JP3068365U - 人造毛皮 - Google Patents

人造毛皮

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JP3068365U
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JP1999006890U
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政幸 鈴木
勝英 真部
敏和 鈴木
英吾 中嶋
幸正 中村
Original Assignee
株式会社鈴寅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立毛部分が嵩高性に富み、ソフトであ
ると共に、天然の毛皮同様の柔らかい光沢を有し、かつ
合成繊維製でありながら手触りがワクシー感でなく、ド
ライタッチで、着用時に静電気を帯電し難い人造毛皮を
提供する。 【解決手段】 編織物の片面に合成繊維からなる立毛
を形成した人造毛皮において、上記の立毛が刺し毛12
と綿毛とからなり、刺し毛12の表面に浮く先端部分の
少なくとも片面が金属膜14で被覆され、該金属膜14
は刺し毛12の先端から下に向かって膜厚が薄くなる厚
み勾配を備えており、厚み最大の先端で銀灰色または透
明な光沢を表わし、先端から下がるにしたがい光沢を失
って黒くなり、次第に立毛繊維の本体色が表れるもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、天然毛皮と同様の光沢を有し、着用時に静電気を帯電しない人造毛 皮に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人造毛皮として、編織物の片面に長さの異なる少なくとも2種の立毛を合成繊維 で形成し、長い方の刺し毛で表面を被覆し、短い方の綿毛で上記刺し毛の基部を 支持するようにしたものが知られている。この人造毛皮は、立毛長さを異にする 刺し毛と綿毛が混在するため、立毛部分が嵩高性に富み、ソフトであるが、天然 の毛皮に比べて光沢に乏しく、かつ手触りが合成繊維独特のワクシー感を有し、 かつ着用時に静電気を帯電するという問題があった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
この考案は、立毛部分が嵩高性に富み、ソフトであると共に、天然の毛皮同様の 柔らかい光沢を有し、かつ手触りがワクシー感でなく、ドライタッチで、静電気 を帯電しない人造毛皮を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この考案に係る人造毛皮は、編織物の片面に合成繊維からなる立毛を形成した人 造毛皮において、上記の立毛が刺し毛と綿毛とからなり、上記刺し毛の表面に浮 く先端部分の少なくとも片面が金属膜で被覆され、該金属膜は刺し毛の先端から 下に向かって膜厚が薄くなる厚み勾配を備えており、厚み最大の先端で銀灰色ま たは透明な光沢を現し、先端から下がるにしたがい光沢を失って黒くなり、次第 に立毛繊維の本体色が現れるものであることを特徴とする。
【0005】 立毛の形成は、合成繊維の紡績糸を用いて編織物を編織し、これを針布等で起毛 してもよく、また合成繊維の紡績糸またはマルチフィラメント糸をパイル糸に用 いてパイル布帛を編織するか、基布にタフティングするかしてパイル先端を切断 し、得られたカットパイルを立毛としてもよい。上記の紡績糸からなる編織物を 起毛した場合は、それだけで長さの異なる立毛が得られる。また、紡績糸をパイ ル糸に用いてカットパイルを形成しても、切断端側の短繊維が脱落して長さの異 なる立毛が得られる。また、合成繊維のマルチフィラメント糸をパイル糸に用い る場合は、あらかじめ熱収縮率の高い繊維を混ぜてパイル糸とし、カットパイル 形成後の熱処理(染色工程を含む)で熱収縮率の高い繊維を収縮させても、長さ の異なる立毛が得られる。更に、紡績糸のパイル糸に熱収縮率の高い繊維を混在 させることもできる。
【0006】 この人造毛皮では、長さの異なる立毛すなわち刺し毛と綿毛が混在し、基布に近 い深部では立毛が密集し、基布から離れた表面側では刺し毛のみとなって密度が 粗くなり、全体として嵩高でソフトな感触が得られる。そして、刺し毛の先端部 が金属膜で被覆されるが、この金属膜が厚み勾配を有しており、厚み最大の先端 部が銀灰色または透明な光沢を備え、先端から下がるにしたがい、黒色になって 光沢が消え、更に立毛本来の繊維色に変化するため、キラキラした金属光沢の感 じがなく、天然の毛皮と同様に柔らかい光沢を示し、この光沢は見る角度によっ て変化する。また、刺し毛の先端が金属膜で被覆されることにより、手を触れた 際、合成繊維特有のワクシー感がなく、ドライ感を与え、かつ静電気を帯電しな い。
