JP3064761B2 - ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法 - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法

Info

Publication number
JP3064761B2
JP3064761B2 JP5250486A JP25048693A JP3064761B2 JP 3064761 B2 JP3064761 B2 JP 3064761B2 JP 5250486 A JP5250486 A JP 5250486A JP 25048693 A JP25048693 A JP 25048693A JP 3064761 B2 JP3064761 B2 JP 3064761B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
display
head
image
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5250486A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07101399A (ja
Inventor
史朗 浅川
博司 筒井
義尚 武富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP5250486A priority Critical patent/JP3064761B2/ja
Publication of JPH07101399A publication Critical patent/JPH07101399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3064761B2 publication Critical patent/JP3064761B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Instrument Panels (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、船舶、鉄道車両
等の乗り物において、操縦者(運転者)が前方外景情報
と内部からの各種画像および文字情報などとを重ねて視
るためのヘッドアップディスプレイ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両等において、前方を注視して操縦
(運転)をしている操縦者が、一瞬視点を変えて速度表
示等のディスプレイを視る時、表示内容をできるだけ短
い時間に正確に読み取ることは、安全上重要なことであ
る。
【0003】近年、車両、特に自動車において、航空機
で開発されてきたいわゆる「ヘッドアップディスプレイ
(HUD)」を取り入れる動きが盛んである。このHU
Dは、たとえばCRT等の表示画像をレンズ、ミラー、
ホログラム等の光学系で操縦席前面(またはウィンドシ
ールド上)に配置されたコンバイナー(半透明反射板)
に写し出し、前方の景色と重畳させた形で表示し、その
結果、視線の移動や焦点調節をできるだけ軽減し、視認
性を向上させることが可能となった装置である。
【0004】鉄道車両等においては、画像表示部を格納
する空間が十分にあり、たとえば特開平4ー11023
6号公報に示されているように、CRT,レンズ、ミラ
ー、凹面鏡等相当大がかりな装置から構成されている。
【0005】一方、自動車などにおいては、画像表示部
や光学系を格納する空間は限られており、たとえば「De
velopment of Hologram Head-up Display」(SAE TECHN
ICALPAPER SERIES 920600, (1992) by H.KATO et al)
に示されているように、画像表示部として液晶を用い、
ミラー等の光学系を組合せ、コンパクトな形でインスト
ルメントパネル内に納めるよう工夫されている。しかし
ながら、焦点を遠方に結ばせるために、画像表示部から
コンバイナ面に至る光路を稼ぐため、ミラーでの反射の
繰り返しなどを行い、このため一定の空間が必要となっ
ている。上述のようにこれらの光学系はインストルメン
トパネル内に格納されているが、この空間は各種の装置
や配線が密集するところで、できるならばこの空間の使
用は避けたいところである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、HUDは
前方外景と内部からの各種画像情報・文字情報等とを運
転席前面で重畳させて視るすぐれたディスプレイではあ
るが、これを実現するためかなりの空間を占有しなけれ
ばならないという大きな問題点を有している。
【0007】この問題点は、HUDが画像表示部で発生
させた画像をコンバイナ面に投射して表示するという投
射方式ディスプレイ構成をとっているという点に由来し
ている。元々HUDは前述のように航空機で開発されて
きたシステムであり、その場合に必要であった種々の機
能をそのまま車両用等に適用している。したがって、必
