JP3064600U - 回転軸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の回転部品が磨損しにくく、定期保守が
いらなく、組立、取外しがきわめて便利で、軸受のゆる
さの校正がいらない回転軸を提供する。 【解決手段】 本考案に係る回転軸は、段付き軸
（１）、スリーブ（５）、軸受ケース（６）、外スリー
ブ（７）及び軸受（４）を順次に嵌められ、その中、前
記スリーブと前記軸受ケースとはドエル・ピン（１０）
によって結び固定され、前記軸受は丸釘キー（８）によ
って、前記段付き軸と前記軸受ケースに別々嵌め合い、
前記外スリーブ、前記軸受ケースと前記スリーブにはオ
イル・ポート（１３）が設けている。前記段付き軸、ス
リーブ及び軸受外側のシール環（３）で囲まれたスペー
スが、貯油装置になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一種の回転軸であり、特に摩擦抵抗が小さく、軸と軸受の内レース は隙間嵌め状態になっている新しい回転軸に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電動機、ブロワー、車輪等の回転機械は主に軸、軸受、軸受ケース、外 スリーブ等の部品がしっかりした静止嵌めに組立られている。このような静止嵌 めは組立方法によって、軸受ケース内の軸受はアンバランスになると共に、そこ に固定潤滑材を採用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の静止的に嵌合される組み立て方法は、軸受の摩擦抵抗を 増やし、組まれた部品が損傷されやすいかった。

【０００４】 本考案は、前述の回転軸の問題を解決するために円滑に回転し得る回転軸を提 供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の回転軸は次のようないくつかの態様で実現する。

【０００６】 本考案の第1の態様の回転軸は軸、軸受、軸受ケース、外スリーブ、外スリー ブの留ナット及びシール環からなっているが、その特徴は、前記軸は段付き軸で あり、即ち前記軸受を取り付けるこの軸の両端の直径はこの軸の中部直径より小 さい段付きになっており、この段付き軸の中部の突出部分の直径は、軸受の内レ ースの内径より大きいので、この軸受をこの段付き軸両端の一定範囲内に限定す る。それに、前記段付き軸の突出部分の直径に対しては、特別な限定はないが、 この突出部分の直径が大きすぎると、材料が無駄になるし、この段付き軸の重量 が増えることになるので、この大きくなる部分の値は前記軸受の内レース（イン ナー・レース）の厚みの0.01〜1倍にする。前記段付き軸、前記軸受、前記軸受 ケース及び前記外スリーブは順次に嵌まり、この軸受の内レースとこの段付き軸 の両端は隙間嵌めになって、この軸受の外レース（アウター・レース）と前記軸 受ケースも隙間嵌めになって、この軸受の外側に前記シール環を設け、前記外ス リーブの留ナットは、ねじでこの外スリーブに結び固定される。前記軸受の内レ ースと前記段付き軸の間及びこの軸受の外レースと前記軸受ケース間の隙間嵌め と言うのは、従来の軸受と軸や軸受ケース間のしっかりした静止的な嵌合に対し ての話しで、前記段付き軸が軸受の内レースに嵌め込む部分の外径は、この軸受 の内レースの内径より小さいし、前記軸受ケースの内径は、この軸受の外径より 大きいので、その隙間は主に加工精度によって、決められるので、加工精度が高 いほど、この隙間嵌めの隙間が小さい。前記軸受は前記軸受ケース内の両端に嵌 め込まれるが、この軸受ケースの長さは段付き軸の中部の突出部分の長さに、２ つのこの軸受の厚みを加えた値より大きくする。

【０００７】 又、前記軸受に内レース楔溝とアウター・レース楔溝を設け、それに対応して 前記軸受ケースに丸釘キーを取り付けて、この丸釘キーとこの軸受のアウター・ レース楔溝が嵌合う。同じように、前記段付き軸にもこの丸釘キーを取り付け、 この丸釘キーとこの軸受の内レース楔溝が嵌合う。前記丸釘キーは楔溝内で滑る ことができるので、この段付き軸の半径方向で、この丸釘キーは軸受のアウター ・レースと軸受ケース、軸受の内レースと段付き軸を鎖錠する役目をするが、こ の軸受は、段付き軸の軸方向である程度滑ることができる。

【０００８】 前記軸受の外側にシール環が設けられ、このシール環の外側に外スリーブの留 ナットがあって、このナットと外スリーブはねじで結び固定される。このシール 環と前記段付き軸、この外スリーブで囲まれたスペースが密閉された貯油装置に なって、この外スリーブと軸受ケースに設けられたオイル・ポートから軸受に潤 滑油を注入する。それに、前記シール環は、軸受滑る範囲を制限して、この軸受 はただ前記段付き軸の軸方向に沿って、突出部外側とこのシール環の内側の間で 滑らされる。

