JP3065502B2 - 木質様製品の製造方法および木質様製品 - Google Patents
木質様製品の製造方法および木質様製品Info
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- JP3065502B2 JP3065502B2 JP7018872A JP1887295A JP3065502B2 JP 3065502 B2 JP3065502 B2 JP 3065502B2 JP 7018872 A JP7018872 A JP 7018872A JP 1887295 A JP1887295 A JP 1887295A JP 3065502 B2 JP3065502 B2 JP 3065502B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は木質様製品の製造方法
および木質様製品、更に詳しくは、断面が大きな成形品
を押し出し成形する場合にあっても天然の木目に極めて
近い模様を表面に有する成形品を製造できる技術に関す
るものである。
および木質様製品、更に詳しくは、断面が大きな成形品
を押し出し成形する場合にあっても天然の木目に極めて
近い模様を表面に有する成形品を製造できる技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】本願発明に関連のある技術として、PC
T JP94/00351号(国際公開番号;WO94
/20280号)に記載された「セルロース系微粉粒、
木質様成形品および木質様製品」の技術について簡単に
説明する。原料としてのセルロース材を粉砕して得た粉
砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒
の外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定
させて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を混合
し、かつ融解させ、その後または融解と同時に押出成形
または射出成形により所望形状に成形する。すると、天
然の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手
触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造方
法及び木質様製品を提供することができる。
T JP94/00351号(国際公開番号;WO94
/20280号)に記載された「セルロース系微粉粒、
木質様成形品および木質様製品」の技術について簡単に
説明する。原料としてのセルロース材を粉砕して得た粉
砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒
の外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定
させて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を混合
し、かつ融解させ、その後または融解と同時に押出成形
または射出成形により所望形状に成形する。すると、天
然の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手
触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造方
法及び木質様製品を提供することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、押出成形に
おける断面に注目しその断面の厚さが大きい場合、木目
模様が十分に現れないことが多かった。この原因は、断
面の厚さが大きい場合には成形直前の撹拌速度や押し出
し速度が大きいため、成形時における顔料が均一に混ざ
って流れてしまうためと考えられる。
おける断面に注目しその断面の厚さが大きい場合、木目
模様が十分に現れないことが多かった。この原因は、断
面の厚さが大きい場合には成形直前の撹拌速度や押し出
し速度が大きいため、成形時における顔料が均一に混ざ
って流れてしまうためと考えられる。
【0004】本発明が解決すべき課題は、天然の木の木
目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手触り感等の
風合いも天然の木に近い木質様製品を製造できる技術に
おいて、断面が大きな成形品を押し出し成形する場合に
あっても天然の木目に極めて近い模様を表面に有する成
形品を製造できる技術を提供することにある。ここで、
請求項1および請求項2記載の発明の目的は、断面が大
きな成形品を押し出し成形する場合にあっても天然の木
目に極めて近い模様を表面に有する成形品を製造できる
製造方法を提供することにある。
目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手触り感等の
