JPH1044394A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH1044394A
JPH1044394A JP8204618A JP20461896A JPH1044394A JP H1044394 A JPH1044394 A JP H1044394A JP 8204618 A JP8204618 A JP 8204618A JP 20461896 A JP20461896 A JP 20461896A JP H1044394 A JPH1044394 A JP H1044394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording
image
ink jet
print
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8204618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3313977B2 (ja
Inventor
Toshiji Inui
利治 乾
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Yoshinori Nakajima
芳紀 中島
Tetsuro Inoue
哲朗 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP20461896A priority Critical patent/JP3313977B2/ja
Priority to US08/904,273 priority patent/US6137507A/en
Priority to DE69719625T priority patent/DE69719625T2/de
Priority to EP97305787A priority patent/EP0822087B1/en
Publication of JPH1044394A publication Critical patent/JPH1044394A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3313977B2 publication Critical patent/JP3313977B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • B41J2/2114Ejecting transparent or white coloured liquids, e.g. processing liquids

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクやその処理液の跳ね返りによるミスト
を低減させ、高濃度でシャープな画像を得るとともに、
カラー記録に適用した場合にも色間のにじみがなく高発
色な画像を得ることが可能なインクジェット記録方法お
よびインクジェット記録装置。 【解決手段】 インクk1,k2を吐出させるノズル群
1k1,1k2と、記録性向上液sを吐出させるノズル
群1sとを有する記録ヘッド1を用い、印字デューティ
が高くなるにつれて記録ヘッド1の走査回数を増加させ
るような記録制御を行うことによって、記録媒体側から
のインクk1,k2や記録性向上液sの跳ね返りによる
ミストを低減させようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録材上に高品
位の画像を得ることができるインクジェット記録方法お
よびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インク
中の色材を不溶化または凝集させることが可能な液体を
吐出させるインクジェット記録方法およびインクジェッ
ト記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シート等の被記録媒体(以下、単に記録紙とも言
う)に対して記録を行うインクジェット記録装置は、高
密度かつ高速な記録動作が可能であることから、情報処
理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、
電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーシ
ョン等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナ
ルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装
置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブ
ルプリンタとして利用され、且つ商品化されている。
【0003】この場合、インクジェット記録装置は、こ
れらの装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をと
る。一般にインクジェット記録装置は、記録手段(記録
ヘッド)およびインクタンクを搭載するキャリッジと、
記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための
制御手段とを具備する。そして、複数の吐出口からイン
ク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走
査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキ
ャンさせるとともに、一方で非記録時に記録紙を記録幅
に等しい量で間欠搬送するものである。この方法は、記
録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を
行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記録
方式として広く用いられている。また、インクを吐出す
る多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された記録
ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を
走査することでノズル数に対応した幅の記録がなされ
る。そのため、記録動作の高速化を達成することが可能
である。
【0004】さらに、昨今ではこのような記録ヘッドを
3〜4色分搭載し、フルカラーで画像形成が可能な装置
が実用化されている。この装置は、イエロー(Y)、マ
ゼンタ(M)、シアン(C)の3原色またはこれら3原
色にブラック(B)を含めた4色に対応する4種類の記
録ヘッドおよびインクタンクを搭載することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のインク
ジェット記録方法および装置では、黒色、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の各色間の
インクのにじみ防止と、黒画像の高濃度化およびフェザ
リングの防止とは相反する課題であるために、カラー記
録の印字品位をユーザーのニーズに十分応じるレベルに
到達させることは困難である。以下にその理由を説明す
る。
【0006】通常、インクジェット記録方法によってカ
ラー画像を普通紙に得る場合は、普通紙への浸透速度が
速い速乾性のインクを用いる。そのため画像を構成する
各色の境界領域で、インクのにじみを防ぐことができ
る。しかし、速乾性のインクを用いた場合、黒画像部は
濃度が低く、一方黒以外の彩色画像部は発色性の低いも
のとなってしまう。さらに、文字等に代表される線画を
記録した場合、紙の繊維に沿ってインクがにじむ、いわ
ゆるフェザリングが発生してしまう。特に、黒色インク
で印字された文字は他の色のものと比較してフェザリン
グが目立ちやすく、いわゆるシャープさに欠けた不鮮明
な文字となる。その結果、全体として記録画像の品位が
著しく低下したものとなる。
【0007】一般に、黒画像部の濃度が高く、且つフェ
ザリングの生じない高品位な画像を得るためには、普通
紙への浸透速度が比較的遅いインクを、ある程度多く打
ち込む必要がある。しかし、この場合には、黒画像部と
カラー画像部との隣接境界部において、黒インクとカラ
ーインクのにじみが生じ、記録画像の品位を著しく損ね
てしまう。
【0008】これらの欠点を改良するために、記録装置
内にヒータを設けてインクの乾燥を促進し、高発色で色
間のにじみのないカラー画像を得る方式も実用化されて
いる。しかし、該方式では装置の大型化、コストアップ
は避けられない。
【0009】このように、黒やカラー各色間のインクの
にじみ防止と、黒画像の高濃度化、フェザリングの防止
は相反する課題となっていた。
【0010】そこで、特開平3−146355号公報で
は、黒とカラーの境界域にそった領域は記録しない方法
が提案されている。しかし、この方法では、記録される
データが変化してしまう欠点がある。
【0011】また、特開平4−158049号公報で
は、カラー記録用の複数色ヘッドと文字記録用のヘッド
を有し、記録画像に基づいて複数色ヘッドと文字記録用
のヘッドとを切り替えて記録する方法が提案されてい
る。該方法ではカラー記録用ヘッドで記録した黒画像
と、文字記録用ヘッドで記録した黒画像とが混在した場
合には、両者の品位の違いによる違和感が生じてしま
う。
【0012】さらに、黒とカラーの境界域に沿った黒領
域はカラーインクを重ね打ちして形成し、黒とカラーの
境界域でのにじみを防止する方法が考えられている。原
理的には、黒はY,M,Cの3色を重ね合わせて(混色
して)も得られるが、このようにカラーインクを混色し
て形成した黒画像は、通常の黒インクに比べ発色性が悪
い。
【0013】一方、特開昭56−84992号公報や特
開昭64−63185号公報ではインク中の染料を不溶
化させる液体を用いる技術が開示されている。
【0014】特開昭56−84992号公報では、記録
紙に予め染料を定着するための材料を塗工しておく方法
が開示されている。しかしながら該方法では特定の記録
紙を用いる必要があり、また予め染料を定着するための
材料を塗工するためには装置の大型化、コストアップが
避けられず、さらには記録紙上に安定して前記材料を所
定の膜厚で塗工することが困難であるといった解決すべ
き課題がある。
【0015】また特開昭64−63185号公報では、
染料を不溶化する無色のインクをインクジェット記録ヘ
ッドによって記録紙上に付着させる技術が開示されてい
る。該方法によれば、前記無色のインクのドット径を画
像用インクのドット径よりも大きくしているので、画像
用インクと無色インクとの着段位置がずれた場合にでも
所望の特性を満足できるとしている。該方法では、画像
位置に対応した部分に打ち込まれる無色インクは通常よ
りも多いので、インクの乾燥時間が長くなるだけでな
く、非常に不鮮明な画像になりかねないといった解決す
べき課題があった。
【0016】さらに特開平7−195823号公報では
無色の前記物質をインクジェット記録に先だって記録媒
体表面に付与することにより、特に1パスでのカラー印
字が可能になったとしている。
【0017】このように、上記文献に開示された方法は
それぞれ解決すべき課題を有しているが、インク中の染
料を不溶化するために、カラー記録に適用した際には各
色間のインクのにじみを防止できる可能性がある。
【0018】したがって、本発明の目的は、染料を不溶
化するインクを用いながら、この消費量を極力抑えて低
ランニングコストを実現し、普通紙上であっても従来よ
りも優れた耐水性を示し、インクやその処理液の跳ね返
りによるミストを低減させ、高濃度の画像を得ることが
できるとともに、カラー記録に適用した場合にも色間の
にじみがなく高発色な画像を得ることができるインクジ
ェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の色を呈
する第1のインクを吐出させる複数のノズルが第1の方
向に配列された第1のノズル群と、前記第1の色と同一
色を呈する第2のインクを吐出させる複数のノズルが前
記第1の方向に配列された第2のノズル群と、前記イン
クの記録性とは異なる記録性向上液を吐出する複数のノ
ズルを前記第1の方向に配列された第3のノズル群とを
有し、前記第1ないし第3のノズル群が前記第1の方向
とは異なる第2の方向に配設され、かつ、前記第3のノ
ズル群が前記第1のノズル群と前記第2のノズル群との
間に位置するように配置された記録ヘッドを用い、該記
