JP3066484B2 - 抗アレルギー剤および抗炎症剤 - Google Patents

抗アレルギー剤および抗炎症剤

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JP3066484B2 JP9075085A JP7508597A JP3066484B2 JP 3066484 B2 JP3066484 B2 JP 3066484B2 JP 9075085 A JP9075085 A JP 9075085A JP 7508597 A JP7508597 A JP 7508597A JP 3066484 B2 JP3066484 B2 JP 3066484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
抗アレルギー剤、抗炎症剤およびヒアルロニダーゼ活性
阻害剤に関する。また、本明細書で開示する発明は、ヒ
アルロニダーゼ阻害活性成分および肥満細胞脱顆粒阻害
活性活性成分の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘビ毒や精液等に含まれているヒアルロ
ニダーゼは、哺乳動物の結合組織に多量に分布するヒア
ルロン酸を加水分解する酵素である。ヒアルロニダーゼ
は起炎症作用を有することが確認されており、また、ヒ
アルロニダーゼの活性を阻害することによってアレルギ
ーや炎症を軽減しうることが知られている。このため、
ヒアルロニダーゼ活性阻害剤を開発して、有用な抗アレ
ルギー剤や抗炎症剤を提供することが望まれている。ま
た、ヒアルロン酸は乳液やクリームなどの化粧品に含ま
れていることが多いため、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤
は化粧品中のヒアルロン酸の分解を防ぐために用いるこ
ともできる。
【0003】一方、肥満細胞は脱顆粒することによって
ヒスタミンを遊離し、喘息、枯草熱、アトピー性湿疹な
どの即時型アレルギー反応を誘起することが知られてい
る。このため、肥満細胞の脱顆粒を阻害することによっ
てアレルギーを軽減することができるものと考えられて
いる。したがって、効果的な肥満細胞脱顆粒阻害剤を開
発して、有用な抗アレルギー剤を提供することが望まれ
ている。ヒアルロニダーゼ活性の阻害と肥満細胞脱顆粒
阻害機構の間には、何らかの関係が存在するとの報告が
なされているが〔掛川ら、J.Pharm.Dyn.
7,S−96(1984)およびChem.Phar
m.Bull.33(11)5079−5082(19
85)〕、両者の関係は完全に明らかにされているとは
いえない。
【0004】本発明者らが着目した藻類は、近海、湖、
池などに豊富に生育する植物であり、健康食品として食
用に供されるとともに、飼料成分や肥料成分としても広
く用いられている。藻類は、ほとんどが炭水化物と灰分
からなっており、陸上植物とは異なる成分を含有してい
る。しかしながら、藻類には多種多様の成分が含まれて
いるため、藻類の構成成分とその含有量はいまだ完全に
分析されるに至っていない。これまでに、藻類に含まれ
ている成分のうち非水溶性のアルギン酸については、抗
アレルギー作用、抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ活性阻
害作用および肥満細胞脱顆粒阻害作用があることが報告
されているが、それ以外の成分について検討した例はな
い。とくに藻類の水溶性成分に抗アレルギー作用、抗炎
症作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用および肥満細胞
脱顆粒阻害作用があるか否かを検討した文献はまったく
存在しておらず、これらの作用の存在を示唆する研究も
何ら公表されていない。また、これらの作用活性を強化
する方法についても、検討例はまったくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、藻類の水溶性成分を利用することによって、安全性
が高くて容易に製造することができる新しい抗アレルギ
ー剤、抗炎症剤およびヒアルロニダーゼ活性阻害剤を提
