JP3064199B2 - ケーブル被覆層切断工具 - Google Patents

ケーブル被覆層切断工具

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JP3064199B2
JP3064199B2 JP7057441A JP5744195A JP3064199B2 JP 3064199 B2 JP3064199 B2 JP 3064199B2 JP 7057441 A JP7057441 A JP 7057441A JP 5744195 A JP5744195 A JP 5744195A JP 3064199 B2 JP3064199 B2 JP 3064199B2
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正弘 坂場
永男 松橋
誠太郎 鈴木
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  • Removal Of Insulation Or Armoring From Wires Or Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯線の外周に被覆層を
設けてなるケーブルの被覆層を切断除去するケーブル被
覆層切断工具に係り、特に、芯線に外傷を負わせること
なく被覆層のみを切断除去できるケーブル被覆層切断工
具に関する。
【0002】
【従来の技術】電線・ケーブル等は、その機能上、芯線
(導体)の外周に被覆層(絶縁体)が被覆されて構成さ
れている。従って、これらケーブル相互の接続や、ケー
ブルと他の機器との接続に際しては、被覆層の切断除去
が必要となる。従来、施工現場で行う被覆層の切断除去
作業には、駆動源の必要のない電工ナイフやカッターナ
イフが広く使用されてきた。しかし、作業の省力化や効
率化の観点から、駆動源を用いた被覆層の切断工具の開
発が望まれていた。
【0003】そこで、この種のケーブル被覆層切断工具
として、図7に示すものが開発されるに至っている(例
えば実開平2-142912号公報、特開平4-112608号公報
等)。図示するように、この被覆層切断工具aは、回転
電動工具等の回転軸に連結された筒型電線ガイドbと、
筒型電線ガイドbの側面に開口された窓部cに取り付け
られた切断刃dとを備えており、筒型電線ガイドb内に
ケーブルeを挿入した後、筒型電線ガイドbを回転電動
工具によって回転させることにより、ケーブルeの被覆
層fを切断刃dで螺旋状に切断除去して芯線gを露出さ
せるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のケーブ
ル被覆層切断工具aは、切断刃dの刃部の先端部hがケ
ーブルeの芯線gと被覆層fとの際に位置されているた
め、芯線gに切断刃dによる外傷が発生しやすいという
致命的な問題がある。通常、芯線gの外傷防止の観点か
ら、筒型電線ガイドbの内径とケーブル被覆層fの外径
との差(ギャップ)をできるだけ小さく設定するが、ギ
ャップが零では摩擦が大きくなり筒型電線ガイドbが回
転しなくなる。他方、工業的に量産される電線やケーブ
ルeは、各メーカーがそれぞれの製造公差で製造するた
め、ケーブル被覆層fの外径にバラつきが生じ、ギャッ
プが大きくなる場合もある。この場合、筒型電線ガイド
b内のケーブルeが上記ギャップの範囲で移動するた
め、切断刃dによる芯線gの外傷が避けられない。
【0005】また、電線やケーブルeは、芯線gおよび
被覆層fのサイズ(直径)が数多くあり、しかも適用場
所によって切断すべき被覆層fの軸方向の長さも異なる
ため、これら全てに対応するためには切断刃d付きの筒
型電線ガイドbを各サイズごとに準備し、それら全てを
作業現場に搬入する必要がある。すなわち、機材準備の
不合理性とコスト高の問題がある。さらに、使用する切
断刃dが特殊な形状であるため、量産性と製造コストに
も問題がある。
【0006】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、芯線に外傷を負わせることなく被覆層のみを切
断除去できるケーブル被覆層切断工具を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は次のように構成されている。