録ヘッドを記録媒体に対して前記第2の方向に相対的に
走査させて画像を形成するインクジェット記録方法であ
って、前記第1のノズル群より前記第1のインクを前記
記録媒体上に吐出させて画像を形成する第1の工程と、
前記第1のインクが付与された前記記録媒体上に、前記
第3のノズル群より前記記録性向上液を吐出させて画像
を形成する第2の工程と、前記第1のインクおよび前記
記録性向上液が付与された前記記録媒体上に、前記第2
のノズル群より前記第2のインクを吐出させて画像を形
成する第3の工程とを有し、画像データをもとにして前
記第1の工程から前記第3の工程までを順次実行して前
記記録媒体上に画像を形成するとき、当該画像データに
応じて前記記録ヘッドの前記第2の方向への走査回数を
異ならせることによって、インクジェット記録方法を提
供することができる。
【0020】また、本発明は、第1の色を呈する第1の
インクを吐出させる複数のノズルが第1の方向に配列さ
れた第1のノズル群と、前記第1の色と同一色を呈する
第2のインクを吐出させる複数のノズルが前記第1の方
向に配列された第2のノズル群と、前記インクの記録性
とは異なる記録性向上液を吐出する複数のノズルを前記
第1の方向に配列された第3のノズル群とを有し、前記
第1ないし第3のノズル群が前記第1の方向とは異なる
第2の方向に配設され、かつ、前記第3のノズル群が前
記第1のノズル群と前記第2のノズル群との間に位置す
るように配置された記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを
記録媒体に対して前記第2の方向に相対的に走査させて
画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記
第1のノズル群より前記第1のインクを前記記録媒体上
に吐出させる制御を行う第1の記録制御手段と、前記第
1のインクが付与された前記記録媒体上に、前記第3の
ノズル群より前記記録性向上液を吐出させる制御を行う
第2の記録制御手段と、前記第1のインクおよび前記記
録性向上液が付与された前記記録媒体上に、前記第2の
ノズル群より前記第2のインクを吐出させる制御を行う
第3の記録制御手段と、画像データをもとにして前記第
1の記録制御手段から前記第3の記録制御手段までの制
御を順次実行して前記記録媒体上に画像を形成する際、
当該画像データに応じて前記記録ヘッドの前記第2の方
向への走査回数を異ならせる制御を行う走査回数制御手
段とを具えることによって、インクジェット記録装置を
構成することができる。
【0021】また、本発明は、第1の色を呈する第1の
インクを吐出させる複数のノズルが第1の方向に配列さ
れた第1のノズル群と、前記インクの記録性とは異なる
記録性向上液を吐出する複数のノズルを前記第1の方向
に配列された第2のノズル群とを有し、前記第1および
第2のノズル群が前記第1の方向とは異なる第2の方向
に配設された記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒
体に対して前記第2の方向に相対的に走査させて画像を
形成するインクジェット記録方法であって、前記第1の
ノズル群より前記第1のインクを前記記録媒体上に吐出
させて画像を形成するのに先だって、前記第2のノズル
群より前記記録性向上液を吐出させる第1の工程と、前
記第1のノズル群より前記第1のインクを前記記録媒体
上に吐出させて画像を形成する第2の工程とを有し、画
像データに基づき前記第1の工程と第2の工程を順次実
行して前記記録媒体上に画像を形成するとき、当該画像
データに応じて前記記録ヘッドの前記第2の方向への走
査回数を異ならせることによってインクジェット記録方
法を提供することができる。
【0022】以下の構成要件を付加させてもよい。前記
画像データは、所定の領域内の印字デューティとするこ
とができる。この場合、前記印字デューティが高いとき
は、前記印字デューティが低いときよりも前記記録ヘッ
ドの走査回数を多くすることができる。前記印字デュー
ティが低いときは前記第1ないし第3のノズル吐出制御
を1回の走査で実行し、前記印字デューティが高いとき
は前記第1のノズル吐出制御および前記第2のノズル吐
出制御の走査と、前記第3のノズル吐出制御の走査とを
各々別個に実行してもよい。
【0023】前記印字デューティが低いときは前記第1
のノズル吐出制御ないし前記第3のノズル吐出制御を1
回の走査で実行し、前記印字デューティが高いときは前
記第1のノズル吐出制御の走査と、前記第2のノズル吐
出制御および前記第3のノズル吐出制御の走査とを各々
別個に実行してもよい。また、前記印字デューティが低
いときは前記第1のノズル吐出制御ないし前記第3のノ
ズル吐出制御を1回の走査で実行し、前記印字デューテ
ィが高いときは前記第1のノズル吐出制御の走査と前記
第2のノズル吐出制御の走査と前記第3のノズル吐出制
御の走査とを各々別個に実行してもよい。
【0024】前記印字デューティが低いときは前記画像
データをm個(m=1,2,…)に分割してm回の走査
で画像を形成し、前記印字デューティが高いときは画像
データをn個(n>m)に分割してn回の走査で画像を
形成し、前記各1回の走査の中で前記第1のノズル吐出
制御ないし前記第3のノズル吐出制御を実行してもよ
い。
【0025】前記記録性向上液としては、前記インクの
中に含まれる色材を不溶化または凝集する化合物を含む
ように構成することができる。また、前記記録性向上液
を吐出させるためのデータは、前記インク用の前記画像
データと同一としたり、前記インク用の前記画像データ
から所定のパターンを間引いた修飾データとすることが
できる。また、前記記録性向上液の前記記録媒体への浸
透性を、前記インクの浸透性よりも高めることができ
る。
【0026】前記第1ないし第3のノズル群は、熱エネ
ルギ発生手段により発生された熱エネルギーによって前
記インクまたは前記記録性向上液を吐出することができ
る。前記記録性向上液は低分子成分と高分子成分とから
なるカチオン性物質を含み、前記インクは染料を含み、
当該染料はアニオン性物質からなるように構成すること
ができる。また、前記記録性向上液は低分子成分と高分
子成分とからなるカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性の染料を含むか又は少なくともアニオン性化
合物と顔料とを含むように構成することができる。
【0027】また、第1および第2のノズル群を有する
記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法において、
以下の要件を付加させてもよい。
【0028】前記印字デューティが低いときは前記第1
の工程および第2の工程を1回の走査で実行し、前記印
字デューティが高いときは前記第1の工程と第2の工程
による走査とを各々別個に実行するようにしてもよい。
【0029】前記印字デューティが低いときは前記画像
データをm個に分割してm回の走査で画像を形成し、前
記印字デューティが高いときは画像データをn個(n>
m)に分割してn回の走査で画像を形成し前記各1回の
走査のなかで前記第1の工程と第2の工程を実行するよ
うにしてもよい。
【0030】記録ヘッドとしては、カラーインク用のノ
ズル群を有するように構成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0032】まず、本発明の第一の実施の形態について
説明する。
【0033】図1は、記録ヘッドの概略構成を説明する
図で、黒インクを吐出するノズル群1k1および1k2
との間に記録性向上液を吐出するノズル群1sが具備さ
れている。
【0034】図2は、各記録画素に対して黒インクと記
録性向上液を吐出するプロセスの一例を説明するもの
で、図2(a)は、例えば2×2画素の記録ヘッド1k
1と1k2により黒インクを、記録ヘッド1sにより記
録性向上液を吐出させた結果を示している。図2(a)
の画像を得るために、まず図2(b)に示すように記録
ヘッド1k1により黒インクk1を吐出させる。つづい
て図2(c)に示すように同じ画素に対して記録ヘッド
1sにより記録性向上液sを吐出させる。そして最後
に、図2(d)に示すように、図2(b),(c)で示
したのと同じ画素に対して記録ヘッド1k2により黒イ
ンクk2を吐出させる。以上により黒インクと記録性向
上液を用いた画像形成が終了する。
【0035】ところで、インクと記録性向上液とが各記
録ヘッドの吐出口面(フェース面ともいう)で接触して
反応を起こせば吐出口面で固着が生じ、その結果吐出す
るインク滴がヨレて画像劣化を引き起こしたり、吐出口
の目詰まりによる不吐出を起こすなど信頼性に大きな影
響が現われる。
【0036】その要因の一つとして、インクや記録性向
上液を被記録材に対して吐出させた際に生じる、紙面か
らの跳ね返りがあげられる。以下、前記説明した黒イン
クと記録性向上液を用いた画像形成のプロセスにおける
跳ね返りを図3の模式図を参照しながら詳細に説明す
る。
【0037】図3(a)は、被記録材50上にインクあ
るいは記録性向上液51が付与された際に生じる跳ね返
りの様子を示したものである。この場合、跳ね返りによ
って生じた小液滴52が被記録材50とは反対方向、す
なわち記録ヘッドの吐出口面に向かって飛翔している。
本発明では最初に付与される液体はインクであるため、
跳ね返りの小液滴は黒インクである。
【0038】図3(b)は、被記録材上にインクが付与
された後に、記録性向上液54を付与する際に生じる跳
ね返りの様子を示したものである。この場合は、先に付
与されたインクの層53に対して記録性向上液54が付
与されるが、その際にも図3(a)と同様に跳ね返りに
よる小液滴55が被記録材50とは反対方向、すなわち
記録ヘッドの吐出口面に向かって飛翔する。
【0039】図3(c)は、インクの付与につづいて記
録性向上液が付与された後、さらにインクを付与する際
に生じる跳ね返りの様子を示したものである。この場合
にも、先に付与されたインクと記録性向上液の混合した
液体層56に対してインク57が付与され、図3(b)
と同様に跳ね返りによる小液滴58が被記録材50とは
反対方向、すなわち記録ヘッドの吐出口面に向かって飛
翔する。
【0040】先に説明したように、図3(a)における
跳ね返りによる小液滴52はインクであるが、図3
(b)および(c)における跳ね返りによる小液滴5
5,58は、必ずしも単一の液体であるとは限らない。
この時の成分は使用するインクと記録性向上液の表面張
力や粘度の特性およびどちらを先に付与したかによって
左右されることが発明者たちの研究の中で明かになっ
た。
【0041】たとえば、表面張力の高いインクと表面張
力の低い記録性向上液を用いる場合には、図3(b)の
ケースでは小液滴55は主に記録性向上液であり、その
結果、記録ヘッド(記録性向上液用1s)の吐出口面に
は記録性向上液が付着するだけなので、吐出口面での固
着の問題は生じにくい。
【0042】一方、図3(c)のケースでは小液滴58
は記録性向上液とインクが反応したものが含まれる。そ
の結果、記録ヘッド(インク用1k2)の吐出口面には
インクと記録性向上液との混合物が付着し、吐出口面で
の固着や目詰まりを引き起こす。
【0043】以上説明したように、跳ね返りによる小液
滴の発生は、インクと記録性向上液の特性や打ち込み順
序に左右されるが、さらに記録する画像のデューティに
よってもその量が異なってくる。すなわち、デューティ
が低いと跳ね返りによる小液滴は少ない(殆ど発生しな
い)が、反面デューティが高いと跳ね返りによる小液滴
は多く発生し、信頼性に影響を及ぼす。
【0044】本願は以上の点に着目してなされたもので
あって、画像のデューティに応じて画像を形成するプロ
セス(記録パス数)を異ならせるものである。
【0045】例えば、画像のデューティが低いときに
は、図2(b)〜(d)のプロセスを記録ヘッドの1回
の走査で完結させ、一方、画像のデューティが高いと
き、すなわち跳ね返りによる小液滴の発生が記録ヘッド
1k2に顕著である場合には、図2に示す記録プロセス
において、記録ヘッドの最初の走査で図2(b)および
図2(c)のプロセスを行ない、別の走査で図2(d)
のプロセスを行なう。これにより図2(d)のプロセス
において記録ヘッド1k2からインクが吐出して記録紙
上に付着するときには、先に付着したインクと記録性向
上液がある程度乾燥、または記録紙内に浸透しているた
め、インクと記録性向上液の混合物の跳ね返りが抑制さ
れる。
【0046】また、画像のデューティが低いときには、
