JP3063923B2 - 体外超音波高温治療装置およびそのパラメーターを設定する方法 - Google Patents

体外超音波高温治療装置およびそのパラメーターを設定する方法

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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61B2017/00017Electrical control of surgical instruments
    • A61B2017/00137Details of operation mode
    • A61B2017/00154Details of operation mode pulsed

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は体外超音波高温治療装置
およびそのパラメーターを設定する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】とくに、1984年5月3日出願のフラ
ンス特許第8406877号「局在化された超音波高温
治療装置を設けた超音波手段による、腫瘍を検査し場所
を決定する装置」から、腫瘍を破壊するために、生物学
的組織の極めて局在化した加熱を生じさせる集束された
超音波ビ−ムを使用することが知られている。
【0003】上記フランス特許明細書に記載されている
装置においては、高い周波数(たとえば、0.5〜5M
Hz、体内のより深い構造を破壊するにはより低い周波
数が用いられる)で、比較的低いピークパワー(およそ
10〜100ワット、より深い構造を破壊するためには
より高いパワーが用いられる)の波列の形でビームが照
射される。
【0004】この波列はある間隔をおいて隔てられる。
その間隔の間に、目標に対する焦点の位置(呼吸により
引き起こされる組織の自然の動きにより影響される)を
再び決定するためにリアルタイム(通常はB型)超音波
走査を行うこと、または治療領域内の組織が受けた損傷
を調べることが可能である。
【0005】目標区域の深さに応じて使用されるパワー
レベルおよび周波数により、目標の温度が約45℃へ上
昇させられる。この温度は悪性細胞を破壊するためにお
おむね十分に高い温度である。目標領域の温度が過度に
高くなると、熱拡散の結果として周囲の領域に重い火傷
を引き起こすことがある。
【0006】このような事情により、治療時間は比較的
長く、数十分または数時間にもなる。
【0007】
【発明の構成】本発明は、用いられる超音波のピークパ
ワーを、目標領域の深さとその吸収するパワーとに応じ
て、10〜100倍にして超高速温度上昇を引き起こす
ことによって、熱拡散の影響を大幅に減少させ、1秒の
オーダーの時間内に目標領域を破壊することを可能にす
る、という発見に基づいている。
【0008】本発明は0.5〜10MHzの周波数で、
ピークパワーが数百ワット〜10KWである超音波列を
集束して照射する体外超音波高温治療装置であって、組
織の深さおよび性質に関わらず、治療ビームの照射に当
って、目標の温度が時間の関数として増大する温度を示
す曲線における初期の直線領域の期間に、目標の温度が
目標の実質的破壊、好ましくは全面的な破壊を可能なら
しめる温度となるように、焦点スポットにおける治療ビ
ームの集束度と該治療ビームのパワーとを規定するパラ
メーターを決定してなることを特徴とする上記のような
種類の装置にある。
【0009】好ましくは、周波数と、前記装置の照射面
の直径と、焦点スポットの直径とは、治療ビーム集束度
が最高になるように、目標の性質と深さにしたがって決
定され、それから、58℃附近の温度に0.5〜3秒さ
らすことにより目標が破壊されるように、所定値の周波
数と選択された直径とに対してパワーが決定される。
【0010】発明者の行った試験により、非常に高いピ
ークパワーで準連続照射を行うための手段を備えること
を要件とする本発明の装置の構成が、健康な細胞の破壊
を最小にでき、しかも目標を破壊する効果が、特に目標
の細胞に対する付加的な機械的破壊効果の結果として、
高められて、この明細書における「超高速高温治療」と
いう用語の以後の使用を正当化する、新しい局在化され
た超音波高温治療技術がえられることが示された。
【0011】超高速高温治療装置のもう1つの利点は、
