JP4865838B2 - プリン体吸収抑制組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ユーグレナ加工物の製造方法、ユーグレナ加工物及びプリン体吸収抑制組成物に関するものである。
生物では、プリン環骨格を共通の基本構造とするプリン体と呼ばれる化合物群が生合成され、これらが、核酸を構成しているアデニン、グアニンなどのように、遺伝情報伝達、エネルギーの貯蔵、細胞機能の調節、細胞内の情報伝達など、様々な役割を果たしている。また、プリン体は毎日の食事により、その飲食品中からも摂取され、体内に取り込まれる。
ヒトにおけるプリン体の最終代謝産物は尿酸であり、尿酸は、腎臓から尿へと、また、肝臓から胆汁へと排泄される。プリン体の代謝や尿酸の排泄のバランスが崩れると、血中尿酸値が上昇し、関節内、関節周囲に尿酸塩の結晶が沈着することにより、痛風の原因ともなる(下記非特許文献1参照。)。
痛風の薬物療法には、アロプリノール、ベンズブロマロン、ブロベネシド、ブコロム、シンコファン、及びコルヒチン等の医薬品が用いられている。また、上記の医薬品以外にも、例えば、下記特許文献1には、水溶性食物繊維を有効成分とするプリン体吸収抑制剤が開示され、下記特許文献2には、活性炭を含有することを特徴とする、尿酸値抑制剤が開示され、下記特許文献3には、酵母の菌体に由来するマンノースの重合体あるいはマンナンを有効成分として、血中尿酸値の上昇抑制作用もしくは低下作用を有する血中尿酸値低下物質が開示されている。
一方、ユーグレナ(Euglena)は、藻類として池や沼などの淡水中に広く分布しているユーグレナ属に属する原生生物であり、近年では、これを栄養健康食品として利用することも行われている(下記非特許文献2,3参照。)。しかしながら、ユーグレナに、プリン体の吸収を抑制する効果や、血中尿酸値を低減する効果のあることは知られていなかった。
特開2005−47828号公報 特開2005−187405号公報 特開2006−213607号公報
金子希代子 著、「食品に含まれるプリン体について−血清尿酸値に影響を与える食品と食品中のプリン体含量−」 痛風と核酸代謝Vol.31 No.2 p119-131 (2007) 日経ヘルス(株式会社 日経BP)2007年9月号 p99-104、 日経ヘルス(株式会社 日経BP) 2007年10月号 p129-134、
本発明の目的は、毎日の食事により、その飲食品中から摂取され、体内に取り込まれるプリン体の、その腸管からの吸収を抑制するための組成物であって、効果が高く、且つ、健康食品、サプリメントなどとして、安心して摂取することができるものを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、ユーグレナにはプリン体吸着能があり、これを摂取することによって血中尿酸値を低減する効果があることを見出した。さらに、ユーグレナの加工処理により、その効果をいっそう高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のユーグレナ加工物の製造方法は、ユーグレナを高圧破砕処理して、該高圧破砕処理物から、パラミロン不溶性の溶媒を用いて、可溶性成分を除去することを特徴とする。
本発明のプリン体吸収抑制組成物によれば、ユーグレナを高圧破砕処理する工程と、前記高圧破砕処理より得られた破砕物から、可溶性成分を除去する工程と、を行うことにより得られたユーグレナ加工物を有効成分とすることによって、ユーグレナの潜在的なプリン体吸着能を賦活化することができる。よって、得られるユーグレナ加工物は、加工前のユーグレナよりも、そのプリン体吸着能がいっそう高められている。したがって、そのユーグレナ加工物は、食事により腸管から吸収されようとしているプリン体の吸収を抑制し、体外へ排出させることを目的とした、プリン体吸収抑制組成物の有効成分として、きわめて有用である。
また、ユーグレナ加工物の製造方法においては、高圧破砕処理が、高圧ホモジナイズであることが好ましい。これによれば、より有効に、ユーグレナのプリン体吸着能を高めることができる。
本発明のプリン体吸収抑制組成物においては、前記可溶性成分を除去する工程においては、パラミロン不溶性の溶媒である水又は含水アルコールを用いることにより可溶性成分が除去されることが好ましい。これによれば、更により有効に、ユーグレナのプリン体吸着能を高めることができる。
