JP3059649B2 - 木質様製品の製造方法および木質様製品 - Google Patents

木質様製品の製造方法および木質様製品

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JP3059649B2
JP3059649B2 JP29773094A JP29773094A JP3059649B2 JP 3059649 B2 JP3059649 B2 JP 3059649B2 JP 29773094 A JP29773094 A JP 29773094A JP 29773094 A JP29773094 A JP 29773094A JP 3059649 B2 JP3059649 B2 JP 3059649B2
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば住宅における
家具等の各種部品、さらには車両の内装部材など各種の
製品等のように木質様を有した製品の製造方法及びその
製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願発明に関連のある技術として、PC
TJP94/00351号(国際公開番号;WO94/
20280号)に記載された「セルロース系微粉粒、木
質様成形品および木質様製品」の技術について簡単に説
明する。原料としてのセルロース材を粉砕して得た粉砕
粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒の
外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定さ
せて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を混合し、
かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形また
は射出成形により所望形状に成形する。すると、天然の
木の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手触り
感等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造方法及
び木質様製品を提供することができる。
【0003】更に詳しく説明する。粉粒の外周面に、該
粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させて形成され
た固定粒に、樹脂及び顔料を混合し、かつ溶融させ、そ
の後または溶融と同時に押出成形または射出成形により
所望形状に成形する場合、大きく分けて2種類の成形方
法がある。
【0004】第1の成形方法としては、固定粒と、樹脂
及び顔料を適宜選択して混合したコンパウンドとを形成
し、このコンパウンドを溶融させて押出成形または射出
成形により所望形状に成形する成形方法である。また第
2の成形方法としては、まず、樹脂及び顔料を適宜選択
して固定粒に混合してそれを一旦溶融させ、その溶融し
たものを押し出してペレットを形成し、実際に押出成形
または射出成形により所望形状に成形する際には、この
ペレットを溶融させて用いる成形方法である。
【0005】もちろんこのような両成形方法の組み合わ
せとして、コンパウンドとペレットとを組み合わせた状
態で溶融させて成形することも可能であり、PCTJP
94/00351号の明細書中に記載された14種類い
ずれの成形方法をとったとしても、粉粒に表面粒を固定
させた固定粒を用いているので、木質の模様および触感
を有する成形品が製造可能である。例えば、壁付けの手
すりにおける外表面の長尺部分を成形すれば、木質の模
様および触感を有する手すりを形成することができる。
【0006】ここで、天然木に極めて近い成形品を作製
するために顔料が不規則に流れるように成形するための
手段としては、PCTJP94/00351号の明細書
中に開示されているように、樹脂に固定粒を混合して形
成したベース材と、樹脂に顔料および固定粒を混合して
形成したシード材とを用いて成形する手段が採用されて
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記技術の場
合、最終的に製造される成形品は断面形状が一方向に対
して一定である成形品に限られており、断面形状が一方
向に対して一定でない且つ天然の木の木目に極めて近い
模様を表面に有する木質様製品を作り出す手段は、確立
されていなかった。例えば、壁付けの手すりにおけるエ
ンドブラケットを天然木に極めて近い成形品としたい場
合は、エンドブラケットが三次元曲面を有しているの