【0007】 上記の立毛を構成する合成繊維は、染色が容易なポリエステル繊維、ナイロン繊 維およびアクリル系繊維等が好ましいが、特に風合いの点でアクリル系繊維、す なわちアクリル繊維、改質アクリル繊維およびモダクリル繊維等が好ましい。中 でもモダクリル繊維は、ポリッシャー仕上げが可能な点で最も好ましい。なお、 上記の立毛を構成する繊維の繊度は、刺し毛で2〜20デニール、綿毛で0.1 〜2デニールがそれぞれ好ましい。上記の刺し毛の立毛長さ(基布表面から先端 までの長さ)は、10〜100mmが好ましく、10mm未満では毛皮らしさが薄れ 、反対に100mmを超えると刺し毛が乱れ易く、好ましくない。
【0008】 上記の立毛中、刺し毛の先端部が金属膜で被覆される。この被覆に際しては、被 膜強度の点でスパッタリング法、イオンプレーティング法またはイオンビーム法 等が採用される。特にスパッタリング法は、操作が比較的容易な点で好ましい。 そして、金属としては、入手が容易で、加工性と耐久性に優れる点でステンレス 鋼、チタンおよびチタン・銀合金(チタンと銀の比率:90/10〜94/6) が好ましい。特に、チタン・銀合金は、抗菌性を有する点で好ましい。
【0009】 上記のスパッタリング法では、密閉可能なケーシング内にスパッタリング加工用 の金属からなるターゲット(陰極)および棒状の陽極を平行に設置し、ターゲッ トからみて陽極の後方に前記の立毛布帛を、その立毛部が陽極を向くように広げ 、上記ケーシング内を圧力5×10-4Torr程度のアルゴンガス雰囲気とし、しか るのち上記の陽極とターゲット間に500〜1000Vの直流電圧を印加し、ア ルゴンガスから解離した陽イオンを加速してターゲットに衝突させ、このターゲ ットからその構成金属を叩き出し飛散させて上記立毛布帛に付着させる。
【0010】 この場合、刺し毛を基布に対し垂直に起立させ、刺し毛先端をターゲット金属の 方向に向けると、金属被膜が刺し毛の先端部分を囲むように、かつその厚みが立 毛の先端で厚く、先端から遠ざかるにしたがって薄くなるような厚み勾配をもっ て形成される。また、刺し毛を基布に対して傾斜させると、刺し毛の疎密や傾斜 角度に応じて先端側の一部が露出するため、金属被膜が刺し毛の少なくとも表面 側(ターゲットに面する側)の露出部を被覆するように、かつ上記の厚み勾配を もって形成される。
【0011】 上記金属被膜の厚みは、厚みが最大となる先端において100〜1000Åが好 ましい。この厚みが100Å未満では金属被膜の効果が得られず、1000Åを 超えると、金属色のキラキラした光沢が強くなり、天然毛皮の風合い感性から外 れる。また、金属被膜の付着長さは、刺し毛の先端から刺し毛毛長の1/10〜 1/3の部分が好ましく、1/10未満では金属被膜の効果が得られず、1/3 を超えると、光沢が過大となり、天然毛皮の風合いおよび感触が得られない。
【0012】
【考案の実施の形態】
実施形態1 アクリル系繊維の刺し毛用長繊維(繊度2〜10デニール、繊維長10〜20cm )および綿毛用短繊維(繊度0.1〜2デニール、繊維長さ3〜5cm)の甘撚り 混紡粗糸を用いて編成された編地を針布で起毛し、得られた狐色の人造毛皮(刺 し毛の長さ:60〜70mm)を、表面温度120〜150℃の熱シリンダとこれ に接する調整ローラとの間に通して上記人造毛皮の刺し毛を同一方向に傾斜させ る。図1は、このフォックス調人造毛皮10の断面図であり、11は基布、12 は刺し毛、13aおよび13bは綿毛である。
【0013】 上記の人造毛皮10をスパッタリング装置のチャンバー内に設けられている水冷 シリンダに巻付けて表面の立毛面がターゲット(チタン製の平板)を向くように セットし、上記の水冷シリンダを一定の速度で回転して人造毛皮10を裏面から 冷却する一方、チャンバー内圧力を真空ポンプで1×10-5Torr程度に減圧した 後、アルゴンガスを導入してチャンバー内圧力を5×10-4Torr程度に調整し、 しかるのち上記のターゲットとアノード間に500〜1000Vの直流電圧を印 加してターゲットからチタンを飛散させ、上記刺し毛12の先端部分に付着させ る。
【0014】 図2は、刺し毛12の先端部分の拡大図であり、刺し毛12の先端部分にチタン からなる金属被膜14が付着し、上記先端部分の表面側片面を被覆している。こ の金属被膜14は、刺し毛12の先端で厚みが最大の100〜1000Åとなり 、下方に下がるにしたがって厚みが小さくなるような厚み勾配をもって付着して おり、厚み最大の先端では銀灰色または透明となって光沢を有し、下がるにした がって光沢を失って黒くなる。なお、上記金属被膜の厚みは、水冷シリンダの回 転速度で調整され、金属被膜14の刺し毛方向長さmは、刺し毛12の全長の1 /10〜1/3となるように刺し毛12の傾斜角度で調整される。