治療中の目標に対する変化のエコーグラフ検査を大幅に
促進させることである。
【0012】本発明のもう1つの特徴によれば、(従来
の高温治療技術における場合のように)治療ビームが出
続けている場合には正確に検出できないようなそれ自体
検出可能な状態変化がエコーグラムあるいは画像に現れ
るような(これは、超高速高温治療においては十分の2
〜3秒に相当するであろう)所定の速度で治療ビームの
中断中にA型またはB型エコーグラフィーにより上記検
査が行われる。
【0013】本発明はまた、目標が破壊されたら治療を
ただちに終わることができるように目標がこうむる変化
の超高速検出を容易にする特定のA型またはB型エコー
グラフ技術にも関する。
【0014】
【実施例】図1は1点鎖線により表されているトランス
ミッション装置を介して電気モータ13により振動させ
られる圧電素子12を含むリアルタイムプローブ1を備
える公知のタイプのエコ−グラフィー装置のブロック図
である。
【0015】たとえば、このプローブは、1980年7
月29日に出願されたフランス特許No80 1671
8「機械的な扇形に走査されるエコーグラフプローブ
(Mechanical sector scanned echographic prove )」
に記載されているようなものとすることができる。
【0016】圧電素子12はパルス発生器2により励起
され、治療すべき領域を扇形に走査するために鋸歯状
(走査)信号発生器3(図2に示されている波形(A)
を発生する)によってモーター13が制御される。走査
は治療ビーム発生器の焦点を通る。
【0017】生物学的構造から反射されたパルスは受信
器4により増幅される。この受信器の出力端子はアナロ
−グデジタル(A/D)変換器5へ接続される。
【0018】電子スイッチ6がA/D変換器5の出力端
子を2つのメモリ61と62の一方または他方へ接続す
る。各走査ごとにスイッチングが行われる。電子スイッ
チ6はこの目的のために鋸歯状信号発生器3の適切な出
力端子へ接続される。
【0019】各メモリにおいて、書き込み動作のアドレ
ッシングが、プローブにより照射されたビームの角度位
置と各照射の開始からの経過時間とにしたがって公知の
ように行われ、それによって治療領域の完全な画像が各
走査ごとに2つのメモリの一方へ書き込まれる。
【0020】それらのメモリは公知のようにして読み出
され、読み出された信号はスイッチ71を介してデジタ
ル減算器7へ供給される。スイッチ71はその入力端子
E1、E2と、その出力端子S1、S2との間の接続を
各走査ごとに反転する(そのために鋸歯状信号発生器3
の適切な出力端子へ接続されている)。
【0021】反転が行われないとすると、2つの画像の
連続する点を定める連続数字の間の差を計算する減算器
が、前の画像から現在の画像を引き、次に現在の画像か
ら前の画像を引くというようなことがくり返されてしま
う。従って、各走査ごとに現在の画像から前の画像が常
に引かれるように反転が必要とされる。
【0022】減算器7の出力端子はD/A変換器72へ
接続され、このD/A変換器は表示器8の陰極線管の輝
度を変調するための電圧を供給する。
【0023】スイッチ71の出力端子S2が第2のD/
A変換器73へ接続される。ポテンショメータ74が、
差の画像を表わすD/A変換器72の出力電圧と、記憶
されている最新の画像を表わすD/A変換器73の出力
電圧とを可変的に混合する。
【0024】そうすると、医師は、治療領域の従来の画
像を観察して、関連する構造の予備識別を行い得るか、
あるいは、治療領域の差の画像を観察して、治療中に構
造がどのように変化するかを観察し得る。
【0025】治療には高いピークパワーを用いるから、
治療ビームの照射中は画像が形成し得ない。関連する構
造から反射された治療ビームのエネルギーは、エコーグ
ラフのトランスデューサの「目をくらます」のに十分で
ある。この作用は照射が終わってから1マイクロ秒ない
しそれ以上続くことがある。したがって、エコーグラフ
走査時間より僅かに長い時間間隔(たとえば1/20
秒)だけ分離された波列(図2の波形(B))を照射
し、かつエコーグラフ走査を照射に同期されることが必
要である。
【0026】また、呼吸の結果としての組織の自然の動
きが、治療による構造の変化により生ずる差をおおいか
くしてしまうような2つの連続する画像の間の過大な違
いを生じさせないように、十分に高い速度で画像を形成
