JP3026231U - オイルクーラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 冷却水の流通が良く、接合強度の強い積層型
オイルクーラを提供する。 【解決手段】 細長いプレートの両端にマニホールド部
２を有するオイル出入口１を設け、中間に多数のＶ字溝
部３をマニホールド部２より浅く形成する。またＶ字溝
部３の一部にマニホールド部２と同じ浅さに凹陥したス
ペーサ部４を配置する。一対のプレートを内面側が接す
るように重ね合せ、エレメント６を構成し、更に複数の
エレメント６をスペーサ部４の外面が互いに接するよう
積層し、ボス部７をマニホールド部２及びスペーサ部４
の外側に接するように組立て、各接触部をろう付けまた
はハンダ付けして一体化する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として車両のエンジンオイルや建設機械用作動オイル等を冷却す るオイルクーラに係り、特に表面に波形が曲折形成された複数のプレートを重ね 合わせて構成したプレートタイプのオイルクーラに関する。

【０００２】

【従来の技術】

細長い金属製プレートの長手方向両端部にオイル出入口を形成し、それらの間 に多数の突状を長手方向に対して斜めに交差するような波形にプレス成形し、複 数のプレートを互いに逆向きに且つ突状が互いに交差するように積層したものが 知られている。 このように縦断面の内外が波形に形成されたプレートタイプのオイルクーラは 、その表面積が大きく且つ波形の存在によりオイル及び冷却水の攪拌効果に大き な特徴がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところがこのような波形プレートを積層したものにおいては、オイルが流通す る夫々のエレメントの外面間が全ての交差部でろう付けまたはハンダ付けにより 接合されているため、各エレメントの外面間の隙間が小さく冷却水の流通がし難 い欠点がある。 なお、各エレメントの間に隙間を形成するようにした場合には、オイルによる 内圧が加わったとき、エレメントのプレートが外側に拡がり、接合部が分離する おそれがある。 そこで本考案は、接合強度が強く且つ冷却水の流通がよいと共に、さらに進ん でオイル配管接続用のボス部の接合強度の強いオイルクーラを提供することを課 題とし、その課題解決のために次の構成をとる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案のオイルクーラは、長手方向の両端部に一対のオイル出入口１が設けら れた細長い金属板をプレス成形によりその内外面を波形に形成したものの内面側 において、夫々の口縁部に環状に凹陥したマニホールド部２が形成され且つ、前 記金属板の外周縁を除き一対の前記マニホールド部２間に多数の並列した平面Ｖ 字状のＶ字溝部３が前記マニホールド部２の深さよりも浅く形成されると共に、 前記マニホールド部２とそれに隣接するＶ字溝部３とが連通され、そのＶ字溝部 ３の一部に前記マニホールド部２の深さと同一に凹陥された多数のスペーサ部４ が分散して設けられて、プレート５を構成し、 夫々のＶ字溝部３が交差するように一対の前記プレート５を互いに逆向きに且 つその内面側が接触するように重ね合わされてエレメント６を構成し、 分散された多数の前記スペーサ部４の外面どうしを接触させるように複数の前 記エレメント６が重ね合わされ、 厚肉のほぼ楕円形板の中央に前記オイル出入口１にほぼ整合する孔10が設けら れ、その長軸上の両端部に締結用のスタッドボルト11が突設されたオイル配管接 続用のボス部７を有し、 そのボス部７の前記長軸が前記プレート５の長手方向に配置されると共に、そ の平面が最も外側の前記エレメント６の前記マニホールド部２の外面およびその 平面の長手方向の端部が前記スペーサ部４の外面に接触し、 夫々の前記プレート５の接触部およびそれとボス部７の接触部が互いにろう付 け又はハンダ付けにより接合されてなるものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

次に、図面に基づいて本考案の実施の形態につき説明する。 図１は本オイルクーラの分解斜視図であり、図２はその組立状態を示す平面図 、図３は同正面図、図４は図３におけるボス部７を取り除いた状態の要部平面図 、図５は図４のＶ−Ｖ矢視断面図、図６は図４のVI−VI矢視図である。 この例では、一対のプレート５からなるエレメント６が二段に積層され、上側 の一対のオイル出入口１に一対のボス部７が接合されたものである。 夫々のプレート５は細長い金属板の長手方向の両端部に一対のオイル出入口１ が設けられており、その内外面がプレス成形により波形に形成されている。そし てその内面側において、夫々の口縁部に環状に凹陥したマニホールド部２が形成 される。

【０００６】 また、金属板の外周縁を除き一対の前記オイル出入口１間に多数の並列したＶ 字状のＶ字溝部３がマニホールド部２の深さよりも浅く形成されて前記波形を構 成する。そして、マニホールド部２とそれに隣接するＶ字溝部３とは連通され、 そのＶ字溝部３の一部にマニホールド部２の深さと同一に凹陥された多数のスペ ーサ部４が全体に分散して設けられている。そしてこのようにしてなる一対のプ レート５の夫々のＶ字溝部３が交差するように、互いに逆向きに且つその内面側 が接触するように重ね合わされてエレメント６を構成する。そして、分散された 多数のスペーサ部４の外面どうしを接触させるように複数のエレメント６が重ね 合わされる。このように全ての前記スペーサ部４どうしを接触させるためには、 プレート５の平面において上下および左右の対称位置にスペーサ部４を配置すれ ばよい。

【０００７】 次に、ボス部７は厚肉のほぼ楕円形板の中央に前記オイル出入口１にほぼ整合 する孔10が設けられ、その長軸側の両端部に締結用のスタッドボルト11が突設さ れている。そのボス部７には、オイル配管が接続される。そしてボス部７はその 長軸がプレート５の長手方向に配置されて、その平面が最も外側のエレメント６ のマニホールド部２外面およびその平面の長手方向の端部がスペーサ部４の外面 に接触する。このように組立てられた夫々のプレート５の接触部およびそれとボ ス部７の接触部が、互いにろう付け又はハンダ付け等により接合されるものであ る。 その結果、一対のプレート５はその周縁部において液密にろう付け又はハンダ 付け等より固定されると共に、内部に多数のＶ字溝部３からなるオイル流路が形 成され、その両端部にはマニホールド部２が設けられる。そしてマニホールド部 ２の中心部には、オイル出入口１が設けられている。なお、この例の積層方向の 最下部には蓋12が配置される。

【０００８】 また、多数のＶ字溝部３上にはそのＶ字の谷部及び開口側先端部に分散して多 数のスペーサ部４が設けられ、そのスペーサ部４の位置はプレート５の長軸に対 称に且つ長手方向の中心に対して左右対称に夫々配置されている。 その結果、図５の如く複数のエレメント６を重ね合わせると、夫々のスペーサ 部４の外面が接触する。 なお、夫々のプレート５の外面および内面には夫々少なくとも接触部において ろう材が塗布またはクラッドされており、それらが重ね合わされると共に、その 上面にボス部７および下面に蓋12が配置されて高温の炉内に挿入され、夫々の接 触部に配置されたろう材が溶融して、一体的にろう付け固定されるものである。 さらに、各プレート５の周縁には爪８と欠切部９とが設けられている。そして 各プレートのＶ字形が互いに逆向きになるように重ね合わされると、爪８と欠切 部９とが嵌着して、一対のプレート５が位置決めされ、ろう付け時に両者が水平 方向に位置ずれするのを防止している。

