JP3068179U - 即席麺用包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】麺をほぐすのに用いた湯を排出する湯切り口を
開口する即席麺用包装容器において、安価で湯切り口を
開口し易いこと。 【解決手段】容器本体１の上面開口を封止する密封シー
ト２に、箸先等を用いて湯切り口を開口可能な複数の湯
切り口形成部２１が予め設けてある。各湯切り口形成部
２１はミシン目状に並ぶスリットにより縁取りしてあ
る。複数の湯切り口形成部２１は、密封シート２の開封
用つば３を形成する一の隅角部２ａに対向する対辺２ｅ
の略全体に沿って配置される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、即席焼きそばや即席スパゲッティ等の即席麺をほぐすのに使用した 湯を排出するための湯きり口から即席麺用包装容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

従来、即席焼きそば等用の即席麺用包装容器は、円形や方形をしており、容器 本体と、この容器本体の上面開口の口縁部に被せられる合成樹脂製の蓋とを備え ている。蓋の周縁の一部には、麺をほぐすために用いた湯を排出するための小穴 からなる湯切り口が形成されている。 しかしながら、上記のように合成樹脂製の蓋を用いた場合、容器本体の口縁部 や蓋の周縁部に複雑なフランジ形状を付与せねばならず、製造コストが高くなる 。

【０００３】 また、通例、容器本体が方形の場合、湯切りのための小穴は、蓋のコーナ部に 例えば３個程度設けられていた。このため、湯切りに時間がかかる欠点があり、 加えて、内部の具、かやく等が湯切り口に詰まり易く、詰まると湯切りが困難に なるという問題もあった。 また、容器本体のフランジ状の口縁部の幅が狭いため、湯切りの際に、湯の温 度が手に伝わり易く、かつ幅の狭い部分を持たなければならないため、不安定に なるという問題もある。

【０００４】 本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、本考案の第１の目的は安価な 即席麺用包装容器を提供することである。本考案の第２の目的は容器が持ち易く 、湯切りの際に手が熱くならない即席麺用包装容器を提供することである。本考 案の第３の目的は湯切り時に具等による詰まりが生じ難い即席麺用包装容器を提 供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段と考案の効果】

上記第１の目的を達成するため、請求項１記載の考案は、即席焼きそば等の麺 をほぐすために用いられた湯を湯きり口から排出する即席麺用包装容器であって 、容器本体の上面開口を封止する開封可能な密封シートに、箸先等を用いて湯切 り口を開口可能な湯切り口形成部が予め設けられており、この湯きり口形成部は ミシン目状に並ぶスリットにより縁取りされたものからなることを特徴とするも のである。

【０００６】 本考案では、密封シートの開封用つばを持ち上げて密封シートの一部を開封し 、容器本体内に湯を注いで、所定時間待った後、ミシン目状のスリットにより縁 取りされた湯切り口形成部を箸先で突き破って、湯切り口を開口し、この湯切り 口を通して内部の湯を排出する。密封シートは、従来の合成樹脂製で複雑なフラ ンジ構造を持つ蓋と比較してコストが格段に安いので、容器全体のコストを安く することができる。また、ミシン目状のスリットにより縁取りされた湯切り口形 成部は箸先で突き破って、容易に湯切り口を開口でき、手間がかからない。

【０００７】 第２の目的を達成するため、請求項２記載の考案は、請求項１において、上記 湯切り口形成部は密封シートの外周縁部の一部に配置され、容器本体の上面開口 の口縁部は、湯切り口形成部を挟んで互いに対称となる位置に幅広部を設けてい ることを特徴とする。 本考案では、容器本体の口縁部の一部を幅広部としてあるので、湯切りの際に 容器を安定して持つことができる。また、幅広部であれば、容器本体内の湯と手 との距離を十分に確保しつつ容器を持てるので、湯切りの際に手に熱が伝わり難 い。

