JP3066933B2 - 液体カラー画像形成方法及び記録装置 - Google Patents
液体カラー画像形成方法及び記録装置Info
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Description
高濃度に記録できるカラー画像形成方法及び記録装置に
関し、詳しくは、イエロー、マゼンタ、シアン、或は、
グリーン、レッド、ブルー、等のカラー性液体と、ブラ
ック等の黒色液体と、を用いたカラー画像形成方法及び
記録装置に関する。本発明は、紙や布、不織布、OHP
用紙等の記録媒体を用いる機器すべてに適用でき、具体
的な適用機器は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、プ
リンタなど事務機器や大量生産機器等を挙げることが出
来る。
持たずに、黒色記録領域にイエロー、マゼンタ、シア
ン、或は、グリーン、レッド、ブルーの3つのカラー性
液体を混色して黒色を形成する方式や、この方式に対し
て黒色液体を予め作成しておき、これを黒領域に対して
用いる方式や、カラー画像中の所望領域に対してこの方
式の3色混色による黒色と黒色液体による黒色とを選択
する方式が知られている。これらの従来のカラー記録に
おいては、色合いが、3カラー性液体による黒色と黒色
液体による黒色とでどちらが好ましいかを検討するだけ
で、黒色液体と3カラー性液体とはほぼ同等の液体の特
性を用いるのが前提であった。
装置として、走査型記録手段の走査ごとに所定記録範囲
の内、部分的なシフトを行いながら、記録範囲への色イ
ンクの記録を順次加えていく方式が米国特許第4320
406号明細書に記載されている。この記録方式の変形
として、特開平2−231149号公報、特開平3−2
07665号公報、特開平3−231861号公報に記
載されているように、走査型インクジェット記録装置の
走査単位でのインク吐出状態や記録媒体の送りピッチを
変更することで記録画像を形成する方式も知られてい
る。
来の液体記録の技術水準では、カラー画像を主体とする
と、黒領域の画質、特に文字画像のキャラクタが不鮮明
になり、逆にキャラクタを主体にするとカラー画像が不
鮮明になる傾向があることを見いだした。このように、
従来の液体カラー記録では、液体の特性を各色同等にす
ることが、記録条件を制御しやすいことから好ましいと
されてきているが、本質的な問題を未解決にしたままで
ある。
するようにした場合もこの問題は発生してしまう。
ー画像を左右する条件と、黒色を鮮明にかつ高濃度に記
録するための条件を追求し、本質的にすべての液体カラ
ー画像を鮮明にかつ高濃度な画像を保証できる液体カラ
ー画像形成方法及び記録装置を提供することを主たる発
明の目的とした。
において、本発明者達は、カラー性液体と黒色液体との
特性差を大きくしていく場合において、特殊な現象を見
いだした。この現象解明によって、以下の新たな技術課
題に発展的な発明を成し得たのである。即ち、カラー性
液体の色合いを高めるために表面活性剤を4〜6%程度
にするといったように、優れた拡散性を持たせ、黒色液
体に浸透性を重視した特性とすると、これらの境界領域
で、カラー性液体の拡散性を高める溶剤が黒色領域に侵
入して、黒色染料を分散してしまうことが見られた。こ
の現象は普通紙を記録媒体として用いる場合に多く見ら
れた。記録媒体に液体保持力を持たせた加工紙では、そ
の加工程度によって差が見られた。
解決することにある。この第2の目的を達成する構成の
検討には多面的な検討が成され、要素的な発明から、複
数要素の複合的な発明が多く生まれた。代表的には上記
境界領域の少なくとも一部の本発明で言う黒インクの付
与部に、この黒インクに代えて本発明のカラーインクに
よる記録部分を形成する本発明記録方法を提供すること
である。
新たな問題を解決し、従来技術の熱エネルギーによって
