JP3066842B2 - 塩化ビニルの懸濁重合法 - Google Patents
塩化ビニルの懸濁重合法Info
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Description
ルを主成分とするこれと共重合可能なモノマー混合物
(以下塩化ビニルと称す。)の懸濁重合法において、重
合開始剤の仕込み時間、及び昇温時間を短縮して重合工
程の生産性を向上させ、合わせてフィシュアイ、粒度分
布の改善及びスケール付着防止をはかる懸濁重合法に関
するものである。
行われ、オートクレーブに脱イオン水、懸濁剤、重合開
始剤及び添加剤を仕込んだ後、系内を脱気して塩化ビニ
ル等を仕込み、攪拌しながらオートクレーブのジャケッ
トに温水循環又は水蒸気を通し、重合温度まで昇温して
重合反応を開始させる。その後、重合反応熱が出てきた
時点からオートクレーブのジャケットに冷却水を通して
重合温度を一定に保つべく冷却を行い、所定の重合率に
なるまで反応を継続し、次に塩化ビニル等のモノマーガ
スを回収して重合体をオートクレーブから排出する一連
の重合操作を行っている。
従来法では昇温時間に要する時間が生産性低下の一因と
なっている。かかる問題を解決するため、種々の方法が
考えられている。
度又はそれ以上に加温した水、懸濁剤、塩化ビニル等と
重合開始剤を一括してオートクレーブに仕込み、ただち
に重合反応を開始させる方法があるが、この方法は重合
温度付近で塩化ビニル、水、懸濁剤が接触する事になる
ため、粒度が不安定となり、特に粗粒の製品が多くな
る。又フィシュアイも著しく多くなるという品質上の欠
点を有し、得策でない。
うなオートクレーブに懸濁剤、重合開始剤、その他添加
剤及び塩化ビニルを仕込み、次いで重合温度またはそれ
以上に加温された水を仕込む方法が有るが、この方法は
重合缶内壁にスケールが生成し、また温水の仕込み初期
における重合の均一化が難しく、粗粒が生成し、フィシ
ュアイの良くない製品となる。
0℃以下の水、懸濁剤と重合開始剤をオートクレーブに
仕込み、その後塩化ビニルを仕込み、攪拌混合した後加
熱した水を仕込んで重合を開始する方法においては、重
合缶内壁にかなりスケールが発生する欠点があり実用上
の問題を有する。
を解決し、重合工程のサイクル時間を短縮すべく鋭意検
討を進めた結果、攪拌の開始時期と重合禁止剤の仕込方
法を工夫することによって上記の欠点を解決し、本発明
にいたった。
においてまずオートクレーブ中に重合系の全水量のう
ち、20〜50重量%の常温の脱イオン水、懸濁剤、重
合禁止剤を仕込み、攪拌を開始した後、次いで塩化ビニ
ルと重合開始剤と重合系の全水量の50〜80重量%の
重合温度以上に加温された脱イオン水とを仕込むことに
よって重合系内を反応温度まで昇温させて重合を行うこ
とを特徴とする塩化ビニルの懸濁重合法を提供するもの
である。
塩化ビニル100重量部に対して、90−200重量部
が好ましい。
いるもののいずれでもよく、これにはスチレン・マレイ
ン酸コポリマー、部分ケン化ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ゼラチン、炭酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム等のうちから1種又は2種以上の組み合
わせで使用される。
0.001〜5重量部が使用される。 本発明で使用さ
れる重合禁止剤は、通常塩化ビニルの重合反応を禁止す
る効果のある重合禁止剤で良く、フェノール系、ホスフ
ァイト系、チオエーテル系、チアゾール系等の重合禁止
剤が用いられる。
ロキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル、3,9−ビス〔1,1−ジメチ
ル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカン、4,4′−ブチリデンビス−(6−t−ブチル
−3−メチルフェノール、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、オクタデシル−3−(3,5−ジターシャリブチル
−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート、ペン
タエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート〕
n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−3′,
5′−ジ−t−ブチルフェール)プロピオネート、n−
オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−35′−ジ−
t−ブチルフェニル)プロピオネート、ジラウリルチオ
ジプロピオネート等が挙げられる。
リフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイ
ト、トリオクチルホスファイト、4,4´−ブチリデン
−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−ト
リデシル)フォスファイト等が挙げられる。
−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール等
が挙げられる。
カプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジスルフィド等
が挙げられる。
上の使用が可能であるが、その使用量としては合計した
量が塩化ビニル100重量部に対して0.005〜0.