ずしも車両等において不可欠であるとは言えない条件も
そのまま導入されていると考えられる。
【0008】航空機にいては、前方外景はあまり視界を
遮るもののない広い空間であり、操縦者はその視点を無
限遠に結んで操縦している。したがって、HUDの像も
無限遠に結ばせる方が好ましい。また、かなり複雑な情
報をディスプレイ上に表示しても操縦の妨げになること
はなく、逆にそれだけの複雑な情報を必要としているも
のである。
【0009】これに対し、車両、とくに自動車において
は、通常運転者は前方10m〜20m程度のところを視て運転
しており、長くても50m程度である。また、前方外景は
変化に富んでおり景色、各種表示板、前方車両等、時々
刻々変化する光景を視ており、あまり複雑な情報がディ
スプレイ上に表示されることはかえって運転の妨げにも
なり得る。20m程度の前方を視ている運転者がその中間
に表示される像を視る場合、数m前方に焦点を結べばほ
とんど無理なく画像を認識出来るといわれている。さら
に、極端にいえば、前方外景と表示情報が重畳されて見
えるのであれば、仮に表示情報が外景と同じ焦点距離に
なくても、通常のインストルメントパネル部の計器類の
表示を視るのとは異なり、両者が同時に視界に入ってい
る場合にはそれほど大きな違和感や疲労を伴うことな
く、外景と表示情報を読み取ることができると考えられ
る。
【0010】複雑且つ精細な画像等を表示するのであれ
ば相応の画像表示装置、すなわちCRT,透過型液晶デ
ィスプレイなどが必要であり、現状技術では外景に重畳
させて表示するには投射型になることは必然である。ま
た、投射方式において遠方に焦点を有するように画像を
形成させるためには、レンズやミラーその他の光学系が
必要となる。一方、上述のようにそれほど複雑な画像を
表示するのではないとするならば、画像表示部にCRT
等を用い投射方式にするという制約は取り除かれ、HU
Dは劇的に変化することが可能となる。
【0011】かかる観点に立ち、本発明は、従来のHU
Dがその構成のために大きな格納空間を要するという欠
点を有していたのに対し、ディスプレイと光学系とを一
体化し、コンパクトな、格納空間を不要にした新規なH
UDを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の手段を提供する。すなわち、本発明
は、表示画像以外の部分は透明であり画像表示部が平面
な画像情報表示手段と、前記画像情報表示手段に対向し
て配置される実質的に透明でフラットな光照射手段と、
前記光照射手段に光を供給する光供給手段と、前記画像
情報表示手段の画像表示を制御する画像表示制御手段
と、前記光供給手段の光供給を制御する光供給制御手段
とを備えたヘッドアップディスプレイ装置において、前
記光供給手段から前記光照射手段の側面より入射された
入射光を観測者とは反対側の前記光照射手段の面方向に
出射するように折り曲げる光路変換手段を有することを
特徴とするヘッドアップディスプレイ装置である。この
光路変換手段は、体積位相ホログラフィ、非対象形状の
凹凸からなる位相回折格子、あるいはハーフミラーであ
ることが好ましい。そして、前記光照射手段に光を供給
する光供給手段としては、各種ランプ、放電管、エレク
トロルミネッセンス、プラズマ発光体、LED,レーザなど
自ら発光するいわゆる光源が用い得る。さらには、光源
もしくは光源と該光源からの光を導光する光ファイバー
と光源もしくは光ファイバーから入射された光の方向を
変える光路変換手段とを備えた光供給手段であってもよ
く、この光路変換手段は、前述の光照射手段で用いられ
たものと同種の機能を有する位相ホログラフィ、位相回
折格子、あるいは、ハーフミラーが用い得る。
【0013】また、前記画像情報表示手段において表示
された画像部が光散乱能を有している画像情報表示手段
であることは本発明にとって特に好ましい。
【0014】さらに、前記光路変換手段が体積位相ホロ
グラフィである光照射手段において、前記体積位相ホロ
グラフィのホログラムが部分毎に異なるホログラムから
構成されてもよく、これは本発明の一つの特徴で、この
部分毎に異なるホログラムから構成された光路変換手段
を有する光照射手段と前記画像情報表示手段とを対向さ
せ配置する場合に、異なるホログラムの部分毎に対応し
て一定の画像情報が表示されるように表示を制御すると
本発明の効果は一段とすぐれたものになる。
【0015】このヘッドアップディスプレイ装置は自動
車のダッシュボード上に設置され、前後に倒れる駆動部
分を有し、任意の角度に固定して用いることができる。
また、自動車のウィンドシールド上部に取り付けられた
回転自在の治具によって取り付けられ、使用時ウィンド
シールド面に降下させて用いることもできる。あるい
は、自動車のリヤウィンドウ近傍に設置し、外部に対し
て画像情報を表示することもできる。さらには、自動車
のウィンドシールドの一部または全部にすることも可能
である。同様に、リヤウィンドウの一部または全部であ
ってもよい。
【0016】すなわち本発明の一つの態様は、透明電極
を配し実質的に透明である高分子分散型液晶パネルと、
