JP3070576B2 - 天井埋め込み型空気調和機 - Google Patents

天井埋め込み型空気調和機

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JP3070576B2
JP3070576B2 JP10120219A JP12021998A JP3070576B2 JP 3070576 B2 JP3070576 B2 JP 3070576B2 JP 10120219 A JP10120219 A JP 10120219A JP 12021998 A JP12021998 A JP 12021998A JP 3070576 B2 JP3070576 B2 JP 3070576B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天井埋め込み型空気
調和機に関するものである。特に、ケーシングの構成に
係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の天井埋込み型空気調和機(室内ユ
ニット)の構造を開示したものとしては、実開平1−1
09722号公報等がある。その様な天井埋込み型空気
調和機の構成を図7に示す。ここで、(a)は当該空気
調和機(室内ユニット)の断面図であり、(b)はケー
シングの構成を示す斜視図である。
【0003】同図中、1Aはケーシング天板、1Bはケ
ーシング側板(高さH。)、2はファン、3は熱交換
器、4は断熱材(スチロール等より成る。)、5はドレ
ンパン、6はスイッチボックス、7は送風機、8は本空
気調和機を吊り下げ・固定するための吊り金具、9は吸
込口、10は吹出し口、11はビスである。断熱材4は
動作時にケーシングが結露するのを防止するためのもの
であり、ケーシング天板1Aと側板1Bの各内面に直接
貼付けられている。又、断熱材4は、熱交換器3とドレ
ンパン5と共に通風路を形成している。尚、吊り金具8
は、ケーシング側板1Bの高さH0 の約半分(H0
2)の高さの位置に取付けられている。
【0004】又、本空気調和機では、ケーシング各部1
A,1Bは鈑金から構成されており、しかも各部1A,
1Bはビス11により固定されている(図7(b)参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の天
井埋込み型空気調和機のケーシングは全て鈑金で構成さ
れている。そのため、製品重量の中で当該ケーシングの
重量が占める割合が高く、空気調和機の軽量化を図る上
で当該ケーシングの軽量化が強く要望されている。
【0006】又、本ケーシングの天板、側板は別々に製
作された上でビス止めされているため、組立作業性が低
く、その改善もまた強く要望されるところとなってい
る。
【0007】この様な問題点を解決する方法としては、
図8に示す方法がある。即ち、プレス加工により、鈑金
ケーシングの天板と側板(高さH。)とを一体的に形成
することが考えられる。本出願人は、この様なケーシン
グを「一体絞りケーシング」と呼んでいる。この方法で
は、確かにビス止め作業自体を不要とすることが可能と
なるが、ケーシングの材質自体が依然鈑金より構成され
ているため、製品重量の軽量化という課題は何ら克服さ
れていないという問題点が残る。更に、ケーシング全体
を絞る必要があるため、プレス能力が大のプレス機を必
要とする新たな問題点が生じる。実際上、係るプレス機
を製造ライン上に設けることは困難である。又、プレス
工程において深絞り加工が必要となるが、この様な加工
自体容易なものでなく、本方法によれば却って量産性を
改悪させてしまうおそれがある。従って、「一体絞りケ
ーシング」を採用することは好ましくないと言うことが
できる。
【0008】
【目的】本発明は係る要望に応えるべくなされたもので
ある。
【0009】 本発明の第1の目的は、従来のケーシ
ングの機能を維持しつつ、ケーシングの重量を軽量化す
ることにある。
【0010】 この発明の第2の目的は、ケーシング
及びその周辺機構の組立作業を簡略化して、組立作業性
の向上を図ることにある。
【0011】 この発明の第3の目的は、上記の
目的に加えて、オプション取付等の現地組立作業を簡略
化して、その低減を図ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】1) 請求項1に係る発
