JP2004167034A - 超音波照射装置 - Google Patents
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Abstract
をしたがって本発明によれば、装置内に予め保存されている強力超音波の照射条件の設定可能範囲に基づいて最終的な照射条件の設定を行なうことができるため、短時間で正確な照射条件設定が可能な超音波照射装置を提供できる。
【解決手段】強力超音波によって有効かつ安全な超音波焼灼を行うための各種照射条件の設定可能範囲が治療対象臓器別にシステム制御部13の記憶回路19に予め記憶され、操作者によって操作部15から入力される治療対象臓器情報によって抽出される当該臓器の照射条件設定可能範囲のデータに基づいて照射条件が設定され、更に、この設定値に基づいて圧電振動子22に対する駆動電力や駆動持続時間が制御される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体に向けて超音波を照射する超音波照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、最小侵襲治療と呼ばれる治療法が注目を集めており、悪性腫瘍治療の分野においても最小侵襲治療への積極的な試みが行なわれている。特に悪性腫瘍の場合、その治療の多くを外科的手術に頼っているが、従来の外科的手術による治療、即ち広範囲の組織切除を行なう場合には、その臓器がもつ本来の機能や外見上の形態を大きく損なう場合が多く、たとえ生命を存えたとしても患者に対して多大な負担を与えることになる。このような従来の外科的治療に対してQOL(quality−of−life)を考慮した最小侵襲超音波照射装置の開発が強く望まれており、その1つの方法として、腫瘍組織に対して強力な超音波を集束させることによって加熱し、熱変性壊死させる超音波治療法の研究が進められている。
【0003】
強力超音波を用いた治療方法は、マイクロ波を用いた方法と比較してエネルギーの集束性と深達度に優れているため、体内の深部に位置した臓器の腫瘍に対して体外からの局所的な治療が可能となる大きな利点を有している。
【0004】
この強力超音波による治療法は、例えば凹面状の大型ピエゾ素子(圧電振動子)に対して電気的な駆動信号を供給することによって発生する超音波を焼灼しようとする腫瘍部位に照射し、この腫瘍組織を瞬時に熱変性壊死させるものであり、超音波の集束点においては超音波エネルギーを集中させて腫瘍組織の焼灼を行なっている。
【0005】
この腫瘍組織の焼灼における最適な超音波エネルギーの大きさには範囲(上限値及び下限値)が存在し、下限値より小さな超音波エネルギーの場合には腫瘍の焼灼が不充分となる。一方、上限値以上の過大な超音波エネルギーが照射された場合には、腫瘍組織は飛散し、癌細胞が正常細胞に転移する可能性があり、また、正常の組織に対しても大きな損傷を与えることが本発明者らによる基礎実験から明らかになりつつある。
【0006】
このような問題に対して、焦点領域における焼灼能を超音波強度と超音波照射時間および超音波周波数の積で評価し、治療対象臓器毎に設定した前記焼灼能の上限値及び下限値に基づいて強力超音波の照射を行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2。)。
【0007】
【特許文献1】特開2000−237199号公報(第4−6頁、第2図)
【0008】
【特許文献2】特開平7−184907号公報(第3−5頁、第1−3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び特許文献2に記載されている強力超音波の照射方法においては、治療対象臓器毎に焼灼能の上限値及び下限値を設定することが有効であることが述べられているが具体的な照射条件の記載はない。特に、腫瘍組織の焼灼能を決定する超音波強度、超音波照射時間及び超音波周波数の組み合わせは極めて煩雑であるため、この治療方法に熟達した装置の操作者(医師あるいは検査士)であっても上記焼灼条件を設定するには多くの時間を要した。このため超音波治療における治療効率の向上には限界があった。
【0010】
本発明はこのような従来の照射条件の設定における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、治療対象臓器毎に最適な焼灼能を確保するための各種照射パラメータの範囲を予め設定することにより、操作者による照射条件の設定が効率良く行われ、治療効率の向上をはかることができる超音波照射装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の超音波照射装置は、被検体に対して所定周波数の治療用超音波を照射する電気音響変換素子と、この電気音響変換素子に対して駆動信号を供給する変換素子駆動手段と、この変換素子駆動手段によって前記治療用超音波を照射する際の照射条件の設定可能範囲が治療対象別に予め記憶されている設定可能範囲記憶手段と、この設定可能範囲記憶手段に記憶されている前記照射条件の設定可能範囲に基づいて照射条件を設定する照射条件設定手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2に係る本発明の超音波照射装置では、被検体に対して所定周波数の治療用超音波を照射する電気音響変換素子と、この電気音響変換素子に対して駆動信号を供給する変換素子駆動手段と、この変換素子駆動手段によって前記治療用超音波を照射する際の複数の照射条件の夫々の設定可能範囲が治療対象別に予め記憶されている設定可能範囲記憶手段と、前記複数の照射条件の中の所定の照射条件を、前記設定可能範囲記憶手段に記憶されている照射条件の設定可能範囲に基づいて設定する照射条件設定手段と、この照射条件設定手段によって設定された設定値に基づいて他の照射条件の設定可能範囲を更新する設定可能範囲更新手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
