JP3064328U - 工事用簡易組立足場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物構造に負担をかけることなく確実に支持
できる安全性の高い工事用簡易組立足場を得る。 【解決手段】 窓の周囲の壁部分５を内側及び外側から
挟み込んでボルト−ナット等によるクランプ手段によっ
てクランプする内側縦方向足場部材２及び外側縦方向足
場部材３と、これら縦方向足場部材２、３を連結する横
方向足場部材８と、外側縦方向足場部材３の下側端部に
連結した張出横方向足場部材９と、横方向足場部材８及
び張出横方向足場部材９の外方端部に連結した張出縦方
向足場部材１０と、横方向足場部材８、９間に張り渡し
た足場プレート部材１３と、壁面及び窓枠保護用パッキ
ン部材４、１２とにより構成し、各足場部材をＬ字状ア
ングル部材又はコの字状のチャンネル部材により構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建物の外壁の工事をするため窓回りに組み付ける工事用簡易組立足 場に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来このような工事用簡易組立足場としては、実開平３−９８２５２号公報に 記載のように窓枠自体に組み付けるものや、実開平５−６１３４６号公報又は実 開平６−１６６００号公報に記載のように室内の天井、床及び室内の壁に支持し て使用するものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような従来の簡易組立足場によっては、窓枠や室内の天井面及び 床面でのみ荷重を支持するようにしているため、建物の構造に負担がかかり、ま た安全面でも不安があった。

【０００４】 従って、本考案の目的は、建物構造に負担をかけることなく確実に支持できる 安全性の高い工事用簡易組立足場を得るにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案による工事用簡易組立足場は、 窓の周囲の壁を内側及び外側から挟み込みクランプ手段により相互に連結して 窓の上側部分及び下側部分で壁をクランプするそれぞれ左右１対の内側縦方向足 場部材及びこれら内側縦方向足場部材よりも長い外側縦方向足場部材と、 これら左右の内側縦方向足場部材と外側縦方向足場部材とを相互に連結すると ともに窓の外側に足場プレートの幅を越えて突出する上下それぞれ１対の横方向 足場部材と、 これら横方向足場部材の窓の外側に突出する側の端部に連結する１対の張出縦 方向足場部材と、 前記１対の外側縦方向足場部材及び１対の張出縦方向足場部材のそれぞれの下 方端部を連結する張出横方向足場部材と、 左右の前記横方向足場部材及び張出横方向足場部材に張り渡すよう横方向足場 部材に連結する足場プレート部材と、 各部材と窓枠との間に介在させる保護用パッキン部材と により構成し、 前記足場部材をＬ字状アングル部材又はコの字状のチャンネル部材により構成 した ことを特徴とする。

【０００６】 本考案によれば、壁を内側と外側からサンドイッチ状に挟み付けるＬ字状アン グル部材又はコの字状のチャンネル部材により構成した内側縦方向足場部材と外 側縦方向足場部材の大きな支持面積で壁の内側面及び外側面に圧着し、安定した 状態で確実に支持される。

【０００７】 本考案の好適な実施例においては、左右の足場部材構成のそれぞれにおいて、 前記外側縦方向足場部材と、張出縦方向足場部材と、上下１対の前記横方向足場 部材と、張出横方向足場部材とを折り畳み自在の一体ユニットとして構成し、上 方の前記横方向足場部材の室内側端部の近傍の上面に上方に突出する壁衝合突起 を設け、下方の前記横方向足場部材の室内側端部の近傍の下面に下方に突出する 壁衝合突起を設ける。

【０００８】 この構成によれば、左右の足場部材構成のそれぞれが、内側縦方向足場部材を 除いて折り畳み自在の一体ユニットとして構成されているため、この一体ユニッ トを折り畳んだ状態で窓から外側に突き出した後で展開し、横方向足場部材の上 下に突出する各壁衝合突起を窓の縁に引っ掛けて仮止めし、内側縦方向足場部材 を上下の横方向足場部材に緊締してからユニットを展開状態に緊締するだけでよ く、窓への組み付けが極めて迅速に行える。

【０００９】 本考案の好適な実施例においては、内側縦方向部材の両側の端部を床面及び天 井面に圧着させる。この構成によれば、一層荷重が分散され、建物構造に対する 負担を軽くし、確実に支持できる。

【００１０】 本考案の他の好適な実施例においては、互いに隣接する窓にそれぞれ設けた足 場の横方向足場部材又は張出足場部材全体にわたり張り渡す拡張足場プレート部 材を設ける。

【００１１】

【考案の実施の形態】

次に、図面につき本考案の好適な実施の形態を説明する。

【００１２】 図１は、本考案による工事用簡易組立足場を窓に組み付けた状態を示す。本考 案によれば、サッシの窓ガラス１を取り外す必要はなく、窓ガラス１を中央に寄 せて窓を開放し、開放した隙間を通して足場の組み付け作業及び足場組み付け後 の工事のための出入りを行う。

【００１３】 本考案によれば、Ｌ字状アングル部材により構成した左右１対の内側縦方向足 場部材２及びこの内側縦方向足場部材２よりも長い外側縦方向足場部材３をそれ ぞれ壁面保護用パッキン４を介在させて窓の周囲の壁部分５の内側及び外側に当 接する。特に、図２に示すように、これら壁部分５をサンドイッチ状に挟んだ内 側縦方向足場部材２及び外側縦方向足場部材３をボルト６及びナット７等による クランプ手段により相互連結して双方の足場部材２，３を窓回りの壁部分５にク ランプする。

【００１４】 このとき外側縦方向足場部材３には、横方向足場部材８並びに張出横方向足場 部材９、またできれば横方向足場部材８及び張出横方向足場部材９の外側端部に 連結した張出縦方向足場部材１０、及び、好適には、補強用ブレース１１を折り 畳み可能に仮止めしておく。これら足場部材は、Ｌ字状アングル部材又はコの字 状チャンネル部材を使用する。

【００１５】 この折り畳み状態で外側足場組立体全体を窓の外側に配置し、次に横方向足場 部材８を外側縦方向足場部材３に対して直角になるよう展開し、ボルト−ナット 等によるクランプ手段によって内側縦方向足場部材２とともに窓回りの壁部分５ をクランプする。このとき、横方向足場部材８と窓枠との間には窓枠保護用パッ キン１２を介在させておく（図３参照）。

【００１６】 次に、横方向足場部材８を各縦方向足場部材２，３，１０にボルト−ナット等 によるクランプ手段によって緊締し、また張出横方向部材９を外側縦方向足場部 材３及び張出縦方向足場部材１０にクランプ手段によって緊締する。同様に、補 強用ブレース１１によって外側縦方向足場部材３及び張出縦方向足場部材１０相 互を連結する。

【００１７】 最後に、左右１対の横方向足場部材８間、及び張出横方向足場部材１０間に、 それぞれ足場プレート１３を固定する。更に、互いに隣接する窓に組み付けた足 場の横方向足場部材８、及び張出横方向足場部材１０全体にわたる拡張足場プレ ート（図示せず）を用意しておくと隣接する窓間の外壁部分の工事や改修作業を 行うことができるようになり好適である。

【００１８】 横方向足場部材８は、内側縦方向足場部材２、外側縦方向足場部材３、及び張 出縦方向足場部材１０を相互連結し、窓の外側に足場プレート１３の幅を越えて 突出する長さを有する。張出横方向足場部材９は外側縦方向足場部材３、及び張 出縦方向足場部材１０を相互連結し、足場プレート１３の幅を越えて突出する長 さを有する。図示の実施例では下側の横方向足場部材８にコの字状のチャンネル 部材を使用し、それ以外の足場部材はＬ字状のアングル部材を使用する。

【００１９】 内側縦方向部材２の軸線方向の両側の端部にそれぞれを床面及び天井面に圧着 する床面圧着部材及び天井面圧着部材（図示せず）を取付可能にすると好適であ る。さらに、ボルト６、ナット７を、チェーン又はひも等により使用する足場部 材の対応箇所に予め結び付けておくと、足場の組立て、分解の際に落下するのを 防止することが出来、安全性が増す。

【００２０】

【実施例】

図４には本考案の好適な実施例を示する。この実施例においては、左右の足場 部材構成のそれぞれが、内側縦方向足場部材２を除いて、外側縦方向足場部材３ と、張出縦方向足場部材１０と、上下１対の前記横方向足場部材８と、張出横方 向足場部材９とにより折り畳み自在の一体ユニットを構成するようにする。この 実施例の場合、補強用ブレース１１を図３に示す実施の形態におけるよりも長く し、図面で見て下方のボルト挿通孔を長孔１４として構成し、また壁の縁にユニ ットを仮止めするため、上下の横方向足場部材からそれぞれ上方及び下方に突出 する壁衝合突起１５を設ける。この壁衝合突起は横方向足場部材の長手方向に調 整自在に取り付け可能にする。

【００２１】 この一体ユニットを折り畳んだ状態で窓から外側に突き出した後で展開し、横 方向足場部材の上下に突出する各壁衝合突起を窓の縁に引っ掛けて仮止めし、内 側縦方向足場部材を上下の横方向足場部材に緊締してからユニットを展開状態に 緊締する。この実施例によれば、窓への組み付けが極めて迅速に行えて作業性が よいとともに、組み付けの際にボルト及びナットが落下する恐れがなく安全性も 高い。

【００２２】

【考案の効果】

本考案によれば、広い面積を有するＬ字状アングル部材又はコの字状チャンネ ル部材により構成した縦方向足場部材によって窓回りの壁部分を挟み付けて固定 するため、荷重支持面積が大きくまた広い荷重支持面積で荷重が分散され、安定 した状態で確実に足場を窓回りに固定することができる。

【００２３】 更に、拡張足場プレートを使用することによって互いに隣接する窓間の外壁部 分に対する工事又は改修作業を行うことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による工事用簡易組立足場の好適な実
施の形態を窓回りに取り付けた状態を示す線図的説明図
である。

【図２】 窓回りの壁部分を挟み付ける内側縦方向足場
部材及び外側縦方向足場部材、並びにこれら縦方向足場
部材に連結する横方向足場部材との取付状態を示す線図
的説明図である。

【図３】 本考案による工事用簡易組立足場を窓回りの
壁にクランプした状態の一部断面とする側面図である。

【図４】 本考案による工事用簡易組立足場の好適な実
施例の図３と同様の側面図である。

【符号の説明】

１ 窓ガラス ２ 内側縦方向足場部材 ３ 外側縦方向足場部材 ４ 壁面保護用パッキン ５ 壁部分 ６ ボルト ７ ナット ８ 横方向足場部材 ９ 張出横方向足場部材 10 張出縦方向足場部材 11 補強用ブレース 12 窓枠保護用パッキン 13 足場プレート 14 長孔 15 壁衝合突起

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の外壁の工事又は改修をするため窓
   回りに組み付ける工事用簡易組立足場において、 窓の周囲の壁を内側及び外側から挟み込みクランプ手段
   により相互に連結して窓の上側部分及び下側部分で壁を
   クランプするそれぞれ左右１対の内側縦方向足場部材及
   びこれら内側縦方向足場部材よりも長い外側縦方向足場
   部材と、 これら左右の内側縦方向足場部材と外側縦方向足場部材
   とを相互に連結するとともに窓の外側に足場プレートの
   幅を越えて突出する上下それぞれ１対の横方向足場部材
   と、 これら横方向足場部材の窓の外側に突出する側の端部に
   連結する１対の張出縦方向足場部材と、 前記１対の外側縦方向足場部材及び１対の張出縦方向足
   場部材のそれぞれの下方端部を連結する張出横方向足場
   部材と、 左右の前記横方向足場部材及び張出横方向足場部材に張
   り渡すよう横方向足場部材に連結する足場プレート部材
   と、 各部材と窓枠との間に介在させる保護用パッキン部材と
   により構成し、 前記足場部材をＬ字状アングル部材又はコの字状のチャ
   ンネル部材により構成したことを特徴とする工事用簡易
   組立足場。
2. 【請求項２】 左右の足場部材構成のそれぞれにおい
   て、前記外側縦方向足場部材と、張出縦方向足場部材
   と、上下１対の前記横方向足場部材と、張出横方向足場
   部材とを折り畳み自在の一体ユニットとして構成し、上
   方の前記横方向足場部材の室内側端部の近傍の上面に上
   方に突出する壁衝合突起を設け、下方の前記横方向足場
   部材の室内側端部の近傍の下面に下方に突出する壁衝合
   突起を設けた請求項１記載の工事用簡易組立足場。
3. 【請求項３】 内側縦方向足場部材の両側の端部を床面
   及び天井面に圧着させた請求項１又は２記載の工事用簡
   易組立足場。
4. 【請求項４】 互いに隣接する窓にそれぞれ設けた足場
   の横方向足場部材又は張出足場部材相互にわたり張り渡
   す拡張足場プレート部材を設けた請求項１乃至３のうち
   のいずれか一項に記載の工事用簡易組立足場。