本発明のプリン体吸収抑制組成物においては、前記溶媒、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加したものであることが好ましい。これによれば、非イオン性界面活性剤が、パラミロンと挙動をともにしない成分のユーグレナからの遊離を促進するので、更により有効に、ユーグレナのプリン体吸着能を高めることができる
一方、本発明のプリン体吸収抑制組成物の成分であるユーグレナ加工物は、固形分中にパラミロンを30質量%以上含むことを特徴とする。
本発明のユーグレナ加工物は、プリン体吸着能が高い。したがって、食事により腸管から吸収されようとしているプリン体の吸収を抑制し、体外へ排出させることを目的とした、プリン体吸収抑制組成物の有効成分として、きわめて有用である。
本発明は、上記のユーグレナ加工物を有効成分とする、プリン体吸収抑制組成物である。
本発明のプリン体吸収抑制組成物によれば、上記のユーグレナ加工物を有効成分とするので、これを用いて、食事により腸管から吸収されようとしているプリン体の吸収を有効に抑制し、体外へ排出させることができる。
本発明のユーグレナ加工物の製造方法によれば、ユーグレナを高圧破砕処理して、該高圧破砕処理物から、パラミロン不溶性の溶媒を用いて、可溶性成分を除去することによって、ユーグレナの潜在的なプリン体吸着能を賦活化することができる。よって、得られるユーグレナ加工物は、加工前のユーグレナよりも、そのプリン体吸着能がいっそう高められている。そのユーグレナ加工物は、食事により腸管から吸収されようとしているプリン体の吸収を抑制し、体外へ排出させることを目的とした、プリン体吸収抑制組成物の有効成分として、きわめて有用である。また、プリン体の吸収を抑制し、体外へ排出させる結果、痛風の原因となる尿酸の血中滞留量を低減し、痛風の予防改善の効果も期待できる。
ユーグレナによるアデノシンあるいは5'-AMPに対する吸着率を示す図表である。 ユーグレナカプセルを摂取しない第1期目のプリン体負荷後の血清尿酸濃度上昇値−時間曲線下面積(AUCI)を負荷後の時間に対してプロットしたグラフである。 ユーグレナカプセルを摂取した第2期目のプリン体負荷後の血清尿酸濃度上昇値−時間曲線下面積(AUCII)を、負荷後の時間に対してプロットしたグラフである。 第2期目におけるAUCIIから第1期目におけるAUCIを差し引いた値(ΔAUC)を負荷後の時間に対してプロットしたグラフである。 各処理を施したユーグレナについて、その未処理ユーグレナ乾燥粉末300 mg相当量でのアデノシンあるいは5'-AMPに対する吸着率を示す図表(A)又は各処理を施したユーグレナの質量当たりに換算し且つコントロールの吸着率を1とした場合の吸着率の相対値を示す図表(B)である。
以下、本発明について好ましい態様を挙げて、更に詳細に説明する。
本発明において、プリン体とは、共通の基本構造としてプリン環骨格を有する化合物又はその誘導体をいう。例えば、アデニン、グアニン等のプリン塩基、アデノシン、グアノシン、イノシン等のプリンヌクレオシド、アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸等のプリンヌクレオチド、及びオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド等の低分子又は高分子核酸などを含むが、これらには限定されない。
本発明において用いられるユーグレナは、その属種に特に制限はなく、一般に動物学または植物学の分類上ユーグレナ属に属するものであればよく、その変種、変異種であってもよい。例えば以下の種が挙げられる:ユーグレナ グラシリス(Euglena gracilis)、ユーグレナ グラシリス バシラリス(Euglena gracilis var. bacillaris)、ユーグレナ ビリディス(Euglena viridis)、アスタシア ロンガ(Astasia longa)。これらの種のうち、好ましくは、i)培養が容易である、ii)増殖速度が速い、iii)安全性が確認できている、などの観点から、ユーグレナ グラシリスを用いることが特に好ましい。
本発明において用いられるユーグレナは、培養により生産することができる。ユーグレナの培養に用いる培地には、従来公知の培地を用いることができ、具体的には、Cramer-Myers培地(Arch,Mikrobiol.,17,384-402(1952))、Hutner培地(J.Protozool.,14,Suppl.,p17(1967))、Koren-Hutner 培地(J.Protozool.,6,p23(1959))などが挙げられる。ユーグレナの培養は、静置培養、振盪培養、通気攪拌培養などにより行なわれる。また、屋外プールなどに水深20センチ程度のミネラル含有培地をはり、攪拌装置を移動させて攪拌しながら太陽光に曝し、光合成によるCO固定により、光をエネルギー源としCOを炭素源として利用して培養できるので、エネルギー及び培地の利用効率がよい。
