JP4031668B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型の熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、流路が平坦なプレート状容器タイプの積層型の熱交換器は、主にオイルクーラーやガスタービン用の熱交換に使用される熱交換器であり、強度的にも優れた特性を持っている。この積層型の熱交換器としては、かしめタイプの構造と、スタックドタイプの構造が知られている。
【0003】
上記かしめタイプの熱交換器の構造は図9に示すように、プレート状容器91を所定の間隔をおいて積層したもので、プレート状容器91内に一の流体を、このプレート状容器の外側に他の流体を流す。このプレート状容器91は、一組のプレス成形された上下の板体の端部をかしめて閉塞し、プレート状容器91に平坦な流路を形成し、また上下方向に流体が移動する流通路92を形成した構造である。
【0004】
上記容器の端部をかしめることで、ろう付けに必要なクリアランスを確保する。このかしめはプレス成形によって行われるため、プレート状容器91の形状はスタックドタイプに比べて自由である。上記かしめタイプの熱交換器は、プレート状容器内に一の流体しか流せないため、他の流体を流すために全体のプレート状容器を囲うケース93を用いて流路を確保している。
【0005】
一方、上記スタックドタイプの熱交換器の構造は図10に示すように、盆状に成形した板体95を積層し、各層に流体の平坦な流路を形成し、併せて上下方向に流体が移動する流路96,97を形成した形態である。このスタックドタイプの熱交換器では、上記板体95の外周部に立ち下部を形成し、上下の各板体95の上記立ち下部を重ねることで、ろう付けに必要なクリアランスを確保している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上記熱交換器の内、かしめタイプのものは、熱交換器を囲うケース93を用いてプレート状容器91とケース93との間に流路を設ける必要があり、上記ケース93の製造及び装着の費用の負担が少なくないことから、コスト的な問題がある。
【0007】
また、上記スタックドタイプは、板体95同士を重ねた重合部分でろう付けのクリアランスを確保する必要があるため、板体95の形状全体で寸法の管理を行わなければならず高い部品精度が要求され、加えてろう付け(特にニッケルろう)のためのろう付着作業が煩雑であり、また流体の流入流出口の位置はスタックドタイプの構造上、制約があるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で製造容易でありかつ経済性にも優れた熱交換器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る熱交換器は図1乃至図3に示すように、上板体8又は/及び下板体9の周囲部を膨出させて壁構成部12,13を形成し、これら上板体と下板体との間に一の流体が移動する平坦な流路を設け、両板体の周囲部を閉塞したプレート状容器2を成形し、複数積層される上記プレート状容器の上記壁構成部同士を固着して閉塞し、上記壁構成部間の窪み部により、他の流体が移動する流路としての空隙部16を各プレート状容器間に形成し、上記プレート状容器に、上記一の流体及び他の流体がそれぞれ上記プレート状容器間を上下に移動する流路を設けて流体の流入部及び流出部を形成した構成である。
【0010】
また、本発明に係る熱交換器は図6及び図7に示すように、上板体68又は/及び下板体69の左右側部を膨出させて壁構成部76,77を形成し、これら上板体と下板体との間に一の流体が移動する平坦な流路を設け、両板体の周囲部を閉塞したプレート状容器62を成形し、複数積層される上記プレート状容器の上記壁構成部同士を固着して閉塞し、上記壁構成部間の窪み部により、前後方向に他の流体が移動する流路としての空隙部80を各プレート状容器間に形成し、上記プレート状容器に、上記一の流体が上記プレート状容器間を上下に移動する流路を設けて流体の流入部及び流出部を形成する一方、積層した上記プレート状容器の前後の各端部に上記他の流体の流入部及び流出部を形成した構成である。
【0011】
本発明に係る熱交換器は、上記上板体と下板体とが接合される周囲部を、かしめ加工により閉塞して上記プレート状容器を成形した構成である。