供することを課題として検討を進めた。また、本発明者
らは、その検討を通して、抗アレルギー活性成分と肥満
細胞脱顆粒阻害活性成分の製造方法を提供することも課
題として検討を進めた。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらについて鋭意検討
を行なった結果、本発明者らは、藻類を、特定の高温高
圧下で抽出処理して得られる熱水抽出物を用いれば、こ
れらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、藻類を、 200〜500
℃、60〜400気圧の高温高圧下に水で抽出した熱水
抽出物を活性成分として含有することを特徴とする抗ア
レルギー剤、抗炎症剤およびヒアルロニダーゼ活性阻害
剤を提供するものである。また、本発明は、藻類を水に
入れ、200〜500℃、60〜400気圧の高温高圧
下で熱水抽出することを特徴とするヒアルロニダーゼ阻
害活性成分および肥満細胞脱顆粒阻害活性成分の製造方
法を提供するものである。
【0007】本発明で使用する藻類の種類は特に制限さ
れない。藻類は、水中に生育し同化色素を有して独立栄
養生活をする下等植物の総称であり、厳密には光合成の
過程において酸素を放出する有胚植物以外の生物と定義
される。本発明で使用する藻類は、この定義に当てはま
る植物の中から選択する。具体的には、藍藻類、紅藻
類、灰色藻類、クリプト藻類、渦鞭藻類、黄金色藻類、
珪藻類、褐藻類、黄緑藻類、ハプト藻類、ラフィド藻類
(緑色鞭藻類)、ボーケリア藻類、ミドリムシ藻類、ブ
ラシノ藻類、緑藻類、車軸藻類をはじめとするさまざま
な藻類のいずれに属するものを使用してもよい。好まし
い藻類は、緑藻類、褐藻類、紅藻類である。
【0008】本発明で使用する藻類の生育場所は特に限
定されない。したがって、海水中に生育するものであっ
ても、湖、池、沼などの淡水中に生育するものであって
も構わない。また、生育場所の深度、透明度、水中酸素
濃度、水中二酸化炭素濃度、水中および地中の化合物濃
度、水中および地中の温度、生物分布、土質、水流速
度、地形、緯度、経度、気候もとくに制限されない。さ
らに、本発明で使用する藻類は、天然に生育しているも
ののみならず、人工的に養殖したものであっても構わな
い。また、本発明で使用する藻類の採取時期や藻類の生
育年数についても特に制限されない。
【0009】本発明では、これらの多種多様な藻類の中
から一種類だけを選択して使用してもよいし、複数種を
組み合わせて使用してもよい。活性が高い藻類を組み合
わせて使用すれば、より高い活性の発現が期待できる。
また、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用が強い藻類と、肥
満細胞脱顆粒阻害活性が強い藻類を組み合わせれば、よ
り有効な抗アレルギー作用と抗炎症作用の発現が期待で
きるため、このような組み合わせを利用するのも好まし
い。本発明では、藻類を熱水で抽出した抽出物を使用す
る。抽出に使用する水は、必ずしも純水である必要はな
い。例えば、水道水や不純物を含むものであっても構わ
ないが、活性物質の抽出を妨げる成分を含むものであっ
てはならない。抽出に用いる水の温度は200℃〜50
0℃に設定する。また、抽出用の水は、その温度範囲で
あれば、沸騰水や超臨界状態にある水も含むものであ
る。抽出に使用する水の量は、藻類中に含まれる水溶性
活性成分を十分に溶解しうる量であることが好ましい。
【0010】本発明において、抽出は、当業界で通常用
いられている方法にしたがって行なうことができる。通
常は、採取した藻類を洗浄して表面に付着した汚れや生
物を除去した後、裁断してから抽出する。裁断に先立っ
て風乾や凍結乾燥処理を行なってもよい。また、裁断に
よって藻類の大きさを2〜5mm程度にしておくのが好
ましい。裁断した藻類は、通常用いられる抽出器に水と
ともに導入して抽出する。沸騰水または超臨界状態にあ
る水を使用して抽出する場合には、水の蒸気圧に耐え得
る抽出器を使用する必要がある。抽出時の圧力は、60
〜400気圧に設定する。高圧下における抽出は、例え