本発明において、ユーグレナに含まれるいかなる成分がプリン体吸着能の直接的な有効成分となるかについてのメカニズムは明らかではないが、ユーグレナが、その細胞内にパラミロンと呼ばれるβ-1,3-グルカンの高分子構造体を糖貯蔵体として備えているという特徴を有する原生生物であることから、このパラミロンが関与していることが考えられる。
したがって、本発明のユーグレナ加工物の製造方法は、ユーグレナを高圧破砕処理して、該高圧破砕処理物から、パラミロン不溶性の溶媒を用いて、可溶性成分を除去することを特徴とする。
本発明のユーグレナ加工物の製造方法においては、ユーグレナ菌体をそのまま高圧破砕処理してもよいが、上記のようにして培養により得られた菌体を、スプレードライなどにより、加熱、乾燥し、乾燥粉末に調製したものを用いることが好ましい。これにより、ユーグレナの細胞膜は破砕され、パラミロン粒などの細胞内成分が表面に露出した組成物とすることができる。
本発明のユーグレナ加工物の製造方法において、高圧破砕処理は、例えば、高圧ホモジナイズ装置などを用いて、10〜150MPa、好ましくは30〜110MPa、より好ましくは30〜50MPaの圧力下、10℃〜30℃の温度でホモジナイズすることにより、行うことができる。
そして、その高圧破砕処理物から、ユーグレナに含まれるパラミロンと挙動をともにしない成分を除去する。ここで、ユーグレナに含まれるパラミロンと挙動をともにしない成分を除去するためには、例えば、遠心分離、ろ過などの手段で、ユーグレナに含まれるパラミロンのうちの全部又は一部が移行する画分と、それ以外の画分に分離して、そのパラミロンを含む画分を回収することにより行うことができる。
上記の処理によってユーグレナの潜在的なプリン体吸着能が賦活化される、そのメカニズムは明らかではないが、後述する実施例の結果からも示唆されるように、ユーグレナに含まれるパラミロンにおけるプリン体の吸着部位には、これを占有してプリン体の吸着を妨げている夾雑成分が存在しており、それが除去されることによって、ユーグレナのプリン体吸着能が賦活化されるものと考えられる。
本発明のユーグレナ加工物の製造方法においては、水又は含水アルコールの溶媒を添加し、その溶媒に可溶化する成分を除去することによって、前記ユーグレナに含まれるパラミロンと挙動をともにしない成分を除去することが好ましい。すなわち、パラミロンは水又は含水アルコールの溶媒には不溶であるので、遠心分離やろ過などにより、可溶性画分を除去し、不溶性画分を回収することで、上記ユーグレナから、ユーグレナに含まれるパラミロンと挙動をともにしない成分を除去することができる。上記溶媒は、高圧破砕処理する際に添加されていてもよく、ユーグレナを高圧破砕処理した後の上記高圧破砕処理物に添加してもよい。
本発明のユーグレナ加工物の製造方法においては、上記溶媒が、非イオン性界面活性剤を添加したものであることが好ましい。これによれば、非イオン性界面活性剤が、パラミロンと挙動をともにしない成分のユーグレナからの遊離を促進するので、更により有効に、ユーグレナのプリン体吸着能を高めることができる。すなわち、上述のとおり、後述する実施例の結果からも示唆されるように、ユーグレナに含まれるパラミロンにおけるプリン体の吸着部位には、これを占有してプリン体の吸着を妨げている夾雑成分が存在しており、それが除去されることによって、ユーグレナのプリン体吸着能が賦活化されるものと考えられる。したがって、非イオン性界面活性剤が、パラミロンにおけるプリン体の吸着部位を占有してプリン体の吸着を妨げている夾雑成分のユーグレナからの遊離を促進するものと考えられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル、サポニンなどを使用することが好ましく、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルをより好ましく例示できる。
一方、本発明のユーグレナ加工物は、上記の方法で得られ、固形分中にパラミロンを30質量%以上含むことを特徴とする。
本発明のユーグレナ加工物においては、固形分中にパラミロンを30質量%以上含むことが好ましく、固形分中にパラミロンを35質量%以上含むことがより好ましく、固形分中にパラミロンを40質量%以上含むことが最も好ましい。