することも必要である。たとえば、少なくとも0.5秒
ごとに画像を得るよう照射時間を選択できる。これは、
治療照射ビームのピークパワーが、目標領域の細胞の大
きな破壊が数分の1秒で起こるのに十分であることを意
味する。
【0027】図2の(C)はメモリ61の書き込み期間
を示し、(D)はメモリ62の書き込み期間を示し、
(E)はメモリ61の読み出し期間を示し、(F)はメ
モリ62の読み出し期間を示し、(S1)と(S2)に
は出力S1とS2の結果としての状態を示すメモリ内の
画像の番号が示されている。これは現在の画像から前の
画像が常に引かれることを示す。
【0028】再び図1において、球面カップ状に示され
ているパワートランスデューサTが治療ビーム照射器1
0によりエナジャイズされる。トランスデ−サTの上に
圧電素子が置かれる。このトランスデューサとしてはフ
ランス特許No84 06877明細書に記載されてい
るものを用いると有利である。プローブ1は、別個に示
されているが、実際にはトランスデューサTの中心部に
取り付けられ、そのフランス特許に示されているよう
に、トランスデューサの軸に沿って配向される。
【0029】図1はまた、これまでに説明してきた実施
例には用いられず、以下に述べる実施例のみに用いられ
る装置も示す。
【0030】それらの装置とは可変比分周器9と、アン
ドゲート11と、メモリ22と、表示器23と、スイッ
チ14である。
【0031】スイッチ14が位置aにある時は、分周器
9は鋸歯状信号発生器3へ接続される。この鋸歯状信号
発生器は、プローブの軸が治療ビーム照射器の焦点を通
過した時に同期信号を発生するようになっている(治療
ビームの焦点は、トランスデューサTが一部を構成して
いる球面の中心である)。次に、分周器9の分周比が1
〜N(例えば1〜5)に設定される。
【0032】したがって、それは、短い信号をN回の走
査ごとに治療ビーム照射器10へ供給する。その信号
は、その持続時間である約1ミリ秒の間、治療ビーム照
射器10を動作不能にする。
【0033】その短い信号はゲート11へも加えられ
る。したがって。ゲート11は1ミリ秒の間開かれて、
A/D変換器5からのデジタル信号をメモリ22へ通
す。メモリ22は走査線を表わす情報を得る時間を有す
る。それは(完全な画像を得るための0.2〜0.02
秒と比較して)僅かに0.2ミリ秒のオーダーである。
【0034】このように、この実施例においては、治療
ビームは、その治療ビームのパルスの持続時間中の1回
1ミリ秒の間中断され、この中断は例えば1/20秒ご
とに行われるから、その結果として、中断されない治療
ビームのパワーと比較して、平均パワーの減少は非常に
僅か(たとえば2%)である。
【0035】このようにして、1〜N回の走査ごとに
「ただちに」得られる走査線は焦点を通過する。この実
施例はA型超音波走査を用い、1つの方向だけで集めら
れる情報で十分である。目標を通る特定の方向でプロー
ブを動かなくすることにより、同等の結果を得ることが
できる。
【0036】メモリ22に記憶されているエコー信号は
例えば50Hzの早さで読み出され、表示器23のスク
リーン上に連続表示される。
【0037】この読み出し周波数は視覚的快適さを促進
する。
【0038】オペレータの眼は、超音波走査の振幅の変
化を知覚できるような速さで、治療中に集められた情報
のデジタル減算と同じようなことを行う。A型エコーグ
ラムを得るためのB型超音波プローブを用いると、前記
フランス特許No8406877において述べられてい
るように、その目標領域の場所を決定するために、同じ
プローブを、目標の治療前にB型超音波走査に使用する
ことができる(ここでは、「目標」という用語は、焦点
スポットの寸法とまったく同じ寸法である腫瘍の部分を
指し、その腫瘍の完全な治療にはその腫瘍を連続して構
成する種々の目標領域にビームを集束することを必要と
する)、という利点がえられることを理解すべきであ
る。目標の治療中に、画像を得るのに十分な時間の間
(1/20秒)治療ビームを中断することにより、B型
超音波走査のための同じプローブによって目標領域の場
所の再決定さえも行うことができる。
【0039】次に、超高速高温治療装置の他の特徴を図
3を参照して説明する。
【0040】図3は、小さい熱源(この例では直径の小
さい焦点スポット)に対して、2種類のパワーレベル
(曲線IとII)について、超音波ビームが照射された
