JP3061029B2 - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置Info
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- JP3061029B2 JP3061029B2 JP10065665A JP6566598A JP3061029B2 JP 3061029 B2 JP3061029 B2 JP 3061029B2 JP 10065665 A JP10065665 A JP 10065665A JP 6566598 A JP6566598 A JP 6566598A JP 3061029 B2 JP3061029 B2 JP 3061029B2
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- Japan
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- gate
- semiconductor
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチングパワ
ーデバイスなどに用いられるpnpn構造のサイリスタ
に関し、特に、2種類のMOSFET(MISFET)
でターンオン・ターンオフ制御可能のダブルMOSゲー
ト型サイリスタ半導体装置に関するものである。
ーデバイスなどに用いられるpnpn構造のサイリスタ
に関し、特に、2種類のMOSFET(MISFET)
でターンオン・ターンオフ制御可能のダブルMOSゲー
ト型サイリスタ半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、サイリスタ構造によるオン電圧の
低減、及びMOSゲートデバイスによる高速・低駆動電
力化を目的としたMCT(MOSゲート・コントロール
・サイリスタ)が開発されている。MCTはターンオン
が速く、オン電圧も1V程度と優れている反面、ターン
オフ時間が2〜3μsと非常に長く、高周波での使用は
困難である。そこで、本件出願人は、先に特願平5−3
2884号(特開平6−125078号公報)を以てゲ
ート駆動のサイリスタとバイポーラトランジスタとを結
合した半導体装置を開示した。
低減、及びMOSゲートデバイスによる高速・低駆動電
力化を目的としたMCT(MOSゲート・コントロール
・サイリスタ)が開発されている。MCTはターンオン
が速く、オン電圧も1V程度と優れている反面、ターン
オフ時間が2〜3μsと非常に長く、高周波での使用は
困難である。そこで、本件出願人は、先に特願平5−3
2884号(特開平6−125078号公報)を以てゲ
ート駆動のサイリスタとバイポーラトランジスタとを結
合した半導体装置を開示した。
【0003】その半導体装置においては、図35に示す
如く、アノード電極1が裏面に形成されたp+ 型(第1
導電型)の半導体基板をアノード層2として、このアノ
ード層2上に、n- 型(第2導電型)のベース層3がエ
ピタキシャル成長により形成されている。なお、アノー
ド層2とn- 型ベース層3との間にn+ 型のバッファ層
を設けても良い。そして、このn- 型のベース層3の表
面側に、p型のウェル状のベース層4が拡散形成されて
いる。さらに、このp型のベース層4の内側の表面側に
は、n+ 型のウェル状の外周の第1のカソード層5a,
中央の第2のカソード層5b及び内周のドレイン層6が
それぞれ独立して形成されている。p型のベース層4及
びn+ 型のドレイン層6上にはこれらに跨がり導電接触
するキャリア変換用の短絡用電極(金属電極)8が接続
されている。また、n+ 型のカソード層5a,5bは層
間絶縁膜14上に形成された金属配線第2層目のカソー
ド電極層7を介して相互接続されている。
如く、アノード電極1が裏面に形成されたp+ 型(第1
導電型)の半導体基板をアノード層2として、このアノ
ード層2上に、n- 型(第2導電型)のベース層3がエ
ピタキシャル成長により形成されている。なお、アノー
ド層2とn- 型ベース層3との間にn+ 型のバッファ層
を設けても良い。そして、このn- 型のベース層3の表
面側に、p型のウェル状のベース層4が拡散形成されて
いる。さらに、このp型のベース層4の内側の表面側に
は、n+ 型のウェル状の外周の第1のカソード層5a,
中央の第2のカソード層5b及び内周のドレイン層6が
それぞれ独立して形成されている。p型のベース層4及
びn+ 型のドレイン層6上にはこれらに跨がり導電接触
するキャリア変換用の短絡用電極(金属電極)8が接続
されている。また、n+ 型のカソード層5a,5bは層
間絶縁膜14上に形成された金属配線第2層目のカソー
ド電極層7を介して相互接続されている。
【0004】そして、n+ 型の第1のカソード層5aか
らp型のベース層4及びn- 型のベース層3の表面に亘
って、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を介して第1の
MOSFET(VDMOS構造)12を構成する多結晶
シリコンの第1のゲート電極10が形成されており、一
方、n+ 型のドレイン層6からp型のベース層4および
n+ 型の第2のカソード層5bの表面に亘って、ゲート
酸化膜9を介して第2のMOSFET13を構成する多
結晶シリコンの第2のゲート電極11が形成されてい
る。第1のゲート電極10と第2のゲート電極11は電
気的独立に制御可能となっている。なお、第1のゲート
電極10により構成される第1のMOSFET12及び
第2のゲート電極11により構成される第2のMOSF
ET13は共にnチャネル型のMOSFET(絶縁ゲー
ト型電界効果トランジスタ)である。
らp型のベース層4及びn- 型のベース層3の表面に亘
って、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を介して第1の
MOSFET(VDMOS構造)12を構成する多結晶
シリコンの第1のゲート電極10が形成されており、一
方、n+ 型のドレイン層6からp型のベース層4および
n+ 型の第2のカソード層5bの表面に亘って、ゲート
酸化膜9を介して第2のMOSFET13を構成する多
結晶シリコンの第2のゲート電極11が形成されてい
る。第1のゲート電極10と第2のゲート電極11は電
気的独立に制御可能となっている。なお、第1のゲート
電極10により構成される第1のMOSFET12及び
第2のゲート電極11により構成される第2のMOSF
ET13は共にnチャネル型のMOSFET(絶縁ゲー
ト型電界効果トランジスタ)である。
【0005】図36に図35のサイリスタ半導体装置の
等価回路を示してある。この半導体構造においては、n
+ 型の第1のカソード層5a,p型のベース層4及びn
- 型のベース層3によりnpn型のバイポーラトランジ
スタQnpn 1が構成され、また、第2のn+ 型のカソー
ド層5b,p型のベース層4及びn- 型のベース層3に
よりnpn型のバイポーラトランジスタQnpn 2が構成
されている。更に、p型のベース層4,n- 型のベース
層3及びp+ 型のアノード層2によりpnp型のトラン
ジスタQpnp が構成されている。従って、カソード層5
a,5bを異にする並列接続のトランジスタQnpn 1,
Qnpn 2とトランジスタQpnp との直列接続より成るサ
イリスタ構造(pnpn構造)が構成されている。
等価回路を示してある。この半導体構造においては、n
+ 型の第1のカソード層5a,p型のベース層4及びn
- 型のベース層3によりnpn型のバイポーラトランジ
スタQnpn 1が構成され、また、第2のn+ 型のカソー
ド層5b,p型のベース層4及びn- 型のベース層3に
よりnpn型のバイポーラトランジスタQnpn 2が構成
されている。更に、p型のベース層4,n- 型のベース
層3及びp+ 型のアノード層2によりpnp型のトラン
ジスタQpnp が構成されている。従って、カソード層5
a,5bを異にする並列接続のトランジスタQnpn 1,
Qnpn 2とトランジスタQpnp との直列接続より成るサ
イリスタ構造(pnpn構造)が構成されている。
【0006】これらのトランジスタQnpn 1,Qnpn 2
及びQpnp に対し、第1のMOSFET12は、トラン
ジスタQnpn 1のコレクタたるn- 型のベース層3と第
1のカソード層5aとをp型のベース層4表面のチャネ
ルを介して接続し、n- 型のベース層3へ電子を注入す
る。また、短絡用電極8及び第2のMOSFET13
は、ドレイン層6とソース層たる第2のカソード層5b
を接続し、p型のベース層4内から正孔を引き抜く。
及びQpnp に対し、第1のMOSFET12は、トラン
ジスタQnpn 1のコレクタたるn- 型のベース層3と第
1のカソード層5aとをp型のベース層4表面のチャネ
ルを介して接続し、n- 型のベース層3へ電子を注入す
る。また、短絡用電極8及び第2のMOSFET13
は、ドレイン層6とソース層たる第2のカソード層5b
を接続し、p型のベース層4内から正孔を引き抜く。
【0007】このような構成において、第2のゲート電
極11に電位が印加されていない状態又は負電位が印加
された状態で、第1のゲート電極10を高電位とする
と、第1のゲート電極10の直下のバックゲートたるp
型のベース層4の表面はn型反転層となり、カソード電
極層7からソース層としてのn+ 型の第1のカソード層
5a,第1のゲート電極10の直下のn型反転層(チャ
ネル),そしてドレイン層としてのn- 型のベース層3
とが接続される。従って、カソード電極層7からドレイ
ン・ドリフト領域であるn- 型のベース層3へ電子(n
- 型のベース層3の多数キャリア)が注入され、それに
呼応して、p+ 型のアノード層2からn-型のベース層
3へ正孔(アノード層2の多数キャリア)が注入され
る。これは、n- 型ベース層3の伝導度が変調され、p
np型のトランジスタQpnp がオン状態となったことを
意味する。さらに、このトランジスタQpnp の正孔電流
が、トランジスタQnpn 1,Qnpn 2のベース電流とな
るため、トランジスタQnpn 1,Qnpn 2がオン状態と
なる。即ち、p+ 型のアノード層2,n- 型のベース層
3,p型のベース層4及びn+ 型のカソード層5a,5
bにより構成されるサイリスタ(pnpn構造)がオン
状態となり、高濃度のキャリアがデバイス中に存在し、
本装置は低抵抗状態となる。このように、第2のゲート
電極11を零電位以下とした状態で、第1のゲート電極
10を高電位とすることにより、MCTと同様にサイリ
スタ状態となるので、ターンオンが速くオン電圧の低い
パワーデバイスとなる。
極11に電位が印加されていない状態又は負電位が印加
された状態で、第1のゲート電極10を高電位とする
と、第1のゲート電極10の直下のバックゲートたるp
型のベース層4の表面はn型反転層となり、カソード電
極層7からソース層としてのn+ 型の第1のカソード層
5a,第1のゲート電極10の直下のn型反転層(チャ
ネル),そしてドレイン層としてのn- 型のベース層3
とが接続される。従って、カソード電極層7からドレイ
ン・ドリフト領域であるn- 型のベース層3へ電子(n
- 型のベース層3の多数キャリア)が注入され、それに
呼応して、p+ 型のアノード層2からn-型のベース層
3へ正孔(アノード層2の多数キャリア)が注入され
る。これは、n- 型ベース層3の伝導度が変調され、p
np型のトランジスタQpnp がオン状態となったことを
意味する。さらに、このトランジスタQpnp の正孔電流
が、トランジスタQnpn 1,Qnpn 2のベース電流とな
るため、トランジスタQnpn 1,Qnpn 2がオン状態と
なる。即ち、p+ 型のアノード層2,n- 型のベース層
3,p型のベース層4及びn+ 型のカソード層5a,5
bにより構成されるサイリスタ(pnpn構造)がオン
状態となり、高濃度のキャリアがデバイス中に存在し、
本装置は低抵抗状態となる。このように、第2のゲート
電極11を零電位以下とした状態で、第1のゲート電極
10を高電位とすることにより、MCTと同様にサイリ
スタ状態となるので、ターンオンが速くオン電圧の低い
パワーデバイスとなる。
【0008】このサイリスタ状態から、第1のゲート電
極10を高電位のまま第2のゲート電極11を高電位と
すると、第2のMOSFET13もオン状態となり、第
2のゲート電極11の直下のp型のベース層4の表面が
n型に反転する。これにより、p型のベース層4,短絡
用電極8,n+ 型のドレイン層6,第2のゲート電極1
1の直下のn型反転層(チャネル),そしてn+ 型のカ
ソード層5bが導通状態となる。p型のベース層4にお
ける正孔は、短絡用電極8において電子に変換されるた
め、p+ 型のコレクタ層2から注入された正孔電流は、
p型のベース層4から短絡用電極8で電子電流に変換さ
れ、その電子電流はカソード電極層7に流出する。従っ
て、バイポーラトランジスタQnpn 1,Qnpn 2はオフ
状態となる。この結果、サイリスタ動作は消滅し、バイ
ポーラトランジスタQpnp のみが作動するバイポーラト
ランジスタ状態となる。この状態は、先に説明したIG
BT(伝導度変調型トランジスタ)の動作状態(第1の
MOSFET12で電子が注入されベース層3の電気伝
導度が変調された状態)と同様になっており、サイリス
タ状態時に比してデバイス中に存在するキャリア密度が
減少した状態となっている。このため、この後第1のゲ
ート電極10を零又は負電位としたターンオフ時に、キ
ャリアの掃き出しに要する時間が短縮でき、ターンオフ
時間を短くすることができる。
極10を高電位のまま第2のゲート電極11を高電位と
すると、第2のMOSFET13もオン状態となり、第
2のゲート電極11の直下のp型のベース層4の表面が
n型に反転する。これにより、p型のベース層4,短絡
用電極8,n+ 型のドレイン層6,第2のゲート電極1
1の直下のn型反転層(チャネル),そしてn+ 型のカ
ソード層5bが導通状態となる。p型のベース層4にお
ける正孔は、短絡用電極8において電子に変換されるた
め、p+ 型のコレクタ層2から注入された正孔電流は、
p型のベース層4から短絡用電極8で電子電流に変換さ
れ、その電子電流はカソード電極層7に流出する。従っ
て、バイポーラトランジスタQnpn 1,Qnpn 2はオフ
状態となる。この結果、サイリスタ動作は消滅し、バイ
ポーラトランジスタQpnp のみが作動するバイポーラト
ランジスタ状態となる。この状態は、先に説明したIG
BT(伝導度変調型トランジスタ)の動作状態(第1の
MOSFET12で電子が注入されベース層3の電気伝
導度が変調された状態)と同様になっており、サイリス
タ状態時に比してデバイス中に存在するキャリア密度が
減少した状態となっている。このため、この後第1のゲ
ート電極10を零又は負電位としたターンオフ時に、キ
ャリアの掃き出しに要する時間が短縮でき、ターンオフ
時間を短くすることができる。
【0009】図37(a),(b)にサイリスタ状態お
よびバイポーラトランジスタ状態(IGBT状態)にお
ける電流の流れ図を示してある。図37(a)に示すサ
イリスタ状態においては、カソード電極5a,5bに向
けn- 型のベース層3からp型のベース層4にかけて正
孔電流,電子電流が揃って流れ、サイリスタ動作が達成
されている。特に、主電流は中央部のn+ 型の第2のカ
ソード層5bの直下を縦方向に流れており、n+ 型の第
2のカソード層5bが実質的にサイリスタ動作時のカソ
ードとして機能している。
よびバイポーラトランジスタ状態(IGBT状態)にお
ける電流の流れ図を示してある。図37(a)に示すサ
イリスタ状態においては、カソード電極5a,5bに向
けn- 型のベース層3からp型のベース層4にかけて正
孔電流,電子電流が揃って流れ、サイリスタ動作が達成
されている。特に、主電流は中央部のn+ 型の第2のカ
ソード層5bの直下を縦方向に流れており、n+ 型の第
2のカソード層5bが実質的にサイリスタ動作時のカソ
ードとして機能している。
【0010】これに対し、図37(b)に示すバイポー
ラトランジスタ状態においては、装置の主電子電流はI
GBTと同様に、n- 型のベース層3から第1のMOS
FET12のチャネルを通って第1のカソード層5aに
流れ、また、正孔電流は第1のMOSFET12の側か
らp型のベース層4内に入り、短絡用電極8およびn+
型のドレイン層6を介して第2のMOSFET13を通
ってカソード電極層7に流出している。このように、ト
ランジスタ状態における主電流は、サイリスタ状態にお
ける主電流経路である中央部のn+ 型の第2のカソード
層5bの下方側領域を流れず、サイリスタ状態における
主電流経路とトランジスタ状態における主電流経路とが
分離されている。
ラトランジスタ状態においては、装置の主電子電流はI
GBTと同様に、n- 型のベース層3から第1のMOS
FET12のチャネルを通って第1のカソード層5aに
流れ、また、正孔電流は第1のMOSFET12の側か
らp型のベース層4内に入り、短絡用電極8およびn+
型のドレイン層6を介して第2のMOSFET13を通
ってカソード電極層7に流出している。このように、ト
ランジスタ状態における主電流は、サイリスタ状態にお
ける主電流経路である中央部のn+ 型の第2のカソード
層5bの下方側領域を流れず、サイリスタ状態における
主電流経路とトランジスタ状態における主電流経路とが
分離されている。
【0011】即ち、図35に示す半導体装置は、サイリ
スタをターンオンさせるため多数キャリアたる電子を注
入する第1のMOSFET12におけるソースたる第1
のカソード層5aとサイリスタ動作時の主電流が流れる
実質的なカソードたる第2のカソード層5bの部位を離
隔分離させたものである。第1のカソード層5aの下方
側領域の不純物濃度と第2のカソード層5bの下方側領
域の不純物濃度とを独立に制御可能となるので、低オン
電圧でサイリスタ動作となり、ターンオフ時間の短縮を
達成することができることは勿論のこと、寄生抵抗RB
の低減によりラッチアップ耐量を大きくすることが可能
である。
スタをターンオンさせるため多数キャリアたる電子を注
入する第1のMOSFET12におけるソースたる第1
のカソード層5aとサイリスタ動作時の主電流が流れる
実質的なカソードたる第2のカソード層5bの部位を離
隔分離させたものである。第1のカソード層5aの下方
側領域の不純物濃度と第2のカソード層5bの下方側領
域の不純物濃度とを独立に制御可能となるので、低オン
電圧でサイリスタ動作となり、ターンオフ時間の短縮を
達成することができることは勿論のこと、寄生抵抗RB
の低減によりラッチアップ耐量を大きくすることが可能
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
半導体構造にあっては、次のような問題点がある。
半導体構造にあっては、次のような問題点がある。
【0013】 サイリスタ状態からバイポーラトラン
ジスタ状態(IGBT状態)に移行させるとき、p型の
ベース層4中から正孔を引き抜くため、p型のベース層
4の表面側にnチャネル型の第2のMOSFET13を
設ける必要があるが、その際、引抜く正孔を第2のMO
SFET13のモノポーラである電子に変換するため、
p型のベース層4及びn+ 型のドレイン層6にはこれら
に跨がる短絡用電極(金属電極)8を孤立且つ微細に形
成しなければならない。ところが、一般に、半導体領域
に接触する金属電極8を微細に形成するのは難しい。ま
た、この第1層目の金属電極8を挟んだ第1のカソード
層5aと第2のカソード層5bとを層間絶縁膜14上に
形成された第2層目のカソード電極(電源配線層)7を
介して相互接続する必要があるが、パワーデバイスでは
上下に重なる2層電極配線の構造はプロセス上も絶縁上
も実状に則していない。
ジスタ状態(IGBT状態)に移行させるとき、p型の
ベース層4中から正孔を引き抜くため、p型のベース層
4の表面側にnチャネル型の第2のMOSFET13を
設ける必要があるが、その際、引抜く正孔を第2のMO
SFET13のモノポーラである電子に変換するため、
p型のベース層4及びn+ 型のドレイン層6にはこれら
に跨がる短絡用電極(金属電極)8を孤立且つ微細に形
成しなければならない。ところが、一般に、半導体領域
に接触する金属電極8を微細に形成するのは難しい。ま
た、この第1層目の金属電極8を挟んだ第1のカソード
層5aと第2のカソード層5bとを層間絶縁膜14上に
形成された第2層目のカソード電極(電源配線層)7を
介して相互接続する必要があるが、パワーデバイスでは
上下に重なる2層電極配線の構造はプロセス上も絶縁上
も実状に則していない。
【0014】 第2のMOSFET13のオン抵抗を
低減させると、バイポーラトランジスタ動作時において
p型ベース4より正孔の引き抜きを早めることができ、
ターンオフ速度を上げることができる。ところが、第2
のMOSFET13は、第1のMOSFET12と同様
に、多結晶シリコンのゲート電極11をマスクとして用
いゲート下のボディの両側にソース・ドレイン領域
