JP3066000B2 - 酸性乳食品 - Google Patents

酸性乳食品

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JP3066000B2 JP11003907A JP390799A JP3066000B2 JP 3066000 B2 JP3066000 B2 JP 3066000B2 JP 11003907 A JP11003907 A JP 11003907A JP 390799 A JP390799 A JP 390799A JP 3066000 B2 JP3066000 B2 JP 3066000B2
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創一郎 田中
川本  裕巳
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳蛋白の凝固、沈
殿が防止された酸性乳食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、酸成分と乳成分とを含有する酸
性乳食品としては、牛乳,脱脂粉乳,全粉乳等の乳成分
に、乳酸菌・酵母等のスターターを接種して発酵させた
発酵乳、および乳酸菌飲料や、乳成分に有機酸、果汁等
の酸成分を加えた酸性乳飲料等が知られている。これら
酸性乳食品は、保存中に酸によって乳蛋白が凝固し、沈
殿、分離し易いという問題があった。
【0003】そこで、乳蛋白の凝固、沈殿を防止する方
法として、例えば、特公昭63−20493号公報にお
いては、豆乳を乳酸発酵させ、ソフトカードを形成させ
た後、酸成分を添加する方法が開示されている。この方
法は、予め豆乳を乳酸発酵することによって、豆乳中の
乳蛋白を緩慢に凝固させ、酸成分を添加した時の乳蛋白
の急激な凝固を防止するものである。しかし、この方法
においては、乳酸発酵を行うための多大な設備が必要で
あり、またpHを等電点以下となるよう調整する等、製
造条件の管理が煩雑となる。
【0004】また、特公昭63−57021号公報にお
いては、ペクチン、カラギナン等の乳蛋白反応性ゲル化
剤と乳成分等を混合溶解した後、発酵乳を添加する方法
が開示されている。この方法は、予め乳蛋白反応性ゲル
化剤と乳成分とを反応させることにより、酸成分と乳蛋
白とが反応するのを防止するものである。しかし、この
方法においては、乳蛋白を充分にゲル化剤と反応させる
ために多量のゲル化剤を添加するので、冷却時に増粘、
ゲルセットを起こしてしまう。従って、この方法では、
飲料や冷菓ミックス等の流動性のある液状物の製造には
応用することができなかった。また、上記方法の他、果
汁等の酸成分を限外濾過、透析等の方法で処理し、酸成
分を減少させたり、あるいは、乳成分中の蛋白量を減ら
す等の方法も行なわれているが、これらの方法において
は、酸性乳食品本来の風味が少なく、おいしさに欠ける
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、酸性乳食品を過剰に増粘させたり、風味を損なう
ことなく、簡便に酸性乳食品の乳蛋白凝固、沈殿を防止
し得る酸性乳食品を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、乳成分を
含む酸性乳食品であって、該酸性乳食品中に、乳成分由
来の乳蛋白と粒子径が2μ以下の複合体を形成するペク
チン水和物を含有してなることを特徴とする酸性乳食品
によって達成される。
【0007】すなわち、本発明者らは、従来、ペクチン
を、乳成分等の他の原料に単に溶解させ、混合するだけ
では乳蛋白の凝固、沈殿を防止できないのは、ペクチン
が充分水和していないからではないかと想起し検討を行
った。その結果、ペクチンを予め水に溶解させた後、エ
ージングする等により充分にペクチンを水和させ、得ら
れたペクチン水和物を、他の原料と混合、均質化する
と、乳成分由来の乳蛋白と粒子径が2μ以下の複合体が
形成され、その結果、少量のペクチンで乳蛋白の凝固、
沈殿を防止し、かつ過剰に増粘することなく酸性乳食品
を製造することができることを見出し本発明に到達し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明に用いるペクチンとしては、ローメトキシ
ルペクチン(以下、LMペクチンと記す)、ハイメトキ
シルペクチン(以下、HMペクチンと記す)が挙げら
れ、これらは単独でも、もしくは併用してもよい。例え
ば、粘度の低い飲料には、HMペクチンを用いると少量
で乳蛋白凝固、沈殿を防止でき、かつ過剰な増粘も起こ
らないので好適である。
【0009】また、ペクチンを溶解する水としては、一
般に食品の製造に用いる水でよく、必要に応じて水にア
ルコール、香料、色素、糖類等を加えるようにしてもよ
い。ただし、糖類は、ペクチンと水との水和を遅延させ
る原因となるので、短時間でペクチンの水和物を得るた
めには、糖類の添加量は、ペクチン水和物全体重量中の
20重量%(以下、%と記す)以下とすることが好まし
い。
【0010】次に、本発明において、ペクチン水和物
は、乳成分と混合したとき、乳成分中の乳蛋白と粒子径
が2μ以下の複合体を形成するものであり、その結果、
乳蛋白が酸性乳食品中に均一に分散し、乳蛋白の凝固、
沈殿を防止することができる。本発明において、複合体
とは、ペクチン水和物が乳蛋白の表面に電気的な力によ
り吸着して乳蛋白を取り込み、一体化した物体を指す。
【0011】このようなペクチン水和物は、例えば、エ
ージングを行うことにより得られる。本発明において、
エージングとは、ペクチンが溶解した水溶液を保管して
ペクチンを水和させる操作を指す。例えば、まず、ペク
チンを水と共に攪拌しながら、50〜80℃に加熱し、
ペクチンを溶解させた後、好ましくは30℃以下、更に
好ましくは5〜10℃程度に冷却後、エージングを行
う。
【0012】このとき、ペクチンの添加量は、ペクチン
水和物全体重量中の10%以下にすることが望ましい。
ペクチンの添加量が10%を超えると、ペクチンと水と
の水和が不充分となり易く、また、エージングに時間が
かかるようになる。
【0013】また、ペクチンの水和に要する時間は、ペ
クチンの種類、濃度等によって異なるので、適宜設定す
ればよい。例えば、5%のHMペクチン水和物を得るに
は、エージング時間は、12時間程度で充分である。
【0014】このようにして得られたペクチン水和物を
用いて、酸性乳食品は、例えば、次のようにして製造さ
れる。すなわち、粉乳、練乳等の乳成分と発酵乳、有機
酸、果汁等の酸成分、及び必要に応じて、水性媒体、糖
類、着色料、着香料、塩類、乳化剤等の諸原料を常法に
従い、混合溶解し、上記ペクチン水和物を加えて、均質
化、冷却することにより、酸性乳食品が得られる。ま
た、上記得られた酸性乳食品を製品とする場合には、例
えば、得られた酸性乳食品を、瓶等の容器に充填、殺
菌、密封し、製品とする。
【0015】このとき、ペクチン水和物の添加量は、ペ
クチン濃度として酸性乳食品全体重量中の0.4%以上
にすることが望ましい。ペクチンの濃度が0.4%未満
だと乳蛋白の凝固、沈殿を防止できにくくなる。
【0016】本発明においては、乳成分を均質化するこ
とが好適である。乳成分の均質化は、酸成分等の諸原料
と共に、ペクチン水和物を添加した後に行うことが好ま
しいが、ペクチン水和物を添加する前に均質化を行って
もよい。また、乳成分を単独で予め均質化しておいても
よい。
【0017】特に、乳成分に酸成分を加えると、乳蛋白
の凝固によって乳成分の粒子が大きくなる傾向にある。
そこで、乳成分の粒子径は、乳成分の90%以上が10
μ以下となるよう、酸成分の添加量や添加する時期に留
意することが望ましい。乳成分の粒子径が10μを越え
ると、均質化しても微粒子化しにくく、ペクチン水和物
を添加しても、乳蛋白の凝固、沈殿が防止できにくくな
る。また、均質化した乳成分の粒子径は、2μ未満であ
ることが好ましい。
【0018】このようにして得られた酸性乳食品中の乳
蛋白は、上記したように、ペクチン水和物と反応して複
合体を形成し、酸成分による乳蛋白凝固、沈殿を防止し
得ると考えられる。この乳蛋白とペクチン水和物との複
合体の粒子径は、2μ以下である。粒子径が2μを超え
ると、複合体となっていても沈殿を生じ易い。
【0019】また、ペクチンと共に、カラギナン、ファ
ーセレラン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、
キサンタンガム等のゲル化剤を用いるようにしてよい。
これらは、ペクチン水和物調製時に添加してもよいが、
ペクチンの水和を短時間で行うためには、他の原料中に
添加する方が望ましい。また、酸性食品に果肉、ジャ
ム、ソース等を加えるようにしてもよい。なお、酸性乳
食品のpHは、3.0以上にすることが風味、及び乳蛋
白凝固、沈殿防止の点で望ましい。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明の酸性乳食品は、
乳成分由来の乳蛋白と粒子径が2μ以下の複合体を形成
するペクチン水和物を含有させることにより、少量のペ
クチンで酸性乳食品の乳蛋白の凝固、沈殿を長期にわた
り防止することができる。従って、特に飲料のような流
動性の高い液状食品を、過剰に増粘させることなく、製
造することができる。更に、ペクチン水和物の濃度や、
酸性乳食品への添加量を変えることによって、飲料、冷
菓ミックス、ヨーグルト、ゲル状デザート等乳成分や酸
成分の量、種類によらず種々の酸性乳食品を製造するこ
とができる。また、乳成分、酸成分、pHを操作するこ
となく、乳蛋白の凝固、沈殿を防止できるので、酸性乳
食品本来の風味を損なうことがない。また、加熱殺菌し
て長期保存しても、乳蛋白を安定な状態に保つことがで
きる。また、発酵醸造用設備、限外濾過設備等の設備を
必要とせず、従来の設備を用いて簡便に製造することが
できる。
【0021】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づき、具体的に説
明する。
【0022】〔実施例1〜4、比較例1〕 表1に示す条件で、ペクチンを水と共に攪拌しながら、
50〜80℃に加熱し、ペクチンを溶解させた後、5〜
10℃に冷却後、エージングを行うことにより、ペクチ
ン水和物を調製した。次にこのペクチン水和物を用いて
表2に示す配合及び条件で原料を混合し、均質化を行
い、酸性乳飲料を調製した。次に調製した酸性乳飲料
を、200g/本充填、密封し、5℃又は22℃で保管
したときの乳蛋白の沈殿の有無を目視で確認した。その
結果を表2にあわせて示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】以上の結果から、実施例の酸性乳飲料は、
いずれも乳蛋白の凝固、沈澱がみられず、保存安定性に
優れた酸性乳飲料であった。これに対し、比較例の酸性
乳飲料は、ペクチンの水和不充分のため、保存中に乳蛋
白の凝固、沈澱が起こり好ましくなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−50885(JP,A) 特開 昭63−263045(JP,A) 特開 昭61−47142(JP,A) 特開 昭55−127953(JP,A) 特開 昭61−132140(JP,A) 特開 昭60−256372(JP,A) 特開 昭62−190043(JP,A) 特開 昭58−219121(JP,A) 特開 昭58−187133(JP,A) 特開 昭50−76249(JP,A) 特開 昭58−183060(JP,A) 特開 昭54−52754(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 9/13 A23C 9/152 A23L 2/38 A23L 2/44 A23L 2/62 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳成分を含む酸性乳食品であって、該酸性
    乳食品中に、乳成分由来の乳蛋白と粒子径が2μ以下の
    複合体を形成するペクチン水和物を含有してなることを
    特徴とする酸性乳食品。
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