風合いも天然の木に近い木質様製品を製造できる技術に
おいて、断面が大きな成形品を押し出し成形する場合に
あっても天然の木目に極めて近い模様を表面に有する成
形品を製造できる技術を提供することにある。ここで、
請求項1および請求項2記載の発明の目的は、断面が大
きな成形品を押し出し成形する場合にあっても天然の木
目に極めて近い模様を表面に有する成形品を製造できる
製造方法を提供することにある。
【0005】また、請求項3および請求項4記載の発明
の目的は、断面が大きな成形品を押し出し成形する場合
にあっても天然の木目に極めて近い模様を表面に有する
成形品を提供することにある。
の目的は、断面が大きな成形品を押し出し成形する場合
にあっても天然の木目に極めて近い模様を表面に有する
成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ための手段として、以下の発明を提供する。請求項1記
載の木質様製品の製造方法は、成形品の外表面をなす表
面層(10)と、その表面層(10)の内部を形成する
内部層(20)とを備えて形成される成形品の製造方法
であって、天然木の物理的性質のうち少なくとも質量が
近似する樹脂を押出成形した内部樹脂層(21)を用い
て内部層(20)を形成し、セルロース材を粉砕して得
た粉砕粉に樹脂および顔料を混合して木質様形成シード
材を複数種類形成し、これらの複数種類の木質様形成シ
ード材を混合しかつ融解させ、前記内部層(20)の外
側に対して表面層(10)を押出成形したことを特徴と
する。請求項2記載の木質様製品の製造方法は、成形品
の外表面をなす表面層(10)と、その表面層(10)
の内部を形成する内部層(20)とを備えて形成される
成形品の製造方法であって、天然木の物理的性質のうち
少なくとも質量が近似する樹脂を押出成形した内部樹脂
層(21)を用いて内部層(20)を形成し、セルロー
ス材を粉砕して得た粉砕粉の外周面に、該粉砕粉よりも
小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒とし、この固
定粒に樹脂および顔料を混合しかつ融解させ、前記内部
層(20)の外側に対して表面層(10)を押出成形し
たことを特徴とする。
ための手段として、以下の発明を提供する。請求項1記
載の木質様製品の製造方法は、成形品の外表面をなす表
面層(10)と、その表面層(10)の内部を形成する
内部層(20)とを備えて形成される成形品の製造方法
であって、天然木の物理的性質のうち少なくとも質量が
近似する樹脂を押出成形した内部樹脂層(21)を用い
て内部層(20)を形成し、セルロース材を粉砕して得
た粉砕粉に樹脂および顔料を混合して木質様形成シード
材を複数種類形成し、これらの複数種類の木質様形成シ
ード材を混合しかつ融解させ、前記内部層(20)の外
側に対して表面層(10)を押出成形したことを特徴と
する。請求項2記載の木質様製品の製造方法は、成形品
の外表面をなす表面層(10)と、その表面層(10)
の内部を形成する内部層(20)とを備えて形成される
成形品の製造方法であって、天然木の物理的性質のうち
少なくとも質量が近似する樹脂を押出成形した内部樹脂
層(21)を用いて内部層(20)を形成し、セルロー
ス材を粉砕して得た粉砕粉の外周面に、該粉砕粉よりも
小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒とし、この固
定粒に樹脂および顔料を混合しかつ融解させ、前記内部
層(20)の外側に対して表面層(10)を押出成形し
たことを特徴とする。
【0007】ここで、「表面層」の厚さは、0.1ミリ
メートル以上5ミリメートル以下とする。0.1ミリメ
ートル未満では手触り感等の風合いが天然木とは異なっ
てしまうからであり、5ミリメートルより大きいと木目
模様が十分に現れないからである。また、「表面層」と
「内部層」との合計の厚みは、少なくとも2ミリメート
ル以上である。2ミリメートル未満では、手触り感等の
風合いが天然木とは異なってしまうからである。
メートル以上5ミリメートル以下とする。0.1ミリメ
ートル未満では手触り感等の風合いが天然木とは異なっ
てしまうからであり、5ミリメートルより大きいと木目
模様が十分に現れないからである。また、「表面層」と
「内部層」との合計の厚みは、少なくとも2ミリメート
ル以上である。2ミリメートル未満では、手触り感等の
風合いが天然木とは異なってしまうからである。
【0008】「内部層」は、「内部樹脂層」のみから形
成してもよいし、他の材質(例えばアルミニウム合金)
にて形成された芯材などの外側に「内部樹脂層」を固定
して形成してもよい。「セルロース材」は、天然木材の
ほか、おがくず、稲藁、バカスなどを含む。「樹脂」と
は、硬質樹脂、軟質樹脂を含み、例えば塩化ビニル樹
脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などである。
成してもよいし、他の材質(例えばアルミニウム合金)
にて形成された芯材などの外側に「内部樹脂層」を固定
して形成してもよい。「セルロース材」は、天然木材の
ほか、おがくず、稲藁、バカスなどを含む。「樹脂」と
は、硬質樹脂、軟質樹脂を含み、例えば塩化ビニル樹
脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などである。
【0009】「表面粒」とは、酸化チタン、フェライ
ト、アルミニウム、ニッケル、銀などの金属材料、また
はセラミック等の非金属材料である。「顔料」とは、有
色顔料であり、例えば酸化鉄、カドミウムイエロー、カ
ーボンブラックなどの無機顔料または有機顔料である。
以上の用語は、以下の請求項においても同様の意味とし
て用いる。
ト、アルミニウム、ニッケル、銀などの金属材料、また
はセラミック等の非金属材料である。「顔料」とは、有
色顔料であり、例えば酸化鉄、カドミウムイエロー、カ
ーボンブラックなどの無機顔料または有機顔料である。
以上の用語は、以下の請求項においても同様の意味とし
て用いる。
【0010】請求項3記載の木質様製品は、成形品の外
表面をなす表面層(10)と、その表面層(10)の内
部を形成する内部層(20)とを備えて形成される成形
品であって、内部層(20)は、天然木の物理的性質の
うち少なくとも質量が近似する樹脂を押し出して成形し
た内部樹脂層(21)を備え、表面層(10)は、セル
ロース材を粉砕して得た粉砕粉に樹脂および顔料を混合
して木質様形成シード材を複数種類形成し、これらの複
数種類の木質様形成シード材を混合しかつ融解させて成
形したものであって、内部樹脂層(21)の外側に固定
して形成したことを特徴とする。請求項4記載の木質様
製品は、成形品の外表面をなす表面層(10)と、その
表面層(10)の内部を形成する内部層(20)とを備
えて形成される成形品であって、内部層(20)は、天
然木の物理的性質のうち少なくとも質量が近似する樹脂
を押し出して成形した内部樹脂層(21)を備え、表面
層(10)は、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉の外
周面に、該粉砕粉よりも小径でかつ硬い表面粒を固定さ
せて固定粒とし、この固定粒に樹脂および顔料を混合し
かつ融解させて成形したものであって、内部樹脂層(2
1)の外側に固定して形成したことを特徴とする。
表面をなす表面層(10)と、その表面層(10)の内
部を形成する内部層(20)とを備えて形成される成形
品であって、内部層(20)は、天然木の物理的性質の
うち少なくとも質量が近似する樹脂を押し出して成形し
た内部樹脂層(21)を備え、表面層(10)は、セル
ロース材を粉砕して得た粉砕粉に樹脂および顔料を混合
して木質様形成シード材を複数種類形成し、これらの複
数種類の木質様形成シード材を混合しかつ融解させて成
形したものであって、内部樹脂層(21)の外側に固定
して形成したことを特徴とする。請求項4記載の木質様
製品は、成形品の外表面をなす表面層(10)と、その
表面層(10)の内部を形成する内部層(20)とを備
えて形成される成形品であって、内部層(20)は、天
然木の物理的性質のうち少なくとも質量が近似する樹脂
を押し出して成形した内部樹脂層(21)を備え、表面
層(10)は、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉の外
周面に、該粉砕粉よりも小径でかつ硬い表面粒を固定さ
せて固定粒とし、この固定粒に樹脂および顔料を混合し
かつ融解させて成形したものであって、内部樹脂層(2
1)の外側に固定して形成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1および請求項2記載の木質様製品の製
造方法は、以下のような作用をなす。すなわち、最終成
形品の断面積に比して表面層(10)が占める断面積の
割合は小さいので、最終成形品の断面すべてを一遍に押
し出す場合に比べて成形直前の撹拌速度や押し出し速度
が小さくて済み、成形直前の撹拌速度や押し出し速度が
小さくすると、成形時における顔料が均一に混ざらない
で流れる。このため顔料が不規則に流れ、表面層(1
0)は、成形品の表面に天然の木の木目に極めて近い模
様をなす。
造方法は、以下のような作用をなす。すなわち、最終成
形品の断面積に比して表面層(10)が占める断面積の
割合は小さいので、最終成形品の断面すべてを一遍に押
し出す場合に比べて成形直前の撹拌速度や押し出し速度
が小さくて済み、成形直前の撹拌速度や押し出し速度が
小さくすると、成形時における顔料が均一に混ざらない
で流れる。このため顔料が不規則に流れ、表面層(1
0)は、成形品の表面に天然の木の木目に極めて近い模
様をなす。
【0012】また、内部層(20)は、天然木の物理的
性質のうち少なくとも質量が近似する樹脂を押し出して
成形した内部樹脂層(21)を備えており、最終成形品
全体の手触り感等の風合いも天然の木に近い。請求項3
および請求項4記載の木質様製品は、以下のような作用
をなす。すなわち、表面層(10)は、熱可塑性樹脂に
顔料とセルロース材を含んでおり、成形品の表面に天然
の木の木目に極めて近い模様をなす。
性質のうち少なくとも質量が近似する樹脂を押し出して
成形した内部樹脂層(21)を備えており、最終成形品
全体の手触り感等の風合いも天然の木に近い。請求項3
および請求項4記載の木質様製品は、以下のような作用
をなす。すなわち、表面層(10)は、熱可塑性樹脂に
顔料とセルロース材を含んでおり、成形品の表面に天然
の木の木目に極めて近い模様をなす。
【0013】また、内部層(20)は、天然木の物理的
性質のうち少なくとも質量が近似する熱可塑性樹脂を押
し出して成形した内部樹脂層(21)を備えており、手
触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品となる。
性質のうち少なくとも質量が近似する熱可塑性樹脂を押
し出して成形した内部樹脂層(21)を備えており、手
触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例及び図面に基づいて、
更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、本発明の
一実施例を示す斜視図たる図1である。本実施例は、成
形品の外表面をなす表面層10と、その表面層10の内
部を形成する内部層20とを備えて形成される成形品お
よびその製造方法である。
更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、本発明の
一実施例を示す斜視図たる図1である。本実施例は、成
形品の外表面をなす表面層10と、その表面層10の内
部を形成する内部層20とを備えて形成される成形品お
よびその製造方法である。
【0015】まず、アルミニウム合金のパイプ22を押
出成形にて形成する。そして、その押出成形されたパイ
プ22の外表面に対し、質量および硬さが天然木に極め
て近い樹脂、例えば硬質のポリ塩化ビニルを押出成形す
る。その樹脂層を内部樹脂層21とする。この内部樹脂
層21およびパイプ22にて形成される筒状体を内部層
20とする。
出成形にて形成する。そして、その押出成形されたパイ
プ22の外表面に対し、質量および硬さが天然木に極め
て近い樹脂、例えば硬質のポリ塩化ビニルを押出成形す
る。その樹脂層を内部樹脂層21とする。この内部樹脂
層21およびパイプ22にて形成される筒状体を内部層
20とする。
【0016】一方、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉
を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒の外
周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させ
て固定粒とする。なお、この固定粒の製造は、PCT
JP94/00351号(国際公開番号;WO94/2
0280号)に開示されている方法を用いることができ
る。したがって、本実施例においては、詳しい説明を省
略する。
を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒の外
周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させ
て固定粒とする。なお、この固定粒の製造は、PCT
JP94/00351号(国際公開番号;WO94/2
0280号)に開示されている方法を用いることができ
る。したがって、本実施例においては、詳しい説明を省
略する。
【0017】次に、この固定粒を用いて木質様形成シー
ド材を形成する。すなわち、樹脂に顔料および固定粒を
混合した木質様形成シード材を形成する。この木質様形
成シード材は、樹脂の粉末、顔料の粉末および固定粒を
混合しただけの木質様形成コンパウンドでもよいが、そ
れら混合物を融解し、多孔円形ノズルからひも状に押し
出して切断し、木質様形成ペレットを作製して使用して
もよい。そうしておくと、輪送、保管などの際に吸湿し
たりせず、同一品質を保ちやすくて便利である。一方、
木質様形成コンパウンドとした場合には、木質様形成ペ
レットよりも融解に要する時間及びエネルギーが小さく
て済む。
ド材を形成する。すなわち、樹脂に顔料および固定粒を
混合した木質様形成シード材を形成する。この木質様形
成シード材は、樹脂の粉末、顔料の粉末および固定粒を
混合しただけの木質様形成コンパウンドでもよいが、そ
れら混合物を融解し、多孔円形ノズルからひも状に押し
出して切断し、木質様形成ペレットを作製して使用して
もよい。そうしておくと、輪送、保管などの際に吸湿し
たりせず、同一品質を保ちやすくて便利である。一方、
木質様形成コンパウンドとした場合には、木質様形成ペ
レットよりも融解に要する時間及びエネルギーが小さく
て済む。
【0018】ここで用いる樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などが
採用可能であったが、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂が好適であった。ここにいう樹
脂の種類は、最終的に所望する成形品に要求される性能
によって異なっている。例えば、手すりなど住宅内の造
作材に使用する場合には、硬質発泡樹脂を用い、窓サッ
シなど強度が必要な部材に使用する場合には、硬質樹脂
を用いる。本実施例では、わずかに軟らかい感触のある
手すりを製造するため、発泡性のポリ塩化ビニルを採用
した。
ニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などが
採用可能であったが、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂が好適であった。ここにいう樹
脂の種類は、最終的に所望する成形品に要求される性能
によって異なっている。例えば、手すりなど住宅内の造
作材に使用する場合には、硬質発泡樹脂を用い、窓サッ
シなど強度が必要な部材に使用する場合には、硬質樹脂
を用いる。本実施例では、わずかに軟らかい感触のある
手すりを製造するため、発泡性のポリ塩化ビニルを採用
した。
【0019】木質様形成シード材に用いる顔料は、例え
ば酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラックなど
の無機顔料のうち、最終的な成形品が所望する色合いに
合わせて、1種類または数種類を選択して用いる。本実
施例に用いる木質様形成シード材は、固定粒を約20重
量%と、顔料を1ないし30重量%とを、樹脂に混合し
たものである。ここで、固定粒の配合比の実用的範囲
は、木質様形成シード材全体に対して10ないし50重
量%程度である。固定粒を10重量%以下とすると最終
の成形品から木質感がなくなり、50重量%以上とする
と成形時の流動性が悪くなるからである。また、顔料の
配合比の実用的範囲は、木質様形成シード材全体に対し
て0.1ないし30重量%程度である。
ば酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラックなど
の無機顔料のうち、最終的な成形品が所望する色合いに
合わせて、1種類または数種類を選択して用いる。本実
施例に用いる木質様形成シード材は、固定粒を約20重
量%と、顔料を1ないし30重量%とを、樹脂に混合し
たものである。ここで、固定粒の配合比の実用的範囲
は、木質様形成シード材全体に対して10ないし50重
量%程度である。固定粒を10重量%以下とすると最終
の成形品から木質感がなくなり、50重量%以上とする
と成形時の流動性が悪くなるからである。また、顔料の
配合比の実用的範囲は、木質様形成シード材全体に対し
て0.1ないし30重量%程度である。
【0020】上記のようにして製造した木質様形成シー
ド材を、通常は顔料の種類、固定粒の混合割合などを異
ならせたものを複数種類用意しておき、それらから2種
類以上を選択して混合する場合が多い。複数種類の顔料
が混ざり合う際に木目模様を醸し出すからである。異な
る種類の木質様形成シード材を選択する場合、一方の融
解温度よりも他方の木質様形成シード材の融解温度が低
くなるように選択すると、より好ましい。低い融解温度
のものに合わせて融解し、融解時における流動性におけ
る流動性に差をつけると、木質様形成材シード材中の顔
料も当然均一に流れず、最終的に成形して得られた製品
は、その内部および表層部にて顔料による着色部が不均
一に散在するので、成形製品の表層部においては、着色
部に不均一な濃淡が生じ、天然の木目模様に近いものと
なる。
ド材を、通常は顔料の種類、固定粒の混合割合などを異
ならせたものを複数種類用意しておき、それらから2種
類以上を選択して混合する場合が多い。複数種類の顔料
が混ざり合う際に木目模様を醸し出すからである。異な
る種類の木質様形成シード材を選択する場合、一方の融
解温度よりも他方の木質様形成シード材の融解温度が低
くなるように選択すると、より好ましい。低い融解温度
のものに合わせて融解し、融解時における流動性におけ
る流動性に差をつけると、木質様形成材シード材中の顔
料も当然均一に流れず、最終的に成形して得られた製品
は、その内部および表層部にて顔料による着色部が不均
一に散在するので、成形製品の表層部においては、着色
部に不均一な濃淡が生じ、天然の木目模様に近いものと
なる。
【0021】なお、融解温度を変化させるためには、公
知の添加剤を加えたり、樹脂のグレードを融解温度が高
いものに代えるといった方法を用いてもよい。上記のよ
うにして形成された木質様形成材シード材を用いて、前
記内部樹脂層21の外側に対して表面層10を押出成形
して押出成形品を形成する。すると、その表面層10
は、熱可塑性樹脂に顔料とセルロースを含む固定粒とを
含んでおり、成形品の表面に天然の木の木目に極めて近
い模様を表面に有する。
知の添加剤を加えたり、樹脂のグレードを融解温度が高
いものに代えるといった方法を用いてもよい。上記のよ
うにして形成された木質様形成材シード材を用いて、前
記内部樹脂層21の外側に対して表面層10を押出成形
して押出成形品を形成する。すると、その表面層10
は、熱可塑性樹脂に顔料とセルロースを含む固定粒とを
含んでおり、成形品の表面に天然の木の木目に極めて近
い模様を表面に有する。
【0022】ここで、「表面層」の厚さは、0.1ミリ
メートル以上5ミリメートル以下とする。0.1ミリメ
ートル未満では手触り感等の風合いが天然木とは異なっ
てしまうからであり、5ミリメートルより大きいと木目
模様が十分に現れないからである。また、「表面層」と
「内部層」との合計の厚みは、少なくとも2ミリメート
ル以上である。2ミリメートル未満では、手触り感等の
風合いが天然木とは異なってしまうからである。
メートル以上5ミリメートル以下とする。0.1ミリメ
ートル未満では手触り感等の風合いが天然木とは異なっ
てしまうからであり、5ミリメートルより大きいと木目
模様が十分に現れないからである。また、「表面層」と
「内部層」との合計の厚みは、少なくとも2ミリメート
ル以上である。2ミリメートル未満では、手触り感等の
風合いが天然木とは異なってしまうからである。
【0023】なお、図示は詳しい省略するものの、表面
層10を形成する樹脂および内部樹脂層21を形成する
樹脂が熱可塑性樹脂の場合であって、上記のようにして
形成した押出成形品であれば、その押出成形品を熱水の
中につけて熱を加えて、その軸方向が曲線となるように
両側から外力を加えれば、押出成形品の軸方向が曲線と
なるように曲げ加工を施すことができる。ただし、「表
面層」の厚さは、3ミリメートルより大きいとしわが寄
るなどして曲げ加工が行いにくいので、3ミリメートル
以下とする。
層10を形成する樹脂および内部樹脂層21を形成する
樹脂が熱可塑性樹脂の場合であって、上記のようにして
形成した押出成形品であれば、その押出成形品を熱水の
中につけて熱を加えて、その軸方向が曲線となるように
両側から外力を加えれば、押出成形品の軸方向が曲線と
なるように曲げ加工を施すことができる。ただし、「表
面層」の厚さは、3ミリメートルより大きいとしわが寄
るなどして曲げ加工が行いにくいので、3ミリメートル
以下とする。
【0024】上記した実施例によれば、断面が大きな成
形品を押し出し成形する場合にあっても天然の木目に極
めて近い模様を表面に有する成形品を提供することがで
き、さらにその成形品に曲げ加工を施す技術も提供でき
た。また、製造時間、製造コストがかかる固定粒の使用
量を減らすことができるので、生産効率も高まった。
形品を押し出し成形する場合にあっても天然の木目に極
めて近い模様を表面に有する成形品を提供することがで
き、さらにその成形品に曲げ加工を施す技術も提供でき
た。また、製造時間、製造コストがかかる固定粒の使用
量を減らすことができるので、生産効率も高まった。
【0025】また、内部層20を内部樹脂層21とアル
ミニウム合金製のパイプ22とで形成したので、パイプ
22の存在による強度アップが図られているにも関わら
ず、天然の木に近い木材の色合い、風合い、手触りの木
質様成形品となった。なお、上記実施例では「内部層2
0」は、内部樹脂層21とアルミニウム合金製のパイプ
22とで形成したが、「内部樹脂層」のみから形成して
もよい。
ミニウム合金製のパイプ22とで形成したので、パイプ
22の存在による強度アップが図られているにも関わら
ず、天然の木に近い木材の色合い、風合い、手触りの木
質様成形品となった。なお、上記実施例では「内部層2
0」は、内部樹脂層21とアルミニウム合金製のパイプ
22とで形成したが、「内部樹脂層」のみから形成して
もよい。
【0026】
【発明の効果】請求項1および請求項2記載の発明によ
れば、断面が大きな成形品を押し出し成形する場合にあ
っても天然の木目に極めて近い模様を表面に有する成形
品を製造できる製造方法を提供することができた。ま
た、請求項3および請求項4記載の発明によれば、断面
が大きな成形品を押し出し成形する場合にあっても天然
の木目に極めて近い模様を表面に有する成形品を提供す
ることができた。
れば、断面が大きな成形品を押し出し成形する場合にあ
っても天然の木目に極めて近い模様を表面に有する成形
品を製造できる製造方法を提供することができた。ま
た、請求項3および請求項4記載の発明によれば、断面
が大きな成形品を押し出し成形する場合にあっても天然
の木目に極めて近い模様を表面に有する成形品を提供す
ることができた。
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
10 表面層 20 内部層 21 内部樹
脂層 22 パイプ
脂層 22 パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/20 B32B 27/20 A Z // B29K 101:00 B29L 9:00 23:00
Claims (4)
- 【請求項1】成形品の外表面をなす表面層と、その表面
層の内部を形成する内部層とを備えて形成される成形品
の製造方法であって、 天然木の物理的性質のうち少なくとも質量が近似する樹
脂を押出成形した内部樹脂層を用いて内部層を形成し、 セルロース材を粉砕して得た粉砕粉に樹脂および顔料を
混合して木質様形成シード材を複数種類形成し、これら
の複数種類の木質様形成シード材を混合しかつ融解さ
せ、前記内部層の外側に対して表面層を押出成形したこ
とを特徴とする木質様製品の製造方法。 - 【請求項2】成形品の外表面をなす表面層と、その表面
層の内部を形成する内部層とを備えて形成される成形品
の製造方法であって、 天然木の物理的性質のうち少なくとも質量が近似する樹
脂を押出成形した内部樹脂層を用いて内部層を形成し、 セルロース材を粉砕して得た粉砕粉の外周面に、該粉砕
粉よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒と
し、この固定粒に樹脂および顔料を混合しかつ融解さ
せ、前記内部層の外側に対して表面層を押出成形したこ
とを特徴とする木質様製品の製造方法。 - 【請求項3】成形品の外表面をなす表面層と、その表面
層の内部を形成する内部層とを備えて形成される成形品
であって、 内部層は、天然木の物理的性質のうち少なくとも質量が
近似する樹脂を押し出して成形した内部樹脂層を備え、 表面層は、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉に樹脂お
よび顔料を混合して木質様形成シード材を複数種類形成
し、これらの複数種類の木質様形成シード材を混合しか
つ融解させて成形したものであって、内部樹脂層の外側
に固定して形成したことを特徴とする木質様製品。 - 【請求項4】成形品の外表面をなす表面層と、その表面
層の内部を形成する内部層とを備えて形成される成形品
であって、 内部層は、天然木の物理的性質のうち少なくとも質量が
近似する樹脂を押し出して成形した内部樹脂層を備え、 表面層は、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉の外周面
に、該粉砕粉よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させて
固定粒とし、この固定粒に樹脂および顔料を混合しかつ
融解させて成形したものであって、内部樹脂層の外側に
固定して形成したことを特徴とする木質様製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7018872A JP3065502B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 木質様製品の製造方法および木質様製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7018872A JP3065502B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 木質様製品の製造方法および木質様製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08207111A JPH08207111A (ja) | 1996-08-13 |
JP3065502B2 true JP3065502B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=11983642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7018872A Expired - Lifetime JP3065502B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 木質様製品の製造方法および木質様製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3065502B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4578664B2 (ja) * | 1999-10-18 | 2010-11-10 | ミサワホーム株式会社 | 表面欠陥の少ない木粉入りプラスチックフィルムおよびその製造方法 |
JP2004099115A (ja) * | 2002-07-16 | 2004-04-02 | Misawa Homes Co Ltd | 木質様成形品、製造装置及び製造方法 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP7018872A patent/JP3065502B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08207111A (ja) | 1996-08-13 |
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