JP2544310B2 - 木質様製品の製造方法及び木質様製品 - Google Patents

木質様製品の製造方法及び木質様製品

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JP2544310B2
JP2544310B2 JP6519817A JP51981794A JP2544310B2 JP 2544310 B2 JP2544310 B2 JP 2544310B2 JP 6519817 A JP6519817 A JP 6519817A JP 51981794 A JP51981794 A JP 51981794A JP 2544310 B2 JP2544310 B2 JP 2544310B2
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particles
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resin
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正行 上手
まさみ 加藤
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Misawa Homes Co Ltd
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Misawa Homes Co Ltd
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば住宅における回り縁や幅木や雨樋、
家具等の各種化粧板、さらには車両の内装部材など各種
の製品等のように木質様を有した製品の製造方法及びそ
の製品に関するものである。
(従来の技術) 近年、合成樹脂成形物に天然木材の有する表面特性に
近い表面特性及び色調を付与し、各種の家具あるいは日
用品の表面を天然の木質様にする試みがなされてきてい
る。
このような天然木材に近似した木質様樹脂製品を得る
には、木材に近似した色調に着色してその木材的な趣き
をだすため、合成樹脂成形物の成形に際しては、所要量
の木粉と要望する色調に対応した顔料を形成樹脂素材に
添加して目的とする天然木材に近い色調および風合いの
樹脂成形物を得ていた。
さらには製品の表面のみを天然の木質様にするため
に、表面塗膜あるいは皮膜の形成等に際して、塗料中に
所要量の木粉を添加して目的とする天然木材に近い色調
および風合いの表面を有する樹脂成形物を得ていた。
ここで、形成樹脂素材に添加される木粉としては、樹
脂に対する配合時の分散性をよくするために、また樹脂
成形時に成形機内に木酸ガスが生じないように改良され
たものが多く、その典型的なものとしては、フェノール
や尿素樹脂で表面等の硬化処理が施されたパーティクル
ボードの表面研磨粉が知られている。
このパーティクルボードの表面研磨粉の主な特徴とし
ては、微細であり、しかも表面に繊毛部分が少なく滑性
の良い粒形状をなしていることにある。そして、微細で
あり、しかも滑性が良いことから粉粒状の樹脂原料に対
する良好な分散配合性のある木粉とされているのであ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかし、木材を直接微粉状に粉砕して得られる木粉
は、乾式粉砕機によって得られたものであっても、ある
いは湿式粉砕機によって得られたものであっても粉砕効
率が悪く、長時間粉砕処理しても粉砕粉中に粒径の大き
い木粉が多量に残る不都合を有していた。また、この木
粉は粒形状をなさず、その多くが繊維がひげ状に突出し
たものとなっており、短径側で計測した粒径が数ミクロ
ンであっても長径側が繊毛状に長く、このため樹脂に配
合して用いた際に木粉相互が絡みあって凝集状態を作り
だすことが多く、樹脂材料に対し均一に分散されない不
都合を有している。また更に、粉砕木粉の粒径が極端に
バラついていることから、成形された樹脂製品に成形歪
み等をもたらし易く、しかも機械的な強度が部分的に異
なる等の不都合を有していた。
したがって、このような不都合から形成樹脂素材に添
加される木粉としては、木材を直接微粉状に粉砕して得
られるものは配合上、色彩上、品質管理上限界があると
されているのである。
しかしながら、前記従来の方法によって得られた樹脂
成形物では、添加される木粉としてパーティクルボード
の表面研磨粉を用いても、この表面研磨粉が、パーティ
クルボードの素材的特性の違いにより均一の木材特性を
有しておらず、しかも切削手段、例えば使用サンドペー
パーのメッシュの違いに起因して粒径にバラつきが生じ
易いため、樹脂成形物自体も均一な木質様を有するもの
が得られないのが実状であり、したがって木材を直接微
粉状に粉砕し乾燥して得られる木粉を使用せざるを得な
いのが現状である。
また、前記樹脂成形物を押出成形法や射出成形法で例
えば板状に成形し、木質様の板製品とする場合、当然樹
脂素材中に木質感を与える色調の顔料を予め添加する
が、この顔料のうちの樹脂中に十分分散されていないも
のが成形時樹脂中で流れ、得られた成形物表面に筋を形
成する。ところが、このようにして形成された筋はきわ
めて均一で機械的なものとなり、天然の木目には程遠
く、いかにも人工的に形成した顔料からなる模様である
ことが分かってしまうのである。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、天然の木
の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手触り感
等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造方法及び
木質様製品を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記した目的を達成するためのものであ
る。
請求項1に記載の発明は、原料としてのセルロース材
を粉砕して得た粉砕粉を磨砕処理して、嵩比重を高めた
粉粒とし、この粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径で、
かつ硬い表面粒を固定させて固定粒とし、この固定粒に
樹脂及び顔料を混合し、かつ溶融させ、その後または溶
融と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成
形する木質様製品の製造方法であって、表面粒には、無
機質材、金属材またはプラスチック材のうちの1または
複数の材料を用いたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットを形成し、
この木質様形成材ペレットに混合した顔料と異なる顔料
を前記木質様形成材ペレットに混合し、かつ溶融させ、
その後または溶融と同時に押出成形または射出成形によ
り所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の木
質様製品の製造方法を技術的に限定したものであり、固
定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレット
を、顔料の種類を変えて複数種類作り、これらの木質様
形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様形成材ペレッ
トを2種以上混合し、かつ溶融させ、その後または溶融
と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成形
したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、混合する木
質様形成材ペレットの溶融温度を、木質様形成材ペレッ
ト毎に変化させたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、混合する木
質様形成材ペレットの溶融時における流動性に、木質様
形成材ペレット毎に差をつけたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂を混合した生地材ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料
を混合した木質様形成材ペレットとを形成し、生地材ペ
レットと木質様形成材ペレットとを混合し、かつ溶融さ
せ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形
により所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、生地材ペレ
ットよりも木質様形成材ペレットの方の溶融温度を高く
したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、生地材ペレ
ットよりも木質様形成材ペレットの方が、溶融時におけ
る流動性を低くしたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項6記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、樹脂のみか
ら形成した樹脂ペレットと、固定粒に樹脂を混合した生
地材ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質
様形成材ペレットとを形成し、樹脂ペレットと生地材ペ
レットと木質様形成材ペレットとを混合し、かつ溶融さ
せ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形
により所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂を混合した生地材ペレットと、樹脂及び顔料を混合し
た顔料ペレットとを形成し、生地材ペレットと顔料ペレ
ットとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同
時に押出成形または射出成形により所望形状に成形した
ことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットと、樹脂及
び顔料を混合した顔料ペレットとを形成し、木質様形成
材ペレットと顔料ペレットとを混合し、かつ溶融させ、
その後または溶融と同時に押出成形または射出成形によ
り所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットと、固定粒
に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウンドと
を形成し、木質様形成材ペレットと木質様形成材コンパ
ウンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と
同時に押出成形または射出成形により所望形状に成形し
たことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットと、固定粒
に樹脂を混合した生地材コンパウンドとを形成し、木質
様形成材ペレットと生地材コンパウンドとを混合し、か
つ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形または
射出成形により所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットと、樹脂に
顔料を混合した顔料コンパウンドとを形成し、木質様形
成材ペレットと顔料コンパウンドとを混合し、かつ溶融
させ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成
形により所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂を混合した生地材ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料
を混合した木質様形成材コンパウンドとを形成し、生地
材ペレットと木質様形成材コンパウンドとを混合し、か
つ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形または
射出成形により所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、固定粒に樹
脂を混合した生地材ペレットと、樹脂に顔料を混合した
顔料コンパウンドとを形成し、生地材ペレットと顔料コ
ンパウンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶
融と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成
形したことを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項1記載の木質様製品
の製造方法を技術的に限定したものであり、樹脂に顔料
を混合した顔料ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料を混
合した木質様形成材コンパウンドとを形成し、顔料ペレ
ットと木質様形成材コンパウンドとを混合し、かつ溶融
させ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成
形により所望形状に成形したことを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、原料としてのセルロース材
を粉砕して得た粉砕粉を磨砕処理して、嵩比重を高めた
粉粒とし、この粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径で、
かつ硬い表面粒を固定させて形成した固定粒と、この固
定粒に樹脂及び顔料を混合したものの溶融物を押出成形
または射出成形により所望形状に成形する木質様製品で
あって、表面粒には、無機質材、金属材またはプラスチ
ック材のうちの1または複数の材料を用いたことを特徴
とする木質様製品である。
本発明の木質様製品の製造方法によれば、原料として
のセルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕処理して、
嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒の外周面に、該粉粒
よりも小径で、かつ硬い表面粒を固定させて固定粒と
し、この固定粒に樹脂及び顔料を混合し、かつ溶融さ
せ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形
により所望形状に成形するものである。
ここで、原料としてのセルロース材を粉砕して得た粉
砕粉は、そのままでは粒形状をなさず、その多くが繊維
がひげ状に突出した状態となっており、樹脂に配合して
用いた際にひげ状の繊維相互が絡みあって凝集状態を作
りだすことが多く、樹脂材料に対し均一に分散されない
こととなってしまう。
そこで、本発明のように、粉砕粉を磨砕処理して、嵩
比重を高めた粉粒とすることによって、絡みあったりせ
ず、均一に分散させることが可能となるものである。な
おここで、粉粒は、粉砕物から突出したひげ状の繊維を
取ったりあるいは粉砕粉に押し付けたりすることによっ
て、粉砕粉からひげ状の繊維部分をなくしたものをい
う。
またこのような粉粒をそのままの状態で直接樹脂に混
合して成形することも可能であるが、直接樹脂と混合し
て使用すると、粉粒及び樹脂の特性、機能のみで成形品
の特性あるいは機能が決定されてしまう。特にこのよう
にすると、粉粒の柔らかさあるいは流動性の悪さ等が影
響して、作業性が悪く、押出時に焼き付けを起こした
り、成形品がもろくなってしまうことがあった。
そこで、本発明のように、粉粒の外周面に、該粉粒よ
りも小径で、かつ硬い表面粒を固定させることによっ
て、固定粒を形成すれば、流動性の向上が図れることか
ら作業性が向上すると共に、成形品の特性を表面粒の選
択によって変更させることが可能となるものである。ま
た特に、表面粒として、電気的特性、化学的特性あるい
は耐熱性等の各種特性を有するものを選択使用すること
によって、最終成形品である木質様製品に各種特性を与
えることができる。
本発明では、最終的に、固定粒に樹脂及び顔料を混合
したものを押出成形または射出成形により所望形状に成
形し、成形品に木質感を与えるものである。特に、押出
成形または射出成形時に、顔料が流れたりすると、木質
感に加えて、成形品表面に天然の木目に極めて近い木目
模様を呈するものである。
ここで、原料としてのセルロース材としては、木材の
他に、バカス、稲藁等を使用することも可能であるが、
木材を使用すると、原料供給が容易であると共に、住宅
の建築等の際に出る木材の端材やのこぎり屑を用いるこ
とができる。
また嵩比重を高めるための摩砕処理は、粒形状をなさ
ず、その多くが繊維がひげ状に突出した状態となってい
る粉砕粉から、余分なひげ状の繊維部分をなくすための
処理であり、余分なひげ状の繊維部分をなくすことがで
きるものであればどのような種類の加工機械を用いるこ