で、押し出し成形または射出成形では作り出せなかっ
た。従って、手すりの長尺部分を木質様としても、その
長尺部分から連続した木質の模様をエンドブラケットに
も実現することはできなかった。
【0008】本発明が解決すべき課題は、天然の木の木
目に極めて近い模様を表面に有する木質様製品を、三次
元成形によって作り出す技術を提供することにある。こ
こで、請求項1ないし請求項記載の発明の目的は、真
空成形または圧縮成形によって、天然の木の木目に極め
て近い模様を表面に有する木質様製品を製造する方法を
提供することである。
【0009】また、請求項記載の発明の目的は、天然
の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、且つ断面形
状が一定でない木質様製品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。請求項1及び請求項2
記載された木質様製品の製造方法は、セルロース材を粉
砕して得た粉砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒の
外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定さ
せて固定粒を形成し、樹脂からなるベース材と、樹脂に
顔料および固定粒を混合した木質様形成シード材とを形
成し、ベース材と木質様形成シード材とを備えた製品材
料を混合し、かつ溶融させる方法であり、請求項1にお
いては、溶融後または溶融と同時に、圧縮成形により所
望形状に成形したことを特徴とし、また請求項2におい
ては、溶融させた後に真空成形することを特徴とする木
質様製品の製造方法である。
【0011】ここにいう「セルロース材」は、天然木材
のほか、おがくず、稲藁、バカスなどを含む。「樹脂」
とは、硬質樹脂、軟質樹脂を含み、例えば塩化ビニル樹
脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などである。
「表面粒」とは、酸化チタン、フェライト、アルミニウ
ム、ニッケル、銀などの金属材料、またはセラミック等
の非金属材料である。
【0012】「ベース材」は、樹脂のみから形成しても
よいが、樹脂に固定粒およびまたは顔料を混合してもよ
い。但し、樹脂に混合する固定粒のベース材全体に対す
る割合は、30重量%を越えないようにしている。成形
時の流動性が悪くなり、成形に支障があるからである。
「顔料」とは、有色顔料であり、例えば酸化鉄、カドミ
ウムイエロー、カーボンブラックなどの無機顔料であ
る。
【0013】「製品材料」は、「ベース材」および「木
質様形成シード材」をそれぞれ1種類ずつ混合して形成
してもよいが、複数種類の「ベース材」または「木質様
形成シード材」を混合して形成することもできる。請求
に記載された木質様製品の製造方法は、請求項1
び請求項2記載の木質様製品の製造方法を技術的に限定
したものであり、ベース材は、樹脂をペレット状に形成
した樹脂ペレットとしたことを特徴とする。
【0014】「樹脂をペレット状に形成」するための技
術としては、粉体、固体等の材料を溶融し、多孔円形ノ
ズルからひも状に押し出して切断するといった従来から
公知の手段が用いられる。また、「ベース材」は、樹脂
のみの場合、樹脂に顔料を混合した場合、樹脂に固定粒
を混合した場合、樹脂に固定粒および顔料を混合した場
合があるので、樹脂ペレットに固定粒およびまたは顔料
を含む場合がある。
【0015】請求項に記載された木質様製品の製造方
法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の木質様
製品の製造方法を技術的に限定したものであり、木質様
形成シード材は、樹脂に顔料および固定粒を混合してペ
レット状に形成した木質様形成ペレットとしたことを特
徴とする。請求項に記載された木質様製品の製造方法
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の木質様
製品の製造方法を技術的に限定したものであり、木質様
形成材シード材は、その溶融時における流動性が、ベー
ス材の溶融時における流動性よりも低くなるように形成
したことを特徴とする。
【0016】ベース材の流動性と木質様形成材シード材
の流動性とに差を設ける手段としては、樹脂の種類を異
ならせる他、各種の添加剤をいずれか一方または双方に
添加するなど、公知の手段を用いる。請求項に記載さ
れた木質様製品の製造方法は、請求項記載の木質様製
品の製造方法を技術的に限定したものであり、木質様形
シード材は、その溶融温度をベース材の溶融温度より