【0012】
本発明に係る熱交換器は、上記積層される上端のプレート状容器の上板体又は/及び下端のプレート状容器の下板体にカバープレート82,83を被着し、このカバープレートに孔部を設けて流体の流入口及び流出口を形成した構成である。
【0013】
本発明に係る熱交換器は、上記プレート状容器の上板体と下板体間、又は/及び上記プレート状容器間の空隙部に、上下に屈曲する伝熱用のフィン10,11,70,71を配置した構成である。
【0014】
本発明に係る熱交換器は、上記プレート状容器の壁構成部に、所定の間隔をおいて凹状のビード部30,31を設け、上記プレート状容器内に配置したフィンの上端部及び下端部を、上記ビード部に形成され上記窪み部の面部と同一平面を形成する拡張面部に当接させた構成である。
【0015】
本発明に係る熱交換器は、上記プレート状容器の上記上板体及び上記下板体に、上下に貫通する孔部を設け、上板体の孔部の周囲部を上方に屈曲形成してバーリング部24,25を形成する一方、下板体の孔部の周囲部を下方に屈曲形成してバーリング部を形成し、重ねたプレート状容器の上記バーリング同士を接合して、プレート状容器内の上記一の流体が上下のプレート状容器間を移動する流路を形成した構成である。この流路は、流入口、流出口を取り付けることで流体の流入部及び流出部として利用できる。
【0016】
本発明に係る熱交換器は、上記プレート状容器の上記上板体及び上記下板体に、上下に貫通する孔部を設け、上板体の孔部の周囲部と下板体の孔部の周囲部同士をかしめにより接合して、上記プレート状容器間の上記他の流体が、上下のプレート状容器間を移動する流路を形成した構成である。この流路は、流入口、流出口を取り付けることで流体の流入部及び流出部として利用できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱交換器の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は、第一の実施の形態に係る熱交換器を示したものである。この熱交換器1は、一の流体Aが移動する流路4が形成されたプレート状容器2を有し、当該プレート状容器2が積層された間の窪み部14,15に他の流体Bの流路6が形成された形態である。熱交換器1の上面部には、流体Aの流入部18及び流出部19、流体Bの流入部20及び流出部21が設けられている。上記熱交換器1の材料はステンレス鋼(SUS)製であり、各部材同士の接合はろう付けにより行われる。ろう付けは、ニッケルろう材を用いたものが好適である。
【0018】
この熱交換器は、主に車両のオイルクーラー、EGR、或いはガスタービン用の熱交換に用いられ、流体としては、オイル、水、LLC(エチレングリコール混合液)等の液体、ガス等の気体がある。熱交換器1の材料は、ステンレス鋼材以外にアルミニウム材等が用いられる。
【0019】
上記プレート状容器2は、上板体8及び下板体9との間にフィン10を挟み、両板体8,9を上下に組み合わせて周囲部をかしめ7加工により閉塞したものである。このかしめ7の箇所はろう付けにより固着される。プレート状容器2は、上板体8及び下板体9の周囲をそれぞれ上方及び下方に膨出させ、熱交換器1の側壁を形成する壁構成部12,13を形成し、この壁構成部12,13に囲まれた中央部には凹状の窪み部14,15が形成されている。この窪み部14,15は一様な平坦面に形成されている。このプレート状容器2の基本形状は1種類であり、熱交換に必要な数のプレート状容器2を積層して熱交換器1を構成する。
【0020】
そして、積層した上下のプレート状容器2により形成された窪み部14,15同士の空隙部16にフィン11を挟むとともに、上下の壁構成部12,13同士を密着させる。これら上下の壁構成部12,13同士は、ろう付けにより固着される。上記フィン10,11の高さは流路4,流路6の高さ幅に合致したものが用いられるが、流路4,流路6の高さ幅は熱交換器の使用目的或いは流体の種類に応じて同一或いは適宜の大きさに設定される。また、上記フィン10,11はともに、ステンレス製の板を、断面を矩形状に屈曲形成したもので、流体の熱伝導の効率を高め、併せて好適な流路を形成する。フィン10,11の断面形状は、他に、台形状、波形状或いは鋸状のものがある。
【0021】
