JP4408386B2 - 結晶粒の微細な複合組織高張力鋼 - Google Patents

結晶粒の微細な複合組織高張力鋼 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延によって製造される鋼製品(薄鋼板、厚鋼板、線材、形鋼、棒鋼、鋼管など)において、その基本特性たる強度、靭性、延性に優れた、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼に関するものである。
近年、鋼製品の軽量化、鋼構造物の使用条件の過酷化にともない、より強靭で安全性の高い鋼の開発が求められている。
この様な要求に対し、従来、鋼板の製造方法を改善して、金属組織の微細化(結晶粒の細粒化)を図り、鋼の強度、靭性を改善するための圧延方法が開発されてきた。この様な方法の例としては、いわゆる制御圧延法が上げられ、加速冷却法と組み合わせた製造法として、特許文献1や特許文献2などに開示されている。
また、より結晶粒を微細化する方法として、制御圧延法に比較してさらに低温かつ大歪で行うなどの方法が提案され、結晶粒を1μm以下に顕著に微細化できることが、特許文献3、特許文献4などに開示されている。
特開昭63−223124号公報 特開昭63−128117号公報 特開平11−032348号公報 特開2000−104115号公報
しかし、上記の特許文献1、2に記載の発明で得られるフェライトの粒径は小さいといってもせいぜい5μm程度である。
また、上記特許文献3、4に記載の発明は、結晶粒の微細化のみに着目したものであった。従って、非常に微細な結晶粒を有する鋼という新しいコンセプトに対して、機械的特性の向上を目的とし、最も望ましい金属組織状態が実現できていない。
そこで、超細粒鋼に最も適当な混合組織状態や析出物などの金属組織状態を解明し、これを実現することが求められている。
本発明は、特性向上の観点から最も適当な混合組織状態や析出物などの金属組織状態を有する、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、超細粒鋼における細粒組織の形成機構や特性について吟味し、以下の発明を創案した。
(1) 質量%で、
C :0.001〜0.75%、 Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.1〜5.0%、 Cu:0.1〜3.0%、
Al:0.001〜0.1%、 N :0.001〜0.1%
Ti:0.001〜0.3%
を満たす成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で、その金属組織が体積%で50〜95%のフェライトと残部がマルテンサイトまたは焼き戻しマルテンサイトの混合組織であって、各々の粒径が平均直径で2μm以下であり、かつ、平均直径で5nm以上のCuの金属系析出物を体積%で、0.1〜3.0%含有することを特徴とする、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
(2) さらに質量%で、
b:0.001〜0.3%、 V :0.001〜0.3%
のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
(3) さらに質量%で、
Ni:0.01〜5.0%、 Cr:0.01〜3.0%、
Mo:0.01〜1.0%、 B :0.0001〜0.003%
のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
(4) さらに質量%で、
REM:0.001〜0.10%、Ca:0.0003〜0.0030%
のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
(5) 質量%で、
C :0.001〜0.75%、 Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.1〜5.0%、 Cu:0.1〜3.0%、
Al:0.001〜0.1%、 N :0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.3%
を満たす成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で、その金属組織が体積%で50〜95%のフェライトと残部がマルテンサイトまたは焼き戻しマルテンサイトの混合組織であって、各々の粒径が平均直径で2μm以下であり、かつ、平均直径で5nm以上のCuの金属系析出物を体積%で、0.1〜3.0%含有することを特徴とする、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
(6) さらに質量%で、
Nb:0.001〜0.3%、 V :0.001〜0.3%
のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、上記(5)に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
(7) さらに質量%で、
Ni:0.01〜5.0%、 Cr:0.01〜3.0%、
Mo:0.01〜1.0%、 B :0.0001〜0.003%
のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(5)または(6)に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