も高くなるように形成したことを特徴とする。木質様形
成シード材に相当する木質様形成材ペレットの溶融温度
、ベース材に相当する樹脂ペレットの溶融温度よりも
高くなるように形成する手段としては、例えば、木質様
形成材ペレットに混合する固定粒や顔料の割合を、樹脂
ペレットに混合する固定粒や顔料の割合よりも多くする
ことで達成できる。
【0017】請求項に記載された木質様製品の製造方
法は、請求項1、請求項2または請求項4記載の木質様
製品の製造方法を技術的に限定したものであり、ベース
材は、樹脂を粉末状に形成した樹脂コンパウンドとした
ことを特徴とする。「ベース材」は、樹脂のみの場合と
樹脂に顔料を混合した場合とがあるので、樹脂コンパウ
ンドに顔料を含む場合もある。
【0018】請求項に記載された木質様製品の製造方
法は、請求項1、請求項2または請求項3記載の木質様
製品の製造方法を技術的に限定したものであり、木質様
形成シード材は、樹脂の粉末に顔料および固定粒を混合
した木質様形成コンパウンドとしたことを特徴とする。
請求項に記載された木質様製品は、セルロース材を粉
砕して得た粉砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒の
外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定さ
せて形成した固定粒を、顔料とともに樹脂に混合した木
質様形成シード材と、樹脂からなるベース材とを備えた
製品材料を混合して溶融させ、真空成形または圧縮成形
により所望形状に成形したことを特徴とする木質様製品
である。
【0019】
【作用】請求項1及び請求項2に記載された木質様製品
の製造方法は、以下のような作用をなす。まず、セルロ
ース材を粉砕して、粉砕粉を得る。次に、その粉砕粉を
磨砕処理して嵩比重を高めて粉粒を得る。次に、その粉
粒に表面粒を固定させて固定粒を得る。
【0020】この固定粒を顔料とともに樹脂に混合して
木質様形成シード材を得る。この木質様形成シード材
と、樹脂からなるベース材とを混合して製品材料を得
る。この製品材料を溶融させ、その後または溶融と同時
、圧縮成形する。または、溶融後に真空成形する。
ース材、木質様形成シード材とも成形時における延びを
妨げない。請求項に記載された木質様製品の製造方法
は、請求項1及び請求項2に記載された木質様製品の製
造方法と異なり、以下のような作用をなす。
【0021】すなわち、ベース材がペレット状をなして
いるので、製品材料を製造するまでの間に時間的経過
や、空間的な移動が必要な場合に、ベース材の品質が粉
末状態である場合に比べて劣化しにくい。請求項に記
載された木質様製品の製造方法は、請求項1及び請求項
に記載された木質様製品の製造方法と異なり、以下の
ような作用をなす。
【0022】すなわち、木質様形成シード材がペレット
状をなしているので、製品材料を製造するまでの間に時
間的経過や、空間的な移動が必要な場合に、木質様形成
シード材の品質が粉末状態である場合に比べて劣化しに
くい。請求項に記載された木質様製品の製造方法は、
請求項1ないし請求項に記載された木質様製品の製造
方法と異なり、以下のような作用をなす。
【0023】すなわち、木質様形成材シード材の溶融時
における流動性が、ベース材の溶融時における流動性よ
りも低いので、成形時における木質様形成材シード材の
流れが悪くなる。そのため、木質様形成材シード材に含
まれている顔料が、成形時において均一に流れないた
め、最終的な成形品の表面に現れる模様が、天然の木目
模様に近くなる。
【0024】請求項に記載された木質様製品の製造方
法は、請求項に記載された木質様製品の製造方法と異
なり、以下のような作用をなす。すなわち、樹脂ペレッ
トと木質様形成シード材を混合して成形する場合、ベー
ス材の溶融温度に設定する。そのため、木質様形成材ペ
レットの溶融温度を樹脂ペレットの溶融温度よりも高く
すると、成形時においては木質様形成材ペレットの溶融
温度に達しないため、溶融状態が不十分であり、流動性
が悪くなる。そのため、木質様形成材シード材に含まれ
ている顔料が、成形時において均一に流れないため、最
終的な成形品の表面に現れる模様が、天然の木目模様に
近くなる。
【0025】請求項に記載された木質様製品の製造方
法は、請求項記載の木質様製品の製造方法と異なり、
以下のような作用をなす。すなわち、ベース材が樹脂を
粉末状に形成した樹脂コンパウンドとしているので、溶
融させるまでに必要な熱エネルギーおよび時間が、ペレ
ット状の場合と比べて少なくて済む。
【0026】請求項に記載された木質様製品の製造方
法は、請求項記載の木質様製品の製造方法と異なり、