ば、図1に示す抽出装置を用いて水1mlあたり藻類1
0〜40mgの割合で混合して行なうことができる。こ
のような高温高圧下で抽出を行なうには、抽出時間を長
くし過ぎると活性成分が過度に分解したり、化学反応を
起こすことがある。このため、高温高圧下で抽出を行な
うには、抽出時間を3分以内にするのが好ましい。中で
も、1分以内にするのがより好ましく、30秒以内にす
るのがもっとも好ましい。
【0011】常温水で抽出した抽出物と熱水で抽出した
抽出物の活性を比較すると、熱水抽出物の方が高い肥満
細胞脱顆粒阻害活性を示すことを確認した(試験例
2)。このことは、熱水抽出物の方が抗アレルギー活性
が高いことを示している。また、この事実は、藻類を比
較的低い温度で抽出した抽出物を加熱することによっ
て、肥満細胞脱顆粒阻害活性と抗アレルギー活性を強化
できることを示唆するものである。
【0012】本発明の熱水で抽出した抽出液は、そのま
ま抗アレルギー剤、抗炎症剤およびヒアルロニダーゼ活
性阻害剤として使用することができる。また、必要に応
じて希釈または濃縮して適当な濃度に調節することもで
きる。さらに、ゼラチンなどのゲル化剤を添加したり、
pHを調節したりすることによって、固体状またはペー
スト状の抗アレルギー剤、抗炎症剤およびヒアルロニダ
ーゼ活性阻害剤にすることもできる。あるいは、抽出液
を噴霧乾燥することによって、粉末状の抗アレルギー
剤、抗炎症剤およびヒアルロニダーゼ活性阻害剤にする
こともできる。このように、本発明の組成物の濃度や形
状はとくに制限されず、その用途に応じて適宜決定する
ことができる。
【0013】本発明の組成物には、藻類の熱水抽出物以
外にゼラチン、乳糖、脂肪、油脂などの担体を含ませて
おくことができる。また、アルコールなどの溶媒や、カ
ルボキシメチルセルロースなどの希釈剤、保存剤、結合
剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤などを組み合わせて使用し
てもよい。さらに、本発明の組成物には、藻類の水抽出
物以外の活性成分を含ませてもよい。本発明の組成物
は、従来から食用に供されている藻類の抽出物を活性成
分としているため、生体に対する安全性が高い。このた
め、本発明の組成物は、化粧品、医薬品、食品などの幅
広い製品中に含有させることができる。これらの製品に
おける本発明の活性成分の濃度は、所望の効果を奏する
範囲内で適宜選択することができる。化粧品の場合に
は、例えば1〜100ppmにすることができる。ま
た、人体に投与する場合には、例えば1日あたり0.5
μg〜50mg/kg体重として、1回から数回に分け
て投与することができる。医薬品にする場合の剤形は、
投与目的や投与経路等に応じて、錠剤、カプセル剤、注
射剤、点滴剤、散剤、座剤、顆粒剤、軟膏剤、懸濁剤、
乳剤などにすることができる。
【0014】本発明の組成物は抗アレルギー作用を有す
ることから、食品に含ませることによってその食品を抗
アレルギー機能性食品にすることができる。対象となる
食品の種類は,これらの活性成分の抗アレルギー作用が
阻害されないものであれば特に限定されない。例えば、
ジュース、清涼飲料水、紅茶などの飲料、パンやもちな
どの加工食品、あめなどの菓子類、カップラーメンなど
のインスタント食品、醤油やみりんなどの調味料、ふり
かけ、みそなどの広範な食品に含ませることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例および試験例を記載して、本発
明をさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例
および試験例によって、本発明の範囲は限定的に解釈さ
れるものではない。
【0016】(実施例) 本実施例において、藻類の水抽出物を含有する抗アレル
ギー剤、抗炎症剤およびヒアルロニダーゼ活性阻害剤の
製造方法を具体的に説明する。藻類として、アカバギン
ナンソウ、エゾノネジモク、ウルシグサ、ホソバナミノ
ハナ、ハネモ、カギノリ、スサビノリ、エゾヤハズ、ワ
タモ、アカモク、ヌメハノリ、フシスジモク、ハイミ
ル、ウメゾウメン、ツヤナシシオグサ、ホソメコンブ、