図2(b)〜(d)のプロセスを記録ヘッドの1回の走
査で完結させ、一方、画像のデューティが高いときに
は、2回の走査で画像を形成する。図4はその一例を示
すもので、記録ヘッドの最初の走査で図4(a)のパタ
ーン(図中黒く塗りつぶした画素)にしたがって記録を
行ない、続いて2回目の走査で図4(b)のパターンに
したがって記録を行なう。これにより、1回の記録ヘッ
ドの走査で記録するデューティが低くなるために、跳ね
返りによる小液滴の発生が抑制される。
【0047】また、前記したように、跳ね返りによる小
液滴の発生が記録ヘッド1sに顕著である場合には、記
録ヘッドの最初の走査で図2(b)のプロセスを行な
い、別の走査で図2(c)および(d)のプロセスを行
なうようにすればよい。
【0048】次に、本発明の第二の実施の形態について
説明する。
【0049】図18は、記録ヘッドの概略構成を説明す
る図で、黒インクを吐出するノズル群1kと記録性向上
液を吐出するノズル群1sが具備されている。
【0050】図19は、各記録画素に対して黒インクと
記録性向上液を吐出するプロセスの一例を説明するもの
で、図19(a)は、例えば2×2画素の記録ヘッド1
kにより黒インクを、記録ヘッド1sにより記録性向上
液を吐出させた結果を示している。図19(a)の画像
を得るために、まず図19(b)に示すように同じ画素
に対して記録ヘッド1sにより記録性向上液sを吐出さ
せる。そして、図19(c)に示すように、図19
(b)で示したのと同じ画素に対して記録ヘッド1kに
より黒インクkを吐出させる。以上により黒インクと記
録性向上液を用いた画像形成が終了する。
【0051】ところで、インクと記録性向上液とが各記
録ヘッドの吐出口面(フェース面ともいう)で接触して
反応を起こせば吐出口面で固着が生じ、その結果吐出す
るインク滴がヨレて画像劣化を引き起こしたり、吐出口
の目詰まりによる不吐出を起こすなど信頼性に大きな影
響が現われる。
【0052】その要因の一つとして、インクや記録性向
上液を被記録材に対して吐出させた際に生じる、紙面か
らの跳ね返りがあげられる。以下、前記説明した黒イン
クと記録性向上液を用いた画像形成のプロセスにおける
跳ね返りを図20の模式図を参照しながら詳細に説明す
る。
【0053】図20(a)は、被記録材50上にインク
あるいは記録性向上液51が付与された際に生じる跳ね
返りの様子を示したものである。この場合、跳ね返りに
よって生じた小液滴52が被記録材50とは反対方向、
すなわち記録ヘッドの吐出口面に向かって飛翔してい
る。本例では最初に付与される液体は記録性向上液であ
るため、跳ね返りの小液滴は記録性向上液である。
【0054】図20(b)は、被記録材上に記録性向上
液が付与された後に、インク54を付与する際に生じる
跳ね返りの様子を示したものである。この場合は、先に
付与された記録性向上液の層53に対してインク54が
付与されるが、その際にも図20(a)と同様に跳ね返
りによる小液滴55が被記録材50とは反対方向、すな
わち記録ヘッドの吐出口面に向かって飛翔する。
【0055】先に説明したように、図20(a)におけ
る跳ね返りによる小液滴52は記録性向上液であるが、
図20(b)における跳ね返りによる小液滴55は、必
ずしも単一の液体であるとは限らない。この時の成分は
使用するインクと記録性向上液の表面張力や粘度の特性
およびどちらを先に付与したかによって左右されること
が発明者たちの研究の中で明かになった。
【0056】たとえば、表面張力の高いインクと表面張
力の低い記録性向上液を用いる場合には、図20(b)
のケースでは記録性向上液層53の厚みは非常に薄いの
で小液滴55は主にインクであり、その結果、記録ヘッ
ド(黒インク用1K)の吐出口面にはインクが付着する
だけなので、吐出口面での固着の問題は生じにくい。
【0057】ただし、記録性向上液の表面張力が低い
と、画像のシャープさが損なわれるので、表面張力を極
端に低くすることは画像上好ましくない。表面張力が高
くにつれ、記録性向上液層53は浸しにくくなるので、
図20(b)のケースでは小液滴55は記録性向上液と
インクが反応したものが含まれる。その結果、記録ヘッ
ド(インク用1k)の吐出口面にはインクと記録性向上
液との混合物が付着し、吐出口面での固着や目詰まりを
引き起こす。
【0058】以上説明したように、跳ね返りによる小液
滴の発生は、インクと記録性向上液の特性や打ち込み順
序に左右されるが、さらに記録する画像のデューティに
よってもその量が異なってくる。すなわち、デューティ
が低いと跳ね返りによる小液滴は少ない(殆ど発生しな
い)が、反面デューティが高いと跳ね返りによる小液滴
は多く発生し、信頼性に影響を及ぼす。
【0059】本願は以上の点に着目してなされたもので
あって、画像のデューティに応じて画像を形成するプロ
セス(記録パス数)を異ならせるものである。
【0060】例えば、画像のデューティが低いときに
は、図19(b)〜(c)のプロセスを記録ヘッドの1
回の走査で完結させ、一方、画像のデューティが高いと
き、すなわち跳ね返りによる小液滴の発生が記録ヘッド
1k2に顕著である場合には、図19に示す記録プロセ
スにおいて、記録ヘッドの最初の走査で図19(b)の
プロセスを行ない、別の走査で図19(c)のプロセス
を行なう。これにより図19(c)のプロセスにおいて
記録ヘッド1kからインクが吐出して記録紙上に付着す
るときには、先に付着した記録性向上液がある程度乾
燥、または記録紙内に浸透しているため、インクと記録
性向上液の混合物の跳ね返りが抑制される。
【0061】また、画像のデューティが低いときには、
図19(b)〜(c)のプロセスを記録ヘッドの1回の
走査で完結させ、一方、画像のデューティが高いときに
は、2回の走査で画像を形成する。前記図4はその一例
を示すもので、記録ヘッドの最初の走査で図4(a)の
パターン(図中黒く塗りつぶした画素)にしたがって記
録を行ない、続いて2回目の走査で図4(b)のパター
ンにしたがって記録を行なう。これにより、1回の記録
ヘッドの走査で記録するデューティが低くなるために、
跳ね返りによる小液滴の発生が抑制される。
【0062】なお、記録性の向上とは、濃度、彩度、エ
ッジ部分のシャープネス度合い、ドット径等の画質を向
上させること、インクの定着性を向上させること、耐水
性、耐光性等の耐候性、すなわち画像保存性を向上させ
ること等の意味も含む。
【0063】また、不溶化は、インク中の染料に含まれ
るアニオン性基と記録性向上液中に含まれるカチオン性
物質のカチオン性基がイオン的に相互作用を起こしてイ
オン結合が生じ、インク中に均一に溶解していた色材
(染料)が溶液中から分離する現象である。なお、本発
明においては必ずしもインク中の全ての染料が不溶化し
なくとも、濃度の向上、文字品位の向上、定着性の向上
といった効果が得られる。
【0064】凝集とは、インクに使用している色材がア
ニオン性基を有する水溶性染料の場合には、不溶化と同
一の意味で使用される。また、インクに使用している色
材が顔料の場合には、顔料分散剤あるいは顔料表面と記
録性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオン性基
がイオン的相互作用を起こし、顔料の分散破壊が生じ、
顔料の粒子径が巨大化することを含む。通常、上述した
凝集に伴って、インクの粘度が上昇する。なお、本発明
においては必ずしもインク中の全ての顔料または分散剤
が不溶化しなくとも、本発明で述べるような濃度の向
上、文字品位の向上、定着性の向上といった効果が得ら
れる。
【0065】本発明によれば、画像を形成するためのノ
ズル群を2つ具備し、それらの2つのノズル群の間に記
録性向上液と吐出させるためのノズル群を具備したの
で、記録濃度が高く、エッジ部分がシャープな高品位の
画像を得ることができる。例えば黒インクとして好適な
記録紙への浸透速度が遅いインクを用いた場合、まず第
1のノズル群により黒インクで画像を形成し、該画像部
に第3のノズル群により記録性向上液を付与して、イン
クのにじみを防止しシャープな画像を得る。さらに第2
のノズル群により黒インクを付与することにより高濃度
の画像を得ることができる。
【0066】また、記録ヘッドの構成が左右対象である
ため、記録ヘッドの往走査および副走査の双方で高品位
な画像を得ることができる。
【0067】さらに、画像データのデューティが高いと
きは画像形成のための記録パス数を増やすため、信頼性
を向上させることができる。
【0068】なお、本発明は、紙や布、不織布、OHP
用紙等の記録媒体を用いる機器全てに適用でき、具体的
な適用機器は、プリンタ、複写機、ファクシミリなど事
務機器や大量生産機器等を挙げることができる。
【0069】以下、具体的な実施例を用いてさらに詳細
に説明する。
【0070】
【実施例】
(実施例1)まず、第一の実施例を図5〜図8に基づい
て説明する。
【0071】図5は、本発明の適用が可能なインクジェ
ット記録装置の一例(インクジェットプリンタ)の概略
的構成を説明するためのものである。
【0072】このプリンタは、記録性向上液を吐出させ
るための記録ヘッド1sと黒インクを吐出させるための
記録ヘッド1k1,1k2とを搭載したキャリッジ2
と、プリンタ本体から電気信号を記録ヘッドに送るため
のフレキシブルケーブル3と、回復手段を有するキャッ
プユニット4と、被記録材7を給紙するための給紙トレ
イ8等を有する。また、記録ヘッド1sは、記録ヘッド
1k1と1k2との間に位置するように配されている。
さらに、キャップユニット4は、記録ヘッド1s,1k
1,1k2に対応したキャップ部材5s,5k1,5k
2と、ゴム等の部材ででき記録ヘッド1sに対応したワ
イパーブレード6sと記録ヘッド1k1と1k2に対応
したワイパーブレード6kとを具備する。このような構
成からなるプリンタは、記録ヘッド1s,1k1,1k
2を被記録材の搬送方向Aと直交する方向(主走査方
向)Bにシリアルスキャンさせてノズル数に対応した幅
の記録を行い、一方で非記録時に被記録材を記録幅に等
しい送り量で間欠的に搬送するものである。
【0073】記録ヘッド1s,1k1,1k2はそれぞ
れ64個のノズルを1インチ当たり360個の密度で有
しており、各ノズルからは約40ngの記録性向上液ま
たはインクが吐出される。したがって、副走査方向の記
録密度は360dpi(dot per inch)で
あり、それにともない主走査方向の記録密度も360d
piで記録されるように構成されている。
【0074】図6は、上述したインクジェットプリンタ
の電気制御ブロック図である。
【0075】301は、装置全体を制御するためのシス
テムコントローラである。このコントローラ301は、
内部にはマイクロプロセッサーをはじめ、制御プログラ
ムが収納されている記憶素子(ROM)、マイクロプロ
セッサーが処理を行なう際に使用する記憶素子(RA
M)等が配置されている。302は、主走査方向に記録
ヘッドを駆動させるためのドライバであり、同様に30
3は、副走査方向に被記録材を移動させるためのドライ
バである。304,305は、該ドライバに対応したモ
ータであり、ドライバからの速度、移動距離などの情報
を受け取り動作する。
【0076】306は、ホストコンピュータであり、本
発明の印字装置に対して印字すべき情報を転送するため
の装置である。307は、前記ホストコンピュータ30
6からのデータを一時的に格納するための受信バッファ
であり、301のシステムコントローラ301からデー
タが読み込まれるまでデータを蓄積しておく。308
は、印字すべきデータをイメージデータに展開するため
のフレームメモリであり、印字に必要な分のメモリサイ
ズを有している。本実施例では印字用紙1枚分が記憶可
能なフレームメモリについて説明するが、本発明はフレ
ームメモリのサイズには限定されない。309は、印字
すべきデータを一時的に記憶するためのバッファ(記憶
素子)で、記録ヘッドのノズル数により記憶容量は変化
する。310は、記録ヘッドをシステムコントローラ3
01からの指令により適切にコントロールするためのも
ので、印字速度、印字データ数等を制御するための印字
制御部であり、さらには記録性向上液を吐出させるため
のデータの作成も行なわれる。また、1回の記録ヘッド
の走査で印字される画像データの印字デューティの計数
もここで行なわれる。311は、記録性向上液を吐出す
るための記録ヘッド1sであり、黒インクを吐出させる
ための記録ヘッド1k1,1k2を駆動するためのドラ
イバであり、これらドライバは前記印字制御部310か
らの信号によりコントロールされる。