膜沸騰を生じせしめてインク滴を吐出記録方法やその他
の記録向上技術自体を一層有効に利用でき、上記各本発
明を実行する液体カラー画像形成方法やこれを用いた記
録装置の提供を第3の目的とするものである。
できよう。
明を列挙すると、以下の代表例を挙げることができる。
に鮮明な画像としつつ、黒色画像を高濃度としつつ十分
なコンストラストを与えるために、相対的に拡散性が優
れた黒色性液体と、該黒色性液体とは異なる色であって
相対的に浸透性に優れたカラー性液体と、を用いること
を特徴とする液体カラー画像形成方法である。
で黒画像部の濃度が高く、且つフェザリングが生じない
高品位を実現するために浸透速度を比較的遅くし、紙の
表面にとどまり、且つ紙の凹凸等にあまり左右されずに
均一に拡散するものであることを代表的なものとし、相
対的に技術水準をこえるものであればこの表現に含まれ
るものとなる。これに対して浸透性に優れるとは、記録
紙への浸透速度を比較的速め、異色間にじみを防止する
ものである。従ってやや濃度が低くなる傾向にあるので
その分染料濃度を高くするなどして補正しても良い。こ
れらの特性の相対的な差異によって、それぞれの色彩の
利点を生かし、全体としてのカラーバランスを適正化で
きる。
面的に検討すると、相対的に表面活性特性が優れた(よ
り具体的には、表面張力が大きい)黒色性液体と、該黒
色性液体とは異なる色であって相対的に表面活性特性に
劣る(より具体的には、表面張力が小さい)カラー性液
体と、を用いることによっても同様な効果を提供できる
ことも判明した。これをより具体的に検討すると、従来
では注目されていなかった「アセチレノール」が最適
で、或いは、フッ素系表面活性剤あるいは周知の表面活
性剤を0.5〜15重量%(好ましくは1重量%以上3
重量%以下)含むことによって、相対的に表面活性特性
が低下して浸透性を増し、黒色以外の他のカラー特性を
十分発揮しつつ、これを含まないか又は相対的に少なく
含むような(好ましくは1重量%未満)黒色インクによ
る高濃度画像との適正なバランス関係を提供できること
も判明した。物理的に言うと、表面活性特性等による作
用がインクの表面張力が紙の臨界表面張力と同等かそれ
より小さいことが好ましい条件の1つとして重要であ
る。
相乗的な要素として、尿素を含み相対的に拡散性が優れ
た黒色性液体と、該黒色性液体とは異なる色であって1
重量%以上15重量%以下の尿素を含み、アセチレノー
ル等の界面活性剤を相対的に多く含み浸透性に優れたカ
ラー性液体と、を用いることによって、定着性の向上を
達成しつつ相互的な拡散性の自己規制作用をもたらしつ
つ記録を行うことができた。
光学的な液体の表面における光反射量によって、使用す
る液体の拡散性や浸透性を含めたトータルの特性差を比
較することが可能と成り、この特性の差異が100mse
c 以上あることで、好ましくは、特性差異が200mse
c 以上、最適には500msec 以上あることで、それぞ
れのカラー画像の所望の特性差を確実に達成できること
が判明した。この好ましい差異としては、浸透時間が約
10倍あることで、黒画像の高濃度化と、カラー画像の
鮮明さをより顕著なものとすることができた。このため
理想的には、記録媒体に付着してから光表面反射光量が
急激に変化するまでの浸透時間が数十〜数百msec (好
ましくは100msec)オーダの第1カラー性液体と、
該第1カラー性液体よりも明度の低い色であって該浸透
時間が秒単位オーダの第2のカラー性液体と、を用いる
ことを特徴とする液体カラー画像形成方法を挙げること
ができる。
異なる色の特性をそれぞれ向上させたことによって発生
する境界部における液体を構成する溶媒の浸透や染料あ
るいは顔料の予期し得ない分散問題(例えば異色間での
にじみ)を解決する発明である。これを解決する発明と
しては、大きくは、これらの問題を解決する分散防止用
のバリヤーを形成すること或は、分散しても視覚的に誤
