JP3064371U - 積層型熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐圧性の高い積層型熱交換器の提供。 【解決手段】 コア５のエレメント４の積層方向両端面
にコアプレート６，７を配置し、その板厚をエレメント
４のそれよりも厚く且つ剛性が大であるようにし、両コ
アプレート６，７を連結体８により接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、多数の皿状プレートを重ね合わせて、その連通孔で夫々のプレート を接合した熱交換器コアにおいて、その耐圧性を向上させたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の積層型熱交換器は、一例としてその要部が図６の如く形成されていた。 即ち、夫々両端部に連通孔１（右端部のみ図示する）が設けられた一対のプレー ト２，３の全周縁を接合してエレメント４を構成する。この一方のプレート２は 皿状をなし、その両端部にカップ状膨出部２ａが形成されると共に、内部にイン ナーフィン13が配置され、他方のプレート３は平板状に形成されている。そして このようなエレメント４を多段に積層し、夫々の連通孔１の孔縁部において互い にろう付け固定してコア５を構成する。また、エレメント４の積層方向の最下端 の連通孔１の孔縁部にリーンホース11を介して下端コアプレート７が配置され、 その連通孔１を閉塞する。さらに、エレメント４の積層方向上端には上端コアプ レート６が一体的にろう付け固定され、その出入孔９が連通孔１に整合する。そ して出入孔９の開口部には、配管接続用のボス部12が一体的にろう付け固定され る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような積層型熱交換器に、ボス部12を介して加圧流体を各エレメント４内 に流通させると、最下段のエレメント４の連通孔１を閉塞するコアプレート７に は、その閉塞面積と加圧流体の内圧との積に相当する加圧力が加わり、それが各 エレメント４の連通孔１の近傍のろう付け部を分離させようとする力となる。 そして、それがありにも過大であると、亀裂を生じ、ろう付け部の液漏れ等の 不都合が生じるおそれがある。 そこで本考案は、構造が簡単で且つ耐圧性の高い積層型熱交換器を提供するこ とを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の本考案は、夫々薄い金属板のプレス成形体よりなり、連通孔 １および外周が整合し、少なくとも一方が皿状に形成された一対のプレート２， ３を有し、両プレート２，３の全周縁が接合されたエレメント４と、 夫々同一形状の複数の前記エレメント４がその連通孔１の孔縁で互いに接合さ れて、多段に積層されてなるコア５と、 そのコア５のエレメント積層方向両端面に接合され、前記プレート２，３に比 べて、その板厚が充分厚く且つ剛性が大であるコアプレート６，７と、 夫々のエレメント４の前記連通孔１を貫通し、両端が前記両コアプレート６， ７に接合された連結体８と、 を具備する積層型熱交換器である。

【０００５】 請求項２に記載の本考案は、請求項２において、 両コアプレート６，７の外周がエレメント４のそれに略整合すると共に、一方 の前記コアプレート６に穿設された出入孔９が前記連通孔１に整合し、他方のコ アプレート７は、それに接続されるエレメント４のプレート３の連通孔１を閉塞 し、 その閉塞部７ａと、前記一方のコアプレート６の出入孔９の孔縁とが前記連結 体８で接続された積層型熱交換器である。 請求項３に記載の本考案は、請求項２において、 前記出入孔９の孔縁と前記閉塞部７ａの縁部とが、断面弧状の前記連結体８で 接続された積層型熱交換器である。 請求項４に記載の本考案は、請求項２において、 前記出入孔９の孔縁の互いに周方向に離間した位置に、複数のアーム部10の一 端が接続され、夫々のアーム部10の他端が出入孔９の中心に位置した棒状の連結 体８の一端部に接続され、その連結体８の他端部が前記閉塞部７ａの中心に接続 された積層型熱交換器である。

【０００６】

【考案の実施の形態】

次に、図面に基づいて本考案の各実施の形態につき説明する。なお、従来型熱 交換器と同一の部品には同一の番号を付してある。 図１は本考案の第１の実施の形態を示す要部縦断面図であり、図２はその連結 体８の斜視略図、図３は本考案の第２の実施の形態を示す要部縦断面図、図４は そのコアプレート６の要部斜視図、図５は同平面図である。 図１におけるエレメント４は、細長い小判型のプレート２，３とを有し、プレ ート２は全体が皿状に形成されると共に、その長手方向両端部にカップ状膨出部 ２ａが形成されている。そしてそのカップ状膨出部２ａの頂部に連通孔１が穿設 されている。そして、その連通孔１に整合した位置において平板状のプレート３ にも連通孔１が穿設されている。そしてその皿状のプレート２の周縁部に形成さ れた僅かな鍔部にプレート３の縁部が巻き締め固定されている。なお、この巻き 締め部は必須のものではなく、両者は共に平坦にすることも可能である。

【０００７】 そしてプレート２，３間にインナーフィン13が介装されてエレメント４を構成 する。このようなエレメント４を多段に積層し、夫々の皿状プレート２のカップ 状膨出部２ａにおいて、平板状プレート３が接触する。それと共に、各エレメン ト４間にはアウターフィン14が配置される。このような多数のエレメント４によ りコア５が構成され、コア５の積層方向の上下両端に、上端コアプレート６，下 端コアプレート７が配置される。なお、コアプレート６及びコアプレート７の長 手方向両端には、夫々開口が穿設されその孔縁部が外側にバーリング加工されて いる。そして下端コアプレート７の開口には、閉塞部７ａが一体的に接合される 。この閉塞部７ａは横断面が僅かに弧状に形成され、コアプレート７の開口縁と の間に環状のＶ溝部が形成され、そこに後述する連結体８の下端縁が嵌着される 。上端コアプレート６の開口は、加圧流体の出入孔９を形成する。