【0077】まず、ホストコンピュータ306から画像
データが受信バッファ307に転送されて一時的に格納
される。つぎに、格納されている画像データは、システ
ムコントローラ301によって読み出されてバッファ3
09に展開される。印字制御部310は、バッファ30
9に展開されたデータをもとにして記録性向上液を吐出
させるためのデータの作成を行う。そして、各バッファ
内の画像データおよび記録性向上液用データにもとづい
て記録ヘッドの動作を制御する。
【0078】本実施例におけるプリンタでは、記録画像
の1走査中の印字デューティが高いか、低いかによって
画像を形成するパス数を異ならせる。具体的には図7に
示すように、1回の走査で印字を行なう画像領域内を、
64ノズル×2インチ(720カラム)=46,080
画素のウインドウを図中左から右へ1カラムずつ走査さ
せる。その結果、ウインドウ内の印字デューティがいず
れの場合も50%以下であるときと、ウインドウ内の印
字デューティが50%を越える場合とで画像を形成する
パス数を異ならせる。
【0079】ここで、印字方法を図8に基づいて説明す
る。印字デューティが50%以下の場合は、図8(a)
に示すように記録ヘッドの1回の走査で記録ヘッド1k
1,1s,1k2により記録ドットk1,s,k2が順
次付与される。このときの走査ではその走査範囲内の画
像データが全て印字されるので、印字終了後は記録ヘッ
ドは再びホームポジション側に戻るとともに、記録紙が
64ノズル分送られることになる。
【0080】一方、印字デューティが50%を越える場
合は、図8(b)に示すように記録ヘッドの最初の走査
で記録ヘッド1k1,1sにより記録ドットk1および
sが順次付与される。続いて記録ヘッドは再びホームポ
ジション側に戻るが、このとき記録紙の送りは行なわな
い。さらに、図8(c)に示すように、記録ヘッド1k
2により先に付与された記録ヘッドk1およびsの上に
記録ドットk2が付与される。続いて記録ヘッドがホー
ムポジション側に戻るとともに記録紙が64ノズル分送
られる。
【0081】本実施例では以下に示すインクと記録性向
上液を用いた。
【0082】(インク) グリセリン 5重量部 チオジグリコール 5重量部 尿素 5重量部 イソプロピルアルコール 4重量部 C.Iダイレクトブラック154 3重量部 水 78重量部 (記録性向上液) ポリアクリルアミン−塩酸塩 1重量部 トリブチルアミンクロライド 1重量部 チオジグリコール 10重量部 アセチノール 0.5重量部 水 87.5重量部 本実施例で得られた黒画像は、高濃度で、フェザリング
の少ないシャープな画像であり、さらには、十分な耐水
性があることが確認できた。
【0083】また、記録ヘッドの吐出口面の跳ね返りに
よるミストの付着は画像の種類によらず極めて少なく、
吐出口近傍におけるインクおよび記録性向上液の混合物
付着による信頼性低下を防止することができた。
【0084】なお、本実施例ではパス数を異ならせるた
めの印字デューティのしきい値を50%に設定したが、
これに限定されるものではない。
【0085】(実施例2)次に、第2の実施例を図9に
基づいて説明する。
【0086】本実施例は、実施例1で用いたインクジェ
ット記録装置において、印字デューティが50%を越え
たときの印字方法を実施例1とは異ならせたものであ
る。なお、印字デューティが50%以下のときの印字方
法は実施例1と同じであるため説明は省略する。
【0087】図9はその時の印字方法を説明するもの
で、図9(a)の画像データに対して、図9(b)は記
録ヘッドの最初の走査で印字を行なう画像(黒く塗りつ
ぶした画素)を示し、図9(c)は記録ヘッドの次の走
査で印字を行なう画像を示している。すなわち、印字デ
ューティが50%を越えるときは2回の走査で画像を形
成する。
【0088】まず記録ヘッドの最初の走査では図9
(a)の画像に対し、図9(b)で示すパターンの画素
のみの印字を行なう。このとき、該当する画素には記録
ヘッド1k1,1s,1k2により記録ドットk1,
s,k2が順次付与される。続いて、記録ヘッドがホー
ムポジション側に戻るが、記録紙の送りは行なわない。
さらに記録ヘッドの次の走査で図9(c)に示すパター
ンの画素のみの印字を行なう。このときも、該当する画
素には記録ヘッド1k1,1s,1k2により記録ドッ
トk1,s,k2が順次付与される。最後に記録ヘッド
がホームポジション側に戻るとともに記録紙が64ノズ
ル分送られる。
【0089】以上説明した印字方法により、実施例1と
同じインクおよび記録性向上液を用いて黒画像を印字し
たところ、実施例1と同等の効果を得ることができた。
【0090】(実施例3)次に、第3の実施例を図10
に基づいて説明する。
【0091】前述した実施例1では印字デューティのし
きい値を50%としたが、本実施例ではさらに細かく分
割した。
【0092】印字デューティが33%以下のときは、実
施例1と同様に1回の走査で記録ドットk1,s,k2
を順次付与する。
【0093】印字デューティが33%を越え、66%以
下の時は実施例1の50%を越えたときの印字方法と同
様に、最初の走査で記録ドットk1およびsを付与し、
次の走査で記録ドットk2を付与する。この場合も、記
録紙の送りは2回目の走査が終了してから行なわれる。
【0094】印字デューティが66%を越えたときは、
図10(b)に示すように最初の走査で記録ドットk1
を付与し、続いて図10(c)に示すように次の2回目
の走査で記録ドットsを付与し、さらに続いて図10
(d)に示すように3回目の走査で記録ドットk2を付
与する。これによって図10(a)で示す記録ドットが
形成される。記録紙の送りは3回目の走査が終了した後
に行なう。
【0095】この方法によれば、記録ドットk1,s,
k2がそれぞれ別々の走査で付与されるので、先に付与
された記録ドットの乾燥並びに記録紙への浸透が進んで
いるため、跳ね返りによるミストの発生がさらに抑制さ
れ信頼性を向上させることが可能となる。
【0096】(実施例4)次に、第4の実施例を図11
に基づいて説明する。
【0097】本実施例は実施例2における印字デューテ
ィのしきい値と分割数を、実施例3と同様に異ならせた
ものである。
【0098】すなわち、印字デューティが33%以下の
ときは、実施例2と同様に1回の走査で記録ドットk
1,s,k2を順次付与する。
【0099】印字デューティが33%を越え、66%以
下のときは、実施例2において50%を越えたときの印
字方法と同様に、図9に示すように記録画像を2つに分
割し、2回の記録ヘッドの走査で記録ドットを付与す
る。
【0100】印字デューティが66%を越えたときは、
図11に示すように図11(a)の画像を図11
(b),(c),(d),(e)の4つに分割して記録
ドットを付与する。したがって、この場合には記録ヘッ
ドの走査回数は4回となり、実施例2と同様に各走査に
おいて所定の画素に対しては記録ドットk1,s,k2
が順次付与される。また、記録紙の送りは4回の走査が
終了してから行なわれる。
【0101】本実施例によれば、1回の走査で印字され
るドット数が少なくなるので跳ね返りによるミストの発
生が抑制され、さらに信頼性が向上する。
【0102】(実施例5)次に、第5の実施例を図12
に基づいて説明する。
【0103】実施例1ないし4では、記録性向上液を吐
出させるためのデータは黒画像データと同じものを用い
たが、黒画像データを間引いた修飾データであってもよ
い。
【0104】たとえば図12(a)に示すような黒画像
データに対して、実施例1ないし4では、記録性向上液
を吐出させるためのデータは黒画像データと同じデー
タ、すなわち図12(a)と同じパターンで記録性向上
液を吐出したが、図12(b)に示すように黒画像デー
タを間引いたパターンで記録性向上液を吐出させてもよ
い。図12(b)の例ではハッチングを施した画素にの
み記録性向上液が吐出される。したがって、図12
(c)に示すように、黒く塗りつぶした画素はk1,
s,k2が順次付与されたドットとなり、斜線を施した
画素はk1とk2のみが付与された画素となる。
【0105】本実施例では、記録性向上液の付与量が実
施例1ないし4よりも少なくなるために、跳ね返りによ
るミストの発生もそれに伴い減少するので、印字デュー
ティのしきい値を高めることが可能となる。
【0106】例えば、実施例1では印字デューティが5
0%を越えた場合に、記録ヘッド1k2による記録ドッ
トk2の付与を別の走査で行なっていたが、本実施例で
は、印字デューティが75%以下の場合には、記録ヘッ
ドの1回の走査で記録ドットk1,s,k2の付与を行
ない、印字デューティが75%を越えた場合に記録ドッ
トk2のみを別の走査で付与するようにしてもよい。実
施例2も同様である。
【0107】また、実施例3および4についても印字デ
ューティが33%以下の場合、33%を越え66%以下
の場合、66%を越えた場合に印字方法を異ならせた
が、例えば、50%以下の場合、50%を越え75%以
下の場合、75%を越えた場合のように印字デューティ
のしきい値を変更することができる。
【0108】記録性向上液の間引き率の設定は、得よう
とする画像品位や、耐水性等の画像特性と、使用するイ
ンク、記録性向上液との組み合わせに応じて適宜設定さ
れる。
【0109】たとえば、記録性向上液に含まれるポリア
クリルアミン−塩酸塩の含有量を多くすれば、インクと
の反応性が増す方向であるため、間引き率を多くして記
録性向上液の付与量を少なくすることができる。また、
インクの色材として耐水性をある程度有する染料を用い
ても間引き率を多くすることが可能である。
【0110】また、この際の間引き方は図12(b)に
示すパターンに限定されるものではなく、さらには一定
のパターンであってもランダム性をもたしたパターンで
もよい。
【0111】(実施例6)次に、第6の実施例を図13
〜図17に基づいて説明する。
【0112】図13は、本発明の適用が可能なカラーイ
ンクジェットプリンタの概略図を示したもので、複数の
記録ヘッドおよびそれに対応した構成をとる以外は、実
施例1のプリンタと概略同一の構成をとる。
【0113】1yはイエローインク用記録ヘッド、1m
はマゼンタインク用記録ヘッド、1cはシアンインク用
記録ヘッドである。1k1および1k2は黒インク用記
録ヘッド、1sは記録性向上液用記録ヘッドである。2
は、記録ヘッドを搭載したキャリッジである。3は、プ
リンタ本体から電気信号を記録ヘッドに送るためのフレ
キシブルケーブルである。4は、回復手段を有するキャ
ップユニットである。5y,5m,5c,5k2,5
s,5k1は記録ヘッド1y,1m,1c,1k2,1
s,1k1に対応したキャップ部材、6はゴム等の部材
でできたワイパーブレードである。
【0114】記録ヘッド1y,1m,1c,1k2,1
s,1k1は各々64個のノズルを有しており、各ノズ
ルからは約40ngのインクまたは記録性向上液が吐出
される。
【0115】本実施例では以下のインクおよび記録性向
上液を用いた。記録性向上液については実施例1と同じ
ものを用いた。
【0116】(インク) 1.イエロー トリエチレングリコール 7重量部 ヘキサントリオール 7重量部 イソプロピルアルコール 2.5重量部 アセチレノール 0.02重量部 C.I.ダイレクトイエロー86 1.5重量部 水 81.98重量部 2.マゼンタ トリエチレングリコール 7重量部 ヘキサントリオール 7重量部 イソプロピルアルコール 1.5重量部 アセチレノール 0.01重量部 C.I.アシッドレッド289 1.5重量部 水 82.99重量部 3.シアン トリエチレングリコール 7重量部 ヘキサントリオール 7重量部 イソプロピルアルコール 1.5重量部 アセチレノール 0.01重量部 C.I.アシッドレッド289 2.5重量部 水 81.99重量部 3.黒 トリエチレングリコール 6重量部 ヘキサントリオール 6重量部 ブチルアルコール 2重量部 酢酸リチューム 0.01重量部 C.I.ダイレクトブラック154 2.5重量部 水 82.9重量部 図14は、図13で示したカラーインクジェットプリン
タの電気制御ブロック図であり、実施例1と共通する部
分については同じ符号を付す。なお、本実施例での電気
的な制御については上記各実施例と同様であるので説明
は省略する。
【0117】本実施例のカラーインクジェットプリンタ
では、カラー画像を印字するにあたり、各色の画像デー
タを図9に示すパターンに対応させて2つに分割し、そ
れぞれの画像を記録ヘッドの2回の走査で形成する。図
15はそのプロセスの概略を説明する図であり、図中符