ともできる。ただここで、粉砕用ボールを用いたボール
ミルによって加工すると、大きさの均一化が図れるだけ
でなく、ひげ状の繊維部分をなくすことができ、更には
ボールミルの中に表面粒を添加することによって、表面
粒の固定をも同時に行うことができる。
さらに、このような摩砕処理によって形成される粉粒
は、粉砕粉からひげ状の突出部分がなくなるので、従来
の木粉のごとく水(湿気を含む)、溶剤を吸着しあるい
はこれを放出することに起因する伸縮が極めて少なくな
り、よってこの粉粒を含有してなる木質様製品は寸法安
定性に極めて優れたものとなる。
更にここで、表面粒は、粉粒よりも小径で、かつ硬い
ものであれば使用することができるが、例えば、無機質
材、金属材またはプラスチック材のうちの1または複数
の材料を用いることが可能である。
特に、表面粒として、白色無機顔料を用いると、固定
粒が白色になるので、成形品を色が白っぽい木材に似せ
る場合に使用できるだけでなく、成形品を成形する際に
他の色の顔料を用いることによって、黒っぽいあるいは
茶色っぽい木材に似せた成形品にも使用することができ
る。
また、この木質様製品にあっては、表面粒として、無
機顔料を用いると、耐熱性が向上するので、単に粉砕粉
を配合させ成形する場合に比べ、成形時の熱影響が少な
く、よって色や形状の変化など変質が抑制される。
このようにして形成された固定粒に、樹脂及び顔料を
混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
成形または射出成形により所望形状に成形する場合、大
きく分けて2種類の成形方法がある。
第1の成形方法としては、このようにして形成した固
定粒と、樹脂及び顔料を適宜選択して混合したコンパウ
ンドを形成し、このコンパウンドを溶融させて押出成形
または射出成形により所望形状に成形する成形方法であ
る。
また第2の成形方法としては、まず、このようにして
形成した固定粒に、樹脂及び顔料を適宜選択して混合
し、それを一旦溶融させ、その溶融したものを押し出し
てペレットを形成し、実際に押出成形または射出成形に
より所望形状に成形する際には、このペレットを溶融さ
せて用いる成形方法である。
もちろんこのような両成形方法の組み合わせとして、
コンパウンドとペレットとを組み合わせた状態で溶融さ
せて成形することも可能である。
いずれの成形方法をとったとしても、粉粒に表面粒を
固定させた固定粒を用いているので、木質の触感を有す
る成形品が製造可能である。
また更に、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットを形成し、この木質様形成材ペレットに混
合した顔料と異なる顔料を前記木質様形成材ペレットに
混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
成形または射出成形により所望形状に成形すると、成形
の前に木質様形成材ペレットに加えられた顔料が、溶解
したペレットと十分に混合しない場合が生じ、成形時に
この顔料が縞模様を呈する。このため、固定粒に樹脂及
び顔料を混合したコンパウンドあるいはペレットのみを
押出成形または射出成形する場合に比べて、天然の木目
に極めて近い木目模様を形成することができることとな
る。
更に、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットを複数種類作り、これらの木質様形成材ペレッ
トのうち顔料の異なる木質様形成材ペレットを2種以上
混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
成形または射出成形により所望形状に成形することもで
きる。この場合にも、両木質様形成材ペレットが完全に
混合しない状態で成形を行うと、両木質様形成材ペレッ
トの顔料どうしも完全に混合せず、成形時にこの混合し
ていない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極
めて近い木目模様を形成することができることとなる。
なお、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットを複数種類作り、これらの木質様形成材ペレッ
トのうち顔料の異なる木質様形成材ペレットを混合し、
かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形また
は射出成形により所望形状に成形する際に、混合する木
質様形成材ペレットの溶融温度を変化させると、低い溶
融温度の木質様形成材ペレットを溶融させるに足る温度
に設定すると、高い溶融温度の木質様形成材ペレットが
完全に溶融しないままとなり、両木質様形成材ペレット
の顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない
顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い
木目模様を形成することができることとなる。
また同様に、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様
形成材ペレットを複数種類作り、これらの木質様形成材
ペレットのうち顔料の異なる木質様形成材ペレットを混
合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成
形または射出成形により所望形状に成形する際に、混合
する木質様形成材ペレットの溶融時における流動性に差
をつけると、両木質様形成材ペレットの混合が完全には
行いにくく、成形時にこの混合しにくい木質様形成材ペ
レットの顔料が複雑な縞模様を呈することで、天然の木
目に極めて近い木目模様を形成することができることと
なる。
また、固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、固
定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットと
を形成し、生地材ペレットと木質様形成材ペレットとを
混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
成形または射出成形により所望形状に成形することもで
きる。この場合、両ペレットが完全に混合しない状態で
成形を行うと、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混
合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈
することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成す
ることができることとなる。
このような時に、生地材ペレットよりも木質様形成材
ペレットの方の溶融温度を高すると、低い溶融温度の生
地材ペレットを溶融させる温度にすると、高い溶融温度
の木質様形成材ペレットが完全に溶融しないままとな
り、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せず、成
形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈すること
で、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することが
できることとなる。
また同様に、生地材ペレットよりも木質様形成材ペレ
ットの方の溶融時の流動性を低くすると、両ペレットの
混合が完全には行いにくく、成形時にこの混合しにくい
木質様形成材ペレットの顔料が縞模様を呈することで、
天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができ
ることとなる。
更に、樹脂のみから形成した樹脂ペレットと、固定粒
に樹脂を混合した生地材ペレットと、固定粒に樹脂及び
顔料を混合した木質様形成材ペレットとを形成し、樹脂
ペレットと生地材ペレットと木質様形成材ペレットとを
混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
成形または射出成形により所望形状に成形することもで
きる。この場合にも、各ペレットが完全に混合しない状
態で成形を行うと、木質様形成材ペレットの顔料も完全
に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様
を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形
成することとなる。
また、固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、樹
脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを形成し、生地材
ペレットと顔料ペレットとを混合し、かつ溶融させ、そ
の後または溶融と同時に押出成形または射出成形により
所望形状に成形することもできる。この場合にも、両ペ
レットが完全に混合しない状態で成形を行うと、顔料ペ
レットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合して
いない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極め
て近い木目模様を形成することとなる。
また、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを
形成し、木質様形成材ペレットと顔料ペレットとを混合
し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形
または射出成形により所望形状に成形することもでき
る。この場合にも、両ペレットが完全に混合しない状態
で成形を行うと、木質様形成材ペレットの顔料あるいは
顔料ペレットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混
合してない顔料が複雑な縞模様を呈することで、天然の
木目に極めて近い木目模様を形成することとなる。
また、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材コンパウンドとを形成し、木質様形成材ペレットと
木質様形成材コンパウンドとを混合し、かつ溶融させ、
その後または溶融と同時に押出成形または射出成形によ
り所望形状に成形することもできる。この場合にも、木
質様形成材ペレットと木質様形成材コンパウンドとが完
全に混合しない状態で成形を行うと、木質様形成材ペレ
ットの顔料あるいは木質様形成材コンパウンドの顔料も
完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が複
雑な縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木
目模様を形成することとなる。
また、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、固定粒に樹脂を混合した生地材コンパウン
ドとを形成し、木質様形成材ペレットと生地材コンパウ
ンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同
時に押出成形または射出成形により所望形状に成形する
こともできる。この場合にも、木質様形成材ペレットと
生地材コンパウンドとが完全に混合しない状態で成形を
行うと、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せ
ず、成形時にこの混合してない顔料が縞模様を呈するこ
とで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成すること
となる。
また、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、樹脂に顔料を混合した顔料コンパウンドと
を形成し、木質様形成材ペレットと顔料コンパウンドと
を混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押
出成形または射出成形により所望形状に成形することも
できる。この場合にも、木質様形成材ペレットと顔料コ
ンパウンドとが完全に混合しない状態で成形を行うと、
木質様形成材ペレットの顔料あるいは顔料コンパウンド
の顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない
顔料が複雑な縞模様を呈することで、天然の木目に極め
て近い木目模様を形成することとなる。
また、固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、固
定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウン
ドとを形成し、生地材ペレットと木質様形成材コンパウ
ンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同
時に押出成形または射出成形により所望形状に成形する
こともできる。この場合にも、生地材ペレットと木質様
形成材コンパウンドとが完全に混合しない状態で成形を
行うと、木質様形成材コンパウンドの顔料も完全に混合
せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈す
ることで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成する
こととなる。
更に、固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、樹
脂に顔料を混合した顔料コンパウンドとを形成し、生地
材ペレットと顔料コンパウンドとを混合し、かつ溶融さ
せ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形
により所望形状に成形することもできる。この場合に
も、生地材ペレットと顔料コンパウンドとが完全に混合
しない状態で成形を行うと、顔料コンパウンドの顔料も
完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞
模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様
を形成することとなる。
また、樹脂に顔料を混合した顔料ペレットと、固定粒
に樹脂と顔料を混合した木質様形成材コンパウンドとを
形成し、顔料ペレットと木質様形成材コンパウンドとを
混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
成形または射出成形により所望形状に成形することもで
きる。この場合にも、顔料ペレットと木質様形成材コン
パウンドとが完全に混合しない状態で成形を行うと、顔
料ペレットの顔料あるいは木質様形成材コンパウンドの
顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔
料が複雑な縞模様を呈することで、天然の木目に極めて
近い木目模様を形成することとなる。
このように、混合していない顔料が成形時に縞模様を
呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成
させめるためには、予め成形条件を設定しておくことに
より、ペレットまたはコンパウンド中の顔料が成形中の
溶融材中に規則的に、あるいは均一に流れることなく、
不規則に流れて筋状の着色部を形成する。そして、この
筋状の着色部が天然の木目に極めて近い木目模様とな
る。
しかも、各ペレットあるいはコンパウンド中の粉砕粉
の表面に白色無機顔料を固定させると、得られる成形体
中において、該粉砕粉が有色の顔料より表面側にくる場
合には、その下の有色の顔料の色が隠蔽され、これによ
り有色の顔料によって形成される成形体表面の着色部は
その色や太さなどがきわめて不均一なものとなり、一層
天然の木目模様に近いものとなる。
またこのようにして成形された木質様製品は、木の触
感を有するだけでなく、成形時の成形状態によっては、
有色の顔料によって成形体表面に着色部が形成され、外
観的にもこの着色部が天然の木目模様に近く認識される
製品となるものである。
(実施例) 以下、本発明を実施の形態及び図面に基づいて、更に
詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1乃至図9
である。図1は、原料木材からの粉砕粉の形成、及び当
該粉砕粉の表面への表面粒の固定化の過程と、粉砕粉か
らの粉粒の形成、及び当該粉粒の表面への表面粒の固定
化の各過程をそれぞれ模式的に示した概要説明図であ
る。図2は、同上粉砕粉、粉粒に対して摩擦作用による
粉砕処理を施すための一例よる開放型乾式ボールミルの
概要構成を示す要部縦断正面図である。図3は、同上粉
砕粉、粉粒に対して摩擦作用による粉砕処理を施すため
の一例による密閉型乾式ボールミルの概要構成を示す要
部縦断正面図である。図4は、同上粉砕粉、木粉粒を分