差範囲に収束せしめる誤差拡散領域を形成することであ
る。即ち、第1に相対的に表面活性特性が優れた黒色性
液体と、該黒色性液体とは異なる色であって相対的に表
面活性特性に劣る複数のカラー性液体と、該黒色性液体
と該カラー性液体との境界となる黒色領域を該複数のカ
ラー性液体で形成することを特徴とする液体カラー画像
形成方法を挙げることができる。或いは、同様の技術思
想に基づく派生的な記録方法として、上記境界となる黒
色領域を該複数のカラー性液体に、分散防止用バリヤー
としての機能を損なわない範囲で、少ない量の黒色性液
体を加えて、黒さを本来の黒さに改善した液体カラー画
像形成方法をも挙げることが出来る。これによって、境
界領域の画像乱れは防止出来、各液体に与えられる所望
の特性をより顕著なものとすることができる。
は、この境界となる黒色領域を上記黒色性液体を含めて
形成することは、より境界領域の濃度向上を達成できる
ので好ましいものとなる。
色の液体を記録媒体上に噴射する液体噴射記録手段と、
該記録手段に記録信号を供給する手段と、を備えた記録
装置において、上記記録信号供給手段は、キャラクター
等のように黒色単独領域には相対的に拡散性が優れた黒
色性液体のみを噴射する信号を、該黒色性液体とは異な
る色のカラー色単独領域には黒色性液体とは異なる色で
あって相対的に浸透性に優れたカラー性液体を噴射する
信号を、該黒色性液体と該カラー性液体との境界となる
黒色領域には少なくとも該カラー性液体の異なる色の複
数を噴射する信号を、上記記録手段に供給することを特
徴とする記録装置である。この発明は、本来、黒色を主
眼とするキャラクタを鮮明にしつつ高濃度の画像を提供
できる。
した相対的に表面活性特性の条件を付加したものであ
る。さらには、尿素を含み相対的に拡散性が優れた黒色
性液体と、該黒色性液体とは異なる色であって尿素を含
みアセチレノールを含む相対的に浸透性に優れたカラー
性液体と、を用いることで、定着性を向上した実用的な
液体カラー画像形成方法を実行できる。又、上記アセチ
レノールはカラー性液体の0.5重量%以上(好ましく
は3重量%以上)であることが好ましく、又、上述した
条件の複合化をより好ましいものとして挙げることがで
きる。
るが、インクジェット記録装置や耐久的な記録を行う装
置にあっては、部分的な吐出誤差が生じることがある。
このような吐出乱れが生じても画像に対して影響がない
ようにすることも好ましい構成である。そのため、黒色
性液体のみを用いて形成すべき黒色性液体付与領域の境
界部であって、該境界部の少なくとも一部に、黒色性液
体とは異なる色のカラー性液体のみを用いた付与領域を
形成することを特徴とする液体カラー画像形成方法はこ
のような何らかの不都合にも自動的に対応できるので、
実用的且つ安全な画像形成といえる。
査方向に所定間隔で複数備え、隣接する供給部の印字間
隔が10msecオーダであるインク記録手段を用いて記
録を行う記録装置において、特に実用的な構成を提供す
ることを本発明の更なる有効な発明として挙げることが
できる。このような前提構成にあっては、境界領域の複
数カラーインクの適正な混合状態を確保しつつ、各色の
画像が適正な状態に定着するまでの相関関係を満足する
上で、以下の条件を満足することが好ましい。即ち、記
録媒体に付着してから光表面反射光量が急激に変化する
までの浸透時間が数十〜数百msec(好ましくは100
msec)オーダの第1カラー性液体と、該第1カラー性
液体よりも明度の低い色であって該浸透時間が秒単位オ
ーダの第2のカラー性液体と、を用いると共に黒色性液
体のみを用いて形成すべき黒色性液体付与領域の境界部
であって、該境界部の少なくとも一部に、黒色性液体と
は異なる色のカラー性液体のみを用いた付与領域を形成
する手段を有することを特徴とする記録装置である。こ
のオーダ関係の差異は、相乗的に上述した本発明の効果