領域の温度Tの照射の時間の関数としての、実験的に決
定された上昇を示すグラフである。温度上昇はある時間
の間直線的であることが分かる。その時間は両方の曲線
でほぼ同じであるが、それぞれ異なる温度T01、T
02に対応する。それから曲線の勾配は5×to
等しい時間の経過後に最高温度に達したところで低くな
る。最高温度は、曲線Iではほぼ3×T01、曲線II
ではほぼ2.6×T02である。toは加えられるパワ
ーとは無関係であり、焦点スポットの直径に正比例する
ことに注目されたい。図3の曲線を得た実験において、
toは0.5秒である。本発明の好ましい実施例におい
ては、長くともtoの時間後には細胞が完全に破壊され
るように、この装置は構成される。
【0041】これにより、目標の周囲の領域における組
織に対する損傷が最小であることが発明者により見出だ
された。
【0042】この実験結果は、曲線の直線部において
は、拡散による熱損失が熱入力と比較して無視できる、
という事実により説明できる。直線部をこえると、損失
は目標と周囲の組織の間の温度勾配に比例し、したがっ
て(最高温度において)熱入力に等しくなるまで損失は
急激に増大する。熱入力が停止すると、目標の温度は、
これらの実験においては、(3〜6)×toのオーダー
の時間の経過後にほぼそれ以上破壊が生じない時点での
値まで、指数関数的に低下する。この時間(この場合に
はおよそ1.5〜3秒)は治療ビーム波の連続する2つ
の波列の間の好ましい間隙をほぼ規定し、そうすると、
全ての波列で拡散による損失は最小となる。
【0043】図2においては、波列の持続時間が0.5
秒より少し短く、0.05秒だけ隔てらている連続する
波列が腫瘍の中の種々の目標へ施される。波列の照射前
後における各目標の反射状態を比較するのに1つの波列
で十分である。波列の持続時間を0.5秒より少し短い
値に選択する理由は、それがtoに対応するからであ
る。
【0044】腫瘍細胞を破壊するための時間tは、それ
らの細胞がさらされるしきい値温度Ti(たとえば43
℃)より上の温度Tに反比例する。T=58℃の場合に
は、時間tの値はおよそ0.5秒であるから、目標内の
温度を58℃にするように装置は設定される。時間t
は、43℃から上の温度では1℃上がるごとにほぼ半減
していくから、たとえば、50℃から60℃への温度上
昇ではその時間は最初のころと比べて1000で除され
る程度となる。
【0045】目標温度を常温より約20℃高い温度へ
0.5秒で上昇させるために(これは40℃/秒の温度
上昇率に相当する)、下記のパラメーターが適用され
る。
【0046】第1に、目標の深さにより焦点距離が決定
される。この装置は、3種類の焦点距離値、すなわち、
4〜15cm(深い腫瘍を破壊するため)、3〜4cm(中
間の深さの腫瘍を破壊するため)、および1〜1.5cm
(例えば眼の治療)を提供するよう設定される。
【0047】焦点スポット上の超音波エネルギーの集束
度が最大になるように、各焦点距離に対して使用周波数
が決定される。
【0048】この第1の条件が満たされると、与えられ
た照射パワーに対して、焦点スポットにおけるエネルギ
ー密度を最大にしながら、周囲の組織が損傷を受けるリ
スクが最小になることが経験により判明している。
【0049】kaを周波数に正比例して増加する減衰フ
ァクター(減衰は、ビーム経路の長さ1cmおよび周波数
1MHz当り、1℃のオーダーであることが経験により
判明している)、kgを(Do/do)(ここでD
oとdoはそれぞれ照射表面と焦点スポットの直径であ
る)に等しいとして、超音波エネルギーの集束度が積k
g/kaであるというのが上記についての可能な説明で
ある。
【0050】幾何学的集束度ファクターkgは、ビーム
の経路に減衰がない場合の、照射源において得られる強
さと焦点スポットにおいて得られる強さとの比を表すか
ら、ビームか通る組織内でのエネルギー損失を避けるた
めに最小にしなければならないのはファクターkaであ
る。この損失が、熱に変換される唯一の部分を組織によ
り吸収されるエネルギーのうちのほんの一部としてしま
う。
【0051】ビームの集束度と焦点スポットにおける残
留エネルギーと、目標における温度上昇率が、ビームの
一定開口角度に対する周波数と焦点距離と組織へのビー
ムの入射直径並びに照射パワー1KWとの関数として発
明者によって計算された。
【0052】それらの計算により、残留エネルギーは周
波数に逆比例するが、最大残留エネルギーは最大集束度
を反映せずしたがって最も速い温度上昇を反映しないこ
とが示された。
【0053】このことは、周波数がkaと温度上昇の速
度とに対して、周波数がkgに対して及ぼす影響とは逆
向きに、影響を及ぼす、という事実によって説明でき
る。
【0054】たとえば、照射パワー1KWに対して、焦
点距離が10cmと12cm、組織へのビームの入射直径が
10cmと12cmの場合に、このようにして決定される最
適周波数は1MHzであって、この場合における温度上
昇率はそれぞれ33.97℃/秒、21.43℃/秒で
ある。したがって、求められる温度上昇率40℃/秒を
達成するために必要なパワーは、理論的にはそれぞれ
1.2KWおよび1.9KWである。安全を見込んで、
治療ビームの各パルスが終わるまでに58℃の温度に達
しないという事態を考えて、それらの値よりはるかに高
いパワー(たとえば、10KW)が用いられる。
【0055】他の条件が等しい場合に、焦点距離が3cm
および5cm、そしてビーム入射距離が3cmおよび5cmで
あると、最適周波数はそれぞれ3MHzおよび1.5M
Hz、温度上昇率はそれぞれ384.89℃/秒、13
5.91℃/秒である。そうすると、理論的に要求され
る熱パワーは1KWより十分に低い。しかし、用心のた
めに2〜5KWのパワーが用いられる。
【0056】焦点距離が1.5cmでは、最適周波数は6
MHzであり、温度上昇は1539.57℃/秒で、実
際に数百ワットのオーダーのパワーレベルを必要とす
る。
【0057】一般的にいえば、とくに、深い腫瘍を治療
するためには、超高速高温治療に用いられるピークパワ
ーは、装置の構造に特別な備えをすることを要する。と
くに、そのように高いピークパワーを支持でき、かつ迅
速に冷却できる圧電セラミック材料を使用する必要があ
る。発電機への電力の供給は補助電源の使用を要するこ
とがある。
【0058】周囲の組織に影響を与える障害のリスクを
避けるために、指定される最適パワー値を大幅にこえて
はならないことに注目すべきである。パワーの施行が終
わったときに焦点領域に蓄積された熱エネルギーの拡散
の結果としての温度上昇が、細胞を破壊する程に十分に
高いままであるような領域の直径が、焦点領域における
温度上昇の平方根に比例して比較的急速に増大すること
が示された。その温度上昇はパワーに比例する。
【0059】最後に、指定されたパワーにおいて、超音
波ビームはその伝搬中に次第に大きく変容され、その結
果として元のビームよりも高い周波数の成分が現れるこ
とになる。
【0060】それらの高い周波数の成分は組織に一層強
く吸収されるから、より大きな熱効果を与える。
【0061】選択された周波数とパワーは、ビームが損
傷をほとんど与えずに組織の外側の層を通過すること、
およびビームが焦点スポットに熱効果を生じさせること
を可能にする。治療の効果を高めるために、ビームはそ
の熱効果を補う機械的作用をも付加的に有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】治療中に目標に対する変化を超高速で検出する
ための手段が設けられている超高速高温治療装置を示す
ブロック図
【図2】前記検出手段の動作を示すタイミング図
【図3】時間の関数としての生物学的組織の温度上昇を
表すカーブを示すグラフ
【符号の説明】
1 プローブ 2 パルス発生器 3 歯状信号発生器 4 受信器 5 A/D変換器 6 電子スイッチ 7 減算器 8 表示器 9 分周器 10 ビーム照射器 11 アンドゲート 12 圧電素子 13 モータ 14 スイッチ 22,61,62 メモリ 23 遅延器 72,73 D/A変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−177957(JP,A) 特開 平2−161936(JP,A) 実開 昭49−11583(JP,U)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が0.5〜10MHzで、ピーク
    パワーが数百ワット〜10KWである超音波列を様々な
    深度に集束して照射する体外超音波高温治療装置であっ
    て、治療ビームの照射に当って、組織の深さおよび性質
    に関わらず、目標の温度が時間の関数として増大するこ
    とを示す曲線における初期の直線領域の期間に、目標の
    温度が目標の破壊を達成せしめる温度に達するように、
    焦点スポットにおける治療ビームの集束度と該治療ビー
    ムのパワーとを規定するパラメーターを決定してなるこ
    とを特徴とする体外超音波高温治療装置。
  2. 【請求項2】 周波数と前記装置の照射面の直径と焦点
    スポットの直径とが、治療ビームの集束度が最高になる
    ように、目標の性質と深さにしたがって決定され、次
    に、目標が58℃附近の温度においておよそ0.5秒間
    で破壊されるように、所定値の周波数と選択された直径
    とに対してパワーが決定されることを特徴とする請求項
    1記載の装置。
  3. 【請求項3】 所定の目標へ順次加えられる波列は略
    1.5〜3秒の間隔だけ分離されることを特徴とする請
    求項1または2記載の装置。
  4. 【請求項4】 焦点距離が10cmおよび12cmで最
    適周波数が1MHzでの約10kWの照射パワー、焦点
    距離が3cmおよび5cmで最適周波数がそれぞれ3M
    Hzおよび1.5MHzでの2〜5kWの範囲の照射パ
    ワー、そして焦点距離が1.5cmで最適周波数が6M
    Hzでの約数百ワットの照射パワーを用いることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
  5. 【請求項5】 治療中の目標に生じる変化をエコーグラ
    フ検査する手段を備え、この手段は目標のB型エコーグ
    ラフィを行い、かつ少なくとも1つ治療波列の前後にと
    った2つの連続画像を比較することを特徴とする請求項
    1〜4いずれか1項記載の装置。
  6. 【請求項6】 連続する画像をデジタル情報の形で記憶
    し、記憶されている情報を点ごとに差し引くことにより
    差の画像を形成する手段を備えることを特徴とする請求
    項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 記憶されている画像の1つを前記差の画
    像に重ね合わせる手段を備えることを特徴とする請求項
    6記載の装置。
  8. 【請求項8】 治療中の目標に生じる変化をエコーグラ
    フ検査する手段を備え、この手段は、B型エコーグラフ
    ィを行う走査プローブを用いかつエコーグラフ検査ビー
    ムが所定の方向に通過した際に治療ビームの極めて短い
    中断中にエコーを捕えてA型エコーグラフィを行うこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の装置。
  9. 【請求項9】 体外超音波高温治療装置のパラメーター
    を設定する方法であって、 目標の深さを基に焦点距離を決定し、 決定した焦点距離において超音波エネルギーの集束度が
    焦点スポットで最大となるように0.5−10MHzの
    範囲で超音波列の周波数を選択し、 温度上昇曲線の直線部分の期間を実験的に求め、 前記温度上昇曲線の直線部分の間に目標を破壊する温度
    に達するように数百ワットから10KWの範囲でピーク
    パワーを選択する各工程から成る方法。
  10. 【請求項10】 約58℃においておよそ0.5秒間で
    目標の破壊が起こるように、所定の周波数および選択さ
    れた直径に対してピークパワーを決定することを特徴と
    する請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 所定の目標へ順次加えられる波列が略
    1.5−3秒の間隔だけ分離されることを特徴とする請
    求項9または10記載の方法。
  12. 【請求項12】 焦点距離が10cmおよび12cmで
    最適周波数が1MHzに対して約10kWの照射パワ
    ー、焦点距離が3cmおよび5cmで最適周波数がそれ
    ぞれ3MHzおよび1.5MHzに対して2〜5kWの
    範囲の照射パワー、そして焦点距離が1.5cmで最適
    周波数が6MHzに対して約数百ワットの照射パワーを
    用いることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項
    記載の方法。
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