【0015】 上記スパッタリング加工の前または後でブラッシングやポリッシングが施される が、仕上げられた人造毛皮は、刺し毛12の先端部のみに金属被膜14が付着し 、しかも厚み最大の先端で銀灰色または透明な光沢を表わし、厚みが薄くなる下 部で黒くなるため、キラキラした金属光沢でなく、天然毛皮同様の柔らかい、上 品な光沢を示し、かつ手触りはワクシー感がなく、ドライタッチとなり、更に帯 電し難くなり、摩擦帯電圧(JIS)が500V以下となる。なお、ターゲット にステンレス鋼やチタン・銀合金を用いても同様であるが、後者では抗菌性が得 られる。
【0016】 実施形態2 アクリル系繊維からなるパイル糸を用い、ダブルラッシェル機のカットパイル専 用機で編成された白色のハスキー犬調の人造毛皮(刺し毛の長さ:約14mm、繊 度:2〜20デニール)を用いる。図3は、この人造毛皮20の断面図であり、 21は基布、22は刺し毛、23は綿毛である。上記の人造毛皮20を、刺し毛 22が直立したまま、スパッタリング装置にセットする以外は、実施形態1と同 様にしてスパッタリングを行うと、図4に示すように、刺し毛22の先端部分全 面にチタンの金属被膜24が形成される。ただし、金属被膜24は、厚みが先端 で最大の100〜1000Åとなり、下方で薄くなる円錐面を形成し、長さは3 〜4mmで、上半部が銀灰色または透明、下半部が黒色となり、天然のハスキー犬 同様の色調となる。なお、チタンに代えてステンレス鋼やチタン・銀合金を用い ても同様であるが、特にチタン・銀合金では抗菌性が得られる。
【0017】 実施形態3 図3および図4において、刺し毛22の長さを10mm、色を黒とする以外は、実 施形態2と同様の人造毛皮を用い、実施形態2と同様のスパッタリング加工を行 うと、刺し毛の先端部のみに銀灰色または透明な柔らかい光沢を有する黒色の人 造毛皮が得られ、天然のミンク同様の色調、光沢となる。なお、チタンに代えて ステンレス鋼やチタン・銀合金を用いても同様であるが、特にチタン・銀合金で は抗菌性が得られる。
【0018】
【考案の効果】
上記のとおり、この考案の人造毛皮は、立毛が刺し毛と綿毛で形成されるので、 嵩高性に富み、ソフトであると共に、刺し毛の先端部を透明な金属被膜で被覆し たので、キラキラした金属調の光沢でなく、天然の毛皮同様の柔らかい光沢を有 し、かつ手触りがワクシー感でなく、ドライタッチで、かつ帯電防止性に優れて いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の断面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】実施形態2の断面図である。
【図4】図3の要部の拡大図である。
【符号の説明】
10、20:人造毛皮 11、21:基布 12、22:刺し毛 13a、13b、23:綿毛 14、24:金属被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中村 幸正 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編織物の片面に合成繊維からなる立毛を
    形成した人造毛皮において、上記の立毛が刺し毛と綿毛
    とからなり、上記刺し毛の表面に浮く先端部分の少なく
    とも片面が金属膜で被覆され、該金属膜は刺し毛の先端
    から下に向かって膜厚が薄くなる厚み勾配を備えてお
    り、厚み最大の先端で銀灰色または透明な光沢を現し、
    先端から下がるにしたがい光沢を失って黒くなり、次第
    に立毛繊維の本体色が現れるものであることを特徴とす
    る人造毛皮。
  2. 【請求項2】 立毛がアクリル系繊維からなり、刺し毛
    の繊度が2〜20デニール、長さが10〜100mmであ
    る請求項1記載の人造毛皮。
  3. 【請求項3】 金属膜がステンレス鋼、チタンまたはチ
    タン・銀合金からなる請求項1記載の人造毛皮。
  4. 【請求項4】 金属膜が刺し毛の先端からその長さの1
    /10〜1/3の範囲にスパッタリングで形成されてお
    り、その最大厚みが100〜1000Åである請求項1
    ないし3のいずれかに記載の人造毛皮。
JP1999006890U 1999-09-08 1999-09-08 人造毛皮 Expired - Lifetime JP3068365U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102203981B1 (ko) * 2020-05-29 2021-01-19 김유석 항균성 인조모피의 제조방법 및 그 인조모피
KR20220149373A (ko) * 2021-04-30 2022-11-08 주식회사 콤포 탄성 인조모피

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