(6,5b)をセルフアライン(自己整合)で形成した
ものである。実効チャネル長はそのマスクたる多結晶シ
リコンのゲート電極11のゲート長によって決まるが、
ゲート電極11の長さは微細化プロセスでも約1μmが
現実的であり、短チャンネル化には限界があり、オン抵
抗の低減が困難である。またMOSトランジスタの特性
バラツキが起こり易い。
低減させると、バイポーラトランジスタ動作時において
p型ベース4より正孔の引き抜きを早めることができ、
ターンオフ速度を上げることができる。ところが、第2
のMOSFET13は、第1のMOSFET12と同様
に、多結晶シリコンのゲート電極11をマスクとして用
いゲート下のボディの両側にソース・ドレイン領域
(6,5b)をセルフアライン(自己整合)で形成した
ものである。実効チャネル長はそのマスクたる多結晶シ
リコンのゲート電極11のゲート長によって決まるが、
ゲート電極11の長さは微細化プロセスでも約1μmが
現実的であり、短チャンネル化には限界があり、オン抵
抗の低減が困難である。またMOSトランジスタの特性
バラツキが起こり易い。
【0015】そこで、上記の問題点に鑑みて、本発明の
課題は、正孔引き抜き用の第2のMOSFETを電子注
入用の第1のMOSFETとは逆導電型とすることによ
り、正孔引き抜き時のキャリア変換用の短絡用電極の形
成を不要化し、微細電極形成の困難さと電極配線の2層
構造とを回避すると共に、第2のMOSFET自身のオ
ン抵抗の低減を実現できるサイリスタ半導体装置を提供
することにある。
課題は、正孔引き抜き用の第2のMOSFETを電子注
入用の第1のMOSFETとは逆導電型とすることによ
り、正孔引き抜き時のキャリア変換用の短絡用電極の形
成を不要化し、微細電極形成の困難さと電極配線の2層
構造とを回避すると共に、第2のMOSFET自身のオ
ン抵抗の低減を実現できるサイリスタ半導体装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、多数キャリア注入用のMIS
FETと多数キャリア引抜き用MISFETとを逆導電
型にすべく、多数キャリア引抜き用MISFETを2重
拡散型構造(DMOS構造)としたことを特徴とする。
即ち、本発明に係る半導体装置は、第1導電型の第1半
導体領域,この上に形成された第2導電型の第2半導体
領域,この第2半導体領域内にウェル状に形成された第
1導電型の第3半導体領域,この第3半導体領域内の表
面側にウェル状に形成された第2導電型の第4半導体領
域,第3半導体領域内の表面側のウェル端側にウェル状
に形成された第2導電型の第5半導体領域,第4半導体
領域内の表面側にウェル状に形成された第1導電型の第
6半導体領域,第3半導体領域及び第5半導体領域との
2重拡散型構造を有し、第5半導体領域から第2半導体
領域に対しその多数キャリアを注入する多数キャリア注
入用第2導電型MISFET,並びにこの第2導電型M
ISFETとは独立に開閉可能であって、第4半導体領
域及び第6半導体領域との2重拡散型構造を有し、第3
半導体領域から第6半導体領域にその多数キャリアを引
き抜く多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFE
T,を備えて成る。
めに、本発明においては、多数キャリア注入用のMIS
FETと多数キャリア引抜き用MISFETとを逆導電
型にすべく、多数キャリア引抜き用MISFETを2重
拡散型構造(DMOS構造)としたことを特徴とする。
即ち、本発明に係る半導体装置は、第1導電型の第1半
導体領域,この上に形成された第2導電型の第2半導体
領域,この第2半導体領域内にウェル状に形成された第
1導電型の第3半導体領域,この第3半導体領域内の表
面側にウェル状に形成された第2導電型の第4半導体領
域,第3半導体領域内の表面側のウェル端側にウェル状
に形成された第2導電型の第5半導体領域,第4半導体
領域内の表面側にウェル状に形成された第1導電型の第
6半導体領域,第3半導体領域及び第5半導体領域との
2重拡散型構造を有し、第5半導体領域から第2半導体
領域に対しその多数キャリアを注入する多数キャリア注
入用第2導電型MISFET,並びにこの第2導電型M
ISFETとは独立に開閉可能であって、第4半導体領
域及び第6半導体領域との2重拡散型構造を有し、第3
半導体領域から第6半導体領域にその多数キャリアを引
き抜く多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFE
T,を備えて成る。
【0017】そして、本発明は、多数キャリア注入用第
2導電型MISFETと多数キャリア引き抜き用第1導
電型MISFETとの少なくとも一方にトレンチゲート
型MISFETを含む構成としたことを特徴とする。
2導電型MISFETと多数キャリア引き抜き用第1導
電型MISFETとの少なくとも一方にトレンチゲート
型MISFETを含む構成としたことを特徴とする。
【0018】かかる場合、多数キャリア引き抜き用第1
導電型MISFETは、第6半導体領域及び第4半導体
領域を分けるトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込
み形成されたトレンチゲート電極を有するトレンチゲー
ト型MISFETとし、また多数キャリア注入用第2導
電型MISFETは、第3半導体領域のウェル端のトレ
ンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレ
ンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFET
とすることができる。そして第4半導体領域と第5半導
体領域が重なり接続していても構わない。
導電型MISFETは、第6半導体領域及び第4半導体
領域を分けるトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込
み形成されたトレンチゲート電極を有するトレンチゲー
ト型MISFETとし、また多数キャリア注入用第2導
電型MISFETは、第3半導体領域のウェル端のトレ
ンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレ
ンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFET
とすることができる。そして第4半導体領域と第5半導
体領域が重なり接続していても構わない。
【0019】なお、第1半導体領域と第2半導体領域と
の間に第2導電型のバッファ層を設けても良い。
の間に第2導電型のバッファ層を設けても良い。
【0020】また、第6半導体領域を基準としてその両
側に第2導電型MISFET及び第1導電型MISFE
Tをそれぞれ設けても良い。
側に第2導電型MISFET及び第1導電型MISFE
Tをそれぞれ設けても良い。
【0021】多数キャリア引き抜き用第1導電型MIS
FETは、第6半導体領域及び第4半導体領域の相対向
するウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め
込み形成されたトレンチゲート電極を有する一対のトレ
ンチゲート型MISFETとし、また多数キャリア注入
用第2導電型MISFETは、第3半導体領域のウェル
端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成さ
れたトレンチゲート電極を有するトレンチゲート型MI
SFETとすることができる。かかる場合、第4半導体
領域は、第2導電型に替えて、不純物低濃度の第1導電
型領域としても良い。
FETは、第6半導体領域及び第4半導体領域の相対向
するウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め
込み形成されたトレンチゲート電極を有する一対のトレ
ンチゲート型MISFETとし、また多数キャリア注入
用第2導電型MISFETは、第3半導体領域のウェル
端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成さ
れたトレンチゲート電極を有するトレンチゲート型MI
SFETとすることができる。かかる場合、第4半導体
領域は、第2導電型に替えて、不純物低濃度の第1導電
型領域としても良い。
【0022】また、第5半導体領域に導電接触する電極
に接続した短絡電極を第3半導体領域に接続しても良
い。ここで、第3半導体領域をストライプ状のウェルと
し、そのウェルの長手方向の端部表面に上記短絡電極を
形成すると良い。
に接続した短絡電極を第3半導体領域に接続しても良
い。ここで、第3半導体領域をストライプ状のウェルと
し、そのウェルの長手方向の端部表面に上記短絡電極を
形成すると良い。
【0023】第3半導体領域の相対向するウェル端に形
成された1対の第5半導体領域で挟まれた領域に、多数
キャリア引き抜き用第1導電型MISFET部を複数個
形成しても良い。そして、複数個の多数キャリア引き抜
き用第1導電型MISFET部の間で第3半導体領域の
表面側にウェル状の第1導電型の第8半導体領域を形成
することが好ましい。
成された1対の第5半導体領域で挟まれた領域に、多数
キャリア引き抜き用第1導電型MISFET部を複数個
形成しても良い。そして、複数個の多数キャリア引き抜
き用第1導電型MISFET部の間で第3半導体領域の
表面側にウェル状の第1導電型の第8半導体領域を形成
することが好ましい。
【0024】また一方、第3半導体領域の相対向するウ
ェル端側に形成された第4半導体領域及び第6半導体領
域との2重拡散構造と、これら2重拡散構造に挟まれた
領域で第3半導体領域の表面側にウェル状に形成された
第1導電型の第8半導体領域とを有して成る構成を採用
できる。
ェル端側に形成された第4半導体領域及び第6半導体領
域との2重拡散構造と、これら2重拡散構造に挟まれた
領域で第3半導体領域の表面側にウェル状に形成された
第1導電型の第8半導体領域とを有して成る構成を採用
できる。
【0025】上記第5半導体領域と上記第8半導体領域
とを第1導電型の連結拡散層を介して接続し、第8半導
体領域に電極を導電接触させることが好ましい。
とを第1導電型の連結拡散層を介して接続し、第8半導
体領域に電極を導電接触させることが好ましい。
【0026】また、上記第5半導体領域と上記第8半導
体領域とを導通遮断する経路スイッチング用第2導電型
MISFETを形成し、第8半導体領域に電極を導電接
触させることが好ましい。ここで、上記経路スイッチン
グ用第2導電型MISFETのゲート電極としては上記
多数キャリア注入用第2導電型MISFETのゲート電
極の一部を用いて成ることが好ましい。
体領域とを導通遮断する経路スイッチング用第2導電型
MISFETを形成し、第8半導体領域に電極を導電接
触させることが好ましい。ここで、上記経路スイッチン
グ用第2導電型MISFETのゲート電極としては上記
多数キャリア注入用第2導電型MISFETのゲート電
極の一部を用いて成ることが好ましい。
【0027】多数キャリア注入用第2導電型MISFE
Tのゲート電極はチップレイアウト上でストライプ状に
複数本並設されており、その複数本のゲート電極にはゲ
ートパッドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通し
て成る構成を採用できる。
Tのゲート電極はチップレイアウト上でストライプ状に
複数本並設されており、その複数本のゲート電極にはゲ
ートパッドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通し
て成る構成を採用できる。
【0028】また、多数キャリア注入用第2導電型MI
SFETのゲート電極はチップレイアウト上で格子点に
設けられた島状であり、上記ゲート電極にはゲートパッ
ドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通しており、
上記ゲート配線で区分された格子内領域が多数キャリア
引き抜き第1導電型MISFETの格子状のゲート電極
で分割されて成る構成を採用できる。
SFETのゲート電極はチップレイアウト上で格子点に
設けられた島状であり、上記ゲート電極にはゲートパッ
ドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通しており、
上記ゲート配線で区分された格子内領域が多数キャリア
引き抜き第1導電型MISFETの格子状のゲート電極
で分割されて成る構成を採用できる。
【0029】〔作用〕本発明に係る半導体装置において
は、第1導電型の第1半導体領域にアノード電位を印加
すると共に、第2導電型の第5半導体領域及び第1導電
型の第6半導体領域にカソード電位を印加した状態で、
第1導電型のMISFETをオフ状態にしたまま第2導
電型のMISFETをオン状態とすると、第2のMIS
FETのソース領域としての第5半導体領域から第2導
電型の第2半導体領域にその多数キャリアが注入されの
で、これに呼応して第1導電型の第1半導体領域から第
2導電型の第2半導体領域内にその少数キャリアが注入
される。従って、第1導電型の第1半導体領域,第2導
電型の第2半導体領域および第1導電型の第3半導体領
域からなるトランジスタがオン状態となる。これによ
り、第1導電型の第3半導体領域にその多数キャリアが
注入されることとなり、同時に第2導電型の第2半導体
領域,第1導電型の第3半導体領域および第2導電型の
第5半導体領域により構成されるトランジスタがオン状
態となる。従って、第1導電型の第1半導体領域,第2
導電型の第2半導体領域,第1導電型の第3半導体領域
および第2導電型の第5半導体領域からなるpnpn構
造のサイリスタがオン状態となる。このため、サイリス
タ動作によりオン電圧を低くすることができる。
は、第1導電型の第1半導体領域にアノード電位を印加
すると共に、第2導電型の第5半導体領域及び第1導電
型の第6半導体領域にカソード電位を印加した状態で、
第1導電型のMISFETをオフ状態にしたまま第2導
電型のMISFETをオン状態とすると、第2のMIS
FETのソース領域としての第5半導体領域から第2導
電型の第2半導体領域にその多数キャリアが注入されの
で、これに呼応して第1導電型の第1半導体領域から第
2導電型の第2半導体領域内にその少数キャリアが注入
される。従って、第1導電型の第1半導体領域,第2導
電型の第2半導体領域および第1導電型の第3半導体領
域からなるトランジスタがオン状態となる。これによ
り、第1導電型の第3半導体領域にその多数キャリアが
注入されることとなり、同時に第2導電型の第2半導体
領域,第1導電型の第3半導体領域および第2導電型の
第5半導体領域により構成されるトランジスタがオン状
態となる。従って、第1導電型の第1半導体領域,第2
導電型の第2半導体領域,第1導電型の第3半導体領域
および第2導電型の第5半導体領域からなるpnpn構
造のサイリスタがオン状態となる。このため、サイリス
タ動作によりオン電圧を低くすることができる。
【0030】他方、第2導電型のMISFETをオン状
態のまま、第1導電型のMISFETをオン状態とする
と、第1導電型の第3半導体領域中の多数キャリアが第
1導電型のMISFETを介して第1導電型の第6領域
へ流出するので、第2導電型の第2半導体領域,第1導
電型の第3半導体領域および第2導電型の第5半導体領
域により構成されるトランジスタがオフ状態となる。こ
のため、サイリスタ状態からIGBTと同様のトランジ
スタ状態となり、デバイス内のキャリア密度が減少す
る。この後、第2導電型のMISFETをオフ状態とす
ると、トランジスタ状態が瞬時にオフとなるので、高速
のターンオフが可能である。
態のまま、第1導電型のMISFETをオン状態とする
と、第1導電型の第3半導体領域中の多数キャリアが第
1導電型のMISFETを介して第1導電型の第6領域
へ流出するので、第2導電型の第2半導体領域,第1導
電型の第3半導体領域および第2導電型の第5半導体領
域により構成されるトランジスタがオフ状態となる。こ
のため、サイリスタ状態からIGBTと同様のトランジ
スタ状態となり、デバイス内のキャリア密度が減少す
る。この後、第2導電型のMISFETをオフ状態とす
ると、トランジスタ状態が瞬時にオフとなるので、高速
のターンオフが可能である。
【0031】第3半導体領域内の多数キャリア引抜き用
のMISFETが第2半導体領域内の多数キャリア注入
用のM1SFETの導電型とは逆導電型の第1導電型で
あるので、第3半導体領域内の多数キャリアをこの第1
導電型のMISFETを介して直接引き抜くことがで
き、従来構造のようなキャリアを変換するための短絡用
電極(金属電極)を第1層目の電極配線として形成する
必要が無くなる。従って、微細電極形成の困難さと電極
配線の2層構造とを回避できる。
のMISFETが第2半導体領域内の多数キャリア注入
用のM1SFETの導電型とは逆導電型の第1導電型で
あるので、第3半導体領域内の多数キャリアをこの第1
導電型のMISFETを介して直接引き抜くことがで
き、従来構造のようなキャリアを変換するための短絡用
電極(金属電極)を第1層目の電極配線として形成する
必要が無くなる。従って、微細電極形成の困難さと電極
配線の2層構造とを回避できる。
【0032】また、第1導電型のMISFETは2重拡
散型構造のMISFETであるため、拡散長差によりチ
ャネル長を決定できるので短チャネル化を実現でき、M
ISFET自身の低オン抵抗化が可能である。このた
め、多数キャリアの引き抜きを強くでき、ターンオフ速
度を早めることができる。更にMISFETの特性バラ
ツキも抑えることができる。
散型構造のMISFETであるため、拡散長差によりチ
ャネル長を決定できるので短チャネル化を実現でき、M
ISFET自身の低オン抵抗化が可能である。このた
め、多数キャリアの引き抜きを強くでき、ターンオフ速
度を早めることができる。更にMISFETの特性バラ
ツキも抑えることができる。
【0033】特に、本発明では、多数キャリア注入用第
2導電型MISFETと多数キャリア引き抜き用第1導
電型MISFETとの少なくとも一方にトレンチゲート
型MISFETを含む構成を特徴とする。縦型チャネル
が増えるので、全体としてチャネル幅が増大し、電流容
量の増大を図ることができる。またゲート長の微細化に
も寄与する。
2導電型MISFETと多数キャリア引き抜き用第1導
電型MISFETとの少なくとも一方にトレンチゲート
型MISFETを含む構成を特徴とする。縦型チャネル
が増えるので、全体としてチャネル幅が増大し、電流容
量の増大を図ることができる。またゲート長の微細化に
も寄与する。
【0034】多数キャリア引き抜き用第1導電型MIS
FETが第6半導体領域及び第4半導体領域を分けるト
レンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたト
レンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFE
Tであり、また多数キャリア注入用第2導電型MISF
ETが第3半導体領域のウェル端のトレンチ溝にゲート
絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレンチゲート電極
を有するトレンチゲート型MISFETである場合にお
いては、IGBT状態時の正孔引き抜き力が強くなり、
ターンオフ時間を速くすることができる。また、正孔引
き抜き電流が分散化するため、寄生抵抗による電圧降下
も抑制でき、ラッチアップ耐量を大きくできる。更に、
第2導電型MISFETのゲート電極の側壁に沿っては
じめから縦方向に電子電流が流れるので、そのゲート電
極の微細化が可能であり、またオン抵抗が低くなるの
で、スイッチング損失を低減できる。
FETが第6半導体領域及び第4半導体領域を分けるト
レンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたト
レンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFE
Tであり、また多数キャリア注入用第2導電型MISF
ETが第3半導体領域のウェル端のトレンチ溝にゲート
絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレンチゲート電極
を有するトレンチゲート型MISFETである場合にお
いては、IGBT状態時の正孔引き抜き力が強くなり、
ターンオフ時間を速くすることができる。また、正孔引
き抜き電流が分散化するため、寄生抵抗による電圧降下
も抑制でき、ラッチアップ耐量を大きくできる。更に、
第2導電型MISFETのゲート電極の側壁に沿っては
じめから縦方向に電子電流が流れるので、そのゲート電
極の微細化が可能であり、またオン抵抗が低くなるの
で、スイッチング損失を低減できる。
【0035】そして、第4半導体領域と第5半導体領域
が重なり接続して成る構造においては、サイリスタ状態