(8) さらに質量%で、
REM:0.001〜0.10%、 Ca:0.0003〜0.0030%
のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、上記(5)ないし(7)のいずれか1項に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
(9) 板厚が3〜10mmであることを特徴とする、上記(5)ないし(8)のいずれか1項に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
本発明によれば、降伏強度×全伸びの値が14000MPa・%を超えるような、強度が高く、延性に優れた、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼を得ることができる。その結果、近年の鋼製品の軽量化、鋼構造物の使用条件の過酷化にともない、より強靭で安全性の高い鋼の需用にも有利に応えることができるため、産業上の効果は計り知れない。
以下、本発明について説明する。
まず、細粒鋼の機械的特性について考察してみると、以下のようになるものと考えられる。
結晶粒径が微細化すると降伏強度(YS)が増加する。一方、引張強度(TS)も増加するが、その増加の程度は降伏強度の増加に比較して小さい。このため、結晶粒径が1μm程度以下にまで顕著に微細化すると、降伏強度と引張強度がほぼ同等となってしまい塑性不安定性が発現するために、加工硬化することなく破断に至る。
このような細粒鋼の引張特性における均一伸びを改善するためには、比較的に大きな硬質相を細粒組織内に分散させ、降伏強度をあまり上昇させることなく、引張強度を上げて、細粒組織においても十分な加工硬化を現出させてやることが必要である。
しかしながら、このような硬質相の分散は加工硬化を増加させることによって、均一伸びを増加させることが予想されるが、硬質相周囲に歪みが集中するために局部延性を劣化させ、局部伸びを減少させる可能性がある。従って、局部延性を劣化させずに引張強度を上昇させて、均一伸びを現出させトータルな伸び特性を改善する金属組織状態を実現することが望まれる。
そこで本発明者らは、上記のような結晶粒が1μm程度以下に微細化した細粒鋼の組織状態と引張特性の関連を吟味し、強度を低下させることなく延性を良好とする、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼を創案した。
本発明の根幹となる技術的思想の要点は以下の通りである。
(1)フェライトの微細化
フェライトは、変態や再結晶などの現象を極限的に利用することによって、その結晶粒径を直径で1μm以下に微細化できる。このとき、結晶粒径を1μm以下まで微細化することによって得られる降伏強度および引張強度は概ね700MPa以上であり、結晶粒径2μm以下では500MPa以上である。一方、同一の成分系での従来鋼の粒径の下限は5μm程度であり、その場合の引張強度は350MPa程度であることを考慮すれば、細粒化による強化を十分に享受するためには、2μm以下の結晶粒径が必要である。
(2)硬質相の存在
次に、上記したような細粒組織中に分散させるべき硬質相は、母相の微細フェライト組織との硬度差が大きい程良い。このような観点から実際の実験結果を見ると、硬質相はマルテンサイトおよび焼き戻しマルテンサイトが好ましいことが判った。
硬質相としては、当然、母相であるフェライトの硬度(ビッカース硬さ200程度)以上であることを考えると、ビッカース硬さ220程度であるパーライトやそれと同等の硬さであるベイナイトは、硬質相としてあまり相応しくないことが判る。このような硬質相の存在により、細粒組織鋼においては、降伏強度の増加に比較して引張強度が顕著に増加し、均一伸びの改善が認められた。
このような硬質相による均一伸びの改善は、硬質相の硬さ及び母相中での存在量が支配的であり、硬質相の結晶粒径にはあまり依存しないことが判った。また、このとき硬質相の量は概ね体積分率で5%以上50%以下の範囲で良好な均一伸びの改善が認められた。
(3)硬質相の分散状態
次に、硬質相の分散状態については、局部延性の観点から調査した結果、硬質相の結晶粒径が小さいほど局部延性の低下が抑制されることが判った。さらに、このような硬質相による局部延性の劣化は、硬質相の分散間隔が母相の結晶粒径以上になる場合に顕著に現れることが判明した。これは、延性破壊の起点が結晶粒界から硬質相−母相界面に変化するためと考えられる。超微細粒鋼の場合には1μm以下の分散状態が好ましいものと考えられ、このような観点から、顕著に局部延性の劣化を抑制可能な硬質相のサイズとして、母相の結晶粒径と同程度以下の2μm以下が好ましいことが判った。
しかし、このような硬質相の分散状態は硬質相の体積分率との関係で決定されるべきであるが、均一伸び改善の目的から、硬質相の体積分率は5%以上50%以下の範囲が好ましいことを先に述べた。このような体積分率の範囲においては、硬質相同士が接触する程稠密に分布しないので、硬質相の直径を概ね2μm以下に微細化しておけば、細粒鋼の局部延性を劣化させることがなく、良好なトータル伸び(全伸び)を確保するに至ること判ったのである。
(4)Cu析出物による微細化と強化
次に、上記したような微細硬質相を分散した細粒組織鋼において、Cuを添加することは特別に有効な延性を損なわない強化方法であることが判った。その析出相を利用することによって、母相である微細組織の結晶粒をより微細化し、細粒化強化を促進するとともに、析出相自身による析出強化が得られる。
