JP3069495B2 - 加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フロッピーディスク
センターコア用材料として好適な加工性に優れたフェラ
イト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】フロッピーディスクセンターコアに要求
される特性としては、(1) 耐摩耗性に優れていること、
(2) 磁気特性が良好であること (強磁性体であること)
、(3) プレス成形性に優れていること、(4) 耐食性が
良いことなどが挙げられる。従来、かかるフロッピーデ
ィスクセンターコア用材料としては、一般にSUS43
0のハード仕上げ材が用いられてきた。しかしながら、
この種コアは、その製造過程において苛酷な絞り加工を
強いられるため、上記のSUS430鋼板を用いた場合
には、プレス成形時に図1に示すような圧延方向と直角
な向きの割れがしばしば発生する。
【0003】上記の問題の解決策として、特開昭63-143
87号公報では、鋼組織をフェライト−マルテンサイト2
相組織 (マルテンサイト量:30〜95%) とし、所定の硬
さとして延性の改善を図る方法を提案している。また特
開昭64-19570号公報には、Si, Ni含有量を高くし冷間圧
延−焼鈍処理後のハード圧延の圧下率を軽減することに
よって延性を確保する方法が、さらに特開平3−240936
号公報には、Si, Mn, Cr, Ni含有量を高め、同じく冷間
圧延−焼鈍処理後のハード圧延における圧下率を軽減し
て延性を確保する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
鋼組織をフェライト−マルテンサイト2相組織とする方
法では、加工性は改善されるものの、マルテンサイト量
が30〜95%と多いことから、耐食性に劣るという問題が
あった。また、後者のSi, NiさらにはCr等の合金元素を
添加する方法では、高価な合金元素を多量に必要とする
ことからコストの上昇を招くという問題があった。そこ
でこの発明の目的は、上記の問題を有利に解決するもの
で、安価で、SUS430系と同等の耐食性をそなえ、
かつ耐摩耗性、さらには加工性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼板を、その有利な製造方法と共に提案するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】フロッピーディスクセン
ターコアには、耐摩耗性の観点からビッカース硬さ(H
v)で 220±10程度の高硬度が要求される。この硬さを
得る手段としては、(1) 合金元素を高め、素材を硬くす
る、(2) 調質圧延の圧下率を高める等の方法がある。し
かしながら、ハード化のために調質圧延の圧下率を高く
すると延性が低下するため、フロッピーディスクセンタ
ーコアのプレス成形時に割れとくに圧延方向と直角な方
向の割れが発生し易くなる。
【0006】従って、所望の目的を達成するためには、
上記(1), (2)を考慮した合金設計および圧下率設定が重
要である。そこで発明者らは、上記の点を念頭におい
て、新たな素材を開発すべく鋭意研究を進めた結果、Mn
およびSi量ならびにそれらの比を所定の範囲に制限して
やれば、とくに多量の合金元素を必要とせず、また比較
的低圧下率で所望の硬さを確保できることの知見を得
た。この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0007】すなわち、この発明の要旨構成は、以下の
とおりである。 (1) C:0.07〜0.10wt%、 Cr:16〜18wt%を含み、か
つSi:0.50〜0.75wt%、 Mn:0.30wt%以下を、Mn/Si
≦0.50の範囲において含有し, 残部はFeおよび不可避的
不純物からなることを特徴とする加工性に優れたフェラ
イト系ステンレス鋼板。
【0008】(2) C:0.07〜0.10wt%、 Cr:16〜18wt
%を含み、かつSi:0.50〜0.75wt%、 Mn:0.30wt%以
下を、Mn/Si≦0.50の範囲において含有し, 残部はFeお
よび不可避的不純物の組成になる熱延板を、冷間圧延し
た後、焼鈍し、ついで圧下率:6〜15%の調質圧延を施
すことを特徴とする加工性に優れたフェライト系ステン
レス鋼板の製造方法。
【0009】
【作用】この発明において、素材の成分組成および製造
条件を上記の範囲に限定したのは次の理由による。 C:0.07〜0.10wt%;Cは、素材の強化に有効な元素で
あり、含有量が0.07wt%に満たないと機械的強度が十分
ではなく、一方0.10wt%を超えると結晶粒界への炭化物
の析出量が増加し、靱性および耐食性の劣化を招くの
で、0.07〜0.10wt%の範囲に限定した。
【0010】Cr:16〜18wt% Crは、耐食性の向上に必要な元素である。その効果を得
るには少なくとも16wt%以上が必要であるが、18wt%を
超えると材料のコストアップを招くので、Crの添加量は
16〜18wt%の範囲に限定した。
【0011】Si:0.50〜0.75wt%;Siは、強化成分とし
て極めて有効な元素であるが、含有量が0.50wt%に満た
ないと満足いくほどの強度が期待できず、一方、0.75wt
%を超えると材料のコストアップを招く不利があるの
で、Si:0.50〜0.75wt%の範囲に限定した。
【0012】Mn:0.30wt%以下;Mnも、Si同様、素材の
強化に有効な元素であるので、この発明では所望の強度
を確保するために、0.30wt%以下(好ましくは0.10〜0.