を向上することができる。
方向に所定間隔で複数備え、隣接する供給部の印字間隔
が秒単位オーダとなるように構成して、第2のカラー性
液体の浸透時間に近づけて、第1のカラー性液体と第2
のカラー性液体とのにじみを軽減するインク記録手段を
用いて記録を行う記録装置においても、上記の境界領域
形成手段は有効である。更に、印字間隔が浸透の遅い第
2のカラー性液体の浸透時間よりも、十分大きくなるよ
うな構成の記録装置に於いても、乾燥が不十分な場合に
は、境界領域でのにじみが生じる場合があるので、そう
した場合にもこの発明は有効である。
画像の混色問題解決技術に本発明を適用することで、本
発明が上記問題点を解決している以上、従来の技術の利
点のみが本発明によって引き出され、相乗的に優れた記
録方式を提供できる。
のシリアルタイプによる実施例を含むもので、キャリッ
ジ(不図示)には、シアンC、マゼンタM、イエロー
Y、ブラックBkの4色に対応するカラー用の記録ヘッ
ド4が搭載され、周知のガイドシャフトでキャリッジを
移動可能に案内支持している。キャリッジは、モータド
ライバに駆動されるパルスモータである駆動モータによ
りガイドシャフト上を紙等の記録媒体である記録用紙S
の記録面に沿って移動するように駆動される。周知のご
とく、記録用紙Sを搬送する搬送ローラ、記録用紙Sを
案内する案内ローラおよび記録用紙搬送モータ等が不図
示であるが装置構成として備えられているものである。
けてインク滴を吐出させる液路,それぞれの記録ヘッド
4Y、4M、4C、4Bkに対応したインクタンク,各
液路に設けられた吐出エネルギー発生手段(好ましくは
熱エネルギーにより膜沸騰を生じせしめる電気熱変換
体)、等が具備されており、各ヘッドドライバ5を介し
てインク吐出信号が選択的に供給される。
以下の通りである。
を実現し、フェザリングが無く、濃度が高い高品位な記
録を可能としている。一方、その他のカラーインクは、
浸透性に優れ、異色間でのにじみを防止するために、界
面活性剤としてアセチレノールを5重量%加えている。
記録紙への浸透時間は単にインクの表面張力だけで決ま
るものではないが、浸透時間を左右する大きな要因では
ある。上に示したインクについての表面張力は、Bkイ
ンクで50dyn/cm2 、カラーインクで28dyn
/cm2 である。Bkインクの方が、カラーインクより
もかなり高い値に設計してある。また、本実施例に於い
ては80ng/dropのインク滴の場合、前述の光表
面反射光量の測定に依る浸透時間は記録紙にも依るが、
Bkインクで約5sec、その他のカラーインクで約8
0msecである。
の要部説明図である。
記概要の項目で説明した境界データを補正する手段7が
設けられており、ホスト8からの入力情報により自動的
に境界領域REのデータを変更してドライバ5を駆動す
る。
装置でのデータ処理で行う様にしているが、ホスト上の
記録装置制御ソフトで境界領域REのデータ補正を含む
データ処理を行った上で、記録装置にデータ転送する構
成としても良い。また、ホストからY,M,Cのデータ
として転送しているが、Y,M,C,Bkとして転送し
てもよく、R,G,Bのデータとして転送してもよい。
まず、黒画像に隣接してカラー画像が存在するか否かを
判別し、判別結果に応じて黒画像を黒インクのみで形成
するか、或いは境界部を複数色のカラーインクで形成す
るかを決定する。本実施例では、記録装置の本体で境界
データ補正を行う方式であるので、ホストから転送され
たデータをバッファに格納し、黒データと他のカラーデ
ータとを比較し、境界を検出する。
の概略図である。
ベタ、2はブラック100%ベタ、3は白紙であり、即
ちイエローの背景にAの文字がブラックの白抜きで印字
する状態を示している。
ックをバッファ上で画像の左上から順次行なっていく。
この時、最初に黒データが検知されるのは2の部分にチ
ェックが差し掛かったときである。黒データが存在した