時には第5半導体領域は勿論のこと第4半導体領域も含
めて広い集電領域として機能するので、電流容量の増大
を図ることができる。
が重なり接続して成る構造においては、サイリスタ状態
時には第5半導体領域は勿論のこと第4半導体領域も含
めて広い集電領域として機能するので、電流容量の増大
を図ることができる。
【0036】多数キャリア引き抜き用第1導電型MIS
FETが第6半導体領域及び第4半導体領域の相対向す
るウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込
み形成されたトレンチゲート電極を有する一対のトレン
チゲート型MISFETであり、多数キャリア注入用第
2導電型MISFETが第3半導体領域のウェル端のト
レンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたト
レンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFE
Tである場合には、第2導電型MISFETのゲート電
極間の距離を短縮可能であるので、第5半導体領域の平
面的占有比率を拡大でき、電流容量の増大を図ることが
できる。かかる場合、第4半導体領域を不純物低濃度の
第1導電型領域として形成した構造では、第2導電型M
ISFETはディプレッション型であるので、いずれの
MISFETのオン・オフ制御もゲート電圧が正電源又
は負電源の一方で行うことができるので、ゲート駆動回
路の簡素化を図ることができる。
FETが第6半導体領域及び第4半導体領域の相対向す
るウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込
み形成されたトレンチゲート電極を有する一対のトレン
チゲート型MISFETであり、多数キャリア注入用第
2導電型MISFETが第3半導体領域のウェル端のト
レンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたト
レンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFE
Tである場合には、第2導電型MISFETのゲート電
極間の距離を短縮可能であるので、第5半導体領域の平
面的占有比率を拡大でき、電流容量の増大を図ることが
できる。かかる場合、第4半導体領域を不純物低濃度の
第1導電型領域として形成した構造では、第2導電型M
ISFETはディプレッション型であるので、いずれの
MISFETのオン・オフ制御もゲート電圧が正電源又
は負電源の一方で行うことができるので、ゲート駆動回
路の簡素化を図ることができる。
【0037】第5半導体領域に導電接触する電極に接続
した短絡電極を第3半導体領域に接続して成る構造にお
いては、トランジスタ状態にはこの第3半導体領域内の
多数キャリアを直接引き抜くことができ、可制御電流値
の増大を図ることができる。
した短絡電極を第3半導体領域に接続して成る構造にお
いては、トランジスタ状態にはこの第3半導体領域内の
多数キャリアを直接引き抜くことができ、可制御電流値
の増大を図ることができる。
【0038】特に、コーナー部では電界集中が起こり、
ラッチアップし易いが、第3半導体領域がストライプ状
のウェルであり、このウェルの長手方向の端部表面に上
記短絡電極が形成されて成る構造では、コーナー部での
ラッチアップを抑制することができると共に、サイリス
タ動作モードにおいても第3半導体領域内の多数キャリ
ア密度の豊富化を図ることができる。第1導電型のMI
SFET及び第2導電型のMISFETをオフ状態にし
たまま、アノード・カソード間電圧を印加しても、短絡
電極を介してカソードに電流が漏れるので、電源投入時
のラッチアップを防止することができる。
ラッチアップし易いが、第3半導体領域がストライプ状
のウェルであり、このウェルの長手方向の端部表面に上
記短絡電極が形成されて成る構造では、コーナー部での
ラッチアップを抑制することができると共に、サイリス
タ動作モードにおいても第3半導体領域内の多数キャリ
ア密度の豊富化を図ることができる。第1導電型のMI
SFET及び第2導電型のMISFETをオフ状態にし
たまま、アノード・カソード間電圧を印加しても、短絡
電極を介してカソードに電流が漏れるので、電源投入時
のラッチアップを防止することができる。
【0039】第3半導体領域の相対向するウェル端に形
成された1対の第5半導体領域で挟まれた領域に、多数
キャリア引き抜き用第1導電型MISFET部を複数個
形成した構造においては、IGBT状態時の多数キャリ
ア引き抜きを強めることができ、可制御電流を増大させ
ることができる。
成された1対の第5半導体領域で挟まれた領域に、多数
キャリア引き抜き用第1導電型MISFET部を複数個
形成した構造においては、IGBT状態時の多数キャリ
ア引き抜きを強めることができ、可制御電流を増大させ
ることができる。
【0040】複数個の多数キャリア引き抜き用第1導電
型MISFET部の間で第3半導体領域の表面側にウェ
ル状の第1導電型の第8半導体領域を形成した構造にお
いては、第8半導体領域よる集電能力が増すため、サイ
リスタ時の電流容量の増大を図ることができる。
型MISFET部の間で第3半導体領域の表面側にウェ
ル状の第1導電型の第8半導体領域を形成した構造にお
いては、第8半導体領域よる集電能力が増すため、サイ
リスタ時の電流容量の増大を図ることができる。
【0041】第3半導体領域の相対向するウェル端側に
形成された第4半導体領域及び第6半導体領域との2重
拡散構造と、これら2重拡散構造に挟まれた領域で第3
半導体領域の表面側にウェル状に形成された第1導電型
の第8半導体領域とを有して成る構成を採用した場合、
多数キャリアの引き抜き電流経路を短縮できるので、可
制御電流容量の増大を図ることができる。
形成された第4半導体領域及び第6半導体領域との2重
拡散構造と、これら2重拡散構造に挟まれた領域で第3
半導体領域の表面側にウェル状に形成された第1導電型
の第8半導体領域とを有して成る構成を採用した場合、
多数キャリアの引き抜き電流経路を短縮できるので、可
制御電流容量の増大を図ることができる。
【0042】第5半導体領域と第8半導体領域とを第1
導電型の連結拡散層を介して接続し、第8半導体領域に
電極を導電接触させた構造においては、第5半導体領域
から連結拡散層及び第8半導体領域を介して上記電極に
到る電流経路には拡散抵抗が寄生しているが、この拡散
抵抗の電圧降下によってウェル端側の第5半導体領域と
その直下の第3半導体領域との順方向電圧が相対的に高
くならず、ラッチアップを抑制でき、可制御電流容量の
増大を図ることができる。
導電型の連結拡散層を介して接続し、第8半導体領域に
電極を導電接触させた構造においては、第5半導体領域
から連結拡散層及び第8半導体領域を介して上記電極に
到る電流経路には拡散抵抗が寄生しているが、この拡散
抵抗の電圧降下によってウェル端側の第5半導体領域と
その直下の第3半導体領域との順方向電圧が相対的に高
くならず、ラッチアップを抑制でき、可制御電流容量の
増大を図ることができる。
【0043】第5半導体領域と第8半導体領域とを導通
遮断する経路スイッチング用第2導電型MISFETを
形成し、第8半導体領域に電極を導電接触させた構造に
おいては、ターンオフ時に経路スイッチング用第2導電
型MISFETをオンさせると、第5半導体領域を流れ
る電流が消失するため、ラッチアップを無くすことがで
きる。
遮断する経路スイッチング用第2導電型MISFETを
形成し、第8半導体領域に電極を導電接触させた構造に
おいては、ターンオフ時に経路スイッチング用第2導電
型MISFETをオンさせると、第5半導体領域を流れ
る電流が消失するため、ラッチアップを無くすことがで
きる。
【0044】特に、上記経路スイッチング用第2導電型
MISFETのゲート電極として上記多数キャリア注入
用第2導電型MISFETのゲート電極の一部を用いて
成る場合は、製造工数の削減及び微細化が可能となる。
MISFETのゲート電極として上記多数キャリア注入
用第2導電型MISFETのゲート電極の一部を用いて
成る場合は、製造工数の削減及び微細化が可能となる。
【0045】多数キャリア注入用第2導電型MISFE
Tのゲート電極はチップレイアウト上でストライプ状に
複数本並設されており、その複数本のゲート電極にはゲ
ートパッドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通し
て成る構成を採用した場合、ゲートッパッドから最も遠
いゲート電極までの配線抵抗が低減されているので、ゲ
ート信号の伝播遅延が減少し、ターンオフ時における最
遠のゲート電極のセルでの電流集中が抑制される。この
ため、ターンオフの高速化は勿論のこと、最遠のゲート
電極のセルでの破壊が起こり難くなり、可制御電流容量
の増大を図ることができる。
Tのゲート電極はチップレイアウト上でストライプ状に
複数本並設されており、その複数本のゲート電極にはゲ
ートパッドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通し
て成る構成を採用した場合、ゲートッパッドから最も遠
いゲート電極までの配線抵抗が低減されているので、ゲ
ート信号の伝播遅延が減少し、ターンオフ時における最
遠のゲート電極のセルでの電流集中が抑制される。この
ため、ターンオフの高速化は勿論のこと、最遠のゲート
電極のセルでの破壊が起こり難くなり、可制御電流容量
の増大を図ることができる。
【0046】また、多数キャリア注入用第2導電型MI
SFETのゲート電極はチップレイアウト上で格子点に
設けられた島状であり、上記ゲート電極にはゲートパッ
ドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通しており、
上記ゲート配線で区分された格子内領域が多数キャリア
引き抜き第1導電型MISFETの格子状のゲート電極
で分割されて成る構成を採用した場合、ゲートパッドか
ら遠い第2導電型MISFETのゲート電極でも伝播遅
延が抑制されるので、ターンオフの高速化と可制御電流
容量の増大を図ることができる。また、第1導電型MI
SFETのゲート電極が縦横格子状に形成されている
め、ゲートパッドから遠いゲート電極でも信号遅延が少
なくなり、ターンオンの高速化に寄与する。1格子内領
域がゲート電極で分割されているため、サイリスタ動作
時には電流容量の増大を図ることができる。また、IG
BT動作での多数キャリアの引き抜きを分散的に行うこ
とができ、ラッチアップ耐量の増大に寄与する。
SFETのゲート電極はチップレイアウト上で格子点に
設けられた島状であり、上記ゲート電極にはゲートパッ
ドに繋がる複数のゲート配線が格子状に導通しており、
上記ゲート配線で区分された格子内領域が多数キャリア
引き抜き第1導電型MISFETの格子状のゲート電極
で分割されて成る構成を採用した場合、ゲートパッドか
ら遠い第2導電型MISFETのゲート電極でも伝播遅
延が抑制されるので、ターンオフの高速化と可制御電流
容量の増大を図ることができる。また、第1導電型MI
SFETのゲート電極が縦横格子状に形成されている
め、ゲートパッドから遠いゲート電極でも信号遅延が少
なくなり、ターンオンの高速化に寄与する。1格子内領
域がゲート電極で分割されているため、サイリスタ動作
時には電流容量の増大を図ることができる。また、IG
BT動作での多数キャリアの引き抜きを分散的に行うこ
とができ、ラッチアップ耐量の増大に寄与する。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
各実施例を説明する。
各実施例を説明する。
【0048】〔実施例1〕図1に、本発明の実施例1に
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示してある。本例の半導体装置は、アノード電極1が
裏面に設置されたp++型(第1導電型)の半導体基板を
第1半導体領域(アノード領域)2として、この第1半
導体領域2上に、n+ 型のバッファ層3aを介してn-
型(第2導電型)の第2半導体領域(n- 型ベース層)
3がエピタキシャル成長により形成されている。このn
- 型の第2半導体領域3の表面側にはp型のウェル状の
第3半導体領域(p型ベース層)4が形成されている。
更に、このp型の第3半導体領域4のウェル表面側の中
央部にはウェル状のn型の第4半導体領域(チャネル拡
散層)15が形成されていると共に、第3半導体領域4
のウェル端に沿ってこの第4半導体領域15に離隔して
平面的に囲むリング状のn+ 型の第5半導体領域(カソ
ード領域)16が形成されている。また、ウェル中央部
の第4半導体領域15の表面側にはp+ 型のウェル状の
第6半導体領域17が形成されている。
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示してある。本例の半導体装置は、アノード電極1が
裏面に設置されたp++型(第1導電型)の半導体基板を
第1半導体領域(アノード領域)2として、この第1半
導体領域2上に、n+ 型のバッファ層3aを介してn-
型(第2導電型)の第2半導体領域(n- 型ベース層)
3がエピタキシャル成長により形成されている。このn
- 型の第2半導体領域3の表面側にはp型のウェル状の
第3半導体領域(p型ベース層)4が形成されている。
更に、このp型の第3半導体領域4のウェル表面側の中
央部にはウェル状のn型の第4半導体領域(チャネル拡
散層)15が形成されていると共に、第3半導体領域4
のウェル端に沿ってこの第4半導体領域15に離隔して
平面的に囲むリング状のn+ 型の第5半導体領域(カソ
ード領域)16が形成されている。また、ウェル中央部
の第4半導体領域15の表面側にはp+ 型のウェル状の
第6半導体領域17が形成されている。
【0049】n型の第5半導体領域16及びp+ 型の第
6半導体領域17には第1層目の金属電極としての第1
のカソード電極18a及び第2のカソード電極18bが
導電接触している。
6半導体領域17には第1層目の金属電極としての第1
のカソード電極18a及び第2のカソード電極18bが
導電接触している。
【0050】そして、n+ 型の第5半導体領域16から
p型の第3半導体領域4及びn- 型の第2半導体領域3
の表面に亘って、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を介
してnチャネル型の第1のMOSFET(VDMOS構
造)12を構成する多結晶シリコンの第1のゲート電極
10が設置されており、一方、p+ 型の第6半導体領域
17からn型の第4半導体領域15,n+ 型の第5半導
体領域16およびp型の第3半導体領域4の表面に亘っ
て、ゲート酸化膜9を介してpチャネル型の第2のMO
SFET(DMOS構造)23を構成する多結晶シリコ
ンの第2のゲート電極21が設置されている。第2のM
OSFET23は2重拡散型MOSFETで、ゲート電
極21をマスクとしてn型の第4半導体領域15がチャ
ネル拡散層としてウェル状のp型の第3半導体領域4の
表面側に形成された後、同じくゲート電極21をマスク
としてp+ 型の第6半導体領域17がソース層として第
4半導体領域15の表面側に拡散形成されたものであ
る。電子注入用の第1のMOSFET12がnチャネル
型DMOSであるのに対し、正孔引抜き用の第2のMO
SFET23はpチャネル型DMOSとなっている。従
って、第2のMOSFET23のチャネルは第3半導体
領域4と第6半導体領域17で挟まれた部分であり、横
方向拡散長の差によりチャネル長が決定されるので短チ
ャネル化されている。なお、第1のゲート電極10と第
2のゲート電極21は電気的に相互独立に制御可能とな
っている。
p型の第3半導体領域4及びn- 型の第2半導体領域3
の表面に亘って、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を介
してnチャネル型の第1のMOSFET(VDMOS構
造)12を構成する多結晶シリコンの第1のゲート電極
10が設置されており、一方、p+ 型の第6半導体領域
17からn型の第4半導体領域15,n+ 型の第5半導
体領域16およびp型の第3半導体領域4の表面に亘っ
て、ゲート酸化膜9を介してpチャネル型の第2のMO
SFET(DMOS構造)23を構成する多結晶シリコ
ンの第2のゲート電極21が設置されている。第2のM
OSFET23は2重拡散型MOSFETで、ゲート電
極21をマスクとしてn型の第4半導体領域15がチャ
ネル拡散層としてウェル状のp型の第3半導体領域4の
表面側に形成された後、同じくゲート電極21をマスク
としてp+ 型の第6半導体領域17がソース層として第
4半導体領域15の表面側に拡散形成されたものであ
る。電子注入用の第1のMOSFET12がnチャネル
型DMOSであるのに対し、正孔引抜き用の第2のMO
SFET23はpチャネル型DMOSとなっている。従
って、第2のMOSFET23のチャネルは第3半導体
領域4と第6半導体領域17で挟まれた部分であり、横
方向拡散長の差によりチャネル長が決定されるので短チ
ャネル化されている。なお、第1のゲート電極10と第
2のゲート電極21は電気的に相互独立に制御可能とな
っている。
【0051】図2に本装置の等価回路を示してある。本
装置においては、n+ 型の第5半導体領域16,p型の
第3半導体領域4およびn- 型の第2半導体領域3によ
りnpn型のバイポーラトランジスタQnpn が構成さ
れ、また、p型の第3半導体領域4,n- 型の第2半導
体領域3およびp++型の第1半導体領域2によりpnp
型のバイポーラトランジスタQpnp が構成されている。
従って、バイポーラトランジスタQnpn とQpnp により
サイリスタ構造(pnpn構造)が構成されている。こ
こで、p型の第3半導体領域4,n型の第4半導体領域
15およびp+ 型の第6半導体領域17は破線で示す如
くのpnp型の寄生トランジスタqpnp を構成している
が、p型の第3半導体領域4がn+ 型の第5半導体領域
16を介して第1のカソード電極18aに短絡している
ため、トランジスタ機能は抑圧されている。第1のMO
SFET12は、第5半導体領域16から第3半導体領
域4を介してトランジスタQpnp のベース層たる第2半
導体領域3へその多数キャリア(電子)を注入する。ま
た、第2のMOSFET23は、第3半導体領域4中の
多数キャリア(正孔)を第4半導体領域15のチャネル
を介して第6半導体領域17へ引き抜く。
装置においては、n+ 型の第5半導体領域16,p型の
第3半導体領域4およびn- 型の第2半導体領域3によ
りnpn型のバイポーラトランジスタQnpn が構成さ
れ、また、p型の第3半導体領域4,n- 型の第2半導
体領域3およびp++型の第1半導体領域2によりpnp
型のバイポーラトランジスタQpnp が構成されている。
従って、バイポーラトランジスタQnpn とQpnp により
サイリスタ構造(pnpn構造)が構成されている。こ
こで、p型の第3半導体領域4,n型の第4半導体領域
15およびp+ 型の第6半導体領域17は破線で示す如
くのpnp型の寄生トランジスタqpnp を構成している
が、p型の第3半導体領域4がn+ 型の第5半導体領域
16を介して第1のカソード電極18aに短絡している
ため、トランジスタ機能は抑圧されている。第1のMO
SFET12は、第5半導体領域16から第3半導体領
域4を介してトランジスタQpnp のベース層たる第2半
導体領域3へその多数キャリア(電子)を注入する。ま
た、第2のMOSFET23は、第3半導体領域4中の
多数キャリア(正孔)を第4半導体領域15のチャネル
を介して第6半導体領域17へ引き抜く。
【0052】このような構造の本装置において、第2の
ゲート電極21に高電位が印加された状態で、第1のゲ
ート電極10を高電位とすると、第1のゲート電極10
の直下のバックゲートたるp型の第3半導体領域4のウ
ェル端表面はn型反転層となり、カソード電極18aか
らソース領域としてのn+ 型の第5半導体領域16,第
1のゲート電極10の直下のn型反転層,そしてドレイ
ンとしてのn- 型の第2半導体領域3とが接続される。
従って、カソード電極18aからドレインドリフト領域
であるn- 型の第2半導体領域3へその多数キャリアと
しての電子が注入され、それに呼応して、p+ 型の第1
半導体領域2から正孔が注入される。これにより伝導度
が変調され、pnp型のトランジスタQpnpがオン状
態(IGBT状態)となる。さらに、このトランジスタ
Qpnpの正孔電流が、トランジスタQnpnのベース
電流となるため、トランジスタQnpnがオン状態とな
る。すなわち、p+ 型の第1半導体領域2,n- 型の第
2半導体領域3,p型の第3半導体領域4およびn+ 型
の第5半導体領域16により構成されるサイリスタ(p
npn構造)がオン状態となり、高濃度のキャリアがデ
バイス中に存在し、本装置は低抵抗状態となる。