【０００９】 本考案の第２の態様の回転軸は、軸、軸受、軸受ケース、スリーブ、外スリー ブ、外スリーブの留ナット及びシール環からなっている。普通の回転軸と比べ、 この回転軸の特徴はスリーブを追加して、軸、スリーブ、軸受ケース、外スリー ブ及び軸受を順次に嵌まり、その中の前記スリーブは、軸受ケースの中に吊り込 むが、スリーブの役目は前記段付き軸中部の突出部分と同様な役割をし、軸受の 滑り範囲を限るスリーブと軸受ケースはドエル・ピンで（結び）固定される。

【００１０】 前記構造を持つ回転軸において、軸受はスリーブで制限するので、その軸は普 通軸を使ってもいい。又、スリーブを追加して軸受に潤滑油を注入することがで きるためには、外スリーブ、軸受ケースとスリーブにオイル・ポートを設ける。 このような本考案の回転軸の他の部分の構造は、前記回転軸の対応構造と同じで 、繰り返して説明しない。

【００１１】 又、このような構造を持つ回転軸にスリーブを省くこともできる。その代りに 、わりに厚い軸受ケースを使って、この軸受ケースの両端に凹部を作って、軸受 を軸受ケースの凹部に嵌め込んで、隙間嵌めにするが、この凹部の軸方向長さは 軸受の厚みより大きくする。

【００１２】 本考案の第3の態様の回転軸は、前記の第1及び第2の態様の回転軸の構造を結 合したもので、段付き軸、軸受、スリーブ、軸受ケース、外スリーブ、外スリー ブの留ナット及びシール環からなっている。前記段付き軸、スリーブ、軸受ケー ス、外スリーブ及び軸受は順次に嵌められ、このケースの中のスリーブの長さは 段付き軸中部突出部分の長さに対応し、（大きいか、小さいか或いは同じ）、そ の他の構造は２つの前記回転軸の構造の対応部分と同じで、ここでは説明を省く 。

【００１３】 ご承知のように、機械加工中にはいつも加工精度の問題がある。それで、回転 軸を組立てる時、回転軸と2つの軸受、2つの軸受と2つの軸受ケースの間は完全 な同軸心になれない。もし軸と軸受、軸受ケースはしっかりした静止嵌めするな ら、このアンバランスによって生じる応力が軸受ボールのころがりに抵抗を与え る。しかし前記本考案の回転軸は、軸（或いは段付き軸）と2つの軸受、2つの軸 受と2つの軸受ケースの間は隙間嵌めを採用し、加工精度による隙間があるので 、前記回転軸の組立時に生じる応力を解消し、軸受の抵抗を減す。前記軸は軸受 の中で理想的な状態に近い抵抗がない状態で回転して、本考案の回転軸の目的を 実現する。

【００１４】 本考案に関する回転軸の特長は （ａ）軸受の回転部品は摩損しにくく、定期保守が不要になる。（ｂ）専門部門 に行って保守する必要なく、費用が低減できる。（ｃ）組立、取外しがきわめて 簡単で、軸受をゆるめたりしめる校正がいらなくなる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下に付図に基づいて、本考案の回転軸について詳しく説明する。

【００１６】 図１に示すように、本考案の第１の実施の形態の回転軸の構造は、段付き軸１ 、軸受ケース６、外スリーブ７及び軸受４を順次に嵌め込んで、この外スリーブ ７と軸受ケース６とに夫々対応してオイル・ポート１３を設けている。前記軸受 ４は、前記段付き軸１の両端にあって、前記軸受ケース６の中に嵌め込まれてい る。この軸受４には内レースの楔溝１２と外レース楔溝１１とが設けられ（図４ 参照）、前記段付き軸１に丸釘キー８が、前記軸受ケース６に丸釘キー９が夫々 あって、この軸受の内レースは丸釘キー８によって前記段付き軸１と嵌合い、こ の軸受４の外レースは丸釘キー９によって前記軸受ケース６と嵌会う。前記軸受 ４の外側に夫々シール環３を設け、これらシール環３の外側に外スリーブ７の留 ナット２が夫々ある。この外スリーブの留ナット２は外スリーブ７に形成された ねじを介して、外スリーブ７に結び固定される。前記段付き軸１の外径は、前記 軸受４の内径より小さく、前記軸受ケース６の内径は、軸受４の外径より大きく する。その嵌合の隙間は加工精度によって決められるが、普通0.08mm以下が望ま しいが、加工精度が比較的に高い理想的なものは0.05mm以下にする。前記軸受ケ ース６の長さは、段付き軸１の中間の突出部分の長さに両端の前記軸受４の厚み を加えたものより大きいが、その大きい値は0.3〜0.5mmが望ましい。