号Aは図9(b)に示すパターンに対応させて印字を行
なう走査、符号Bは図9(c)に示すパターンに対応さ
せて印字を行なう走査を現わしている。同図から明らか
なように、1回の記録ヘッドの走査毎に、記録ヘッドの
ノズル数の半分の32ノズル分の紙送りが実施される。
【0118】本実施例では、画像データが存在する画素
については全て記録性向上液を付与した。記録性向上液
の付与方法としては、黒画像部については、実施例1な
いし5と同様に黒インク用の記録ヘッド1k1で黒画像
を印字した後、記録性向上液を黒画像データと同じデー
タで付与し、さらに黒インク用の記録ヘッド1k2で黒
画像を印字する。また、カラー画像部については、イエ
ロー、マゼンタ、シアンの画像データを各々図9(b)
および(c)に示したパターンにしたがって50%に間
引き、さらにそれらの論理和をとったデータを記録性向
上液を吐出させるデータとし、カラー画像形成に先だっ
て記録性向上液を付与する。
【0119】図16は、黒画像およびカラー画像に対す
る記録性向上液の付与を説明するための図である。図1
6(a)は黒画像とカラー画像としてイエロー画像とが
ある場合の一例である。図16(b)は、図16(a)
の画像を図9(b)のパターンに対応させて分割した画
像を現わし、また図16(c)は図9(c)のパターン
に対応させて分割した画像を現わしている。さらに、図
16(d)は、図16(b)の分割画像に対する記録性
向上液の付与パターンを、図16(e)は、図16
(c)の分割画像に対する記録性向上液の付与パターン
を示している。
【0120】本実施例では、2回の記録ヘッドの走査で
画像を形成するため、記録画像の1走査中の印字デュー
ティが50%以下であるか、あるいは50%を越えるか
によって画像を形成するパス数を異ならせる黒画像の印
字デューティを検出する範囲を、図7で説明したウイン
ドウの大きさから2倍の4インチ(1,440カラム)
に拡大した。拡大したウインドウ内の印字デューティが
50%は、64ノズル×4インチ(1,440カラム)
×1/2=46,080画素となる。
【0121】本実施例では、印字デューティが50%以
下の場合には、図16に示すように、2回の記録ヘッド
の走査でインクおよび記録性向上液を付与する。このと
きのインクおよび記録性向上液の付与は記録ヘッドの往
走査のときのみとし、また、1回目の走査と2回目の走
査の間での記録紙の送りは行なわれない。
【0122】印字デューティが50%を越える場合に
は、4回の記録ヘッドの走査でインクおよび記録性向上
液の付与を行なう。4回の記録ヘッドの走査による印字
は図17に示すパターンにしたがって行なわれる。
【0123】図17(a)に示す画像に対し、図17
(b),(c),(d),(e)は4つに分割したもの
を現わし、図17(f),(g),(h),(i)は前
記分割した画像に対する記録性向上液の付与パターンを
現わしている。記録ヘッドの1回目の走査データは、図
17(b)に示すパターンに対応した画素にインクおよ
び記録性向上液が付与される。続いて、記録ヘッドをホ
ームポジション側に戻し、さらに図17(c)に示すパ
ターンに対応した画素にインクおよび記録性向上液が付
与される。さらに記録ヘッドをホームポジション側に戻
すとともに、記録紙を32ノズル分だけ送る。次に、図
17(d)に示すパターンに対応した画素にインクおよ
び記録性向上液が付与される。続いて、記録ヘッドをホ
ームポジション側に戻し、さらに図17(e)に示すパ
ターンに対応した画素にインクおよび記録性向上液が付
与される。さらに記録ヘッドをホームポジション側に戻
すとともに、記録紙を32ノズル分だけ送る。以上の動
作を繰り返すことで4回の記録ヘッドの走査による画像
形成が行なわれる。
【0124】本実施例でも、跳ね返りによるミストの発
生が抑制され、信頼性を向上させることができた。
【0125】また、黒画像については実施例1と同様に
濃度が高くシャープな画像となり、また黒画像とカラー
画像との境界部のインクのにじみ(ブリード)のない鮮
明なカラー画像を得ることができる。さらに黒画像、カ
ラー画像ともに耐水性のある画像を得ることができる。
【0126】(実施例7)次に、第7の実施例を図9お
よび図18〜図22に基づいて説明する(本発明の第二
の実施の形態に対応する)。
【0127】本実施例は、図21および図22で示すイ
ンクジェット記録装置において、印字デューティが50
%を越えたときの印字方法を実施例1とは異ならせたも
のである。なお、印字デューティが50%以下のときの
印字方法は実施例1と同じであるため説明は省略する。
【0128】図9はその時の印字方法を説明するもの
で、図9(a)の画像データに対して、図9(b)は記
録ヘッドの最初の走査で印字を行なう画像(黒く塗りつ
ぶした画素)を示し、図9(c)は記録ヘッドの次の走
査で印字を行なう画像を示している。すなわち、印字デ
ューティが50%を越えるときは2回の走査で画像を形
成する。
【0129】まず記録ヘッドの最初の走査では図9
(a)の画像に対し、図9(b)で示すパターンの画素
のみの印字を行なう。このとき、該当する画素には記録
ヘッド1s,1kにより記録ドットs,kが順次付与さ
れる。続いて、記録ヘッドがホームポジション側に戻る
が、記録紙の送りは行なわない。さらに記録ヘッドの次
の走査で図9(c)に示すパターンの画素のみの印字を
行なう。このときも、該当する画素には記録ヘッド1
s,1kにより記録ドットs,kが順次付与される。最
後に記録ヘッドがホームポジション側に戻るとともに記
録紙が64ノズル分送られる。
【0130】以上説明した印字方法により、実施例1と
同じインクおよび記録性向上液を用いて黒画像を印字し
たところ、実施例1と同等の効果を得ることができた。
【0131】(その他の実施例)実施例1では、印字デ
ューティが50%を越えた場合の印字方法として、記録
ヘッド1k2による記録ドットk2の付与を、記録ヘッ
ドの往走査(ホームポジション側から印字を行なう)で
行なったが、記録ヘッドの復走査(ホームポジションの
反対側から印字を行なう)で行なってもよい。
【0132】このときは、最初の記録ヘッドの走査で記
録ドットk1およびsの付与が終了した後、記録ヘッド
をホームポジション側に戻す過程で記録ドットk2の付
与を行ない、最後に記録紙を64ノズル分送ればよい。
この方法の場合は実施例1に比べて記録時間が短縮され
る。
【0133】また、実施例2においても、印字デューテ
ィが50%を越える場合の印字方法として、2回目の記
録ヘッドの走査を往走査で行なったが、前記説明したの
と同様に復走査で行なってもよい。この場合も実施例2
に比べて記録時間が短縮される。
【0134】また、実施例2では、印字デューティが5
0%を越える場合に図9(b),(c)に示すパターン
にしたがって印字を行なったが、特にこのパターンに限
定されることはなく図4に示すような1画素毎の市松模
様のパターンなどでもよい。
【0135】さらに、実施例3および4では印字デュー
ティが33%以下の場合には1回の記録ヘッドの走査で
画像を形成したが、信頼性をさらに向上させるために、
印字デューティが66%以下の場合には全て2回の記録
ヘッドの走査を行ない、66%を越えるときに走査回数
を増やすような印字方法であってもよい。
【0136】さらに実施例1ないし6では、所定領域の
ウインドウを走査させ、ウインドウ内の印字デューティ
を検出する方法を用いたが、記録画像の1走査幅内の印
字デューティを検出するようにしてもよい。
【0137】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液(記録性向上液)はその顔料を凝集させるも
のを用いることができる。前記した処理液と混合して凝
集を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙
げることができる。すなわち、下記に述べるようにし
て、それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インク、Y2,
M2,C2およびK2を得ることができる。
【0138】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0139】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック(商品名:Mogul L、キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を十分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0140】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0141】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、 Heechst Aktiengesellschaft製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0142】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0143】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ピグメントブルー153 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学工業KK) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0144】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0145】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122 24部 (大日本インキ化学工業株式会社) ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクC2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0146】以上示したそれぞれ処理液とインクとの混
合において、本発明では、上述した処理液とインクが被
プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で混
合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれて
いるカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチオ
ン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基を
有する水溶性染料または顔料インクに使用しているアニ
オン性化合物とがイオン的相互作用により会合を起こ
し、瞬間的に溶液相から分離を起こす。この結果顔料イ
ンクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集体ができ
る。
【0147】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被プリント材の繊維間の隙間に入り込みにくくな
り、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙
中にしみこむことにより、プリント品位と定着性との両
立が達成される。同時に上述したようなメカニズムによ
り生成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性
オリゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成
される凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、
液媒体の動きとともに移動することがないので、フルカ
ラーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色
のインクで形成されていたとしても互いに混じり合うよ
うなことはなく、ブリーディングも起こらない。また、
上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の
耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果
