2の長繊維複合材料層とを交互に積層し、最外層の前記
    第1の長繊維複合材料層の一方の面に第1の配線が設け
    られ、他方の面に第4の配線が設けられてなる積層基板
    において、前記第2の長繊維複合材料層の断面における
    前記第2のレジンの占有率を、前記第1の長繊維複合材
    料層の断面における前記第1のレジンの占有率より小さ
    くしたことを特徴とする積層基板。
  2. 【請求項2】 第1の長繊維と第1のレジンとからなる
    第1の長繊維複合材料層により、一方の面に第2の配線
    が設けられ、他方の面に第3の配線が設けられた第2の
    長繊維と第2のレジンとからなる第2の長繊維複合材料
    層を挟むように、前記第1の長繊維複合材料層と前記第
    2の長繊維複合材料層とを交互に積層し、最外層の前記
    第1の長繊維複合材料層の一方の面に第1の配線が設け
    られ、他方の面に第4の配線が設けられてなる積層基板
    において、前記第1および第4の配線の弾性係数を、前
    記第2および第3の配線の弾性係数より小さくしたこと
    を特徴とする積層基板。
  3. 【請求項3】 第1の長繊維と第1のレジンとからなる
    第1の長繊維複合材料層により、一方の面に第2の配線
    が設けられ、他方の面に第3の配線が設けられた第2の
    長繊維と第2のレジンとからなる第2の長繊維複合材料
    層を挟むように、前記第1の長繊維複合材料層と前記第
    2の長繊維複合材料層とを交互に積層し、最外層の前記
    第1の長繊維複合材料層の一方の面に第1の配線が設け
    られ、他方の面に第4の配線が設けらてなる積層基板
    において、前記第2および第3の配線の熱膨張率を、前
    記第1および第4の配線の熱膨張率より小さくしたこと
    を特徴とする積層基板。
  4. 【請求項4】 長繊維とレジンとからなる長繊維複合材
    料層により、一方の面に第2の配線が設けられ、他方の
    面に第3の配線が設けられた絶縁性単一材料層を挟むよ
    うに、前記長繊維複合材料層と前記絶縁性単一材料層と
    を交互に積層し、最外層の前記長繊維複合材料層の一方
    の面に第1の配線が設けられ、他方の面に第4の配線が
    設けられたことを特徴とする積層基板。
  5. 【請求項5】 第1の長繊維と第1のレジンとからなる
    第1の長繊維複合材料層により、一方の面に第2の配線
    が設けられ、他方の面に第3の配線が設けられた第2の
    長繊維と第2のレジンとからなる第2の長繊維複合材料
    層を挟むように、前記第1の長繊維複合材料層と前記第
    2の長繊維複合材料層とを交互に積層し、最外層の前記
    第1の長繊維複合材料層の一方の面に第1の配線が設け
    られ、他方の面に第4の配線が設けられてなる積層基板
    において、少なくとも前記第1乃至第4の配線の一部を
    ペアノ曲線で構成したことを特徴とする積層基板。
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