時点で、同位置に隣接するカラー画像があるか否かの判
定を行うので、この例では1のイエローデータが検出さ
れると異色との境界と判定し、境界データ補正を必要と
する。これに対して、白抜きのA文字に差し掛かると、
再び黒画像の境界部となるが、この時点で同位置に隣接
するカラー画像の判定を行っても他色の画像データがな
いので、境界データ補正は不要とする。従って、この例
では2の外側の4辺は境界データ補正が行われ、2の白
抜き文字との境界部は境界データ補正を行わず、黒イン
クのみで記録する。ここで、イエロー画像部1に接する
2の外側の4辺に対して、境界データ補正を行わずに黒
インクのみで記録すると、前述の如く普通紙を記録媒体
として用いた場合には、にじみが生じ境界部が不鮮明と
なり著しく画像が劣化する。
の要部説明図である。
明する。ホスト8から面積P3の黒画像に相当するデー
タと、その中に、面積P1のイエロー画像に相当するデ
ータが記録装置のデータ処理部に転送される。この例で
は黒画像に相当するデータとして、Y,M,Cの3色重
ね合わせデータとして転送されるので、データ処理部6
でまず、3色重なった部分をBkデータに置き換えて、
転送されたY,M,Cデータに加えてバッファに格納す
る。次に前述の如くBkデータのチェックを行い、黒デ
ータの境界REの有無を検出する。バッファ上のBkデ
ータのチェックが終了した時点で、境界データ補正を行
う。この例に於ける境界データ補正の結果、黒データか
ら、所定の境界幅を持った補正部RE(P2−P1)が
削除される。逆に、補正部RE(P2−P1)に相当す
る部分は、所定のPCPに従ってY,M,Cのバッファ
に付加されていく。その結果、ドライバ5で実際に記録
ヘッド4に与える記録信号は図中に示すように、面積P
1のイエローと、所定のPCPに従って複数色で記録さ
れる面積(P2−P1)と、面積(P3−P2)のブラ
ックの画像データである。記録紙S上には、同心円状に
イエロー部、複数色で記録された黒色補正部、さらに外
側に黒部が記録される。
と、マゼンタM及びイエローYとの重ね画素と、の交互
配置パターン(PCP)を実行した概略図である。
タ部、10は境界データ補正後の黒色補正部、11はブ
ラックインクのみで記録された黒画像部である。従っ
て、本来の黒画像部は10と11を合わせた領域であっ
た。本境界データ補正例では、2画素の境界幅に対して
PCPに従って複数色で記録する。本例に依れば、拡散
性に優れたBkインクで記録される10と、浸透性に優
れたCMYインクで記録される11の領域の境界では、
インクにじみが生ずるが、元々同色で記録されることを
前提としている領域であるので画像上何等問題はない。
これに対し、浸透性に優れた複数のカラーインクで記録
される10と、やはり浸透性に優れたイエローインクで
記録される9の領域の境界では、両者とも浸透性に優れ
ているインク同士であるので、異色同士であっても画像
上問題になる程のにじみは起こらない。即ち、11部で
は黒濃度が高く、9、10間の異色境界部ではにじみが
ない高品位な画像が得られる。
P)の他のパターン説明図で、シャープ記号(#)1〜
8の例を示す。上記境界データ補正例では、2画素の境
界幅に対して、CとMYを互い違いに配列させた、図4
のPCP#7に相当するPCPに従った例を示してる。
図5は境界領域の5画素をCMYの重ねパターンで示し
た概略図である。図4における交互配置パターン(PC
P)や境界幅は記録媒体の種類、ユーザーの黒みの好
み、画像データ、記録速度、黒強調等の記録モード等に
応じてユーザーが選択ないしは自動設定するようにして
も良い。更に、記録密度やインクの種類及び吐出量に応
じて機種毎に設定しても良い。
の打ち込み量が多くなるので、インク吸収容量の比較的
高い記録媒体に適している。PCP#2〜#5は、記録
媒体の種類に応じた発色性の違いや、ユーザーの好みに