前記液晶パネルに対向し密接して配置され、該対向する
側の面に位相型ホログラフィが形成されており、端部に
光源が設置され該光源からの光が該ホログラフィによっ
て面方向に回折される実質的に透明でフラットな面状発
光体と、前記液晶パネルの駆動を制御する制御装置と、
前記面状発光体の光源を制御する制御装置とを少なくと
も備えたヘッドアップディスプレイ装置であり、さらに
は、透明電極を配し実質的に透明である高分子分散型液
晶パネルと、前記液晶パネルに対向し密接して配置さ
れ、該対向する側の面に位相型ホログラフィが形成され
ており、端部に光源が設置され該光源からの光が該ホロ
グラフィによって面方向に回折される実質的に透明でフ
ラットな面状発光体と、前記面状発光体の他の側に配置
され虚像表示するためのレンズ系と、前記液晶パネルの
駆動を制御する制御装置と、前記面状発光体の光源を制
御する制御装置とを少なくとも備えたヘッドアップディ
スプレイ装置でもある。ここで用いられる位相型ホログ
ラフィのホログラムは部分毎に異なるホログラムから構
成されるものであってもよい。
【0017】
【作用】本HUDは透明でフラットなディスプレイと光
学系とが一体化されており、明るい画像が外景と重畳さ
れて観測され、コンパクトな格納空間の不要なHUDと
なっている。
【0018】
【実施例】本発明は、画像情報表示部としてのディスプ
レイとこれに光を当てる光照射部等の光学系とを一体化
させ、直接ウィンドシールド上またはその近傍に配置し
て用い得るコンパクトなヘッドアップディスプレイを提
供するものであり、以下実施例を用いて詳述する。
【0019】図1は本発明のHUDを自動車内に設置し
た一例を示す。1は本発明のHUD、2はウィンドシール
ド、3はインパネ部での従来からの計器表示部、4はダッ
シュボード、5は運転席である。図2は1の基本構成を示
す。11は透明でフラットな光照射手段部、12は透明でフ
ラットな画像情報表示手段部、15は光供給手段部、13は
制御装置、14は接続ケーブルである。制御装置13は画
像情報表示手段部12を制御する表示画像制御部と光供
給手段部15を制御する光供給制御部とを有している。
本発明HUDは透明であり且つ薄型に作製できるので図
1に示す運転席5に座った運転者が前方外景を視ていて
も何ら視界の妨げにはならない。図1では1のHUDは
ウィンドシールドの近傍、運転者の前面に設置されてい
て前方外景と重畳して表示情報を読み取ることができ
る。1は制御装置13とケーブル14によって接続されてい
るスタンドアローン型であるので、任意の場所に設置す
ることができる。図1の点線で示した1'はサンバイザー
のように取り付け、必要に応じて運転席前方に下ろして
設置する例である。図3(a)はその他の設置の例で、
31はHUD下端左右の部分に可動部を設け、前後に倒し
て用い得るようにした場合で、必要な時に任意の角度で
立てて用い、不要な時は倒しておくことができる。ま
た、図3(b)に示す32はHUD部をウィンドシールド
に直接貼りつけた構造で、最もスペースを取らない方式
である。あるいはさらに、このHUDをウィンドシール
ドの一部として、合わせガラスの中に組み込むことも可
能であり、もしくは、このHUDそのものがウィンドシ
ールドとなり、窓全体を画像表示部とすることもでき
る。図2の点線で示した10は、虚像表示のための例えば
フレネルレンズ等のレンズ系を付加した場合であり、こ
れによって焦点を数m先に結ばせることもできる。
【0020】自動車のウィンドシールド上またはその近
傍にあって、外景と重畳させて画像情報を表示するため
には、12の画像表示手段として、一定の光透過率を有す
る透明なディスプレイが必要である。これらのディスプ
レイとしては、エレクトロクロミックディスプレイ(EC
D)、液晶ディスプレイ(LCD)、ダイクロイックな粒子を
分散させたディスプレイ(DSD),フェロエレクトリックデ
ィスプレイ(FED),フェロマグネティックディスプレイ(F
MD)などのパッシブ型ディスプレイが用い得る。これら
のうちで、耐久性、コスト、温度特性などを考慮すると
LCD,FEDがより好適である。また強誘電体薄膜からなる
電子シャッターを用いることもできる。これらの透明デ
ィスプレイを運転席前面に設置し、運転者より前方外景
を重畳させ観測すると、外光を通してディスプレイ上
の、例えば文字情報を確認することができる。しかしな
がら、この場合(LCDなどでは)偏光板を用いているた
め一般に透過率が低下し、また外光の明るさに左右され
てコントラストが得にくい。また、夜間あるいはトンネ
ルなど光のないところでは当然ながら像をみることは出
来ない。ディスプレイの背後に適当な光源を置き後ろか
ら照明した場合、コントラストは改善されるが、この時
は背景が不透明になりまた、ネガ表示にしても照明光と
外光が重畳されるため外景が見にくく、ディスプレイの
オン状態と照明のオン状態を同期させ、必要な時のみ照
明するなどの工夫が必要となる。したがって外景を充分
透過しつつ、文字も表示させるためには、ディスプレイ
前面から光を照明し、ディスプレイ上に表示する文字で
反射させるようにする事が望ましい。この照明として