により形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効
果も有する。
【0148】本明細書において使用した不溶化または凝
集の意味は、前記第1段階のみの現象を意味するかある
いは第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0149】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0150】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インク中の色材を不溶化または凝集させる記録性向上液
を吐出させるノズル群を、インクを吐出させるノズル群
で挟むようにした記録ヘッドを用いて記録を行うので、
高濃度でシャープな画像を得ることができる。
【0152】また、記録ヘッドの往走査と復走査の双方
において、記録性向上液を吐出させることができるので
記録装置の高速化が可能である。
【0153】また、記録ヘッドの所定走査範囲内におけ
る印字デューティが高いときには、記録ヘッドの走査回
数を増やし、インクや記録性向上液の跳ね返りによるミ
ストを軽減させることができるので、信頼性を向上させ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態である記録ヘッドを
用いた記録方法を示す概略図である。
【図2】記録ドットの付与を説明する図である。
【図3】液体を付与したときに生じる小液滴の跳ね返り
を説明する図である。
【図4】画像を分割して印字するための方法を説明する
図である。
【図5】実施例1で用いたプリンタの概略図である。
【図6】実施例1で用いたプリンタの電気制御ブロック
図である。
【図7】印字デューティの計数方法を説明する図であ
る。
【図8】実施例1における印字方法を説明する図であ
る。
【図9】実施例2におけるインクと記録性向上液の付与
を説明する図である。
【図10】実施例3における印字方法を説明する図であ
る。
【図11】実施例4におけるインクと記録性向上液の付
与を説明する図である。
【図12】実施例5におけるインクと記録性向上液の付
与を説明する図である。
【図13】実施例6で用いたプリンタの概略図である。
【図14】実施例6で用いたプリンタの電気制御ブロッ
ク図である。
【図15】実施例6における印字方法を説明する図であ
る。
【図16】実施例6におけるインクと記録性向上液の付
与を説明する図である。
【図17】実施例6におけるインクと記録性向上液の付
与を説明する図である。
【図18】本発明の第二の実施の形態である記録ヘッド
を用いた記録方法を示す概略図である。
【図19】記録ドットの付与を説明する図である。
【図20】液体を付与したときに生じる小液溜跳ね返り
を説明する図である。
【図21】実施例7で用いたプリンタの概略図である。
【図22】実施例7で用いたプリンタの電気制御ブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 1k1 ノズル群 1k2 ノズル群 1s ノズル群 k1,k2 インク s 記録性向上液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 芳紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 哲朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の色を呈する第1のインクを吐出さ
    せる複数のノズルが第1の方向に配列された第1のノズ
    ル群と、前記第1の色と同一色を呈する第2のインクを
    吐出させる複数のノズルが前記第1の方向に配列された
    第2のノズル群と、前記インクの記録性とは異なる記録
    性向上液を吐出する複数のノズルを前記第1の方向に配
    列された第3のノズル群とを有し、前記第1ないし第3
    のノズル群が前記第1の方向とは異なる第2の方向に配
    設され、かつ、前記第3のノズル群が前記第1のノズル
    群と前記第2のノズル群との間に位置するように配置さ
    れた記録ヘッドを用い、 該記録ヘッドを記録媒体に対して前記第2の方向に相対
    的に走査させて画像を形成するインクジェット記録方法
    であって、 前記第1のノズル群より前記第1のインクを前記記録媒
    体上に吐出させて画像を形成する第1の工程と、 前記第1のインクが付与された前記記録媒体上に、前記
    第3のノズル群より前記記録性向上液を吐出させて画像
    を形成する第2の工程と、 前記第1のインクおよび前記記録性向上液が付与された
    前記記録媒体上に、前記第2のノズル群より前記第2の
    インクを吐出させて画像を形成する第3の工程とを有
    し、 画像データをもとにして前記第1の工程から前記第3の
    工程までを順次実行して前記記録媒体上に画像を形成す
    るとき、当該画像データに応じて前記記録ヘッドの前記
    第2の方向への走査回数を異ならせることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記画像データは、所定の領域内の印字
    デューティであることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記印字デューティが高いときは、前記
    印字デューティが低いときよりも前記記録ヘッドの走査
    回数を多くすることを特徴とする請求項2記載のインク
    ジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記印字デューティが低いときは前記第
    1の工程ないし前記第3の工程を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の工程および
    前記第2の工程による走査と、前記第3の工程による走
    査とを各々別個に実行することを特徴とする請求項3記
    載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記印字デューティが低いときは前記第
    1の工程ないし前記第3の工程を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の工程による
    走査と、前記第2の工程および前記第3の工程による走
    査とを各々別個に実行することを特徴とする請求項3記
    載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記印字デューティが低いときは前記第
    1の工程ないし前記第3の工程を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の工程による
    走査と前記第2の工程による走査と前記第3の工程によ
    る走査とを各々別個に実行することを特徴とする請求項
    3記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記印字デューティが低いときは前記画
    像データをm個(m=1,2,…)に分割してm回の走
    査で画像を形成し、前記印字デューティが高いときは画
    像データをn個(n>m)に分割してn回の走査で画像
    を形成し、 前記各1回の走査の中で前記第1の工程ないし前記第3
    の工程を実行することを特徴とする請求項3記載のイン
    クジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記第1ないし第3のノズル群は、熱エ
    ネルギ発生手段により発生された熱エネルギーによって
    前記インクまたは前記記録性向上液を吐出することを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録方法。
  9. 【請求項9】 第1の色を呈する第1のインクを吐出さ
    せる複数のノズルが第1の方向に配列された第1のノズ
    ル群と、前記インクの記録性とは異なる記録性向上液を
    吐出する複数のノズルを前記第1の方向に配列された第
    2のノズル群とを有し、前記第1および第2のノズル群
    が前記第1の方向とは異なる第2の方向に配設された記
    録ヘッドを用い、 該記録ヘッドを記録媒体に対して前記第2の方向に相対
    的に走査させて画像を形成するインクジェット記録方法
    であって、 前記第1のノズル群より前記第1のインクを前記記録媒
    体上に吐出させて画像を形成するのに先だって、前記第
    2のノズル群より前記記録性向上液を吐出させる第1の
    工程と、 前記第1のノズル群より前記第1のインクを前記記録媒
    体上に吐出させて画像を形成する第2の工程とを有し、 画像データに基づき前記第1の工程と第2の工程を順次
    実行して前記記録媒体上に画像を形成するとき、当該画
    像データに応じて前記記録ヘッドの前記第2の方向への
    走査回数を異ならせることを特徴とするインクジェット
    記録方法。
  10. 【請求項10】 前記画像データは、所定の領域内の印
    字デューティであることを特徴とする請求項9記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 前記印字デューティが高いときは、前
    記印字デューティが低いときよりも前記記録ヘッドの走
    査回数を多くすることを特徴とする請求項10記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記印字デューティが低いときは前記
    第1の工程および第2の工程を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の工程と第2
    の工程による走査とを各々別個に実行することを特徴と
    する請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 前記印字デューティが低いときは前記
    画像データをm個に分割してm回の走査で画像を形成
    し、前記印字デューティが高いときは画像データをn個
    (n>m)に分割してn回の走査で画像を形成し前記各
    1回の走査のなかで前記第1の工程と第2の工程を実行
    することを特徴とする請求項11に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  14. 【請求項14】 前記第1および第2のノズル群は、熱
    エネルギ発生手段により発生された熱エネルギーによっ
    て前記インクまたは前記記録性向上液を吐出することを
    特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載のイン
    クジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 前記記録性向上液は、前記インクの中
    に含まれる色材を不溶化または凝集する化合物を含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の
    インクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 前記記録性向上液を吐出させるための
    データは、前記インク用の前記画像データと同一である
    ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載
    のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】 前記記録性向上液を吐出させるための
    データは、前記インク用の前記画像データから所定のパ
    ターンを間引いた修飾データであることを特徴とする請
    求項1ないし15のいずれかに記載のインクジェット記
    録方法。
  18. 【請求項18】 前記記録性向上液の前記記録媒体への
    浸透性を、前記インクの浸透性よりも高めたことを特徴
    とする請求項1ないし17のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録方法。
  19. 【請求項19】 前記記録性向上液は低分子成分と高分
    子成分とからなるカチオン性物質を含み、前記インクは