応じて適宜選択すればよい。PCP#6、#7はインク
の打ち込み量を少なくしており、インク吸収容量の比較
的低い記録媒体や、記録密度が高い場合や、濃度をがや
や低くても問題となりにくい画像データや記録モード等
で用いれば良い。PCP#1〜7の例では浸透性に優れ
たCMYインクのみで境界部を記録するようにしている
が、PCP#8では浸透性に劣るBkインクを浸透性に
優れたCMYインクに加えているので、にじみ易いが、
真の黒に近い補正黒色が得られるので、黒インクとのに
じみのバランスを考慮しながら記録紙の吸収特性等に応
じて適宜選択しても良い。
性の優れたBkインクの境界では、画像にじみに加えて
浸透性付与剤のにじみ出しが発生して、黒画像部にやや
白みがかった部分が生ずる場合があることに対して、こ
のPCP#8のように境界補正部に浸透性付与剤を用い
ないBkインクを加えることで、浸透性付与剤の濃度分
布の不均一を軽減することができるので、その白ムラを
抑制できる。
られるので、紙の種類によっては全ての黒データをPC
Pによる補正黒色で記録するようにして、データ処理の
簡略化を図り記録速度の向上できる記録モードを選択で
きるようにしても良い。
くしているので、黒インクとして高濃度でフェザリング
の少ないものでも用いることができる。但し、画素密度
の低い場合は、本来の黒とは若干異なるPCPの補正黒
色で記録される境界幅が広くなりすぎて目立つ場合もあ
るので、にじみとPCP部の色味差を考慮して設定すれ
ば良い。前述の如く、吐出誤差を考慮して境界幅の設定
を行っても良い。更に色味差の補正やインク打ち込み量
の調整をするために、PCPの選定に併せて色毎に吐出
量を変えて調整しても良い。
前記インク例に対して、黒インクの浸透性をやや高め
て、にじみを改善した下記の組成のインクを用いても良
い。
して、前記インク例で浸透性を付与する為の添加剤であ
るアセチレノールの変わりに、発一・固着等の吐出特性
を低下させにくい浸透性改善添加剤として、シクロヘキ
サノールをCMYインクに添加したインク例を下記に示
す。
クは記録紙上に於ける良好な拡散性を実現し、フェザリ
ングが無く、濃度が高い高品位な記録を可能としてい
る。一方、その他のカラーインクは、浸透性に優れ、異
色間でのにじみを防止するために、浸透性付与剤として
アセチレノールないしはシクロヘキサノール等を加えて
いる。上記インクについての表面張力は、Bkインクで
35dyn/cm2 以上、カラーインクで32dyn/
cm2 以下である。即ち、Bkインクの方が、カラーイ
ンクよりも粘度も考慮して高目に設計してある。また、
いずれの例に於いても80ng/dropのインク滴の
場合、前述の光表面反射光量の測定に依る浸透時間は、
記録紙にも依るが、Bkインクの浸透時間が、その他の
カラーインクの10倍以上に調整することに依って所望
の画像特性を達成することが出来ている。
インクにも浸透性付与剤をその他のカラーインクと同等
に加えた場合には、にじみの改善はなされたが、文字品
位の大幅な低下が見られる場合があった。逆に、その他
のカラーインクの浸透性付与剤を少なくした場合には濃
度がアップする代わりに、本発明を適用しても境界にじ
みの劣化が見られた。この比較例からも本発明の優れた
効果が認められる。
際に各液体特性の差異を積極的に利用しているので、カ
ラー画像をより適正に形成することが可能となる。さら
に、黒色領域とカラー色領域との境界であって所定幅の
境界黒色領域をカラー性液体にて形成しているため、各
液体特性の差異をより顕著なものにしても、黒領域の濃
度を向上させるとともにカラー色領域及び境界領域のに
じみを低減した画像を形成することが可能となる。
る。
である。
タM及びイエローYとの重ね画素と、の交互配置パター
ン(PCP)を実行した概略図である。
パターン説明図で、シャープ記号1〜8の例を示す。