このような強化では延性をあまり損なわない点について考察すると、Cu添加による強化は、上に述べたように母相の細粒化強化とCuの析出相による析出強化の2者であり、これらはいずれも延性の劣化の抑制に有効であると考えられるからである。
まず、結晶粒の細粒化は、他の強化機構に比較して局部延性をあまり劣化させないと考えられていることによる。
また、後者はCuの析出相が金属Cuであるという特殊性に基づいている。これは、以下のように考えられる。
Cuの析出相は、鋼中の析出相としては他にはない母相より柔らかい面心立方構造の金属Cuである。従って、加工初期の歪み量が小さい場合には、Cu析出相の結晶構造が母相の鉄(体心立方構造)とは異なるので、母相中を移動してきた転位はCu析出相中に進入せず移動を抑制するので、転位のピン止めによって析出強化が得られる。
しかし、加工が進み歪み量が増加すると析出相周囲に蓄積した転位が増加し、析出相は強い応力を受けることとなる。この様な状況では、通常の硬質な析出物が全く変形せず、応力が増加し続け、やがて破壊応力に達して亀裂が発生するのに対して、Cu析出相の場合には、その前に変形が始まり、析出相周囲に亀裂が発生することを抑制するものと考えられる。
しかし、このような微細Cu析出物による強化は、引張強度の増加に比較して降伏強度の増加の程度が大きく、超微細粒鋼の場合には、そもそも微細化強化により顕著に降伏強度が上昇し、引張試験における加工硬化が小さく均一伸びが小さい傾向にあるので、この降伏強度の上昇を極端に大きくすることは延性改善の観点から回避しなければならない。 このためには、Cu析出物の分散間隔をある値以上に確保する必要があり、その条件を実験的に検討した結果、析出Cuの体積分率として、3%未満、析出物サイズとして5nm以上のサイズであることが必要であることが判明した。
Cu析出物の利用は、顕著な析出強化を得ると共に、細粒鋼の結晶粒径を一層微細にする。この析出を上記範囲で適度に制御することにより、細粒鋼をさらに高強度としながら、弱点である延性の劣化を有利に回避できることが判ったわけである。
上記したような発見に基づき、本発明の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼の満たすべき成分、組織条件を明確にした。
まず、各成分、組織状態の限定の理由について以下に述べる。
Cは、鋼の強化を行うのに有効な元素であり、0.001%未満では強度を得るための量が十分でない。一方、その含有量が0.75%を超えると溶接性を顕著に劣化させる。そこでC含有量は0.001〜0.75%とする。
Siは、脱酸元素として、また鋼の強化元素として有効であるが、0.01%未満の含有量ではその効果がない。一方、0.5%を超えると鋼の表面性状を損なう。そこでSi含有量は0.01〜0.5%とする。
Mnは、鋼の強化および焼き入れ性を向上させ圧延前の組織を適正に導くのに有効な元素であり、0.1%未満では十分な効果が得られない。一方、その含有量が5.0%を超えると鋼の加工性を劣化させる。そこでMn含有量は0.1〜5.0%とする。
Cuは、上記説明したように、鋼中において金属Cu(FCC構造)の析出相を形成し、微細組織の形成の促進や延性の劣化を抑制した析出強化が得られるため添加する。このような効果は、その含有量が0.1%未満では得られない。一方、その含有量が3.0%を超えると鋼の熱間加工性などを劣化させる。そこでCu含有量は0.1〜3.0%とする。
Ti,NbおよびVは、結晶粒の微細化と析出強化の面で有効に機能するので靭性を劣化させない範囲で使用しても良い。このような観点からその添加量の上限をそれぞれ0.3%とする。また、その添加量の下限をそれぞれ0.001%とするのは、これ未満では効果がないからである。そこで、Ti,NbおよびVの添加量は、それぞれ0.001〜0.3%とする。
Ni,Cr,Mo,Bは、いずれも鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、本発明の場合、その添加により鋼の強度を高めることができる。しかし、過度の添加は鋼の靭性および溶接性を損なうため、Ni:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜3.0%、Mo:0.01〜1.0%、B:0.0001〜0.003%に限定する。Ni,Cr,Moのそれぞれの下限を0.01%、Bの下限を0.0001%としたのは、これ未満では効果がないからである。
REM,CaはSの無害化に有効であるが、添加量が少ないとその効果が無く、また過度の添加は靭性を損なうため、REMについては0.001〜0.10%、Caについては0.0003〜0.0030%に限定する。
Al,Zr,Ta,Hfは脱酸元素あるいは炭窒化物形成元素として添加されるが、それぞれ0.001%未満の含有量ではその効果がなく、Alについては0.1%、Zr,Ta,Hfについては0.3%を超えると、鋼の靱性や表面性状を劣化させる。そこで、Alについては0.001〜0.10%、Zr,Ta,Hfについてはそれぞれ0.001〜0.30%とする。
Nは、TiおよびAl,Zr,Ta,Hfと窒化物を形成し、オーステナイトの細粒化及びフェライトの再結晶粒の微細化に有効に作用するため靭性を劣化させない範囲で添加する。このような観点からその上限を0.1%、下限を0.001%とする。