【０００８】 第３の目的を達成するため、請求項３記載の考案は、請求項１又は２において 、上記容器本体および密封シートの外形は略方形をなし、密封シートの一の隅角 部に密封シートを開封する際に指でつまむための開封用つばが設けられており、 この開封用つばに対向する密封シートの一辺の略全体にわたって複数の湯きり口 形成部が並んで配置されていることを特徴とするものである。 本考案では、直線状となった密封シートのほぼ全体に、湯切り口を配列するこ とが可能となり、湯切りを素早く行うことができ、また、仮に、内部の具等が一 部の湯切り口に詰まったとしても、他の湯切り口から湯を排出できるので、全体 としての湯切りに影響が出ない。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の好ましい実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。図１は 本考案の一実施の形態の包装容器の斜視図である。本包装容器Ａは、容器本体１ の上面を密封シート２で封止して構成されている。容器本体１および密封シート ２は平面視で方形をしている。密封シート２の一の隅角部２ａには、当該密封シ ート２を剥がすときに指でつまむための開封用つば３が設けられている。具体的 には、密封シート２の他の隅角部２ｂ，２ｃ，２ｄが丸みを帯びているのに対し て、開封用つば３となる隅角部２ａは角張った形状とされている。

【００１０】 密封シート２には、開封用つば３と対向する長辺からなる対辺２ｅの略全体に わたって沿うように、複数の湯切り口形成部２１が並べて設けられている。各湯 切り口形成口２１は、ミシン目状に並ぶスリットにより縁取りされたものからな り、通常は密封シート２の密封性を妨げることはなく、また、所要時には、箸先 等によって突き破って、湯切り口２２［図７（ａ）および（ｂ）参照］を開口可 能なようにされている。

【００１１】 湯切り口形成部２１の形状は特に限定されるものではないが、本実施の形態で は二等辺三角形の一対の斜辺に沿ってミシン目状のスリットを設けている。した がって、箸先等で湯切り口２２を開口したときに、湯切り口形成部２１が二等辺 三角形の底辺の部分で密封シート２につながった状態となることから、容器本体 １内に落下してしまうことがない。 図１および容器本体２の斜視図である図２を参照して、容器本体１は、ポリス チレン、ポリプロピレン等の発泡体もしくは非発泡体からなる合成樹脂材料又は 紙等を成形したもので、この実施の形態ではやや深底の容器形状で、かつ外形を 方形（図面では長方形に表している）としたものである。

【００１２】 容器本体１の開口１ａの口縁部１１は、全周にわたって所定の幅を有している 。そして、対向する一対の短辺１１ａのそれぞれの中央において、口縁部１１は 、その幅を内側に拡げた幅広部１１ｂを形成している。幅広部１１ｂの幅は、他 の部分に比べて２倍以上に拡幅されている。 そして、図２および図４に示すように、各幅広部１１ｂの下方の長辺側の側壁 １２ａは、幅広部１１ｂの内側形状に沿って内側へ凹ませた凹入部１２ｂとして いる。これら凹入部１２ｂも、密封シート２の湯切り口形成部２１を挟んだ両側 壁１２ａについて対向位置に形成してある。これにより、口縁部１１の外縁から 凹入部１２ｂの壁面までに充分な空間をあけることができ、また、幅広部１１ｂ を持って湯切り口２２から湯切りする際に、バランス良く把持することができる 。

【００１３】 なお、容器本体１の長辺側の側壁１２ｃには、図２および図５に示すように、 上部に段差部１２ｄを形成してあり、湯切りの際に湯を湯切り口２２に速やかに 導くことができるようにしてある。 密封シート２は、例えばＰＥ、ＰＥＴおよびＰＰ等の合成樹脂、又は合成紙か らなる。また、密封シート２は、紙、アルミニウム、合成樹脂の貼り合わせから なる場合もある。図３に示すように、密封シート２は熱融着により、容器本体１ の口縁部１１の斜線で示される領域Ｂに接合されている。容器本体１の口縁部１ １の外周縁部が熱融着される領域Ｂから外れているのは、外周縁部が図４および 図５に示すように下方の向けてカールしているからである。

【００１４】 本考案によれば、図６に示すように密封シート２の開封用つば３を持ち上げて 密封シート２の隅角部２ａに連なる部分を容器本体１の口縁部１１から剥がし、 これにより形成される注湯口４を通して、容器本体１内に湯を注いで、所定時間 待った後、ミシン目状のスリットにより縁取りされた湯切り口形成部２１を図７ （ａ）および（ｂ）で示すように箸先４で突き破って、湯切り口２２を開口し、 この湯切り口２２を通して図８に示すようにして内部の湯ｈを排出する。