05重量部が好ましい。添加量が、0.005重量部未
満ではその効果があまりなく、0.05重量部を越える
と重合反応が遅延して好ましくない。
懸濁重合で使用されるもの、例えば重合度調整剤、加工
性改良剤、帯電防止剤、pH調整剤、酸化防止剤、スケ
ール防止剤等の1種類又は2種類以上を使用できる。
も良いが、通常は懸濁剤の仕込みと同じくして仕込まれ
る。
で十分混合することによって安定な分散状態を得ること
が出来る。
熱ゲル化温度以下で上記の混合を行うことが好ましく、
この温度を越えると粗い粒子の生成が多くなる。
重量%に懸濁剤、重合禁止剤を仕込み、通常オートクレ
ーブ内は脱気処理に付され、オートクレーブ内に存在す
る空気を除去する。次に攪拌を開始した後、好ましく
は、攪拌が定常状態になった後、塩化ビニルと重合開始
剤と重合系に存在させる全水量の50〜80重量%の重
合温度以上に加温された脱イオン水とを仕込むことによ
って重合系内を所定の反応温度まで昇温させ、ただちに
重合する。
塩化ビニル又は塩化ビニルを主成分とする、これと共重
合可能なモノマーとの混合物が使用可能である。塩化ビ
ニルと共重合可能な成分としては例えばエチレン、酢酸
ビニル、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、塩化ビ
ニリデン等が挙げられる。
−α,α′−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾ
ビス−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル
等のアゾ化合物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−(β−エトキシエチル)パーオキシジカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシジカーボネート、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカ
ネート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物が
挙げられる。
して0.0001〜5重量部が使用される。
することもできる。希釈剤としては、メタノール、エタ
ノール等の低級アルコール、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、炭素数12以上の常温で液体の脂肪族炭
化水素、アセトン等が挙げられる。
るのが好ましい。なぜなら重合開始剤を均一分散させ、
粒度の安定性およびフィシュアイの削減を図ることがで
きるからである。5重量%未満では希釈剤が多くなっ
て、経済的でなく、又50重量%越えると希釈剤を使用
する効果が十分発現されない場合がある。
合が行われる温度範囲で実施する事ができる。
度としては、重合温度〜100℃、好ましくは60〜9
0℃であるが、これは重合温度、温水の仕込量、ジャケ
ットからの加熱能力及び重合処方等に応じて適宜決める
ことが可能である。
明は、これらによって制限されるものではない。 評価 実施例における粉体特性等の評価は次の様にして行っ
た。 1.粒度分布 JIS標準のふるいを用いて測定した。 2.フィシュアイ A配合 レジン 100重量部 DOP 50 〃 Ca-Zn 系安定剤 2 〃 群青 3 〃 B評価 上記の配合で150℃のミキシングロールで3分間混練
し、0.35mmのシートを作成した。このシートを使用
し50cm2 中にフィシュアイが何個あるかを数えた。 3.スケール付着状況 ○ 良好 × 悪い 4.ガラス状粒子の生成 ○ 生成しない × 生成する。
部に対して、脱イオン水55重量部、部分ケン化ポリビ
ニルアルコール0.06重量部、ジブチルヒドロキシト
ルエン0.02重量部を仕込み、オートクレーブ内を脱
気した。
ーオキシジカーボネート0.02重量部と30℃の塩化
ビニル100重量部を仕込み、続いて80℃に加温した
脱イオン水75重量部を仕込み、オートクレーブ内の温
度を57℃にして重合を開始した。オートクレーブ内の
圧力が57℃における塩化ビニルの飽和蒸気圧により、
2.0Kg/cm2 低下したところで重合を停止し、未
反応塩化ビニルを回収して、撹拌を停止した。得られた
スラリーを脱水乾燥し、塩化ビニルポリマーを得た。得
られたポリマーの粒度分布及びフィシュアイ試験の結果
を表1に示す。
ジカーボネート0.02重量部をメタノールで30重量
%溶液に変更した以外はまったく同様に実施した。得ら
れたポリマーの試験結果を表1に示す。
ジカーボネート0.02重量部と30℃の塩化ビニル1
00重量部と80℃に加温した脱イオン水75重量部と
を同時に仕込み、オートクレーブ内の温度を57℃にし
て重合を開始した以外はまったく同様に実施した。得ら
れたポリマーの試験結果を表1に示す。
度)を64℃にし、脱イオン水の添加量を常温の脱イオ
ン水35重量部、80℃に加温した脱イオン水を95重
量部に変更した以外まったく同様に実施した。得られた
ポリマーの試験結果を表1に示す。
ール0.06重量、ジブチルヒドロキシトルエン0.0
2重量部を含む30℃の脱イオン水130重量部を仕込
み、脱気した。攪拌を開始した後、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカボネート0.02重量部と30℃の