30wt%)の範囲で含有させるものとした。
【0013】Mn/Si≦0.5 ; ところでMnは、介在物の形態に重要な役割を果たす元素
であるが、この介在物の形態は加工性に及ぼす影響が殊
の外大きく、圧延方向に延びたA系介在物が存在すると
加工性が著しく劣化する。この点、Mn含有量を0.30wt%
以下に抑制した上でMn/Si比を0.50以下とすれば、圧延
方向に延びるMnO-SiO2介在物の生成を抑制され、介在物
の形態を加工性に悪影響の少ないSiO2として加工性の改
善を図ることができる。従って、この発明ではMn, Si量
につき、上記の各範囲を満足した上で、Mn/Si≦0.50を
満足する範囲で含有させるものとしたのである。
【0014】なお、この発明では、不純物としてP,
S,Cu,Ni,Al,NおよびO等の含有が許されるが、そ
の含有量はそれぞれ、P≦0.040 wt%、S≦0.030 wt
%、Cu≦0.50wt%、Ni≦0.50wt%、Al≦0.150 wt%、N
≦0.050 wt%、O≦0.080 wt%とするのが望ましい。
【0015】・調質圧下率:6〜15%;図2に、上記の
好適組成範囲を満足する鋼板を製造したときの、ハード
化のための調質圧延における圧下率と鋼板のHvとの関係
を、また図3には、HvとC方向伸びとの関係について調
べた結果を従来材と比較して示す。なお、これらの実験
の供試材の化学組成は、本発明材がC:0.08 wt% ,Cr:1
6.22wt%,Si:0.64wt% ,Mn :0.30wt% ,P:0.033 wt%,
S:0.005 wt%,Ni:0.06wt%,Al:0.001 wt%,Mn/Si:0.47
、従来材がC:0.06 wt% ,Cr:16.25wt%,Si:0.32wt%
,Mn :0.65wt% ,P:0.035 wt%, S:0.007 wt%,Ni:0.08
wt%,Al:0.001 wt%,Mn/Si:2.03 であった。図2および
図3から、従来材では、フロッピーディスク・センター
コアとしてその耐摩耗性の点から必要とされるHv : 220
±10を得るには25〜45%の圧下率で圧延しなければなら
ないが、かかる圧下率で得られる鋼板のC方向伸びは
1.0%と極めて小さいことがわかる。これに対し、この
発明材では、所望のHvを得るのに必要な圧下率は6〜15
%であり、このとき得られるC方向伸びは6〜12%にも
達する。
【0016】このように、この発明材は、軽圧下で所望
のHvが得られ、この時のC方向のElは従来材に較べると
格段に優れているので、過酷なプレス成形時においても
割れの発生を皆無にすることができる。そこで、この発
明では、製造工程中、とくにハード化のための調質圧延
における圧下率を6〜15%の範囲に限定したのである。
【0017】その他の、製造条件は、常法に従えば良
く、特に限定されるものではない。
【0018】かくして耐摩耗性および加工性に優れたフ
ェライト系ステンレス鋼板を得ることができるが、この
鋼板は、その用途がフロッピーディスクセンターコア用
材料のみに限られるものではなく、厳しい成形加工を必
要とする用途すべてに適合することは言うまでもない。
【0019】
【実施例】表1に示す成分組成になる熱延板を、圧下
率:67%で板厚:0.36mmまで冷間圧延し、ついで780 〜
850℃で焼鈍した後、種々の圧下率でハード化のための
調質圧延を施した。得られた各鋼板の硬さならびにL方
向およびC方向伸びについて調査した結果を表1に併記
する。なお用いた試験片はJIS Z2201 13B
号である。
【0020】
【表1】
【0021】同表から明らかなように、この発明に従い
得られた鋼板はいずれも、Hvが220前後の適正な硬度で
あり、さらにL方向伸びは勿論、C方向伸びについても
6.4%以上の高い値を有している。これに対し、C量が
0.05wt%とこの発明の適正範囲を下回るNo.6は、C方向
伸びは 9.7%と高かったけれども、Hvが 198とやや低
い。また、Mn量が多く従ってMn/Si比が0.67と適正範囲
の上限を上回るNo.8は、Hvは 223と良好であったが、C
方向伸びが 3.6%と低い。さらに、C量が多く、またMn
量が多く従ってMn/Si比が高いNo.9, 10, 11はいずれ
も、適正なHvがが得られていないだけでなく、C方向伸
びも 1.5〜2.0 %と極めて低い。
【0022】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、多量の合金
元素を必要とすることなく安価に、耐摩耗性および加工
性に優れたフェライト系ステンレス鋼を得ることがで
き、特にフロッピーディスクセンターコア用材料として
偉効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロッピーディスクセンターコアにおける割れ
の発生状況を示す図である。
【図2】調質圧延圧下率とHvとの関係を示すグラフであ
る。
【図3】HvとC方向伸びとの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−176158(JP,A) 特開 平4−371518(JP,A) 特開 平3−240936(JP,A) 特開 平1−19570(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 302 C21D 7/02 C21D 9/46 C22C 38/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.07〜0.10wt%、 Cr:16〜18wt%を
    含み、かつSi:0.50〜0.75wt%、 Mn:0.30wt%以下
    を、 Mn/Si≦0.50の範囲において含有し, 残部はFeおよび不
    可避的不純物からなることを特徴とする加工性に優れた
    フェライト系ステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】C:0.07〜0.10wt%、 Cr:16〜18wt%を
    含み、かつSi:0.50〜0.75wt%、 Mn:0.30wt%以下
    を、 Mn/Si≦0.50の範囲において含有し, 残部はFeおよび不
    可避的不純物の組成になる熱延板を、冷間圧延した後、
    焼鈍し、ついで圧下率:6〜15%の調質圧延を施すこと
    を特徴とする加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼
    板の製造方法。
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KR101614614B1 (ko) * 2014-10-22 2016-04-22 주식회사 포스코 고강도, 고연성의 페라이트계 스테인리스 강판 및 그의 제조방법

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