その他、不可避的不純物であるP,Sの含有量は、延性確保の観点から、それぞれ0.02%以下、0.008%以下が好ましい。
次に、本発明の細粒鋼の満たすべき組織条件の限定の理由について述べる。
本発明の要点は、以下の点にある。
(1)2μm以下の平均結晶粒径のフェライトを50〜95%含有する。
(2)上記の残部5〜50%は平均結晶粒径2μm以下のマルテンサイトもしくは焼き戻 しマルテンサイトの分散組織とする。
(3)さらに、好ましくは、体積分率で0.1%以上3.0%以下のCuの金属析出物を 平均粒径で5nm以上のサイズで分散した組織とする。
上記の限定の理由は、まず、フェライトの結晶粒径が2μm超では鋼の強度が十分とならないからである。結晶粒径を1μm以下まで微細化することによって得られる降伏強度および引張強度は概ね700MPa以上であり、結晶粒径2μm以下では500MPa以上であった。一方、同一の成分系で従来鋼の粒径の下限が5μm程度である場合の引張強度が350MPa程度であることを考慮すれば、細粒化による強化を十分に享受するためには、2μm以下の結晶粒径が必要なのである。
次に、微細なフェライト以外の金属組織の残部をマルテンサイトもしくは焼き戻しマルテンサイトとするのは、以下のような理由による。
一般に、細粒鋼では結晶粒微細化による降伏強度の上昇が顕著で、降伏強度と引張強度が同等となり、加工硬化が起こらないために引張試験における均一伸びが極めて小さいという欠点がある。これを打開するためには、細粒組織中に硬質の金属組織を分散させることが必要である。このような硬質相は、母相の微細フェライト組織との硬度差が大きい程良い。
マルテンサイトは、含有する炭素量によって400〜800程度のビッカース硬さを示す。焼き戻しマルテンサイトも同様に、ビッカース硬さ250〜500程度の硬質相である。母相であるフェライトのビッカース硬さが200程度であることを考えると、ビッカース硬さ220程度であるパーライトやそれと同等の硬さであるベイナイトは、硬質相としてあまり相応しくない。そこで硬質相としては、マルテンサイトもしくは焼き戻しマルテンサイトに限定した。
また、硬質相の体積率を5〜50%(フェライト相50〜95%)としたのは、硬質相の体積率が5%未満では、硬質相による引張強度上昇の効果が少なく均一伸びを改善できないからであり、50%以下と限定するのは、50%を超えると硬質相が互いに極めて隣接するか、連結するようになり、鋼の降伏強度が顕著に上昇し、同様に均一伸びを改善できなくなるからである。
このような硬質相の効果は硬質相のサイズにあまり依存しないが、硬質相分率一定のもとで硬質相の平均結晶粒径が大きくなると、硬質相の分散間隔がフェライトの結晶流サイズに比較して十分大きくなり、延性破壊の起点となるため、局部延性ひいては全伸びを低下させる。そこで硬質相の平均結晶サイズは、硬質相の分散間隔がフェライト結晶粒と同等となる2μm以下と限定した。
次に、Cu析出物の状態について述べる。
Cuの析出相を利用することによって、母相であるフェライト微細組織の結晶粒をより微細化し、細粒化強化を促進するとともに、析出相自身による析出強化が得られる。なお、このような強化では延性をあまり損なわないことを先に述べた。しかし、このような微細Cu析出物による強化は、引張強度の増加に比較して降伏強度の増加の程度が大きく、超微細粒鋼の場合には、そもそも微細化強化により顕著に降伏強度が上昇し、引張試験における加工硬化が小さく均一伸びが小さい傾向にあるので、この降伏強度の上昇を極端に大きくすることは延性改善の観点から回避しなければならない。
このためには、Cu析出物の分散間隔をある値以上に確保する必要があり、その条件を実験的に検討した結果、析出Cuの上限体積分率として3.0%以下とした。3.0%を超える体積分率では、降伏強度の増加が過度となり、鋼の均一伸びを著しく低下させる。 また、Cu析出物の体積分率下限を0.1%としたのは、これ未満では効果がないからである。また同様に、実験的にCu析出物サイズが5nm未満となると、降伏強度の上昇が過度に大きくなり、延性が劣化した。このことから、Cu析出物のサイズについては5nm以上と限定する。なお、Cu析出物サイズの上限については、細粒化効果および強化の効果が観られるのは概ね100nm程度であったが、その他の効果が失われることがなかったので、上限は規定しない。
次に、実施例によって本発明の有効性を示す。
表1は、実施例の鋼の成分を示すものである。なお、表中で下線をつけて示した番号の鋼は比較鋼であることを示しており、本発明に一致しない項目に下線をつけて示してある。
次に表2〜4には、このような成分の鋼を用い種々の製造条件で製造した本発明鋼及び比較鋼について得られた金属組織状態(各組織体積分率と結晶粒径、金属Cu析出物体積率と粒径)、降伏強度(YS)、引張強度(TS)、降伏比、均一伸び、全伸びを示す。 また、本発明の狙いは強度(降伏強度)が高く、延性に優れた鋼とすることであり、この指標として降伏強度(MPa)×全伸び(%)の値を示した。概ね、これらの積が14000MPa・%を超えるものを優れた特性を有するものと考えられる。
なお、今回示した実施例はいずれも板厚が3〜10mmの鋼材であり、その製造に当たっては、フェライトの再結晶を用いた加工熱処理で作成した。
代表的製造方法は、板厚100mmの素材を1400℃に加熱し、一度、室温まで水冷する。次にこの素材を700℃に加熱し、圧延機を用いた3〜8パスの連続する圧延によって板厚3〜10mmに圧延する。圧延終了後は直ちに室温まで水冷した。この際、フェライト結晶粒径は圧延温度を制御することによって実施する。