【０００８】 次に、連結体８はこの例では図２に示す如く断面円弧状に形成され、それが夫 々のエレメント４の連通孔１を貫通し、上端コアプレート６の出入孔９の孔縁部 と下端コアプレート７の閉塞部７ａの周縁部との間に配置される。なお、互いに 接触する各部品はその少なくとも一方側表面にろう材が予め被覆されたものを用 いる。そして全体を組み立てた状態で高温の炉内に挿入し、ろう材を溶融させ、 次いでそのろう材を冷却固化することにより、夫々を互いに液密に且つ一体的に ろう付け固定し、本熱交換器を完成する。そして上下一対のコアプレート６，７ は、連結体８を介して両者が一体的に接合される。

【０００９】 次に、図３〜図５の例は連結体８が棒状体からなり、それが出入孔９の中心部 に位置する。そして放射方向に複数のアーム部10が配置され、そのアーム部10の 両端が連結体８の上端部と出入孔９とに夫々接続されている。また、連結体８の 下端部は閉塞部７ａの中心孔に挿通され、その挿通部がろう付け固定されている 。このように構成することにより、上端コアプレート６と下端コアプレート７と は連結体８を介して一体的に接合される。

【００１０】

【考案の作用・効果】

請求項１に記載の本考案は、コア５の両端に配置された板厚の厚く且つ剛性を 大とした一対のコアプレート６，７間が、連通孔１を貫通した連結体８によって 接合されているため、比較的亀裂が生じ易い連通孔１の近傍を補強し、耐圧性の 高い積層型熱交換器となり得る。 請求項２に記載の本考案は、一方のコアプレート６の出入孔９の孔縁と他方の コアプレート７の閉塞部７ａとが連結体８で接続されたものであるから、連結体 ８の接続が容易で強度の高い積層型熱交換器を提供できる。 請求項３に記載の本考案は、出入孔９の孔縁と閉塞部７ａの縁部とが断面弧状 の連結体８で接続されたものであるから、接合面積を大きくすることができ、耐 圧性のより高い積層型熱交換器を提供できる。 請求項４に記載の本考案は、棒状の連結体８の一端部が複数のアーム部10を介 して出入孔９に接続され、連結体８の他端部が閉塞部７ａの中心に接続されたも のであるから、内圧をバランスよく支持し、さらに耐圧性の高い積層型熱交換器 を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の積層型熱交換器の第１の実施の形態を
示す要部縦断面図。

【図２】同熱交換器の連結体８の斜視略図。

【図３】本発明の積層型熱交換器の第２の実施の形態を
示す要部縦断面図。

【図４】同熱交換器のコアプレート６の要部斜視図。

【図５】同熱交換器の平面図。

【図６】従来の積層型熱交換器の一例を示す要部縦断面
図。

【符号の説明】

１ 連通孔 ２，３ プレート ２ａ カップ状膨出部 ４ エレメント ５ コア ６，７ コアプレート ７ａ 閉塞部 ８ 連結体 ９ 出入孔 10 アーム部 11 リーンホース 12 ボス部 13 インナーフィン 14 アウターフィン

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 夫々薄い金属板のプレス成形体よりな
   り、連通孔１および外周が整合し、少なくとも一方が皿
   状に形成された一対のプレート２，３を有し、両プレー
   ト２，３の全周縁が接合されたエレメント４と、 夫々同一形状の複数の前記エレメント４がその連通孔１
   の孔縁で互いに接合されて、多段に積層されてなるコア
   ５と、 そのコア５のエレメント積層方向両端面に接合され、前
   記プレート２，３に比べて、その板厚が充分厚く且つ剛
   性が大であるコアプレート６，７と、 夫々のエレメント４の前記連通孔１を貫通し、両端が前
   記両コアプレート６，７に接合された連結体８と、 を具備する積層型熱交換器。
2. 【請求項２】 請求項１において、 両コアプレート６，７の外周がエレメント４のそれに略
   整合すると共に、一方の前記コアプレート６に穿設され
   た出入孔９が前記連通孔１に整合し、他方のコアプレー
   ト７は、それに接続されるエレメント４のプレート３の
   連通孔１を閉塞し、 その閉塞部７ａと、前記一方のコアプレート６の出入孔
   ９の孔縁とが前記連結体８で接続された積層型熱交換
   器。
3. 【請求項３】 請求項２において、 前記出入孔９の孔縁と前記閉塞部７ａの縁部とが、断面
   弧状の前記連結体８で接続された積層型熱交換器。
4. 【請求項４】 請求項２において、 前記出入孔９の孔縁の互いに周方向に離間した位置に、
   複数のアーム部10の一端が接続され、夫々のアーム部10
   の他端が出入孔９の中心に位置した棒状の連結体８の一
   端部に接続され、その連結体８の他端部が前記閉塞部７
   ａの中心に接続された積層型熱交換器。