また、上記プレート状容器2の壁構成部12,13にはそれぞれ所定の間隔をおいてビード部30,31が上下対称に形成されている。このビード部30,31は、壁構成部12,13の内側を凹状に窪ませたものである。このビード部30,31により、プレート状容器2の上板体8,下板体9には、窪み部14,15の面部とは同一平面状に拡張された拡張面部32,33が形成される。
【0022】
一方、上記フィン10をプレート状容器2の壁構成部12,13まで配置し、フィン10の上端部、下端部が上記拡張面部32,33に当接して上板体8と下板体9間を支持するように構成する。プレート状容器2の壁構成部12,13は、上記ビード部30自体でも強度が高められるが、上記フィン10の支持によって拡張面部32,33の押圧強度が確保され、さらに剛性の高い壁構成部12,13が形成される。
【0023】
上記熱交換器1における流体Aの流入部18及び流出部19は、プレート状容器2の一部に流通経路を設けて各プレート状容器2同士を連通したものである。この流入部18(又は流出部19)は図4(a)に示すように、プレート状容器2の上板体8及び下板体9に、上下に貫通する孔部22,23を設け、上板体8の孔部22の周囲部を上方に屈曲形成してバーリング部24を形成し、下板体9の孔部23の周囲部を下方に屈曲形成してバーリング部25を形成した形態である。
【0024】
上記バーリング部24は詳細には、図4(b)に示すように孔部22の中心に向けて、斜め上方部26、水平部27及び上方屈曲部28が形成され、また上記バーリング部25は、孔部23の中心に向けて、斜め下方部34、水平部35及び上方屈曲部36が形成されている。そして、バーリング部24の水平部27とバーリング部25の水平部35同士、上方屈曲部28と上方屈曲部36同士を、それぞれ密着させ、ろう付けにより固着する。上記バーリング部24,25により、水平部及び屈曲部がろう付けにより接合固着される。
【0025】
また、各バーリング部24,25の上方屈曲部28,36を同一方向に立ち上げていることで、位置決めの役目も果たし組み付け時の精度が良好に確保できる。さらに、プレート状容器2同士は、壁構成部12,13及びバーリング部24,25の両方でろう付けによる固着を行うことから、接合強度などの信頼性が向上する。
【0026】
上記構成により、プレート状容器2を上下に複数積層した場合、上記孔部22,23同士が上下に連通する連通孔38が形成され、プレート状容器2内を流れる流体Aは、この連通孔38を通過して積層したプレート状容器2間を上下に移動する。
【0027】
一方、上記流体Bの流入部20及び流出部21は、プレート状容器2の一部を円形状に閉塞することで各プレート状容器2間の空隙部16を連通したものである。この流入部20(又は流出部21)は図5に示すように、プレート状容器2の上板体8及び下板体9を上下に貫通する孔部42,43を設け、上板体8の孔部42の周囲部を下方に屈曲形成してかしめ内部44を形成し、下板体9の孔部43の周囲部を上方に屈曲形成してかしめ外部45を形成したものである。
【0028】
同図に示すように、上記かしめ内部44は詳細には、斜め下方部46、及び水平部47が孔部42の中心に向けて形成され、また上記かしめ外部45は、斜め上方部48、水平部49及び上記水平部47をかしめにより挟んだ狭持部50が形成され、このかしめ構造によりプレート状容器2の上板体8と下板体9とが円形状に密着して、貫通孔51が形成される。このかしめの箇所は、ろう付けにより固着される。上記かしめにより、プレート状容器2を完全にシールすることができ、耐圧力的にも強固なものとなる。
【0029】
上記流入部20(又は流出部21)の構造により、プレート状容器2を上下に複数積層した場合、上記貫通孔51が上下に連通する連通孔が形成され、プレート状容器2同士の空隙部16間を流れる流体Bは、この貫通孔51を通過して積層したプレート状容器2間の上下移動ができる。
【0030】
そして、熱交換器1の上部に設けられた流体Aの流入部18及び流出部19、流体Bの流入部20及び流出部21には、例えば筒状の流入口及び流出口を取り付けて流体を導く。この際、熱交換器1の上端部及び下端部のプレート状容器2の表面に、後述するカバープレートを被着しこれに上記流入及び流出口を取り付けるのが好適である。また、カバープレートとプレート状容器2との間に適宜な流路を設けることで、所望する任意の位置に流入及び流出口を配置することができて設計の自由度が図れ、併せて熱交換器としての剛性が高められる。
【0031】
また、各流体の流入部と流出部とは、それぞれ対角状の位置に設けているが、これは流体の流れの偏りを防止するためである。勿論、熱交換器の下部側に流出口を設けることとしても良く、要は流体が好適に分散する流路を確保することと、及び熱交換器の配置状況等に基づいて決める。
【0032】
従って、上記実施の形態に係る熱交換器1によれば、熱交換器を囲うケースが不用であるとともに構造が簡単で部品点数も少なくて品質が安定し、製造が容易で経済性にも優れ、また流体の流入口及び流出口の位置も自由で設計の自由度の向上が図れる。また、熱交換器1は、ろう付けの箇所が簡素化されていることから、ニッケルろう材(固くて脆い性質がある)を用いた場合であっても、ろうの塗布工程が簡素化されろう付けが容易かつ良好に行える。
【0033】
図6及び図7は、第二の実施の形態に係る熱交換器61を示したものである。この熱交換器61は上記実施の形態と同様に、一の流体Aが移動する流路64が形成されたプレート状容器62を有し、当該プレート状容器62を壁構成部76,77を接合して積層された間の溝状の空隙部80に、他の流体Bの流路65が形成された形態である。この流路65は、積層されたプレート状容器62の一方向の両側が解放されている点で、上記熱交換器1とは異なる。
【0034】
したがってこの熱交換器61は、プレート状容器62の前後の端部にヘッダー72,73を設けて流体Bの流入口74,流出口75を形成する。また、熱交換器61には、前後の対角位置に流体Aの流入部66及び流出部67が設けられている。さらに、熱交換器61には流体が上下のプレート状容器62間を移動する流路88,89が形成されている。この流路88,89は、上記バーリング部同士の固着、或いはかしめによる固着により形成された貫通孔と同様なものである。またプレート状容器62の壁構成部76,77には、それぞれ対称な位置につぶれ防止用の補強ビード81が窪み状に設けられ、壁構成部76,77を補強している。上記熱交換器61の材料はステンレス鋼製であり、各部材同士の接合はろう付けにより行われる。
【0035】
この熱交換器61についても、主にオイルクーラー、EGR、ガスタービン用の熱交換に用いられ、流体としては、オイル、水、LLC(エチレングリコール混合液)等の液体、ガス等の気体がある。熱交換器61の材料は、ステンレス鋼材以外にアルミニウム材等が用いられる。
【0036】
上記プレート状容器62は、図6に示すように、上板体68及び下板体69との間にフィン70を挟み、両板体68,69を上下に組み合わせて周囲部をかしめ63加工により閉塞したものである。またプレート状容器62は、上板体68及び下板体69がそれぞれ膨出形成された壁構成部76,77間の中央部には、溝状の窪み部78,79が形成されている。このプレート状容器62の基本形状は1種類であり、熱交換に必要な数のプレート状容器62を積層して熱交換器61を構成する。
【0037】
そして、積層した上下のプレート状容器62の溝状の窪み部78,79間に形成された空隙部80にフィン71を挟むとともに、上下の壁構成部76,77同士を密着させる。これら、上下の壁構成部76,77同士は、ろう付けにより固着される。上記フィン70,71はともに、ステンレス製の板を、断面を鋸状に屈曲形成したもので、流体の熱伝導の効率を高め、併せて好適な流路を形成する。フィン70,71の断面形状は、他に、矩形状、台形状或いは波形状のものがある。
【0038】
上記流体Aの流入部66及び流出部67の構造は、第一の実施形態に係る流入部18及び流出部19と同様、プレート状容器62の上板体68及び下板体69にそれぞれバーリング部を形成してろう付けにより固着し、上下に連通する連通孔を形成したものである。そして、プレート状容器62を上下に複数積層した場合、上記流入部66及び流出部67には上下に連通する連通孔84,85が形成され、プレート状容器62の内部を流れる流体Aは、この連通孔84,85を通過して積層したプレート状容器62間を上下に移動する。
【0039】
図7及び図8に示すように、熱交換器61の上面部(最上部の上板体68)及び下面部(最下部の下板体69)には、カバープレート82,83を被着固定して補強する。そして、プレート状容器62の流入部66及び流出部67に対応する部位において、カバープレート82(83)に孔部を設けて筒状の流体の流入口86及び流出口87を取り付ける。カバープレート82,83は、ろう付けによりプレート状容器62の表面に固着される。
【0040】
この熱交換器61は、積層された上記プレート状容器62の溝状の窪み部78,79に他の流体Bの流路65が形成され、プレート状容器62の一方向の両側が解放されている。この解放された部位には、図7に示す流体Bの流入口74としての流入ヘッダー72、及び流出口75としての流出ヘッダー73を取付ける。これらヘッダー72,73は筒状をなし、積層されたプレート状容器62の前後の端部の全体を覆う形態で配置する。流入ヘッダー72から流入した流体Bは、そのまま同じ方向に形成される流路65を移動して、流出ヘッダー73から流出する。
【0041】
また、上記カバープレート82(83)における流入口86及び流出口87の位置は、プレート状容器62との間に適宜な流路を設けることで、所望する任意の位置に配置することが可能であり、設計の自由度が図れる。カバープレート82(83)は主に、流入口、流出口の取り付け箇所の剛性を確保するが、併せて熱交換器としての剛性を高めるものでもある。
【0042】
従って、上記実施の形態に係る熱交換器61においても、第一の実施の形態と同様な効果が得られ、構造が簡単で経済性に優れ、ろう付けが簡素化されるので製造が容易であり、また流体の流入流出口の位置の自由度もある。さらに熱交換器61では、一方の流体の流路を直線状に形成したから流体の圧力損失が少なくなり、EGR等の熱交換用として好適である。また、プレート状容器62間を移動する流路88,89により、流体の流路の偏りが防止できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る熱交換器によれば、上板体と下板体との間に一の流体が移動する平坦な流路を設けたプレート状容器を成形し、各プレート状容器間に他の流体の流路としての空隙部を形成した構成の採用により、熱交換器を囲うケースが不用であるとともに構造が簡単であり、製造容易で経済性に優れ、また流体の流入口及び流出口の位置の設計の自由度も高い、という効果を奏する。
【0044】
また、本発明に係る熱交換器によれば上板体と下板体との間に一の流体が移動する平坦な流路を設けたプレート状容器を成形し、各プレート状容器間に前後方向に他の流体が移動する流路としての空隙部を形成した構成の採用により、上記効果と同様に、構造が簡単で経済性に優れ設計の自由度も高いといった効果に加えて、一方の流体の流路を直線状に形成したので流体の圧力損失が少ないという効果がある。
【0045】
本発明に係る熱交換器によれば、プレート状容器にカバープレートを被着し、このカバープレートに流体の流入口及び流出口を形成したから、プレート状容器が補強され、併せて流体の流入口及び流出口の位置が自由で設計の自由度が向上するという効果がある。
【0046】
本発明に係る熱交換器によれば、プレート状容器の壁構成部にビード部を設けたから、プレート状容器の壁構成部の押圧強度が確保され、剛性の高いプレート状容器が得られるという効果がある。
【0047】
本発明に係る熱交換器によれば、上板体の孔部のバーリング部と下板体の孔部のバーリング部同士を接合して、プレート状容器内の流体の流路を形成したから、流体の移動流路が確保されるとともに、プレート状容器同士の接合固着の信頼性が向上し、併せて位置決めの役目も果たし組み付け時の精度が良好に確保できるという効果がある。
【0048】
本発明に係る熱交換器によれば、上板体の孔部の周囲部と下板体の孔部の周囲部同士をかしめにより接合したから、流体の移動流路が確保されるとともに、プレート状容器を完全にシールすることができ、耐圧力的にも強固であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る熱交換器の分解斜視図である。
【図2】第一の実施の形態に係り、(a)は平面を、(b)は断面を示す図である。
【図3】第一の実施の形態に係り部分的な斜視図である。
【図4】第一の実施の形態に係り、(a)はバーリングによる貫通孔を、(b)は部分詳細図を示す図である。
【図5】第一の実施の形態に係り、かしめによる貫通孔を示す図である。
【図6】第二の実施の形態に係る熱交換器の分解斜視図である。
【図7】第二の実施の形態に係り、(a)は平面を、(b)は長尺方向の断面を、(c)は短尺方向の断面を示す図である。
【図8】第二の実施の形態に係る部分断面を示す図である。
【図9】従来例に係るかしめタイプの積層型熱交換器を示す図である。
【図10】従来例に係るスタックドタイプの積層型熱交換器を示す図である。
【符号の説明】
2,62 プレート状容器
4,6,64,65 流路
8,68 上板体
9,69 下板体
10,11,70,71 フィン
12,13,76,77 壁構成部
16,80 空隙部
18,20,66 流入部
19,21,67 流出部
24,25 バーリング部
30,31 ビード部
82,83 カバープレート
Claims (2)
- 上板体又は/及び下板体の周囲部を膨出させて壁構成部を形成し、これら上板体と下板体との間に一の流体が移動する平坦な流路を設け、両板体の周囲部をかしめ加工により閉塞したプレート状容器を成形し、
複数積層される上記プレート状容器の上記壁構成部同士を固着して閉塞し、上記壁構成部間の窪み部により、他の流体が移動する流路としての空隙部を各プレート状容器間に形成し、
上記プレート状容器に、上記一の流体及び他の流体がそれぞれ上記プレート状容器間を上下に移動する流路を設けて流体の流入部及び流出部を形成し、
上記積層される上端のプレート状容器の上板体又は/及び下端のプレート状容器の下板体にカバープレートを被着し、このカバープレートに孔部を設けて流体の流入口及び流出口を形成し、
上記プレート状容器の上板体と下板体間、又は/及び上記プレート状容器間の空隙部に、上下に屈曲する伝熱用のフィンを配置し、
上記プレート状容器の壁構成部に、所定の間隔をおいて凹状のビード部を設け、上記プレート状容器内に配置したフィンの上端部及び下端部を、上記ビード部に形成され上記窪み部の面部と同一平面を形成する拡張面部に当接させ、
上記プレート状容器の上記上板体及び上記下板体に、上下に貫通する孔部を設け、上板体の孔部の周囲部を上方に屈曲形成してバーリング部を形成する一方、下板体の孔部の周囲部を下方に屈曲形成してバーリング部を形成し、重ねたプレート状容器の上記バーリング部同士を接合して、プレート状容器内の上記一の流体が上下のプレート状容器間を移動する流路を形成し、
上記プレート状容器の上記上板体及び上記下板体に、上下に貫通する孔部を設け、上板体の孔部の周囲部と下板体の孔部の周囲部同士をかしめにより接合して、上記プレート状容器間の上記他の流体が、上下のプレート状容器の空隙部間を移動する流路を形成したことを特徴とする熱交換器。 - 上板体又は/及び下板体の左右側部を膨出させて壁構成部を形成し、これら上板体と下板体との間に一の流体が移動する平坦な流路を設け、両板体の周囲部をかしめ加工により閉塞したプレート状容器を成形し、
複数積層される上記プレート状容器の上記壁構成部同士を固着して閉塞し、上記壁構成部間の窪み部により、前後方向に他の流体が移動する流路としての空隙部を各プレート状容器間に形成し、
上記プレート状容器に、上記一の流体が上記プレート状容器間を上下に移動する流路を設けて流体の流入部及び流出部を形成する一方、積層した上記プレート状容器の前後の各端部に上記他の流体の流入部及び流出部を形成し、
上記積層される上端のプレート状容器の上板体又は/及び下端のプレート状容器の下板体にカバープレートを被着し、このカバープレートに孔部を設けて流体の流入口及び流出口を形成し、
上記プレート状容器の上板体と下板体間、又は/及び上記プレート状容器間の空隙部に、上下に屈曲する伝熱用のフィンを配置し、
上記プレート状容器の壁構成部に、所定の間隔をおいて凹状のビード部を設け、上記プレート状容器内に配置したフィンの上端部及び下端部を、上記ビード部に形成され上記窪み部の面部と同一平面を形成する拡張面部に当接させ、
上記プレート状容器の上記上板体及び上記下板体に、上下に貫通する孔部を設け、上板体の孔部の周囲部を上方に屈曲形成してバーリング部を形成する一方、下板体の孔部の周囲部を下方に屈曲形成してバーリング部を形成し、重ねたプレート状容器の上記バーリング同士を接合して、プレート状容器内の上記一の流体が上下のプレート状容器間を移動する流路を形成し、
上記プレート状容器の上記上板体及び上記下板体に、上下に貫通する孔部を設け、上板体の孔部の周囲部と下板体の孔部の周囲部同士をかしめにより接合して、上記プレート状 容器間の上記他の流体が、上下のプレート状容器の空隙部間を移動する流路を形成したことを特徴とする熱交換器。
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