は、例えば適当な車内位置に設置されたランプなどを光
源とし、ディスプレイに向かって照射するなどの方法が
あるが、ディスプレイと光源の相対位置などが固定され
無駄な空間の生じる恐れが多い。したがって、最も好ま
しくは、本発明のようにディスプレイと光照射手段と光
供給手段とからなる照明装置が一体になることである。
この照明装置に要求される性質としては、透明であるこ
と、光照射手段の端面の一部または全部から入射した光
はディスプレイ方向に照射され、反対方向への光の照射
は極めて小さいこと、ディスプレイ面での反射光、外景
からの透過光は十分に通ることなどが必要である。
【0021】このような要求を満たす光照射手段の一つ
として、ホログラフィを利用した面状発光体を提供す
る。図4はその概念を示すもので、ホログラム作成時
(a)に物体光として、実際の物体面に照射した光の反
射光を用いる替わりに、単なる平行光を用いホログラム
感光体面41に垂直に照射し、これとほぼ直角をなす角度
で参照光を照射してホログラムを作成する。42は例えば
透明アクリル板である。本発明のごとき面状発光体では
なく、通常の立体画像を表示するホログラフィとして、
光源と一体化したものは、A.S.Benton氏らによって提案
されており(「Edge-Lit Rainbow Holograms」SPIE Vo
l.1212 pp149〜157 1990)本発明の面状発光体は、前述
のように実際の物体を用いない平行光を利用する点を除
いて、同手法により作製することができる。このように
して作成されたものが図4のホログラフィで、白色光を
下部から(参照光の方向から)導入すると、光は43のホ
ログラム面で回折されほぼ面に垂直な方向(物体光の方
向)に射出される。このホログラムは位相型で作製する
ことが好ましく、すなわち光照射によって屈折率が変化
する感光性樹脂を用い、干渉縞の光強度分布に対応した
位相分布を実現する。したがって、回折効率が高くまた
面に垂直方向はほぼ透明であり、外光は何等の影響を受
けずに透過し、運転者は通常のガラスを通して見るよう
に外景を見ることができる。この照明装置から射出され
た光はこれと対向して設置されているディスプレイ面に
当り反射される。図5はその状態を示す。52のディスプ
レイの表示像は散乱型であることが好ましく、LCDのう
ち高分子分散型液晶などが特に好ましい。高分子分散型
液晶は液晶を高分子マトリクス中に分散させた構成から
作られるもので、電界印加時透明となり、電界オフ状態
では不透明散乱状態53となるものである。これは高分子
分散型液晶に限られるのではなく、液晶をカプセル化し
たもの、その他散乱型になるものであればどれでもよ
い。これらのディスプレイは偏光板を用いずに使用され
るので特に明るい像が得られる。ディスプレイ面に投入
された光は図5で示すように像表示部53で散乱され等方
的に反射される。反射された光は一部ホログラフィを通
って光源方向に回折されるが、散乱光となっているため
大部分は運転者側に透過し明るい像として観測できると
いうすぐれた特徴を有する。
【0022】この光照射手段42は、前記ホログラフィが
最適なものの一つであるが、その他の方式も利用し得
る。すなわちその機能としては、前述のように透明であ
ること、光照射手段の端面から入射された光がディスプ
レイ方向に光路変換され照射されること、反対方向への
光の照射はきわめて小さいこと、ディスプレイ面からの
反射光は十分に透過することなどであり、これらの機能
を満足するものはどれでも利用することができる。例え
ば、図6に示すものは導波路ホログラフィまたはグレー
ティングカプラーと呼ばれるもので、透明支持体(例え
ばガラス)63上に配置されたフィルム62の表面に回折格
子61を設けたものである。62のフィルムの屈折率を63の
支持体および表面の空気より大きくすることにより、フ
ィルム62に一定方向に導入した光は全反射条件を満たし
てフィルム中を伝搬させることができる。回折格子部分
に到達したいわゆるエバネッセント光は回折格子と相互
作用し、光を外部に放出する。回折格子の間隔を制御す
ることによって、光をほぼ垂直方向に取り出すことがで
きる。一般にこの回折光は図6の左部分に示すように、
上下方向に射出されるが、本発明によれば回折格子の形
状を、例えば鋸歯状などの非対象形状(右部分)にする
などの工夫により大部分を一方向に射出させることが可
能である。この回折格子をホログラフィの手法を用いて
作製したものが導波路ホログラフィと呼ばれるものであ
る。また図7は、2枚の透明支持板71,72の間にハーフ
ミラー73を配置したものを示す。下部より入射された光
はハーフミラーで一部が反射され面方向に射出される。
ミラーの角度を45゜にしておけば面に垂直方向に取り出
すことができる。残余の光はハーフミラーを透過して次
のハーフミラーに到達し、この動作が繰り返されて次々
に光は面方向に取り出され、面状発光体として機能す
る。
【0023】以上のような光照射手段に光を供給する光
供給手段(図2に示す15)としては、各種ランプ、放電
管、エレクトロルミネッセンス、プラズマ発光体、LE