フクロノリ、ミル、ウミトラノオ、オオソゾ、ショウジ
ョウケノリ、ハリガネ、タマジュズモ、ユナ、ヒジキ、
ノリ、イワヒゲ、遊走子放出ワカメ、ピリヒバ、コン
ブ、ネバリモ、ダルス、メカブ、コスジフシツナギ、マ
ツモ、アラメ、トゲモクおよびケウルシグサを採取し
た。
【0017】各藻類を十分に水洗いすることによって藻
類表面に付着している汚れや生物を除去し、風乾して凍
結乾燥した。その後、再び表面を水洗いして、2〜5m
m程度の大きさに裁断した。得られた裁断藻類は、常温
水抽出用と熱水抽出用に2分して、それぞれ以下の抽出
操作に使用した。常温水抽出用の裁断藻類10〜100
mgを蒸留水5〜8mlとともに抽出用容器の中に入
れ、栓をして約30分間常温で震盪した。その後、濾過
することによって裁断藻類を除き、抽出液を得た。この
抽出液は、そのまま抗アレルギー剤、抗炎症剤およびヒ
アルロニダーゼ活性阻害剤として使用することができ
る。
【0018】一方、熱水抽出用の裁断藻類100mg
を、脱酸素した蒸留水5mlとともに耐圧反応管(SU
S316製、内径0.93cm、外径1.27cm、長
さ15cm、容積10.5cm)に入れ、反応管の
内部を窒素置換して栓をした。この反応管を、図1に示
す震盪装置に保持し、300℃の溶融塩バス中に入れて
30秒間震盪した。反応管に挿入した熱電対によって反
応管内部の温度変化を調べたところ、反応管を溶融塩バ
スに入れてから20〜25秒で300℃に達した。バス
に入れて30秒間震盪した後、直ちにバスから反応管を
取り出し、氷水中に入れて冷却した。その後、濾過する
ことによって裁断藻類を除き、抽出液を得た。この抽出
液は、そのまま抗アレルギー剤、抗炎症剤およびヒアル
ロニダーゼ活性阻害剤として使用することができる。
【0019】(試験例1) 本試験例において、上記実施例で製造した抽出液の一部
について、ヒアルロニダーゼ阻害活性を測定した。測定
は以下の手順で行なった。下記の表に記載される予備溶
液A、B、C、D、E、Fを調製した。
【0020】
【表1】 予備溶液 組 成 A ウシ睾丸由来のヒアルロニダーゼ(シグマ社製)2.83mg を0.1M酢酸緩衝剤(pH4.0)1mlに溶解した溶液 B 0.1M酢酸緩衝剤(pH4.0)に溶解した0.3M塩化ナ トリウム溶液 C 雄鶏とさか由来のヒアルロン酸カリウム塩(シグマ社製) 1.83mgを0.1M酢酸緩衝剤(pH4.0)1mlに溶 解した溶液 D 0.4N水酸化ナトリウム水溶液 E 0.8Mホウ酸ナトリウム溶液(Na) F パラ−ジメチルアミノベンズアルデヒド10gに、10N塩酸 12.5mlおよび酢酸87.5mlを添加して溶解した後、 酢酸で10倍に希釈した溶液
【0021】予備溶液A(0.025ml)を、予備溶
液B(0.2ml)と混合して、37℃で20分間保温
した。これに、1/15Mリン酸緩衝液(pH7;KH
PO、NaHPO・12HO含有)
に溶解した藻類の常温水抽出液または熱水抽出液(固形
分の終濃度が22.3μg/mlになるように調製)
0.1mlを添加して、37℃で20分間保温した。さ
らに予備溶液C(0.2ml)を加えて、37℃で20
分間保温した。その後、予備溶液D(0.1ml)およ
び予備溶液E(0.1ml)を添加して3分間煮沸し、
冷却後さらに予備溶液F(3.0ml)を添加した。そ
の後、さらに37℃で20分間保温して585nmにお
ける吸光度を測定した。以下の式にしたがってヒアルロ
ニダーゼ活性阻害率を求めて活性を評価した。
【0022】
【数1】 A=ヒアルロニダーゼもサンプルも含まない場合の吸光
度B=サンプルとヒアルロニダーゼをともに含む場合の
吸光度C=サンプルは含まないがヒアルロニダーゼを含
む場合の吸光度測定結果は以下の表に示すとおりであっ
た。
【0023】