    染料を含み、当該染料はアニオン性物質からなることを
    特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のイン
    クジェット記録方法。
  20. 【請求項20】 前記記録性向上液は低分子成分と高分
    子成分とからなるカチオン性物質を含み、前記インクは
    アニオン性の染料を含むか又は少なくともアニオン性化
    合物と顔料とを含むことを特徴とする請求項1ないし1
    8のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 【請求項21】 第1の色を呈する第1のインクを吐出
    させる複数のノズルが第1の方向に配列された第1のノ
    ズル群と、前記第1の色と同一色を呈する第2のインク
    を吐出させる複数のノズルが前記第1の方向に配列され
    た第2のノズル群と、前記インクの記録性とは異なる記
    録性向上液を吐出する複数のノズルを前記第1の方向に
    配列された第3のノズル群とを有し、前記第1ないし第
    3のノズル群が前記第1の方向とは異なる第2の方向に
    配設され、かつ、前記第3のノズル群が前記第1のノズ
    ル群と前記第2のノズル群との間に位置するように配置
    された記録ヘッドを用い、 該記録ヘッドを記録媒体に対して前記第2の方向に相対
    的に走査させて画像を形成するインクジェット記録装置
    であって、 前記第1のノズル群より前記第1のインクを前記記録媒
    体上に吐出させる制御を行う第1の記録制御手段と、 前記第1のインクが付与された前記記録媒体上に、前記
    第3のノズル群より前記記録性向上液を吐出させる制御
    を行う第2の記録制御手段と、 前記第1のインクおよび前記記録性向上液が付与された
    前記記録媒体上に、前記第2のノズル群より前記第2の
    インクを吐出させる制御を行う第3の記録制御手段と、 画像データをもとにして前記第1の記録制御手段から前
    記第3の記録制御手段までの制御を順次実行して前記記
    録媒体上に画像を形成する際、当該画像データに応じて
    前記記録ヘッドの前記第2の方向への走査回数を異なら
    せる制御を行う走査回数制御手段とを具えたことを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  22. 【請求項22】 前記画像データは、所定の領域内の印
    字デューティであることを特徴とする請求項21記載の
    インクジェット記録装置。
  23. 【請求項23】 前記印字デューティが高いときは、前
    記印字デューティが低いときよりも前記記録ヘッドの走
    査回数を多くすることを特徴とする請求項22記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  24. 【請求項24】 前記印字デューティが低いときは前記
    第1の記録制御手段ないし前記第3の記録制御手段によ
    る前記記録ヘッドの制御を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の記録制御手
    段および前記第2の記録制御手段による前記記録ヘッド
    の制御と、前記第3の記録制御手段による前記記録ヘッ
    ドの制御とを各々別個の走査で実行することを特徴とす
    る請求項23記載のインクジェット記録装置。
  25. 【請求項25】 前記印字デューティが低いときは前記
    第1の記録制御手段ないし前記第3の記録制御手段によ
    る前記記録ヘッドの制御を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の記録制御手
    段による前記記録ヘッドの制御と、前記第2の記録制御
    手段および前記第3の記録制御手段による前記記録ヘッ
    ドの制御とを各々別個の走査で実行することを特徴とす
    る請求項23記載のインクジェット記録装置。
  26. 【請求項26】 前記印字デューティが低いときは前記
    第1の記録制御手段ないし前記第3の記録制御手段によ
    る前記記録ヘッドの制御を1回の走査で実行し、 前記印字デューティが高いときは前記第1の記録制御手
    段による前記記録ヘッドの制御と、前記第2の記録制御
    手段による前記記録ヘッドの制御と、前記第3の記録制
    御手段による前記記録ヘッドの制御とを各々別個に実行
    することを特徴とする請求項23記載のインクジェット
    記録装置。
  27. 【請求項27】 前記印字デューティが低いときは前記
    画像データをm個(m=1,2,…)に分割してm回の
    走査で画像を形成し、前記印字デューティが高いときは
    画像データをn個(n>m)に分割してn回の走査で画
    像を形成し、 前記各1回の走査の中で前記第1の工程ないし前記第3
    の工程を実行することを特徴とする請求項23記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  28. 【請求項28】 前記記録性向上液は、前記インクの中
    に含まれる色材を不溶化または凝集する化合物を含むこ
    とを特徴とする請求項21ないし27のいずれかに記載
    のインクジェット記録装置。
  29. 【請求項29】 前記記録性向上液を吐出させるための
    データは、前記インク用の前記画像データと同一である
    ことを特徴とする請求項21ないし28のいずれかに記
    載のインクジェット記録装置。
  30. 【請求項30】 前記記録性向上液を吐出させるための
    データは、前記インク用の前記画像データから所定のパ
    ターンを間引いた修飾データであることを特徴とする請
    求項21ないし28のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
  31. 【請求項31】 前記記録性向上液の前記記録媒体への
    浸透性を、前記インクの浸透性よりも高めたことを特徴
    とする請求項21ないし30のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置。
  32. 【請求項32】 前記第1ないし第3のノズル群は、前
    記インクまたは前記記録性向上液を吐出するための熱エ
    ネルギーを発生させる熱エネルギ発生手段を具えたこと
    を特徴とする請求項21ないし31のいずれかに記載の
    インクジェット記録装置。
  33. 【請求項33】 前記記録性向上液は低分子成分と高分
    子成分とからなるカチオン性物質を含み、前記インクは
    染料を含み、当該染料はアニオン性物質からなることを
    特徴とする請求項21ないし32のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  34. 【請求項34】 前記記録性向上液は低分子成分と高分
    子成分とからなるカチオン性物質を含み、前記インクは
    アニオン性の染料を含むか又は少なくともアニオン性化
    合物と顔料とを含むことを特徴とする請求項21ないし
    32のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  35. 【請求項35】 前記記録ヘッドは、カラーインク用の
    ノズル群を有することを特徴とする請求項21ないし3
    4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
JP20461896A 1996-08-02 1996-08-02 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP3313977B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20461896A JP3313977B2 (ja) 1996-08-02 1996-08-02 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
US08/904,273 US6137507A (en) 1996-08-02 1997-07-31 Ink jet printing system which ejects both ink and an insolubilizing or coagulating liquid
DE69719625T DE69719625T2 (de) 1996-08-02 1997-07-31 Tintenstrahldruckverfahren und Tintenstrahldruckapparat
EP97305787A EP0822087B1 (en) 1996-08-02 1997-07-31 Ink jet printing method and ink jet printing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20461896A JP3313977B2 (ja) 1996-08-02 1996-08-02 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1044394A true JPH1044394A (ja) 1998-02-17
JP3313977B2 JP3313977B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=16493467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20461896A Expired - Fee Related JP3313977B2 (ja) 1996-08-02 1996-08-02 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6137507A (ja)
EP (1) EP0822087B1 (ja)
JP (1) JP3313977B2 (ja)
DE (1) DE69719625T2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0897800A2 (en) 1997-08-11 1999-02-24 Canon Kabushiki Kaisha A recording method
JP2007136735A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Canon Finetech Inc インクジェット記録方法、記録物および記録装置
US8215739B2 (en) 2006-04-28 2012-07-10 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing method and mist-reduction-condition setting apparatus
JP2015150720A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 セイコーエプソン株式会社 印刷制御装置、印刷制御方法、および、プログラム
WO2023047770A1 (ja) * 2021-09-24 2023-03-30 富士フイルム株式会社 パターン形成基板製造方法及び液体吐出装置

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3227339B2 (ja) * 1994-05-23 2001-11-12 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法ならびに記録物
JP4036407B2 (ja) * 1997-12-26 2008-01-23 キヤノン株式会社 インクジェットプリント装置およびその方法
JP2001018425A (ja) * 1999-07-05 2001-01-23 Canon Inc インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置
JP4182657B2 (ja) 2000-10-17 2008-11-19 セイコーエプソン株式会社 インクジェット式記録装置