なお、上記ユーグレナ加工物中のパラミロンの含有量は、水不溶性画分に含まれるパラミロンの構成糖を2NNaOHで処理してすべて可溶化した後、常法に従い、フェノール硫酸法で、可溶化された構成糖の量を測定して求めることができる。
本発明のユーグレナ加工物によれば、プリン体吸着能が高い。したがって、食事により腸管から吸収されようとしているプリン体の吸収を抑制し、体外へ排出させることを目的とした、プリン体吸収抑制組成物の有効成分として、きわめて有用である。
ユーグレナに関しては、特に、経口摂取した場合の副作用も少なく安全な素材と考えられるので、その摂取量は、適宜設定できるが、好ましい摂取量としては、後述する試験例の結果から概算すると、ユーグレナ加工物の乾燥重量に換算したときに、1日あたり約1〜1,000mg/体重1kgであることが好ましく、約3〜100mg/体重1kgであることがより好ましくは、約10〜20mg/体重1kgであることが更により好ましい。
本発明のユーグレナ加工物を有効成分とするプリン体吸収抑制組成物においては、更に、サラシア、茶、大麦、ココア、クワの葉、タラの芽、明日葉、霊芝、きのこ、乳酸菌レンコン、ニガウリ、リンゴ、フカヒレ、乳酸菌、ローズマリー、タマネギ、赤ワイン、オリーブ果実、ブドウ種子、大豆、ローズヒップ、アムラ、ブドウ、又はこれらの組み合わせを、プリン体吸収抑制の有効成分として含有せしめてもよい。すなわち、これらの食品素材にもプリン体吸着能があるので、上記ユーグレナ加工物との相乗的な効果が期待できる。
本発明のプリン体吸収抑制組成物には、上記の基本的成分以外に、炭水化物、食物繊維、たんぱく質、ビタミン類等その他の成分を含むことができる。
本発明のプリン体吸収抑制組成物は、医薬品、健康食品、加工食品等の各種分野で用いられ、医薬の有効成分、食品原料等として使用することができる。
例えば、医薬品とする場合には、薬学的に許容される基材や担体と共に製剤化し、医薬組成物として提供することができる。この医薬組成物には、基材や担体の他、薬学的に許容されることを限度として、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存剤、保湿剤、抗菌剤、防腐剤、香料、顔料、界面活性剤、安定剤、溶解補助剤等の添加剤を任意に配合してもよい。そして、当該医薬組成物の剤型としては、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、ゼリー剤、トローチ剤、丸剤等を好ましく例示できる。
また、本発明のプリン体吸収抑制組成物を、飲食品に添加して摂取する場合には、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品等に配合して用いることができる。このような食品としては、例えば、チョコレート、ビスケット、ガム、キャンディー、クッキー、グミ、打錠菓子等の菓子類;シリアル;粉末飲料、清涼飲料、乳飲料、栄養飲料、炭酸飲料、ゼリー飲料等の飲料;アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓が挙げられる。更に、そば、パスタ、うどん、そーめん等の麺類も好ましく例示できる。また、特定保健用食品や栄養補助食品等の場合であれば、粉末、顆粒、カプセル、シロップ、タブレット、糖衣錠等の形態のものであってもよい。
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。
<試験例1> (ユーグレナのプリン体吸着能)
ユーグレナのプリン体吸着能を調べた。
まず、ユーグレナ菌体をスプレードライして得られた、ユーグレナ乾燥粉末(株式会社ユーグレナ製)を、前処理した。すなわち、100mgまたは300mgのユーグレナ乾燥粉末を50mLチューブに秤量し、40mLの水を添加して混和、3500rpmで10分遠心し、その上清を除去した。ついで、40mLの水を添加して、懸濁、遠心、上清除去の操作を繰り返し、沈殿残渣物として回収されたユーグレナを以下の試験に用いた。
また、プリン体含有溶液を調製した。すなわち、106.9mgのアデノシン(M.W.=267.25)、あるいは146.1mgのアデノシン一リン酸一水和物(5'-AMP)(M.W.=365.24)を、20mLの0.1M HClで溶解した。次いで、アデノシン溶液の場合は、60mLの0.1M Tris-HCl/2mM MgCl2 buffer (pH7.0)を加えた後、0.1M NaOHでpH7に調製し、水で200mLにメスアップした。また、5'-AMP溶液の場合は、60mLの0.1M Na2HPO4-H3PO4/2mM MgCl2 buffer (pH2.0)を加えた後、0.1M NaOHでpH2に調製し、水で200mLにメスアップした。このとき、アデノシン及び5'-AMPの濃度は、それぞれ2mMである。
上記の前処理後のユーグレナに、上記プリン体含有溶液を10mL添加し、振とう恒温槽内(37℃、150strokes/min)で2時間混和した後、3500rpm、10分遠心分離を行った。その上清50μLをマイクロシリンジで分取して、反応buffer 425μL(反応buffer:30mM Tris-HCl/10mM NaCl/0.6mM MgCl2 buffer,pH7.0)と、1g/L尿酸 25μL(内部標準)とを混和し(反応bufferと尿酸溶液は、予め17:1で混合した溶液を分注して使用した。)、その300μLを限外ろ過した(分子量3,000カット「Microcon YM-3」Millipore社製)。
得られたろ過液50μLを、下記HPLC測定条件に示す移動相950μLに加えて混和後、その10μLを、以下の条件で、HPLCに供した。
<HPLC測定条件>
・試料注入量 10μL
・カラム Hydrosphere C18 4.6×150mm(D) (5μm)
・流速 0.7mL/min
・波長 254nm
・カラム温度 37℃
・移動相 50mM Na2HPO4-H3PO4(pH3.0)
吸着能は、アデノシンあるいは5'-AMPの添加量と、HPLCデータに基づいて算出した全溶液中に含まれる量との差分が、各種素材に吸着した量であるとして、下記式(1)により求めた。
図1に示すように、ユーグレナは、その添加濃度に応じて、アデノシンあるいは5'-AMPに対して約1.2〜5.9%の吸着率を示し、プリン体に対する吸着能が認められた。飲食品中から摂取され、体内に取り込まれる高分子核酸などのプリン体は、胃や小腸の消化管内で、ヌクレオチド(例えば5’-AMP)やヌクレオシド(例えばアデノシン)などへと消化されつつ吸収される。したがって、ユーグレナによれば、食事により腸管から吸収されようとしているプリン体の吸収を抑制し、体外へ排出させることができるものと考えられた。
<試験例2> (ユーグレナによる血中尿酸値低減効果)
ユーグレナによる血中尿酸値低減効果を調べた。すなわち、20歳以上、65歳未満の健常男子、もしくは試験責任医師が高尿酸血症予備群(境界域)と判断した者で、負荷試験実施2日前から禁酒が可能な4人の被験者を選び、ユーグレナ摂取による血中尿酸値低減の効果について、試験を行った。
試験食として、試験例1で使用したのと同じユーグレナ乾燥粉末(株式会社ユーグレナ製)の334mg入りカプセルを準備した。また、プリン体負荷源として、アデニル酸、グアニル酸2ナトリウム、イノシン酸2ナトリウム(いずれも食品添加物、ヤマサ醤油(株)製)を1:1:1の重量割合で混合したもの(以下、プリン体負荷源という。)を準備した。
試験は、次のようなクロスオーバ試験で行った。すなわち、第1期目として、早朝空腹時に採血し、プリン体負荷源(プリン体500mg)を経口的に摂取してもらい、摂取後1〜6時間まで1時間ごとに採血を行い、血清尿酸値を酵素法(ウリカーゼPOD法)により測定した。1期目の後には、プリン体負荷による影響を消失させるため、被験者に6日間以上通常に生活してもらった。第2期目として、プリン体負荷源(プリン体500mg)負荷と同時にユーグレナカプセル3カプセル(1 g)を摂取させる以外は、1期目と同一条件にて血清尿酸値を測定した。
図2には第1期目における結果を示す。すなわち、ユーグレナカプセルを摂取しないときのプリン体負荷後の血清尿酸濃度上昇値を、負荷後の時間に対してプロットしたグラフから得られる、血清尿酸濃度上昇値−時間曲線下面積(AUCI)を、プリン体負荷後の時間に対してプロットしたグラフである。また、図3には、第2期目における結果を示す。すなわち、ユーグレナカプセルを摂取したときのプリン体負荷後の血清尿酸濃度上昇値を、負荷後の時間に対してプロットしたグラフから得られる、血清尿酸濃度上昇値−時間曲線下面積(AUCII)を、プリン体負荷後の時間に対してプロットしたグラフを示す。そして、図4には、第2期目におけるAUCIIから第1期目におけるAUCIを差し引いた値(ΔAUC)を、プリン体負荷後の時間に対してプロットしたグラフを示す。
図4に示されるように、第2期目におけるAUCIIから第1期目におけるAUCIを差し引いた値(ΔAUC)が、1人の被験者を除いてプリン体負荷後の時間がたつにつれて減少していることから、ユーグレナの摂取により、これを摂取しない場合に比べて、尿酸の血中滞留量の差分が増大していることが分かる。したがって、ユーグレナには、血中尿酸値低減の作用効果のあることが明らかとなった。
<試験例3> (ユーグレナの加工処理によるプリン体吸着能の賦活化)
ユーグレナを加工処理することによって、そのプリン体吸着能が高められるかどうかを調べた。そのためにまず下記の処理を施したユーグレナ加工処理物を調製した。
・ 各種の処理
(1)処理なし(コントロールとして)
上記ユーグレナ乾燥粉末(株式会社ユーグレナ製)の4gをそのまま凍結乾燥した。
(2)水洗
上記ユーグレナ乾燥粉末(株式会社ユーグレナ製)の4gを、100倍量の純水で洗浄、遠心し、上清を除き、その沈殿を凍結乾燥した。
(3)高圧ホモジナイズ
上記ユーグレナ乾燥粉末(株式会社ユーグレナ製)の4gを、100倍量の純水に懸濁し、高圧ホモジナイズ処理装置(「MV-H LAMB」、株式会社イズミフードマシナリ製)を用いて、50〜110MPaで高圧ホモジナイズした。ホモジナイズ処理した後、遠心し、上清を除き、その沈殿を凍結乾燥した。
(4)Tween+高圧ホモジナイズ
上記ユーグレナ乾燥粉末(株式会社ユーグレナ製)の4gを、0.025%のポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(商品名「Tween20」、アマシャム社製)を含む100倍量の純水に懸濁し、高圧ホモジナイズ処理装置を用いて、30〜50MPaで高圧ホモジナイズした。ホモジナイズ処理した後、遠心し、上清を除き、その沈殿を凍結乾燥した。
上記のようにして得られたユーグレナ加工物について、総質量に対するパラミロンの含有率(水不溶性画分に含まれる不溶性の糖成分を2NNaOHで処理して可溶化した後、常法に従い、フェノール硫酸法で測定した糖の含有率の値)を求めたところ、下記表1に示すとおりとなった。
表1に示すように、各種の加工処理の後、それぞれの総質量は減り、パラミロンの含有率は増えた。したがって、それらの処理に応じて可溶化した成分が、遠心後の上清中に除去され、一方、パラミロンは不溶性のまま残り、遠心、上清除去後の沈殿に回収され、その含有率が高められたことが分かる。
上記のように各種の処理を施したユーグレナについて、試験例1と同様にして、アデノシン、又は5'-AMPに対する吸着能を調べた。その結果を図5に示す。
図5に示されるように、上記(2)の水洗の処理では、未処理ユーグレナに比べてアデノシンあるいは5'-AMPに対する吸着率はほとんど変わらなかった。一方、上記(3)の高圧ホモジナイズの処理では、未処理ユーグレナに比べてアデノシンあるいは5'-AMPに対する吸着率が上昇していた。また、上記(4)のTween20(商品名、アマシャム社製)を添加した高圧ホモジナイズの処理では、吸着率が更に上昇していた。なお、図には示さないが、高圧ホモジナイズの処理なしにTween20(商品名、アマシャム社製)をユーグレナに添加しただけではアデノシンあるいは5'-AMPに対する吸着率が上昇することはなかった。
以上から、ユーグレナを高圧破砕処理すると、そのプリン体吸着能が高められることが明らかとなった。また、高圧破砕の際にTween20などの非イオン性界面活性剤を添加すると、プリン体吸着能を高める効果が更に促進されることが明らかとなった。このことから、高圧破砕処理や、その際の非イオン性界面活性剤の添加により、ユーグレナに含まれるパラミロンにおけるプリン体の吸着部位を占有してプリン体の吸着を妨げている夾雑成分を除去して、ユーグレナのプリン体吸着能を賦活化できるものと考えられた。

Claims (4)

  1. ユーグレナを高圧破砕処理する工程と、前記高圧破砕処理より得られた破砕物から、可溶性成分を除去する工程と、を行うことにより得られたユーグレナ加工物を有効成分とする、プリン体吸収抑制組成物。
  2. 前記可溶性成分を除去する工程においては、パラミロン不溶性の溶媒である水又は含水アルコールを用いることにより可溶性成分が除去されることを特徴とする請求項1に記載のプリン体吸収抑制組成物。
  3. 前記溶媒は、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加したものである請求項2記載のプリン体吸収抑制組成物。
  4. 前記ユーグレナ加工物は、固形分中にパラミロンを30質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載のプリン体吸収抑制組成物。
JP2009130639A 2009-05-29 2009-05-29 プリン体吸収抑制組成物 Active JP4865838B2 (ja)

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