級するための一例による分級装置の概要構成を示す要部
縦断正面図である。図5は、磨砕処理に用いられる粉砕
機の一例を示す概略構成図である。図6は、図5に示し
た粉砕機の砥石の一例を示す平面図である。図7は、粉
粒に白色無機顔料を固定させて固定粒とした状態を示す
断面図である。図8は、得られた成形体(製品)の側断
面拡大図である。図9は、得られた成形体(製品)の表
面状態を示す斜視図である。
以下、本発明にかかる木質様製品の製造方法につい
て、最初に全体を説明し、次いで各工程毎に詳細を説明
する。
本発明にかかる木質様製品の製造方法は、 1 原料としてのセルロース材を粉砕して粉砕粉とす
る。
2 粉砕粉を摩砕処理して嵩比重を高めた粉粒とする。
3 粉粒の外周面に、粉粒よりも小径で、かつ硬い表面
粒を固定させて固定粒とする。
4 固定粒に樹脂及び顔料を混合したものを押出成形も
しくは射出成形により所望形状に成形する。
ことによって行うものである。
またここで、2と3とは同時に行うこともできる。
更に、4については、大きく分けて2種類の成形方法
がある。
第1の成形方法としては、このようにして形成した固
定粒に、樹脂及び顔料を混合したコンパウンドを形成
し、このコンパウンドを溶融させて押出成形または射出
成形により所望形状に成形する成形方法である。
また第2の成形方法としては、まず、このようにして
形成した固定粒に、樹脂及び顔料を混合して一旦溶融さ
せ、その溶融したものを押し出してペレットを形成し、
実際に押出成形または射出成形により所望形状に成形す
る際には、このペレットを溶融させて用いる成形方法で
ある。
もちろんこのような両成形方法の組み合わせとして、
コンパウンドとペレットとを適宜組み合わせた状態で溶
融させて成形することも可能である。
いずれの成形方法をとったとしても、粉粒に表面粒を
固定させた固定粒を用いているので、木質の触感を有す
る成形品が製造可能である。
このような成形方法を更に詳しく分けると、 4−1 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
コンパウンドを、そのまま成形材料とする。
4−2 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットを作り、この木質様形成材ペレットのみを用い
て成形する。
4−3 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットを作り、この木質様形成材ペレットに混合した
顔料と異なる顔料を、前記木質様形成材ペレットに添加
したものを用いて成形する。
4−4 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットを、顔料の種類を変えて複数種類作り、これら
の木質様形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様形成
材ペレットを2種以上混合したものを用いて成形する。
4−5 固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、固
定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットと
を混合したものを用いて成形する。
4−6 樹脂のみから形成した樹脂ペレットと、固定粒
に樹脂を混合した生地材ペレットと、固定粒に樹脂及び
顔料を混合した木質様形成材ペレットとを混合したもの
を用いて成形する。
4−7 固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、樹
脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを混合したものを
用いて成形する。
4−8 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを
混合したものを用いて成形する。
4−9 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材コンパウンドとを混合したものを用いて成形する。
4−10 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、固定粒に樹脂を混合した生地材コンパウン
ドとを混合したものを用いて成形する。
4−11 固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料コンパウンド
とを混合したものを用いて成形する。
4−12 固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、固
定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウン
ドとを混合したものを用いて成形する。
4−13 固定粒に樹脂を混合した生地材ペレットと、樹
脂及び顔料を混合した顔料コンパウンドとを混合したも
のを用いて成形する。
4−14 樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットと、固定
粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウンド
とを混合したものを用いて成形する。
等の手段がある。
そこでまず、以下の説明では、固定粒を形成するまで
の工程と、その後の成形工程とを分けて説明する。
最初に、固定粒、及び固定粒の製造方法の実施例につ
いて詳細に説明する。
ここで、この発明による実施例の詳細に先立ち、当該
説明中で述べる主な用語につき、ほぼ次のように定義す
る。なお、この定義については、取り扱う木粉自体の大
きさが、非常に細かい微粉状の粒子である関係上、その
作用などに関して、これをある程度まで推察せざるを得
ない点に鑑み、必ずしも当該定義にのみ拘束されるもの
ではない。
“粉砕用ボール間での摩砕処理”とは、主として、ボ
ールミルを用いた粉砕対象物に対する摩擦の作用による
粉砕を意味しており、以下摩砕とも称す。
なお、本明細書で“ボールミル”とは、主として攪拌
手段により粉砕用ボールを上下、円周方向に攪拌して、
この粉砕用ボール相互間で摩擦の作用により粉砕するミ
ルを称し、更に容器回転型のボールミル、その他のボー
ルミルをも含んでいる。
“粉粒”とは、前記の粉砕粉が、粉砕用ボール間での
摩砕処理により粉砕によって嵩比重が高められている木
粉を総称するものであり、ここでは、粉砕粉から突出し
たひげ状の繊維などが、粉砕用ボール間での摩擦による
粉砕によって、取ったりあるいは粉砕粉に押し付けたり
することによってなくなり、結果的に嵩比重が高められ
ている木粉を粉粒と称している。
したがって、ここで“粉粒”と称されるものは、その
外形形状が主として不定形の粒であって、球形あるいは
球形類似の形状の粒を含むが、球形あるいは球形類似の
形状の粒に限定されるものではない。
すなわちここで嵩比重が高められている木粉としての
“粉粒”とは、粉砕粉が粉砕用ボール間での摩砕処理に
よって、その嵩比重が実質的に高められているすべての
態様の木粉を意味しており、表面粒の固定化とは別に、
粉砕粉のみを粉砕ボール間での摩砕処理により粉砕する
ことによって嵩比重が高められている木粉はもちろんの
こと、例えば、粉砕粉ないしは嵩比重が高められつつあ
る粉砕粉の表面部に、表面粒を固定化しながら、粉砕粉
に対し、粉砕用ボール間での摩砕処理を施すことによっ
て、この粉砕粉の嵩比重が実質的に高められている木
粉、更には、粉砕粉ないしは嵩比重が高められつつ粉砕
粉の表面に対し、粉砕用ボール間での摩砕処理を施すこ
とによってこの粉砕粉の嵩比重が高められている木粉な
ども含む概念である。
なお、ここで“嵩比重は、より具体的には、粉砕粉を
粉砕ボール間での摩砕処理により粉砕することによっ
て、その外面形状を実質的に整えることによって、高め
られるものであって、粉砕粉から突出したひげ状の繊維
などが、粉砕用ボール間での摩擦による粉砕によって、
取ったりあるいは粉砕粉に押し付けたりすることによっ
てなくなり、より粒に近い形状とされ、角張っている角
部が粉砕用ボール間での摩砕処理によって取り除かれま
たは押し付けられ、丸みを帯びた形状とされ、突き出し
ている部分が粉砕用ボール間での摩砕処理によって取り
除かれまたは押し付けられ、丸みを帯びた形状とされ、
絨毛状のヒゲが粉砕用ボール間での磨砕処理によって取
り除かれまたは押し付けられ、絨毛状のヒゲなどが絡み
合って比較的疎の状態とされている部分が、粉砕用ボー
ル間での摩砕処理によって押し付けられて比較的密の状
態とされることなどによって、その嵩比重が実質的に高
められる。
“押しつけ外力”とは、表面部の外部から加えられる
主として機械的手段による押圧力、例えば、その好適な
機械的手段としては、前記した摩砕、すなわち、圧迫、
摩擦に伴って独自に生ずるか、または粉砕作用に合わせ
て生ずる押圧力などを意味している。
“固定化”とは、化学的反応とか、接着などの手段に
よらず、表面外からの押圧力によって容易には剥離しな
い状態に固定することを意味している。
また、粉砕粉、粉粒(表2、表3、表4、表5、表
6、表7)の粒径は、例えば、これらのそれぞれを所定
の溶液中に懸濁分散させた状態で、ここに透明な流路中
に導いて流過させると共に、当該流路中にレーザー光を
照射透過させることによって、長さを測定して得られる
数値を直径に換算した粒径を指している。
また、原料木材(表1)の粒子径は、原料木材を試験
振動篩機(ロータップ)を用いて5分間篩った際に、大
きい篩目の篩いを通過し、小さい篩い目の篩上に残され
た原料木材を当該篩いの篩目の径で表示している。
“平均粒子径”とは、当該粉砕粉、並びに粉粒での累
積重量パーセント分布の50(半量)重量パーセントの粒
子を通す篩目の径を意味している。
“硬度”とは、先にも述べている通りに、粉砕粉、及
び粉粒、ないしは、表面粒が相対的に極めて細かく、こ
れらの硬さを必ずしも直接的には測定でき難いことか
ら、粉砕以前の原材料の時点における硬さを表す単位、
例えば、この場合、ショア硬度を意味している。
この発明の一実施例を適用して得られる加工処理され
た基本的な構成による第1の固定粒、及び第2の固定粒
を図1に基づいて以下詳細に説明する。
ここで、この実施例の第1の固定粒は、前記粉砕粉の
多数を、粉砕用ボール間での摩砕処理し、外面形状を整
えて嵩比重が高められた個々それぞれの粉粒を形成した
後に、個々の粉砕粉の表面部に対して、これよりも小さ
くて硬い複数の表面粒を固定化させることで構成したも
のである。
また、この実施例の第2の固定粒は、原材料木材を粉
砕して得た粉砕粉と、これよりも小さくて硬い表面粒と
の多数を、粉砕用ボール間での摩砕処理すると同時に、
個々の粉砕粉の表面部に対して、複数に各表面粒を固定
化させることで構成したもの及び粉砕粉の表面部への複
数の表面粒の一旦、固定化後、継続される粉砕用ボール
間での摩砕処理に伴って、当該粉砕粉自体の嵩比重を高
め、これを粉粒に転化させることで構成したものであ
る。
[第1の固定粒] まず第1の固定粒110を得る典型的な第1の方法と、
第2の方法とについて説明する。
第1の固定粒110を得る典型的な第1の方法は、図1
のAで示される。
この第1の方法で第1の固定粒110を得るには、まず
原料木材101を衝撃、剪断、摩砕などの作用により粉砕
する粉砕機を用いて充分粉砕することで、所要粒径範囲
内の粉砕粉102を得る。
次いで、この粉砕粉102を、粉砕用ボール間での充分
な摩砕処理によって、表面形状が整えられ、かつ嵩比重
の高められた粉粒111とする。
かくして得られた粉粒111と、別個に用意した表面粒1
12とを押しつけ外力を生ずる加圧手段、例えば乾式ボー
ルミルに供給し、該粉粒111の表面部に表面粒112を押し
つけ外力によって固定することで、第1の固定粒110を
得る。
次いで、第1の固定粒110を得る典型的な第2の方法
は図1のBで示される。
この第2の方法での第1の固定粒110を得るには、第
1の方法で得られた粉粒111に対し、表面粒112をまぶ
し、または予備混合によって付着させた後に、この表面
粒112を表面部に有する粉粒111を押しつけ外力を生ずる
加圧手段、例えば乾式ボールミルに供給して、表面部に
ある表面粒112を粉粒111に固定することによって第1の
固定粒110を得る。
しかして、ここでの粉砕粉102を機械的に、再度、摩
砕して得る嵩比重が高められた粉粒は111は、当該摩砕
によって粉砕粉102が粉砕されることで、粉砕粉102から
突出しているひげ状の部分は切断されてあるいは押し付
けられて、より粒状に近い形状とされると共に、嵩比重
が高められた結果、当該原料木材101自体の持つ特有な
諸特性と諸機能、例えば、吸湿性、放湿性、及び肌触り
感などを保持したままの状態で、表面部への複数の表面
粒112の固定化が容易に、しかも確実になされる。
このようにして得られる第1の固定粒110は、嵩比重
が高められた粉粒111に対し、表面粒112を押しつけ外力
によって固定することから、この第1の固定粒110の表
面粒112は、容易かつ均一に粉粒111の表面部に固定され
る。
またこのようにして、得られる第1の固定粒110は、
表面粒112を、嵩比重の高められた粉粒111の表面部に食
い込み結合などによって固定化したことから、この第1
の固定粒110の表面粒112は、この嵩比重の高められた粉
粒111の表面部に確実に、かつほぼ均一に固定される。
更に、このようにして得られる第1の固定粒110は、
固定粒110を構成する粉粒111の嵩比重が十分に高められ
ており、この嵩比重の高められた粉粒111の表面部に表
面粒112が固定されることから、得られた固定粒110の流
動性が良好であり、この固定粒110の取扱時に、この粉
粒自体が凝集し合うことがない。また、成形時あるいは
塗料などの配合対象物への混合に際しての分散性が良好
である。
更にまた、表面粒112は、粉粒111に対し、単なる押し
つけ外力のみによって固定されることから、得られた第
1の固定粒110を溶液、溶剤中、あるいは高温域内で用
いても、表面粒112は粉粒111から分離しにくい。
またこのようにして得られる第1の固定粒110の表面
粒112は、粉粒111の表面部に固定された状態で、表面粒
112としての諸機能、諸特性を発現することができるこ
とから、粉粒111に固定されない状態の表面粒と比較し
て、その取扱性が良好とされる。
更にこのようにして得られる第1の固定粒110の表面
粒112は、その担持母材としての粉粒111の表面部を被
覆、もしくはほぼ被覆して表面部バリヤーを形成して、
内側の粉粒111からの木酸やリグニンなどの不要物の放
出を阻止できる。更に、外側からの熱負荷に耐え、かつ
好ましくない薬品類などの侵入を防止でき、当該粉粒11
1を十分に防護して、その特質を有効に固定粒110にもた
らす機能を有している。
このようにして得られる、第1固定粒110では、粉粒1
11の表面部が複数の表面粒112によって、覆われている
ために、粉粒111における本来的な強度面での硬度の低
さ、比重の軽さが、表面部を覆う表面粒112の固さ、比
重の重さにより、相対的に保証かつ保護されて、十分な
硬度を備えることになる。
しかも、粉粒111が比較的軽量である為に、全体とし
ての軽量化が可能であり、併せて、従来熱源程度として
しか活用できないでいた木材の端材やのこぎり屑などを
有効かつ効果的に活用できて省資源化に役立たせ得る。
ちなみに第1の固定粒110における粉粒111と、当該粉
粒111の表面部に対して固定化される表面粒112としての
酸化チタン粉末との粒径の粒度分布については、当該固
定化に際し、酸化チタン粉末もまた凝集しているものが
分離されることを前提にして、概次のとおりであってよ
い。
粉粒111の粒度分布 1〜10μm に対して 3μm以下 11〜30μm 同上 0.1〜10μm 101μm以上 1μm以上 また、前記粉粒111としての一般的な原料木材101と、
当該原料木材101よりも固い表面112としての酸化チタ
ン、カーボン、ニッケル、炭酸カルシウムとの各硬度、
ここでは所定の高さから圧子を落下させて、衝接後の反
発高さを測定する、いわゆるショア硬度を次に上げる。
原料木材 35〜50 酸化チタン 150〜180 カーボン 60〜65 ニッケル 90〜100 炭酸カルシウム 120〜140 [第2の固定粒] 次いで、第2の固定粒を得る典型的な第1の方法は、
図1のCで示される。
この第1の方法で第2の固定粒120を得るには、まず
原料木材101を衝撃、剪断、摩擦などの作用により粉砕
する粉砕機を用いて、充分破断かつ粉砕することで、所
要粒径範囲内の粉砕粉102を得る。
と表面粒122とを、粉砕用ボール間での摩砕処理部に供
給し、この粉砕用ボール間での摩砕処理によって粉砕粉
102自体の嵩比重を高める。また、同時に、この粉砕粉1
02の表面部、ないしは粉粒12の形成過程にある粉砕粉10
2の表面部、ないしは、この粉砕用ボール間での摩砕処
理によって嵩比重の高められている粉粒121の表面部に
対し、前記表面粒122を、この粉砕用ボール間での摩砕
処理によって固定する。
なおこの粉砕用ボール間での摩砕処理は、前記の被処
理粉砕用粉粒102が、この粉砕用ボール間での摩砕処理
によって、十分に嵩比重の高められた粉粒121の状態に
なるまで続行する。
以上によって第2の固定粒120が得られる。
次いで第2の固定粒120を得る第2の方法は、図1の
Dで示される。
この第2の方法で第2の固定粒120を得るには、前記
第1の方法と同一の手段で得られる粉砕粉102に対し、
表面粒122をまぶし、または予備混合によって付着させ
た後、この表面粒122の付着されている粉砕粉102に対
し、粉砕用ボール間での摩砕処理を施す。
この粉砕粉102に対する粉砕用ボール間での摩砕処理
は、この粉砕粉102が、この粉砕用ボール間での摩砕処
理によって十分に嵩比重の高められた粉粒121の状態に
なるまで続行し、しかも、この粉砕用ボール間での摩砕
処理によって前記表面粒122が、この粉砕用ボール間で
の摩砕処理によって形成される粉粒121の表面部に固定
化されるまで続行する。
以上によって、第2の固定粒120が得られる。
なお、粉砕粉102は、前記の粉砕用ボール間での摩砕
処理によって、その外面、ひいては表面形状が、この粉
砕用ボール間での摩砕処理によって逐次変化し、実質的
に、その表面形状が整えられる。
このことは、粉砕粉102と表面粒122とを同時に粉砕用
ボール間での摩砕処理により粉砕する粉砕機に供給し、
ないしは粉砕粉102に表面粒122をまぶした後、これを前
記の粉砕機に供給して、粉砕用ボール間での摩砕処理を
なした場合にも認められ、粉砕粉102は、何らかの態様
で表面形状が整えられ結果的に嵩比重が高められる。
すなわち、表面粒122の固定化される以前における摩
砕により、更には表面粒122に固定化された後に、表面
粒122の面に加えられる摩砕などによって実質的に表面
形状が整えられる。
そして、より具体的には、前記粉砕粉102は、この粉
砕用ボール間での摩砕処理によって、粉砕粉102から突
出しているひげ状の部分が切断されてあるいは押し付け
られて、より粒状に近い状態とされる。
また、前記の粉砕粉102にある繊維状のひげ部分は、
粉砕粉102の周面から表面粒122で押し付けられて覆わ
れ、あるいは表面粒122から外方に伸びている部分が切
断される。
また、この粉砕粉102は、前記の粉砕用ボール間での
摩砕処理によって表面部が圧迫、転動を受け、その表面
形状が整えられる。
このようにして得られた第2の固定粒120は、粉砕粉1
02を粉砕用ボール間での摩砕処理により粉砕することに
よって嵩比重の高められた粉粒121としてあり、しか
も、この嵩比重の高められた粉粒121の表面部に表面粒1
22を固定化してあることから、粉粒121に対し表面粒122
が確実かつ均一に固定される。
また、得られた固定粒120は、充分な流動性を有し、
固定粒120の取扱時に、この固定粒120が相互に凝集し合
うことがなく、配合対象物への混合に際して分布が良好
である。
また、この第2の固定粒120の表面粒122は、粉粒121
の表面部に対し容易に剥離しない状態で固定化されてお
り、しかも、この固定化が押しつけ外力による固定化で
あることから、この固定粒120を溶液ないしは溶剤中、
あるいは高温域内で用いても、粉粒121からの表面粒122
が分離せず、表面粒122は粉粒121に安定に保持される。
更にこの第2の固定粒120の表面粒122は、紺粒121の
表面部に固定化された状態で表面粒122の有する諸機
能、諸特性を発現することから、表面粒122は互いに凝
集を生ずることのない状態で用いることができる。
また、この第2の固定粒120は、原料木材101を機械的
手段により破断かつ粉砕されることによって、当該原料
木材101事態を持つ特有な諸特性を、諸機能、例えば吸
湿性、放湿性、及び肌触り感を保持しており、しかも表
面粒122によって、粉粒121の表面部を被覆、もしくはほ
ぼ被覆して表面部バリヤーを形成していることから、原
料木材101の有する諸特性、諸機能を有効に固定粒120に
もたらす機能を有している。
[第1の固定粒、第2の固定粒の製造方法] 引き続いて、前記第1の固定粒110、及び第2の固定
粒120の製造手段の詳細について述べる。
ここで、前記第1の固定粒110、第2の固定粒120のそ
れぞれについては、第2の固定粒120における形式過程
での粉砕粉102が、実質的に第1の固定粒110に用いる素
材としての粉砕粉102に対応しており、また、第2の固
定粒120についても、第1の固定粒110の表面部に対する
複数の表面粒112の固定化の手段、及び形態とほぼ同様
であることから、以下の説明では、この第1の固定粒11
0を中心として述べ、かつ必要に応じて第2の固定粒120
についても述べることとする。
この実施例において粉砕対象としての原料となる天然
木材の種類は、汎用的に利用されるツガ、ラワンなどの
針葉樹、広葉樹などのいずれであっても良く、この木
材、またはそのチップ、もしくはその鋸屑などの各原料
を用いる。もちろんこの他にも、バカス、稲藁等を用い
ることもできる。
そして、この原料のなかで、木材、チップなどは原料
木材101については、まず、これを一旦、適当な公知の
機械的手段、例えばカッターミルなどを用い、焦がした
りすることなく、木質材としての種々の各機能をそれぞ
れに失うことなしに切断かつ粉砕して、1000μmよりも
細かい粒径の原料素材、好ましくは、500μm以下の粒
径に取りそろえられた原料素材として多数準備する。
また、前記準備された原料木材101に対しては、必要
に応じて所要の前処理を施しておく。この前処理は、通
常の場合、リグニンとかタンニンあるいは好ましくない
含有色素、樹脂分などを持つ原料素材に対する漂白作
用、または不要物質の除去などのために行われるもの
で、それぞれに公知の手段を用いて処理する。
その後、粉砕装置として、例えば衝撃、剪断、摩砕な
どの作用により粉砕する微粉砕機、例えばインペラーミ
ルを用い、前記各原料木材101を粉砕することで、ここ
でも同様に、木質材としての種々の各特性、各機能をそ
れぞれに失うことなしに、好ましくはおおよそ200μm
以下の粒径に取りそろえた粉砕粉102を得る。
なお、この場合、原料木材101を衝撃、剪断、摩砕な
どの作用により粉砕して得られる粉砕粉102について
は、先にも述べたように、木材自身の持っている本来的
で特有な諸特性、諸機能が残されてはいるが、長繊維状
のものとが含まれていて、しかも、周囲表面部には、未
だ繊維状をした細長い繊毛状のひげが派生している。
また、得られた粉砕粉102は、角張っている部分、突
き出している部分を多く有し、全体に嵩張り、しかも相
互に凝集する傾向を示している。
ここで前記粉砕に用いる粉砕装置としては、例えば、
粉砕室内面の波形ライナーとの間のクリアランスを調整
し得る衝撃の、この場合は円周の半径方向に突設した衝
撃翼のあるローターを備えて構成されるインペラーミル
を用いることができる。
このインペラーミルのクリアランスを調整しながらロ
ーターを高速回転させることにより、これらの波形ライ
ナーと衝撃翼との間で、原料木材101を衝撃破断させて
粉砕し、かつ衝撃翼自体でも原料木材101を波形ライナ
ー面に叩き付け、同様に衝撃破断させて粉砕し、粉砕粉
102を得る。
このようにして粉砕された前記粉砕粉102について
は、これを分級せずに用いてもよいが、当該粉砕と同時
に、もしくは粉砕後にあってしかるべき分級し、使用目
的に併せて粒度を調整した粉砕粉102とするのが好まし
い。または、前記のようにして準備された被処理分体木
粉102は、次の粉砕用ボール間での摩擦作用による粉砕
処理、すなわち摩砕処理に先立つか、または、当該摩砕
処理の過程で、含有水分料が、10wt%未満、好ましく
は、8wt%未満、より好ましくは3wt%以下になるように
乾燥して調整する。
ここで、前記粉砕粉102の乾燥は、当該粉砕粉102に対
して摩砕処理による表面改質作用を効果的にもたらす
点、成形作業時に水分による発砲を防止する点、及び使
用時における対象物、例えば塗料などの対象物に混合、
分散させた際に当該対象物に悪影響を及ぼさないように
する点において意味を有している。
続いて、前記のように処理された粉砕粉102に対し
て、粉砕用ボール間での摩擦作用による再粉砕であると
ころの、機械的手段による摩砕処理を施す。この粉砕粉
102に対する摩砕処理は、第1の木粉では表面粒112の固
定化に先立って、この粉砕粉102に対する摩砕処理を施
す。第2の木粉では表面粒122と共に、または表面122を
仮に固定ないしは固定した状態で施す。
この機械的な摩砕処理の為の典型的な手段には、図2
に示す乾式ボールミルがある。この乾式ボールミルによ
る摩砕処理について第1の固定粒110の形成に用いられ
る粉粒111の形成について以下に説明する。
この乾式ボールミルによる粉砕粉102の摩砕処理にお
いては、粉砕粉102の摩砕処理にともない、ミル内の温
度が急激に上昇して粉塵爆発を生ずる惧れがあり、また
高温域での摩砕によって粉砕粉102または嵩比重の高め
られた粉粒111が本来有している諸特性、諸機能が損な
われることから、当該第2図に示されているように、ミ
ル本体1の周壁内に冷却ジャケット2を形成させること
により、給水杆8から配水管9へ常時、冷却水を供給
し、当該ミル内温度が少なくとも80℃以下、好ましくは
70℃以下に保持されるようにしてある。
また、内部には、モーター5で回転駆動される攪拌手
段としての攪拌バー4、及び当該攪拌バー4により攪拌
されかつ転動されて摩砕作用を生ずる多数介入された粉
砕ボール3を配し、開放された上方から粉砕粉102を投
入して稼働させ、かつ処理終了後は、取出バルブ6から
取出口7を経て外部に取り出し得るようにしたもので、
いわゆるバッチ形式に構成される。
なお、この場合、前記摩砕作用を得るための粉砕ボー
ル3については、3mm〜15mm径のセラミック性のボール
を用い、粉塵爆発を生ずる可能性があったり、あるいは
金属粉が発生するステンレス製のボールは使用を避けて
いる。
しかして、前記構成による乾式ボールミルでは、ミル
内に投入供給される粉砕粉102が、攪拌かつ転動される
各粉砕ボール3の相互間で摩砕処理されて、長繊維状の
粉砕粉102は破断、摩擦により粉砕されて、より粒状に
近づけられ、粉砕粉102の角張っている部分、突き出し
ている部分、繊毛状のひげ部分などが取り除かれ、ある
いは変形させられて、全体がより粒に近い形状に整えら
れると共に、これらの各粉砕ボール3の相互間、ないし
は各粉砕ボールと粉砕粉102間で発生する摩擦熱のため
に急速に必要温度まで加熱されて、含まれている水分が
除かれてゆき、かつ当該摩砕の継続によって4wt%以下
程度にまで乾燥される。
そして、ここでは、処理される粉砕粉102が、当該乾
燥に伴い、幾分か縮小される傾向が認められ、この縮小
傾向または、これに続いてなされる表面部への表面粒11
2の固定化、つまり、喰い込み作用を助長することにも
なる。
また、前記構成での開放型の乾式ボールミルに変え
て、図3に示すように、密閉用蓋10と排気管11、及び給
気管12と配して構成される密閉が他の乾式ボールミルを
用いることもできる。
この密閉型の乾式ボールミルを用いた被処理粉砕機粉
102の摩砕処理では、ミル内の酸素濃度を15%以内と
し、ミル内温度を80℃以下に設定するのが望ましく、こ
のミルの場合、密閉用蓋10によるミル内粉砕室の密閉
後、排気管11、給気管12を用いて当該粉砕室内の大気を
不活性ガス、例えば、窒素ガスに置換させるか、あるい
は窒素ガスを連続的に流しながら、これを不活性雰囲気
下で稼働させる。
更に、前記のように粉砕用ボール間での摩擦作用によ
る粉砕処理、すなわち摩砕されて、外面形状を整えられ
全体に丸みをもたらせることによって、嵩比重を高めら
れた木粉111を分級するためには、例えば、図4に示す
分級装置を用いることができる。
この分級装置は、真比重により分級する風力式比重分
級機であって、矢印Y方向から供給される粉砕粉102を
モーター14による分級ローター13の回転によって生ずる
遠心力と、矢印W方向への真空排気の吸引力のバランス
下で分級し、かつ分級条件を満たさない粗粉を矢印X方
向に取り出すもので、この分級操作においても、装置内
で微小木粉が粉塵爆発する危険性を避ける為に、矢印N
方向から装置内に窒素ガスを連続的に供給させ、当該装
置内で酸素濃度を15%以内に保持しながら、これを不活
性雰囲気下で稼働させる。
このようにして得られる粉粒111は、粉砕用ボール間
での摩擦作用に取る粉砕処理、すなわち摩砕処理前の粉
砕粉102の粒径よりもわずかに小さい平均粒子径の粉粒1
11にされると共に、摩砕処理前の粉砕粉102の嵩比重よ
りも粉粒111の嵩比重が高められ、摩砕処理前には、長
繊維状の粉砕粉102、角張っている部分、突き出してい
る部分、繊毛状のヒゲ部分を有する粉砕粉102、及び比
較的その部分を有する粉砕粉102が、摩砕処理後には比
較的丸みを有し、しかも平滑で緻密な表面形態を呈する
粉粒111とされる。
ここで、前記粉粒111を得るための各処理操作におけ
るここの実験例と、その比較例とについて具体的に述べ
る。(なお、この実験例及び比較例が、より良く理解さ
れるように、前記実験例と同内容の対象物については、
例えば原料木材101、粉砕粉102、粉粒111、固定粒110の
ように同一の番号を付して説明する。) 実験例A−1 篩選別して得られた表1の粒度分布からなるエゾ松の
鋸屑、この場合、素材としての原料木材101について、
インペラーミル(株式会社セイシン企業社製・機種IMP-
250)を用い、粉砕ローターの衝撃翼とライナーとのク
リアランスを3mmに設定してこれを衝撃、剪断、摩砕等
の作用により機械的に粉砕処理し、表2の粒度分布の粉
砕粉102を得た。
また、このようにして得た粉砕粉102について、これ
を前記図4の風力式比重分級装置(パウテック株式会社
製PSセパレーター)を用いて分級して表3の粒度分布の
粉砕粉102を得た後、更に当該分級された粉砕粉102につ
いて、直径3mmのジルコニア系のセラミックス製粉砕ボ
ールを2.4リットル装填した5.4リットル容量の攪拌バー
を備えた乾式ボールミル(三井三池化工機株式会社製ア
トライタA−200)を用い、これを2時間にわたり摩擦
作用による粉砕、すなわち摩砕処理し、嵩比重の高めら
れている表4の粒度分布の粉粒111を得た。
表4の粒度分布の粉粒111は、その平均粒子径が、表
3の粒度分布の粉砕粉102にほぼ近く、その粒子径がわ
ずかに縮小され、かつ嵩比重が増加していることが認め
られた。
すなわち、表3に示された粉砕粉102での緩めの嵩比
重は、0.126g/ccで、かつ固めの嵩比重は0.286g/ccであ
ったのに対して、表4に示された粉粒111での緩めの嵩
比重は0.186g/ccで固めの嵩比重は0.463g/ccであり、摩
砕処理により粉粒111の嵩比重が著しく高められている
ことが認められた。
なお、ここでの緩めの嵩比重とは、100ccの容器に前
記粉砕粉102または粉粒111を、24メッシュの篩で篩いな
がら振りかけて容器内に山盛り状態とした後、これを容
器上縁ですり切り、この容器内の粉砕粉102または木粉
粒の総重量を100で除した数値を示している。また、前
記固めの嵩比重は、上下振動、(タッピング振動)を受
けている100ccの容器に、前記粉砕粉102または木粉粒の
嵩の変化が終了した時点で、すり切り、この容器内の粉
砕粉102または粉粒111の総重量を100で除した数値で示
している。
また、表3に示されている摩砕処理前の粉砕粉102で
は、短径側の寸法に対して長径側の寸法の長いものが見
受けられ、角張っている部分、つき出している部分、繊
毛状のヒゲ部分が多く認められるが、表4に示されてい
る粉粒111では、全体として粒状に近く、丸みを有して
おり表面が比較的平滑で緻密になっていることが、それ
ぞれに顕微鏡写真による観察の結果、確認された。
そして、このようにして得た粉粒111は、ほとんど交
互に凝集を生ずることがなく、かつ溶液などに対する分
散性が良好で、顔料などの担持母材として適切である。
実験例A−2 前記表1の粒度分布からなるエゾ松の鋸屑、この場
合、前例と同様に、素材としての原料木材101につい
て、実験例A−1と同一のインペラーミルを用い、高速
回転される粉砕ローターの衝撃翼とライナーとのクリア
ランスを3mmに設定して、これを粉砕処理し、表2の粉
砕粉102を得た後に、当該粉砕された粉砕粉102につい
て、直径3mmのジルコニア系のセラミック製粉砕ボール
を2.4リットル装填した5.4リットル容量のボールミル
(三井三池化工機株式会社製アトライタA−200)を用
い、これを2時間にわたり粉砕用ボール間での摩擦作用
による粉砕、すなわち摩砕処理し、表5の粒度分布を有
する粉粒111を得ると共に、前記図4の風力式比重分級
装置(パウテック株式会社PSセパレーター)を用いて、
分級し、表6の粒度分布を有する木粉粒を111を得た。
また、このようにして得た粉粒111は、粉砕粉102にあ
った角張っている部分、突き出している部分、繊毛状の
ヒゲ部分などが取り除かれ全体に丸味を有しており、か
つ表面が比較的平滑で緻密になっていることが、それぞ
れに顕微鏡写真による観察の結果、確認された。
しかも、これらの粉粒111は、比較的狭い範囲内の粒度
径に取りそろえられていると共に、流動性、分散性に優