したがって本発明によれば、装置内に予め保存されている強力超音波の照射条件の設定可能範囲に基づいて最終的な照射条件の設定を行なうことができるため、短時間で正確な照射条件設定が可能な超音波照射装置を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(装置の構成)
本発明の実施の形態について図1乃至図11を用いて説明する。なお、図1はこの実施の形態における超音波照射装置の概略構成図であり、図6はこの超音波照射装置を構成する超音波送受波部のブロック図である。
【0015】
図1において、超音波照射装置100は、治療対象部位に対して強力超音波を照射するための超音波治療部12と、前記強力超音波によって照射される部位の超音波画像データを収集する超音波映像部11を備えている。更に、超音波映像部11によって生成される画像データを表示する表示部14と、患者情報の入力や種々の照射条件を設定する操作部15と、上記各ユニットを統括的に制御するシステム制御部13から構成されている。
【0016】
超音波照射装置100の超音波治療部12は、強力超音波を治療部位に照射する圧電振動子22を有したアプリケータ23と、このアプリケータ23の圧電振動子22を駆動する振動子駆動部16とを備えている。
【0017】
超音波治療部12のアプリケータ23は、例えば脱気水からなるカップリング液25によって充満されており、その上部には強力超音波を放射する前記圧電振動子22が取り付けられ、そのほぼ中央部に開口した孔部には後述する超音波映像部11の超音波プローブ21の装着が可能となっている。
【0018】
一方、アプリケータ23における被検体51の体表面との接触部には、高分子材料からなり、前記カップリング液25とほぼ等しい音響インピーダンスのカップリング膜24が設けられている。即ち、圧電振動子22から照射される強力超音波や超音波プローブ21によって送受信されるイメージング用の超音波は、被検体51とほぼ等しい音響特性を有するカップリング膜24及びカップリング液25を介し、被検体51に対して効率良く送受信される。
【0019】
なお、前記圧電振動子22は、例えば、凹面状の圧電セラミックスが用いられ、第1の面(凸面)及び第2の面(凹面)には駆動信号を供給するための電極がそれぞれ装着され、凸面側の電極は支持台に固定されている。一方、凹面側の電極には被検体51に対して強力超音波の照射を効率良く行うための音響マッチング層が設けられ、更にその外表面は保護膜によって覆われている。
【0020】
振動子駆動部16は、治療用の強力超音波を照射するために圧電振動子22に対して駆動信号を供給する機能を有し、圧電振動子22の共振周波数に対応した周波数の連続波を発生するCW発生器31と、この連続波を増幅するパワーアンプ32と、このパワーアンプ32の出力信号を圧電振動子22に効率良く供給するためにインピーダンスマッチングを行なうマッチング回路33を備えている。
【0021】
一方、表示部14は図示しない表示回路とCRTあるいは液晶からなるモニタを備えており、超音波プローブ21及び超音波送受波部17によって生成される超音波画像データが表示される。このモニタ上に表示される超音波画像には、前記アプリケータ23の圧電振動子22によって形成される強力超音波の焦点52の位置(焦点マーカ)や、操作者が操作部15から指定する2点間を結ぶ線分等を重畳して表示することが可能である。
【0022】
なお、前記表示回路は1枚分の超音波画像データ、あるいは、この超音波画像データの付帯情報である数字や各種文字などを一旦保存する表示用画像データ記憶回路と、この表示用画像データをアナログ信号に変換するD/A変換器と、このアナログ信号をTVフォーマット変換して映像信号を生成するフォーマット変換回路などから構成される。
【0023】
操作部15は、操作パネル上に液晶パネル、キーボード、トラックボール、マウス、各種選択ボタン等を備え、操作者によって患者情報の入力、治療対象臓器の選択、アプリケータ23の選択、各種照射条件の設定、更には、種々のコマンド信号を入力することができる。特に、照射条件の設定において、操作者は液晶パネルの入力画面より所定の数値の入力を行なう。
【0024】
システム制御部13は、CPU(中央演算処理装置)18と記憶回路19を備え、操作部15からのコマンド信号に従って各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行う。システム制御部13の記憶回路19には、後述する治療臓器別の照射許容値や照射時間・焦点強度特性データ、アプリケータ23の圧電振動子22の仕様等が予め保存されており、更に、操作部15を介して操作者から送られてくる種々のコマンド信号も一旦保存される。
【0025】
一方、システム制御部13のCPU18は、記憶回路19に保存されている照射時間・焦点強度特性データやアプリケータ仕様に基づいて照射時間や焦点強度の設定可能範囲を抽出し、更に、この設定可能範囲に基づいて設定した焦点強度から投入電力の設定値の算出を行なう。
【0026】
ここで、上記システム制御部13の記憶回路19に予め保存されている治療臓器別の強力超音波の照射許容値データと照射時間・焦点強度特性データについて説明する。腫瘍55の焼灼において、強力超音波による焼灼能は特許文献1あるいは特許文献2にも記載されているように超音波周波数f(MHz)と超音波照射時間τ(sec)と焦点52における超音波強度I(W/cm2)との積によって定義される周波数・エネルギー密度E(MHz・J/cm2)によって決定される。
【0027】
但し、各治療対象臓器に対して過照射にならない周波数・エネルギー密度の上限値EMAXと、照射不足(非変性)にならない下限値EMINは実験的にあるいは計算機シミュレーションによって予め求めることが可能である。
【0028】
一方、治療対象臓器に対して、出血壊死などの副作用を発生させない条件を決定する照射パラメータとして焦点52における超音波強度(以下では焦点強度と呼ぶ)の上限値IMAXがあり、また治療対象臓器における超音波吸収係数αは音響的なエネルギーを熱エネルギーに変換する際の重要なパラメータである。
【0029】
即ち、強力超音波による腫瘍55の焼灼における治療対象臓器固有の照射パラメータとして、周波数・エネルギー密度の上限値EMAXと下限値EMIN、焦点強度の上限値IMAX、及び超音波吸収係数αとがあり、これらの照射パラメータは図2に示すように臓器別の照射許容値としてシステム制御部13の記憶回路19に予め保存されている。例えば、肝臓癌の治療の場合には、治療対象臓器(肝臓)の周波数・エネルギー密度の上限値EMAXは、基礎実験等の結果から40,000(MHz・J/cm2)に、また下限値EMINは6,000(MHz・J/cm2)に設定され、更に、焦点強度の上限値IMAXは、3,000(W/cm2)に設定される。なお、肝臓の超音波吸収係数αは約0.7(dB/MHz/cm)であることが一般に知られている。
【0030】
一方、図3は肝臓に対して1.6MHzの強力超音波を照射した場合の照射時間τと焦点強度Iの関係(以下では照射時間・焦点強度特性データと呼ぶ)を周波数・エネルギー密度Eをパラメータとして模式的に示したものであり、安全かつ有効な焼灼を行なうための周波数・エネルギー密度の条件と焦点強度の条件のいずれをも満たす範囲を図中の斜線によって示している。このような照射時間・焦点強度特性データが複数の超音波周波数について準備され、これらの照射時間・焦点強度特性データはシステム制御部13の記憶回路19の肝臓データ記憶領域に予め保存されている。
【0031】
同様にして、治療対象臓器が胆膵などの腹部臓器や乳腺、甲状線などの表在性臓器、更には前立腺や子宮などの泌尿器領域あるいは産科領域の臓器についても複数の超音波周波数における照射時間・焦点強度特性データが周波数・エネルギー密度をパラメータとしてシステム制御部13の記憶回路19に保存されている。
【0032】
図4は照射時間・焦点強度特性データが前記記憶回路19において臓器別、超音波周波数別に保存されている状態を模式的に示している。
【0033】
更に、このシステム制御部13の記憶回路19には、この超音波照射装置100において使用可能なN種類のアプリケータ23の仕様値が予め保存されている。この場合のアプリケータ23の仕様値として、図5に示すようなアプリケータID(A−1乃至A−N)、このアプリケータ23を構成する凹面状の圧電振動子22の共振周波数、口径(直径)、凹面の曲率半径、更には電気的な駆動エネルギーを強力超音波エネルギーに変換する際の電気音響変換効率などの値が設定され、例えばアプリケータIDがA−1の肝臓用アプリケータ23が有する圧電振動子22の共振周波数は1.6MHz、口径は100mm、曲率半径は100mm、電気音響変換効率は0.5である。
【0034】
次に図1に戻り、超音波照射装置100の超音波映像部11は、被検体51の腫瘍55における超音波画像データを得るために、イメージング用超音波の送受信を行なう超音波プローブ21と、この超音波プローブ21に対して送信信号を供給し、また、超音波プローブ21から得られる受信信号から超音波画像データを生成する超音波送受波部17を備えている。この超音波映像部11によって治療対象である腫瘍55に対する強力超音波の照射状況や焼灼効果がモニタリング可能となるのみならず、超音波画像上に強力超音波の焦点52を表示することによって腫瘍55に強力超音波の焦点52を容易に設定することができる。
【0035】
超音波プローブ21を前記アプリケータ23に一体化して取り付けることにより、超音波画像観測下で腫瘍55の位置に強力超音波の焼灼位置を設定する。この超音波プローブ21は、通常の超音波診断装置において用いられているものと同様のものが使用されるが、特に圧電振動子22による強力超音波の照射の妨げにならないように、小さな超音波送受信面で広い範囲の画像化が可能なセクタ走査用の超音波プローブ21が好適である。
【0036】
本実施の形態では、超音波ビームの送受信方向を電子的に制御して扇状の画像領域を得るセクタ電子走査型の超音波プローブ21を用いる。即ち、超音波プローブ21の先端部には、例えば1次元にM個配列された微小圧電振動子を有し、この図示しない複数の微小圧電振動子によって、送信時には電気パルスを超音波パルスに変換して被検体51の診断部位に送信し、また受信時には被検体51からの超音波パルス(超音波エコー)を電気信号に変換する。
【0037】
超音波送受波部17は、図6に示すように超音波プローブ21から被検体51に対して超音波パルスを放射するための駆動信号を生成する超音波送信部61と、被検体51からの超音波パルスを超音波プローブ21を介して受信する超音波受信部62と、この受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像データ生成部63と、この画像データを保存する画像データ記憶部64とを備えている。
【0038】
ここで超音波送信部61は、レートパルス発生器66と、送信遅延回路67と、パルサ68を備えており、レートパルス発生器66は、被検体51に放射する超音波パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスを送信遅延回路67に供給する。送信遅延回路67は、Mチャンネルの独立な遅延回路から構成され、超音波プローブ21において細い送信超音波ビーム幅を得るために所定の深さに超音波を集束するための遅延時間と所定の方向に超音波を放射して被検体51を走査するための遅延時間をレートパルスに与え、パルサ68に供給する。パルサ68は、Mチャンネルの独立な駆動回路を有しており、超音波プローブ21に内蔵されたM個の微小圧電振動子を駆動して被検体51に超音波パルスを送信するための駆動信号を生成する。
【0039】
一方、超音波受信部62は、前記微小圧電振動子によって電気信号に変換された受信信号を増幅し十分なS/Nを確保するプリアンプ69と、受信遅延回路70と、加算器71とを備えている。受信遅延回路70は、細い受信ビーム幅を得るために所定の深さからの超音波を集束するための遅延時間と、超音波ビームの受信指向性を制御し被検体51を走査するための遅延時間とをプリアンプ69の出力に与えた後、加算器71に送り、加算器71ではMチャンネルの受信信号を加算する。
【0040】
画像データ生成部63は、対数変換器72と、包絡線検波器73と、A/D変換器74とを備えている。画像データ生成部63の入力信号は、対数変換器72で受信信号の振幅を対数変換し、弱い信号を相対的に強調する働きをしている。一般に被検体51からの受信信号は70dB以上の広いダイナミックレンジをもった振幅を有しているが、これを23dB程度のダイナミックレンジをもつ通常のテレビモニタに表示するためには弱い信号を強調する振幅圧縮が必要となる。包絡線検波器73は、対数変換された受信信号に対して包絡線検波を行い、超音波周波数成分を除去し、その振幅の大きさのみを検出する。A/D変換器74は、この包絡線検波器73の出力信号をA/D変換し超音波画像データを生成する。
【0041】
画像データ記憶部64は、画像データ生成部63において生成された超音波の画像データを保存する記憶回路であり、超音波の送受信方向を変更しながら得られるデータは順次記憶され、2次元の画像データを生成する。
【0042】
(強力超音波による治療の手順)
(アプリケータの設置)
次に、本実施の形態における超音波照射の手順を図7のフローチャートに従って述べる。但し、以下の実施の形態では肝臓癌を超音波照射装置100によって治療する場合を例に説明する。
【0043】
操作者は、アプリケータIDが、治療対象臓器(肝臓)の超音波焼灼に最適な圧電振動子22であるA−1のアプリケータ23を選択して超音波照射装置100に取り付ける(図7のステップS1)。
【0044】
次いで、超音波映像部11及び超音波プローブ21を用いて得られる超音波画像データを表示部14のモニタ上で観察し、腫瘍55の超音波像に対して強力超音波の焦点マーカが一致するようにアプリケータ23、及びこのアプリケータ23と一体化した超音波プローブ21の位置や方向を調整する。
【0045】
(超音波画像の収集)
次に、強力超音波の照射前に超音波映像部11によって行なわれる超音波画像データの生成手順について図6を用いて説明する。被検体51へのイメージング用超音波の送信に際して、超音波送信部61のレートパルス発生器66はシステム制御部13からの制御信号に従い、被検体51に放射する超音波パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスを送信遅延回路67に供給する。
【0046】
送信遅延回路67は、Mチャンネルの独立な遅延回路で構成され、イメージング用の送信超音波を所定の深さに集束するための遅延時間と、所定の方向に超音波を送信するための遅延時間をレートパルスに与え、この所定の遅延時間を有したM個のレートパルスをパルサ68に供給する。パルサ68は超音波プローブ21のM個の微小圧電振動子に対して駆動信号を供給し、被検体51の所定方向(θ1方向)に超音波パルスを放射する。このとき前記パルサ68において、例えば3.5MHzの共振周波数を有する前記微小圧電振動子を駆動するための駆動信号が形成される。
【0047】
被検体51に放射された中心周波数3.5MHzの超音波パルスの一部は、音響インピーダンスの異なる被検体51の臓器境界面あるいは組織内にて反射し、超音波プローブ21の前記M個の微小圧電振動子によって受信されて電気信号に変換される。この受信信号はMチャンネルのプリアンプ69にて増幅され、更にMチャンネルの受信遅延回路70に送られる。
【0048】
受信遅延回路70は、所定の深さからの超音波を集束して受信するための遅延時間と、θ1方向に強い受信指向性をもたせて受信するための遅延時間を受信信号に与えた後、加算器71へ送る。加算器71はプリアンプ69、受信遅延回路70を介して入力されるMチャンネルの受信信号を加算合成し、1つの受信信号に纏めた後、画像データ生成部63へ供給する。
【0049】
加算器71の出力は、画像データ生成部63の対数変換器72、包絡線検波器73、A/D変換器74において、対数変換、包絡線検波、A/D変換がなされ、画像データ記憶部64に一旦保存される。
【0050】
次に、超音波の送受信方向をΔθずつ更新させながらθ1方向の場合と同様な手順でθ2、θ3・・・θNの方向に超音波の送受信を順次行なう。即ち、システム制御部13は、送信遅延回路67及び受信遅延回路70の遅延時間を前記超音波送受信方向に対応させて順次切り替えながら、2次元走査を行い超音波画像データを収集する。
【0051】
次いで、システム制御部13は、上記手順によって得られた画像データを画像データ記憶部64において保存し、所定の範囲(θ1乃至θN)の走査が終了した時点で2次元の超音波画像データを表示部14のモニタに表示する。
【0052】
ところで、超音波プローブ21はアプリケータ23に一体化して取り付けられている。従って、圧電振動子22と超音波プローブ21の相対位置も一義的に決定されるため、前記圧電振動子22の曲率半径によって決定される強力超音波の焦点52を超音波画像上にマーカとして表示することが可能である。そして、操作者は、表示部14のモニタ上に表示される被検体51の超音波画像を観察し、画像上に表示される腫瘍55が前記焦点マーカと重なるようにアプリケータ23の位置を調節する(図7のステップS2)。
【0053】
(照射条件の設定)
次いで、操作者は、操作部15に設けられた治療対象臓器の選択ボタンを用いて所定の臓器(肝臓)を選択する。なお、この場合、操作部15に設けられた液晶パネルにおける臓器名入力画面から、キーボードあるいはマウスなどの入力デバイスを用いて治療対象の臓器名、あるいはこの臓器に対応した臓器ID等を入力することによって治療対象臓器の設定を行ってもよい。
【0054】
次に、操作者は、超音波照射装置100に取りつけられた肝臓専用のアプリケータ23の情報(アプリケータ名あるいはアプリケータID)を治療対象臓器の入力と同様な手順により操作部15から入力し、システム制御部13は入力されたアプリケータ名あるいはアプリケータIDをシステム制御部13の記憶回路19に保存する。なお、前記肝臓専用のアプリケータ23が取りつけられた際、このアプリケータ23に設けられているID情報をシステム制御部13のCPU18によって読み出すことによって、前記治療対象臓器名やアプリケータ名あるいは夫々のIDを自動的に設定してもよい(図7のステップS3)。
【0055】
上記手順によって、例えば、治療対象臓器名(肝臓)とアプリケータ23のアプリケータID(A−1)が選択されたならば、システム制御部13のCPU18は前記アプリケータIDに基づいてシステム制御部13の記憶回路19に記憶されているアプリケータ仕様データの中からアプリケータA−1の共振周波数(1.6MHz)を読み出し、次いでこの共振周波数、即ち強力超音波周波数(1.6MHz)と前記治療対象臓器(肝臓)に対応した照射時間・焦点強度特性データ(図2参照)をシステム制御部13の記憶回路19から読み出す。
【0056】
なお、圧電振動子22の共振周波数の設定は被検体51の体表から治療対象臓器までの距離や、この治療対象臓器の組織における超音波吸収係数を考慮して行なわれる。即ち、被検体51における強力超音波の減衰量(dB)は照射される強力超音波の周波数と、治療対象臓器における超音波吸収係数と、強力超音波の伝搬距離の積に比例し、一方、焦点52における発熱量は前記吸収係数に比例する関係にある。従って、強力超音波の周波数が高すぎる場合、圧電振動子22から照射された強力超音波は腫瘍55に到達する前に大きく減衰し、強力超音波の周波数が低過ぎる場合は腫瘍55における発熱が生じ難いため、いずれの場合も効率のよい焼灼を行うことができない。このような理由から、治療対象臓器が肝臓の場合には1MHz乃至2MHzの周波数を有した強力超音波が用いられる。
【0057】
上記の手順によって選択された照射時間・焦点強度特性データを用いた最適照射条件の設定方法について以下に述べる。なお、強力超音波の照射条件は主に照射時間と投入電力によって設定され、既に述べた焦点強度は前記投入電力に依存している。従って、まず照射時間・焦点強度特性データから焦点強度と照射時間の設定を行い、更にこのとき設定された焦点強度に基づいて投入電力の算出を行なう。
【0058】
照射時間・焦点強度特性データにおいて、照射時間の設定範囲は一般に臨床的な制約から決定されることが多く、特に治療中における臓器の拍動性移動や呼吸性移動の影響を防ぐために照射時間を所定の許容値(τMAX)以下に設定する必要がある。例えば、肝臓における強力超音波の照射時間の許容値τMAXは呼吸性の移動の影響を排除するために一般に30秒以内に設定することが望ましい。
【0059】
即ち、操作者は操作部15の操作パネルにおいて照射時間τMAXを入力すると、システム制御部13のCPU18は既に選択している治療対象臓器(肝臓)及び強力超音波周波数1.6MHzに対応した照射時間・焦点強度特性データにおいて許容される焦点強度の範囲が設定される。
【0060】
この設定方法について図8及び図9を用いて更に詳しく説明する。図8は既に図3において示したように治療対象臓器(肝臓)、及び強力超音波周波数(1.6MHz)に対応した照射時間・焦点強度特性データを模式的に示したものであり、周波数・エネルギー密度の上限値EMAX=40,000(MHz・J/cm2)、下限値EMIN=6,000(MHz・J/cm2)、焦点強度の上限値IMAX=3,000(W/cm2)、照射時間の上限値τMAXによって囲まれた斜線の領域が初期の最適変性領域となる。一方、図9は前記照射時間・焦点強度特性データを用いて照射時間と焦点強度を設定する際に用いられる操作部15の液晶パネルの入力画面を示している。
【0061】
上記の手順によって、照射時間・焦点強度特性データが選択されたならば、操作部15の液晶パネル上には図9(a)に示すような照射時間の設定可能範囲(τMIN−τMAX)と焦点強度の設定可能範囲(IMIN−IMAX)の数値が表示される。
【0062】
操作者は、まず操作部15の液晶パネルに表示された照射時間の設定可能範囲を観測し、マージンを考慮して照射時間の設定値τXを次式によって求める。
【0063】
τX=(τMAX+τMIN)/2 ・・・(1)
そして、操作者は算出された照射時間の設定値τXを同じ操作部15の入力画面において入力する(図7のステップS4)。システム制御部13のCPU18は、操作者によって入力された設定値τXを読み取り、図8に示す前記照射時間・焦点強度特性データのτ=τXにおいて焦点強度の新たな設定範囲(IXMIN−IXMAX)を求める。そして、その結果を図9(b)に示すように操作部15の入力画面に表示する。
【0064】
次いで、操作者は、この設定範囲(IXMIN−IXMAX)に基づいて焦点強度の設定値IXを次式によって求め、この値を操作部15の入力画面において入力する。
【0065】
IX=(IXMAX+IXMIN)/2 ・・・(2)
システム制御部13のCPU18は、このような手順によって照射時間τXと焦点強度IXを夫々設定し、その設定値τX及びIXは図9(c)に示すように操作部15の液晶パネル上に表示される(図7のステップS5)。
【0066】
なお、上記の照射時間と焦点強度の設定では、照射時間τXを設定した後に焦点強度IXを設定したが、焦点強度の設定を行なった後に照射時間の設定を行なうことも可能である。図10は焦点強度Iyの設定を先行させた場合の設定方法を模式的に示したものであり、操作者は照射時間・焦点強度特性データの焦点強度の設定可能範囲(IMIN−IMAX)から焦点強度の設定値Iyを次式によって求める。
【0067】
Iy=(IMAX+IMIN)/2 ・・・(3)
システム制御部13のCPU18は、このIyと前記照射時間・焦点強度特性データとからI=Iyにおける照射時間の新たな設定範囲(τyMIN−τyMAX)を求めて操作部15の液晶パネル上に表示し、操作者はこの設定範囲(τyMIN−τyMAX)に基づいて照射時間の設定値τyを次式によって求める。
【0068】
τy=(τyMAX+τyMIN)/2 ・・・(4)
次に前記焦点強度と投入電力について述べる。焦点領域の面積をS,体表から焦点52までの距離をL、肝臓の超音波吸収係数をαo、超音波周波数をfo、圧電振動子22の電気音響変換効率をKtとすれば焦点強度Iと投入電力Wは
I=K・Kt・W・exp(−αo・fo・L)/S ・・・(5)
の関係にある。但し、Kは比例定数であり、この値は実験的に求めることができる。また、焦点領域の面積Sはアプリケータ23を構成する圧電振動子22の共振周波数と口径と曲率半径によって決定される量であり、システム制御部13の記憶回路19に保存されているアプリケータ仕様データに基づいて算出することが可能である。
【0069】
一方、被検体51の体表から焦点52までの距離Lは、焦点52を含む超音波画像に基づいて計測することが可能である。図11(a)は圧電振動子22の焦点52と被検体51の体表面の位置関係を示したものであり、記号Aは強力超音波ビーム軸と被検体51の体表との交点、記号Bは焦点52である。一方、図11(b)は、このとき表示部14のモニタに表示される腫瘍55の超音波画像と焦点マーカを示す。操作者は、操作部15のモニタに表示される図11(b)の画像において強力超音波の焦点52と被検体51の焼灼位置(腫瘍55)とが一致したことを確認したならば、被検体51の体表位置Aと焦点位置Bをマウスを用いて指定する。
【0070】
次いで、システム制御部13のCPU18は、操作部15から入力された体表位置A、及び焦点位置Bの位置情報から前記体表位置A、及び焦点位置Bの間の距離Lを計測し、その計測値を表示部14のモニタに表示し、操作者は、その計測結果を操作部15の入力画面を用いて入力する。なお、前記焦点52と前記焼灼位置の調整は、図11(a)においてアプリケータ23のカップリング液25の量を調節することによって可能であり、ポンプを備えた水回路26がアプリケータ23に接続されている。
【0071】
次いで、システム制御部13のCPU18は、操作者によって入力された被検体51の体表から焦点52までの距離Lと、既にシステム制御部13の記憶回路19に保存されているアプリケータ仕様及び肝臓の超音波吸収係数αと、既に設定されている焦点強度I=IXを式(5)に代入することによって投入電力WXを算出し、その結果をシステム制御部13の記憶回路19に保存するとともに、この投入電力Wxが出力されるように超音波治療部12のパワーアンプ32のゲインを設定する(図7のステップS6)。
【0072】
以上のような手順により、パワーアンプ32のゲインを制御することによって投入電力WXが設定され、更に、この投入電力WXによって焦点強度IXが間接的に設定されて全ての照射条件の設定が完了する。
【0073】
(強力超音波による腫瘍の焼灼)
次に、操作者は操作部15より強力超音波の照射開始コマンドを入力する。この照射開始コマンド信号を受けたシステム制御部13は焼灼部位に対して強力超音波の照射を開始する。このときシステム制御部13は既に算出されている投入電力WXに基づいて超音波治療部12のパワーアンプ32における増幅度が制御され、更に設定されている照射時間τXに基づいてCW発生器31の出力時間が制御される(図7のステップS7)。
【0074】
従って、被検体51の腫瘍55に対して過不足の無い超音波エネルギーが照射されるため、安全かつ効率のよい焼灼が行なわれる。なお、超音波映像部11は被検体51の超音波画像データをリアルタイムで収集することが可能であり、上述した治療前における超音波画像データの収集と同様な手順によって治療中における焼灼状況の観察や治療後の焼灼効果の確認を行うことが可能である。
【0075】
以上、肝臓癌の強力超音波による治療について述べてきたが胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓等の腹部臓器や泌尿器領域の前立腺、産科領域の子宮、更には表在性臓器の乳腺や甲状腺の治療においても同様にして強力超音波の周波数や照射時間、更には最大焦点強度の範囲を図12のように設定することによって最適な照射条件を効率よく、しかも確実に設定することができる。
【0076】
尚、図12において、脳に対する照射では正常部位における損傷を最低限に抑えるために、他の臓器に比較して焦点強度を低くし、照射時間を長くすることが望ましい。また、開腹時の肝臓などのように、その臓器に対してアプリケータ23が直接触れる場合や、前立腺・子宮、あるいは乳腺・甲状腺のように、その臓器の近傍にアプリケータ23を配置することが可能な場合には、呼吸性移動あるいは拍動性移動の影響を受け難いため照射時間を長く設定することが可能である。一方、超音波周波数の設定においては、例えば、開腹時の肝臓などのようにアプリケータ23に対する対象臓器の近傍部位と遠方部位との比が大きな場合には周波数範囲を広く設定する必要があり、前立腺・子宮、あるいは乳腺・甲状腺についても同様である。
【0077】
以上述べた本実施の形態によれば、操作者は予め保存されている照射時間・焦点強度特性データをはじめとする各種データに基づいて表示される照射時間や焦点強度の設定可能範囲を参考に最終的な照射条件の設定を行なうことができるため短時間で正確な照射条件の設定が可能となる。
【0078】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することが可能である。例えば、強力超音波の発生源である圧電振動子22は1枚の凹面振動子から構成される場合について述べたが、アニュラアレイや1次元アレイ、更には2次元アレイの複数の圧電振動子から構成されてもよい。この場合、強力超音波の焦点52は駆動信号の位相制御によって変更することが可能となるため、アプリケータ23の選択と同時に焦点52についての設定が必要となる。
【0079】
一方、体表面と焦点52との距離計測は、超音波画像データを例えば2値化のような画像処理をした後、自動計測することによって操作者の照射条件設定における負担を更に軽減することができる。
【0080】
また、本実施の形態では強力超音波の焦点52の位置は不変の場合について述べてきたが、これに限定されるものではない。即ち、アプリケータ23を機械的に移動することによって、腫瘍55を強力超音波ビームで走査しながら焼灼する場合においても本発明は適用でき、複数個配列された圧電振動子を用い、これらの駆動信号の位相を電子的に制御することによって、腫瘍55を強力超音波ビームで走査する場合も同様である。尚、強力超音波による走査時に焦点52の位置が深さ方向に移動する場合は、例えば体表・焦点間の距離が自動補正され、この補正値に伴う投入電力の変更などが瞬時に行われる。
【0081】
また、図7に示した照射時間及び焦点強度の入力画面において、設定可能範囲以外の数値が誤って設定値欄に入力された場合には、システム制御部13のCPU18は操作者に対して再入力を要求することにより治療の安全性を更に高めることができる。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、操作者は予め保存されている強力超音波の照射パラメータの設定可能範囲を参考にしながら最終的な照射条件の設定を行なうことができるため短時間で正確な設定が可能となり、治療効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超音波照射装置全体の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態における臓器別の超音波照射許容値を示す図。
【図3】本発明の実施の形態における照射時間・焦点強度特性データの1例を模式的に示す図。
【図4】本発明の実施の形態における照射時間・焦点強度特性データの配列状態を模式的に示す図。
【図5】本発明の実施の形態におけるアプリケータの仕様例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態における超音波映像部のブロック図。
【図7】本発明の実施の形態における超音波照射の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施の形態における焦点強度の設定方法を照射時間・焦点強度特性データを用いて模式的に示す図。
【図9】本発明の実施の形態において焦点強度を設定する際に用いられる操作部の入力画面を示す図。
【図10】本発明の実施の形態における照射時間の設定方法を照射時間・焦点強度特性データを用いて模式的に示す図。
【図11】本発明の実施の形態における体表・焦点間距離の計測法を示す図。
【図12】本発明の実施の形態における臓器別の照射条件の範囲を示す図。
【符号の説明】
11…超音波映像部
12…超音波治療部
13…システム制御部
14…表示部
15…操作部
16…振動子駆動部
17…超音波送受波部
18…CPU
19…記憶回路
21…超音波プローブ
22…圧電振動子
23…アプリケータ
24…カップリング膜
25…カップリング液
31…CW発生器
32…パワーアンプ
33…マッチング回路
51…被検体
52…焦点
55…腫瘍
100…超音波照射装置
Claims (22)
- 被検体に対して所定周波数の治療用超音波を照射する電気音響変換素子と、
この電気音響変換素子に対して駆動信号を供給する変換素子駆動手段と、
この変換素子駆動手段による前記治療用超音波の照射条件の設定可能範囲が予め記憶されている設定可能範囲記憶手段と、
この設定可能範囲記憶手段に記憶されている前記照射条件の設定可能範囲に基づいて照射条件を設定する照射条件設定手段とを
備えることを特徴とする超音波照射装置。 - 被検体に対して所定周波数の治療用超音波を照射する電気音響変換素子と、
この電気音響変換素子に対して駆動信号を供給する変換素子駆動手段と、
この変換素子駆動手段による前記治療用超音波の照射に際し、複数の照射条件の設定可能範囲が治療対象別に予め記憶されている設定可能範囲記憶手段と、
前記複数の照射条件の中の所定の照射条件を、前記設定可能範囲記憶手段に記憶されている照射条件の設定可能範囲に基づいて設定する照射条件設定手段と、
この照射条件設定手段によって設定された設定値に基づいて他の照射条件の設定可能範囲を更新する設定可能範囲更新手段とを
備えることを特徴とする超音波照射装置。 - 前記変換素子駆動手段は、前記照射条件設定手段によって設定された照射条件に基づいて強力超音波の照射時間を制御するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記変換素子駆動手段は、前記照射条件設定手段によって設定された照射条件に基づいて駆動信号の電力を制御するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記設定可能範囲記憶手段には治療対象臓器別に強力超音波の照射条件の設定可能範囲が保存されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象設定手段によって設定される治療対象情報に対応した照射条件設定可能範囲に基づいて照射条件を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記治療対象設定手段は、治療の対象となる被検体の臓器を設定することを特徴とする請求項6記載の超音波照射装置。
- 前記変換素子駆動手段は、前記治療対象設定手段が設定する治療対象臓器の情報に基づいて駆動信号の周波数を設定することを特徴とする請求項7記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が肝臓であり、この臓器を経腹壁的に強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が400乃至3000W/cm2、照射時間が1乃至30秒、強力超音波周波数が1乃至2MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が膵臓、脾臓、胆嚢のいずれかであり、この臓器を経腹壁的に強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が400乃至5000W/cm2、照射時間が0.6乃至30秒、強力超音波周波数が1乃至2MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が肝臓、膵臓、脾臓、胆嚢のいずれかであり、この臓器を開腹状態で強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が400乃至3000W/cm2、照射時間が1乃至60秒、強力超音波周波数が1乃至20MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が前立腺あるいは子宮のいずれかであり、この臓器を経腹壁的に強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が400乃至5000W/cm2、照射時間が0.6乃至60秒、強力超音波周波数が1乃至2MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が前立腺あるいは子宮のいずれかであり、この臓器を経直腸的あるいは径膣的に強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が400乃至5000W/cm2、照射時間が0.6乃至60秒、強力超音波周波数が1.5乃至8MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が乳腺あるいは甲状腺のいずれかであり、この臓器に強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が400乃至2000W/cm2、照射時間が1乃至60秒、強力超音波周波数が2乃至8MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 前記照射条件設定手段は、治療対象が脳であり、この臓器に強力超音波を照射して治療する条件は、焦点強度が100乃至3000W/cm2、照射時間が0.3乃至120秒、強力超音波周波数が1乃至10MHzの範囲内での照射条件であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、肝臓を経腹壁的に強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が400乃至3000W/cm2、照射時間が1乃至30秒、強力超音波周波数が1乃至2MHzの範囲内で照射条件を設定することを特徴とする超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、膵臓、脾臓、胆嚢のいずれかを経腹壁的に強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が400乃至5000W/cm2、照射時間が0.6乃至30秒、強力超音波周波数が1乃至2MHzの範囲内で照射条件を設定することを特徴とする超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、肝臓、膵臓、脾臓、胆嚢のいずれかを開腹状態で強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が400乃至3000W/cm2、照射時間が1乃至60秒、強力超音波周波数が1乃至20MHzの範囲内で照射条件を設定することを特徴とする超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、前立腺あるいは子宮のいずれかを経腹壁的に強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が400乃至5000W/cm2、照射時間が0.6乃至60秒、強力超音波周波数が1乃至2MHzの範囲内で照射条件を設定することを特徴とする超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、前立腺あるいは子宮のいずれかを経直腸的あるいは径膣的に強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が400乃至5000W/cm2、照射時間が0.6乃至60秒、強力超音波周波数が1.5乃至8MHzの範囲内で照射条件が設定されることを特徴とする超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、乳腺あるいは甲状腺のいずれかに強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が400乃至2000W/cm2、照射時間が1乃至60秒、強力超音波周波数が2乃至8MHzの範囲内で照射条件を設定することを特徴とする超音波照射装置。
- 被検体に対して超音波を照射し治療に供する超音波照射装置において、脳に強力超音波を照射して治療する場合には、焦点強度が100乃至3000W/cm2、照射時間が0.3乃至120秒、強力超音波周波数が1乃至10MHzの範囲内で照射条件を設定することを特徴とする超音波照射装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012120740A1 (ja) * | 2011-03-10 | 2012-09-13 | オリンパス株式会社 | 超音波照射デバイスおよび超音波照射装置 |
WO2016021551A1 (ja) * | 2014-08-04 | 2016-02-11 | 学校法人東京女子医科大学 | 高密度焦点式超音波治療法と抗癌剤療法との併用療法に用いる抗癌剤 |
WO2018078852A1 (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-03 | オリンパス株式会社 | 超音波焼灼装置および超音波焼灼システム |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337439A patent/JP2004167034A/ja active Pending
Cited By (3)
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