US6783209B2 (en) * 2002-06-03 2004-08-31 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multiple print bar approach to pen health and fiber management
US7083266B2 (en) * 2002-10-30 2006-08-01 Lexmark International, Inc. Micro-miniature fluid jetting device
US7924459B2 (en) * 2006-04-11 2011-04-12 Canon Kabushiki Kaisha Data processing apparatus and method of expanding dot arrangement patterns
US20080250971A1 (en) * 2007-04-16 2008-10-16 Sivapackia Ganapathiappan Polymer-encapsulated pigment with passivation layer
US8210634B2 (en) * 2010-07-23 2012-07-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Image forming apparatus and method thereof
JP6593622B2 (ja) * 2015-03-20 2019-10-23 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5684992A (en) * 1979-12-15 1981-07-10 Ricoh Co Ltd Ink jet recording method
JP2676699B2 (ja) * 1987-09-03 1997-11-17 株式会社リコー インクジェット記録方法
JP2859296B2 (ja) * 1989-06-01 1999-02-17 キヤノン株式会社 画像再生方法及びその装置
JP2752472B2 (ja) * 1989-11-02 1998-05-18 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
JP2861362B2 (ja) * 1990-10-23 1999-02-24 富士ゼロックス株式会社 カラーインクジェットプリンタ
EP0516420B1 (en) * 1991-05-31 1996-08-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and apparatus
EP0526205B1 (en) * 1991-07-30 1997-12-29 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus and method
EP0587164B1 (en) * 1992-09-10 1998-12-23 Canon Kabushiki Kaisha Method and apparatus for ink jet recording
JP3152846B2 (ja) * 1993-09-28 2001-04-03 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置および方法
DE69418674T2 (de) * 1993-10-28 1999-10-21 Canon Kk Verfahren und Vorrichtung zur Tintenstrahlaufzeichnung
EP0657849B1 (en) * 1993-11-30 2000-01-05 Hewlett-Packard Company Method and apparatus for colour inkjet printing using a colourless precursor
CA2155505C (en) * 1994-08-10 2000-05-16 Jiro Moriyama Ink jet printing method and apparatus
JP3029786B2 (ja) * 1994-09-02 2000-04-04 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置およびテストプリント方法
US5792249A (en) * 1995-01-25 1998-08-11 Canon Kabushiki Kaisha Liquid composition, ink set, image-forming method and apparatus using the same
JP3359217B2 (ja) * 1995-02-13 2002-12-24 キヤノン株式会社 インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法
US6102537A (en) * 1995-02-13 2000-08-15 Canon Kabushiki Kaisha Method and apparatus for ink-jet printing
JP3313963B2 (ja) * 1995-02-13 2002-08-12 キヤノン株式会社 インクジェットプリント方法およびプリント装置
JP3164745B2 (ja) * 1995-02-13 2001-05-08 キヤノン株式会社 インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0897800A2 (en) 1997-08-11 1999-02-24 Canon Kabushiki Kaisha A recording method
US6916092B2 (en) 1997-08-11 2005-07-12 Canon Kabushiki Kaisha Recording method
JP2007136735A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Canon Finetech Inc インクジェット記録方法、記録物および記録装置
US8215739B2 (en) 2006-04-28 2012-07-10 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing method and mist-reduction-condition setting apparatus
JP2015150720A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 セイコーエプソン株式会社 印刷制御装置、印刷制御方法、および、プログラム
US10052882B2 (en) 2014-02-12 2018-08-21 Seiko Epson Corporation Print control apparatus, print control method, and program
WO2023047770A1 (ja) * 2021-09-24 2023-03-30 富士フイルム株式会社 パターン形成基板製造方法及び液体吐出装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69719625D1 (de) 2003-04-17
EP0822087A3 (en) 1999-01-13
EP0822087A2 (en) 1998-02-04
DE69719625T2 (de) 2003-10-23
JP3313977B2 (ja) 2002-08-12
US6137507A (en) 2000-10-24
EP0822087B1 (en) 2003-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3337879B2 (ja) インクジェットプリント方法およびこれに用いられるインクジェットヘッド、インクジェットカートリッジおよびインクジェットプリント装置
JP3347541B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ヘッド、情報処理システム、および記録物
JP3320292B2 (ja) インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法
EP0726155B1 (en) Ink-jet head, ink-jet cartridge, printing apparatus, and ink-jet printing method
US6186615B1 (en) Apparatus and method for forming a black image in which black ink is overlaid on color ink
JP3181850B2 (ja) インクジェット記録装置および記録方法
JP3313977B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
US6231156B1 (en) Ink-jet printing apparatus and ejection recovery method of printing head
JPH08118684A (ja) 記録ヘッド、その記録ヘッドを用いた記録装置及び記録方法
EP0726148B1 (en) Ink-jet printing apparatus and ink-jet printing method for performing printing by ejecting ink and processing liquid insolubilizing ink
US6325502B1 (en) Ink jet printing apparatus that ejects ink and processing liquid for printing
US6299285B1 (en) Ink-jet printing apparatus and ink-jet printing method
US6135656A (en) Ink-jet printing method and apparatus for performing printing by employing ink and processing liquid making ink insoluble
EP0845356B1 (en) Ink-jet printing apparatus for performing printing with ink and printing ability improving liquid
EP0788885B1 (en) Ink-jet printing apparatus and printing method
JP2952077B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP3314031B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP3408108B2 (ja) インクジェットプリント方法およびインクジェットプリント装置
US6231175B1 (en) Ink-jet printing apparatus and ink-jet printing method
JPH1111000A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JPH1148462A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JPH0852868A (ja) インクジェット記録方法および記録装置
JP3576623B2 (ja) インクジェットプリント方法およびプリント装置
JP3168136B2 (ja) インクタンクおよびインクジェットカートリッジおよびそれを用いたインクジェットプリント装置
JPH08216389A (ja) インクジェットプリント装置、インクジェットプリント方法およびプリント物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130531

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140531

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees