JP3061030B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3061030B2
JP3061030B2 JP10065666A JP6566698A JP3061030B2 JP 3061030 B2 JP3061030 B2 JP 3061030B2 JP 10065666 A JP10065666 A JP 10065666A JP 6566698 A JP6566698 A JP 6566698A JP 3061030 B2 JP3061030 B2 JP 3061030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチングパワ
ーデバイスなどに用いられるpnpn構造のサイリスタ
に関し、特に、2種類のMOSFET(MISFET)
でターンオン・ターンオフ制御可能のダブルMOSゲー
ト型サイリスタ半導体装置の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】昨今、サイリスタ構造によるオン電圧の
低減、及びMOSゲートデバイスによる高速・低駆動電
力化を目的としたMCT(MOSゲート・コントロール
・サイリスタ)が開発されている。MCTはターンオン
が速く、オン電圧も1V程度と優れている反面、ターン
オフ時間が2〜3μsと非常に長く、高周波での使用は
困難である。そこで、本件出願人は、先に特願平5−3
2884号(特開平6−125078号公報)を以てゲ
ート駆動のサイリスタとバイポーラトランジスタとを結
合した半導体装置を開示した。
【0003】その半導体装置においては、図12に示す
如く、アノード電極1が裏面に形成されたp+ 型(第1
導電型)の半導体基板をアノード層2として、このアノ
ード層2上に、n- 型(第2導電型)のベース層3がエ
ピタキシャル成長により形成されている。なお、アノー
ド層2とn- 型ベース層3との間にn+ 型のバッファ層
を設けても良い。そして、このn- 型のベース層3の表
面側に、p型のウェル状のベース層4が拡散形成されて
いる。さらに、このp型のベース層4の内側の表面側に
は、n+ 型のウェル状の外周の第1のカソード層5a,
中央の第2のカソード層5b及び内周のドレイン層6が
それぞれ独立して形成されている。p型のベース層4及
びn+ 型のドレイン層6上にはこれらに跨がり導電接触
するキャリア変換用の短絡用電極(金属電極)8が接続
されている。また、n+ 型のカソード層5a,5bは層
間絶縁膜14上に形成された金属配線第2層目のカソー
ド電極層7を介して相互接続されている。
【0004】そして、n+ 型の第1のカソード層5aか
らp型のベース層4及びn- 型のベース層3の表面に亘
って、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を介して第1の
MOSFET(VDMOS構造)12を構成する多結晶
シリコンの第1のゲート電極10が形成されており、一
方、n+ 型のドレイン層6からp型のベース層4および
+ 型の第2のカソード層5bの表面に亘って、ゲート
酸化膜9を介して第2のMOSFET13を構成する多
結晶シリコンの第2のゲート電極11が形成されてい
る。第1のゲート電極10と第2のゲート電極11は電
気的独立に制御可能となっている。なお、第1のゲート
電極10により構成される第1のMOSFET12及び
第2のゲート電極11により構成される第2のMOSF
ET13は共にnチャネル型のMOSFET(絶縁ゲー
ト型電界効果トランジスタ)である。
【0005】図13に図12のサイリスタ半導体装置の
等価回路を示してある。この半導体構造においては、n
+ 型の第1のカソード層5a,p型のベース層4及びn
- 型のベース層3によりnpn型のバイポーラトランジ
スタQnpn 1が構成され、また、第2のn+ 型のカソー
ド層5b,p型のベース層4及びn- 型のベース層3に
よりnpn型のバイポーラトランジスタQnpn 2が構成
されている。更に、p型のベース層4,n- 型のベース
層3及びp+ 型のアノード層2によりpnp型のトラン
ジスタQpnp が構成されている。従って、カソード層5
a,5bを異にする並列接続のトランジスタQnpn 1,
Qnpn 2とトランジスタQpnp との直列接続より成るサ
イリスタ構造(pnpn構造)が構成されている。
【0006】これらのトランジスタQnpn 1,Qnpn 2
及びQpnp に対し、第1のMOSFET12は、トラン
ジスタQnpn 1のコレクタたるn- 型のベース層3と第
1のカソード層5aとをp型のベース層4表面のチャネ
ルを介して接続し、n- 型のベース層3へ電子を注入す
る。また、短絡用電極8及び第2のMOSFET13
は、ドレイン層6とソース層たる第2のカソード層5b
を接続し、p型のベース層4内から正孔を引き抜く。
【0007】このような構成において、第2のゲート電
極11に電位が印加されていない状態又は負電位が印加
された状態で、第1のゲート電極10を高電位とする
と、第1のゲート電極10の直下のバックゲートたるp
型のベース層4の表面はn型反転層となり、カソード電
極層7からソース層としてのn+ 型の第1のカソード層
5a,第1のゲート電極10の直下のn型反転層(チャ
ネル),そしてドレイン層としてのn- 型のベース層3
とが接続される。従って、カソード電極層7からドレイ
ン・ドリフト領域であるn- 型のベース層3へ電子(n
- 型のベース層3の多数キャリア)が注入され、それに
呼応して、p+ 型のアノード層2からn-型のベース層
3へ正孔(アノード層2の多数キャリア)が注入され
る。これは、n- 型ベース層3の伝導度が変調され、p
np型のトランジスタQpnp がオン状態となったことを
意味する。さらに、このトランジスタQpnp の正孔電流
が、トランジスタQnpn 1,Qnpn 2のベース電流とな
るため、トランジスタQnpn 1,Qnpn 2がオン状態と
なる。即ち、p+ 型のアノード層2,n- 型のベース層
3,p型のベース層4及びn+ 型のカソード層5a,5
bにより構成されるサイリスタ(pnpn構造)がオン
状態となり、高濃度のキャリアがデバイス中に存在し、
本装置は低抵抗状態となる。このように、第2のゲート
電極11を零電位以下とした状態で、第1のゲート電極
10を高電位とすることにより、MCTと同様にサイリ
スタ状態となるので、ターンオンが速くオン電圧の低い
パワーデバイスとなる。
【0008】このサイリスタ状態から、第1のゲート電
極10を高電位のまま第2のゲート電極11を高電位と
すると、第2のMOSFET13もオン状態となり、第
2のゲート電極11の直下のp型のベース層4の表面が
n型に反転する。これにより、p型のベース層4,短絡
用電極8,n+ 型のドレイン層6,第2のゲート電極1
1の直下のn型反転層(チャネル),そしてn+ 型のカ
ソード層5bが導通状態となる。p型のベース層4にお
ける正孔は、短絡用電極8において電子に変換されるた
め、p+ 型のコレクタ層2から注入された正孔電流は、
p型のベース層4から短絡用電極8で電子電流に変換さ
れ、その電子電流はカソード電極層7に流出する。従っ
て、バイポーラトランジスタQnpn 1,Qnpn 2はオフ
状態となる。この結果、サイリスタ動作は消滅し、バイ
ポーラトランジスタQpnp のみが作動するバイポーラト
ランジスタ状態となる。この状態は、先に説明したIG
BT(伝導度変調型トランジスタ)の動作状態(第1の
MOSFET12で電子が注入されベース層3の電気伝
導度が変調された状態)と同様になっており、サイリス
タ状態時に比してデバイス中に存在するキャリア密度が
減少した状態となっている。このため、この後第1のゲ
ート電極10を零又は負電位としたターンオフ時に、キ
ャリアの掃き出しに要する時間が短縮でき、ターンオフ
時間を短くすることができる。
【0009】図14(a),(b)にサイリスタ状態お
よびバイポーラトランジスタ状態(IGBT状態)にお
ける電流の流れ図を示してある。図14(a)に示すサ
イリスタ状態においては、カソード電極5a,5bに向
けn- 型のベース層3からp型のベース層4にかけて正
孔電流,電子電流が揃って流れ、サイリスタ動作が達成
されている。特に、主電流は中央部のn+ 型の第2のカ
ソード層5bの直下を縦方向に流れており、n+ 型の第
2のカソード層5bが実質的にサイリスタ動作時のカソ
ードとして機能している。
【0010】これに対し、図14(b)に示すバイポー
ラトランジスタ状態においては、装置の主電子電流はI
GBTと同様に、n- 型のベース層3から第1のMOS
FET12のチャネルを通って第1のカソード層5aに
流れ、また、正孔電流は第1のMOSFET12の側か
らp型のベース層4内に入り、短絡用電極8およびn+
型のドレイン層6を介して第2のMOSFET13を通
ってカソード電極層7に流出している。このように、ト
ランジスタ状態における主電流は、サイリスタ状態にお
ける主電流経路である中央部のn+ 型の第2のカソード
層5bの下方側領域を流れず、サイリスタ状態における
主電流経路とトランジスタ状態における主電流経路とが
分離されている。
【0011】即ち、図12に示す半導体装置は、サイリ
スタをターンオンさせるため多数キャリアたる電子を注
入する第1のMOSFET12におけるソースたる第1
のカソード層5aとサイリスタ動作時の主電流が流れる
実質的なカソードたる第2のカソード層5bの部位を離
隔分離させたものである。第1のカソード層5aの下方
側領域の不純物濃度と第2のカソード層5bの下方側領
域の不純物濃度とを独立に制御可能となるので、低オン
電圧でサイリスタ動作となり、ターンオフ時間の短縮を
達成することができることは勿論のこと、寄生抵抗RB
の低減によりラッチアップ耐量を大きくすることが可能
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
半導体構造にあっては、次のような問題点がある。
【0013】 サイリスタ状態からバイポーラトラン
ジスタ状態(IGBT状態)に移行させるとき、p型の
ベース層4中から正孔を引き抜くため、p型のベース層
4の表面側にnチャネル型の第2のMOSFET13を
設ける必要があるが、その際、引抜く正孔を第2のMO
SFET13のモノポーラである電子に変換するため、
p型のベース層4及びn+ 型のドレイン層6にはこれら
に跨がる短絡用電極(金属電極)8を孤立且つ微細に形
成しなければならない。ところが、一般に、半導体領域
に接触する金属電極8を微細に形成するのは難しい。ま
た、この第1層目の金属電極8を挟んだ第1のカソード
層5aと第2のカソード層5bとを層間絶縁膜14上に
形成された第2層目のカソード電極(電源配線層)7を
介して相互接続する必要があるが、パワーデバイスでは
上下に重なる2層電極配線の構造はプロセス上も絶縁上
も実状に則していない。
【0014】 第2のMOSFET13のオン抵抗を
低減させると、バイポーラトランジスタ動作時において
p型ベース4より正孔の引き抜きを早めることができ、
ターンオフ速度を上げることができる。ところが、第2
のMOSFET13は、第1のMOSFET12と同様
に、多結晶シリコンのゲート電極11をマスクとして用
いゲート下のボディの両側にソース・ドレイン領域
(6,5b)をセルフアライン(自己整合)で形成した
ものである。実効チャネル長はそのマスクたる多結晶シ
リコンのゲート電極11のゲート長によって決まるが、
ゲート電極11の長さは微細化プロセスでも約1μmが
現実的であり、短チャンネル化には限界があり、オン抵
抗の低減が困難である。またMOSトランジスタの特性
バラツキが起こり易い。
【0015】そこで、上記の問題点に鑑みて、本発明の
課題は、正孔引き抜き用の第2のMOSFETを電子注
入用の第1のMOSFETとは逆導電型とし、正孔引き
抜き時のキャリア変換用の短絡用電極の形成を不要化
し、微細電極形成の困難さと電極配線の2層構造とを回
避すると共に、第2のMOSFET自身のオン抵抗の低
減を実現できるサイリスタ半導体装置の製造方法を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の製造方法
により製造される半導体構造は、多数キャリア注入用の
MISFETと多数キャリア引抜き用MISFETとを
逆導電型にすべく、多数キャリア引抜き用MISFET
を2重拡散型構造(DMOS構造)としたものである。
即ち、その半導体装置は、第1導電型の第1半導体領
域,この上に形成された第2導電型の第2半導体領域,
この第2半導体領域内にウェル状に形成された第1導電
型の第3半導体領域,この第3半導体領域内の表面側に
ウェル状に形成された第2導電型の第4半導体領域,第
3半導体領域内の表面側のウェル端側にウェル状に形成
された第2導電型の第5半導体領域,第4半導体領域内
の表面側にウェル状に形成された第1導電型の第6半導
体領域,第3半導体領域及び第5半導体領域との2重拡
散型構造を有し、第5半導体領域から第2半導体領域に
対しその多数キャリアを注入する多数キャリア注入用第
2導電型MISFET,並びにこの第2導電型MISF
ETとは独立に開閉可能であって、第4半導体領域及び
第6半導体領域との2重拡散型構造を有し、第3半導体
領域から第6半導体領域にその多数キャリアを引き抜く
多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFET,を備
えて成るものである。
【0017】本発明の半導体装置の第1の製造方法とし
ては、第1導電型半導体基板上に第2半導体導電層を形
成した基板を準備し、その基板上に第1のゲート電極と
第1のゲート電極間内で相離間する第2のゲート電極を
形成するゲート電極形成工程と、次に、第1及び第2の
ゲート電極をマスクとして第1導電型不純物のイオン注
入を行う第1のイオン注入工程と、第1及び第2のゲー
ト電極をマスクとして第2のゲート電極間に第2導電型
不純物のイオン注入を行う第2のイオン注入工程と、次
に、ドライブインにより第2のゲート電極下で隣接の第
1導電型不純物の拡散域同士を連結させて一体ウェル状
の第3半導体領域を拡散形成すると同時に、第3半導体
領域内にウェル状の第4半導体領域を拡散形成する熱拡
散工程とを有して成ることを特徴とする。
【0018】ここで、上記第2のゲート電極のゲート長
を上記熱拡散工程による上記第1導電型不純物の横方向
拡散長の2倍よりも短くすることが好ましい。また、第
1のイオン注入工程で用いる第1導電型不純物の拡散係
数は第2のイオン注入工程で用いる第2導電型不純物の
それに比して大きいことが好ましい。更に、少なくとも
上記第1又は第2のゲート電極としては、金属の単層構
造,金属シリサイドの単層構造,多結晶シリコンと金属
との2層構造及び多結晶シリコンと金属シリサイドとの
2層構造から成る群より選択されたいずれかの構造であ
ることが好ましい。
【0019】本発明の第2の製造方法としては、第1導
電型半導体基板上に第2半導体導電層を形成した基板を
準備し、その基板上に第1のゲート電極を形成する第1
のゲート電極形成工程と、次に、第1のゲート電極をマ
スクとして第1導電型不純物のイオン注入を行う第1の
イオン注入工程と、次に、上記基板上に第1のゲート電
極間内で相離間する第2のゲート電極を形成する第2の
ゲート電極形成工程と、次に、第1及び第2のゲート電
極をマスクとして第2のゲート電極間に第2導電型不純
物のイオン注入を行う第2のイオン注入工程と、次に、
ドライブインによりウェル状の第3半導体領域とその中
にウェル状の第4半導体領域を同時に拡散形成する熱拡
散工程とを有して成ることを特徴とする。
【0020】本発明の第3の製造方法としては、第1導
電型半導体基板上に第2半導体導電層を形成した基板を
準備し、その基板上に第1のゲート電極を形成する第1
のゲート電極形成工程と、次に、第1のゲート電極をマ
スクとして第1導電型不純物のイオン注入を行う第1の
イオン注入工程と、次に、ドライブインによりウェル状
の第3半導体領域を拡散形成する第1の熱拡散工程と、
次に、上記基板上に第1のゲート電極間内で相離間する
第2のゲート電極を形成する第2のゲート電極形成工程
と、次に、第1及び第2のゲート電極をマスクとして第
2のゲート電極間に第2導電型不純物のイオン注入を行
う第2のイオン注入工程と、次に、ドライブインにより
第3半導体領域内に第4半導体領域を拡散形成する第2
の熱拡散工程とを有して成ることを特徴とする。
【0021】〔作用〕上記の様な半導体装置において
は、第1導電型の第1半導体領域にアノード電位を印加
すると共に、第2導電型の第5半導体領域及び第1導電
型の第6半導体領域にカソード電位を印加した状態で、
第1導電型のMISFETをオフ状態にしたまま第2導
電型のMISFETをオン状態とすると、第2のMIS
FETのソース領域としての第5半導体領域から第2導
電型の第2半導体領域にその多数キャリアが注入されの
で、これに呼応して第1導電型の第1半導体領域から第
2導電型の第2半導体領域内にその少数キャリアが注入
される。従って、第1導電型の第1半導体領域,第2導
電型の第2半導体領域および第1導電型の第3半導体領
域からなるトランジスタがオン状態となる。これによ
り、第1導電型の第3半導体領域にその多数キャリアが
注入されることとなり、同時に第2導電型の第2半導体
領域,第1導電型の第3半導体領域および第2導電型の
第5半導体領域により構成されるトランジスタがオン状
態となる。従って、第1導電型の第1半導体領域,第2
導電型の第2半導体領域,第1導電型の第3半導体領域
および第2導電型の第5半導体領域からなるpnpn構
造のサイリスタがオン状態となる。このため、サイリス
タ動作によりオン電圧を低くすることができる。
【0022】他方、第2導電型のMISFETをオン状
態のまま、第1導電型のMISFETをオン状態とする
と、第1導電型の第3半導体領域中の多数キャリアが第
1導電型のMISFETを介して第1導電型の第6領域
へ流出するので、第2導電型の第2半導体領域,第1導
電型の第3半導体領域および第2導電型の第5半導体領
域により構成されるトランジスタがオフ状態となる。こ
のため、サイリスタ状態からIGBTと同様のトランジ
スタ状態となり、デバイス内のキャリア密度が減少す
る。この後、第2導電型のMISFETをオフ状態とす
ると、トランジスタ状態が瞬時にオフとなるので、高速
のターンオフが可能である。
【0023】第3半導体領域内の多数キャリア引抜き用
のMISFETが第2半導体領域内の多数キャリア注入
用のM1SFETの導電型とは逆導電型の第1導電型で
あるので、第3半導体領域内の多数キャリアをこの第1
導電型のMISFETを介して直接引き抜くことがで
き、従来構造のようなキャリアを変換するための短絡用
電極(金属電極)を第1層目の電極配線として形成する
必要が無くなる。従って、微細電極形成の困難さと電極
配線の2層構造とを回避できる。
【0024】また、第1導電型のMISFETは2重拡
散型構造のMISFETであるため、拡散長差によりチ
ャネル長を決定できるので短チャネル化を実現でき、M
ISFET自身の低オン抵抗化が可能である。このた
め、多数キャリアの引き抜きを強くでき、ターンオフ速
度を早めることができる。更にMISFETの特性バラ
ツキも抑えることができる。
【0025】本発明の第1の製造方法においては、第1
の熱拡散工程でドライブインにより第1導電型のMIS
FETのゲート電極下で隣接の第1導電型不純物の拡散
域同士を連続させるようにしている。このため、導電領
域の作り込みが第1導電型及び第2導電型のMISFE
Tのゲート電極をマスクとしてすべてセルフアラインで
行うことができ、工程数の削減と半導体領域の作り込み
精度を高めることができる。
【0026】ここで、少なくとも上記第1又は第2のゲ
ート電極としては、金属の単層構造,金属シリサイドの
単層構造,多結晶シリコンと金属との2層構造及び多結
晶シリコンと金属シリサイドとの2層構造から成る群よ
り選択されたいずれかの構造とする。第1のゲート電極
が上記の構造である場合には、ターンオフ時のチップ内
での電流の均一化が図れ、可制御電流の増大に寄与し、
また第2のゲート電極が上記構造である場合、ゲート電
極の微細化を図ることができ、伝播遅延量を僅少化でき
るので、動作モード切り換え速度の向上及び可制御電流
容量の増大に寄与する。
【0027】本発明の第2及び第3の製造方法におい
て、第3半導体領域のうち第2のゲート電極直下の領域
の不純物濃度を他の部分よりも薄くしないようにするこ
とができるため、ゲート長を短縮せずとも、ラッチアッ
プ耐量の増大を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
各実施例を説明する。
【0029】〔半導体構造〕まず、図1に、本発明の製
造方法に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装
置の基本構造を示してある。本例の半導体装置は、アノ
ード電極1が裏面に設置されたp++型(第1導電型)の
半導体基板を第1半導体領域(アノード領域)2とし
て、この第1半導体領域2上に、n+ 型のバッファ層3
aを介してn-型(第2導電型)の第2半導体領域(n
- 型ベース層)3がエピタキシャル成長により形成され
ている。このn- 型の第2半導体領域3の表面側にはp
型のウェル状の第3半導体領域(p型ベース層)4が形
成されている。更に、このp型の第3半導体領域4のウ
ェル表面側の中央部にはウェル状のn型の第4半導体領
域(チャネル拡散層)15が形成されていると共に、第
3半導体領域4のウェル端に沿ってこの第4半導体領域
15に離隔して平面的に囲むリング状のn+ 型の第5半
導体領域(カソード領域)16が形成されている。ま
た、ウェル中央部の第4半導体領域15の表面側にはp
+ 型のウェル状の第6半導体領域17が形成されてい
る。n型の第5半導体領域16及びp+ 型の第6半導体
領域17には第1層目の金属電極としての第1のカソー
ド電極18a及び第2のカソード電極18bが導電接触
している。
【0030】そして、n+ 型の第5半導体領域16から
p型の第3半導体領域4及びn- 型の第2半導体領域3
の表面に亘って、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を介
してnチャネル型の第1のMOSFET(VDMOS構
造)12を構成する多結晶シリコンの第1のゲート電極
10が設置されており、一方、p+ 型の第6半導体領域
17からn型の第4半導体領域15,n+ 型の第5半導
体領域16およびp型の第3半導体領域4の表面に亘っ
て、ゲート酸化膜9を介してpチャネル型の第2のMO
SFET(DMOS構造)23を構成する多結晶シリコ
ンの第2のゲート電極21が設置されている。第2のM
OSFET23は2重拡散型MOSFETで、ゲート電
極21をマスクとしてn型の第4半導体領域15がチャ
ネル拡散層としてウェル状のp型の第3半導体領域4の
表面側に形成された後、同じくゲート電極21をマスク
としてp+ 型の第6半導体領域17がソース層として第
4半導体領域15の表面側に拡散形成されたものであ
る。電子注入用の第1のMOSFET12がnチャネル
型DMOSであるのに対し、正孔引抜き用の第2のMO
SFET23はpチャネル型DMOSとなっている。従
って、第2のMOSFET23のチャネルは第3半導体
領域4と第6半導体領域17で挟まれた部分であり、横
方向拡散長の差によりチャネル長が決定されるので短チ
ャネル化されている。なお、第1のゲート電極10と第
2のゲート電極21は電気的に相互独立に制御可能とな
っている。
【0031】図2に本装置の等価回路を示してある。本
装置においては、n+ 型の第5半導体領域16,p型の
第3半導体領域4およびn- 型の第2半導体領域3によ
りnpn型のバイポーラトランジスタQnpn が構成さ
れ、また、p型の第3半導体領域4,n- 型の第2半導
体領域3およびp++型の第1半導体領域2によりpnp
型のバイポーラトランジスタQpnp が構成されている。
従って、バイポーラトランジスタQnpn とQpnp により
サイリスタ構造(pnpn構造)が構成されている。こ
こで、p型の第3半導体領域4,n型の第4半導体領域
15およびp+ 型の第6半導体領域17は破線で示す如
くのpnp型の寄生トランジスタqpnp を構成している
が、p型の第3半導体領域4がn+ 型の第5半導体領域
16を介して第1のカソード電極18aに短絡している
ため、トランジスタ機能は抑圧されている。第1のMO
SFET12は、第5半導体領域16から第3半導体領
域4を介してトランジスタQpnp のベース層たる第2半
導体領域3へその多数キャリア(電子)を注入する。ま
た、第2のMOSFET23は、第3半導体領域4中の
多数キャリア(正孔)を第4半導体領域15のチャネル
を介して第6半導体領域17へ引き抜く。
【0032】このような構造の本装置において、第2の
ゲート電極21に高電位が印加された状態で、第1のゲ
ート電極10を高電位とすると、第1のゲート電極10
の直下のバックゲートたるp型の第3半導体領域4のウ
ェル端表面はn型反転層となり、カソード電極18aか
らソース領域としてのn+ 型の第5半導体領域16,第
1のゲート電極10の直下のn型反転層,そしてドレイ
ンとしてのn- 型の第2半導体領域3とが接続される。
従って、カソード電極18aからドレインドリフト領域
であるn- 型の第2半導体領域3へその多数キャリアと
しての電子が注入され、それに呼応して、p+ 型の第1
半導体領域2から正孔が注入される。これにより伝導度
が変調され、pnp型のトランジスタQpnpがオン状
態(IGBT状態)となる。さらに、このトランジスタ
Qpnpの正孔電流が、トランジスタQnpnのベース
電流となるため、トランジスタQnpnがオン状態とな
る。すなわち、p+ 型の第1半導体領域2,n- 型の第
2半導体領域3,p型の第3半導体領域4およびn+
の第5半導体領域16により構成されるサイリスタ(p
npn構造)がオン状態となり、高濃度のキャリアがデ
バイス中に存在し、本装置は低抵抗状態となる。
【0033】このように、本装置においては、第2のゲ
ート電極21を高電位とした状態で、第1のゲート電極
10を高電位とすることにより、前述したMCTと同様
にサイリスタ状態となるので、オン電圧の低いパワーデ
バイスとなる。このサイリスタ状態(サイリスタモー
ド)では、図3(a)に示す如く、第2半導体領域3か
ら第3半導体領域4のウェル端の第1のゲート電極10
直下のチャネルを介して第5半導体領域16に電子注入
用の電子電流(実線)が流れていると共に、第3半導体
領域のうち第5半導体領域16の直下領域にはサイリス
タの主電流(実線の電子電流と破線の正孔電流)が流れ
ている。ここで、p型の第3半導体領域4,n型の第4
半導体領域15およびp型の第6半導体領域17は図2
の破線で示す如くのpnp型の寄生トランジスタqpnp
を構成しているが、第3半導体領域4が第5半導体領域
16を介してカソード電極18aにpn接続しているた
め、トランジスタ機能は抑圧されている。ただ、p型の
第3領域4からは若干の正孔の引き抜き作用があるが、
サイリスタ動作では第3半導体領域4中のキャリアは非
常に豊富となっているので問題はない。
【0034】このサイリスタ状態から、第1のゲート電
極10を高電位のまま第2のゲート電極21を零又は低
電位とすると、第2のMOSFET23もオン状態とな
り、第2のゲート電極21直下のn型の第4半導体領域
15の表面がp型に反転する。ここで、p型の第3半導
体領域4中の正孔は、短チャネルの第2のMOSFET
23を介して直接第6半導体領域17に引き抜かれるた
め、第2半導体領域3,第3半導体領域4および第5半
導体領域16で構成されるトランジスタQnpnはオフ状
態となる。この結果、サイリスタ動作は消滅し、トラン
ジスタQpnp のみが作動するトランジスタ状態となる。
この状態は、第1のMOSFET12により第2半導体
領域3に電子注入が行われているIGBTの動作状態で
ある。かかる状態では、図3(b)に示す如く、第2半
導体領域3から第3半導体領域4のウェル端の第1のM
OSFET12のチャネルを介して第5領域16に電子
注入用の電子電流(実線)が流れていると共に、この電
子電流に沿う正孔電流(破線)は第2半導体領域3から
第3半導体領域4のウェル端を介して第5半導体領域1
6の直下を通過し、ゲート電極21直下の第2のMOS
FET23のチャネルを介して第6半導体領域17へ流
れている。
【0035】この後、第2のゲート電極21を零又は低
電位としたまま、第1のゲート電極10を零又は低電位
として第1のMOSFET12をオフ状態にすると、瞬
時に電子注入が止むので、これに呼応する第1半導体領
域2から第2半導体領域3への正孔の流入も止むため、
キャリアの掃き出しに要する時間が短縮でき、ターンオ
フ時間を短くすることができる。
【0036】図4に、第1のゲート電極10および第2
のゲート電極21に印加される電位とアノード・カソー
ド間電圧VAK及びアノード電流IA との関係を示してあ
る。
【0037】第1のゲート電極10に0Vが印加してお
り、第2のゲート電極21に−15Vが印加している場
合には、第1のMOSFET12はオフ状態であるもの
の、第2のMOSFET23はオン状態となっており、
サイリスタ構造はターンオフ状態である。ここで、アノ
ード電流IA は零で、アノード・カソード間電圧VAK
約300Vである。前述したように、第2のゲート電極
21に−15Vを印加したまま、第1のゲート電極10
に高電位(15V)を印加すると、第1のMOSFET
12がオン状態となり、本装置は電子が注入されてトラ
ンジスタQpnpのみが作動したIGBTモードに移行
する。これによりアノード電流IA は瞬時に飽和し、ア
ノード・カソード間電圧(オン電圧)VAK は約0.2
μ秒で3V程度に飽和する。
【0038】このIGBTモードから第2のゲート電極
21に0Vを印加し、第2のMOSFET23をオフ状
態にすると、正孔引抜き作用が止むためトランジスタQ
npnがオン状態になり、本装置は完全にターンオンし、
瞬時にサイリスタモードに移行する。サイリスタモード
でのアノード・カソード間電圧(オン電圧)VAK は約
1Vという低い値を示す。次に、第2のゲート電極21
に−15Vを印加して第2のMOSFET23をオン状
態にすると、正孔引抜きが行われるため、瞬時にIGB
Tモードに移行し、アノード・カソード間電圧(オン電
圧)VAK が約3Vとなる。この後、第1のゲート電極
10に0Vを印加して第1のMOSFET12をオフ状
態にすると、約0.4μ秒という速さでIGBT動作も
止み、本装置はターンオフし、アノード電流IA は零
で、アノード・カソード間電圧VAKは約300Vにな
る。このように、本装置は、オン状態時にはMCTと同
様の低いオン電圧で動作し、また、オフ時にはIGBT
と同様の短いターンオフ時間でオフ状態となる。従っ
て、高周波応用においても、スイッチング損失の少ない
パワーデバイスを実現することができる。
【0039】本例においては、第3半導体領域4内の正
孔引抜き用の第2のMOSFET23が第1のMOSF
ET12の導電型とは逆導電型で、2重拡散型MOSF
ETとなっている。これによって、従来構造のような正
孔を電子に変換する短絡用電極(金属電極)を第1層目
の電極配線として微細に形成する必要が無い。このた
め、微細電極形成の困難さと電極配線の2層構造とを回
避できる。更に、第2のMOSFET23は2重拡散型
MOSFETであるため、短チャネル化を実現でき、第
2のMOSFET23自身のオン抵抗の低減が可能であ
るので、正孔の引き抜き速度を早めることができ、ター
ンオフ速度を上げることができる。また第2のMOSF
ET23の特性バラツキも抑えることができる。更に、
ラッチアップ耐量を大きくでき、可制御電流容量の増大
を図ることができる。
【0040】〔実施例1〕図5(a)〜(d)は本発明
の第1の製造方法を示す工程断面図である。図1に示す
如く、p++型の半導体基板に形成したn+ 型のバッファ
層3aを介してn- 型の第2半導体領域3をエピタキシ
ャル成長により形成した後、図5(a)に示す如く、そ
の上にゲート酸化膜9を介して離隔した位置に多結晶シ
リコンの第1のMOSFET用ゲート電極10,10と
その中間位置に第2のMOSFET用ゲート電極21,
21を形成する。この後、ゲート電極10,10,2
1,21をマスクとしてドーズ量7×1013cm-2のボロ
ン(B)のイオン注入を行う。
【0041】次に、図5(b)に示す如く、外側のゲー
ト電極10と内側のゲート電極21間の開口部をレジス
ト42で被覆した後、ゲート電極10,10,21,2
1,レジスト42をマスクとしてゲート電極21,21
間の開口部を介してドーズ量7×1013cm-2のヒ素(A
s)又はアンチモン(Sb)のイオン注入を行う。
【0042】そして、レジスト42を除去した後、図5
(c)に示す如く、1150°C,3時間のドライブインに
より2種不純物を同時熱拡散させて深いp型の第3半導
体領域4のウェルと、その中に浅いn型の第4半導体領
域15のウェルを形成する。
【0043】同時熱拡散しない場合は、ボロン(B)を
1150°C, 3時間のドライブインにより熱拡散させ、ヒ
素(As),アンチモン(Sb)又はリン(P)を1100
°C,2時間で熱拡散させる。p型の第3半導体領域4
の熱拡散過程では、図29に示す如く、ゲート電極21
を挟む隣接する開口部21a,21aから拡散したp型
の拡散層4s,4s同士が横方向拡散によってゲート電
極21直下で相互連結し、図5(c)に示すように単一
のp型の第3半導体領域4のウェルが形成される。この
ため、p型の第3半導体領域4はゲート電極10,1
0,21,21の形成後において、それらをマスクとし
てセルフアライン(自己整合)で形成できるので、工程
数の削減と半導体領域の作り込み精度を高めることがで
きる。
【0044】ここで、開口部21a,21aから拡散し
たp型の拡散層4s,4s同士がゲート電極21直下で
相互連結するための条件を考察すると、図6に示す如
く、アセプタ不純物(ボロン)の熱拡散の縦方向(深さ
方向)拡散長XJ と横方向拡散長YJ との間には、一般
に次式が成立している。 Yj =(0.7 〜0.8 )Xj …(1) 従って、ゲート電極21のゲート長Lは次式を満たさね
ばならない。 L<2Xj ≒1.6 Xj …(2) 例えば、Xj =3μmの場合、ゲート長Lを4.8 μmよ
り短くすれば、熱拡散工程においてゲート電極21直下
で拡散層4s,4s同士が相互連結し、首尾よく単一の
p型の第3半導体領域4のウェルを形成できる。相互連
結による第3半導体領域4を形成できることは、ゲート
電極10,10,21,21の1工程でも形成を保証
し、工程数の削減に寄与する。
【0045】そしてまた、本例においては、アクセプタ
不純物はドナー不純物に比して拡散係数が大きくなるよ
うに、不純物としてボロンとヒ素又はアンチモンを用い
ている。このため、1度のドライブイン工程で深いウェ
ルのp型の第3半導体領域4と浅いウェルの第4半導体
領域15が同時に拡散形成でき、工程数の削減に寄与し
ている。
【0046】この後、ゲート電極10,10,21,2
1をマスクとして再度ドーズ量5×1015cm-2のヒ素
(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量2×10
15cm-2のBF2 のイオン注入を行う。そして、図5
(d)に示す如く、1000°C,10分間のアニールにより
n型の第4半導体領域15の表面層の浅いp型の第6半
導体領域17を形成すると共に、n+ 型の第5半導体領
域16を形成する。BF2 を用いる理由はイオン注入の
飛程が浅くなるので、p+ 型の第6半導体領域17の深
さを約0.5μmにすることができるからである。1度
のドライブイン工程でn型の第5半導体領域16とp+
型の第6半導体領域17が同時に拡散形成でき、工程数
の削減に寄与している。
【0047】この後、層間絶縁膜(図示せず)に穴開け
してカソード電極18を形成し、その上にパッシベーシ
ョン膜(図示せず)を形成する。このように、本例で
は、ゲート電極10,10,21,21をマスクとして
セルフアラインにより第3半導体領域4,第4半導体領
域15,n型の第5半導体領域16及び第6半導体領域
17をすべて形成でき、特性バラツキを低減できる。
【0048】しかし、上記のように第3半導体領域4の
ウェルの形成の仕方が拡散層4s,4s同士をゲート電
極21直下で相互連結する方法を採用する場合、以下に
説明するように、ラッチアップ耐量の点で問題の生じる
おそれがある。即ち、図7(a)に示す如く、熱拡散に
よりゲート電極21直下で両側の拡散層4s,4sが相
互連結して形成された単一のウェルの第3半導体領域4
を用いた半導体装置において、n+ 型の第5半導体領域
16の表面からゲート21直下の第3半導体領域4の表
面を介しn型の第4半導体領域15の表面及びp+ 型の
第6半導体領域17にかけての半導体表面位置に対する
不純物濃度の関係は図7(b)に示す如くの分布を呈し
ている。拡散層4s,4sはゲート電極21の側端A,
Bにより横方向拡散でゲート電極21直下に広がって中
央部分21bで会合するため、拡散をすればするほど不
純物の濃度が薄まるので、ゲート電極21直下の中央部
分21bが特に不純物低濃度領域となっている。このた
め、IGBT動作の正孔引き抜き時においてn+ 型の第
5半導体領域16直下からゲート電極21直下を介して
n型の第4半導体領域15のチャネルからp+ 型の第6
半導体領域17にかけての正孔電流経路(図7(a)に
破線で示す)では、図7(c)に示す如く、ゲート電極
21の側端Aからチャネル端Bまでの経路ポテンシャル
(電圧降下量)VABがチャネルの経路ポテンシャル(オ
ン抵抗による電圧降下量)VBCに比して極めて大きな値
となっている。このように、ゲート電極21直下が低濃
度で拡散抵抗rB が寄生していると、IGBT動作の正
孔引き抜き時には正孔電流の電圧降下によってn+ 型の
第5半導体領域16直下の電圧が上昇しようとするの
で、n+ 型の第5半導体領域16,p型の第3半導体領
域4およびn- 型の第2半導体領域3により構成される
npn型のバイポーラトランジスタQnpn がラッチアッ
プし易く、可制御電流容量の増大が図れない。
【0049】ここで、ゲート電極21直下の不純物濃度
はゲート長Lが長いほど低くなるので、ゲート長Lを短
くすれば良い。ところが、一般にゲート電極21はゲー
ト幅を長くして電流容量を高めるためストライプ状に長
く形成されており(例えば5mm)、半導体チップ上では
ゲートパッドから延び出たゲートランナー(主配線)か
ら櫛歯状の多数のストイプ状のゲート電極(分岐配線)
21が延び出ているので、ゲート信号がゲートッパッド
の近くにあるストライプ状のゲート電極21よりゲート
ッパッドから遠いストライプ状のゲート電極21にまで
伝播するには時間差が生じ伝播遅延(配線抵抗)の問題
がある。従って、ストライプ状のゲート電極21の配線
抵抗を下げて信号遅延を抑制して動作切り換え速度を高
めるためには、多結晶シリコンのゲート電極21のゲー
ト長の短縮には限界がある。
【0050】そこで、本例ではゲート長を短縮するため
に、第2のMOSFET23のゲート電極21を多結晶
シリコンのゲートとするのではなく、多結晶シリコンよ
りも低抵抗率の金属又は金属シリサイドの単層構造のゲ
ート,多結晶シリコン層と金属又は金属シリサイドの層
の2重構造のゲートとする。このような金属又は金属シ
リサイドを用いたゲート電極であれば、ゲート長Lを短
縮しても伝播遅延が顕著になる不都合を回避でき、ゲー
ト電極21直下の不純物濃度を高めることができ、可制
御電流容量の増大を図ることができる。なお、第2のM
OSFET23のゲート電極21のみならず、第1のM
OSFET23のゲート電極10も、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。動作切り換え速度の向上に繋がり、ターンオン時間
の更なる短縮化を図ることができる。
【0051】〔実施例2〕図8(a)〜(d)は第2の
製造方法を示す工程断面図である。本例の製造方法で
は、ゲート電極21,10を同時に形成せず、ボロン
(第4半導体領域15用のアセプタ不純物)のイオン注
入後にゲート電極21を形成するようにしている。
【0052】即ち、図1に示す如く、p++型の半導体基
板に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の
第2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図8(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9を
介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOSF
ET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲー
ト電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013cm
-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行う。
【0053】次に、図8(b)に示す如く、ゲート電極
10,10間のゲート酸化膜9を介して離隔した位置に
多結晶シリコンの第2のMOSFET用ゲート電極2
1,21を形成した後、外側のゲート電極10と内側の
ゲート電極21間の開口部をレジスト42で被覆した
後、ゲート電極10,10,21,21,レジスト42
をマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を介し
てドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As)又はアンチモ
ン(Sb)のイオン注入を行う。
【0054】この後の工程は図5に示す実施例と同様、
レジスト42を除去した後、図8(c)に示す如く、11
50°C,3時間のドライブインにより2種不純物を同時
熱拡散させて深いp型の第3半導体領域4のウェルと、
その中に浅いn型の第4半導体領域15のウェルを形成
する。同時熱拡散しない場合は、ボロン(B)を1150°
C, 3時間のドライブインにより熱拡散させ、ヒ素(A
s),アンチモン(Sb)又はリン(P)を1100°C,
2時間で熱拡散させる。この後、ゲート電極10,1
0,21,21をマスクとして再度ドーズ量5×1015
cm-2のヒ素(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲー
ト電極10,10,21,21をマスクとしてドーズ量
2×1015cm-2のBF2 のイオン注入を行う。
【0055】そして、図8(d)に示す如く、1000°
C,10分間のアニールによりn型の第4半導体領域15
の表面層の浅いp型の第6半導体領域17を形成すると
共に、n+ 型の第5半導体領域16を形成する。1度の
ドライブイン工程でn型の第5半導体領域16とp+
の第6半導体領域17が同時に拡散形成でき、工程数の
削減に寄与している。この後、層間絶縁膜(図示せず)
に穴開けしてカソード電極18を形成し、その上にパッ
シベーション膜(図示せず)を形成する。勿論、第5半
導体領域16のイオン注入・拡散と第6半導体領域17
のイオン注入・拡散を別々に行って良い。
【0056】このように、本例の製造方法では、第3半
導体領域4のうちゲート電極21直下の領域の不純物濃
度を他の部分よりも薄くしないために、第3半導体領域
4を形成してからその上にゲート電極21を設置するよ
うにしている。このため、多結晶シリコンのゲート電極
21のゲート長を短縮せずとも、ラッチアップ耐量の増
大を図ることができる。勿論、本例のゲート電極10,
21は多結晶シリコン単層とせずに、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。ゲート長の短縮により、伝播遅延量を僅少化できる
ので、動作切り換え速度の向上及び可制御電流容量の増
大に寄与する。
【0057】〔実施例3〕図9(a)〜(e)は第3の
製造方法を示す工程断面図である。本例の製造方法で
は、ゲート電極21,10を同時に形成せず、第3半導
体領域4の拡散形成後にゲート電極21を形成するよう
にしている。
【0058】即ち、図1に示す如く、p++型の半導体基
板に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の
第2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図9(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9を
介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOSF
ET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲー
ト電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013cm
-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行う。そし
て、図9(b)に示す如く、ドライブインによりp型の
第3領域4のウェルを拡散形成する。
【0059】この後、図9(c)に示す如く、ゲート電
極10,10間のゲート酸化膜9を介して離隔した位置
に多結晶シリコンの第2のMOSFET用ゲート電極2
1,21を形成した後、外側のゲート電極10と内側の
ゲート電極21間の開口部をレジスト42で被覆し、そ
の後、ゲート電極10,10,21,21,レジスト4
2をマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を介
してドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As),アンチモ
ン(Sb)又はリン(P)のイオン注入を行う。そし
て、図9(d)に示す如く、ドライブインにより第4領
域15を拡散形成する。
【0060】この後、ゲート電極10,10,21,2
1をマスクとして再度ドーズ量5×1015cm-2のヒ素
(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量2×10
15cm-2のBF2 のイオン注入を行う。そして、図9
(e)に示す如く、ドライブインによりn型の第5半導
体領域16とp+ 型の第6半導体領域17を同時に拡散
形成する。勿論、第5半導体領域16のイオン注入・拡
散と第6半導体領域17のイオン注入・拡散を別々に行
って良い。
【0061】このような製造方法でも、第3半導体領域
4のうちゲート電極21直下の領域の不純物濃度は他の
部分と等しいため、多結晶シリコンのゲート電極21の
ゲート長を短縮せずとも、ラッチアップ耐量の増大を図
ることができる。勿論、本例もまた、ゲート電極10,
21に多結晶シリコン単層を用いず、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。
【0062】〔実施例4〕図10は本発明の実施例4に
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。本例の半導体構造においては実施
例1の基本構造に対して第5半導体領域16の直下領域
からゲート電極21直下の領域に亘ってドリフト領域と
してp+ 型の第9半導体領域33のウェルが作り込まれ
ている。ゲート電極21の直下はチャネル(第4半導体
領域15の表面層)を除いてp+ 型の第9半導体領域3
3となっているので、ゲート電極21の直下の拡散抵抗
Bの値を一層僅少化できる。それ故、ラッチアップ耐
量の増大を図ることができる。
【0063】図10に示す半導体構造の製造方法を説明
すると、まず、図10に示す如く、p++型の半導体基板
に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の第
2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図11(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行いそし
て、ドライブインによりp型の第3半導体領域4のウェ
ルを拡散形成する。
【0064】この後、図11(b)に示す如く、レジス
トマスクを用いてゲート電極10,10間の開口部を介
しドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As),アンチモン
(Sb)又はリン(P)のイオン注入を行い、ドライブ
インにより浅いウェルのn型の第4半導体領域15を拡
散形成する。
【0065】そして、レジストマスクを用い、第4半導
体領域15のゲート電極12側に重ねてB+ 又はBF2
のイオン注入を行い、図11(c)に示す如く、ドライ
ブインによりp+ 型の第9半導体領域33のウェルを拡
散形成する。
【0066】次に、図11(d)に示す如く、第4半導
体領域15と第9半導体領域33との表面境界部分を覆
うようにしてゲート酸化膜9を介して多結晶シリコンの
第2のMOSFET用のゲート電極21,21を形成す
る。その後、ゲート電極10,10,21,21,レジ
ストをマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を
介してBF2 のイオン注入を行うと共に、ゲート電極2
1,10間の開口部を介してヒ素(As)又はアンチモ
ン(Sb)のイオン注入を行い。そして、アニールによ
りp+ 型の第6半導体領域17及びn+ 型の第5半導体
領域16をセルフアラインにより形成する。この後、層
間絶縁膜(図示せず)に穴開けしてカソード電極18を
形成し、その上にパッシベーション膜(図示せず)を形
成する。
【0067】なお、本実施例における各領域の導電型は
反対の導電型にしても良い。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、上記構造の半導体
装置についての製造方法によれば、次の効果を奏する。
【0069】 本発明の第1の製造方法においては、
1回の熱拡散工程でドライブインにより第1導電型のM
ISFETのゲート電極下で隣接の第1導電型不純物の
拡散域同士を連続させるようにしているため、工程数の
削減と半導体領域の作り込み精度を高めることができ
る。
【0070】 上記第2のゲート電極としては、金属
の単層構造,金属シリサイドの単層構造,多結晶シリコ
ンと金属との2層構造及び多結晶シリコンと金属シリサ
イドとの2層構造から成る群より選択されたいずれかの
構造である場合には、ゲート電極の微細化を図ることが
でき、伝播遅延量を僅少化できるので、動作モード切り
換え速度の向上及び可制御電流容量の増大に寄与する。
【0071】 本発明の第2及び第3の製造方法にお
いて、第3半導体領域のうち第2のゲート電極直下の領
域の不純物濃度を他の部分よりも薄くしないようにする
ことができるため、ゲート長を短縮せずに、ラッチアッ
プ耐量の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図2】図1の半導体装置の等価回路を示す回路図であ
る。
【図3】(a)は図1の半導体装置のサイリスタ状態に
おける電子電流及び正孔電流の流れを示す説明図、
(b)は実施例1の半導体装置のトランジスタ状態(I
GBT状態)における電子電流及び正孔電流の流れを示
す説明図である。
【図4】図1の半導体装置において第1のゲート電極お
よび第2のゲート電極に印加される電位とアノード・カ
ソード間電圧VAK及びアノード電流IA との関係を示す
波形図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の実施例1に係る製造
方法を説明する工程断面図である。
【図6】実施例1において第3半導体領域の形成法を示
す説明図である。
【図7】(a)は実施例1の製造方法を用いて形成され
た半導体装置の第2のゲート電極直下近傍の構造を示す
断面図、(b)は(a)中の表面濃度分布を示すグラ
フ、(c)は(a)中の破線(正孔電流経路)位置に対
するポテンシャルの関係を示すグラフである。
【図8】(a)〜(d)は本発明の実施例2に係る製造
方法を説明する工程断面図である。
【図9】(a)〜(e)は本発明の実施例3に係る製造
方法を説明する工程断面図である。
【図10】本発明の本発明の実施例4に係るダブルゲー
トを備えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図で
ある。
【図11】(a)〜(e)は実施例4に係る製造方法を
示す断面図である。
【図12】従来のダブルゲート型半導体装置の構造の一
例を示す断面図である。
【図13】図12に示す半導体装置の等価回路を示す回
路図である。
【図14】(a)は図12に示す半導体装置のサイリス
タ状態における電子電流及び正孔電流の流れを示す断面
図、(b)は同半導体装置のトランジスタ状態(IGB
T状態)における電子電流及び正孔電流の流れを示す断
面図である。
【符号の説明】
1…アノード電極 2…p++型のコレクタ層(第1半導体領域) 3a…n+ 型のバッファ層 3…n- 型のベース層(第2半導体領域) 4…p型のベース層(第3半導体領域) 4s…拡散層 9…ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜) 10…第1のゲート電極 21…第2のゲート電極 12…第1のMOSFET 15…第4半導体領域 16…第5半導体領域 17…第6半導体領域 18a,18b,18…カソード電極 23…第2のMOSFET 33…第9半導体領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/332 H01L 29/74 - 29/749

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の第1半導体領域,この上に
    形成された第2導電型の第2半導体領域,この第2半導
    体領域内にウェル状に形成された第1導電型の第3半導
    体領域,この第3半導体領域内の表面側にウェル状に形
    成された第2導電型の第4半導体領域,前記第3半導体
    領域内の表面側のウェル端側にウェル状に形成された第
    2導電型の第5半導体領域,前記第4半導体領域内の表
    面側にウェル状に形成された第1導電型の第6半導体領
    域,前記第3半導体領域及び前記第5半導体領域との2
    重拡散型構造を有し、前記第5半導体領域から前記第2
    半導体領域に対しその多数キャリアを注入する多数キャ
    リア注入用第2導電型MISFET,並びにこの第2導
    電型MISFETとは独立に開閉可能であって、前記第
    4半導体領域及び前記第6半導体領域との2重拡散型構
    造を有し、前記第3半導体領域から前記第6半導体領域
    にその多数キャリアを引き抜く多数キャリア引き抜き用
    第1導電型MISFET,を備えて成る半導体装置の製
    造方法において、 第1導電型半導体基板上に第2半導体導電層を形成した
    基板を準備し、その基板上に第1のゲート電極と第1の
    ゲート電極間内で相離間する第2のゲート電極を形成す
    るゲート電極形成工程と、次に、第1及び第2のゲート
    電極をマスクとして第1導電型不純物のイオン注入を行
    う第1のイオン注入工程と、第1及び第2のゲート電極
    をマスクとして第2のゲート電極間に第2導電型不純物
    のイオン注入を行う第2のイオン注入工程と、次に、ド
    ライブインにより第2のゲート電極下で隣接の第1導電
    型不純物の拡散域同士を連結させて一体ウェル状の第3
    半導体領域を拡散形成すると同時に、第3半導体領域内
    にウェル状の第4半導体領域を拡散形成する熱拡散工程
    とを有して成ることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項2に記載の半導体装置の製造方法
    において、前記第2のゲート電極のゲート長は前記熱拡
    散工程による前記第1導電型不純物の横方向拡散長の2
    倍よりも短いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の半導体装
    置の製造方法において、前記第1のイオン注入工程で用
    いる前記第1導電型不純物の拡散係数は前記第2のイオ
    ン注入工程で用いる前記第2導電型不純物のそれに比し
    て大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の半導体装置の製造方法において、少なくとも前記
    第1又は前記第2のゲート電極は、金属の単層構造,金
    属シリサイドの単層構造,多結晶シリコンと金属との2
    層構造及び多結晶シリコンと金属シリサイドとの2層構
    造から成る群より選択されたいずれかの構造であること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1導電型の第1半導体領域,この上に
    形成された第2導電型の第2半導体領域,この第2半導
    体領域内にウェル状に形成された第1導電型の第3半導
    体領域,この第3半導体領域内の表面側にウェル状に形
    成された第2導電型の第4半導体領域,前記第3半導体
    領域内の表面側のウェル端側にウェル状に形成された第
    2導電型の第5半導体領域,前記第4半導体領域内の表
    面側にウェル状に形成された第1導電型の第6半導体領
    域,前記第3半導体領域及び前記第5半導体領域との2
    重拡散型構造を有し、前記第5半導体領域から前記第2
    半導体領域に対しその多数キャリアを注入する多数キャ
    リア注入用第2導電型MISFET,並びにこの第2導
    電型MISFETとは独立に開閉可能であって、前記第
    4半導体領域及び前記第6半導体領域との2重拡散型構
    造を有し、前記第3半導体領域から前記第6半導体領域
    にその多数キャリアを引き抜く多数キャリア引き抜き用
    第1導電型MISFET,を備えて成る半導体装置の製
    造方法において、 第1導電型半導体基板上に第2半導体導電層を形成した
    基板を準備し、その基板上に第1のゲート電極を形成す
    る第1のゲート電極形成工程と、次に、第1のゲート電
    極をマスクとして第1導電型不純物のイオン注入を行う
    第1のイオン注入工程と、次に、前記基板上に第1のゲ
    ート電極間内で相離間する第2のゲート電極を形成する
    第2のゲート電極形成工程と、次に、第1及び第2のゲ
    ート電極をマスクとして第2のゲート電極間に第2導電
    型不純物のイオン注入を行う第2のイオン注入工程と、
    次に、ドライブインによりウェル状の第3半導体領域と
    その中にウェル状の第4半導体領域を同時に拡散形成す
    る熱拡散工程とを有して成ることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1導電型の第1半導体領域,この上に
    形成された第2導電型の第2半導体領域,この第2半導
    体領域内にウェル状に形成された第1導電型の第3半導
    体領域,この第3半導体領域内の表面側にウェル状に形
    成された第2導電型の第4半導体領域,前記第3半導体
    領域内の表面側のウェル端側にウェル状に形成された第
    2導電型の第5半導体領域,前記第4半導体領域内の表
    面側にウェル状に形成された第1導電型の第6半導体領
    域,前記第3半導体領域及び前記第5半導体領域との2
    重拡散型構造を有し、前記第5半導体領域から前記第2
    半導体領域に対しその多数キャリアを注入する多数キャ
    リア注入用第2導電型MISFET,並びにこの第2導
    電型MISFETとは独立に開閉可能であって、前記第
    4半導体領域及び前記第6半導体領域との2重拡散型構
    造を有し、前記第3半導体領域から前記第6半導体領域
    にその多数キャリアを引き抜く多数キャリア引き抜き用
    第1導電型MISFET,を備えて成る半導体装置の製
    造方法において、 第1導電型半導体基板上に第2半導体導電層を形成した
    基板を準備し、その基板上に第1のゲート電極を形成す
    る第1のゲート電極形成工程と、次に、第1のゲート電
    極をマスクとして第1導電型不純物のイオン注入を行う
    第1のイオン注入工程と、次に、ドライブインによりウ
    ェル状の第3半導体領域を拡散形成する第1の熱拡散工
    程と、次に、前記基板上に第1のゲート電極間内で相離
    間する第2のゲート電極を形成する第2のゲート電極形
    成工程と、次に、第1及び第2のゲート電極をマスクと
    して第2のゲート電極間に第2導電型不純物のイオン注
    入を行う第2のイオン注入工程と、次に、ドライブイン
    により第3半導体領域内に第4半導体領域を拡散形成す
    る第2の熱拡散工程とを有して成ることを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
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