ゲート電極21に高電位が印加された状態で、第1のゲ
ート電極10を高電位とすると、第1のゲート電極10
の直下のバックゲートたるp型の第3半導体領域4のウ
ェル端表面はn型反転層となり、カソード電極18aか
らソース領域としてのn+ 型の第5半導体領域16,第
1のゲート電極10の直下のn型反転層,そしてドレイ
ンとしてのn- 型の第2半導体領域3とが接続される。
従って、カソード電極18aからドレインドリフト領域
であるn- 型の第2半導体領域3へその多数キャリアと
しての電子が注入され、それに呼応して、p+ 型の第1
半導体領域2から正孔が注入される。これにより伝導度
が変調され、pnp型のトランジスタQpnpがオン状
態(IGBT状態)となる。さらに、このトランジスタ
Qpnpの正孔電流が、トランジスタQnpnのベース
電流となるため、トランジスタQnpnがオン状態とな
る。すなわち、p+ 型の第1半導体領域2,n- 型の第
2半導体領域3,p型の第3半導体領域4およびn+ 型
の第5半導体領域16により構成されるサイリスタ(p
npn構造)がオン状態となり、高濃度のキャリアがデ
バイス中に存在し、本装置は低抵抗状態となる。
【0053】このように、本装置においては、第2のゲ
ート電極21を高電位とした状態で、第1のゲート電極
10を高電位とすることにより、前述したMCTと同様
にサイリスタ状態となるので、オン電圧の低いパワーデ
バイスとなる。このサイリスタ状態(サイリスタモー
ド)では、図3(a)に示す如く、第2半導体領域3か
ら第3半導体領域4のウェル端の第1のゲート電極10
直下のチャネルを介して第5半導体領域16に電子注入
用の電子電流(実線)が流れていると共に、第3半導体
領域のうち第5半導体領域16の直下領域にはサイリス
タの主電流(実線の電子電流と破線の正孔電流)が流れ
ている。ここで、p型の第3半導体領域4,n型の第4
半導体領域15およびp型の第6半導体領域17は図2
の破線で示す如くのpnp型の寄生トランジスタqpnp
を構成しているが、第3半導体領域4が第5半導体領域
16を介してカソード電極18aにpn接続しているた
め、トランジスタ機能は抑圧されている。ただ、p型の
第3領域4からは若干の正孔の引き抜き作用があるが、
サイリスタ動作では第3半導体領域4中のキャリアは非
常に豊富となっているので問題はない。
ート電極21を高電位とした状態で、第1のゲート電極
10を高電位とすることにより、前述したMCTと同様
にサイリスタ状態となるので、オン電圧の低いパワーデ
バイスとなる。このサイリスタ状態(サイリスタモー
ド)では、図3(a)に示す如く、第2半導体領域3か
ら第3半導体領域4のウェル端の第1のゲート電極10
直下のチャネルを介して第5半導体領域16に電子注入
用の電子電流(実線)が流れていると共に、第3半導体
領域のうち第5半導体領域16の直下領域にはサイリス
タの主電流(実線の電子電流と破線の正孔電流)が流れ
ている。ここで、p型の第3半導体領域4,n型の第4
半導体領域15およびp型の第6半導体領域17は図2
の破線で示す如くのpnp型の寄生トランジスタqpnp
を構成しているが、第3半導体領域4が第5半導体領域
16を介してカソード電極18aにpn接続しているた
め、トランジスタ機能は抑圧されている。ただ、p型の
第3領域4からは若干の正孔の引き抜き作用があるが、
サイリスタ動作では第3半導体領域4中のキャリアは非
常に豊富となっているので問題はない。
【0054】このサイリスタ状態から、第1のゲート電
極10を高電位のまま第2のゲート電極21を零又は低
電位とすると、第2のMOSFET23もオン状態とな
り、第2のゲート電極21直下のn型の第4半導体領域
15の表面がp型に反転する。ここで、p型の第3半導
体領域4中の正孔は、短チャネルの第2のMOSFET
23を介して直接第6半導体領域17に引き抜かれるた
め、第2半導体領域3,第3半導体領域4および第5半
導体領域16で構成されるトランジスタQnpnはオフ状
態となる。この結果、サイリスタ動作は消滅し、トラン
ジスタQpnp のみが作動するトランジスタ状態となる。
この状態は、第1のMOSFET12により第2半導体
領域3に電子注入が行われているIGBTの動作状態で
ある。かかる状態では、図3(b)に示す如く、第2半
導体領域3から第3半導体領域4のウェル端の第1のM
OSFET12のチャネルを介して第5領域16に電子
注入用の電子電流(実線)が流れていると共に、この電
子電流に沿う正孔電流(破線)は第2半導体領域3から
第3半導体領域4のウェル端を介して第5半導体領域1
6の直下を通過し、ゲート電極21直下の第2のMOS
FET23のチャネルを介して第6半導体領域17へ流
れている。
極10を高電位のまま第2のゲート電極21を零又は低
電位とすると、第2のMOSFET23もオン状態とな
り、第2のゲート電極21直下のn型の第4半導体領域
15の表面がp型に反転する。ここで、p型の第3半導
体領域4中の正孔は、短チャネルの第2のMOSFET
23を介して直接第6半導体領域17に引き抜かれるた
め、第2半導体領域3,第3半導体領域4および第5半
導体領域16で構成されるトランジスタQnpnはオフ状
態となる。この結果、サイリスタ動作は消滅し、トラン
ジスタQpnp のみが作動するトランジスタ状態となる。
この状態は、第1のMOSFET12により第2半導体
領域3に電子注入が行われているIGBTの動作状態で
ある。かかる状態では、図3(b)に示す如く、第2半
導体領域3から第3半導体領域4のウェル端の第1のM
OSFET12のチャネルを介して第5領域16に電子
注入用の電子電流(実線)が流れていると共に、この電
子電流に沿う正孔電流(破線)は第2半導体領域3から
第3半導体領域4のウェル端を介して第5半導体領域1
6の直下を通過し、ゲート電極21直下の第2のMOS
FET23のチャネルを介して第6半導体領域17へ流
れている。
【0055】この後、第2のゲート電極21を零又は低
電位としたまま、第1のゲート電極10を零又は低電位
として第1のMOSFET12をオフ状態にすると、瞬
時に電子注入が止むので、これに呼応する第1半導体領
域2から第2半導体領域3への正孔の流入も止むため、
キャリアの掃き出しに要する時間が短縮でき、ターンオ
フ時間を短くすることができる。
電位としたまま、第1のゲート電極10を零又は低電位
として第1のMOSFET12をオフ状態にすると、瞬
時に電子注入が止むので、これに呼応する第1半導体領
域2から第2半導体領域3への正孔の流入も止むため、
キャリアの掃き出しに要する時間が短縮でき、ターンオ
フ時間を短くすることができる。
【0056】図4に、第1のゲート電極10および第2
のゲート電極21に印加される電位とアノード・カソー
ド間電圧VAK及びアノード電流IA との関係を示してあ
る。
のゲート電極21に印加される電位とアノード・カソー
ド間電圧VAK及びアノード電流IA との関係を示してあ
る。
【0057】第1のゲート電極10に0Vが印加してお
り、第2のゲート電極21に−15Vが印加している場
合には、第1のMOSFET12はオフ状態であるもの
の、第2のMOSFET23はオン状態となっており、
サイリスタ構造はターンオフ状態である。ここで、アノ
ード電流IA は零で、アノード・カソード間電圧VAKは
約300Vである。前述したように、第2のゲート電極
21に−15Vを印加したまま、第1のゲート電極10
に高電位(15V)を印加すると、第1のMOSFET
12がオン状態となり、本装置は電子が注入されてトラ
ンジスタQpnpのみが作動したIGBTモードに移行
する。これによりアノード電流IA は瞬時に飽和し、ア
ノード・カソード間電圧(オン電圧)VAK は約0.2
μ秒で3V程度に飽和する。
り、第2のゲート電極21に−15Vが印加している場
合には、第1のMOSFET12はオフ状態であるもの
の、第2のMOSFET23はオン状態となっており、
サイリスタ構造はターンオフ状態である。ここで、アノ
ード電流IA は零で、アノード・カソード間電圧VAKは
約300Vである。前述したように、第2のゲート電極
21に−15Vを印加したまま、第1のゲート電極10
に高電位(15V)を印加すると、第1のMOSFET
12がオン状態となり、本装置は電子が注入されてトラ
ンジスタQpnpのみが作動したIGBTモードに移行
する。これによりアノード電流IA は瞬時に飽和し、ア
ノード・カソード間電圧(オン電圧)VAK は約0.2
μ秒で3V程度に飽和する。
【0058】このIGBTモードから第2のゲート電極
21に0Vを印加し、第2のMOSFET23をオフ状
態にすると、正孔引抜き作用が止むためトランジスタQ
npnがオン状態になり、本装置は完全にターンオンし、
瞬時にサイリスタモードに移行する。サイリスタモード
でのアノード・カソード間電圧(オン電圧)VAK は約
1Vという低い値を示す。次に、第2のゲート電極21
に−15Vを印加して第2のMOSFET23をオン状
態にすると、正孔引抜きが行われるため、瞬時にIGB
Tモードに移行し、アノード・カソード間電圧(オン電
圧)VAK が約3Vとなる。この後、第1のゲート電極
10に0Vを印加して第1のMOSFET12をオフ状
態にすると、約0.4μ秒という速さでIGBT動作も
止み、本装置はターンオフし、アノード電流IA は零
で、アノード・カソード間電圧VAKは約300Vにな
る。このように、本装置は、オン状態時にはMCTと同
様の低いオン電圧で動作し、また、オフ時にはIGBT
と同様の短いターンオフ時間でオフ状態となる。従っ
て、高周波応用においても、スイッチング損失の少ない
パワーデバイスを実現することができる。
21に0Vを印加し、第2のMOSFET23をオフ状
態にすると、正孔引抜き作用が止むためトランジスタQ
npnがオン状態になり、本装置は完全にターンオンし、
瞬時にサイリスタモードに移行する。サイリスタモード
でのアノード・カソード間電圧(オン電圧)VAK は約
1Vという低い値を示す。次に、第2のゲート電極21
に−15Vを印加して第2のMOSFET23をオン状
態にすると、正孔引抜きが行われるため、瞬時にIGB
Tモードに移行し、アノード・カソード間電圧(オン電
圧)VAK が約3Vとなる。この後、第1のゲート電極
10に0Vを印加して第1のMOSFET12をオフ状
態にすると、約0.4μ秒という速さでIGBT動作も
止み、本装置はターンオフし、アノード電流IA は零
で、アノード・カソード間電圧VAKは約300Vにな
る。このように、本装置は、オン状態時にはMCTと同
様の低いオン電圧で動作し、また、オフ時にはIGBT
と同様の短いターンオフ時間でオフ状態となる。従っ
て、高周波応用においても、スイッチング損失の少ない
パワーデバイスを実現することができる。
【0059】本例においては、第3半導体領域4内の正
孔引抜き用の第2のMOSFET23が第1のMOSF
ET12の導電型とは逆導電型で、2重拡散型MOSF
ETとなっている。これによって、従来構造のような正
孔を電子に変換する短絡用電極(金属電極)を第1層目
の電極配線として微細に形成する必要が無い。このた
め、微細電極形成の困難さと電極配線の2層構造とを回
避できる。更に、第2のMOSFET23は2重拡散型
MOSFETであるため、短チャネル化を実現でき、第
2のMOSFET23自身のオン抵抗の低減が可能であ
るので、正孔の引き抜き速度を早めることができ、ター
ンオフ速度を上げることができる。また第2のMOSF
ET23の特性バラツキも抑えることができる。更に、
ラッチアップ耐量を大きくでき、可制御電流容量の増大
を図ることができる。
孔引抜き用の第2のMOSFET23が第1のMOSF
ET12の導電型とは逆導電型で、2重拡散型MOSF
ETとなっている。これによって、従来構造のような正
孔を電子に変換する短絡用電極(金属電極)を第1層目
の電極配線として微細に形成する必要が無い。このた
め、微細電極形成の困難さと電極配線の2層構造とを回
避できる。更に、第2のMOSFET23は2重拡散型
MOSFETであるため、短チャネル化を実現でき、第
2のMOSFET23自身のオン抵抗の低減が可能であ
るので、正孔の引き抜き速度を早めることができ、ター
ンオフ速度を上げることができる。また第2のMOSF
ET23の特性バラツキも抑えることができる。更に、
ラッチアップ耐量を大きくでき、可制御電流容量の増大
を図ることができる。
【0060】〔実施例2〕図5は本発明の実施例2に係
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。本例の半導体構造においては実施例
1の構造に対して第5半導体領域16の直下に高濃度p
+ 型の浅いウェル状の第7半導体領域19が形成されて
いる。第7半導体領域19の直下には第3半導体領域4
が残っている。なお、第5半導体領域16のチャネル側
のウェル端は第7半導体領域19で覆われていない。
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。本例の半導体構造においては実施例
1の構造に対して第5半導体領域16の直下に高濃度p
+ 型の浅いウェル状の第7半導体領域19が形成されて
いる。第7半導体領域19の直下には第3半導体領域4
が残っている。なお、第5半導体領域16のチャネル側
のウェル端は第7半導体領域19で覆われていない。
【0061】ところで、実施例1の構造においては、サ
イリスタ状態からトランジスタ(IGBT)状態へ動作
モードを一旦移行させた後、そのトランジスタ状態をオ
フ状態にすることでターンオフさせるようにしている
が、寄生抵抗等でラッチアップしてしまい、可制御電流
値を大きくできないという問題がある。即ち、図3に示
すように、いずれの動作状態においても、主電流は第5
半導体領域16の下側の第3半導体領域4中を流れてい
る。特に、図3(b)に示すトランジスタ状態における
正孔電流(破線で示す)の経路は、電子電流の経路に沿
うようにして第3半導体領域4のウェル端側から入り込
み、第5半導体領域16の下側領域を通過して第3半導
体領域4のウェル中央部の第2のゲート電極21の真下
に流れ込み、第2のMOSFET23のチャネルを介し
て第6半導体領域17へ引き抜かれる経路となってい
る。第5半導体領域16の下側領域の第3半導体領域4
中には拡散抵抗(ベース抵抗RB )が寄生しているの
で、この寄生抵抗に正孔の引抜き用の電流が過大に流れ
ると、その電圧降下によってn- 型の第2半導体領域
3,p型の第3半導体領域4及びn+ 型の第5半導体領
域16からなるnpn型トランジスタQnpn のトリガ電
流となり、仮に第2のMOSFET23をオン状態にし
て正孔を引抜き、トランジスタQnpn をオフさせようと
してもオフ状態にはならず、ラッチアップ状態になって
しまう。
イリスタ状態からトランジスタ(IGBT)状態へ動作
モードを一旦移行させた後、そのトランジスタ状態をオ
フ状態にすることでターンオフさせるようにしている
が、寄生抵抗等でラッチアップしてしまい、可制御電流
値を大きくできないという問題がある。即ち、図3に示
すように、いずれの動作状態においても、主電流は第5
半導体領域16の下側の第3半導体領域4中を流れてい
る。特に、図3(b)に示すトランジスタ状態における
正孔電流(破線で示す)の経路は、電子電流の経路に沿
うようにして第3半導体領域4のウェル端側から入り込
み、第5半導体領域16の下側領域を通過して第3半導
体領域4のウェル中央部の第2のゲート電極21の真下
に流れ込み、第2のMOSFET23のチャネルを介し
て第6半導体領域17へ引き抜かれる経路となってい
る。第5半導体領域16の下側領域の第3半導体領域4
中には拡散抵抗(ベース抵抗RB )が寄生しているの
で、この寄生抵抗に正孔の引抜き用の電流が過大に流れ
ると、その電圧降下によってn- 型の第2半導体領域
3,p型の第3半導体領域4及びn+ 型の第5半導体領
域16からなるnpn型トランジスタQnpn のトリガ電
流となり、仮に第2のMOSFET23をオン状態にし
て正孔を引抜き、トランジスタQnpn をオフさせようと
してもオフ状態にはならず、ラッチアップ状態になって
しまう。
【0062】そこで、このトランジスタ状態におけるラ
ッチアップを抑制(ラッチアップするまでの可制御電流
を大きく)するためには、本例では、第5半導体領域1
6の下側の寄生抵抗値を低減する目的で、第5半導体領
域16の直下に高濃度p+ 型の浅いウェル状の第7半導
体領域19を形成してある。ベース抵抗RB の低抵抗化
によって正孔引き抜き電流を多く流してもnpn型トラ
ンジスタQnpn がラッチアップし難くなり、可制御電流
値の増大を図ることができる。
ッチアップを抑制(ラッチアップするまでの可制御電流
を大きく)するためには、本例では、第5半導体領域1
6の下側の寄生抵抗値を低減する目的で、第5半導体領
域16の直下に高濃度p+ 型の浅いウェル状の第7半導
体領域19を形成してある。ベース抵抗RB の低抵抗化
によって正孔引き抜き電流を多く流してもnpn型トラ
ンジスタQnpn がラッチアップし難くなり、可制御電流
値の増大を図ることができる。
【0063】〔実施例3〕図6は本発明の実施例3に係
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。この実施例では、第5半導体領域1
6の直下に高濃度p+ 型の深いウェル状の第7半導体領
域20を形成してある。なお、第5半導体領域16のチ
ャネル側のウェル端は第7半導体領域20で覆われてい
ない。本例の第7半導体領域20は実施例2(図5参
照)の浅いウェル状の第7半導体領域19に比して第3
半導体領域4を突き抜ける程の深さであるので、トラン
ジスタ状態時における正孔電流の殆どがこの深いウェル
状の第7半導体領域20を通過する。従って、寄生抵抗
値を大幅に下げることが可能である。ただ、第5半導体
領域16の直下の不純物濃度を濃くし過ぎると、サイリ
スタ状態におけるオン電圧の増加を招来してしまうの
で、実施例2のように浅い第7半導体領域19を形成す
るか、本例の場合には不純物濃度を適度に設定すること
が望ましい。
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。この実施例では、第5半導体領域1
6の直下に高濃度p+ 型の深いウェル状の第7半導体領
域20を形成してある。なお、第5半導体領域16のチ
ャネル側のウェル端は第7半導体領域20で覆われてい
ない。本例の第7半導体領域20は実施例2(図5参
照)の浅いウェル状の第7半導体領域19に比して第3
半導体領域4を突き抜ける程の深さであるので、トラン
ジスタ状態時における正孔電流の殆どがこの深いウェル
状の第7半導体領域20を通過する。従って、寄生抵抗
値を大幅に下げることが可能である。ただ、第5半導体
領域16の直下の不純物濃度を濃くし過ぎると、サイリ
スタ状態におけるオン電圧の増加を招来してしまうの
で、実施例2のように浅い第7半導体領域19を形成す
るか、本例の場合には不純物濃度を適度に設定すること
が望ましい。
【0064】〔実施例4〕図7は本発明の実施例4に係
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。この実施例では、第5半導体領域1
6がゲート電極21側の浅いn+ 型内側ウェル領域16
aとゲート電極10側(ウェル端側)の深いn型外側ウ
ェル領域16bとの重なり領域となっている。浅いn+
型内側ウェル領域16aの濃度はp型の第3半導体領域
4の濃度に比して高いので、npn型トランジスタQnp
n の電流増幅率hFEが高い。それ故、浅いn+ 型内側ウ
ェル領域16aがサイリスタ状態時で実質的なカソード
領域として機能し、そのウェル底面を介して縦方向に主
電流が流れることとなる。n型外側ウェル領域16bは
n+ 型内側ウェル領域16aに比べて低濃度であること
が重要であり、特に深くなくとも良い。IGBT動作時
では前述した拡散抵抗RB の電圧降下により第3半導体
領域4のうちn+ 型内側ウェル領域16aの周囲に比し
てn型外側ウェル領域16bの周囲の電圧が低くなり、
n型外側ウェル領域16b側のnpn型トランジスタQ
npn がラッチアップしがちであるものの、深いn型ウェ
ル外側領域16bの濃度は浅いn+ 型内側ウェル領域1
6aの濃度に比して低いので、そのnpn型トランジス
タQnpn の電流増幅率hFEは低くなっており、IGBT
動作時ではラッチアップし難い。このため、可制御電流
容量の増大を図ることができる。
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。この実施例では、第5半導体領域1
6がゲート電極21側の浅いn+ 型内側ウェル領域16
aとゲート電極10側(ウェル端側)の深いn型外側ウ
ェル領域16bとの重なり領域となっている。浅いn+
型内側ウェル領域16aの濃度はp型の第3半導体領域
4の濃度に比して高いので、npn型トランジスタQnp
n の電流増幅率hFEが高い。それ故、浅いn+ 型内側ウ
ェル領域16aがサイリスタ状態時で実質的なカソード
領域として機能し、そのウェル底面を介して縦方向に主
電流が流れることとなる。n型外側ウェル領域16bは
n+ 型内側ウェル領域16aに比べて低濃度であること
が重要であり、特に深くなくとも良い。IGBT動作時
では前述した拡散抵抗RB の電圧降下により第3半導体
領域4のうちn+ 型内側ウェル領域16aの周囲に比し
てn型外側ウェル領域16bの周囲の電圧が低くなり、
n型外側ウェル領域16b側のnpn型トランジスタQ
npn がラッチアップしがちであるものの、深いn型ウェ
ル外側領域16bの濃度は浅いn+ 型内側ウェル領域1
6aの濃度に比して低いので、そのnpn型トランジス
タQnpn の電流増幅率hFEは低くなっており、IGBT
動作時ではラッチアップし難い。このため、可制御電流
容量の増大を図ることができる。
【0065】〔実施例5〕図8は本発明の実施例5に係
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。この実施例は図6に示す実施例3の
構造と図7に示す実施例4の構造とを併有するものであ
る。即ち、第5半導体領域16がゲート電極21側の浅
いn+ 内側型ウェル領域16aとゲート電極10側の深
いn型外側ウェル領域16bとの重なり領域となってお
り、第5半導体領域16の直下にp+ 型の深いウェル状
の第7半導体領域20を形成してある。n型外側ウェル
領域16bの存在によってnpn型トランジスタQnpn
の電流増幅率hFEは低くなっており、また高濃度の第7
半導体領域20の存在によって寄生抵抗値を大幅に下げ
ることが可能である。従って、相乗的にラッチアップ耐
量を大きくでき、可制御電流容量の増大を図ることがで
きる。かかる場合も、実施例4と同じく、n型外側ウェ
ル領域16bはn+ 型内側ウェル領域16aに比べて低
濃度であることが重要であり、特に深くなくとも良い。
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。この実施例は図6に示す実施例3の
構造と図7に示す実施例4の構造とを併有するものであ
る。即ち、第5半導体領域16がゲート電極21側の浅
いn+ 内側型ウェル領域16aとゲート電極10側の深
いn型外側ウェル領域16bとの重なり領域となってお
り、第5半導体領域16の直下にp+ 型の深いウェル状
の第7半導体領域20を形成してある。n型外側ウェル
領域16bの存在によってnpn型トランジスタQnpn
の電流増幅率hFEは低くなっており、また高濃度の第7
半導体領域20の存在によって寄生抵抗値を大幅に下げ
ることが可能である。従って、相乗的にラッチアップ耐
量を大きくでき、可制御電流容量の増大を図ることがで
きる。かかる場合も、実施例4と同じく、n型外側ウェ
ル領域16bはn+ 型内側ウェル領域16aに比べて低
濃度であることが重要であり、特に深くなくとも良い。
【0066】〔実施例6〕図9は本発明の実施例6に係
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。本例は実施例5の変形例であり、第
5半導体領域16がゲート電極21側の浅いn+ 型内側
ウェル領域16aとゲート電極10側の深いn型ウェル
外側領域16bとの重なり領域になっており、p型の第
3半導体領域4のウェル端側を内側領域4aの濃度より
も高い高濃度領域4bとして形成されている。n+ 型内
側ウェル領域16aを含むnpn型トランジスタQnpn
の電流増幅率hFEは低く、また寄生抵抗値を下げること
ができるので、ラッチアップ耐量を大きくできる。た
だ、ウェル端側の高濃度領域4bの濃度がp+ 型程度に
なると、第1のMOSFET12の閾値電圧が高くなる
ので、この点も踏まえて濃度調整を行う必要がある。
るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を
示す断面図である。本例は実施例5の変形例であり、第
5半導体領域16がゲート電極21側の浅いn+ 型内側
ウェル領域16aとゲート電極10側の深いn型ウェル
外側領域16bとの重なり領域になっており、p型の第
3半導体領域4のウェル端側を内側領域4aの濃度より
も高い高濃度領域4bとして形成されている。n+ 型内
側ウェル領域16aを含むnpn型トランジスタQnpn
の電流増幅率hFEは低く、また寄生抵抗値を下げること
ができるので、ラッチアップ耐量を大きくできる。た
だ、ウェル端側の高濃度領域4bの濃度がp+ 型程度に
なると、第1のMOSFET12の閾値電圧が高くなる
ので、この点も踏まえて濃度調整を行う必要がある。
【0067】〔実施例7〕図10は本発明の実施例7に
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。本例では、第5半導体領域16は
n+ 型領域としつつ、p型の第3半導体領域4のウェル
端側を内側領域4aの濃度よりも高い高濃度領域4bと
して形成されている。IGBT状態時の正孔引き抜き電
流経路の寄生抵抗値を下げることができるので、ラッチ
アップ耐量を大きくできる。本例もまた、ウェル端側の
高濃度領域4bの濃度がp+ 型程度になると、第1のM
OSFETの閾値電圧が高くなるので、この点も踏まえ
て濃度調整を行うことになる。
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。本例では、第5半導体領域16は
n+ 型領域としつつ、p型の第3半導体領域4のウェル
端側を内側領域4aの濃度よりも高い高濃度領域4bと
して形成されている。IGBT状態時の正孔引き抜き電
流経路の寄生抵抗値を下げることができるので、ラッチ
アップ耐量を大きくできる。本例もまた、ウェル端側の
高濃度領域4bの濃度がp+ 型程度になると、第1のM
OSFETの閾値電圧が高くなるので、この点も踏まえ
て濃度調整を行うことになる。
【0068】〔実施例8〕図11は本発明の実施例8に
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。この実施例ではpチャネル型の第
2のMOSFET23をディプレッション型構造にした
点を特徴としている。第2のMOSFET23の2重拡
散型MOSFETのバックゲートを構成するn型の第4
半導体領域15の表面側チャネル部にはp型不純物がド
ープされた低濃度の表層p型領域30がゲート電圧無印
加状態で形成されている。
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。この実施例ではpチャネル型の第
2のMOSFET23をディプレッション型構造にした
点を特徴としている。第2のMOSFET23の2重拡
散型MOSFETのバックゲートを構成するn型の第4
半導体領域15の表面側チャネル部にはp型不純物がド
ープされた低濃度の表層p型領域30がゲート電圧無印
加状態で形成されている。
【0069】ところで、第1〜第7実施例では、エンハ
ンスメント型nチャネルの第1のMOSFET12はゲ
ート電圧0Vでオフ状態となり、ゲート電圧10〜15
Vでオン状態になる。他方、エンハンスメント型pチャ
ネルの第2のMOSFET23はゲート電圧−10Vで
オン状態となり、ゲート電圧0Vでオフ状態となる。
ンスメント型nチャネルの第1のMOSFET12はゲ
ート電圧0Vでオフ状態となり、ゲート電圧10〜15
Vでオン状態になる。他方、エンハンスメント型pチャ
ネルの第2のMOSFET23はゲート電圧−10Vで
オン状態となり、ゲート電圧0Vでオフ状態となる。
【0070】このため、ゲート駆動回路としては正電源
(+10〜15V)の外に、負電源(−10V)を必要
としている。このゲート回路系の構成を簡略化するため
に、本例では、前述したように、表層p型領域30を形
成して第2のMOSFET23をディプレッション型に
してある。このため、第2のMOSFET23はゲート
電圧0Vでオン状態となり、ゲート電圧10〜15Vで
低濃度の表層p型領域30に空乏層が拡大しオフ状態と
なり、ゲート電圧に関して第1のMOSFET12とは
排他的(対称的)に開閉する。従って、本半導体装置の
制御系は単一電源で動作させることが可能となる。勿
論、第1のMOSFET12の方をディプレッション型
にしても良い。
(+10〜15V)の外に、負電源(−10V)を必要
としている。このゲート回路系の構成を簡略化するため
に、本例では、前述したように、表層p型領域30を形
成して第2のMOSFET23をディプレッション型に
してある。このため、第2のMOSFET23はゲート
電圧0Vでオン状態となり、ゲート電圧10〜15Vで
低濃度の表層p型領域30に空乏層が拡大しオフ状態と
なり、ゲート電圧に関して第1のMOSFET12とは
排他的(対称的)に開閉する。従って、本半導体装置の
制御系は単一電源で動作させることが可能となる。勿
論、第1のMOSFET12の方をディプレッション型
にしても良い。
【0071】〔実施例9〕図12は本発明の実施例9に
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。本例では、第6半導体領域17及
び第4半導体領域15の中央に堀られたトレンチ溝にゲ
ート絶縁膜121aを介して多結晶シリコンの第2のゲ
ート電極121が埋め込まれており、トレンチゲート型
の第2のMOSFET123を構成している。IGBT
状態時には第2のカソード電極18bに向かう正孔引き
抜き経路にゲート電極21直下の横型チャネルに加えて
トレンチゲート型MOSFET123のゲート電極12
1の両側面の縦型チャネルが並列的に増えるので、全体
としてチャネル幅が増大し、正孔引き抜き力が強くな
り、ターンオフ時間を速くすることができる。また、正
孔引き抜き電流が第5半導体領域16の直下で分散化す
るため、寄生抵抗による電圧降下も抑制でき、ラッチア
ップ耐量を大きくできる。
係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の構造
を示す断面図である。本例では、第6半導体領域17及
び第4半導体領域15の中央に堀られたトレンチ溝にゲ
ート絶縁膜121aを介して多結晶シリコンの第2のゲ
ート電極121が埋め込まれており、トレンチゲート型
の第2のMOSFET123を構成している。IGBT
状態時には第2のカソード電極18bに向かう正孔引き
抜き経路にゲート電極21直下の横型チャネルに加えて
トレンチゲート型MOSFET123のゲート電極12
1の両側面の縦型チャネルが並列的に増えるので、全体
としてチャネル幅が増大し、正孔引き抜き力が強くな
り、ターンオフ時間を速くすることができる。また、正
孔引き抜き電流が第5半導体領域16の直下で分散化す
るため、寄生抵抗による電圧降下も抑制でき、ラッチア
ップ耐量を大きくできる。
【0072】〔実施例10〕図13は本発明の実施例1
0に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例では、正孔引き抜き用M
OSFETとしてトレンチ型の第2のMOSFET12
3のみが形成されている。また、電子注入用MOSFE
Tとしてトレンチゲート型の第1のMOSFET112
が形成されている。トレンチ型MOSFET112は、
第5半導体領域16の中央(第3半導体領域4のウェル
端)に堀られたトレンチ溝にゲート絶縁膜110aを介
して多結晶シリコンの第1のゲート電極110が埋め込
まれて成る。図12に示す第1のMOSFET112は
垂直DMOS(VDOS)構造であるため、ゲート電極
10直下の横型チャネルから縦方向に方向を変えて電子
が流れるので、ドレイン・ドリフト部のピンチ抵抗を低
減する目的ではゲート電極10のゲート長を20〜30
μm程度に広くし、ドレイン・ドリフト部の抵抗断面積
を広くしておく必要がある。しかし、本例のようにトレ
ンチゲート型MOSFET112を採用すると、ゲート
電極110の側壁に沿ってはじめから縦方向に電子電流
が流れるので、ゲート電極110の微細化が可能であ
り、例えばゲート長は2〜3μm程度で済む。また、オ
ン抵抗が低くなるので、スイッチング損失を低減でき
る。
0に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例では、正孔引き抜き用M
OSFETとしてトレンチ型の第2のMOSFET12
3のみが形成されている。また、電子注入用MOSFE
Tとしてトレンチゲート型の第1のMOSFET112
が形成されている。トレンチ型MOSFET112は、
第5半導体領域16の中央(第3半導体領域4のウェル
端)に堀られたトレンチ溝にゲート絶縁膜110aを介
して多結晶シリコンの第1のゲート電極110が埋め込
まれて成る。図12に示す第1のMOSFET112は
垂直DMOS(VDOS)構造であるため、ゲート電極
10直下の横型チャネルから縦方向に方向を変えて電子
が流れるので、ドレイン・ドリフト部のピンチ抵抗を低
減する目的ではゲート電極10のゲート長を20〜30
μm程度に広くし、ドレイン・ドリフト部の抵抗断面積
を広くしておく必要がある。しかし、本例のようにトレ
ンチゲート型MOSFET112を採用すると、ゲート
電極110の側壁に沿ってはじめから縦方向に電子電流
が流れるので、ゲート電極110の微細化が可能であ
り、例えばゲート長は2〜3μm程度で済む。また、オ
ン抵抗が低くなるので、スイッチング損失を低減でき
る。
【0073】〔実施例11〕図14は本発明の実施例1
1に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例の構造は、実施例10
(図13参照)の構造においてn型の第4半導体領域1
5がn+ 型の第5半導体領域16にまで重なり接続して
いる。このため、サイリスタ状態時にはn+ 型の第5半
導体領域16は勿論のこと、n型の第4半導体領域15
もカソード領域として機能し、カソード電流容量の増大
を図ることができる。
1に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例の構造は、実施例10
(図13参照)の構造においてn型の第4半導体領域1
5がn+ 型の第5半導体領域16にまで重なり接続して
いる。このため、サイリスタ状態時にはn+ 型の第5半
導体領域16は勿論のこと、n型の第4半導体領域15
もカソード領域として機能し、カソード電流容量の増大
を図ることができる。
【0074】〔実施例12〕図15は本発明の実施例1
2に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例では、第2のMOSFE
T123としてトレンチゲート型MOSFETを用いて
あり、一対のゲート電極121,121が対向配置され
ている。一対のゲート電極121,121に挟まれたp
型の第3半導体領域4の表面側にはn型の第4半導体領
域15が形成され、また第4半導体領域15の表面側に
はp+ 型(又はp+ 型)の第6半導体領域17が形成さ
れている。本例においては、一対のゲート電極121,
121の距離は短縮可能であるので、第5半導体領域1
6の平面的占有比率を拡大でき、カソード電流容量の増
大を図ることができる。
2に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例では、第2のMOSFE
T123としてトレンチゲート型MOSFETを用いて
あり、一対のゲート電極121,121が対向配置され
ている。一対のゲート電極121,121に挟まれたp
型の第3半導体領域4の表面側にはn型の第4半導体領
域15が形成され、また第4半導体領域15の表面側に
はp+ 型(又はp+ 型)の第6半導体領域17が形成さ
れている。本例においては、一対のゲート電極121,
121の距離は短縮可能であるので、第5半導体領域1
6の平面的占有比率を拡大でき、カソード電流容量の増
大を図ることができる。
【0075】〔実施例13〕図16は本発明の実施例1
3に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例は図15に示す実施例1
2において第4半導体領域15′をp--型領域としてエ
ピタキシャル成長させたものである。また第4半導体領
域15′の表面側にはp+ 型(又はp+ 型)の第6半導
体領域17が形成されている。ゲート電極121に零電
圧が印加した状態ではトレンチゲート型MOSFET1
23はオン状態であるが、ゲート電極121に零電圧よ
りも高い電圧を印加すると、p--型の第4半導体領域1
5′が空乏化してトレンチゲート型MOSFET123
はオフ状態になる。即ち、正孔引き抜き用のトレンチゲ
ート型MOSFET123はディプレッション型となっ
ている。従って、本半導体装置の制御系は単一電源で動
作させることが可能となる。勿論、第1のMOSFET
112の方をディプレッション型にしても良い。
3に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例は図15に示す実施例1
2において第4半導体領域15′をp--型領域としてエ
ピタキシャル成長させたものである。また第4半導体領
域15′の表面側にはp+ 型(又はp+ 型)の第6半導
体領域17が形成されている。ゲート電極121に零電
圧が印加した状態ではトレンチゲート型MOSFET1
23はオン状態であるが、ゲート電極121に零電圧よ
りも高い電圧を印加すると、p--型の第4半導体領域1
5′が空乏化してトレンチゲート型MOSFET123
はオフ状態になる。即ち、正孔引き抜き用のトレンチゲ
ート型MOSFET123はディプレッション型となっ
ている。従って、本半導体装置の制御系は単一電源で動
作させることが可能となる。勿論、第1のMOSFET
112の方をディプレッション型にしても良い。
【0076】〔実施例14〕図17(a)は本発明の実
施例14に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体
装置のセルパターンを示す模式図である。ダブルゲート
を備えた半導体装置のセルは、第2半導体領域3内に第
3半導体領域4をストライプ状のウェルとして形成した
ものである。ストライプ状のウェルの第3半導体領域4
内には、前述したように、ウェルの幅方向の両端側に第
5半導体領域16がストライプ状のウェルとして形成さ
れていると共に、ストライプ状のウェルの第3半導体領
域4内の中央部には第4半導体領域15及び第6半導体
領域17が2重拡散型のストライプ状のウェルとして形
成されている。そして、第3半導体領域4の長手方向の
端部の表面にはこれに導電接触する短絡電極18cが形
成されている。このカソード電極18cは第5半導体領
域16及び第6半導体領域17に導電接触するカソード
電極18a,18b(図1を参照のこと)と第1層目電
極配線として導通している。短絡電極18cからカソー
ド端子Kまでの間に比較的小さな配線抵抗が存在し、本
例の半導体装置は図17(b)に示す等価回路となって
いる。図17(b)の等価回路は、図2に示す等価回路
に対して第2半導体領域3,第3半導体領域4及び第5
半導体領域16からなるトランジスタQnpn のベース・
エミッタ間に短絡抵抗R0 が挿入された状態に相当して
いる。
施例14に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体
装置のセルパターンを示す模式図である。ダブルゲート
を備えた半導体装置のセルは、第2半導体領域3内に第
3半導体領域4をストライプ状のウェルとして形成した
ものである。ストライプ状のウェルの第3半導体領域4
内には、前述したように、ウェルの幅方向の両端側に第
5半導体領域16がストライプ状のウェルとして形成さ
れていると共に、ストライプ状のウェルの第3半導体領
域4内の中央部には第4半導体領域15及び第6半導体
領域17が2重拡散型のストライプ状のウェルとして形
成されている。そして、第3半導体領域4の長手方向の
端部の表面にはこれに導電接触する短絡電極18cが形
成されている。このカソード電極18cは第5半導体領
域16及び第6半導体領域17に導電接触するカソード
電極18a,18b(図1を参照のこと)と第1層目電
極配線として導通している。短絡電極18cからカソー
ド端子Kまでの間に比較的小さな配線抵抗が存在し、本
例の半導体装置は図17(b)に示す等価回路となって
いる。図17(b)の等価回路は、図2に示す等価回路
に対して第2半導体領域3,第3半導体領域4及び第5
半導体領域16からなるトランジスタQnpn のベース・
エミッタ間に短絡抵抗R0 が挿入された状態に相当して
いる。
【0077】ところで、同一セル内のウェルの第3半導
体領域4内のコーナー部では電界集中が起こるため、第
2のMOSFET23をオン状態にして正孔を引き抜い
ても、トランジスタQnpn がオン状態のままとなり、ラ
ッチアップし易い。コーナー部でラッチアップし易いた
め、この部分で可制御電流容量の律速を招く。そこで、
本例では第2のMOSFET23と共に、第3半導体領
域4内のコーナー部(端部)から直接的に正孔を引き抜
くための短絡抵抗R0 を設けたものである。反面、第1
のMOSFET12がオン状態で第2のMOSFET2
3がオフ状態であるサイリスタ動作モードにおいても、
第3半導体領域4内のコーナー部からこの短絡抵抗R0
を介して正孔が漏れ出てしまい、サイリスタ動作の支障
となるおそれがある。そこで、第1のMOSFET12
がオン状態で第2のMOSFET23がオフ状態にある
とき、正孔密度の豊富化を図るため、本例においては、
第3半導体領域4をストライプ状(長手状)にしてコー
ナー部の占める面積割合を縮小化するようにし、長手方
向の端部のコーナー部C1,C2 に亘る幅方向に短絡電極
18cを形成してある。図17(a)はストライプ状の
第3半導体領域4を片側半分だけを示してあるが、他方
の端部にも同様の短絡電極18cが形成されている。サ
イリスタ状態では第3半導体領域4の幅方向の端の部分
が長い方が電流容量を確保できる。短絡電極18cの形
成された端部の正孔の漏れは相対的に問題とならない。
IGBT状態ではストライプ状の長手方向の端でコーナ
ー部C1,C2 の正孔が短絡電極18cを介して直接引き
抜かれるので、トランジスタQnpn のベース電流が僅少
化してラッチアップを防止することができる。この結
果、可制御電流容量の増大化を図ることができる。
体領域4内のコーナー部では電界集中が起こるため、第
2のMOSFET23をオン状態にして正孔を引き抜い
ても、トランジスタQnpn がオン状態のままとなり、ラ
ッチアップし易い。コーナー部でラッチアップし易いた
め、この部分で可制御電流容量の律速を招く。そこで、
本例では第2のMOSFET23と共に、第3半導体領
域4内のコーナー部(端部)から直接的に正孔を引き抜
くための短絡抵抗R0 を設けたものである。反面、第1
のMOSFET12がオン状態で第2のMOSFET2
3がオフ状態であるサイリスタ動作モードにおいても、
第3半導体領域4内のコーナー部からこの短絡抵抗R0
を介して正孔が漏れ出てしまい、サイリスタ動作の支障
となるおそれがある。そこで、第1のMOSFET12
がオン状態で第2のMOSFET23がオフ状態にある
とき、正孔密度の豊富化を図るため、本例においては、
第3半導体領域4をストライプ状(長手状)にしてコー
ナー部の占める面積割合を縮小化するようにし、長手方
向の端部のコーナー部C1,C2 に亘る幅方向に短絡電極
18cを形成してある。図17(a)はストライプ状の
第3半導体領域4を片側半分だけを示してあるが、他方
の端部にも同様の短絡電極18cが形成されている。サ
イリスタ状態では第3半導体領域4の幅方向の端の部分
が長い方が電流容量を確保できる。短絡電極18cの形
成された端部の正孔の漏れは相対的に問題とならない。
IGBT状態ではストライプ状の長手方向の端でコーナ
ー部C1,C2 の正孔が短絡電極18cを介して直接引き
抜かれるので、トランジスタQnpn のベース電流が僅少
化してラッチアップを防止することができる。この結
果、可制御電流容量の増大化を図ることができる。
【0078】また、短絡抵抗R0 がない場合、第1のM
OSFET12及び第2のMOSFET23をオフ状態
にしたまま、アノード・カソード間電圧を印加すると、
阻止電圧を越えたときはpnpn構造のサイリスタがラ
ッチアップし易い。従って、第2のMOSFET23を
オン状態にしてからアノード・カソード間電圧を上昇す
るようにしている。しかし、本例では、短絡抵抗R0 が
あるので、第1のMOSFET12及び第2のMOSF
ET23をオフ状態にしたまま、アノード・カソード間
電圧を印加しても、短絡抵抗R0 を介して短絡電極18
cに電流が漏れるので、トランジスタQnpn がオンし難
く、ラッチアップを防止できるようになっている。
OSFET12及び第2のMOSFET23をオフ状態
にしたまま、アノード・カソード間電圧を印加すると、
阻止電圧を越えたときはpnpn構造のサイリスタがラ
ッチアップし易い。従って、第2のMOSFET23を
オン状態にしてからアノード・カソード間電圧を上昇す
るようにしている。しかし、本例では、短絡抵抗R0 が
あるので、第1のMOSFET12及び第2のMOSF
ET23をオフ状態にしたまま、アノード・カソード間
電圧を印加しても、短絡抵抗R0 を介して短絡電極18
cに電流が漏れるので、トランジスタQnpn がオンし難
く、ラッチアップを防止できるようになっている。
【0079】〔実施例15〕図18は本発明の実施例1
5に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例ではIGBT動作時に第
3半導体領域4内から正孔を引き抜くための第2のMO
SFET23(MOS部)を第3半導体領域4のウェル
の中央部に多数設けた構造となっている。即ち、第3半
導体領域4のウェルの両端に形成された第5半導体領域
16,16間には孤立した3つの第4半導体領域15,
15,15が形成されており、これらには第6半導体領
域17,17,17が形成されている。そしてゲート絶
縁膜を介して4つの第2のゲート電極21が設けられて
いる。第1のMOSFET12がオン状態で、第2のM
OSFET23がオフ状態のときは、前述したように、
第3半導体領域4のウェルの両端の第5半導体領域1
6,16直下部分でサイリスタ動作が始まりウェル中央
部に広がっていくので、セルにおける第1のゲート電極
10,10の面積割合が低くても、充分なサイリスタ動
作となる。そこで、本例では中央部に多数の分散的な第
2のMOSFET23を設けて正孔の引き抜きを分散的
に行い、ラッチアップを有効的に防止することで、可制
御電流を増大させるようにしている。
5に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例ではIGBT動作時に第
3半導体領域4内から正孔を引き抜くための第2のMO
SFET23(MOS部)を第3半導体領域4のウェル
の中央部に多数設けた構造となっている。即ち、第3半
導体領域4のウェルの両端に形成された第5半導体領域
16,16間には孤立した3つの第4半導体領域15,
15,15が形成されており、これらには第6半導体領
域17,17,17が形成されている。そしてゲート絶
縁膜を介して4つの第2のゲート電極21が設けられて
いる。第1のMOSFET12がオン状態で、第2のM
OSFET23がオフ状態のときは、前述したように、
第3半導体領域4のウェルの両端の第5半導体領域1
6,16直下部分でサイリスタ動作が始まりウェル中央
部に広がっていくので、セルにおける第1のゲート電極
10,10の面積割合が低くても、充分なサイリスタ動
作となる。そこで、本例では中央部に多数の分散的な第
2のMOSFET23を設けて正孔の引き抜きを分散的
に行い、ラッチアップを有効的に防止することで、可制
御電流を増大させるようにしている。
【0080】〔実施例16〕図19は本発明の実施例1
6に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例ではIGBT動作時に第
3半導体領域4内から正孔を引き抜くために、実施例1
5と同様に、第2のMOSFET23(MOS部)が第
3半導体領域4のウェルの中央部に多数設けた構造とな
っている。ウェルの中央部には第4半導体領域15で覆
わないp+ 型のコンタクト領域32が形成されている。
このp+ 型のコンタクト領域32には短絡電極18cが
導電接触している。このため、IGBT動作時には短絡
電極18cを介して正孔を直に引き抜くことができる。
6に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例ではIGBT動作時に第
3半導体領域4内から正孔を引き抜くために、実施例1
5と同様に、第2のMOSFET23(MOS部)が第
3半導体領域4のウェルの中央部に多数設けた構造とな
っている。ウェルの中央部には第4半導体領域15で覆
わないp+ 型のコンタクト領域32が形成されている。
このp+ 型のコンタクト領域32には短絡電極18cが
導電接触している。このため、IGBT動作時には短絡
電極18cを介して正孔を直に引き抜くことができる。
【0081】〔実施例17〕図20は本発明の実施例1
7に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す概略斜視図である。本例では、中央部のスト
ライプ状の第2のゲート電極21,21には挟まれた部
分にもストライプ状のn+ 型の第8半導体領域36が形
成されており、第3半導体領域3のウェル端側の第5半
導体領域16と中央部の第8半導体領域36とはn+ 型
の狭窄状の連結拡散層16Mを介して接続されている。
そして、中央部の第8半導体領域36にカソード電極1
8dが導電接触している。ウェル端側の第5半導体領域
16から連結拡散層16M及び中央部の第8半導体領域
36を介してカソード電極18dに到る電流経路には拡
散抵抗RM が寄生している。このため、本装置の等価回
路においては図21に示すように、トランジスタQnpn
のエミッタEとカソード電極18dとの間に拡散抵抗R
M が介在した状態となっている。IGBT状態時に第1
のMOSFET12に電流が流れると、第3半導体領域
4の拡散抵抗RB の電圧降下によってトランジスタQnp
n のベース電圧が高くなるが、また拡散抵抗RM の電圧
降下によってトランジスタQnpn のエミッタ電圧も高く
なるので、ウェル端側の第5半導体領域16とその直下
の第3半導体領域4との順方向電圧が相対的に高くなら
ず、従って、トランジスタQnpn のラッチアップを抑制
することができ、可制御電流容量の増大を図ることがで
きる。勿論、サイリスタ動作時には中央部の第8半導体
領域36の底面を介してカソード電流が流れるので、電
流容量の増大にも寄与している。
7に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す概略斜視図である。本例では、中央部のスト
ライプ状の第2のゲート電極21,21には挟まれた部
分にもストライプ状のn+ 型の第8半導体領域36が形
成されており、第3半導体領域3のウェル端側の第5半
導体領域16と中央部の第8半導体領域36とはn+ 型
の狭窄状の連結拡散層16Mを介して接続されている。
そして、中央部の第8半導体領域36にカソード電極1
8dが導電接触している。ウェル端側の第5半導体領域
16から連結拡散層16M及び中央部の第8半導体領域
36を介してカソード電極18dに到る電流経路には拡
散抵抗RM が寄生している。このため、本装置の等価回
路においては図21に示すように、トランジスタQnpn
のエミッタEとカソード電極18dとの間に拡散抵抗R
M が介在した状態となっている。IGBT状態時に第1
のMOSFET12に電流が流れると、第3半導体領域
4の拡散抵抗RB の電圧降下によってトランジスタQnp
n のベース電圧が高くなるが、また拡散抵抗RM の電圧
降下によってトランジスタQnpn のエミッタ電圧も高く
なるので、ウェル端側の第5半導体領域16とその直下
の第3半導体領域4との順方向電圧が相対的に高くなら
ず、従って、トランジスタQnpn のラッチアップを抑制
することができ、可制御電流容量の増大を図ることがで
きる。勿論、サイリスタ動作時には中央部の第8半導体
領域36の底面を介してカソード電流が流れるので、電
流容量の増大にも寄与している。
【0082】〔実施例18〕図22は本発明の実施例1
8に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す模式図である。本例においては、中央部のス
トライプ状の第2のゲート電極21,21には挟まれた
部分にストライプ状のn+ 型の第8半導体領域36が形
成されており、第1のゲート電極10と第2のゲート電
極21とに挟まれた部分に第4半導体領域15及び第6
半導体領域17の2重拡散構造が形成されている。そし
て、電子注入用の第1のMOSFET12を構成するM
OS部12aは中央部の第8半導体領域36から第1の
ゲート電極10直下に潜り込んだn+ 型の張出領域16
Nの先端部である。実施例17(図20参照)と同様
に、張出領域16Nには拡散抵抗RN が存在するため、
IGBT状態時にトランジスタQnpn がラッチアップし
難い。また、正孔引き抜き電流は矢印の如く第2のゲー
ト電極21直下の外側を介して流れるので、経路長を短
縮できる。それ故、第3半導体領域4の拡散抵抗RB の
値を低減できるから、実施例17の場合より可制御電流
容量の増大を図ることができる。
8に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す模式図である。本例においては、中央部のス
トライプ状の第2のゲート電極21,21には挟まれた
部分にストライプ状のn+ 型の第8半導体領域36が形
成されており、第1のゲート電極10と第2のゲート電
極21とに挟まれた部分に第4半導体領域15及び第6
半導体領域17の2重拡散構造が形成されている。そし
て、電子注入用の第1のMOSFET12を構成するM
OS部12aは中央部の第8半導体領域36から第1の
ゲート電極10直下に潜り込んだn+ 型の張出領域16
Nの先端部である。実施例17(図20参照)と同様
に、張出領域16Nには拡散抵抗RN が存在するため、
IGBT状態時にトランジスタQnpn がラッチアップし
難い。また、正孔引き抜き電流は矢印の如く第2のゲー
ト電極21直下の外側を介して流れるので、経路長を短
縮できる。それ故、第3半導体領域4の拡散抵抗RB の
値を低減できるから、実施例17の場合より可制御電流
容量の増大を図ることができる。
【0083】〔実施例19〕図23(a)は本発明の実
施例19に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体
装置の構造を示す概略斜視図である。本例においては、
第1のゲート電極10と第2のゲート電極21とで挟ま
れた部分のn+ 型の第5半導体領域16はp型の第3半
導体領域4の分離層4cで分離されている。この分離層
4cの上にはゲート酸化膜9を介して第1のゲート電極
10の張出ゲート電極部10aが跨がっている。p型の
分離層4cで分離された一方の第8半導体領域36には
カソード電極18aが導電接触している。このカソード
電極18aが導電接触する第8半導体領域36はp+ 型
の第3半導体領域4d上に形成されている。従って、図
23(b)に示す如く、A−A′線に沿うゲート電極1
0直下はp+ 型の第3半導体領域4dで高濃度であるた
め、ゲート電極10に高電圧を印加してもチャネル反転
層は形成されない。しかし、図23(c)に示す如く、
B−B′線に沿うゲート電極10の張出ゲート電極部1
0aの直下はp型の分離層4cであるため、ゲート電極
10に高電圧を印加すると、張出ゲート電極部10a下
にチャネル反転層が形成される。張出電極部10aは経
路スイッチング用MOS部を構成している。ターンオフ
時に第1のゲート電極10に印加する電圧を下げると、
張出ゲート電極部10a直下のチャネル反転層が消失す
るため、領域3,領域4及びカソード電極18aの接触
した領域16から構成されるnpn型トランジスタQnp
n が分離されるので、ラッチアップを無くすことができ
る。なお、領域3,p+ 型の領域4d及びカソード電極
18aの接触した第8半導体領域36から構成されるn
pn型トランジスタQnpn は電流増幅率hFEが低いので
過電流でも動作しない。特に、本例の張出ゲート電極部
10aはゲート電極10の一部を用いているので、製造
工数の削減及び微細化が可能となる。
施例19に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体
装置の構造を示す概略斜視図である。本例においては、
第1のゲート電極10と第2のゲート電極21とで挟ま
れた部分のn+ 型の第5半導体領域16はp型の第3半
導体領域4の分離層4cで分離されている。この分離層
4cの上にはゲート酸化膜9を介して第1のゲート電極
10の張出ゲート電極部10aが跨がっている。p型の
分離層4cで分離された一方の第8半導体領域36には
カソード電極18aが導電接触している。このカソード
電極18aが導電接触する第8半導体領域36はp+ 型
の第3半導体領域4d上に形成されている。従って、図
23(b)に示す如く、A−A′線に沿うゲート電極1
0直下はp+ 型の第3半導体領域4dで高濃度であるた
め、ゲート電極10に高電圧を印加してもチャネル反転
層は形成されない。しかし、図23(c)に示す如く、
B−B′線に沿うゲート電極10の張出ゲート電極部1
0aの直下はp型の分離層4cであるため、ゲート電極
10に高電圧を印加すると、張出ゲート電極部10a下
にチャネル反転層が形成される。張出電極部10aは経
路スイッチング用MOS部を構成している。ターンオフ
時に第1のゲート電極10に印加する電圧を下げると、
張出ゲート電極部10a直下のチャネル反転層が消失す
るため、領域3,領域4及びカソード電極18aの接触
した領域16から構成されるnpn型トランジスタQnp
n が分離されるので、ラッチアップを無くすことができ
る。なお、領域3,p+ 型の領域4d及びカソード電極
18aの接触した第8半導体領域36から構成されるn
pn型トランジスタQnpn は電流増幅率hFEが低いので
過電流でも動作しない。特に、本例の張出ゲート電極部
10aはゲート電極10の一部を用いているので、製造
工数の削減及び微細化が可能となる。
【0084】〔実施例20〕ところで、実施例1に係る
ダブルゲートを備えた半導体装置のチップレイアウト
は、図24に示すように、半導体チップ50の一長辺の
縁中央に形成された第1のMOSFET12用の第1の
ゲートパッド51と、対向長辺の縁中央に形成された第
2のMOSFET23用の第2のゲートパッド52と、
第1のゲートパッド51から延び出て長辺から短辺に沿
って形成された金属(アルミニウム)配線第1層目のゲ
ート配線(ゲートランナー)51a,51bと、第2の
ゲートパッド52から延び出て第1のゲートパッド51
の直近に到る金属(アルミニウム)配線第1層目のゲー
ト配線(ゲートランナー)52aと、ゲート配線51
a,51bから長辺方向に櫛歯状に延び出た多結晶シリ
コンの複数のストライプ状第1のゲート電極10と、ゲ
ート配線52aから長辺方向に櫛歯状に延び出た多結晶
シリコンの複数のストライプ状の第2のゲート電極21
とを有しており、2本の第1のゲート電極10,10と
その間に挟まれた2本の第2のゲート電極21,21と
でストライプ状セルC1 〜Cn が構成されている。
ダブルゲートを備えた半導体装置のチップレイアウト
は、図24に示すように、半導体チップ50の一長辺の
縁中央に形成された第1のMOSFET12用の第1の
ゲートパッド51と、対向長辺の縁中央に形成された第
2のMOSFET23用の第2のゲートパッド52と、
第1のゲートパッド51から延び出て長辺から短辺に沿
って形成された金属(アルミニウム)配線第1層目のゲ
ート配線(ゲートランナー)51a,51bと、第2の
ゲートパッド52から延び出て第1のゲートパッド51
の直近に到る金属(アルミニウム)配線第1層目のゲー
ト配線(ゲートランナー)52aと、ゲート配線51
a,51bから長辺方向に櫛歯状に延び出た多結晶シリ
コンの複数のストライプ状第1のゲート電極10と、ゲ
ート配線52aから長辺方向に櫛歯状に延び出た多結晶
シリコンの複数のストライプ状の第2のゲート電極21
とを有しており、2本の第1のゲート電極10,10と
その間に挟まれた2本の第2のゲート電極21,21と
でストライプ状セルC1 〜Cn が構成されている。
【0085】半導体装置のIGBT動作モードにおいて
は、図3(b)に示す如く、第2半導体領域3から第3
半導体領域4のウェル端の第1のMOSFET12のチ
ャネルを介して第5半導体領域16に電子注入用の電子
電流(実線)が流れていると共に、この電子電流に沿っ
て正孔電流(破線)は第2半導体領域3から第3半導体
領域4のウェル端を介して第5半導体領域16の直下を
通過し、第2のMOSFET23のチャネルを介して第
6半導体領域17へ流れているが、ターンオフ時に第1
のMOSFET12をオフさせるべく第1のゲートパッ
ド51に低レベルのゲート信号を印加すると、ゲートパ
ッド51の近くにあるセルC1 は即刻オフ状態に切り換
わるものの、伝播遅延(配線抵抗と配線間の容量)によ
り、ゲートパッド51から遠いセルCn へは低レベルの
ゲート信号の到達が遅れる。従って、ターンオフ時で
は、先にオフした近距離のセルの電流が未だオフしてい
ない遠距離のセルに順次累積的に波及するので、ゲート
ッパッド51から最も遠いセルCn の先端側MOS部に
過大電流が流れて破壊され易い。特に、インダクタンス
負荷の場合にはその傾向が強い。このため、ターンオフ
時間の短縮化と可制御電流容量の増大は二律背反の関係
にある。
は、図3(b)に示す如く、第2半導体領域3から第3
半導体領域4のウェル端の第1のMOSFET12のチ
ャネルを介して第5半導体領域16に電子注入用の電子
電流(実線)が流れていると共に、この電子電流に沿っ
て正孔電流(破線)は第2半導体領域3から第3半導体
領域4のウェル端を介して第5半導体領域16の直下を
通過し、第2のMOSFET23のチャネルを介して第
6半導体領域17へ流れているが、ターンオフ時に第1
のMOSFET12をオフさせるべく第1のゲートパッ
ド51に低レベルのゲート信号を印加すると、ゲートパ
ッド51の近くにあるセルC1 は即刻オフ状態に切り換
わるものの、伝播遅延(配線抵抗と配線間の容量)によ
り、ゲートパッド51から遠いセルCn へは低レベルの
ゲート信号の到達が遅れる。従って、ターンオフ時で
は、先にオフした近距離のセルの電流が未だオフしてい
ない遠距離のセルに順次累積的に波及するので、ゲート
ッパッド51から最も遠いセルCn の先端側MOS部に
過大電流が流れて破壊され易い。特に、インダクタンス
負荷の場合にはその傾向が強い。このため、ターンオフ
時間の短縮化と可制御電流容量の増大は二律背反の関係
にある。
【0086】図25は実施例20に係るダブルゲートを
備えたサイリスタ半導体装置のチップレイアウト図であ
る。本例のチップレイアウトは、半導体チップ60の一
長辺の縁中央に形成された第1のMOSFET12用の
第1のゲートパッド61と、対向長辺の縁中央に形成さ
れた第2のMOSFET23用の第2のゲートパッド6
2と、第1のゲートパッド61から延び出て長辺から短
辺に沿って形成された金属(アルミニウム)配線第1層
目のゲート配線(ゲートランナー)61a,61bと、
第2のゲートパッド62から延び出て第1のゲートパッ
ド61の直近に到る金属(アルミニウム)配線第1層目
のゲート配線(ゲートランナー)62aと、ゲート配線
61a,61bから長辺方向に櫛歯状に延び出た多結晶
シリコンの複数のストライプ状第1のゲート電極10
と、ゲート配線62aから長辺方向に櫛歯状に延び出た
多結晶シリコンの複数のストライプ状の第2のゲート電
極21とを有している。2本の第1のゲート電極10,
10とその間に挟まれた2本の第2のゲート電極21,
21とでストライプ状セルC1 〜Cn が構成されてい
る。そして、本例においては、図26に示す如く、スト
ライプ状のゲート電極10,21を横断して各ゲート電
極10に導電接続する金属(アルミニウム)配線第1層
目のゲート配線(ゲートランナー)65が格子状に形成
されている。このため、ゲートッパッド51から最も遠
いセルCn まででも複数のゲート配線65によって配線
抵抗の低減が実現されているので、ゲート信号の伝播遅
延が減少し、ターンオフ時におけるセルC1 〜Cn の電
流分布の偏りを緩和でき、最遠セルCn での電流集中が
抑制される。このため、ターンオフの高速化は勿論のこ
と、最遠セルCn での破壊が起こり難くなるので可制御
電流容量の増大を図ることができる。
備えたサイリスタ半導体装置のチップレイアウト図であ
る。本例のチップレイアウトは、半導体チップ60の一
長辺の縁中央に形成された第1のMOSFET12用の
第1のゲートパッド61と、対向長辺の縁中央に形成さ
れた第2のMOSFET23用の第2のゲートパッド6
2と、第1のゲートパッド61から延び出て長辺から短
辺に沿って形成された金属(アルミニウム)配線第1層
目のゲート配線(ゲートランナー)61a,61bと、
第2のゲートパッド62から延び出て第1のゲートパッ
ド61の直近に到る金属(アルミニウム)配線第1層目
のゲート配線(ゲートランナー)62aと、ゲート配線
61a,61bから長辺方向に櫛歯状に延び出た多結晶
シリコンの複数のストライプ状第1のゲート電極10
と、ゲート配線62aから長辺方向に櫛歯状に延び出た
多結晶シリコンの複数のストライプ状の第2のゲート電
極21とを有している。2本の第1のゲート電極10,
10とその間に挟まれた2本の第2のゲート電極21,
21とでストライプ状セルC1 〜Cn が構成されてい
る。そして、本例においては、図26に示す如く、スト
ライプ状のゲート電極10,21を横断して各ゲート電
極10に導電接続する金属(アルミニウム)配線第1層
目のゲート配線(ゲートランナー)65が格子状に形成
されている。このため、ゲートッパッド51から最も遠
いセルCn まででも複数のゲート配線65によって配線
抵抗の低減が実現されているので、ゲート信号の伝播遅
延が減少し、ターンオフ時におけるセルC1 〜Cn の電
流分布の偏りを緩和でき、最遠セルCn での電流集中が
抑制される。このため、ターンオフの高速化は勿論のこ
と、最遠セルCn での破壊が起こり難くなるので可制御
電流容量の増大を図ることができる。
【0087】〔実施例21〕図27(a)は実施例21
に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置のチ
ップレイアウト図である。本例のチップレイアウトは、
チップ平面の格子点に形成された多結晶シリコンの矩形
の第1のゲート電極10と、各第1のゲート電極10に
コンタクト孔Hを介して導通する金属(アルミニウム)
配線第1層目の格子ゲート配線110と、相隣接する第
1のゲート電極10,10の間に走る多結晶シリコンの
縦横2本の第2のゲート電極21とを有している。従っ
て、格子ゲート配線110によって分割された1セルは
第2のゲート電極21によって9分割されている。そし
て、9区分のうち中央区画と対角区画には第5半導体領
域16が作り込まれており、残る区画には第4半導体領
域15及び第6半導体領域17が形成されている。第5
半導体領域16及び第6半導体領域17に導電接続する
カソード電極層18は金属(アルミニウム)配線第2層
目として被覆形成されている。
に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置のチ
ップレイアウト図である。本例のチップレイアウトは、
チップ平面の格子点に形成された多結晶シリコンの矩形
の第1のゲート電極10と、各第1のゲート電極10に
コンタクト孔Hを介して導通する金属(アルミニウム)
配線第1層目の格子ゲート配線110と、相隣接する第
1のゲート電極10,10の間に走る多結晶シリコンの
縦横2本の第2のゲート電極21とを有している。従っ
て、格子ゲート配線110によって分割された1セルは
第2のゲート電極21によって9分割されている。そし
て、9区分のうち中央区画と対角区画には第5半導体領
域16が作り込まれており、残る区画には第4半導体領
域15及び第6半導体領域17が形成されている。第5
半導体領域16及び第6半導体領域17に導電接続する
カソード電極層18は金属(アルミニウム)配線第2層
目として被覆形成されている。
【0088】本例では、第1のゲート電極10が格子点
毎に形成され、これらの格子点が格子ゲート配線110
によって網目状に接続されているため、ゲートパッドか
ら遠いセルでも伝播遅延が抑制される。従って、ターン
オフの高速化と可制御電流容量の増大を図ることができ
る。
毎に形成され、これらの格子点が格子ゲート配線110
によって網目状に接続されているため、ゲートパッドか
ら遠いセルでも伝播遅延が抑制される。従って、ターン
オフの高速化と可制御電流容量の増大を図ることができ
る。
【0089】また本例では、第2のゲート電極21も縦
横格子状に形成されているめ、ゲートパッドから遠いセ
ルでも信号遅延が少なくなり、ターンオンの高速化に寄
与する。
横格子状に形成されているめ、ゲートパッドから遠いセ
ルでも信号遅延が少なくなり、ターンオンの高速化に寄
与する。
【0090】更に、1セル内において第5領域16が中
央区画と対角区画に占有しており、分散的且つ広く形成
されている。従って、サイリスタ動作時には電流容量の
増大を図ることができる。そして、第5領域16に対し
て市松状の配置で第6領域17が形成されているので、
IGBT動作での正孔引き抜きを分散的に行うことがで
き、ラッチアップ耐量の増大に寄与する。
央区画と対角区画に占有しており、分散的且つ広く形成
されている。従って、サイリスタ動作時には電流容量の
増大を図ることができる。そして、第5領域16に対し
て市松状の配置で第6領域17が形成されているので、
IGBT動作での正孔引き抜きを分散的に行うことがで
き、ラッチアップ耐量の増大に寄与する。
【0091】〔実施例22〕図28(a)〜(d)は本
発明の基本的構造の製造方法を示す工程断面図である。
図1に示す如く、p++型の半導体基板に形成したn+ 型
のバッファ層3aを介してn- 型の第2半導体領域3を
エピタキシャル成長により形成した後、図28(a)に
示す如く、その上にゲート酸化膜9を介して離隔した位
置に多結晶シリコンの第1のMOSFET用ゲート電極
10,10とその中間位置に第2のMOSFET用ゲー
ト電極21,21を形成する。この後、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量7×10
13cm-2のボロン(B)のイオン注入を行う。
発明の基本的構造の製造方法を示す工程断面図である。
図1に示す如く、p++型の半導体基板に形成したn+ 型
のバッファ層3aを介してn- 型の第2半導体領域3を
エピタキシャル成長により形成した後、図28(a)に
示す如く、その上にゲート酸化膜9を介して離隔した位
置に多結晶シリコンの第1のMOSFET用ゲート電極
10,10とその中間位置に第2のMOSFET用ゲー
ト電極21,21を形成する。この後、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量7×10
13cm-2のボロン(B)のイオン注入を行う。
【0092】次に、図28(b)に示す如く、外側のゲ
ート電極10と内側のゲート電極21間の開口部をレジ
スト42で被覆した後、ゲート電極10,10,21,
21,レジスト42をマスクとしてゲート電極21,2
1間の開口部を介してドーズ量7×1013cm-2のヒ素
(As)又はアンチモン(Sb)のイオン注入を行う。
ート電極10と内側のゲート電極21間の開口部をレジ
スト42で被覆した後、ゲート電極10,10,21,
21,レジスト42をマスクとしてゲート電極21,2
1間の開口部を介してドーズ量7×1013cm-2のヒ素
(As)又はアンチモン(Sb)のイオン注入を行う。
【0093】そして、レジスト42を除去した後、図2
8(c)に示す如く、1150°C,3時間のドライブイン
により2種不純物を同時熱拡散させて深いp型の第3半
導体領域4のウェルと、その中に浅いn型の第4半導体
領域15のウェルを形成する。同時熱拡散しない場合
は、ボロン(B)を1150°C, 3時間のドライブインに
より熱拡散させ、ヒ素(As),アンチモン(Sb)又
はリン(P)を1100°C,2時間で熱拡散させる。p型
の第3半導体領域4の熱拡散過程では、図29に示す如
く、ゲート電極21を挟む隣接する開口部21a,21
aから拡散したp型の拡散層4s,4s同士が横方向拡
散によってゲート電極21直下で相互連結し、図28
(c)に示すように単一のp型の第3半導体領域4のウ
ェルが形成される。このため、p型の第3半導体領域4
はゲート電極10,10,21,21の形成後におい
て、それらをマスクとしてセルフアライン(自己整合)
で形成できるので、工程数の削減と半導体領域の作り込
み精度を高めることができる。
8(c)に示す如く、1150°C,3時間のドライブイン
により2種不純物を同時熱拡散させて深いp型の第3半
導体領域4のウェルと、その中に浅いn型の第4半導体
領域15のウェルを形成する。同時熱拡散しない場合
は、ボロン(B)を1150°C, 3時間のドライブインに
より熱拡散させ、ヒ素(As),アンチモン(Sb)又
はリン(P)を1100°C,2時間で熱拡散させる。p型
の第3半導体領域4の熱拡散過程では、図29に示す如
く、ゲート電極21を挟む隣接する開口部21a,21
aから拡散したp型の拡散層4s,4s同士が横方向拡
散によってゲート電極21直下で相互連結し、図28
(c)に示すように単一のp型の第3半導体領域4のウ
ェルが形成される。このため、p型の第3半導体領域4
はゲート電極10,10,21,21の形成後におい
て、それらをマスクとしてセルフアライン(自己整合)
で形成できるので、工程数の削減と半導体領域の作り込
み精度を高めることができる。
【0094】ここで、開口部21a,21aから拡散し
たp型の拡散層4s,4s同士がゲート電極21直下で
相互連結するための条件を考察すると、アセプタ不純物
(ボロン)の熱拡散の縦方向(深さ方向)拡散長XJ と
横方向拡散長YJ との間には、一般に次式が成立してい
る。 Yj =(0.7 〜0.8 )Xj …(1) 従って、ゲート電極21のゲート長Lは次式を満たさね
ばならない。 L<2Xj ≒1.6 Xj …(2) 例えば、Xj =3μmの場合、ゲート長Lを4.8 μmよ
り短くすれば、熱拡散工程においてゲート電極21直下
で拡散層4s,4s同士が相互連結し、首尾よく単一の
p型の第3半導体領域4のウェルを形成できる。相互連
結による第3半導体領域4を形成できることは、ゲート
電極10,10,21,21の1工程でも形成を保証
し、工程数の削減に寄与する。
たp型の拡散層4s,4s同士がゲート電極21直下で
相互連結するための条件を考察すると、アセプタ不純物
(ボロン)の熱拡散の縦方向(深さ方向)拡散長XJ と
横方向拡散長YJ との間には、一般に次式が成立してい
る。 Yj =(0.7 〜0.8 )Xj …(1) 従って、ゲート電極21のゲート長Lは次式を満たさね
ばならない。 L<2Xj ≒1.6 Xj …(2) 例えば、Xj =3μmの場合、ゲート長Lを4.8 μmよ
り短くすれば、熱拡散工程においてゲート電極21直下
で拡散層4s,4s同士が相互連結し、首尾よく単一の
p型の第3半導体領域4のウェルを形成できる。相互連
結による第3半導体領域4を形成できることは、ゲート
電極10,10,21,21の1工程でも形成を保証
し、工程数の削減に寄与する。
【0095】そしてまた、本例においては、アクセプタ
不純物はドナー不純物に比して拡散係数が大きくなるよ
うに、不純物としてボロンとヒ素又はアンチモンを用い
ている。このため、1度のドライブイン工程で深いウェ
ルのp型の第3半導体領域4と浅いウェルの第4半導体
領域15が同時に拡散形成でき、工程数の削減に寄与し
ている。
不純物はドナー不純物に比して拡散係数が大きくなるよ
うに、不純物としてボロンとヒ素又はアンチモンを用い
ている。このため、1度のドライブイン工程で深いウェ
ルのp型の第3半導体領域4と浅いウェルの第4半導体
領域15が同時に拡散形成でき、工程数の削減に寄与し
ている。
【0096】この後、ゲート電極10,10,21,2
1をマスクとして再度ドーズ量5×1015cm-2のヒ素
(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量2×10
15cm-2のBF2 のイオン注入を行う。そして、図28
(d)に示す如く、1000°C,10分間のアニールにより
n型の第4半導体領域15の表面層の浅いp型の第6半
導体領域17を形成すると共に、n+ 型の第5半導体領
域16を形成する。BF2 を用いる理由はイオン注入の
飛程が浅くなるので、p+ 型の第6半導体領域17の深
さを約0.5μmにすることができるからである。1度
のドライブイン工程でn型の第5半導体領域16とp+
型の第6半導体領域17が同時に拡散形成でき、工程数
の削減に寄与している。
1をマスクとして再度ドーズ量5×1015cm-2のヒ素
(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量2×10
15cm-2のBF2 のイオン注入を行う。そして、図28
(d)に示す如く、1000°C,10分間のアニールにより
n型の第4半導体領域15の表面層の浅いp型の第6半
導体領域17を形成すると共に、n+ 型の第5半導体領
域16を形成する。BF2 を用いる理由はイオン注入の
飛程が浅くなるので、p+ 型の第6半導体領域17の深
さを約0.5μmにすることができるからである。1度
のドライブイン工程でn型の第5半導体領域16とp+
型の第6半導体領域17が同時に拡散形成でき、工程数
の削減に寄与している。
【0097】この後、層間絶縁膜(図示せず)に穴開け
してカソード電極18を形成し、その上にパッシベーシ
ョン膜(図示せず)を形成する。このように、本例で
は、ゲート電極10,10,21,21をマスクとして
セルフアラインにより第3半導体領域4,第4半導体領
域15,n型の第5半導体領域16及び第6半導体領域
17をすべて形成でき、特性バラツキを低減できる。
してカソード電極18を形成し、その上にパッシベーシ
ョン膜(図示せず)を形成する。このように、本例で
は、ゲート電極10,10,21,21をマスクとして
セルフアラインにより第3半導体領域4,第4半導体領
域15,n型の第5半導体領域16及び第6半導体領域
17をすべて形成でき、特性バラツキを低減できる。
【0098】しかし、上記のように第3半導体領域4の
ウェルの形成の仕方が拡散層4s,4s同士をゲート電
極21直下で相互連結する方法を採用する場合、以下に
説明するように、ラッチアップ耐量の点で問題の生じる
おそれがある。即ち、図30(a)に示す如く、熱拡散
によりゲート電極21直下で両側の拡散層4s,4sが
相互連結して形成された単一のウェルの第3半導体領域
4を用いた半導体装置において、n+ 型の第5半導体領
域16の表面からゲート21直下の第3半導体領域4の
表面を介しn型の第4半導体領域15の表面及びp+ 型
の第6半導体領域17にかけての半導体表面位置に対す
る不純物濃度の関係は図30(b)に示す如くの分布を
呈している。拡散層4s,4sはゲート電極21の側端
A,Bにより横方向拡散でゲート電極21直下に広がっ
て中央部分21bで会合するため、拡散をすればするほ
ど不純物の濃度が薄まるので、ゲート電極21直下の中
央部分21bが特に不純物低濃度領域となっている。こ
のため、IGBT動作の正孔引き抜き時においてn+ 型
の第5半導体領域16直下からゲート電極21直下を介
してn型の第4半導体領域15のチャネルからp+ 型の
第6半導体領域17にかけての正孔電流経路(図30
(a)に破線で示す)では、図30(c)に示す如く、
ゲート電極21の側端Aからチャネル端Bまでの経路ポ
テンシャル(電圧降下量)VABがチャネルの経路ポテン
シャル(オン抵抗による電圧降下量)VBCに比して極め
て大きな値となっている。このように、ゲート電極21
直下が低濃度で拡散抵抗rB が寄生していると、IGB
T動作の正孔引き抜き時には正孔電流の電圧降下によっ
てn+ 型の第5半導体領域16直下の電圧が上昇しよう
とするので、n+ 型の第5半導体領域16,p型の第3
半導体領域4およびn- 型の第2半導体領域3により構
成されるnpn型のバイポーラトランジスタQnpnがラ
ッチアップし易く、可制御電流容量の増大が図れない。
ウェルの形成の仕方が拡散層4s,4s同士をゲート電
極21直下で相互連結する方法を採用する場合、以下に
説明するように、ラッチアップ耐量の点で問題の生じる
おそれがある。即ち、図30(a)に示す如く、熱拡散
によりゲート電極21直下で両側の拡散層4s,4sが
相互連結して形成された単一のウェルの第3半導体領域
4を用いた半導体装置において、n+ 型の第5半導体領
域16の表面からゲート21直下の第3半導体領域4の
表面を介しn型の第4半導体領域15の表面及びp+ 型
の第6半導体領域17にかけての半導体表面位置に対す
る不純物濃度の関係は図30(b)に示す如くの分布を
呈している。拡散層4s,4sはゲート電極21の側端
A,Bにより横方向拡散でゲート電極21直下に広がっ
て中央部分21bで会合するため、拡散をすればするほ
ど不純物の濃度が薄まるので、ゲート電極21直下の中
央部分21bが特に不純物低濃度領域となっている。こ
のため、IGBT動作の正孔引き抜き時においてn+ 型
の第5半導体領域16直下からゲート電極21直下を介
してn型の第4半導体領域15のチャネルからp+ 型の
第6半導体領域17にかけての正孔電流経路(図30
(a)に破線で示す)では、図30(c)に示す如く、
ゲート電極21の側端Aからチャネル端Bまでの経路ポ
テンシャル(電圧降下量)VABがチャネルの経路ポテン
シャル(オン抵抗による電圧降下量)VBCに比して極め
て大きな値となっている。このように、ゲート電極21
直下が低濃度で拡散抵抗rB が寄生していると、IGB
T動作の正孔引き抜き時には正孔電流の電圧降下によっ
てn+ 型の第5半導体領域16直下の電圧が上昇しよう
とするので、n+ 型の第5半導体領域16,p型の第3
半導体領域4およびn- 型の第2半導体領域3により構
成されるnpn型のバイポーラトランジスタQnpnがラ
ッチアップし易く、可制御電流容量の増大が図れない。
【0099】ここで、ゲート電極21直下の不純物濃度