【００１７】 図２に示すように、本考案の第２の実施の形態の回転軸の構造は、軸１、スリ ーブ5、軸受ケース６、外スリーブ７及び軸受４が順次に嵌まり、このスリーブ ５と前記軸受ケース６はドエル・ピン１０で結び固定され、また、前記外スリー ブ７、前記軸受ケース６、前記スリーブ５に対応してドエル・ピン１３が設けて いる。回転軸の他の部分の構造は第１の実施の形態の回転軸の構造と同じである 。

【００１８】 図３に示すように、本考案の第３の実施の形態の回転軸の構造は、段付き軸１ 、スリーブ５、軸受ケース６、外スリーブ７及び軸受４が順次に嵌まり、その他 の部分の構造は前記第１、第２の実施の形態の回転軸構造の対応部分と同じであ る。

【００１９】

【考案の効果】

本考案により、軸受の回転部品は摩損しにくい、定期保守が不要で、専門部門 に行って保守する必要がなく、組立、取外しがきわめて簡単な回転軸を提供でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、考案に係る第１の実施の形態の回転軸
の構造を示す断面図である。

【図２】図２は、考案に係る第２の実施の形態の回転軸
の構造を示す断面図である。

【図３】図３は、考案に係る第３の実施の形態の回転軸
の構造を示す断面図である。

【図４】図４は、軸受の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 段付き軸 ２ 外スリーブ留ナット ３ シール環 ４ 軸受 ５ スリーブ ６ 軸受ケース ７ 外スリーブ ８ 軸上の丸釘キー ９ 軸受ケース上の丸釘キー １０ ドエル・ピン １１ 軸受アウター・レースの楔溝 １２ 軸受の内レースの楔溝 １３ オイル・ポート

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸、軸受、軸受ケース、外スリーブ、外
   スリーブの留ナット及びシール環を備え、前記軸は段付
   き軸で、この段付き軸の中部の突出部分の直径は、軸受
   の内レースの内径より大きくし、前記段付き軸、軸受、
   軸受ケース及び外スリーブは順次に嵌められ、前記軸受
   の前記内レースと前記段付き軸の両端は隙間嵌めされ、
   軸受外レースと軸受ケースとは隙間嵌めにされ、軸受の
   外側にシール環を設け、外スリーブの留ナットは、ねじ
   で外スリーブに固定することを特徴とする回転軸。
2. 【請求項２】 軸、軸受、軸受ケース、外スリーブ、外
   スリーブの留ナット及びシール環を備え、スリーブを追
   加して、前記軸、スリーブ、軸受ケース、外スリーブ及
   び軸受を順次に嵌められ、その中の前記スリーブは軸受
   ケース内に吊り込まれ、このスリーブが軸受の滑り範囲
   を制限し、このスリーブと前記軸受ケースはドエル・ピ
   ンで結び固定されることを特徴とする回転軸。
3. 【請求項３】 段付き軸、軸受、スリーブ、軸受ケー
   ス、外スリーブ、外スリーブの留ナット及びシール環か
   らを備えられ、前記段付き軸、スリーブ、軸受ケース、
   外スリーブ及び軸受を順次に嵌められ、その中の前記ス
   リーブの長さは前記段付き軸の中部の突出部分の長さに
   対応することを特徴とする請求項１または２に記載され
   た回転軸。
4. 【請求項４】 前記軸受に内レース楔溝と外レース楔溝
   を設け、この楔溝に対応して、前記軸受ケースに丸釘キ
   ーを設け、この丸釘キーと軸受の外レース楔溝が嵌合
   い、前記段付き軸にも丸釘キーを設け、この丸釘キーと
   軸受の内レース楔溝が嵌合い、前記丸釘キーは楔溝に沿
   って滑られることを特徴とする請求１ないし３のいづれ
   か１に記載された回転軸。
5. 【請求項５】 前記外スリーブ、軸受ケースにオイル・
   ポートを設けることを特徴とする請求項１ないし４のい
   づれか１に記載された回転軸。
6. 【請求項６】 前記スリーブにオイル・ポートを設ける
   ことを特徴とする請求項２または３に記載された回転
   軸。
7. 【請求項７】 前記軸受ケースの長さは段付き軸の中部
   突出部分の長さに２つの軸受の厚みを加えた値より大き
   いが、その大きい値は0.3〜0.5ｍｍであることを特徴と
   する請求項１或いは３に記載された回転軸。