明は、上記目的を達成するため、次の様な構成を備え
ている。即ち、鈑金からなる天板と側板とを有するケー
シングと、側板の所定位置に取り付けられた吊り金具
と、天板から側板の高さを越えて設けられる側面部と、
底面部とを有し、ケーシングの内面側に挿入・配置され
る断熱材とを備える様にしたものである。
【0013】2) 請求項2に係る発明は、上記目的
を達成するため、請求項1に係る発明を次の様に改良
したものである。即ち、ケーシングの天板と側板とは一
体成形されたものである。
【0014】3) 請求項3に係る発明では、上記目的
をより一層押し進めるべく、断熱材の側面部と底面部
とが一体成形されたものである。
【0015】4) 請求項4に係る発明では、上記目的
を達成するため、断熱材は樹脂製であることを特徴
とするものである。
【0016】5) 請求項5に係る発明では、上記目的
を達成するため、ケーシングの側板は、吊り金具を
取り付けるための第1側板と、吊り金具を取り付けない
第2側板とを備え、第2側板の高さを第1側板の高さよ
りも低くしたものである。
【0017】6) 請求項6に係る発明では、上記目的
を達成するため、次の様な構成となっている。即ち、
天板と側板とを備えたケーシングを有する天井埋め込み
型空気調和機において、側板は吊り金具が取り付けられ
る第1側板と、吊り金具が取り付けられない第2側板と
を有し、天板と第1側板は鈑金から構成され、第2側板
は樹脂から構成されている。
【0018】7) 請求項7に係る発明では、上記目的
を達成するための構成とされている。即ち、第2側板
の外面上の所定部分に溝が形成されたものである。
【0019】8) 請求項8に係る発明では、上記目的
を達成するために、第1側板間に補強板を設けてい
る。
【0020】
【作用】1) 請求項1に係る発明では、鈑金からなる
天板と側板とを有するケーシングと、天板から側板の高
さを越えて設けられる側面部を有する断熱材との構造
は、ケーシング自体の重量を低減させる。また、ケーシ
ングは、本空気調和機を固定するための部材たる吊り金
具を取り付けるスペースを備えている。さらに、断熱材
は、ケーシングの内面側に挿入・配置されるため、ケー
シングの側板に対して露出した断熱材の部分はケーシン
グとしての機能を有している。
【0021】2) 請求項2に係る発明では、ケーシン
グの天板と側板とは一体成形されている。この構造は、
ビス止め作業等を不要とし、ケーシングの組立作業を簡
略化する。
【0022】3) 請求項5に記載の発明では、ケーシ
ングの側板は、吊り金具を取り付けるための第1側板
と、吊り金具を取り付けない第2側板とを備えており、
第2側板の高さは第1側板の高さよりも低くされている
ので、第2側板はケーシング全体の重量を低減させる。
【0023】4) 請求項6に記載の発明では、側板は
吊り金具が取り付けられる第1側板と、吊り金具が取り
付けられない第2側板とを有しており、天板と第1側板
は鈑金から構成され、第2側板は樹脂から構成されてい
るため、第2側板は軽量化され、ケーシング全体の重量
を低減させる。
【0024】5) 請求項7に記載の発明では、第2側
板の外面上の溝が形成された所定部分の厚みは、他の部
分の厚みに比して薄肉化されている。
【0025】
【実施例】
A. 実施例1 図1は、本発明の一実施例である空気調和機(室内ユニ
ット)の機械的構成図である。同図中、(a)、(b)
はそれぞれ断熱材12、ケーシング20の斜視図であ
り、(c)は組立完成された空気調和機の縦断面図であ
る。本発明の内、特徴的な部分は、上記ケーシング20
と断熱材12の構成及び吊り金具8の取付け位置にあ
る。従って、従来技術(図7)と同一符号を付した部分
については、それらの説明を省略することとし、以下、
当該特徴的部分についてのみ説明することにする。
【0026】 断熱材12 断熱材12はスチロール等の樹脂からなり、しかもその
側面部12Aと底面部12Bとが一体的に形成されてい
る。
【0027】又、側面部12Aの高さはH0 ′である。
この高さH0 ′は、後述する天板23から吹き出し口1
0までの高さH0 と次の関係にある。即ち、H0 ′=H
0 −d。ここで、記号dは天板23の厚みを示してい
る。
【0028】 ケーシング20 ケーシング20は鈑金からなり、その天板23と側板2
1,22とは一体的に形成されている。側板21,22
は、第1側板21と第2側板22とからなり、この内、
第1側板21には吊り金具8が取付けられる。
【0029】本側板21,22の高さH1 は断熱材12
の高さH0 ′よりも低く(H1 <H0 ′)、前述の高さ
0 に対し近似的にH1 =H0 /2の関係にある。この
様な高さ関係で一体形成された本ケーシング20を、出
願人は「半絞りケーシング」と呼んでいる。
【0030】尚、本例では、側板21,22の高さH1
は上記関係を満足する様に設定されているが、これに限
定されるものではない。即ち、本質的には、側板21,
22の高さH1 は、H1 <H0 の関係を満足するもので
あれば良い。
【0031】 断熱材の挿入・配置 本発明では、断熱材12は、ケーシング20の側板2
1,22、及び天板23の内面側に挿入するだけで、配
置される。挿入後のケーシング20と断熱材12の状態
は、図1(c)に示す通りである。同図に示す通り、断
熱材12の一部は第1側板21から露出する。従って、
この露出部分は、第1側板21と同一の役目を担うこと
になる。もちろん、第1側板21の内面に接した断熱材
12の部分は、従来技術と同様に断熱材としての機能を
発揮し、動作時におけるケーシング21,22,23の
結露を防止する。
【0032】又、吊り金具8は、第1側板21の縁部に
沿ってビス止めされている。尚、吊り金具8の位置(天
板23からの高さ)としては、本例の様に約半分の高さ
1の位置が設計上好ましいと言えるが、本発明はこれ
に限定されるものでもない。即ち、吊り金具8の位置
は、ケーシング側板21,22の天板23からの高さH
1 以下であれば良い。
【0033】以上の構成により、ケーシング20の重量
は従来のケーシング1(図7)よりも軽量化され、しか
もケーシング各部のビス止め作業を不要とすることが可
能となる。又、本空気調和機は、吊り金具8による固定
方法や断熱材12によるケーシング20の結露防止等の
従来の空気調和機が有していた機能をも併せ有してい
る。
【0034】B.実施例2 図2(a)、(b)は、それぞれこの発明の他の実施例
である空気調和機の断熱材12、ケーシング20Aを示
す斜視図である。本図(a)の断熱材12自身は、図1
(a)で示したものと同一である。本実施例における特
徴的部分は、ケーシング20Aの構成にある。
【0035】即ち、ケーシング20Aの天板23Aと第
1,第2側板21A,22Aとは鈑金よりなり、且つ一
体形成されているが、第2側板22Aの高さH2 は第1
側板21Aの高さH1 よりも更に低く、近似的にH2
1 /2の関係にある。係るケーシング側板の構造を採
用することにより、ケーシング重量は一層軽量化され
る。尚、第1側板21Aとは、吊り金具8が取付けられ
る側板である。一方、第2側板22Aは吊り金具8が取
付けられない側板であり、それ自身の強度は第1側板2
1に求められる強度程ではない。そのため、第2側板2
2Aの高さを第1側板21Aのそれよりも更に低くする
ことが可能となるのである。
【0036】C. 実施例3 図3は、この発明の更に他の実施例である空気調和機の
ケーシング30の構成を示す斜視図である。本実施例で
は、吊り金具8が取付けられる第1側板31と天板34
とが鈑金・一体形成されている。但し、隣り合う第1側
板31同士を連結する部分35も、一体形成される。
【0037】一方、強度アップが第1側板31程に要求
されない第2側板32,33は、それぞれ樹脂を用いて
個別に製作された上、第1側板31及び連結部35にビ
ス止めされる。尚、ビス止めされた後の第2側板33の
高さは、第1側板31の高さと同一であり、その高さは
0 である。
【0038】本実施例の構成を採用することにより、ケ
ーシング30の重量は従来のケーシング1に比して軽量
化されることは明白である。但し、本実施例では、第2
側板32,33が第1側板31及び天板34と一体形成
されていないため、新たに第2側板32,33のビス止
め作業が必要となる。しかし、従来の組立作業と比較す
る限りでは、本実施例はなお、組立作業の簡略化に寄与
し得ることは明らかである。
【0039】更に本実施例では、第2側板33の外面上
に溝36が形成されている。I−I線(図3)を含む第
2側板33の断面図を、図4に示す。同図に示す様に、
溝36が形成された第2側板33の部分の厚みは薄肉化
されている。この様な溝36を予め設けておくことは、
加湿器等のオプション取付け作業(現地組立作業)にお
いて有益である。即ち、現地組立時において、作業員
は、単に当該溝36(樹脂よりなる。)をナイフ等で切
ることによって、容易にオプション取付け用の窓を第2
側板33内に形成することができる。参考として、加湿
器13を第2側板33に取付けた状態を図6に示す。
【0040】図5は、第2側板32,33を樹脂板とし
たことによる強度不足を補うため、第1側板31間に補
強板14を設けた一例を示す図である。尚、同図は、図
3のケーシング30を備えた空気調和機を吸い込み口9
及び吹き出し口10側から見た斜視図に該当する。
【0041】
【発明の効果】
i) 請求項1乃至6に係る発明は、ケーシング全体
の重量を低減させ、空気調和機の軽量化を実現すること
ができるとともに、ケーシング及び断熱材等の周辺機
構の組立作業性を向上することができる効果を奏する。
【0042】ii) 請求項7に係る発明は、現地作業性
の改善・向上を図ることができる効果を奏する。
【0043】iii) 請求項8に係る発明は、ケーシン
グ全体の重量を低減させることに伴う強度不足を補うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である空気調和機の機械的
構成図である。
【図2】この発明の他の実施例である空気調和機の機械
的構成図である。
【図3】この発明の更に他の実施例である空気調和機の
機械的構成図である。
【図4】この発明の更に他の実施例である空気調和機の
第2側板のスリットを示す断面図である。
【図5】この発明の更に他の実施例である空気調和機の
補強板を示す説明図である。
【図6】オプションである加湿器の取付けを示す説明図
である。
【図7】従来の空気調和機の機械的構成図である。
【図8】従来の他の空気調和機の機械的構成図である。
【符号の説明】
12 断熱材 12A 側面部 12B 底面部 20 ケーシング 21,22 側板 23 天板 8 吊り金具 10 吹き出し口 21A,31 第1側板 21B,33 第2側板 36 溝 14 補強板

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鈑金からなる天板と側板とを有するケー
    シングと、 前記側板の所定位置に取り付けられた吊り金具と、前記天板から前記側板の高さを越えて設けられる 側面部
    と、底面部とを有し、前記ケーシングの内面側に挿入・
    配置される断熱材と、 を備えた天井埋め込み型空気調和機。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングの天板と側板とは一体成
    形されていることを特徴とする請求項1記載の天井埋め
    込み型空気調和機。
  3. 【請求項3】 前記断熱材の側面部と底面部とが一体成
    形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    天井埋め込み型空気調和機。
  4. 【請求項4】 前記断熱材は樹脂製であることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の天井埋め込み型
    空気調和機。
  5. 【請求項5】 前記ケーシングの側板は、 前記吊り金具を取り付けるための第1側板と、 前記吊り金具を取り付けない第2側板と、を備え、 前記第2側板の高さは前記第1側板の高さよりも低いこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の天井
    埋め込み型空気調和機。
  6. 【請求項6】 天板と側板とを備えたケーシングを有す
    る天井埋め込み型空気調和機において、 前記側板は吊り金具が取り付けられる第1側板と、 前記吊り金具が取り付けられない第2側板と、を有し、 前記天板と前記第1側板は鈑金から構成され、前記第2
    側板は樹脂から構成されていることを特徴とする天井埋
    め込み型空気調和機。
  7. 【請求項7】 前記第2側板の外面上の所定部分には溝
    が形成されていることを特徴とする請求項6記載の天井
    埋め込み型空気調和機。
  8. 【請求項8】 前記第1側板間に補強板を設けたことを
    特徴とする請求項6記載の天井埋め込み型空気調和機。
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