また、マルテンサイト分率と結晶粒径は、上記圧延によって製造した鋼板を700〜850℃のフェライト−オーステナイト2相域の種々の温度に加熱し、水冷する一連の熱処理の中で、その熱処理温度および保持時間を制御することによって作り分けた。Cu析出物のサイズについても同様に熱処理によって作り分けた。また、場合によっては圧延の温度あるいは圧延に先立って行う再加熱温度の制御だけによって製造したものもある。
表2〜4によれば、いずれの鋼の場合も本発明法の要件を満たす鋼は強度、延性に優れ、いずれも降伏強度×全伸びの値が14000MPa・%以上となっており、良好な特性を有する。これに対し、本発明の要件を満たさない鋼では、十分な降伏強度が得られないか、均一伸びもしくは局部延性の劣化に基づく全伸びの低下によって、降伏強度×全伸びの値は低い。
以上のことより、本発明の結晶粒の微細な混合組織鋼は、強度、延性に優れていることが明らかであり、本発明は有効であることが判る。
Figure 0004408386
Figure 0004408386
Figure 0004408386
Figure 0004408386

Claims (9)

  1. 質量%で、
    C :0.001〜0.75%、
    Si:0.01〜0.5%、
    Mn:0.1〜5.0%、
    Cu:0.1〜3.0%、
    Al:0.001〜0.1%、
    N :0.001〜0.1%
    Ti:0.001〜0.3%
    を満たす成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で、その金属組織が体積%で50〜95%のフェライトと残部がマルテンサイトまたは焼き戻しマルテンサイトの混合組織であって、各々の粒径が平均直径で2μm以下であり、かつ、平均直径で5nm以上のCuの金属系析出物を体積%で、0.1〜3.0%含有することを特徴とする、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
  2. さらに質量%で、
    Nb:0.001〜0.3%、
    V :0.001〜0.3%
    のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
  3. さらに質量%で、
    Ni:0.01〜5.0%、
    Cr:0.01〜3.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、
    B :0.0001〜0.003%
    のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
  4. さらに質量%で、
    REM:0.001〜0.10%、
    Ca :0.0003〜0.0030%
    のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼。
  5. 質量%で、
    C :0.001〜0.75%、
    Si:0.01〜0.5%、
    Mn:0.1〜5.0%、
    Cu:0.1〜3.0%、
    Al:0.001〜0.1%、
    N :0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.3%
    を満たす成分を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で、その金属組織が体積%で50〜95%のフェライトと残部がマルテンサイトまたは焼き戻しマルテンサイトの混合組織であって、各々の粒径が平均直径で2μm以下であり、かつ、平均直径で5nm以上のCuの金属系析出物を体積%で、0.1〜3.0%含有することを特徴とする、結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
  6. さらに質量%で、
    Nb:0.001〜0.3%、
    V :0.001〜0.3%
    のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、請求項5に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
  7. さらに質量%で、
    Ni:0.01〜5.0%、
    Cr:0.01〜3.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、
    B :0.0001〜0.003%
    のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項5または6に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
  8. さらに質量%で、
    REM:0.001〜0.10%、
    Ca :0.0003〜0.0030%
    のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
  9. 板厚が3〜10mmであることを特徴とする、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の結晶粒の微細な複合組織高張力鋼板。
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