D、レーザなど自ら発光するいわゆる光源であれば何で
も利用可能である。あるいは図8に示すように、蛍光体
励起手段82によりの蛍光体83にエネルギーを照射して42
の方向に光を供給することもできる。また図9に示すよ
うに、蛍光体励起手段82として光ファイバー81により光
を入射させ、その光により蛍光体を発光させるようにす
ることもできる。
【0024】次に本発明のHUDについて、その動作の
一例を示す。図10において101は高分子分散型液晶パ
ネルである。透明電極(ITO)を配したガラス基板に液
晶/モノマー/プレポリマー(例えば、BDH社E-8/2-エチ
ルヘキシルアクリレート/ウレタンアクリレートオリゴ
マー)をはさみ、光重合開始剤を加え光重合させて得
た。全体の大きさとしては21cm×16cm×0.2cmとした。
表示部は三つのゾーンに分け、102には「あと××mで分
岐」という表示を、103には交差点と矢印の記号を、104
には「△△km」などのスピードが表示されるよう電極の
パターニングを行った。102のゾーンでは、表示の変化
する部分は距離を示す数字のみであとは固定である。10
3のゾーンでは、交差点の記号と矢印が示されており、
例えば点線で示したように簡単な線表示で変化する。ま
た104のゾーンでは、スピードを示す数字が変化する。
このような単純なキャラクタ表示ではドットマトリクス
にする必要はなく、電極はきわめて簡単なパターンでよ
く、液晶周辺の部分を利用して配線を容易に取り出すこ
とができる。105は電極配線リード用のソケット、106は
制御装置と結ばれたリードケーブルである。107はホロ
グラフィを利用した面状発光体である。厚さ0.4cmのガ
ラス板(アクリル板でもよい)に感光体としてDupont H
RF-700のシートを貼付し、前述のごとく平行光と参照光
を照射してホログラムを作製した。この時図10に示す
ように、108,109,110と三つのゾーンに分け、ホログラ
ム作製時それぞれに三つの異なる波長の光源を用いて感
光させた。このようにすることによって一つの面状発光
体上に三種類のの波長特性を有するホログラムが作製さ
れる。このゾーンは液晶の102,103,104のゾーンに対応
している。111は光源で冷陰極FLランプを用いた。112は
反射板であり、113は光源用ケーブルで、光のオン・オ
フおよび調光を制御する制御器に結合されている。101
と107を重ね合わせHUDとした。111を点灯すると108,
109,110のゾーンはそれぞれ異なった波長の光を液晶面
に向かって照射する。即ちゾーン毎の三色表示となる。
この液晶は電圧印加時透明でオフ状態で画像表示され
る。したがって、作動時まずオンにしておき、画像信号
に応じてオフにする。液晶が透明状態で光源が点灯され
ると、107から照射された光は透明な液晶を通って外部
に投射され内部の運転者から見るとそのまま透明なまま
である。画像のキャラクタにしたがって画像制御部から
信号を送り、液晶をオフ状態にすると画像が散乱面とし
て表示される。すると107から投射された光は散乱面に
当り反射され、運転者に対してゾーン毎に三色に表示さ
れた画像が明るく観測される。外景に対しては、液晶の
散乱面を除いて透明であり、したがって画像は外景に対
して重畳されて見える。上記ゾーンをより細かく分割す
れば各画像キャラクタ毎に色変化させて表示することも
可能である。上述のHUDは本発明の最も単純な形で、
基本的な動作を示した。すでに詳しく述べたように本H
UDは各種の画像情報表示手段、光照射手段、光供給手
段等を組み合わすことにより、よりコンパクトにし、ま
た遠方に焦点を置いた虚像表示で動作させることができ
る。
【0025】本発明のHUDは運転席前方にあって種々
の表示をするだけでなく、リヤウィンドウ部に設置して
用いると後続車に対する有効な警告、すなわちいわゆる
センターハイマウントストップランプとすることができ
る。あるいは情報伝達表示として利用できる。この時、
面状発光体を車外から車内側に向けるとすると後続車か
らは明るく光るディスプレイ上に白色の表示像が浮かぶ
ように見え、視認性のすぐれた表示となる。もちろんこ
のHUDをリヤウィンドウの一部または全部にすること
は可能である。
【0026】
【発明の効果】以上本発明のHUDは、透明なディスプ
レイと光学系とから一体構成されており、外景と重畳し
て明るい画像が得られ、きわめて薄型であり、任意の場
所に設置して用いることができるというすぐれた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明HUD配置を示す図
【図2】本発明HUDの基本構成を示す図
【図3】本発明HUDの配置を示す図
【図4】ホログラフィを利用した面状発光体の概念図
【図5】本発明HUDの機能の説明図
【図6】回折格子を用いた光表示手段を示す図
【図7】ハーフミラーを用いた光表示手段を示す図
【図8】蛍光体を用いた光供給手段を示す図
【図9】光ファイバを用いた光供給手段を示す図
【図10】本発明HUDの表示例を示す図
【符号の説明】