れ、かつ顔料などの担持母材として用いるのに適してい
る。比較例A−1 前記表1の粒度分布からなるエゾ松の鋸屑を、直径3m
mのジルコニア系セラミック製粉砕ボールを2.4リットル
装填した5.4リットル容量のボールミル(三井三池化工
機株式会社製アトライターA−200)を用い、2時間に
わたり粉砕用ボール間での摩擦作用による粉砕、すなわ
ち摩砕した。
このようにして得た木粉では、極微粉末状木粉部分と
長繊維状部分とが混在し、70wt%以上が原形に近いまま
の粒径で残留しており、必ずしもすべてが粒状をなして
いないことが確認された。
すなわち、エゾ松の鋸屑をあらかじめインペラーミル
を用いて粉砕し、粉砕粉102とした後に、摩擦の手段に
よって嵩比重を高める前記各実験例に対し、鋸屑に対し
直接摩砕を内容とする粉砕を施す場合、極端に粉砕効率
が悪く、長時間の粉砕によっても長繊維状の部分が多量
に残り、かつ一方では極微粉状の過粉砕木粉を生ずる不
都合がある。
この極微粉状の過粉砕木粉は互いに凝集を生じ、使用
に適していなかった。
[第1の固定粒における表面粒の固定化] 次に前記粉粒111の表面部に対して、これよりも粒子
径が小さくて高度が固い表面粒112を固定化して得る第
2の固定粒110の製造手段の詳細について述べる。
ここで、前記粉粒111については、それぞれの粒子径
が可及的に微細な粒子径範囲内に取りそろえられている
ことが望ましい。すなわち、配合対象物が塗膜形成用の
塗料である場合には、粉粒111の主要部が2〜12μmの
粒子径範囲内に含まれている粒度分布であることが好ま
しい。
また、配合対象物が樹脂コーティング液、あるいはプ
ラスチックシート、プラスチックフィルムなどの成形樹
脂材料である場合には、粉粒111が32μm以下の粒子径
に取り揃えられているのが良く、更に20μm以下の粒子
径に取り揃えられているがより好ましい。また一層、効
果的な粒度分布の外の一つは、12μm以下の粒子径のも
のが全量の75wt%以上、好ましくは、80wt%以上を占め
ることが望ましい。
また、配合対象物が射出成形、押出成形によるプラス
チック製品である場合には、各粉粒111が50〜90μmの
粒子径範囲内にあるのが好ましく、200μm以下の粒子
径に取り揃えられているのが一層、好ましい。
更に、配合対象物がカレンダーロールなどの成形手段
で混練成形されるプラスチックシートなどの製品である
場合には、その他のプラスチック製品の成形樹脂材料に
配合して用いられる粒子径よりも大きな粒子径の粉粒11
1を用いることが可能である。
次に、前記粉粒111の表面部への表面粒の112の固定
化、すなわち、押し付け外力による固定化については、
表面外部から加えられる当該押し付け外力により、粉粒
111の嵩比重が高められた表面部に対し、摩砕処理、ま
たは押し付け外力を生ずる核種の混合機を用いて行う。
ここで、粉粒111に対し、表面粒112は主として喰い込
み結合によって固定される。この喰い込み結合に際して
は、表面粒112の複数個が、相互にせめぎあったりする
こと、などのように、緩衝し合う場合の多い点、ならび
に摩砕処理によって発熱を伴なう点などから、当該表面
部への表面粒112の喰い込み結合に合わせて、当該表面
部による抱き込み結合が行われたり、あるいはまた、当
該喰い込み結合された表面粒112の相互、もしくは喰い
込み結合された表面粒112と抱き込み結合された表面粒1
12との相互によるはさみ込み結合が行われることになっ
て、ここでは、処理操作の終了後の冷却によるいくつか
の凝縮、縮小作用とも相俟ってすこぶる効果的で、かつ
極めて強力な固定化、つまりは化学的な反応とか接着な
どによらない固定化をなし得る。
なお、この粉粒111に対する表面粒112の固定化は、粉
粒111と表面粒112とを押しつけ外力を生ずる装置、例え
ば乾式ボールミルなどに同時に供給し合って行ってもよ
い。
また、粉粒111の表面部に予め表面粒112を付着してお
き、このような予備混合によって、仮に表面粒112を表
面部に保持させた状態の粉粒111を用意し、この粉粒111
を押し付け外力を生ずる装置、例えば乾式ボールミルな
どに供給し、表面部にある表面粒112を粉粒111に喰い込
み結合させてもよい。
なお、前記粉粒111の表面部に対する表面粒112の固定
は、この木粉粒112の表面部の全面を覆うようになされ
ていても良く、一部分のみを覆うようになされていても
良い。
また、表面粒112が相互に重なり合って前記粉粒111の
表面部を層状に覆うようにして固定されても良い。
[第2の木粉における表面粒の固定化] 次いで、前記第2の固定粒120における粉砕粉102また
は粉粒121に対する表面粒122の固定化について述べる。
この第2の固定粒120における粉粒121に対する表面粒
122の固定化は、前記第1の固定粒110の粉粒111を得る
過程で、同時に表面粒の固定化をなすものであり、用い
られる装置、粉粒121の成形手段、表面粒122の固定手段
は、いずれも前記第1の固定粒110の場合と同様であ
る。
この第2の固定粒120は、原料木材、チップ材をカッ
ターミルで粗粉砕した粉砕物、鋸屑などを粉砕機、例え
ばインペラーミルを用いて粉砕し、所要の粒子径に取り
そろえて用意された粉砕粉102と、表面粒122とを、摩砕
を内容とする粉砕手段、例えば乾式ボールミルなどを用
いて、粉砕粉102の嵩比重を高める処理、この粉砕粉102
ないしは嵩比重の高められた粉粒121の表面部に表面粒1
22を固定する処理、の二種類の処理を同時進行の態様で
なすことによって得られる。
従って、表面粒122は、粉砕粉102の表面部ないしは嵩
比重が高められつつある粉砕粉102の表面部に固定ない
しは仮に固定された状態で、粉砕粉102の嵩比重を高め
ながら、結果的には、この嵩比重の高められた粉粒121
の表面部に固定される場合と、この表面粒122が、前記
の粉砕粉102に施される摩砕処理に伴って、既に嵩比重
が十分に高められている粉粒121に対し、この摩砕処理
による押し付け外力によって固定される場合とがある。
いずれにしても、表面粒122は、結果的には、嵩比重
を高められている粉粒121の表面部に固定されて第2の
固定粒120を構成する。
この第2の固定粒120における表面粒122の固定化は、
前記の第1の固定粒110における表面粒112の固定化と同
様であって、粉粒121の表面部に対する喰い込み結合
と、この表面部による抱き込み結合と、喰い込み結合さ
れている表面粒122と抱き込み結合されている表面粒122
との相互による挟み込み結合を主たる結合の手段として
いる。
なお、この第2の固定粒120の前記固定化処理に関
し、最終処理品としての第2の固定粒120の粒子径を取
り揃える必要がある時には、粉砕粉102を一旦、分級す
ることにより、その粒子径を所定の範囲内に取り揃えた
上で、これを複数の表面粒122と一緒に処理装置内に供
給して行うのが良く、 このように、粒子径を必ずしも取り揃える必要のない
時には、分級せずに行えば足りる。
なお、前記の粉砕粉102または粉粒121の表面部に対す
る表面粒122の固定は、この粉砕粉102または粉粒121の
表面部の全面を覆うようになされていても良く、一部分
のみを覆うようになされていても良い。
また、表面粒122が互いに重なり合って前記粉砕粉102
または粉粒121の表面部を層状にして覆うようにして形
成されても良い。
次いで、粉粒111、121の表面部に固定される表面粒11
2、122について述べる。
この表面粒112、122は、各種の顔料、各種の無機質
材、各種の金属材、各種のプラスチック材、各種の導電
材などのいずれであってもよい。すなわち、この表面粒
112、122は、前記の粉粒111、121(第2、第4の発明に
あっては、粉砕粉102も含まれる。)の表面部に食い込
み得る固さと、大きさとを有するものであれば、いかな
るものでも用いることができる。
また、この表面粒112、122は、固定粒110、120の用途
によって、夫々の用途に対応した性質を有するものが用
いられる。
一般的には、固定粒110、120の表面粒112、122が化学
的、熱的に安定であり、使用に伴ってその特性を損なっ
たり、あるいは形成されたプラスチック製品、塗膜など
に対し、何らかの悪影響をもたらさないものが好まし
い。
[無機質材粒子を有する固定粒] 次いで、無機質材の粒状物を表面粒112、122として粉
粒111、121に固定した固定粒110、120について述べる。
ここで、前記表面粒112、122に用いられる無機質材
は、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の硬度よりも高い
硬度を有し、しかも当該粉粒111、121及び粉砕粉102の
粒子径に対応して相対的に小さい粒子径であることの特
定条件を備え、配合対象物における使用条件などの考慮
した上で、各種の無機質材の中から選択して用いられ
る。
次いで、この炭酸カルシウムの微粉粒などを典型例と
する無機質材を表面粒121、122として有する粉粒111及
び粉粒121(この場合は粉砕粉102として)の粒子径は、
固定粒110、120の用途、例えばプラスチックシート、プ
ラスチックボード、各種の押出し成形品、射出成形品な
どの用途、用法、例えば塗布、射出成形、押出成形、ロ
ール成形などの用法を考慮した上で、一定の粒子径の範
囲に取り揃えるのが好ましい。
例えば、配合対象物がプラスチックフィルム、プラス
チックシートなどである場合には、粉粒111、第2の固
定粒120では粉砕粉102が32μm以下の粒子径に取り揃え
られているのが良く、更に20μm以下の粒子径に取り揃
えられているのより好ましい。更に一層効果的な粒度分
布の他の一つは、12μm以下の粒子径のものが全量の75
wt%以上、好ましくは、80wt%以上を占めることが望ま
しい。
更に、配合対象物が射出成形、押出成形などのプラス
チック製品である場合には、粉粒111、第2の固定粒120
では粉砕粉102が50〜90μmの粒子径範囲内にあるのが
好ましく、200μm以下の粒子径に取り揃えられている
のが一層好ましい。
なお、配合対象物がカレンダーロールなどの成形手段
で混練成形されるプラスチックシートなどの成形品であ
る場合には、更に大きな粒子径のものを用いることも可
能である。
次に、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の表面部に対
し、表面粒112、122としての炭酸カルシウム粉などの無
機質材粒子を担持させる手段は、前記の第1の固定粒11
0、第2の固定粒120を得る場合とまったく同様で良く、
当該無機質材粒子は、担体母材である粉粒111、121の表
面部に喰い込み結合して固定化され、その表面部を覆い
つくすのが好ましい。
ここで得られた固定粒110、120は、プラスチックボー
ド等に良好な寸法安定性をもたらし、温度変化に伴なう
膨張、収縮が著しく少なかった。
続いて、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の表面部に
複数の表面粒112、122として炭酸カルシウムの微粉粒を
固定化して固定粒110、120を得るための処理操作におけ
る各実験例について具体的に述べる。(なお、この実験
例が、より良く理解されるように、前記実験例と同内容
の対象物については、例えば原料木材101、粉砕粉102、
粉粒111、121、固定粒110、120のように同一番号を付し
て説明する。) 実験例B−1 前記表1の粒度分布からなるエゾ松の鋸屑、この場
合、素材としての各原料木材101について、前記と同様
にインペラーミル(株式会社セイシン企業社製IMP-25
0)を用い、高速回転する粉砕ローターの衝撃翼とライ
ナーとのクリアランスを3mmに設定してこれを衝撃、剪
断、摩砕などの作用により粉砕処理し、前記表2の粉砕
粉102を得た。
また、このようにして得た粉砕粉102について、これ
を分級して前記表3の粒度分布の粉砕粉102を得た後、
さらに、当該分級された粉砕粉102について、直径3mmの
ジルコニア系のセラミック製粉砕ボールを2.4リットル
装填した5.4リットル容量の乾式ボールミル(三井三池
化工機株式会社製アトライターA−200)を用い、これ
を2時間にわたり摩砕処理し、嵩比重の高められている
表4の粒度分布の粉粒111を得た。
更に、このようにして得た1.5Kgの粉粒111に対し、表
面粒112としての1.5Kgの炭酸カルシウムの微粉粉を添加
してまぶした後、この炭酸カルシウムの微粉末をまぶし
た粉粒111を、同様に乾式ボールミル(三井三池化工機
株式会社製アトライタA−200)を用いて混合し、初期
通りの炭酸カルシウムの微粉粒を表面部に固定させてな
る固定粒110を得た。
ここで得られた固定粒110を充填材として用い、塩化
ビニル樹脂製のシートを得た。
この塩化ビニル樹脂製シートには、前記固定粒110が
均一の態様で含まれており、シート表面でのべたつき感
がなく、温度変化に伴う膨張、収縮が著しく少なかっ
た。
実験例B−2 鋸屑をインペラーミル(株式会社セイシン企業社製IM
P-250)を用いて粉砕して表7の粒度分布の粉砕粉102を
得た。
この粉砕粉102を1Kg用意し、これを表面粒122として
の炭酸カルシウムの被粉粒0.7Kgをまぶした後、乾式ボ
ールミル(三井三池化工機株式会社製アトライタA−20
0)を用いて、この炭酸カルシウムの微粉粒のまぶされ
た粉砕粉102の摩砕処理を、2時間に渡って施した。
このボールミルによる摩砕処理によって、粉砕粉102
の表面形状が整えられると同様に炭酸カルシウムの微粉
粒が、この表面形状の整えられた木粉粒104の表面部に
喰い込み状態で担持された固定粒120が得られた。
次いで、ここで得られた固定粒120を充填材として用
い、塩化ビニル樹脂製の棒材を押出成形の方法で得た。
ここで得られた棒材には、前記固定粒120が均一の態
様で含まれており、棒材の表面でのべたつき感がなく、
温度変化に伴なう膨張、収縮が著しく少なかった。
[顔料粒子を有する固定粒] 次に、前記表面粒112、122としての顔料粒子、及び粉
粒111、121の表面部に対する当該顔料粒子の固定化され
た固定粒110、120について述べる。
ここで、前記表面粒112、122に用いられる顔料粒子に
は、先にも述べたように、前記粉粒111、121及び前記粉
砕粉102の硬度よりも高い交互を有し、当該粉粒111、12
1及び粉砕粉102の粒子系に対応して相対的に小さい粒子
径であることの特定条件を備え、配合対象物における使
用条件、特に、耐熱性などを考慮する必要のある他は、
無機顔料、ないしは有機顔料のいずれをも問わず、べて
の顔料を用いることができる。
そして、前記表面粒112、122としての顔料粒子を担持
させる粉粒111及び121(この場合は粉砕粉102)は、粒
子系が可及的に微細な粒径範囲内に取り揃えられている
ことが望ましい。
すなわち、配合対象物が塗膜形成用の塗料である場合
には、粉粒111、第2の固定粒120では粉砕粉102の主要
部が2〜12μmの粒子径範囲内に含まれている粒度分布
であることが好ましい。
また、配合対象物が、塗料あるいはプラスチックフィ
ルム、プラスチックシートなどのプラスチック材料であ
る場合には、粉粒111、第2の固定粒120では粉砕粉102
が32μm以下の粒子径に取り揃えられているのがより好
ましい。
更に一層、効果的な粒度分布の他の一つは、12μm以
下の粒子径のものが全量の75wt%以上、好ましくは80wt
%以上を占めることが望ましい。
更に配合対象物がプラスチックの射出性景品、押出成
形品などである場合には、粉粒111、第2の固定粒120で
は粉砕粉102が50〜90μmの粒子径範囲内にあるのが好
ましく、200μm以下の粒子径に取り揃えられているの
が一層好ましい。
なお、配合対象物がカレンダーロールなどの成形手段
で混練成形されるプラスチックシートなどである場合に
は、更に大きな粒子径のものを用いることも可能であ
る。
次に、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の表面部に対
し、表面粒112、122としての顔料粒子を担持させる手段
は、前記実施例の場合とまったく同様であって良く、当
該顔料粒子は、担持母体である粉砕粉111、121の表面部
に喰い込み結合して固定化され、その表面部を覆いつく
すのが好ましい。
また、表面粒112、122としての顔料粒子は、目的とす
る着色の濃淡程度に対応して適宜に配合料を設定するも
ので、このようにして得られる顔料粒子を担持した固定
粒110、120では、配合される顔料粒子の持つ色調とほぼ
同一色調を呈し、しかも良好な流動性を有していること
が認められた。
さらに、このようにして得る顔料粒子を担持した固定
粒110、120をプラスチック成形材料に配合かつ分散させ
た時の射出成形と押出成形では、それぞれの成形圧が共
に低く、かつ成形品中に配合顔料が均一に分散された状
態となり、色むらの発生が認められない。
つづいて、前記粉粒111、121及び被処理分体木粉102
の表面部に各表面粒112、122としての顔料粒子を固定化
して固定粒110、120を得るための各処理操作における実
験例について具体的に述べる。(なお、この実験例が、