【表2】 藻類の種類 常温水抽出液 熱水抽出液 アカバギンナンソウ 0.25 4.4 エゾノネジモク 14.4 − ウルシグサ 4.61 11.5 ホソバナミノハナ − 6.0 スサビノリ − 0.1 エゾヤハズ − 8.0 ワタモ − 4.2 アカモク − 8.9 ヌメハノリ − 33.2 フシスジモク − 5.0 ハイミル 7.1 − ウメゾウメン − 3.3 ツヤナシシオグサ − 0.4 ホソメコンブ − 2.5 フクロノリ 2.0 7.2 ミル − 3.4 ウミトラノオ − 9.0 オオソゾ − 2.2 ショウジョウケノリ 2.5 1.8 ハリガネ 37.4 − タマジュズモ − 4.1 ユナ − 11.3 ノリ − 21.3 イワヒゲ − 15.1 遊走子放出ワカメ − 25.7 ピリヒバ − 35.2 コンブ − 1.3 ネバリモ 9.1 − ダルス 18.2 − メカブ 14.9 0.8 コスジフシツナギ 4.8 − マツモ 4.0 − アラメ 39.5 82.8 トゲモク 9.5 1.9 ケウルシグサ 9.4 − (注)「−」は、活性が確認されなかったことを示す。
【0024】広範な藻類について検討した上記試験結果
は、少なくとも常温水抽出液または熱水抽出液のいずれ
かにヒアルロニダーゼ阻害活性があることを示してい
る。中でも、ハリガネとアラメの常温抽出物と、ヌメハ
ノリ、ピリヒバおよびアラメの熱水抽出液には、とくに
強いヒアルロニダーゼ阻害活性があることが確認され
た。
【0025】(試験例2) 本試験例において、上記実施例で製造した抽出液の一部
について、肥満細胞脱顆粒阻害活性を測定した。測定は
以下の手順で行なった。タイロード液20mlをウイス
ター系ラット腹腔内に注入し、ピペットを用いて腹水を
取り出した。この腹水を4℃で遠心分離(100xg、
12分間)することによって、沈殿した細胞を収集し
た。この細胞をタイロード液2mlに懸濁し、牛血清ア
ルブミン生理食塩水(比重1.068)4mlに重層し
た。4℃で再度遠心分離(100xg、12分間)し
て、沈殿した肥満細胞を収集した。抗DNPマウスモノ
クローナルIgE抗体を用いて37℃で1時間処理する
ことによって、肥満細胞にIgEを結合させて感作状態
にした。タイロード液で数回洗浄した後、0.2%牛血
清アルブミン含有タイロード液に肥満細胞を懸濁させ
て、肥満細胞濃度が1×10細胞/mlのIgE感
作肥満細胞懸濁液を調製した。NaCl(8.00g/
l)、KC1(0.20g/l)、NaHPO
2HO(1.15g/l)、KHPO
(0.2g/l)を含有する生理的塩類混合溶液
(PBS溶液)に藻類の常温水抽出液または熱水抽出液
を固形分濃度1.25mg/mlで溶解し、この溶液を
上記懸濁液に濃度250μg/mlになるように添加し
て、37℃で10分間インキュベートした。さらに抗原
(DNP−BSA)(最終濃度として200ng/m
l)およびホスファチジルセリン(最終濃度として10
μg/ml)含有PBS溶液を脱顆粒誘発剤として添加
し、37℃で10分間インキュベートした。遠心分離
(1500xg、5分間)して得られた上清中のヒスタ
ミン量を、オルトフタルアルデヒドでポストカラムラベ
ルしてHPLCにより定量した。以下の式にしたがっ
て、ヒスタミン遊離阻害率を求めて活性を評価した。
【0026】
【数2】 A=細胞をPBS溶液だけとインキュベートした際に遊
離するヒスタミンの量 B=サンプル存在下で細胞を脱顆粒誘発剤とインキュベ
ートした際に遊離するヒスタミンの量 C=サンプル非存在下で細胞を脱顆粒誘発剤とインキュ
ベートした際に遊離するヒスタミンの量
【0027】測定結果は以下の表に示すとおりであっ
た。
【表3】 藻類の種類 常温水抽出液 熱水抽出液 アカバギンナンソウ 5 61 エゾノネジモク 12 61 ハネモ − 24 エゾヤハズ − (136) ヌメハノリ 3 71 フシスジモク 7 65 ツヤナシシオグサ − 37 フクロノリ − 27 ショウジョウケノリ 4 62 タマジュズモ 1 75 ユナ 14 97 ヒジキ − 64 ノリ − 39 イワヒゲ − 44 ピリヒバ − 10 コンブ 4 98 ネバリモ 1 61 ダルス 7 35 メカブ 10 87 トゲモク 28 (107) ケウルシグサ − 79 (注)「−」は、活性が確認されなかったことを示す。 ( )内の数値は、ノイズピ−クとの重なりがあることを示す。
【0028】上記試験結果は、広範な藻類の熱水抽出液
に肥満細胞脱顆粒阻害活性があることを示している。と