【0008】回転軸に連結される筒体状のケーブルガイ
ドの側面に、その内外を連通する窓部を開口し、該窓部
に、ケーブルガイド内に挿入されるケーブルの被覆層を
芯線から切断除去するための切断刃を取り付けたケーブ
ル被覆層切断工具において、上記切断刃を、その刃部が
ケーブルガイドの回転方向前方側に位置するようにケー
ブル挿入方向に対して傾斜して配置し、該切断刃の刃部
を、ケーブルガイドの回転方向前側を平板状に後側を傾
斜状に形成し、且つ該刃部の先端部を、ケーブルの断面
において、芯線外周の水平方向接線と垂直方向接線と芯
線外周の三者に囲まれた領域に芯線から離して配置する
と共に、上記ケーブルガイドと回転軸との間に、筒体状
に形成されたアタッチメントを着脱自在に取り付け、該
アタッチメントの内部にストッパを軸方向にスライド自
在に収容し、該ストッパは、上記アタッチメントの内部
を軸方向に自在にスライドする大径部と、該大径部から
上記ケーブルガイド側へと突出して形成されて、被覆層
が切断除去されてケーブルガイドを貫通したケーブルの
芯線の先端面が当接する小径部とからなり、当該ストッ
パに、これを任意のスライド位置にて固定する固定手段
を設けると共に、上記アタッチメントの外面に、当該ス
トッパのスライド量を表示する目盛りを設けて構成され
ている。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】この構成によれば、回転軸により回転駆動され
る筒体状のケーブルガイド内にケーブルを挿入すると、
ケーブルガイド側面の窓部に取り付けられた切断刃がケ
ーブルの外周を回転しつつ被覆層を螺旋状に切り込み、
ケーブルの被覆層が芯線から切断除去され、窓部から排
出される。
【0013】詳しくは、切断刃は、ケーブル挿入方向に
対して傾斜して配置されているので、ケーブルの挿入方
向とケーブルガイドの回転方向とのベクトル和の方向に
切り込みを開始する。ここで、切断刃は、その刃部の先
端部が芯線から離れているため、刃部先端部と芯線外周
との間の被覆層(被覆層の最下層部)を芯線から切り離
すことはできないように思える。
【0014】しかし、切断刃がケーブルガイドと一体に
回転すと、切断刃の刃部先端部と固定側であるケーブル
の被覆層との間に著しい摩擦力が発生し、この摩擦力に
よる剪断力によって被覆層の最下層部が剪断され、切断
刃に沿って上方に押し上げられて窓部から排出される。
【0015】このように、切断刃を芯線から離して配置
し、切断刃の回転力によって被覆層の最下層を剪断する
ため、芯線に外傷を負わせることなく被覆層のみが切断
除去される。
【0016】更に、ケーブルガイドと回転軸との間に、
筒体状に形成されたアタッチメントを取り付けることに
より、上述の如く被覆層が切断除去されてケーブルガイ
ドを貫通したケーブルの芯線は、その先端面がアタッチ
メントの内部に収容されたストッパの小径部に当接し、
それ以上のケーブルの挿入が妨げられる。従って、ケー
ブルの芯線がストッパに当接した時点で、被覆層の切断
除去が終了する。
【0017】よって、上記ストッパをアタッチメントの
外面に表示された目盛りに基づいて軸方向にスライドさ
せ、所望の位置にて固定手段により固定することによ
り、切断除去すべき被覆層のケーブル軸方向の長さを調
節できる。
【0018】
【0019】
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0021】本実施例に係るケーブル被覆層切断工具1
は、図6に示すように、電動回転工具等の回転軸に着脱
自在に接続される筒状のアタッチメント2と、アタッチ
メント2に着脱自在に連結される筒状のケーブルガイド
3と、ケーブルガイド3の側面に開口された窓部4に取
り付けられた切断刃5を備えている。そして、電動回転
工具の回転軸のチャックにアタッチメント2の駆動源取
付部11を嵌合させ、アタッチメント2を介してケーブ
ルガイド3を回転させることにより、ケーブルガイド3
の一端に開口されたケーブル挿入口6から挿入されたケ
ーブル7の被覆層8を、ケーブルガイド3と一体的に回
転する切断刃5によって螺旋状に切り込み、芯線9から