以下のような作用をなす。すなわち、木質様形成シード
材を木質様形成コンパウンドとしているので、溶融させ
るまでに必要な熱エネルギーおよび時間が、ペレット状
の場合と比べて少なくて済む。
【0027】請求項に記載された木質様製品は、以下
のようにして形成される。まず、セルロース材を粉砕し
て、粉砕粉を得る。次に、その粉砕粉を磨砕処理して嵩
比重を高めて粉粒を得る。次に、その粉粒に表面粒を固
定させて固定粒を得る。この固定粒を顔料とともに樹脂
に混合して木質様形成シード材を得る。この木質様形成
シード材と、樹脂を主成分とするベース材とを混合して
製品材料を得る。この製品材料を溶融させ、その後また
は溶融と同時に、真空成形または圧縮成形することによ
って形成される。ベース材、木質様形成シード材とも成
形時における延びを妨げない。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例及び図面に基づいて、
更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1ない
し図5である。図1は、本発明の一実施例を示すための
概念図である。図2ないし図5は、本発明の一実施例に
よって形成されたすりを示すための図である。図2は、
本発明の一実施例の木質様製品たる木質様製品たる手す
りの水平断面図である。図3は、本発明の一実施例の木
質様製品たる手すりを垂直方向から見た図である。図4
および図5は、本発明の一実施例の木質様製品たる手す
りにおける三次元曲面を有する部材の三面図である。
【0029】本実施例では、まず、固定粒を形成する。
すなわち、セルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕処
理して嵩比重を高めた粉粒の外周面に、該粉粒よりも小
径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒を形成する。な
お、固定粒の製造は、PCTJP94/00351号
(国際公開番号;WO94/20280号)に開示され
ている方法を用いることができる。したがって、本実施
例においては、詳しい説明を省略する。
【0030】次に、この固定粒を用いて木質様形成シー
ド材を形成する。すなわち、樹脂に顔料および固定粒を
混合した木質様形成シード材を形成する。この木質様形
成シード材は、樹脂の粉末、顔料の粉末および固定粒を
混合しただけの木質様形成コンパウンドでもよいが、そ
れら混合物を溶融し、多孔円形ノズルからひも状に押し
出して切断し、木質様形成ペレットを作製して使用して
もよい。そうしておくと、輸送、保管などの際に吸湿し
たりせず、同一品質を保ちやすくて便利である。一方、
木質様形成コンパウンドとした場合には、木質様形成ペ
レットよりも溶融に要する時間及びエネルギーが小さく
て済む。
【0031】ここで用いる樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などが
採用可能であったが、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂が好適であった。ここにいう樹
脂の種類は、最終的に所望する成形品に要求される性能
によって異なっている。例えば、手すりなど住宅内の造
作材に使用する場合には、硬質発泡樹脂を用い、窓サッ
シなど強度が必要な部材に使用する場合には、硬質樹脂
を用いる。
【0032】木質様形成シード材に用いる顔料は、例え
ば酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラックなど
の無機顔料のうち、最終的な成形品が所望する色合いに
合わせて、1種類または数種類を選択して用いる。本実
施例に用いる木質様形成シード材は、固定粒を約20重
量%と、顔料を1ないし30重量%とを、樹脂に混合し
たものである。ここで、固定粒の配合比の実用的範囲
は、木質様形成シード材全体に対して10ないし50重
量%程度である。固定粒を10重量%以下とすると最終
の成形品から木質感がなくなり、50重量%以上とする
と成形時の流動性が悪くなるからである。また、顔料の
配合比の実用的範囲は、木質様形成シード材全体に対し
て0.1ないし30重量%程度である。
【0033】なお、顔料の種類を異ならせた複数種類の
木質様形成シード材を予め用意しておき、その木質様形
成シード材を最終的な成形品が所望する色合いに合わせ
て、1種類または数種類を選択して用いることとしても
よい。次に、その木質様形成シード材と、樹脂のみから
形成したベース材とを混合して製品材料を形成する。こ