【００１５】 この湯切りの際に、湯切り口２２を挟む両側の対称位置にある上記口縁部１１ の一対の幅広部１１ｂを持つことにより、包装容器Ａを安定して持つことができ る。また、幅広部１１ｂであれば、容器本体１内の湯と手との距離を十分に確保 しつつ包装容器Ａを持てるので、湯切りの際に手に熱が伝わり難い。 また、密封シート２は、従来の合成樹脂製で複雑なフランジ構造を持つ蓋と比 較してコストが格段に安いので、容器全体のコストを安くすることができる。ま た、ミシン目状のスリットにより縁取りされた湯切り口形成部２１は箸先で容易 に突き破って、容易に湯切り口２２を開口でき、手間がかからない。

【００１６】 さらに、密封シート２の直線状の対辺２ｅのほぼ全体に、湯切り口２２を配列 することが可能となり、湯切りを素早く行うことができ、また、仮に、内部の具 等が一部の湯切り口２２に詰まったとしても、他の湯切り口２２から湯を排出で きるので、全体としての湯切りに影響が出ない。 なお、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記実施の 形態では、容器本体１の幅広部１１ｂ、凹入部１２ｂを方形容器の中央に設けた が、いずれか一方のコーナ寄りにずらして配置しても良い。しかしながら、バラ ンスの点では中間付近が好ましい。

【００１７】 湯切り口形成部２１の個数（すなわち湯切り口２２の個数）は、具やかやく等 の種類、大きさによって適宜変更することができる。 容器形状としては、長方形の例を挙げたが、特に限定されるものではなく、正 方形、円碗状の容器にも応用可能であり、例えば円碗状の容器の場合にも、湯切 り口形成部を挟んだ両側対称位置に上記幅広部をレイアウトすることになる。何 れの場合にも、上記の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。

【００１８】 また、湯切り口形成部のスリットとしてカーフカットを用いることも可能であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の形態の即席麺用包装容器の斜
視図である。

【図２】容器本体の斜視図である。

【図３】包装容器の平面図である。

【図４】包装容器の長手方向に沿う断面図である。

【図５】包装容器の短手方向に沿う断面図である。

【図６】容器本体内に湯を注ぐために密封シートの開封
用つばに連なる隅角部を剥がした状態を示す、包装容器
の斜視図である。

【図７】包装容器の断面図であり、（ａ）および（ｂ）
は箸先で湯切り口を開口する動作を順次に示している。

【図８】包装容器内の湯を湯切り口から排出する動作を
示す包装容器の斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 包装容器 １ 容器本体 １ａ 上面開口 ２ 密封シート ２ａ〜２ｄ 隅角部 ２ｅ 対辺 ３ 開封用つば １１ 口縁部 １１ｂ 幅広部 ２１ 湯切り口形成部 ２２ 湯切り口

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】即席焼きそば等の麺をほぐすために用いら
   れた湯を湯きり口から排出する即席麺用包装容器であっ
   て、 容器本体の上面開口を封止する開封可能な密封シート
   に、箸先等を用いて湯切り口を開口可能な湯切り口形成
   部が予め設けられており、 この湯きり口形成部はミシン目状に並ぶスリットにより
   縁取りされたものからなることを特徴とする即席麺用包
   装容器。
2. 【請求項２】上記湯切り口形成部は密封シートの外周縁
   部の一部に配置され、 容器本体の上面開口の口縁部は、湯切り口形成部を挟ん
   で互いに対称となる位置に幅広部を設けていることを特
   徴とする請求項１記載の即席麺用包装容器。
3. 【請求項３】上記容器本体および密封シートの外形は略
   方形をなし、 密封シートの一の隅角部に密封シートを開封する際に指
   でつまむための開封用つばが設けられており、 この開封用つばに対向する密封シートの一辺の略全体に
   わたって複数の湯きり口形成部が並んで配置されている
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の即席麺用包装容
   器。