よりよく理解されるように前記実施例と同内容の対象物
については、例えば原料木材101、粉砕粉102、粉粒11
1、121、固定粒110、120の用に同一の番号を付して説明
する。) 実験例C−1 前記表1の粒度分布からなるエゾ松の鋸屑、この場
合、素材としての各原料木材101について前記と同様
に、インペラーミル(株式会社セイシン企業社製IMP-25
0)を用い、高速回転する粉砕ローターの衝撃翼とライ
ナーとのクリアランスを3mmに設定し、これを衝撃、摩
砕手段で機械的に粉砕処理し、前記表2の粒度分布の粉
砕粉102を得た。
またこのようにして得た各粉砕粉102について、これ
を分級して前記表3の粒度分布の粉砕粉102を得た後、
更に、当該分級された粉砕粉102について、前記と同様
に、直径3mmのジルコニア系のセラミック製粉砕ボール
を2.4リットル装填した5.4リットル容量の乾式ボールミ
ル(三井三池化工機株式会社製アトライタA−200)を
用い、これを2時間にわたり摩砕処理し、嵩比重の高め
られている前記表4の粒度分布の各木粉111を得た。
更に、このようにして得た粉粒111を1Kg用意し、この
粉粒111に0.7Kgの顔料粒子としての酸化チタン粒子を添
加してまぶした後、前記と同一のボールミルを用いて酸
化チタン粒子を粉粒111の表面部に固定させて固定粒110
を得た。
ここで得られた酸化チタン粒子を表面部に固定させた
固定粒110は、顕微鏡写真による観察の結果、担体母材
としての粉粒111の表面部に、顔料粒子としての酸化チ
タン粒子が喰い込んだ状態に保持されていることが確認
された。そして、この固定粒110の全体が、酸化チタン
粒子に地色である白色を呈しており、流動性、ならびに
溶液中における分散性が共に良好であった。また、この
固定粒110を顔料として用いて成形されたプラスチック
ボードは温度変化に伴なう膨張、収縮が特に少なかっ
た。
実験例C−2 鋸屑をインペラーミル(株式会社セイシン企業社製IM
P-250)を用いて粉砕して得た前記表7の粒度分布の粉
砕粉102を1.5Kg用意し、表面粒122としての酸化チタン
微粉粒をまぶした後、乾式ボールミル(三井三池化工機
株式会社製アトライタA−200)を用意し、この酸化チ
タン微粉粒のまぶされた粉砕粉102に摩砕処理を2時間
にわたり施した。
このボールミルによる摩砕処理に伴って、前記粉砕粉
102は、角張り部分と、出っぱり部分が取り除かれ、ま
た繊毛状のヒゲ部分が取り除かれていると共に、全体と
して粒状に近い粉粒121とされていた。
また、ここで得られた固定粒120には、この固定粒120
の粉粒121の表面部に酸化チタン微粉粒が喰い込み状態
で固定されているのが認められた。
ここで得られた固定粒120を顔料といて用いてプラス
チックボードを形成したところ、色むらのない白色のボ
ードを得ることができた。また、このボードは肌触り感
が良く、べたつき感がなく、温度変化に伴なう膨張、収
縮が少なかった。
なお、ここで担体母材である粉粒111、121及び粉砕粉
102の表面部への表面粒112、122としての顔料粒子の喰
い込み状態は、摩砕処理時に一層、強力な機械的衝撃を
付与することで、より好ましい結果を生ずる。例えば、
前記各実験例とは別に、上下方向に攪拌翼をもつボール
ミルを用い、当該粉砕粉102及び粉粒111と表面粒112、1
22である顔料粒子とを摩砕かつ落下衝撃の条件下で喰い
込み結合させたところ、更に鮮やかな色調の固定粒11
0、120を得ることができた。
[導電性微粉粒子を有する固定粒] 次に、前記表面粒112、122として導電性微粉粒子を粉
粒111、121の表面部に固定した固定粒110、120について
述べる。
ここで、前記表面粒112、122に用いられる導電性微粉
粒子には、先にも述べたように、前記粉粒111、121及び
粉砕粉102の硬度よりも高い硬度を有し、しかも当該粉
粒111、121及び粉砕粉102の粒径に対応して相対的に小
さい粒径であることの特定条件を備え、混合対象物にお
ける使用条件、例えば、耐熱性などを考慮する必要があ
る他には、任意の導電性を有する微粉粒子を用いること
ができる。
このような導電性微粉粒子としては、例えば、Ag,Cu,
Niなどの導電性金属の微粉粒、SnO2、ZnOなどの導電性
金属酸化物の微粉粒、カーボン系の導電性微粉粒などが
あり、これらの1種類以上を選択的に用いるようにすれ
ば良い。
そして、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の表面部に
対し、各表面粒112、122としての導電性微粉粒子を喰い
込み結合させた固定粒110、120派、塗料に対する導電性
充填材、例えば、電磁波シールド材、電波吸収材、静電
防止材などとして、各種の樹脂塗料などの塗液中に混合
分散させて用いることができる。
次に、前記表面粒112、122としての、導電性微粉粒子
を担持させる粉粒111及び粉粒121(この場合は、粉砕粉
102として)の粒子径は可及的に微細な粒子径範囲内に
取り揃えられていることが望ましい。
例えば、粉粒111、第2の固定粒120では粉砕粉102の
主要部が2〜12μmの粒子径範囲内に含まれている粒度
分布であることが好ましい。また、この好ましい粒度分
布の他の一つは、粉粒111、第2の固定粒120では、粉砕
粉102が32μm以下の粒子径に取り揃えられているのが
良い。更に20μm以下の粒子径に取り揃えられているの
がより好ましい。更に一層、効果的な粒度分布の他の一
つは、12μm以下の粒子径のものが全量の75wt%以上、
好ましくは、80wt%以上を占めることが好ましい。
また、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の表面部に対
し、表面粒112、122としての導電性微粉粒子を担持させ
る手段は、ここでも前記の各実施例と同様であってよ
く、当該導電性微粉粒子は、担体母材である粉粒111、1
21の表面部に喰い込み結合して固定化され、その表面部
を覆い尽くすのが好ましく、このようにして得られる導
電性微粉粒子を担持した固定粒110、120は、良好な流動
性、分散性を有していることが認められた。
さらに、前記粉粒111、121に対する導電性微粉粒子の
担持量は、要請される各種の導電率を満足させるもので
あれば良く、基本的には、担持された導電性微粉粒子の
相互が電気的接続関係にあることを要し、当該導電率が
満足されるまで担持量を増して用いる。
続いて、前記粉粒111、121及び粉砕粉102の表面部に
表面粒112、122としての導電性微粉粒子を固定化して固
定粒110、120を得るための各処理操作における実験例
と、その比較例とについて具体的に述べる。(なお、こ
の実験例が、より良く理解されるように、前記実施例と
同内容の対象物については、例えば原料木材101、粉砕
粉102、粉粒111、121、固定粒110、120のように同一番
号を付して説明する。) 実験例D−1 前記表1の粒度分布からなるエゾ松の鋸屑、この場
合、素材としての各原料木材101について、インペラー
ミル(株式会社セイシン企業社製IMP-250)を用い、高
速回転する粉砕ローターの衝撃翼とライナーとのクリア
ランスを3mmに設定してこれを衝撃、剪断、摩砕等の作
用による粉砕で粉砕処理し、前記表2の粉砕粉102を得
た。
また、このようにして得た粉砕粉102について、これ
を分級して前記表3の粒度分布の粉砕粉102を得た後、
更に、当該分級された粉砕粉102について、同様に、直
径3mmのジルコニア系のセラミック製粉砕ボールを2.4リ
ットル装填した5.4リットル容量の乾式ボールミル(三
井三池化工機株式会社製アトライタA−200)を用い、
これを2時間にわたり摩砕処理し、嵩比重の高められた
前記表4の粒度分布による粉粒111を得た。
更に、このようにして得た粉粒111に対し、その表面
部が隠れる程度までの分量による導電性微粉粒としての
カーボン微粉粒、この実験例では、100重量部の粉粒111
に50重量部のカーボン微粉粒を添加してまぶした後、前
記と同一のボールミルを用いてカーボン微粉粒を表面部
に固定させてなる固定粒110を得た。
引き続き、ジメチルフォルムアミドとメチルエチルケ
トンとを1:1の割合で配合した60重量部の溶剤に対し、2
0重量部のウレタン樹脂を加えた塗液を準備する共に、
この塗液のウレタン樹脂固形分と、前記カーボン微粉粒
を表面部に担持させた固定粒110とを、重量比で1:1の割
合で混合した後、ボールミルを用い、10分間程度にわた
り、混練して導電性塗料を得た。
ここで得られた前記導電性塗料を用いて膜厚21μm程
度の塗膜とし、その表面の電気抵抗値を測定したとこ
ろ、1×107Ω〜1×108Ωの数値を示しており、良好な
導電性がもたらされていることを確認できた。
また、前記塗液でのウレタン樹脂固形分と、前記カー
ボン微粉粒を表面部に担持させた固定粒110とを、重量
比で1:2の割合で混合した後、10分程度にわたり混練し
て導電性塗料を得た。
ここで得られた導電性塗料を用いて膜厚28μm程度の
塗膜とし、その表面の導電性がもたらされていることを
確認できた。
実験例D−2 前記実験例D−1と同一の手法で原料木材101を粉砕
し、前記表2の粒度分布の粉砕粉102を得た後、これを
分級して前記表3の粒度分布の粉砕粉102を得た。
ここで得られた粉砕粉102を2Kg、表面粒122として用
いられるカーボン微粉粒1Kgとを用意し、このカーボン
微粉粒を粉砕粉102にまぶした後、このカーボン微粉粒
のまぶされた粉砕粉102を乾式ボールミル(三井三池化
工機株式会社製アトライタA200)を用いて2時間にわた
って摩砕し、固定粒120を得た。
ここで得られた固定粒120は、表面が整えられて嵩比
重が高められていると共に、表面部にカーボン微粉粒が
喰い込み状態で固定されていることが認められた。
ここで得られた固定粒120を充填材として用いた塗料
によって塗膜を形成し、この塗膜の電気抵抗値を測定し
たところ、前記実験例D−1に近い導電性が認められ
た。
比較例D−1 30%濃度のウレタン樹脂溶液100重量部に対し、30重
量部のカーボン微粉粒を添加した後、ボールミルを用
い、10分間程度にわたり混練して導電製塗料を得た。
次いで、ここで得られた導電製塗料を用いて塗膜21μ
m程度の塗膜を形成し、その表面の電気抵抗値を測定し
たところ、いずれの塗膜表面部分でも1×109Ωの数値
を示し、しかも塗膜内でカーボンが凝集していることが
確認された。
次いで、前記塗膜形成時点での表面電気抵抗値が1×
108Ω以下になるように、これらのウレタン樹脂溶液と
カーボン微粉粒との混練を続行すると共に、各設定混練
時間毎に塗膜としての表面電気抵抗値を測定したとこ
ろ、ボールミルを用いた連続混練で40時間〜50時間の練
り込みを行った時に、初めて形成塗膜面の表面電気抵抗
値が1×108Ωとなることが認められた。
比較例D−2 前記実験例D−1と同一の手法で原料木材101粉砕
氏、前記表2の粒度分布の粉砕粉102を得た後、これを
分級して表3の粒度分布の粉砕粉102を得た。
更に、この粉砕粉102を直径3mmのジルコニア系のセラ
ミックス製粉砕ボールを2.4リットル装填した5.4リット
ル容量の乾式ボールミル(三井三池化工機株式会社製ア
トライタA−200)を用い、これを2時間にわたり摩砕
して前記表4の粒度分布の粉粒111を得た。
次いで、ジメチルフォルムアミドとメチルエチルケト
ンとを1:1の割合で配合した溶剤を用い、この溶剤で希
釈した25%濃度ウレタン樹脂溶液に対し、前記粉粒111:
カーボン微粉粒:当該ウレタン樹脂溶液の固形分の割合
が2:1:3の重量比となるように配合した後、ボールミル
を用い、10分間程度にわたり混練して導電性塗料を得
た。
次いで、この導電性塗料を用いて塗膜21μm程度の塗
膜を形成し、その表面の電気抵抗値を測定したところ、
いずれの塗膜表面部分でも1×109Ωの数値を示し、し
かも、塗膜内でカーボンが凝集していることが確認され
た。
そして、前記塗膜形成時点での表面電気抵抗値が1×
108Ω以下になるように、これらのウレタン樹脂溶液
と、粉粒111、及びカーボン微粉粒との混練を続行する
と共に、各設定混練時間ごとに塗膜としての表面電気抵
抗値を測定したところ、ボールミルを用いた連続混練で
40時間程度練り込みを行った時に、初めて表面電気抵抗
値が1×108Ωとなることが認められた。
比較例D−3 前記比較例D−2における粉粒111とカーボン微粉粒
と当該ウレタン樹脂固形分とが重量比で4:2:3の割合に
なるように配合し、これ以外の条件を前記比較例D−2
におけると同一にして導電性塗料を得た後、この導電性
塗料を用いて、塗膜28μm程度の塗膜を形成し、その表
面の電気抵抗値を測定したところ、いずれかの塗膜表面
部分でも1×109Ωの数値を示し、ここでも塗膜内でカ
ーボンが凝集していることが確認された。
[前記以外の表面粒を有する固定粒及び性質を異にする
表面粒を有する固定粒] 叙上の実施例では、粉粒111、121、粉砕粉102に固定
される表面粒112、122として無機質材、顔料、導電材、
金属材が都合よく用いられる点を明らかにしている。
本発明は、叙上実施例の説明からも明らかなように、
無機質材、顔料、導電材、金属材以外の材質からなる粒
子を表面粒112、122として用いることを含んでいる。
すなわち嵩比重の高められた粉粒111、121及び粉砕粉
102よりも小さくて固い粒子であれば、例えば、各種プ
ラスチック製の粒子などが叙上実施例と同様に、この粉
粒111または第2の固定粒120では粉砕粉102と粉粒121の
いずれかに固定化される表面粒112、122として用いられ
る。
また、得られる固定粒110、120に複合的な機能、例え
ば導電性と着色性とを同時にもたらすことがある。この
場合顔料と導電材とを一個の粉粒111、121の表面部に固
定化することで、導電機能と着色機能とを併せ有する固
定粒110、120とすることができる。
このような複合的な機能を併せ有する固定粒110、120
を得る場合、この固定粒110、120に求められる各種の機
能を、この固定粒110、120を用いて得るプラスチック製
品などに効果的にもたらすために、かかる機能をそれぞ
れに有する複数種の表面粒112、122を用意し、しかも求
められている機能固定粒110、120に効果的にもたらされ
る配合比率で粉粒111、121及び粉砕粉102に固定して用
いる。
かくして得られた固定粒110、120は、各種のプラスチ
ック製品と充填材として用いることができ、また、塗料
などに添加して用いることができると共に、固定粒11
0、120を押し固めてボードを形成するなどの各種の用途
にむけて用いることができる。
以上の実施例により明らかとされるように、粉砕粉10
2に対し、粉砕用ボール間で、摩擦作用による粉砕を施
すことによって、粉砕粉102からひげ状に突出している
繊維部分を取ったりあるいは粉砕粉102に押し付けたり
してなくして嵩比重の高められた粉粒111,121とし、こ
の粉粒111,121が各種の表面粒112,122を有する構成とし
てあり、得られる第1の固定粒110、第2の固定粒120と
もに流動性が良く、また、溶剤等に対する分散性が良好
である。
また粉砕粉102の表面部、または粉粒111,121の表面部
に対し、表面粒112,122を均一に、しかも容易に固定化
できると共に、この表面粒112,122は、熱的にも化学的
にも安定に粉砕粉102または粉粒111,121の表面部に対し
固定化される。
更に形成される固定粒110,120は、その表面部が表面
粒112,122により覆われていることから、この固定粒11
0,120を形成する粉砕粉102または粉粒111,121の有する
木質材の諸特性、諸機能が効果的に該表面粒112,122に
よって防護される。
また、原料木材の有する諸特性、諸機能を残し、しか
も表面部に各種の機能を有する表面粒112,122、例えば
顔料、導電材、無機質材、金属材、プラスチック材など
の微粉粒111,121の一種または二種以上を固定した固定
粒110,120とすることによって、原料木材の有する諸特
性、諸機能と、表面部に固定された表面粒112,122の諸
特性、諸機能とを使用対象物に対して併せてもたらすこ
とができる。
更に、比較的微細な粒径の表面粒112,122を粉砕粉102
または粉粒111,121を表面部に固定化することで、表面
粒112,122間に凝集を生ずることを防止すると同時に、
表面粒112,122の有する諸特性、諸機能をより効果的に
使用対象物にもたらすことができる。
また、比較的微細な粒径の表面粒112,122を粉砕粉102
または粉粒111,121の表面部に固定化することで、個々
の表面粒112,122よりも遥かに大きな径の粒であって、
しかも当該表面粒112,122と同一の機能、特性を有する
粒としてあることから、より顕著に表面粒112,122の特
性、機能を使用対象物にもたらすことができると共に、
塗液中などで比較的沈殿することなく用いることができ
る。
更に、以上説明した表面粒112,122の他にも、例えば
ホワイトカーボン、リトボン、ユリア、フェノール等を
表面粒112,122として用いることができる。
なお以上の説明において、粉砕粉102を磨砕処理する
ためにボールミルを用いるとして説明した。ただこのよ
うなボールミルに代えて、例えば図5に示すような粉砕
機30を用いて行うこともできる。
この粉砕機30は、石うすの原理を利用したもので、2
枚の砥石31、31を所定の間隔を介して対向させ、これら
の間に粉砕粉102を入れた後、一方の砥石31を高速回転
させることによって粉砕処理および研磨処理、すなわち
磨砕処理を行うものである。
ここで、砥石31は、その内面が中心部にいくに連れて
漸次上方あるいは下方に傾斜する皿型のものであり、こ
れらはその中央部間が広く、周辺部間が狭くなるよう対
向配置されて用いられるものである。また、これら砥石
31は、図6に示すようにその中央部に取り付け用の孔32
を形成したドーナッツ板状のもので、その内面に多数の
送り溝33……を形成したものである。送り溝33は、砥石
31の回転によって生じる遠心力により、被処理物を砥石
31の半径方向に無理なく案内するためのものである。
このような粉砕機30によって粉砕粉102の磨砕処理を
行うには、2枚の砥石31、31のそれぞれの中央部間に粉
砕粉102を投入し、その後一方の砥石31を高速回転す
る。すると、粉砕粉102は2枚の砥石31、31間で遠心
力、衝撃力、剪断力等を受けて漸次粉砕され、小径とな
るに連れて遠心力により送り溝33…に沿って半径方向外
周側に移動せしめられ、さらにその過程で衝撃力、剪断
力を受けて粉砕されるとともにその周面(表面)が研磨
処理され、結果として磨砕処理されて周面に繊維状の突
出部の少ない、独立した粒形状をなす粉粒111,121とな
るのである。
そして、このようにして得られた粉砕粉102について
も、ボールミルによる場合と同様に分級され所望する範
囲の粒径に揃えられることにより、表面粒112,122を固
定するための粉粒111,121となる。更にこの粉粒111,121
に表面粒112,122を固定させると、固定粒110,120となる
ものである。
次にこのようにして作られた固定粒110,120を用い
て、成形品を押出成形あるいは射出成形する場合につい
て説明する。
ここでこのような成形を行う場合の成形方法は、大き
く分けて2種類ある。
第1の成形方法としては、このようにして形成した固
定粒110,120に、樹脂及び顔料を混合したコンパウンド
を形成し、このコンパウンドを溶融させて押出成形また
は射出成形により所望形状に成形する成形方法である。
また第2の成形方法としては、まず、このようにして
形成した固定粒110,120に、樹脂及び顔料を混合して一
旦溶融させ、その溶融したものを押し出してペレットを
形成し、実際に押出成形または射出成形により所望形状
に成形する際には、このペレットを溶融させて用いる成
形方法である。
もちろんこのような両成形方法の組み合わせとして、
コンパウンドとペレットとを適宜組み合わせた状態で溶
融させて成形することも可能である。
またここで使用される樹脂としては、塩化ビニル樹
脂、発砲塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等が用いられる
が、中でも塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂がより好適である。
ただ、いずれの成形方法をとったとしても、粉粒111,
121に表面粒112,122を固定させた固定粒110,120を用い
ているので、木質の触感を有する成形品が製造可能であ
る。
ここで、このような成形方法を更に詳しく分けると、 1 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材コンパウンドを、そのまま成形材料とする。
2 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットを作り、この木質様形成材ペレットのみを
用いて成形する。
3 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットを作り、この木質様形成材ペレットに混合
した顔料と異なる顔料を前記木質様形成材ペレットに添
加したものを用いて成形する。
4 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットを、顔料の種類を変えて複数種類作り、こ
れらの木質様形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様
形成材ペレットを2種以上混合したものを用いて成形す
る。
5 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレット
と、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットとを混合したものを用いて成形する。
6 樹脂のみから形成した樹脂ペレットと、固定粒110,
120に樹脂を混合した生地材ペレットと、固定粒110,120
に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットとを混
合したものを用いて成形する。
7 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレット
と、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを混合した
ものを用いて成形する。
8 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレット
とを混合したものを用いて成形する。
9 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットと、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合
した木質様形成材コンパウンドとを混合したものを用い
て成形する。
10 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットと、固定粒110,120に樹脂を混合した生地
材コンパウンドとを混合したものを用いて成形する。
11 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料コンパウ
ンドとを混合したものを用いて成形する。
12 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレット
と、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形
成材コンパウンドとを混合したものを用いて成形する。
13 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレット
と、樹脂及び顔料を混合した顔料コンパウンドとを混合
したものを用いて成形する。
14 樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットと、固定粒11
0,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウ
ンドとを混合したものを用いて成形する。
等の手段がある。
そこで、これら14通りの成形方法を、以下順次説明す
る。
[第1の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材コンパウンドを、そのまま成形材料として用いる場
合。
この場合には、固定粒110,120と樹脂及び顔料が完全
に混合された状態で成形すると、成形品がほぼ均一の色
となってしまう。ただ、この状態でも、触感等が木材に
近い感じとなる。
ただ、固定粒110,120及び樹脂に対して、顔料が完全
に均一に混合されない状態で成形する場合には、成形品
の表面を顔料が流れたようになり、この流れた顔料が天
然の木目に近い木目模様を呈するものである。
[第2の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合したペレットを
作り、このペレットのみを用いて成形する場合。
この場合には、ペレットが、固定粒110,120と樹脂及
び顔料が混合された状態で作られるので、このペレット
を用いて成形した成形品がほぼ均一の色と成ってしま
う。この状態でも、触感等が木材に近い感じとなる。
[第3の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材ペレットを作り、この木質様形成材ペレットに混合し
た顔料と異なる顔料を前記木質様形成材ペレットに添加
したものを用いて成形する。
この場合には、固定粒110,120と樹脂及び顔料が完全
に混合された状態でペレットを作り、かつこのペレット
の溶融したものと顔料とを完全に混合した状態で成形す
ると、成形品がほぼ均一の色と成ってしまう。この状態
でも、触感等が木材に近い感じとなる。
ただ、成形の前に溶融させた木質様形成材ペレットに
加える顔料が、木質様形成材ペレットと十分に混合しな
い場合も生じうる。この場合の成形時には、この顔料が
縞模様を呈するので、固定粒110,120に樹脂及び顔料を
混合したコンパウンドあるいはペレットのみを押出成形
または射出成形する場合に比べて、天然の木目に極めて
近い木目模様を形成することができることとなる。
[第4の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材ペレットを、顔料の種類を変えて複数種類つくり、こ
れらの木質様形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様
形成材ペレットを2種以上混合したものを用いて成形す
る場合。
この場合には、複数種類の木質様形成材ペレットを完
全に混合させた状態で成形すると、成形品がほぼ均一の
色と成ってしまう。この状態でも、触感等が木材に近い
感じとなる。
ただ、複数種類の木質様形成材ペレットが完全に混合
しない状態で成形すると、ある木質様形成材ペレットの
顔料が他の木質様形成材ペレットの顔料と混ざり合わ
ず、成形品の表面を顔料が流れたようになり、この流れ
た顔料が天然の木目に近い木目模様を呈するものであ
る。
またこの場合には、ある木質様形成材ペレットを溶融
させた後、他の木質様形成材ペレットを添加して、完全
に混合する前に成形することによって、前記天然の木目
に近い木目模様を意識的に作り出すこともできる。
なお、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質
様形成材ペレットを複数種類作り、これらの木質様形成
材ペレットのうち顔料の異なる木質様形成材ペレットを
混合したものを溶融させて、押出成形または射出成形に
より所望形状に成形する際に、混合する木質様形成材ペ
レットの溶融温度を変化させると、低い溶融温度の木質
様形成材ペレットを溶融させるに足る温度に設定する
と、高い溶融温度の木質様形成材ペレットが完全に溶融
しないままとなり、両木質様形成材ペレットの顔料も完
全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模
様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を
形成することができることとなる。
また同様に、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材ペレットを複数種類作り、これらの木質
様形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様形成材ペレ
ットを混合したものを溶融させて、押出成形または射出
成形により所望形状に成形する際に、混合する木質様形
成材ペレットの溶融時における流動性に差をつけると、
両木質様形成材ペレットの混合が完全には行いにくく、
成形時にこの混合しにくい木質様形成材ペレットの顔料
が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目
模様を形成することができることとなる。
[第5の成形方法] 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレットと、
固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合したした木質様形
成材ペレットとを混合したものを用いて成形する場合。
この場合には、固定粒110,120に樹脂を混合した生地
材ペレットと、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材ペレットとを形成し、生地材ペレットと
木質様形成材ペレットとを混合したものを溶融させて、
押出成形または射出成形により所望形状に成形すること
もできる。この場合、両ペレットが完全に混合しない状
態で成形を行うと、木質様形成材ペレットの顔料も完全
に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様
を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形
成することができることとなる。
このような時に、生地材ペレットよりも木質様形成材
ペレットの方の溶融温度を高すると、低い溶融温度の生
地材ペレットを溶融させる温度にすると、高い溶融温度
の木質様形成材ペレットが完全に溶融しないままとな
り、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せず、成
形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈すること
で、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することが
できることとなる。
更に詳しく説明すると、ここで固定粒110,120は、図
7に示すように表面粒112,122として、白色無機顔料粒
子が粉粒111,121の表面に固定されている。このような
固定粒110,120は、表面粒112,122としての白色無機顔料
の色調とほぼ同一の色調を有するものとなり、該固定粒
110,120の製造過程においても、保管の過程において
も、その凝集が認められなかった。
なお、固定させる白色無機顔料の量としては、母粒子
となる粉粒111,121の周面に重なり合って該周面を覆い
つくす量が上限とされるが、下限については作製する木
質様製品の所望する色相に応じて適宜決定される。
そして、このようにして得られた固定粒110,120と前
記樹脂の粉末とが適宜比、例えば重量比で、固定粒:樹
脂=10:90〜50:50の程度の範囲、好ましくは固定粒:樹
脂=30:70程度となるように混合され、ペレット化され
ることにより生地材ペレットが得られる。ここで固定粒
110,120が10重量%以下になると木質感がなくなり、50
重量%以上になると成形時の流動性が悪く、実用性がな
くなるものである。
なお以上のようなペレット化については、例えば混合
物を多孔円形ノズルからひも状に押し出し、これを切断
するといった従来公知の手段によってなされる。
木質様形成材ペレットは、磨砕処理が施され白色無機
顔料が表面に固定された固定粒110,120と樹脂及び有色
顔料とが混合されペレット化されたものであり、前記生
地材ペレットに比べその溶融温度が高いものである。
溶融温度については、具体的には生地材ペレットの溶
融温度(℃)に比べ3%程度高い温度、例えば生地材ペ
レットが180℃であれば木質様形成材ペレットは約185℃
となるよう予め調製される。ここで、木質様形成材ペレ
ットの溶融温度を生地材ペレットの溶融温度より高くす
るためには、溶融温度を高めるための公知の添加剤を加
えたり、あるいは後述するように樹脂のグレードを溶融
温度が高いものに代えるといった方法が採用される。
このペレットの成分とされる樹脂としては、前記生地
材ペレットに用いた樹脂、すなわち塩化ビニル樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が用いられる。
なお、樹脂の選択に際しては、当然生地材ペレットに用
いた樹脂と同一種のものを用いるのが望ましい。また、
樹脂のグレードについては、後述のごとく最終的に得ら
れる木質様形成材ペレットが生地材ペレットよりその溶
融温度が高くなるように、別のものを選択することがで
きる。
磨砕処理が施され白色無機顔料が表面に固定された固
定粒110,120については、生地材ペレットに用いたもの
と同様の処理により得られたものが用いられる。
また、有色顔料については、酸化鉄やカドミウムイエ
ロー、カーボンブラックなどの無機顔料が一種あるいは
複数種所望する色相、すなわち得られる製品の生地自体
の色、および後述する木目模様の色に応じて適宜選択さ
れ用いられる。
そして、固定粒110,120と前記樹脂の粉末と有色顔料
が適宜比で混合され、ペレット化されることにより木質
様形成材ペレットが得られる。混合比については、固定
粒110,120と樹脂粉末との比は前記生地材ペレットと同
様の範囲の重量比とされ、有色顔料の配合比は全体の0.