切断除去するものである。
【0022】上記アタッチメント2が接続される回転軸
の駆動源は、電動回転工具に限らず、油圧またはエアー
等によって駆動される工具等を使用してもよい。なお、
狭い作業現場での使用を考慮すると、バッテリータイプ
のドリルが好適である。この種のドリルは、小型軽量で
各種性能のものが市販されているため、これらから好適
なものを選定して使用すればよい。特に、ドライバード
リルが適している。
【0023】上記アタッチメント2は、ケーブル被覆層
8の軸方向の切断長さを調節する機能と、電動回転工具
の回転力を切断刃5付きケーブルガイド3に伝達する機
能を有している。このアタッチメント2には、図5に示
すように、一端部にケーブルガイド3を装着するための
装着部10が形成されると共に、他端部にドライバード
リル等の駆動源の回転軸を連結するための駆動源取付部
11が形成されている。また、アタッチメント2の内部
には、ストッパ13がスライド自在に収容されている。
かかるアタッチメント2は、比較的形状が簡単であり加
工が容易であるため、一般的な金属材料(鉄、アルミ、
チタン、銅合金等)や、エンジニアリングプラスチック
(ナイロン等)を用いて、機械加工、型により製作さ
れる。
【0024】駆動源取付部11は、ドライバードリル等
の電動回転工具の回転軸に設けられたチャック(図示せ
ず)に嵌合されるべく、円柱状または多角形状に形成さ
れている。このため、磨耗防止の観点から鉄やステンレ
ス等のような硬い材質を使用することが好ましい。
【0025】筒体状のアタッチメント2の側面には、そ
の長手方向に長穴14が形成されている。長穴14に
は、ストッパ13に一体的に設けられた表示部15が、
係合されて案内されるようになっている。長穴14に沿
った本体12の外面には、ストッパ13のスライド量を
表示する目盛り16が設けられている。なお、目盛り1
6は、長穴14の両側に設けてもよい。この構成によれ
ば、ストッパ13のスライド位置は、表示部15および
目盛り16によって把握できる。
【0026】ストッパ13は、大径部17と、小径部1
8と、表示部15と、固定手段19とから構成されてお
り、図6に示すように被覆層8が切断除去されてケーブ
ルガイド3を貫通した芯線9の先端面が小径部18と
接することにより、被覆層8の切断寸法を決定するもの
である。大径部17は、本体12の内径より僅かに小径
に形成されており、本体12内を自在にスライドできる
ようになっている。小径部18は、大径部17からケー
ブルガイド3側へ突出して形成され、図6に示すケーブ
ルガイド3の芯線挿入口20が小さい場合であっても、
ストッパ13がその芯線挿入口20に引っ掛かることな
く寸法の短い領域へ移動できるようにするためのもので
ある。
【0027】仮に、ストッパ13が大径部17のみであ
るとすると、そのストッパ13を寸法の短い領域(図中
右方向)へ移動させると、大径部17が芯線挿入口20
に引っ掛かってしまい、被覆層8の切断寸法を短くする
ことができなくなることがある。すなわち、本実施例の
ように、大径部17に連ねて同芯的に小径部18を設け
ることにより、アタッチメント2およびケーブルガイド
3を大型化せずに、幅広い切断寸法を得ることができる
のである。なお、ケーブルガイド3については後述する
が、様々なサイズのものがデタッチャブルとなってお
り、芯線挿入口20が図6のものより小さいものもあ
る。
【0028】固定手段19は、大径部17に形成された
ネジ穴21と、そのネジ穴21に長穴14を挿通して螺
合されるネジ22とから構成されている。この構成によ
れば、ネジ22をネジ穴21に締め付けることにより、
ネジ22の頭部が長穴14の縁部に押し付けられて、ス
トッパ13が任意のスライド位置で固定される。なお、
上記ネジ22の代わりに、手で締め込むことができる蝶
ボルト等を用いてもよい。
【0029】ケーブルガイド3が装着される装着部10
は、アタッチメント2の一端に開口された開口部の内側
を、断面多角形状の凹部23として構成されている。本
実施例にあっては、この凹部23に挿入されるケーブル
ガイド3の嵌合部24が図3に示すように断面六角形状
の凸部25となっているため、上記凹部23も断面六角
形状に形成されている。上記凸部25の少なくとも一面