【０００９】 このようにしてなるオイルクーラのボス部７には、その取付場所でオイル配管 が接続される。そのオイル配管の端部には、ボス部７とほぼ整合するフランジが 突設され、その長手方向両端部にボルト挿通孔が形成されている。そこでパッキ ンを介し両者が重ね合わされると共に、図示しないボルトにより両者間が液密に 接合されるものである。そして、一方の図示しないオイル配管から各エレメント ６内にマニホールド部２を介してオイルが導かれる。このときオイルは、マニホ ールド部２からそれに隣接するＶ字溝部３に移動し、そのＶ字溝部３に沿って移 動するが、次いでそれに交差する多数の対向するＶ字溝部３に移動し、上下のプ レート５内をジグザグ状に移動して（図５，図６参照）、他方のオイル出入口１ から流出する。そして各エレメント６の外面には冷却水が流通し、内部のオイル を冷却するものである。

【００１０】

【考案の作用・効果】

本考案のオイルクーラは、そのエレメント６を構成するプレート５の内面側で マニホールド部２とスペーサ部４とが同一深さになると共に、Ｖ字溝部３はマニ ホールド部２よりも浅く形成されている。しかも、スペーサ部４はＶ字溝部３の 一部に形成されている。そして複数のエレメント６を積層したとき、夫々のスペ ーサ部４どうしが接触して接合されるように構成したから、夫々のＶ字溝部３の 外面間に互いに接触しない隙間13が形成される。しかも、夫々のエレメント６の 外面にはＶ字溝部３の外面が突設されているため、それらの外周側を流通する冷 却水の流通が容易であると共に、Ｖ字溝部３の外面の凹凸によりその冷却水が攪 拌されて熱交換を促進する。 また、ボス部７がマニホールド部２の外面に接触して接合されると共に、ボス 部７はその長手方向の端部でスペーサ部４の外面に接触し、その接触部が接合さ れているので、ボス部７の接合強度が強くなる。特に、オイルの配管がボス部７ に接続された状態では、配管からそのボス部７に伝わる外力がモーメントとして 加わるが、そのモーメントを有効に支持し得る。そのため、信頼性の高いオイル クーラとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のオイルクーラの分解斜視図。

【図２】同組立状態を示す平面図。

【図３】同正面図。

【図４】図３におけるボス部７を取り除いた状態の要部
平面図。

【図５】図４のＶ−Ｖ矢視断面図。

【図６】図４のVI−VI矢視図。

【符号の説明】

１ オイル出入口 ２ マニホールド部 ３ Ｖ字溝部 ４ スペーサ部 ５ プレート ６ エレメント ７ ボス部 ８ 爪 ９ 欠切部 10 孔 11 スタッドボルト 12 蓋 13 隙間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向の両端部に一対のオイル出入口
   １が設けられた細長い金属板をプレス成形によりその内
   外面を波形に形成したものの内面側において、夫々の口
   縁部に環状に凹陥したマニホールド部２が形成され且
   つ、前記金属板の外周縁を除き一対の前記マニホールド
   部２間に多数の並列した平面Ｖ字状のＶ字溝部３が前記
   マニホールド部２の深さよりも浅く形成されると共に、
   前記マニホールド部２とそれに隣接するＶ字溝部３とが
   連通され、そのＶ字溝部３の一部に前記マニホールド部
   ２の深さと同一に凹陥された多数のスペーサ部４が分散
   して設けられて、プレート５を構成し、 夫々のＶ字溝部３が交差するように一対の前記プレート
   ５を互いに逆向きに且つその内面側が接触するように重
   ね合わされてエレメント６を構成し、 分散された多数の前記スペーサ部４の外面どうしを接触
   させるように複数の前記エレメント６が重ね合わされ、 厚肉のほぼ楕円形板の中央に前記オイル出入口１にほぼ
   整合する孔10が設けられ、その長軸上の両端部に締結用
   のスタッドボルト11が突設されたオイル配管接続用のボ
   ス部７を有し、 そのボス部７の前記長軸が前記プレート５の長手方向に
   配置されると共に、その平面が最も外側の前記エレメン
   ト６の前記マニホールド部２の外面およびその平面の長
   手方向の端部が前記スペーサ部４の外面に接触し、 夫々の前記プレート５の接触部およびそれとボス部７の
   接触部が互いにろう付け又はハンダ付けにより接合され
   てなるオイルクーラ。