のベース材には、上記の顔料を含ませてもよい。
【0034】このベース材に用いる樹脂は、上記した樹
脂の中から用いることができるのであるが、木質様形成
シード材と同一種類としてもよいし、木質様形成シード
材とは異なる種類の樹脂を選択してもよい。異なる種類
の樹脂を選択する場合、後述するように、ベース材の溶
融温度よりも木質様形成シード材の溶融温度が高くなる
ように選択すると、より好ましい。
【0035】上記のようにして形成された木質様形成シ
ード材とベース材とを混合して製品材料を形成するので
あるが、両者の混合割合は、重量比で、ベース材:木質
様形成シード材=50:50ないし99:1である。最
終的な成形品の木目の色合いを茶色系としたい場合と、
黒色系としたい場合とで、両者の混合割合を異ならせ
る。例えば、茶色系としたい場合には、ベース材100
重量部に対して、20重量%の固定粒を含んだ木質様形
成シード材を5ないし7重量部とする。黒色系としたい
場合には、ベース材100重量部に対して、20重量%
の固定粒を含んだ木質様形成シード材20ないし25重
量部とする。
【0036】溶融温度については、ベース材の溶融温度
よりも木質様形成シード材の溶融温度を摂氏温度におい
およそ3%高くし、樹脂ペレットの溶融時における流
動性を、木質様形成材ペレットの溶融時における流動性
を低くする。例えば、ベース材に用いる樹脂と木質様形
成シード材に用いる樹脂とを同じ種類とした場合には、
木質様形成シード材には、樹脂以外の物質として固定
粒、顔料が含まれているので、その溶融温度がベース材
の溶融温度よりも高くなる。具体的には、ベース材の溶
融温度を180℃に設定した場合には、木質様形成シー
ド材の溶融温度を185℃とする。
【0037】製品材料を溶融するにあたっては、予め樹
脂ペレットの溶融温度に合わせて成形温度を設定すると
ともに、成形時間も樹脂ペレットに合わせて設定する。
するとペレットは正常に溶融し、成形方向に均一に流れ
る。一方、木質様形成材ペレットは生地材ペレットより
溶融温度が高いため溶融はするものの、樹脂ペレットに
比べその溶融状態が十分でなく、したがって流れも悪く
不均一になる。流れが悪く不均一になることから、木質
様形成材ペレット中の顔料も当然均一に流れず、最終的
に成形して得られた製品は、その内部および表層部にて
顔料による着色部が不均一に散在するので、成形製品の
表層部においては、着色部に不均一な濃淡が生じ、天然
の木目模様に近いものとなる。
【0038】なお、溶融温度を変化させるためには、公
知の添加剤を加えたり、樹脂のグレードを溶融温度が高
いものに代えるといった方法を用いてもよい。上記のよ
うにして溶融させた製品材料を、その後に、真空成形に
より所望形状に成形し、最終的な成形品を形成する。最
終的な製品の種類によっては、前記溶融の後、または溶
融と同時に圧縮成形を行う場合もある。
【0039】本実施例の真空成形によって形成された具
体的製品は、図2、図4および図5に示された手すりの
エンドブラケットである。以下、図2ないし図5を用い
て説明する。住宅の階段などの壁10に、手すり受け3
0および固定ネジ11を用いて棒状の手すり20が固定
される。この手すり20は木材による棒材ではなく、芯
材に対して固定ネジ23にて固定される笠木受け22の
外側に巻き付けるように固定された笠木21を、PCT
JP94/00351号に開示された製法によって製造
された木質様製品とすることによって、木材の色合い、
風合い、手触りを実現している。
【0040】この手すり20の長手方向の端部に位置す
るブラケット30は、その外側を外側エンドブラケット
31で、内側を内側エンドブラケット32で覆われてい
る。これら外側エンドブラケット31および内側エンド
ブラケット32は、図4および図5に示すように三次元
曲面をなす部分を有しており、上記した実施例による製
造方法にて形成している。従って、外側エンドブラケッ
ト31および内側エンドブラケット32もまた、笠木2
1と同じ色合で連続状態を形成でき、木材を削りだして
作製したブラケットと見分けがつかないような製品が出
来上がり、手すり全体に高級感が漂う。
【0041】この実施例においては手すりのエンドブラ
ケットを説明したが、例えば住宅における家具等の各種
部品、さらには車両の内装部材など各種の製品等のよう
に木質様を有したい製品であって、三次元成形が必要な
製品であっても、製造することができる。
【0042】
【発明の効果】請求項1ないし請求項記載の発明によ
れば、真空成形または圧縮成形によって、天然の木の木
目に極めて近い模様を表面に有する木質様製品を製造す
る方法を提供することができた。また、請求項記載の
発明によれば、天然の木の木目に極めて近い模様を表面