塩化ビニル100重量部とを仕込み、ジャケットを80
℃の温水で加熱し、オートクレーブ内の温度を57℃に
して重合を開始した。この後、実施例1と同じ条件下で
処理して塩化ビニルポリマーを得た。得られたポリマー
の試験結果を表1に示す。
ケン化ポリビニルアルコール0.06重量部を仕込み、
オートクレーブ内を脱気した。次いで、ジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネート0.02重量部と3
0℃の塩化ビニル100重量部とを仕込んだ後、攪拌を
開始し、続いて80℃に加温した脱イオン水75重量部
を仕込み、オートクレーブ内の温度を57℃にして重合
を開始した。この後、実施例1と同じ条件下で処理して
塩化ビニルポリマーを得た。得られたポリマーの試験結
果を表1に示す。
した以外まったく同様に実施した。得られたポリマーの
試験結果を表1に示す。
トクレ−ブ中に80℃に加温した脱イオン水130重量
部、部分ケン化ポリビニルアルコ−ル0.006重量
部、ジ−2−エチルヘキシルパ−オキシジカ−ポネ−ト
0.002重量部と30℃の塩化ビニル100重量部を
撹拌しながら同時に仕込んでオ−トクレ−ブ内の温度を
57℃にして重合を開始した。この後、実施例1と同じ
条件下で処理して塩化ビニルポリマ−を得た。得られた
ポリマ−の試験結果を表1に示す。
−トクレ−ブ中に脱イオン水30重量部、30℃塩化ビ
ニル10重量部、部分ケン化ポリビニルアルコ−ル0.
06重量部、ジ−2−エチルヘキシルパ−オキシジカ−
ボネ−ト0.002重量部を30℃以下の温度で均一混
合し、ついで撹拌しながら80℃に加温した脱イオン水
を100重量部になる様に仕込んでオ−トクレ−ブ内の
温度を57℃にして重合を開始した。この後、実施例1
と同じ条件下で処理して塩化ビニルポリマ−を得た。得
られたポリマ−の試験結果を表1に示す。
−トクレ−ブ中に30℃以下の水30重量部、部分ケン
化ポリビニルアルコ−ル0.06重量部、ジ−2−エチ
ルヘキシルパ−オキシジカ−ボネ−ト0.02重量部を
仕込み、撹拌混合した後、80℃に加温した脱イオン水
100重量部を仕込んでオ−トクレ−ブ内の温度を57
℃にして重合を開始した。この後、実施例1と同じ条件
下で処理して塩化ビニルポリマ−を得た。得られたポリ
マ−の試験結果を表1に示す。
の方法によれば塩化ビニルの重合における昇温時間を著
しく短縮することが可能となり、合わせてフィシュアイ
その他の物性を損なうことなく生産性の向上を計ること
が可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】塩化ビニルの懸濁重合法において、オート
クレーブ中に重合系の全水量のうち、20〜50重量%
の常温の脱イオン水、懸濁剤、重合禁止剤を仕込み、攪
拌を開始した後、塩化ビニルと重合開始剤と重合系の全
水量の50〜80重量%の重合温度以上に加温された脱
イオン水とを仕込むことによって重合系内を反応温度ま
で昇温させて重合を行うことを特徴とする塩化ビニルの
懸濁重合法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3023699A JP3066842B2 (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | 塩化ビニルの懸濁重合法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3023699A JP3066842B2 (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | 塩化ビニルの懸濁重合法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04248810A JPH04248810A (ja) | 1992-09-04 |
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Family
ID=12117642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3023699A Expired - Lifetime JP3066842B2 (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | 塩化ビニルの懸濁重合法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3066842B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JPWO2013077211A1 (ja) * | 2011-11-25 | 2015-04-27 | Jsr株式会社 | ゲル電解質形成剤、ゲル電解質形成用組成物、ゲル電解質、および蓄電デバイス |
CN113980161A (zh) * | 2021-11-17 | 2022-01-28 | 新疆中泰化学阜康能源有限公司 | 提高聚氯乙烯复合树脂生产效率的方法 |
-
1991
- 1991-01-25 JP JP3023699A patent/JP3066842B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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