には、引き抜け防止用の係合溝26が形成されている。
この係合溝26が対向する凹部23の一面には、バネ2
7等の付勢手段によって係合溝26に押し付けられて係
合されるボール状の引抜け防止部材28が設けられてい
る。
【0030】ケーブルガイド3の概要を図3に示す。図
示するように、ケーブルガイド3は、筒体状に形成され
たガイド本体29と、ガイド本体29の一端面に開口さ
れたケーブル挿入口6と、それに連接された芯線挿入口
20と、ガイド本体29の側面にその内外を連通して開
口された窓部4と、窓部4に取り付けられケーブル挿入
口6から挿入されたケーブル7の被覆層8を芯線9から
切断除去するための切断刃5と、当該ケーブルガイド3
を前述のアタッチメント2に接続するための嵌合部24
とから構成されている。嵌合部24は、上記アタッチメ
ント2の凹部23に係合する断面六角形状の凸部25か
ら構成されている。
【0031】かかるケーブルガイド3は、比較的形状が
簡単であり加工が容易であるため、一般的な金属材料
(鉄、アルミ、チタン、銅合金等)や、エンジニアリン
グプラスチック(ナイロン等)を用いて、機械加工、注
型により製作される。、また、ケーブルガイド3は、被
覆層8および芯線9の異なった各サイズのケーブル7ご
とに複数種類用意されている。よって、ケーブルガイド
3の外表面に、適用する芯線9および被覆層8のサイズ
を表示すれば、選別に好都合である。
【0032】ガイド本体3の内部には、大径のケーブル
挿入穴6と、小径の芯線挿入穴20とが連続して形成さ
れている。ケーブル挿入穴6の部分には上記窓部4が形
成され、芯線挿入穴20の外側には上記嵌合部24が設
けられている。ケーブル挿入口6の内径は、これに挿入
されるケーブル7の外径より僅かに大径に形成されてい
る。すなわち、ケーブルガイド3内にケーブル7を挿入
してケーブルガイド3を回転させたとき、ケーブル挿入
口6の内周面とケーブル7の外周面との間で摩擦が発生
しない程度の裕度が設けられている。この裕度を小さく
すればするほど、ケーブル7とケーブル挿入口6とがフ
ィットするため、被覆層8の切断時に切断刃5が芯線9
を傷付ける虞が小さくなる。
【0033】しかし、ケーブル7は、多くのメーカーで
工業的に大量生産され、しかも各メーカーごとに異なっ
た製造公差を採用しているため、余りに小さい裕度では
ケーブル7をケーブルガイド3に挿入できない事態が発
生する。他方、裕度を過大に設定すると、被覆層8の切
断時にその裕度に範囲内で切断刃5が変動するため、切
断刃5が芯線9を傷付ける虞が大きい。そこで、上記裕
度は、被覆層8の切断時にその裕度の範囲内で切断刃5
が変動しても、切断刃5が芯線9を傷付ける虞がない最
大の大きさに設定する必要がある。
【0034】本実施例においては、図1に示すように、
切断刃5の刃部30の先端部31を、ケーブル7の断面
において、芯線9外周の水平方向接線Hと垂直方向接線
Vと芯線外周Lの三者に囲まれた領域Zに配置すること
により、刃部30の先端部31と芯線9の外周との距離
xが大きくとれることを見出だし、大きな裕度の設定を
可能にした。また、上記芯線挿入穴20の内径を、各種
ケーブル7のなかの最大芯線9外径以上に設定すれば、
全ての種類のケーブル7に共用して使用でき、コスト低
減と作業性の向上が大幅に推進できる。
【0035】切断刃5は、図1および図2に示すよう
に、その刃部30がケーブルガイド3の回転方向Rの前
方側に位置するように、ケーブル挿入方向Sに対して角
度θだけ傾斜された状態で、窓部4に取り付けられてい
る。切断刃5の取付角度θは、切断する被覆層8および
芯線9の外径によって異なるが、図1に示すように、切
断刃5の後端32をケーブル7の中心線33に重ねた場
合、切断刃5の刃部30の先端部31が芯線9外周の垂
直方向接線Vと水平方向接線Hとの交点の中間近傍に位
置する角度が好適である。なお、図1ではケーブルガイ
ド3の記載を省略している。
【0036】切断刃5の刃部30は、ケーブルガイド3
の回転方向Rの前側の一側面34が平板状に後側の他側
面35が傾斜状に形成されている。その詳細を図4に示
す。図示するように切断刃5は、略長方形状の平板から
なり、その一側面34が図4(a) に示すように平状に形
成され、他側面35の角部には図4(b) に示すように長
い傾斜面36と短い傾斜面37とからなる刃部30が形
成されている。これら傾斜面36,37からなる刃部3
0が、実質的に被覆層8を切断除去することになる。ま
た、切断刃5には、上記短い傾斜面37に連接されて、
テーパー部38が形成されている。テーパー部38は、
複数の直線状であってもよく、また傾斜面(刃)を設け
てもよい。
【0037】切断刃5の刃部30の先端部31は、図1
に示すように、ケーブル7の芯線9外周の水平方向接線
Hと垂直方向接線Vと芯線外周Lの三者に囲まれた領域
Zに、芯線9から所定距離xだけ離して配置されてい
る。よって、切断刃5の刃部30の先端部31より径方
向内方の部分(先端距離xの部分)の被覆層8は、切断
刃5によって切断されるのではなく、切断刃5の回転に
よって生じる回転力(摩擦)により剪断されるのであ
る。すなわち、切断刃5の刃部30の先端部31より径
方向外方の部分の被覆層8は、切断刃5によって切断さ
れて切断刃5の一側面34(平面状)に沿って上方に押
し上げられて窓部4より排出されるが、このとき距離x
の部分の被覆層8も上方に引っ張られてその引張力によ
り剪断されるのである。
【0038】先端距離xは、切断刃5の回転速度によっ
て異なるが、回転速度が100rpm以上で距離xが2.5mm 以
下が好適である。何故なら、回転速度が低下すると摩擦
力が小さくなり剪断できなくなり、また、距離xが大き
くなると剪断面積が増加して剪断できなくなるからであ
る。なお、切断刃の回転速度は、作業の安全性と大きな
切削トルクが必要なことから、駆動源としてのドライバ
ードリルには低回転(500rpm以下)のドリルが好適であ
る。
【0039】かかる切断刃5は、鋼材を機械加工した
後、焼き入れして製作される。切断刃5には、ビス等が
挿通される穴39が2個形成されている。切断刃5は、
上記穴39にビス40等を挿通させて窓部4にネジ込む
ことにより、ケーブルガイド3の窓部4に固定される。
なお、上記穴は39、単数複数のいずれでもよく、長孔
状に形成して、切断刃5の固定位置を微調節できるよう
にしてもよい。
【0040】以上の構成からなる本施例の作用について
述べる。
【0041】まず、ドライバードリル等の回転軸に設け
られたチャック(図示せず)に、図5に示すアタッチメ
ント2の駆動源取付部11を固定する。そして、図6に
示すように、アタッチメント2の凹部23に、切断する
ケーブル7のサイズに合致したケーブルガイド3の凸部
25を装着する。
【0042】すると、凸部25と凹部23とは、断面多
角形状に形成されているため、回転軸に接続されたアタ
ッチメント2の回転力は、スリップすることなくケーブ
ルガイド3に伝達される。また、凸部25側に形成され
た係合溝26に、凹部23側に設けられた引抜け防止部
材28がバネ27等の付勢手段によって押し付けられて
係合されることにより、アタッチメント2とケーブルガ
イド3との引き抜けが防止される。
【0043】その後、被覆層8の必要な切断寸法を得る
ため、ネジ22を緩めてストッパ13をスライド移動さ
せ、ストッパ13に一体的に設けられた表示部15を長
穴14に沿って移動させ、その表示部15と長穴14に
沿って設けられた目盛り16とに基づいて、必要な切断
寸法を設定する。そして、ネジ22を締めてストッパ1
3を固定する。以上で切断準備が完了する。
【0044】次に、ケーブルガイド3のケーブル挿入口
6に、ケーブル7をその被覆層8が切断刃5に当接する
まで挿入し、僅かに力を加えた状態でドライバードリル
のスイッチを入れる。すると、ドライバードリルの回転
がアタッチメント2を介してケーブルガイド3に伝達さ
れ、ケーブルガイド3に固定された切断刃5がケーブル
7の外周を回転しつつ被覆層8を螺旋状に切り込み、被
覆層8が芯線9から螺旋状に切断され、窓部4から排出
される。
【0045】詳しくは、切断刃5は、図1に示すように
ケーブル挿入方向Sに対して角度θだけ傾斜して配置さ
れているので、図2に示すようにケーブル7の挿入方向
Sとケーブルガイド3の回転方向Rとのベクトル和の方
向Tに切り込みを開始する。ここで、切断刃5は、その
刃部30の先端部31が芯線9から距離xだけ離れてい
るため、刃部先端部31と芯線9外周との間の被覆層8
を芯線9から切り離すことはできないように思える。
【0046】しかし、切断刃5の刃部30の先端部31
より径方向内方の部分(先端距離xの部分)の被覆層8
は、切断刃5によって切断されるのではなく、切断刃5
の回転によって生じる回転力(摩擦)により剪断される
のである。すなわち、切断刃5の刃部30の先端部31
より径方向外方の部分の被覆層8は、切断刃5によって
切断されて切断刃5の平面状の一側面34に沿って上方
に押し上げられて窓部4より排出されるが、この排出ク
ズの排出に伴って距離xの部分の被覆層8も上方に引っ
張られ、その引張力により剪断されるのである。
【0047】このように、切断刃5を芯線9から距離x
だけ離して配置し、被覆層8の上層および中層部を切断
刃5によって切断すると共に、被覆層8の最下層部を切
断刃5の回転力によって剪断するため、芯線9に全く外
傷を負わせることなく、被覆層8のみがスパイラル状に
切断される。このように、芯線9に外傷を発生させない
ことから、芯線9の材質に左右されずにあらゆるタイプ
のケーブル7の被覆層8を切断できる。
【0048】被覆層8が切断されてケーブルガイド3を
貫通した芯線9は、図6に示すように、その先端面41
がアタッチメント2の内部に収容されたストッパ13の
小径部18に当接するまで進み、この間、被覆層8は連
続してスパイラル状に切断される。芯線9の先端面41
がストッパ13の小径部18に当接すると、それ以上の
ケーブル7の挿入が妨げられるため、切断刃5が被覆層
8の同一円周上を回転し、スパイラル状切断から円周切
断となり、被覆層8がケーブルから切り取られて窓部4
から排出落下される。この時点で、ドライバードリルの
スイッチを切ってケーブルガイド3の回転を停止させ、
ケーブル7をケーブルガイド3から引き抜いて作業が完
了する。
【0049】また、異なった芯線9サイズの被覆層8を
切断する場合には、その芯線サイズ専用の切断刃5付き
ケーブルガイド3を選定し、これをアタッチメント2に
装着すればよい。また、長尺の切断が必要な場合には、
それに見合った寸法調節機構を有するアタッチメント2
を使用すれば、切断刃付きケーブルガイド3を共用して
長尺の切断ができる。
【0050】すなわち、ケーブル被覆層切断工具を寸法
調節部を有するアタッチメント2と切断刃5付きケーブ
ルガイド3とから構成することにより、アタッチメント
2と切断刃5付きケーブルガイド3とを互いに共用でき
るため、低コストで幅広いケーブル被覆層を切断できる
工具となる。なお、駆動源と切断刃を一体化したもの、
或いはアタッチメントと切断刃とを一体化したようなも
のも考えられるが、前者は適用する最大のケーブルに駆
動源の能力を合わせる必要があり、後者は切断寸法の変
更時にアタッチメントと切断刃まで交換しなければなら
ない不合理性がある。
【0051】また、切断刃5付きケーブルガイド3は、
切断する芯線サイズ専用(または被覆層厚さ専用)であ
るため、切断しようとしているケーブル7に適合するも
のを選択してそれをアタッチメント2に装着しさえすれ
ば、各種ケーブル7に迅速に容易に対応することができ
る。すなわち、狭い作業現場において、芯線サイズまた
は被覆層厚さに応じて刃先寸法等を調節する必要はな
い。
【0052】なお、切断刃5付きケーブルガイド3の代
わりに、被覆層8のペンシリングを行うペンシリング切
断刃を設けたペンシリング切断刃付きケーブルガイドを
アタッチメントに装着すれば、切断後の被覆層のペンシ
リング加工を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】以上要するに本発明にかかるケーブル被
覆層切断工具によれば、次のような優れた効果を発揮で
きる。
【0054】(1)切断刃の刃部の先端部を芯線の外周
面から離して配置し、被覆層の上層および中層部を切断
刃によって切断すると共に、被覆層の最下層部を切断刃
の回転力によって剪断するため、芯線に外傷を負わせる
ことなくケーブルの被覆層を切断除去することができ
る。
【0055】(2)アタッチメント内のストッパを適宜
移動させて固定手段により固定することにより、切断除
去すべき被覆層のケーブル軸方向の長さを調節できる。
また、ケーブル被覆層切断工具を、駆動源とアタッチメ
ントと切断刃付きケーブルガイドとにより構成している
ため、切断する被覆層に最適な駆動源、アタッチメント
および切断刃付きケーブルガイドを選択でき、各構成要
素を互いに共用できる。よって、低コストで小型な工具
となる。
【0056】
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すケーブル被覆層切断工
具の切断刃をケーブルの取り合いを示す図であり、(a)
は平面図、(b) は正面図である。
【図2】上記切断刃によってケーブルの被覆層を切断し
ていく様子を示す図であり、(a) は平面図、(b) は正面
図である。
【図3】上記ケーブル被覆層切断工具のケーブルガイド
を示す図であり、(a) は平面図、(b) は (a)のA−A線
断面図である。
【図4】上記ケーブル被覆層切断工具の切断刃を示す図
であり、(a) は一側面図、(b)は他側面図である。
【図5】上記ケーブル被覆層切断工具のアタッチメント
を示す図であり、(a) は平面図、(b) は (a)のB−B線
断面図である。
【図6】上記ケーブルガイドとアタッチメントとからな
るケーブル被覆層切断工具の側断面図である。
【図7】従来のケーブル被覆層切断工具によってケーブ
ルの被覆層を切断除去している様子を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーブル被覆層切断工具 2 アタッチメント 3 ケーブルガイド 4 窓部 5 切断刃 7 ケーブル 8 被覆層 9 芯線 30 刃部 31 先端部 34 切断刃の一側面(前側面) 35 切断刃の他側面(後側面) R 回転方向 S ケーブル挿入方向 θ 切断刃の取付角度 H 水平方向接線 V 垂直方向接線 L 芯線外周 Z 領域 x 距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 誠太郎 宮城県仙台市宮城野区榴岡四丁目1番1 号 株式会社ユアテック内 (72)発明者 泉谷 岳伸 宮城県仙台市宮城野区榴岡四丁目1番1 号 株式会社ユアテック内 (56)参考文献 特開 平1−91609(JP,A) 特開 平2−246714(JP,A) 実開 平2−142912(JP,U) 実開 昭53−32981(JP,U) 実開 平2−17910(JP,U) 実開 昭56−43219(JP,U) 実開 昭54−72678(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 1/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に連結される筒体状のケーブルガ
    イドの側面に、その内外を連通する窓部を開口し、該窓
    部に、ケーブルガイド内に挿入されるケーブルの被覆層
    を芯線から切断除去するための切断刃を取り付けたケー
    ブル被覆層切断工具において、上記切断刃を、その刃部
    がケーブルガイドの回転方向前方側に位置するようにケ
    ーブル挿入方向に対して傾斜して配置し、該切断刃の刃
    部を、ケーブルガイドの回転方向前側を平板状に後側を
    傾斜状に形成し、且つ該刃部の先端部を、ケーブルの断
    面において、芯線外周の水平方向接線と垂直方向接線と
    芯線外周の三者に囲まれた領域に芯線から離して配置
    ると共に、上記ケーブルガイドと回転軸との間に、筒体
    状に形成されたアタッチメントを着脱自在に取り付け、
    該アタッチメントの内部にストッパを軸方向にスライド
    自在に収容し、該ストッパは、上記アタッチメントの内
    部を軸方向に自在にスライドする大径部と、該大径部か
    ら上記ケーブルガイド側へと突出して形成されて、被覆
    層が切断除去されてケーブルガイドを貫通したケーブル
    の芯線の先端面が当接する小径部とからなり、当該スト
    ッパに、これを任意のスライド位置にて固定する固定手
    段を設けると共に、上記アタッチメントの外面に、当該
    ストッパのスライド量を表示する目盛りを設けたことを
    特徴とするケーブル被覆層切断工具。
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