に有し、且つ断面形状が一定でない木質様製品を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すための概念図である。
【図2】本発明の一実施例の木質様製品たる手すりの水
平断面図である。
【図3】本発明の一実施例の木質様製品たる手すりを垂
直方向から見た図である。
【図4】本発明の一実施例の木質様製品たる手すりにお
ける三次元曲面を有する部材の三面図である。
【図5】本発明の一実施例の木質様製品たる手すりにお
ける三次元曲面を有する部材の三面図である。
【符号の説明】
10壁 11固定ネジ 20手すり 21笠木 22笠木受け 23固定ネジ 30手すり受け 31外側エンドブ
ラケット 32内側エンドブラケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 511:14 B29L 31:58

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕
    処理して嵩比重を高めた粉粒の外周面に、該粉粒よりも
    小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒を形成し、 樹脂からなるベース材と、樹脂に顔料および固定粒を混
    合した木質様形成シード材とを形成し、 ベース材と木質様形成シード材とを備えた製品材料を混
    合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に、圧縮
    成形により所望形状に成形したことを特徴とする木質様
    製品の製造方法。
  2. 【請求項2】セルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕
    処理して嵩比重を高めた粉粒の外周面に、該粉粒よりも
    小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒を形成し、樹
    脂からなるベース材と、樹脂に顔料および固定粒を混合
    した木質様形成シード材とを形成し、ベース材と木質様
    形成シード材とを備えた製品材料を混合し、かつ溶融さ
    せ、その後に、真空成形により所望形状に成形したこと
    を特徴とする木質様製品の製造方法。
  3. 【請求項3】ベース材は、樹脂をペレット状に形成した
    樹脂ペレットとしたことを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の木質様製品の製造方法。
  4. 【請求項4】木質様形成シード材は、樹脂に顔料および
    固定粒を混合してペレット状に形成した木質様形成ペレ
    ットとしたことを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項3記載の木質様製品の製造方法。
  5. 【請求項5】木質様形成材シード材は、その溶融時にお
    ける流動性が、ベース材の溶融時における流動性よりも
    低くなるように形成したことを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれかに記載の木質様製品の製造方法。
  6. 【請求項6】木質様形成シード材は、その溶融温度を
    ース材の溶融温度よりも高くなるように形成したことを
    特徴とする請求項記載の木質様製品の製造方法。
  7. 【請求項7】ベース材は、樹脂を粉末状に形成した樹脂
    コンパウンドとしたことを特徴とする請求項1、請求項
    2または請求項4記載の木質様製品の製造方法。
  8. 【請求項8】木質様形成シード材は、樹脂の粉末に顔料
    および固定粒を混合した木質様形成コンパウンドとした
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3
    載の木質様製品の製造方法。
  9. 【請求項9】セルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕
    処理して嵩比重を高めた粉粒の外周面に、該粉粒よりも
    小径でかつ硬い表面粒を固定させて形成した固定粒を、
    顔料とともに樹脂に混合した木質様形成シード材と、 樹脂からなるベース材とを備えた製品材料を混合して溶
    融させ、真空成形または圧縮成形により所望形状に成形
    したことを特徴とする木質様製品。
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