1 HUD 11 光照射手段部 12 画像情報表示手段部 43 ホログラフィ 53 液晶画像散乱部 81 光ファイバー 83 蛍光体 101 高分子分散型液晶 107 ホログラフィを利用した面状発光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−67222(JP,A) 特開 平3−198023(JP,A) 実開 平5−26589(JP,U) 実開 昭63−112932(JP,U) 特表 平3−503094(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 27/02 B60K 35/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示画像以外の部分は透明であり画像表
    示部が平面な画像情報表示手段と、前記画像情報表示手
    段に対向して配置される実質的に透明でフラットな光照
    射手段と、前記光照射手段に光を供給する光供給手段
    と、前記画像情報表示手段の画像表示を制御する画像表
    示制御手段と、前記光供給手段の光供給を制御する光供
    給制御手段とを備えたヘッドアップディスプレイ装置に
    おいて、 前記光供給手段から前記光照射手段の側面より入射され
    た入射光を観測者とは反対側の前記光照射手段の面方向
    に出射するように折り曲げる光路変換手段を有すること
    を特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 【請求項2】 光路変換手段が体積位相ホログラフィで
    あり、表示画像が散乱体により形成されることを特徴と
    する請求項記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 【請求項3】 光路変換手段が非対称形状の凹凸からな
    る位相回折格子であり、表示画像が散乱体により形成さ
    れることを特徴とする請求項記載のヘッドアップディ
    スプレイ装置。
  4. 【請求項4】 光路変換手段がハーフミラーであり、表
    示画像が散乱体により形成されることを特徴とする請求
    記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】 光供給手段が、各種ランプ、放電管、エ
    レクトロルミネッセンス、プラズマ発光体、LED,レーザ
    など自ら発光するいわゆる光源であり、表示画像が散乱
    体により形成される請求項1からのいずれかに記載の
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 【請求項6】 光供給手段は、光源と該光源からの光を
    導光する光ファイバーとを備えたことを特徴とする請求
    項1からのいずれかに記載のヘッドアップディスプレ
    イ装置。
  7. 【請求項7】 体積位相ホログラフィのホログラムが部
    分毎に異なるホログラムから構成されることを特徴とす
    る請求項記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 【請求項8】 前後に倒れる駆動部分を有したヘッドア
    ップディスプレイ装置を自動車のダッシュボード上に設
    置し、任意の角度に固定して用いることを特徴とする請
    求項1からのいずれかに記載のヘッドアップディスプ
    レイ装置の使用方法。
  9. 【請求項9】 ヘッドアップディスプレイ装置が自動車
    のウィンドシールド上部に取り付けられた回転自在の治
    具によって取り付けられ、使用時ウィンドシールド面に
    降下させ用いることを特徴とする請求項1からのいず
    れかに記載のヘッドアップディスプレイ装置の使用方
    法。
  10. 【請求項10】 ヘッドアップディスプレイ装置が自動
    車のリヤウィンドウ近傍に設置され外部に対して画像情
    報を表示することを特徴とした請求項1からのいずれ
    かに記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  11. 【請求項11】 画像情報表示手段及び光供給手段が自
    動車のウィンドシールドの一部または全部であることを
    特徴とする請求項1からのいずれかに記載のヘッドア
    ップディスプレイ装置。
JP5250486A 1993-10-06 1993-10-06 ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法 Expired - Fee Related JP3064761B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5250486A JP3064761B2 (ja) 1993-10-06 1993-10-06 ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5250486A JP3064761B2 (ja) 1993-10-06 1993-10-06 ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07101399A JPH07101399A (ja) 1995-04-18