くにエゾヤハズとトゲモクの熱水抽出液には、極めて高
い肥満細胞脱顆粒阻害活性が確認された。また、一般に
水抽出液よりも本発明の熱水抽出液の方が高活性である
ことが確認された。
【0029】
【発明の効果】本明細書に示した藻類の熱水抽出物は、
抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害
剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤の活性成分として有用で
ある。本発明の藻類の熱水抽出物は、安全性が高いうえ
に簡単な方法で調製することができるため、化粧品、医
薬品、食品などへの利用性が高くその応用範囲はきわめ
て広いものと期待される。また、本明細書に示した抗ア
レルギー活性と肥満細胞脱顆粒阻害活性成分を製造する
方法は、単に特定の高温高圧条件の下に水で高活性成分
を容易に得ることができるものであり、その有用性は極
めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱水による抽出を行なう際に使用する
ことができる装置の一例を示した図である。
【符号の説明】
1:震盪装置 2:熱電対 3:耐圧反応管 4:高温バス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 // A23L 1/30 A23L 1/30 B (72)発明者 丸山 進 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 冨塚 登 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 伊東 祥太 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1 号 工業技術院東北工業技術研究所内 (72)発明者 畑田 清隆 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1 号 工業技術院東北工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 平8−9935(JP,A) 特開 平6−179624(JP,A) 特開 平6−298661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/80 A61K 7/00 A61K 7/48 A61P 29/00 A61P 37/08 A61P 43/00 111 A23L 1/30 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 藻類を、200〜500℃、60〜40
    0気圧の高温高圧下に水で抽出した熱水抽出物を活性成
    分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
  2. 【請求項2】 藻類を、200〜500℃、60〜40
    0気圧の高温高圧下に水で抽出した熱水抽出物を活性成
    分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
  3. 【請求項3】 藻類を、200〜500℃、60〜40
    0気圧の高温高圧下に水で抽出した熱水抽出物を活性成
    分として含有することを特徴とするヒアルロニダーゼ阻
    害活性剤。
  4. 【請求項4】 藻類を水に入れ、200〜500℃、6
    0〜400気圧の高温高圧下で熱水抽出することを特徴
    とするヒアルロニダーゼ阻害活性成分の製造方法。
  5. 【請求項5】 藻類を水に入れ、200〜500℃、6
    0〜400気圧の高温高圧下で熱水抽出することを特徴
    とする肥満細胞脱顆粒阻害活性成分の製造方法。
JP9075085A 1997-03-27 1997-03-27 抗アレルギー剤および抗炎症剤 Expired - Lifetime JP3066484B2 (ja)

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