した概略図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 記録媒体上に、相対的に拡散性が優れた
黒色性液体で黒色領域を形成し、該黒色性液体とは異な
る色であって相対的に浸透性に優れたカラー性液体でカ
ラー色領域を形成することによって、液体カラー画像を
記録媒体上に形成する液体カラー画像形成方法におい
て、 上記黒色領域と上記カラー色領域との境界であって所定
幅の境界黒色領域を上記複数のカラー性液体で形成する
ことを特徴とする液体カラー画像形成方法。 - 【請求項2】 相対的に表面活性特性が優れた黒色性液
体と、該黒色性液体とは異なる色であって相対的に表面
活性特性に劣る複数のカラー性液体を記録媒体上に噴射
する液体噴射記録手段と、 この液体噴射記録手段に対し、黒色領域には上記黒色性
液体を噴射する記録信号を、カラー色領域には上記複数
のカラー性液体を噴射する記録信号を供給する記録信号
供給手段を有する記録装置において、 上記供給手段は、上記液体噴射記録手段に対し上記黒色
領域と上記カラー色領域との境界であって所定幅の境界
黒色領域には上記複数のカラー性液体を噴射する記録信
号を供給することを特徴とする記録装置。 - 【請求項3】 記録媒体上に、相対的に表面活性特性が
優れた黒色性液体で黒色領域を形成し、該黒色性液体と
は異なる色であって相対的に表面活性特性に劣る複数の
カラー性液体でカラー色領域を形成することによって、
液体カラー画像を記録媒体上に形成する液体カラー画像
形成方法において、 上記黒色領域と上記カラー色領域との境界であって所定
幅の境界黒色領域を上記複数のカラー性液体で形成する
ことを特徴とする液体カラー画像形成方法。 - 【請求項4】 上記所定幅の境界黒色領域を上記黒色性
液体を含めて形成することを特徴とする請求項1又は3
に記載の液体カラー画像形成方法。 - 【請求項5】 上記所定幅の境界黒領域の各画素を上記
複数のカラー性液体の全てで形成することを特徴とする
請求項1又は3に記載の液体カラー画像形成方法。 - 【請求項6】 上記所定幅の境界黒領域の各画素を上記
複数のカラー性液体の一部で形成することを特徴とする
請求項1又は3に記載の液体カラー画像形成 方法。 - 【請求項7】 上記所定幅の境界黒領域の画素の一部を
上記複数のカラー性液体の全てで形成し、残部を上記複
数のカラー性液体の一部で形成することを特徴とする請
求項1又は3に記載の液体カラー画像形成方法。 - 【請求項8】 上記記録信号供給手段は、上記所定幅の
境界黒色領域に上記黒色性液体を噴射する記録信号を上
記記録手段に供給することを特徴とする請求項2に記載
の記録装置。 - 【請求項9】 上記黒色性液体は尿素を含み、上記カラ
ー性液体は尿素とアセチレノールを含むことを特徴とす
る請求項1又は3に記載の液体カラー画像形成方法。 - 【請求項10】 上記アセチレノールはカラー性液体の
3重量%以上であることを特徴とする請求項9に記載の
液体カラー画像形成方法。 - 【請求項11】上記黒色性液体とカラー性液体は熱エネ
ルギーによって噴射されることを特徴とする請求項2に
記載の記録装置。 - 【請求項12】 上記カラー性液体は、シアン、マゼン
タ、イエローであることを特徴とする請求項11に記載
の記録装置。 - 【請求項13】 異なる色の液体を用いて所望の液体カ
ラー画像を記録媒体上に形成する液体カラー画像形成方
法において、黒色領域とカラー色領域との境界であって所定幅の境界
黒領域に、黒色性液体とは異なる色のカラー性液体のみ
を付与 することを特徴とする液体カラー画像形成方法。 - 【請求項14】上記黒色性液体とカラー性液体は熱エネ
ルギーによって録媒体上に付与されることを特徴とする
請求項1、3及び13のいずれかに記載の液体カラー画
像形成方法。
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