1〜30重量%程度とされる。
なお、ペレット化については、生地材ペレットと同様
に従来公知の手段によってなされる。
このような生地材ペレットと木質様形成材ペレットと
が混合され、該ペレット混合物が押出成形もしくは射出
成形によって所望形状、例えば住宅における回り縁や幅
木や、家具等の各種化粧板、さらには車両の内装部材形
状などに成形されることにより、本発明によって木質様
製品が得られる。
ここで生地材ペレットと木質様形成材ペレットとの混
合比については、得られる製品の色相や木質様形成材ペ
レット中の有色顔料の比率に基づいて適宜決定される
が、通常は、生地材ペレット:木質様形成材ペレット=
50:50〜99:1(重量比)とされる。
これらペレットの混合物を押出成形もしくは射出成形
するにあたっては、予め生地材ペレットの溶融温度に合
わせて成形温度を設定するとともに、成形時間も生地材
ペレットに合わせて設定する。このような条件で成形を
行うと、生地材ペレットは正常に溶融し、成形方向に均
一に流れる。一方、木質様形成材ペレットは生地材ペレ
ットより溶融温度が高いため溶融はするものの、生地材
ペレットに比べその溶融状態が十分でなく、したがって
流れも悪く不均一になる。
そして、このように流れが悪く不均一になることか
ら、木質様形成材ペレット中の有色顔料も当然均一に流
れず、したがって得られた成形体は図8に示すようにそ
の内部および表層部にて有色顔料による着色部20が不均
一に散在する。また、成形体表面では、有色顔料が成形
方向に沿って不均一に流れることにより図9に示すよう
に着色部20が筋状に現われ、これが天然の木目模様に極
めて近い模様となる。しかも、特に成形体の表層部にお
いては、生地材ペレットあるいは木質様形成材ペレット
中の白色顔料を担持してなる粉粒111,121が着色部20の
上にくると、粉粒111,121に担持された白色顔料により
着色部20の色が隠蔽されることから、着色部20が完全の
見える部分と、白色顔料により着色部20が隠される部分
と、着色部20が薄く見える中間部21とによって、図9に
示した表面に見える着色部20(筋状の模様)に不均一な
濃淡が生じ、これによって着色部20は一層天然の木目模
様に近いものとなる。
このような木質様製品にあっては、生地材ペレットと
木質様ペレットとを所望する色相に応じて適宜比で混合
し、これを押出もしくは射出成形することによって容易
に得られたものであり、しかもその木質様が筋状の木目
模様に濃淡があり、また生地部においても木質様ペレッ
ト中の有色顔料が不均一に流れることから人工的でない
濃淡が形成され、結果として全体が極めて天然の木質様
に酷似したものとなる。
また同様に、生地材ペレットよりも木質様形成材ペレ
ットの方の溶融時の流動性を低くすると、両ペレットの
混合が完全には行いにくく、成形時にこの混合しにくい
木質様形成材ペレットの顔料が縞模様を呈することで、
天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができ
ることとなる。
[第6の成形方法] 樹脂のみから形成した樹脂ペレットと、固定粒110,12
0に樹脂を混合した生地材ペレットと、固定粒110,120に
樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレットとを混合
したものを用いて成形する場合。
このように、樹脂のみから形成した樹脂ペレットと、
固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレットと、固
定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペ
レットとを形成し、樹脂ペレットと生地材ペレット木質
様形成材ペレットとを混合したものを溶融させて、押出
成形または射出成形により所望形状に成形することもで
きる。この場合にも、各ペレットが完全に混合しない状
態で成形を行うと、、木質様形成材ペレットの顔料も完
全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模
様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を
形成することとなる。
[第7の成形方法] 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレットと、
樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを混合したもの
を用いて成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂を混合した生地材
ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを
形成し、生地材ペレットと顔料ペレットとを混合したも
のを溶融させて、押出成形または射出成形により所望形
状に成形することもできる。この場合にも、両ペレット
が完全に混合しない状態で成形を行うと、顔料ペレット
の顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない
顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い
木目模様を形成することとなる。
[第8の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットと
を混合したものを用いて成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔
料ペレットとを形成し、木質様形成材ペレットと顔料ペ
レットとを混合したものを溶融させて、押出成形または
射出成形により所望形状に成形することもできる。この
場合にも、両ペレットが完全に混合しない状態で成形を
行うと、木質様形成材ペレットの顔料あるいは顔料ペレ
ットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合してい
ない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて
近い木目模様を形成することとなる。
[第9の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材ペレットと、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材コンパウンドとを混合したものを用いて
成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材ペレットと、固定粒110,120に樹脂及び
顔料を混合した木質様形成材コンパウンドとを形成し、
木質様形成材ペレットと木質様形成材コンパウンドとを
混合したものを溶融させて、押出成形または射出成形に
より所望形状に成形することもできる。この場合にも、
木質様形成材ペレットと木質様形成材コンパウンドとが
完全に混合しない状態で成形を行うと、木質様形成材ペ
レットの顔料あるいは木質様形成材コンパウンド顔料も
完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が複
雑な縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木
目模様を形成することとなる。
[第10の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材ペレットと、固定粒110,120に樹脂を混合した生地材
コンパウンドとを混合したものを用いて成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材ペレットと、固定粒110,120に樹脂を混
合した生地材コンパウンドとを形成し、木質様形成材ペ
レットと生地材コンパウンドとを混合したものを溶融さ
せて、押出成形または射出成形により所望形状に成形す
ることもできる。この場合にも、木質様形成材ペレット
と生地材コンパウンドとが完全に混合しない状態で成形
を行うと、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せ
ず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈する
ことで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成するこ
ととなる。
[第11の成形方法] 固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成
材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料コンパウン
ドとを混合したものを用いて成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合し
た木質様形成材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔
料ペレットとを形成し、木質様形成材ペレットと顔料ペ
レットとを混合したものを溶融させて、押出成形または
射出成形により所望形状に成形することもできる。この
場合にも、両ペレットが完全に混合しない状態で成形を
行うと、木質様形成材ペレットの顔料あるいは顔料ぺレ
ットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合してい
ない顔料が複雑な縞模様を呈することで、天然の木目に
極めて近い木目模様を形成することとなる。
[第12の成形方法] 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレットと、
固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材
コンパウンドとを混合したものを用いて成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂を混合した生地材
ペレットと、固定粒110,120に樹脂及び顔料を混合した
木質様形成材コンパウンドとを形成し、生地材ペレット
と木質様形成材コンパウンドとを混合したものを溶融さ
せて、押出成形または射出成形により所望形状に成形す
ることもできる。この場合にも、生地材ペレットと木質
様形成材コンパウンドとが完全に混合しない状態で成形
を行うと、木質様形成材コンパウンドの顔料も完全に混
合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈
することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成す
ることとなる。
[第13の成形方法] 固定粒110,120に樹脂を混合した生地材ペレットと、
樹脂及び顔料を混合した顔料コンパウンドとを混合した
ものを用いて成形する場合。
このように、固定粒110,120に樹脂を混合した生地材
ペレットと、樹脂に顔料を混合した顔料コンパウンドと
を形成し、生地材ペレットと顔料コンパウンドとを混合
したものを溶融させて、押出成形または射出成形により
所望形状に成形することもできる。この場合にも、生地
材ペレットと顔料コンパウンドとが完全に混合しない状
態で成形を行うと、顔料コンパウンドの顔料も完全に混
合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈
することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成す
ることとなる。
[第14の成形方法] 樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットと、固定粒110,
120に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウン
ドとを混合したものを用いて成形する場合。
このように、樹脂に顔料を混合した顔料ペレットと、
固定粒110,120に樹脂と顔料を混合した木質様形成材コ
ンパウンドとを形成し、顔料ペレットと木質様形成材コ
ンパウンドとを混合したものを溶融させて、押出成形ま
たは射出成形により所望形状に成形することもできる。
この場合にも、顔料ペレットと木質様形成材コンパウン
ドとが完全に混合しない状態で成形を行うと、顔料ペレ
ットの顔料あるいは木質様形成材コンパウンドの顔料も
完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が複
雑な縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木
目模様を形成することとなる。
前述したように、混合していない顔料が成形時に縞模
様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を
形成させめるためには、予め成形条件を設定しておくこ
とにより、ペレットまたはコンパウンド中の顔料が成形
中の溶融材中に規則的に、あるいは均一に流れることな
く、不規則に流れて筋状の着色部20を形成する。そし
て、この筋状の着色部20が天然の木目に極めて近い木目
模様となる。
しかも、各ペレットあるいはコンパウンド中の粉砕粉
102の表面に白色無機顔料を固定させると、得られる成
形体中において、該粉砕粉102が有色の顔料より表面側
にくる場合には、その下の有色の顔料の色が隠蔽され、
これにより有色の顔料によって形成される成形体表面の
着色部20はその色や太さなどがきわめて不均一なものと
なり、一層天然の木目模様に近いものとなる。
またこのようにして成形された木質様製品は、木の触
感を有するだけでなく、成形時の成形状態によっては、
有色の顔料によって成形体表面に着色部20が形成され、
外観的にもこの着色部20が天然の木目模様に近く認識さ
れる製品と成るものである。
このような種々の成形方法において、顔料を複数種類
用いた方が、成形時に、混合していない顔料が描き出す
縞模様が複雑となり、より天然の木目に極めて近い木目
模様を形成することができる。したがって、成形された
木質様製品から考えると、触感等のみでなく、外観も天
然の木に近いものを得ようとする場合、複数種類の顔料
を用いた方が効果的である。
また、固定粒110,120は、セルロース材でできている
粉粒111,121を用いているので、吸湿しやすいものであ
る。一方吸湿したものを成形に使用すると、水分が発泡
して、成形不良の原因ともなる。そこで、固定粒110,12
0を混合させたペレットあるいはコンパウンドは、成形
前に乾燥させておくことが望ましい。そのためには、固
定粒110,120を混合させたペレットあるいはコンパウン
ドを少量にしておくことで、乾燥を容易とすることがで
きる。例えば、同一配合とする場合については、第5の
成形方法と第6の成形方法とを比較した場合、第5の成
形方法の生地材パレットと第6の成形方法の樹脂パレッ
トと生地材パレットとを加えたパレットとが、溶融した
際に同一配合量となる。したがって、量的に考えると、
第5の成形方法の生地材パレットよりも第6の成形方法
の生地材パレットの方が少なくて足りることとなるの
で、成形前の乾燥を容易にすることができる。
また以上の説明において、各ペレットあるいはコンパ
ウンド中の成分である無機顔料を固定した固定粒110,12
0が磨砕処理されていることから、従来の木材を直接微
粉状に粉砕したものがひげ状の突出部分を有するである
のと異なり、その表面に突出部分が少なく粒状となり、
よって得られる成形体(製品)表面にけば立ちがなく、
肌触りがよくなる。
さらに、固定粒110,120が粒状をなしているため、従
来の繊維状木粉のごとく水(湿気を含む)、溶剤を吸着
しあるいはこれを放出することに起因する伸縮が極めて
少なく、よってこれを含有してなる木質様製品は寸法安
定性に極めて優れたものとなる。
また、磨砕処理を施しかつ表面に無機顔料を固定させ
た固定粒110,120を骨材としていることにより、該固定
粒110,120による樹脂の吸着・吸い込みが極めて少なく
なって成形歪みを生ずることがほとんどなくなる。
また、この木質様製品にあっては、粉粒111,121がそ
の周面に無機顔料を固定しているので、粉粒自体に比べ
て耐熱性が向上していることになる。したがって、単に
粉粒111,121の状態で配合させ成形する場合に比べ成形
時の熱影響が少なく、よって色や形状の変化など変質が
抑制される。また、表面粒としての顔料を固定化したこ
とによって、粉粒111,121はその表面が覆われ、これに
より粉粒中に含まれるリグニンや木酸が成形時に放出さ
れることが抑制されるため、該リグニンや木酸の放出に
起因する成形不良が防止される。
(発明の効果) 本発明によれば、天然の木の木目に極めて近い模様を
表面に有し、しかも手触り感等の風合いも天然の木に近
い木質様製品の製造方法及び木質様製品を提供すること
ができた。
図面の簡単な説明 図1:原料木材からの粉砕粉の形成、及び当該粉砕粉の表
面への表面粒の固定化の過程と、粉砕粉からの粉粒の形
成、及び当該粉粒の表面への表面粒の固定化の各過程を
それぞれ模式的に示した概要説明図である。
図2:粉砕粉、粉粒に対して摩擦作用による粉砕処理を施
すための一例よる開放型乾式ボールミルの概要構成を示
す要部縦断正面図である。
図3:粉砕粉、粉粒に対して摩擦作用による粉砕処理を施
すための一例よる密閉型乾式ボールミルの概要構成を示
す要部縦断正面図である。
図4:粉砕粉、木粉粒を分級するための一例による分級装
置の概要構成を示す要部縦断正面図である。
図5:磨砕処理に用いられる粉砕機の一例を示す概略構成
図である。
図6:図5に示した粉砕機の砥石の一例を示す平面図であ
る。
図7:粉粒に白色無機顔料を固定させて固定粒とした状態
を示す断面図である。
図8:得られた成形体(製品)の側断面拡大図である。
図9:得られた成形体(製品)の表面状態を示す斜視図で
ある。
(符号の説明) 1……ミル本体、2……冷却ジャケット 3……粉砕ボール、4……撹拌バー 5……モーター、6……取出バルブ 7……取出、8……給水杆 9……配水管、10……密閉用蓋 11……排気管、12……排気管 13……分級ローター、14……モーター 20……着色部、21……中間部 30……粉砕機、31……砥石 32……孔、33……送り溝 101……原料木材、102……粉砕粉 110……固定粒、111……木粉 112……表面粒 120……固定粒、121……粉粒 122……表面粒

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料としてのセルロース材を粉砕して得た
    粉砕粉を磨砕処理して、嵩比重を高めた粉粒とし、この
    粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径で、かつ硬い表面粒
    を固定させて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を
    混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
    成形または射出成形により所望形状に成形する木質様製
    品の製造方法であって、 表面粒には、無機質材、金属材またはプラスチック材の
    うちの1または複数の材料を用いたことを特徴とする木
    質様製品の製造方法。
  2. 【請求項2】固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形
    成材ペレットを形成し、この木質様形成材ペレットに混
    合した顔料と異なる顔料を前記木質様形成材ペレットに
    混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出
    成形または射出成形により所望形状に成形したことを特
    徴とする請求項1記載の木質様製品の製造方法。
  3. 【請求項3】固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形
    成材ペレットを、顔料の種類を変えて複数種類作り、こ
    れらの木質様形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様
    形成材ペレットを2種以上混合し、かつ溶融させ、その
    後または溶融と同時に押出成形または射出成形により所
    望形状に成形したことを特徴とする請求項1または2記
    載の木質様製品の製造方法。
  4. 【請求項4】混合する木質様形成材ペレットの溶融温度
    を、木質様形成材ペレット毎に変化させたことを特徴と
    する請求項3記載の木質様製品の製造方法。
  5. 【請求項5】混合する木質様形成材ペレットの溶融時に
    おける流動性に、木質様形成材ペレット毎に差をつけた
    ことを特徴とする請求項3記載の木質様製品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】固定粒に樹脂を混合した生地材ペレット
    と、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材ペレ
    ットとを形成し、生地材ペレットと木質様形成材ペレッ
    トとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時
    に押出成形または射出成形により所望形状に成形したこ
    とを特徴とする請求項1記載の木質様製品の製造方法。
  7. 【請求項7】生地材ペレットよりも木質様形成材ペレッ
    トの方の溶融温度を高くしたことを特徴とする請求項6
    記載の木質様製品の製造方法。
  8. 【請求項8】生地材ペレットよりも木質様形成材ペレッ
    トの方が、溶融時における流動性を低くしたことを特徴
    とする請求項6記載の木質様製品の製造方法。
  9. 【請求項9】樹脂のみから形成した樹脂ペレットと、固
    定粒に樹脂を混合した生地材レットと、固定粒に樹脂及
    び顔料を混合した木質様形成材ペレットとを形成し、樹
    脂ペレットと生地材ペレットと木質様形成材ペレットと
    を混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押
    出成形または射出成形により所望形状に成形したことを
    特徴とする請求項1記載の木質様製品の製造方法。
  10. 【請求項10】固定粒に樹脂を混合した生地材ペレット
    と、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレットとを形成し、
    生地材ペレットと顔料ペレットとを混合し、かつ溶融さ
    せ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形
    により所望形状に成形したことを特徴とする請求項1記
    載の木質様製品の製造方法。
  11. 【請求項11】固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様
    形成材ペレットと、樹脂及び顔料を混合した顔料ペレッ
    トとを形成し、木質様形成材ペレットと顔料ペレットと
    を混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押
    出成形または射出成形により所望形状に成形したことを
    特徴とする請求項1記載の木質様製品の製造方法。
  12. 【請求項12】固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様
    形成材ペレットと、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木
    質様形成材コンパウンドとを形成し、木質様形成材ペレ
    ットと木質様形成材コンパウンドとを混合し、かつ溶融
    させ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成
    形により所望形状に成形したことを特徴とする請求項1
    記載の木質様製品の製造方法。
  13. 【請求項13】固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様
    形成材ペレットと、固定粒に樹脂を混合した生地材コン
    パウンドとを形成し、木質様形成材ペレットと生地材コ
    ンパウンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶
    融と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成
    形したことを特徴とする請求項1記載の木質様製品の製
    造方法。
  14. 【請求項14】固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様
    形成材ペレットと、樹脂に顔料を混合した顔料コンパウ
    ンドとを形成し、木質様形成材ペレットと顔料コンパウ
    ンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同
    時に押出成形または射出成形により所望形状に成形した
    ことを特徴とする請求項1記載の木質様製品の製造方
    法。
  15. 【請求項15】固定粒に樹脂を混合した生地材ペレット
    と、固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コン
    パウンドとを形成し、生地材ペレットと木質様形成材コ
    ンパウンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶
    融と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成
    形したことを特徴とする請求項1記載の木質様製品の製
    造方法。
  16. 【請求項16】固定粒に樹脂を混合した生地材ペレット
    と、樹脂に顔料を混合した顔料コンパウンドとを形成
    し、生地材ペレットと顔料コンパウンドとを混合し、か
    つ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形または
    射出成形により所望形状に成形したことを特徴とする請
    求項1記載の木質様製品の製造方法。
  17. 【請求項17】樹脂に顔料を混合した顔料ペレットと、
    固定粒に樹脂及び顔料を混合した木質様形成材コンパウ
    ンドとを形成し、顔料ペレットと木質様形成材コンパウ
    ンドとを混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同
    時に押出成形または射出成形により所望形状に成形した
    ことを特徴とする請求項1記載の木質様製品の製造方
    法。
  18. 【請求項18】原料としてのセルロース材を粉砕して得
    た粉砕粉を磨砕処理して、嵩比重を高めた粉粒とし、こ
    の粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径で、かつ硬い表面
    粒を固定させて形成した固定粒と、この固定粒に樹脂及
    び顔料を混合したものの溶融物を押出成形または射出成
    形により所望形状に成形する木質様製品であって、 表面粒には、無機質材、金属材またはプラスチック材の
    うちの1または複数の材料を用いたことを特徴とする木
    質様製品。
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JPH1162393A (ja) * 1997-08-27 1999-03-05 Misawa Homes Co Ltd 出窓サッシ枠の固定構造

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