JP3064761B2 true JP3064761B2 (ja) 2000-07-12

Family

ID=17208582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5250486A Expired - Fee Related JP3064761B2 (ja) 1993-10-06 1993-10-06 ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3064761B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10208528A (ja) * 1997-01-28 1998-08-07 Hitachi Chem Co Ltd 照明装置
JP4174624B2 (ja) * 1999-02-02 2008-11-05 株式会社島津製作所 救難目標位置指示装置
JP4193367B2 (ja) * 2001-03-26 2008-12-10 株式会社デンソー 車両用表示装置
JP2008056046A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Masao Imai 視界不良時における航空機着陸支援装置
JP6014501B2 (ja) * 2013-01-23 2016-10-25 矢崎総業株式会社 ヘッドアップディスプレイ装置
US20160363769A1 (en) * 2013-11-25 2016-12-15 Sharp Kabushiki Kaisha Light guide and head mounted display

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07101399A (ja) 1995-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5892598A (en) Head up display unit, liquid crystal display panel, and method of fabricating the liquid crystal display panel
KR100508813B1 (ko) 백라이트 장치 및 컬러 디스플레이 장치
US20020021461A1 (en) Holographic display device and method for producing a transmission diffusion hologram suitable for it
JPH07186778A (ja) 自動車計器3次元虚像表示システム
EP0372824A2 (en) Led array polarized image source/0 degree hologram virtual image head up display
JPH09330609A (ja) バックライト装置及びカラー表示装置
JP3064761B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置及びその使用方法
JPH09311290A (ja) 別置き型ヘッドアップディスプレイ
JPH10293264A (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
JPH05193400A (ja) ヘッドアップディスプレイ
JPH10133137A (ja) ディスプレイ装置とこれを用いた表示システム
JPH08113059A (ja) 車両用ヘッドアップディスプレイ装置
JPH0891094A (ja) 乗り物用表示システム
JP2797409B2 (ja) スクリーン
JPH1191401A (ja) 車両用ホログラフィック表示装置
JPH07290994A (ja) 車両用ヘッドアップディスプレイ
JP3565670B2 (ja) ディスプレイ装置
JP7433716B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
JPH0618811A (ja) 表示装置
JPH09113840A (ja) ヘッドアップディスプレイ
JP2598606Y2 (ja) 車両用表示装置
WO1995013557A1 (en) Display systems and methods
JP2000352687A (ja) ヘッドアップディスプレイ
JP2024064884A (ja) 画像表示装置および画像投影装置
JPH1191402A (ja) 車両用ホログラフィック表示システム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090512

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees