JPH10265399A - 抗アレルギー剤および抗炎症剤 - Google Patents

抗アレルギー剤および抗炎症剤

Info

Publication number
JPH10265399A
JPH10265399A JP9075085A JP7508597A JPH10265399A JP H10265399 A JPH10265399 A JP H10265399A JP 9075085 A JP9075085 A JP 9075085A JP 7508597 A JP7508597 A JP 7508597A JP H10265399 A JPH10265399 A JP H10265399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
algae
water
agent
activity
mast cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9075085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3066484B2 (ja
Inventor
Shuichi Oka
修一 岡
Masami Inoue
真美 井上
Kazuya Nakagome
和哉 中込
Shinobu Takagi
しのぶ 高木
Susumu Maruyama
進 丸山
Noboru Tomizuka
登 冨塚
Shota Ito
祥太 伊東
Kiyotaka Hatada
清隆 畑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP9075085A priority Critical patent/JP3066484B2/ja
Publication of JPH10265399A publication Critical patent/JPH10265399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3066484B2 publication Critical patent/JP3066484B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性が高くて簡単に製造することができる抗
アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤
および肥満細胞脱顆粒阻害剤を提供すること。 【解決手段】藻類の水抽出物を活性成分として含有する
抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害
剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害
剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤に関する。また、本明細
書で開示する発明は、抗アレルギー活性および肥満細胞
脱顆粒阻害活性を強化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘビ毒や精液等に含まれているヒアルロ
ニダーゼは、哺乳動物の結合組織に多量に分布するヒア
ルロン酸を加水分解する酸素である。ヒアルロニダーゼ
は起炎症作用を有することが確認されており、また、ヒ
アルロニダーゼの活性を阻害することによってアレルギ
ーや炎症を軽減しうることが知られている。このため、
ヒアルロニダーゼ活性阻害剤を開発して、有用な抗アレ
ルギー剤や抗炎症剤を提供することが望まれている。ま
た、ヒアルロン酸は乳液やクリームなどの化粧品に含ま
れていることが多いため、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤
は化粧品中のヒアルロン酸の分解を防ぐために用いるこ
ともできる。
【0003】一方、肥満細胞は脱顆粒することによって
ヒスタミンを遊離し、喘息、枯草熱、アトピー性湿疹な
どの即時型アレルギー反応を誘起することが知られてい
る。このため、肥満細胞の脱顆粒を阻害することによっ
てアレルギーを軽減することができるものと考えられて
いる。したがって、効果的な肥満細胞脱顆粒阻害剤を開
発して、有用な抗アレルギー剤を提供することが望まれ
ている。ヒアルロニダーゼ活性の阻害と肥満細胞脱顆粒
阻害機構の間には、何らかの関係が存在するとの報告が
なされているが〔掛川ら、J.Pharm.Dyn.
7,S−96(1984)およびChem.Phar
m.Bull.33(11)5079−5082(19
85)〕、両者の関係は完全に明らかにされているとは
いえない。
【0004】本発明者らが着目した藻類は、近海、湖、
池などに豊富に生育する植物であり、健康食品として食
用に供されるとともに、飼料成分や肥料成分としても広
く用いられている。藻類は、ほとんどが炭水化物と灰分
からなっており、陸上植物とは異なる成分を含有してい
る。しかしながら、藻類には多種多様の成分が含まれて
いるため、藻類の構成成分とその含有量はいまだ完全に
分析されるに至っていない。これまでに、藻類に含まれ
ている成分のうち非水溶性のアルギン酸については、抗
アレルギー作用、抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ活性阻
害作用および肥満細胞脱顆粒阻害作用があることが報告
されているが、それ以外の成分について検討した例はな
い。とくに藻類の水溶性成分に抗アレルギー作用、抗炎
症作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用および肥満細胞
脱顆粒阻害作用があるか否かを検討した文献はまったく
存在しておらず、これらの作用の存在を示唆する研究も
何ら公表されていない。また、これらの作用活性を強化
する方法についても、検討例はまったくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、藻類の水溶性成分を利用することによって、安全性
が高くて容易に製造することができる新しい抗アレルギ
ー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤および肥
満細胞脱顆粒阻害剤を提供することを課題として検討を
進めた。また、本発明者らは、その検討を通して、抗ア
レルギー活性と肥満細胞脱顆粒阻害活性を強化する方法
を提供することも課題として検討を進めた。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらについて鋭意検討
を行なった結果、本発明者らは、藻類の水抽出物を用い
ればこれらの課題を解決することができることを見出し
て本発明を完成した。すなわち、本発明は、藻類の水抽
出物を活性成分として含有することを特徴とする抗アレ
ルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤およ
び肥満細胞脱顆粒阻害剤を提供するものである。また、
本発明は、藻類の水抽出物を加熱することによって、抗
アレルギー活性と肥満細胞脱顆粒阻害活性を強化する方
法を提供するものでもある。
【0007】本発明で使用する藻類の種類は特に制限さ
れない。藻類は、水中に生育し同化色素を有して独立栄
養生活をする下等植物の総称であり、厳密には光合成の
過程において酸素を放出する有胚植物以外の生物と定義
される。本発明で使用する藻類は、この定義に当てはま
る植物の中から選択する。具体的には、藍藻類、紅藻
類、灰色藻類、クリプト藻類、渦鞭藻類、黄金色藻類、
珪藻類、褐藻類、黄緑藻類、ハプト藻類、ラフィド藻類
(緑色鞭藻類)、ボーケリア藻類、ミドリムシ藻類、ブ
ラシノ藻類、緑藻類、車軸藻類をはじめとするさまざま
な藻類のいずれに属するものを使用してもよい。好まし
い藻類は、緑藻類、褐藻類、紅藻類である。
【0008】本発明で使用する藻類の生育場所は特に限
定されない。したがって、海水中に生育するものであっ
ても、湖、池、沼などの淡水中に生育するものであって
も構わない。また、生育場所の深度、透明度、水中酸素
濃度、水中二酸化炭素濃度、水中および地中の化合物濃
度、水中および地中の温度、生物分布、土質、水流速
度、地形、緯度、経度、気候もとくに制限されない。さ
らに、本発明で使用する藻類は、天然に生育しているも
ののみならず、人工的に養殖したものであっても構わな
い。また、本発明で使用する藻類の採取時期や藻類の生
育年数についても特に制限されない。
【0009】本発明では、これらの多種多様な藻類の中
から一種類だけを選択して使用してもよいし、複数種を
組み合わせて使用してもよい。活性が高い藻類を組み合
わせて使用すれば、より高い活性の発現が期待できる。
また、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用が強い藻類と、肥
満細胞脱顆粒阻害活性が強い藻類を組み合わせれば、よ
り有効な抗アレルギー作用と抗炎症作用の発現が期待で
きるため、このような組み合わせを利用するのも好まし
い。本発明では、藻類を水で抽出した抽出物を使用す
る。抽出に使用する水は、必ずしも純水である必要はな
い。例えば、水道水や不純物を含むものであっても構わ
ないが、活性物質の抽出を妨げる成分を含むものであっ
てはならない。抽出に用いる水の温度は0℃以上であ
り、沸騰水や超臨界状態にある水を使用することもでき
る。通常は25℃〜600℃の水を使用するのが好まし
く、200℃〜500℃の水を使用するのがより好まし
い。したがって、特許請求の範囲に記載される抽出用の
水は、これらの沸騰水や超臨界状態にある水も含むもの
である。抽出に使用する水の量は、藻類中に含まれる水
溶性活性成分を十分に溶解しうる量であるのが好まし
い。
【0010】抽出は、当業界で通常用いられている方法
にしたがって行なうことができる。通常は、採取した藻
類を洗浄して表面に付着した汚れや生物を除去した後、
裁断してから抽出する。裁断に先立って風乾や凍結乾燥
処理を行なってもよい。また、裁断によって藻類の大き
さを2〜5mm程度にしておくのが好ましい。裁断した
藻類は、通常用いられる抽出器に水とともに導入して抽
出する。沸騰水または超臨界状態にある水を使用して抽
出する場合には、水の蒸気圧に耐え得る抽出器を使用す
る必要がある。抽出時の圧力は1〜5000気圧に設定
することができ、60〜400気圧に設定するのが好ま
しい。高圧下における抽出は、例えば図1に示す抽出装
置を用いて水1mlあたり藻類10〜40mgの割合で
混合して行なうことができる。このような高温高圧下で
抽出を行なう場合には、抽出時間を長くし過ぎると活性
成分が過度に分解したり、化学反応を起こすことがあ
る。このため、高温高圧下で抽出を行なうときには、抽
出時間を3分以内にするのが好ましい。中でも、1分以
内にするのがより好ましく、30秒以内にするのがもっ
とも好ましい。
【0011】常温水で抽出した抽出物と熱水で抽出した
抽出物の活性を比較すると、熱水抽出物の方が高い肥満
細胞脱顆粒阻害活性を示すことが確認されている(試験
例2)。このことは、熱水抽出物の方が抗アレルギー活
性が高いことを示している。また、この事実は、藻類を
比較的低い温度で抽出した抽出物を加熱することによっ
て、肥満細胞脱顆粒阻害活性と抗アレルギー活性を強化
することができることを示唆するものである。
【0012】水で抽出した抽出液は、そのまま抗アレル
ギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤および
肥満細胞脱顆粒阻害剤として使用することができる。ま
た、必要に応じて希釈または濃縮して適当な濃度に調節
することもできる。さらに、ゼラチンなどのゲル化剤を
添加したり、pHを調節したりすることによって、固体
状またはペースト状の抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒア
ルロニダーゼ活性阻害剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤に
することもできる。あるいは、抽出液を噴霧乾燥するこ
とによって、粉末状の抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒア
ルロニダーゼ活性阻害剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤に
することもできる。このように、本発明の組成物の濃度
や形状はとくに制限されず、その用途に応じて適宜決定
することができる。
【0013】本発明の組成物には、藻類の水抽出物以外
にゼラチン、乳糖、脂肪、油脂などの担体を含ませてお
くことができる。また、アルコールなどの溶媒や、カル
ボキシメチルセルロースなどの希釈剤、保存剤、結合
剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤などを組み合わせて使用し
てもよい。さらに、本発明の組成物には、藻類の水抽出
物以外の活性成分を含ませてもよい。本発明の組成物
は、従来から食用に供されている藻類の抽出物を活性成
分としているため、生体に対する安全性が高い。このた
め、本発明の組成物は、化粧品、医薬品、食品などの幅
広い製品中に含有させることができる。これらの製品に
おける本発明の活性成分の濃度は、所望の効果を奏する
範囲内で適宜選択することができる。化粧品の場合に
は、例えば1〜100ppmにすることができる。ま
た、人体に投与する場合には、例えば1日あたり0.5
μg〜50mg/kg体重として、1回から数回に分け
て投与することができる。医薬品にする場合の剤形は、
投与目的や投与経路等に応じて、錠剤、カプセル剤、注
射剤、点滴剤、散剤、座剤、顆粒剤、軟膏剤、懸濁剤、
乳剤などにすることができる。
【0014】本発明の組成物は抗アレルギー作用を有す
ることから、食品に含ませることによってその食品を抗
アレルギー機能性食品にすることができる。対象となる
食品の種類は,これらの活性成分の抗アレルギー作用が
阻害されないものであれば特に限定されない。例えば、
ジュース、清涼飲料水、紅茶などの飲料、パンやもちな
どの加工食品、あめなどの菓子類、カップラーメンなど
のインスタント食品、醤油やみりんなどの調味料、ふり
かけ、みそなどの広範な食品に含ませることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例および試験例を記載して、本発
明をさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例
および試験例によって、本発明の範囲は限定的に解釈さ
れることはない。
【0016】(実施例)本実施例において、藻類の水抽
出物を含有する抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニ
ダーゼ活性阻害剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤の製造方
法を具体的に説明する。藻類として、アカバギンナンソ
ウ、エゾノネジモク、ウルシグサ、ホソバナミノハナ、
ハネモ、カギノリ、スサビノリ、エゾヤハズ、ワタモ、
アカモク、ヌメハノリ、フシスジモク、ハイミル、ウメ
ゾウメン、ツヤナシシオグサ、ホソメコンブ、フクロノ
リ、ミル、ウミトラノオ、オオソゾ、ショウジョウケノ
リ、ハリガネ、タマジュズモ、ユナ、ヒジキ、ノリ、イ
ワヒゲ、遊走子放出ワカメ、ピリヒバ、コンブ、ネバリ
モ、ダルス、メカブ、コスジフシツナギ、マツモ、アラ
メ、トゲモクおよびケウルシグサを採取した。
【0017】各藻類を十分に水洗いすることによって藻
類表面に付着している汚れや生物を除去し、風乾して凍
結乾燥した。その後、再び表面を水洗いして、2〜5m
m程度の大きさに裁断した。得られた裁断藻類は、常温
水抽出用と熱水抽出用に2分して、それぞれ以下の抽出
操作に使用した。常温水抽出用の裁断藻類10〜100
mgを蒸留水5〜8mlとともに抽出用容器の中に入
れ、栓をして約30分間常温で震盪した。その後、濾過
することによって裁断藻類を除き、抽出液を得た。この
抽出液はそのまま抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロ
ニダーゼ活性阻害剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤として
使用することができる。
【0018】一方、熱水抽出用の裁断藻類100mg
を、脱酸素した蒸留水5mlとともに耐圧反応管(SU
S316製、内径0.93cm、外径1.27cm、長
さ15cm、容積10.5cm3 )に入れ、反応管の内
部を窒素置換して栓をした。この反応管を図1に示す震
盪装置に保持し、300℃の溶融塩バス中に入れて30
秒間震盪した。反応管に挿入した熱電対によって反応管
内部の温度変化を調べたところ、反応管を溶融塩バスに
入れてから20〜25秒で300℃に達した。バスに入
れて30秒間震盪した後、直ちにバスから反応管を取り
出し、氷水中に入れて冷却した。その後、濾過すること
によって裁断藻類を除き、抽出液を得た。この抽出液は
そのまま抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ
活性阻害剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤として使用する
ことができる。
【0019】(試験例1)本試験例において、上記実施
例で製造した抽出液の一部について、ヒアルロニダーゼ
阻害活性を測定した。測定は以下の手順で行なった。下
記の表に記載される予備溶液A、B、C、D、E、Fを
調製した。
【0020】
【表1】 予備溶液 組 成 A ウシ睾丸由来のヒアルロニダーゼ(シグマ社製)2.83mg を0.1M酢酸緩衝剤(pH4.0)1mlに溶解した溶液 B 0.1M酢酸緩衝剤(pH4.0)に溶解した0.3M塩化ナ トリウム溶液 C 雄鶏とさか由来のヒアルロン酸カリウム塩(シグマ社製) 1.83mgを0.1M酢酸緩衝剤(pH4.0)1mlに溶 解した溶液 D 0.4N水酸化ナトリウム水溶液 E 0.8Mホウ酸ナトリウム溶液(Na2 4 7 ) F パラ−ジメチルアミノベンズアルデヒド10gに、10N塩酸 12.5mlおよび酢酸87.5mlを添加して溶解した後、 酢酸で10倍に希釈した溶液
【0021】予備溶液A(0.025ml)を、予備溶
液B(0.2ml)と混合して、37℃で20分間保温
した。これに、1/15Mリン酸緩衝液(pH7;KH
2 PO4 、Na2 HPO4 ・12H2 O含有)に溶解し
た藻類の常温水抽出液または熱水抽出液(固形分の終濃
度が22.3μg/mlになるように調製)0.1ml
を添加して、37℃で20分間保温した。さらに予備溶
液C(0.2ml)を加えて、37℃で20分間保温し
た。その後、予備溶液D(0.1ml)および予備溶液
E(0.1ml)を添加して3分間煮沸し、冷却後さら
に予備溶液F(3.0ml)を添加した。その後、さら
に37℃で20分間保温して585nmにおける吸光度
を測定した。以下の式にしたがってヒアルロニダーゼ活
性阻害率を求めて活性を評価した。
【0022】
【数1】 A=ヒアルロニダーゼもサンプルも含まない場合の吸光
度 B=サンプルとヒアルロニダーゼをともに含む場合の吸
光度 C=サンプルは含まないがヒアルロニダーゼを含む場合
の吸光度 測定結果は以下の表に示すとおりであった。
【0023】
【表2】 藻類の種類 常温水抽出液 熱水抽出液 アカバギンナンソウ 0.25 4.4 エゾノネジモク 14.4 − ウルシグサ 4.61 11.5 ホソバナミノハナ − 6.0 スサビノリ − 0.1 エゾヤハズ − 8.0 ワタモ − 4.2 アカモク − 8.9 ヌメハノリ − 33.2 フシスジモク − 5.0 ハイミル 7.1 − ウメゾウメン − 3.3 ツヤナシシオグサ − 0.4 ホソメコンブ − 2.5 フクロノリ 2.0 7.2 ミル − 3.4 ウミトラノオ − 9.0 オオソゾ − 2.2 ショウジョウケノリ 2.5 1.8 ハリガネ 37.4 − タマジュズモ − 4.1 ユナ − 11.3 ノリ − 21.3 イワヒゲ − 15.1 遊走子放出ワカメ − 25.7 ピリヒバ − 35.2 コンブ − 1.3 ネバリモ 9.1 − ダルス 18.2 − メカブ 14.9 0.8 コスジフシツナギ 4.8 − マツモ 4.0 − アラメ 39.5 82.8 トゲモク 9.5 1.9 ケウルシグサ 9.4 − (注)「−」は、活性が確認されなかったことを示す
【0024】広範な藻類について検討した上記試験結果
は、少なくとも常温水抽出液または熱水抽出液のいずれ
かにヒアルロニダーゼ阻害活性があることを示してい
る。中でも、ハリガネとアラメの常温抽出物と、ヌメハ
ノリ、ピリヒバおよびアラメの熱水抽出液にはとくに強
いヒアルロニダーゼ阻害活性があることが確認された。
【0025】(試験例2)本試験例において、上記実施
例で製造した抽出液の一部について、肥満細胞脱顆粒阻
害活性を測定した。測定は以下の手順で行なった。タイ
ロード液20mlをウイスター系ラット腹腔内に注入
し、ピペットを用いて腹水を取り出した。この腹水を4
℃で遠心分離(100xg、12分間)することによっ
て、沈殿した細胞を収集した。この細胞をタイロード液
2mlに懸濁し、牛血清アルブミン生理食塩水(比重
1.068)4mlに重層した。4℃で再度遠心分離
(100xg、12分間)して、沈殿した肥満細胞を収
集した。抗DNPマウスモノクローナルIgE抗体を用
いて37℃で1時間処理することによって、肥満細胞に
IgEを結合させて感作状態にした。タイロード液で数
回洗浄した後、0.2%牛血清アルブミン含有タイロー
ド液に肥満細胞を懸濁させて、肥満細胞濃度が1×10
6 細胞/mlのIgE感作肥満細胞懸濁液を調製した。
NaCl(8.00g/l)、KC1(0.20g/
l)、Na2 HPO4 ・2H2 O(1.15g/l)、
KH2 PO4 (0.2g/l)を含有する生理的塩類混
合溶液(PBS溶液)に藻類の常温水抽出液または熱水
抽出液を固形分濃度1.25mg/mlで溶解し、この
溶液を上記懸濁液に濃度250μg/mlになるように
添加して、37℃で10分間インキュベートした。さら
に抗原(DNP−BSA)(最終濃度として200ng
/ml)およびホスファチジルセリン(最終濃度として
10μg/ml)含有PBS溶液を脱顆粒誘発剤として
添加し、37℃で10分間インキュベートした。遠心分
離(1500xg、5分間)して得られた上清中のヒス
タミン量を、オルトフタルアルデヒドでポストカラムラ
ベルしてHPLCにより定量した。以下の式にしたがっ
てヒスタミン遊離阻害率を求めて活性を評価した。
【0026】
【数2】 A=細胞をPBS溶液だけとインキュベートした際に遊
離するヒスタミンの量 B=サンプル存在下で細胞を脱顆粒誘発剤とインキュベ
ートした際に遊離するヒスタミンの量 C=サンプル非存在下で細胞を脱顆粒誘発剤とインキュ
ベートした際に遊離するヒスタミンの量
【0027】測定結果は以下の表に示すとおりであっ
た。
【表3】 藻類の種類 常温水抽出液 熱水抽出液 アカバギンナンソウ 5 61 エゾノネジモク 12 61 ハネモ − 24 エゾヤハズ − (136) ヌメハノリ 3 71 フシスジモク 7 65 ツヤナシシオグサ − 37 フクロノリ − 27 ショウジョウケノリ 4 62 タマジュズモ 1 75 ユナ 14 97 ヒジキ − 64 ノリ − 39 イワヒゲ − 44 ピリヒバ − 10 コンブ 4 98 ネバリモ 1 61 ダルス 7 35 メカブ 10 87 トゲモク 28 (107) ケウルシグサ − 79 (注)「−」は、活性が確認されなかったことを示す。 ()内の数値はノイズピ−クとの重なりがあることを示す。
【0028】上記試験結果は、広範な藻類の水抽出液に
肥満細胞脱顆粒阻害活性があることを示している。とく
にエゾヤハズとトゲモクの熱水抽出液には極めて高い肥
満細胞脱顆粒阻害活性が確認された。また、一般に水抽
出液よりも熱水抽出液の方が高活性であることが確認さ
れた。
【0029】
【発明の効果】本明細書に開示した藻類の水抽出物は、
抗アレルギー剤、抗炎症剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害
剤および肥満細胞脱顆粒阻害剤の活性成分として有用で
ある。藻類の水抽出物は安全性が高いうえに簡単な方法
で調製することができるため、化粧品、医薬品、食品な
どへの利用性が高くその応用範囲はきわめて広いものと
期待される。また、本明細書に開示した抗アレルギー活
性と肥満細胞脱顆粒阻害活性を強化する方法は、単に加
熱するだけで大幅に活性を強化することができるもので
あり、その有用性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱水による抽出を行なう際に使用することがで
きる装置の一例を示した図である。
【符号の説明】
1:震盪装置 2:熱電対 3:耐圧反応管 4:高温バス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A23L 1/30 A23L 1/30 B (72)発明者 高木 しのぶ 富山県婦負郡婦中町西本郷363−21 (72)発明者 丸山 進 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 冨塚 登 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 伊東 祥太 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 工業技術院東北工業技術研究所内 (72)発明者 畑田 清隆 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 工業技術院東北工業技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】藻類の水抽出物を活性成分として含有する
    抗アレルギー剤。
  2. 【請求項2】藻類の水抽出物を活性成分として含有する
    抗炎症剤。
  3. 【請求項3】藻類の水抽出物を活性成分として含有する
    ヒアルロニダーゼ阻害活性剤。
  4. 【請求項4】藻類の水抽出物を活性成分として含有する
    肥満細胞脱顆粒阻害剤。
  5. 【請求項5】藻類の水抽出物を加熱することを特徴とす
    る、藻類の水抽出物の抗アレルギー活性を強化する方
    法。
  6. 【請求項6】藻類の水抽出物を加熱することを特徴とす
    る、藻類の水抽出物の肥満細胞脱顆粒阻害活性を強化す
    る方法。
JP9075085A 1997-03-27 1997-03-27 抗アレルギー剤および抗炎症剤 Expired - Lifetime JP3066484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9075085A JP3066484B2 (ja) 1997-03-27 1997-03-27 抗アレルギー剤および抗炎症剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9075085A JP3066484B2 (ja) 1997-03-27 1997-03-27 抗アレルギー剤および抗炎症剤

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33266699A Division JP3281919B2 (ja) 1997-03-27 1999-11-24 肥満細胞脱顆粒阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10265399A true JPH10265399A (ja) 1998-10-06
JP3066484B2 JP3066484B2 (ja) 2000-07-17

Family

ID=13565995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9075085A Expired - Lifetime JP3066484B2 (ja) 1997-03-27 1997-03-27 抗アレルギー剤および抗炎症剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3066484B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116431A (ja) * 1997-10-13 1999-04-27 Noevir Co Ltd 皮膚外用剤
FR2838962A1 (fr) * 2002-04-30 2003-10-31 Vincience Composition cosmetique comprenant un extrait de lentilles d'eau riche en apiose, procedes de traitement et utilisations
FR2838963A1 (fr) * 2002-04-30 2003-10-31 Vincience Composition cosmetique comprenant un extrait de lentilles d'eau riche en pectines, procedes de traitement et utilisations
WO2003092645A3 (fr) * 2002-04-30 2004-04-01 Soc Extraction Principes Actif Composition cosmetique comprenant des mono- ou poly-saccharides
JP2004238519A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Microalgae Corporation 抗酸化作用と紫外線吸収作用を有する抽出物、皮膚外用剤及び食品
JP2007119384A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Sansho Seiyaku Co Ltd 老化防止剤
JP2007297382A (ja) * 2006-03-21 2007-11-15 Access Business Group Internatl Llc 皮膚の反応を軽減する方法
JP2011012052A (ja) * 2009-06-01 2011-01-20 Sonoe Shimada 海藻の抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物
CN115737478A (zh) * 2023-01-09 2023-03-07 广州市科能化妆品科研有限公司 沙漠藻护肤原料在制备皮肤舒缓剂中的应用

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2835744B1 (fr) * 2002-02-13 2006-05-12 Annabelle Brosset Procede de preparation de lentilles d'eau en vue de leur utilisation dans le domaine de la balneotherapie et de la cosmetologie
JP2009047122A (ja) 2007-08-22 2009-03-05 Toshiba Corp 蒸気タービン

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11116431A (ja) * 1997-10-13 1999-04-27 Noevir Co Ltd 皮膚外用剤
FR2838962A1 (fr) * 2002-04-30 2003-10-31 Vincience Composition cosmetique comprenant un extrait de lentilles d'eau riche en apiose, procedes de traitement et utilisations
FR2838963A1 (fr) * 2002-04-30 2003-10-31 Vincience Composition cosmetique comprenant un extrait de lentilles d'eau riche en pectines, procedes de traitement et utilisations
WO2003092645A3 (fr) * 2002-04-30 2004-04-01 Soc Extraction Principes Actif Composition cosmetique comprenant des mono- ou poly-saccharides
JP2004238519A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Microalgae Corporation 抗酸化作用と紫外線吸収作用を有する抽出物、皮膚外用剤及び食品
JP2007119384A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Sansho Seiyaku Co Ltd 老化防止剤
JP2007297382A (ja) * 2006-03-21 2007-11-15 Access Business Group Internatl Llc 皮膚の反応を軽減する方法
JP2011012052A (ja) * 2009-06-01 2011-01-20 Sonoe Shimada 海藻の抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物
CN115737478A (zh) * 2023-01-09 2023-03-07 广州市科能化妆品科研有限公司 沙漠藻护肤原料在制备皮肤舒缓剂中的应用
CN115737478B (zh) * 2023-01-09 2023-06-02 广州市科能化妆品科研有限公司 沙漠藻护肤原料在制备皮肤舒缓剂中的应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3066484B2 (ja) 2000-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104222999B (zh) 一种新型低钠盐的组成、制备和用途
CN102548568B (zh) 粘土交织的酵母组合物及其使用方法
EP2444480B1 (en) Method for fermentation and cultivation, fermented plant extract, fermented plant extract powder, and composition containing the extract of fermented plant
JP3066484B2 (ja) 抗アレルギー剤および抗炎症剤
CN109966321A (zh) 包含干酪乳杆菌菌株的用于从颗粒物毒性保护细胞和组织的组合物
KR100601395B1 (ko) 수용성 프로폴리스 추출물 및 분말의 제조 방법
CN105495570B (zh) 一种铁皮石斛悬浮凝胶的制造方法
KR20210011611A (ko) 인삼 농축액에서의 지용성의 잔류농약의 제거는 물론 프탈레이트계의 가소제를 제거하면서도 쓴맛과 향을 최소화하는 추출물의 제조방법
JP4484014B2 (ja) ヒアルロニダーゼ阻害、抗アレルギー活性および免疫賦活物質
JP2007204444A (ja) 炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するピノセンブリンカルコン誘導体、それからなる食品製剤、化粧品、抗炎症剤
CN101333204B (zh) 落叶松中萃取二氢化槲皮素的制备方法
JP3281919B2 (ja) 肥満細胞脱顆粒阻害剤
JP2006273762A (ja) 尿酸排泄促進剤
CN101410371B (zh) 类胡萝卜素的制造方法
CN109880750A (zh) 一种提高干巴菌菌丝体和多糖产量的方法及干巴菌多糖的应用
CN102771836A (zh) 含有高浓度β-胡萝卜素的杜氏藻粉末的制备方法
JP2002235084A (ja) 抗酸化剤
CN107047862A (zh) 一种具有免疫调节功能的维吾尔保健茶浸提工艺
Dougnon et al. Acute toxicity of Solanum macrocarpon Linn (Solanaceae) on Wistar rats: study about leaves and fruits
Joy et al. Phytochemical analysis of alfalfa (Medicago sativa) seed extract by soxhlet extraction using different solvents
JP2006016340A (ja) ザクロ抽出物を有効成分とする、血中尿酸値低下剤
CN112869151A (zh) 一种组合物及其在制备解酒食品中的应用
CN109400669A (zh) 核桃仁皮的小分子蛋白质提取方法及应用
WO2005092357A1 (ja) 抗アレルギー剤および抗炎症剤
JP7426687B2 (ja) 植物抽出物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term