はゲート長Lが長いほど低くなるので、ゲート長Lを短
くすれば良い。ところが、一般にゲート電極21はゲー
ト幅を長くして電流容量を高めるためストライプ状に長
く形成されてあり(例えば5mm)、半導体チップ上では
ゲートパッドから延び出たゲートランナー(主配線)か
ら櫛歯状の多数のストイプ状のゲート電極(分岐配線)
21が延び出ているので、ゲート信号がゲートッパッド
の近くにあるストライプ状のゲート電極21よりゲート
ッパッドから遠いストライプ状のゲート電極21にまで
伝播するには時間差が生じ伝播遅延(配線抵抗)の問題
がある。従って、ストライプ状のゲート電極21の配線
抵抗を下げて信号遅延を抑制して動作切り換え速度を高
めるためには、多結晶シリコンのゲート電極21のゲー
ト長の短縮には限界がある。
はゲート長Lが長いほど低くなるので、ゲート長Lを短
くすれば良い。ところが、一般にゲート電極21はゲー
ト幅を長くして電流容量を高めるためストライプ状に長
く形成されてあり(例えば5mm)、半導体チップ上では
ゲートパッドから延び出たゲートランナー(主配線)か
ら櫛歯状の多数のストイプ状のゲート電極(分岐配線)
21が延び出ているので、ゲート信号がゲートッパッド
の近くにあるストライプ状のゲート電極21よりゲート
ッパッドから遠いストライプ状のゲート電極21にまで
伝播するには時間差が生じ伝播遅延(配線抵抗)の問題
がある。従って、ストライプ状のゲート電極21の配線
抵抗を下げて信号遅延を抑制して動作切り換え速度を高
めるためには、多結晶シリコンのゲート電極21のゲー
ト長の短縮には限界がある。
【0100】〔実施例23〕そこで、本例ではゲート長
を短縮するために、第2のMOSFET23のゲート電
極21を多結晶シリコンのゲートとするのではなく、多
結晶シリコンよりも低抵抗率の金属又は金属シリサイド
の単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又は金属
シリサイドの層の2重構造のゲートとする。このような
金属又は金属シリサイドを用いたゲート電極であれば、
ゲート長Lを短縮しても伝播遅延が顕著になる不都合を
回避でき、ゲート電極21直下の不純物濃度を高めるこ
とができ、可制御電流容量の増大を図ることができる。
なお、第2のMOSFET23のゲート電極21のみな
らず、第1のMOSFET23のゲート電極10も、金
属又は金属シリサイドの単層構造のゲート,多結晶シリ
コン層と金属又は金属シリサイドの層の2重構造のゲー
トとしても良い。動作切り換え速度の向上に繋がり、タ
ーンオン時間の更なる短縮化を図ることができる。
を短縮するために、第2のMOSFET23のゲート電
極21を多結晶シリコンのゲートとするのではなく、多
結晶シリコンよりも低抵抗率の金属又は金属シリサイド
の単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又は金属
シリサイドの層の2重構造のゲートとする。このような
金属又は金属シリサイドを用いたゲート電極であれば、
ゲート長Lを短縮しても伝播遅延が顕著になる不都合を
回避でき、ゲート電極21直下の不純物濃度を高めるこ
とができ、可制御電流容量の増大を図ることができる。
なお、第2のMOSFET23のゲート電極21のみな
らず、第1のMOSFET23のゲート電極10も、金
属又は金属シリサイドの単層構造のゲート,多結晶シリ
コン層と金属又は金属シリサイドの層の2重構造のゲー
トとしても良い。動作切り換え速度の向上に繋がり、タ
ーンオン時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0101】〔実施例24〕図31(a)〜(d)は本
発明の基本的構造の別の製造方法を示す工程断面図であ
る。本例の製造方法では、ゲート電極21,10を同時
に形成せず、ボロン(第4半導体領域15用のアセプタ
不純物)のイオン注入後にゲート電極21を形成するよ
うにしている。
発明の基本的構造の別の製造方法を示す工程断面図であ
る。本例の製造方法では、ゲート電極21,10を同時
に形成せず、ボロン(第4半導体領域15用のアセプタ
不純物)のイオン注入後にゲート電極21を形成するよ
うにしている。
【0102】即ち、図1に示す如く、p++型の半導体基
板に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の
第2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図31(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行う。
板に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の
第2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図31(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行う。
【0103】次に、図31(b)に示す如く、ゲート電
極10,10間のゲート酸化膜9を介して離隔した位置
に多結晶シリコンの第2のMOSFET用ゲート電極2
1,21を形成した後、外側のゲート電極10と内側の
ゲート電極21間の開口部をレジスト42で被覆した
後、ゲート電極10,10,21,21,レジスト42
をマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を介し
てドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As)又はアンチモ
ン(Sb)のイオン注入を行う。
極10,10間のゲート酸化膜9を介して離隔した位置
に多結晶シリコンの第2のMOSFET用ゲート電極2
1,21を形成した後、外側のゲート電極10と内側の
ゲート電極21間の開口部をレジスト42で被覆した
後、ゲート電極10,10,21,21,レジスト42
をマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を介し
てドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As)又はアンチモ
ン(Sb)のイオン注入を行う。
【0104】この後の工程は図28に示す実施例と同
様、レジスト42を除去した後、図31(c)に示す如
く、1150°C,3時間のドライブインにより2種不純物
を同時熱拡散させて深いp型の第3半導体領域4のウェ
ルと、その中に浅いn型の第4半導体領域15のウェル
を形成する。同時熱拡散しない場合は、ボロン(B)を
1150°C, 3時間のドライブインにより熱拡散させ、ヒ
素(As),アンチモン(Sb)又はリン(P)を1100
°C,2時間で熱拡散させる。この後、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとして再度ドーズ量5×
1015cm-2のヒ素(As)のイオン注入を行い、引続
き、ゲート電極10,10,21,21をマスクとして
ドーズ量2×1015cm-2のBF2 のイオン注入を行う。
様、レジスト42を除去した後、図31(c)に示す如
く、1150°C,3時間のドライブインにより2種不純物
を同時熱拡散させて深いp型の第3半導体領域4のウェ
ルと、その中に浅いn型の第4半導体領域15のウェル
を形成する。同時熱拡散しない場合は、ボロン(B)を
1150°C, 3時間のドライブインにより熱拡散させ、ヒ
素(As),アンチモン(Sb)又はリン(P)を1100
°C,2時間で熱拡散させる。この後、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとして再度ドーズ量5×
1015cm-2のヒ素(As)のイオン注入を行い、引続
き、ゲート電極10,10,21,21をマスクとして
ドーズ量2×1015cm-2のBF2 のイオン注入を行う。
【0105】そして、図31(d)に示す如く、1000°
C,10分間のアニールによりn型の第4半導体領域15
の表面層の浅いp型の第6半導体領域17を形成すると
共に、n+ 型の第5半導体領域16を形成する。1度の
ドライブイン工程でn型の第5半導体領域16とp+ 型
の第6半導体領域17が同時に拡散形成でき、工程数の
削減に寄与している。この後、層間絶縁膜(図示せず)
に穴開けしてカソード電極18を形成し、その上にパッ
シベーション膜(図示せず)を形成する。勿論、第5半
導体領域16のイオン注入・拡散と第6半導体領域17
のイオン注入・拡散を別々に行って良い。
C,10分間のアニールによりn型の第4半導体領域15
の表面層の浅いp型の第6半導体領域17を形成すると
共に、n+ 型の第5半導体領域16を形成する。1度の
ドライブイン工程でn型の第5半導体領域16とp+ 型
の第6半導体領域17が同時に拡散形成でき、工程数の
削減に寄与している。この後、層間絶縁膜(図示せず)
に穴開けしてカソード電極18を形成し、その上にパッ
シベーション膜(図示せず)を形成する。勿論、第5半
導体領域16のイオン注入・拡散と第6半導体領域17
のイオン注入・拡散を別々に行って良い。
【0106】このように、本例の製造方法では、第3半
導体領域4のうちゲート電極21直下の領域の不純物濃
度を他の部分よりも薄くしないために、第3半導体領域
4を形成してからその上にゲート電極21を設置するよ
うにしている。このため、多結晶シリコンのゲート電極
21のゲート長を短縮せずとも、ラッチアップ耐量の増
大を図ることができる。勿論、本例のゲート電極10,
21は多結晶シリコン単層とせずに、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。ゲート長の短縮により、伝播遅延量を僅少化できる
ので、動作切り換え速度の向上及び可制御電流容量の増
大に寄与する。
導体領域4のうちゲート電極21直下の領域の不純物濃
度を他の部分よりも薄くしないために、第3半導体領域
4を形成してからその上にゲート電極21を設置するよ
うにしている。このため、多結晶シリコンのゲート電極
21のゲート長を短縮せずとも、ラッチアップ耐量の増
大を図ることができる。勿論、本例のゲート電極10,
21は多結晶シリコン単層とせずに、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。ゲート長の短縮により、伝播遅延量を僅少化できる
ので、動作切り換え速度の向上及び可制御電流容量の増
大に寄与する。
【0107】〔実施例25〕図32(a)〜(e)は本
発明の基本的構造のまた別の製造方法を示す工程断面図
である。本例の製造方法では、ゲート電極21,10を
同時に形成せず、第3半導体領域4の拡散形成後にゲー
ト電極21を形成するようにしている。
発明の基本的構造のまた別の製造方法を示す工程断面図
である。本例の製造方法では、ゲート電極21,10を
同時に形成せず、第3半導体領域4の拡散形成後にゲー
ト電極21を形成するようにしている。
【0108】即ち、図1に示す如く、p++型の半導体基
板に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の
第2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図32(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行う。そし
て、図32(b)に示す如く、ドライブインによりp型
の第3領域4のウェルを拡散形成する。
板に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の
第2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図32(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行う。そし
て、図32(b)に示す如く、ドライブインによりp型
の第3領域4のウェルを拡散形成する。
【0109】この後、図32(c)に示す如く、ゲート
電極10,10間のゲート酸化膜9を介して離隔した位
置に多結晶シリコンの第2のMOSFET用ゲート電極
21,21を形成した後、外側のゲート電極10と内側
のゲート電極21間の開口部をレジスト42で被覆し、
その後、ゲート電極10,10,21,21,レジスト
42をマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を
介してドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As),アンチ
モン(Sb)又はリン(P)のイオン注入を行う。そし
て、図32(d)に示す如く、ドライブインにより第4
領域15を拡散形成する。
電極10,10間のゲート酸化膜9を介して離隔した位
置に多結晶シリコンの第2のMOSFET用ゲート電極
21,21を形成した後、外側のゲート電極10と内側
のゲート電極21間の開口部をレジスト42で被覆し、
その後、ゲート電極10,10,21,21,レジスト
42をマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を
介してドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As),アンチ
モン(Sb)又はリン(P)のイオン注入を行う。そし
て、図32(d)に示す如く、ドライブインにより第4
領域15を拡散形成する。
【0110】この後、ゲート電極10,10,21,2
1をマスクとして再度ドーズ量5×1015cm-2のヒ素
(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量2×10
15cm-2のBF2 のイオン注入を行う。そして、図32
(e)に示す如く、ドライブインによりn型の第5半導
体領域16とp+ 型の第6半導体領域17を同時に拡散
形成する。勿論、第5半導体領域16のイオン注入・拡
散と第6半導体領域17のイオン注入・拡散を別々に行
って良い。
1をマスクとして再度ドーズ量5×1015cm-2のヒ素
(As)のイオン注入を行い、引続き、ゲート電極1
0,10,21,21をマスクとしてドーズ量2×10
15cm-2のBF2 のイオン注入を行う。そして、図32
(e)に示す如く、ドライブインによりn型の第5半導
体領域16とp+ 型の第6半導体領域17を同時に拡散
形成する。勿論、第5半導体領域16のイオン注入・拡
散と第6半導体領域17のイオン注入・拡散を別々に行
って良い。
【0111】このような製造方法でも、第3半導体領域
4のうちゲート電極21直下の領域の不純物濃度は他の
部分と等しいため、多結晶シリコンのゲート電極21の
ゲート長を短縮せずとも、ラッチアップ耐量の増大を図
ることができる。勿論、本例もまた、ゲート電極10,
21に多結晶シリコン単層を用いず、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。
4のうちゲート電極21直下の領域の不純物濃度は他の
部分と等しいため、多結晶シリコンのゲート電極21の
ゲート長を短縮せずとも、ラッチアップ耐量の増大を図
ることができる。勿論、本例もまた、ゲート電極10,
21に多結晶シリコン単層を用いず、金属又は金属シリ
サイドの単層構造のゲート,多結晶シリコン層と金属又
は金属シリサイドの層の2重構造のゲートとしても良
い。
【0112】〔実施例26〕図33は本発明の実施例2
6に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例の半導体構造においては
実施例1の基本構造に対して第5半導体領域16の直下
領域からゲート電極21直下の領域に亘ってドリフト領
域としてp+ 型の第9半導体領域33のウェルが作り込
まれている。
6に係るダブルゲートを備えたサイリスタ半導体装置の
構造を示す断面図である。本例の半導体構造においては
実施例1の基本構造に対して第5半導体領域16の直下
領域からゲート電極21直下の領域に亘ってドリフト領
域としてp+ 型の第9半導体領域33のウェルが作り込
まれている。
【0113】ゲート電極21の直下はチャネル(第4半
導体領域15の表面層)を除いてp+型の第9半導体領
域33となっているので、ゲート電極21の直下の拡散
抵抗rB の値を一層僅少化できる。それ故、ラッチアッ
プ耐量の増大を図ることができる。
導体領域15の表面層)を除いてp+型の第9半導体領
域33となっているので、ゲート電極21の直下の拡散
抵抗rB の値を一層僅少化できる。それ故、ラッチアッ
プ耐量の増大を図ることができる。
【0114】図33に示す半導体構造の製造方法を説明
すると、まず、図33に示す如く、p++型の半導体基板
に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の第
2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図34(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行いそし
て、ドライブインによりp型の第3半導体領域4のウェ
ルを拡散形成する。
すると、まず、図33に示す如く、p++型の半導体基板
に形成したn+ 型のバッファ層3aを介してn- 型の第
2半導体領域3をエピタキシャル成長により形成した
後、図34(a)に示す如く、その上にゲート酸化膜9
を介して離隔した位置に多結晶シリコンの第1のMOS
FET用ゲート電極10,10を形成する。この後、ゲ
ート電極10,10をマスクとしてドーズ量7×1013
cm-2のボロン(B)を開口部にイオン注入を行いそし
て、ドライブインによりp型の第3半導体領域4のウェ
ルを拡散形成する。
【0115】この後、図34(b)に示す如く、レジス
トマスクを用いてゲート電極10,10間の開口部を介
しドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As),アンチモン
(Sb)又はリン(P)のイオン注入を行い、ドライブ
インにより浅いウェルのn型の第4半導体領域15を拡
散形成する。
トマスクを用いてゲート電極10,10間の開口部を介
しドーズ量7×1013cm-2のヒ素(As),アンチモン
(Sb)又はリン(P)のイオン注入を行い、ドライブ
インにより浅いウェルのn型の第4半導体領域15を拡
散形成する。
【0116】そして、レジストマスクを用い、第4半導
体領域15のゲート電極12側に重ねてB+ 又はBF2
のイオン注入を行い、図34(c)に示す如く、ドライ
ブインによりp+ 型の第9半導体領域33のウェルを拡
散形成する。
体領域15のゲート電極12側に重ねてB+ 又はBF2
のイオン注入を行い、図34(c)に示す如く、ドライ
ブインによりp+ 型の第9半導体領域33のウェルを拡
散形成する。
【0117】次に、図34(d)に示す如く、第4半導
体領域15と第9半導体領域33との表面境界部分を覆
うようにしてゲート酸化膜9を介して多結晶シリコンの
第2のMOSFET用のゲート電極21,21を形成す
る。その後、ゲート電極10,10,21,21,レジ
ストをマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を
介してBF2 のイオン注入を行うと共に、ゲート電極2
1,10間の開口部を介してヒ素(As)又はアンチモ
ン(Sb)のイオン注入を行い。そして、アニールによ
りp+ 型の第6半導体領域17及びn+ 型の第5半導体
領域16をセルフアラインにより形成する。この後、層
間絶縁膜(図示せず)に穴開けしてカソード電極18を
形成し、その上にパッシベーション膜(図示せず)を形
成する。
体領域15と第9半導体領域33との表面境界部分を覆
うようにしてゲート酸化膜9を介して多結晶シリコンの
第2のMOSFET用のゲート電極21,21を形成す
る。その後、ゲート電極10,10,21,21,レジ
ストをマスクとしてゲート電極21,21間の開口部を
介してBF2 のイオン注入を行うと共に、ゲート電極2
1,10間の開口部を介してヒ素(As)又はアンチモ
ン(Sb)のイオン注入を行い。そして、アニールによ
りp+ 型の第6半導体領域17及びn+ 型の第5半導体
領域16をセルフアラインにより形成する。この後、層
間絶縁膜(図示せず)に穴開けしてカソード電極18を
形成し、その上にパッシベーション膜(図示せず)を形
成する。
【0118】なお、本実施例における各領域の導電型は
反対の導電型にしても良い。
反対の導電型にしても良い。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導
体装置においては、多数キャリア注入用のMISFET
と多数キャリア引抜き用MISFETとを逆導電型にす
べく、多数キャリア引抜き用MISFETを2重拡散型
構造としたことを特徴とする。
体装置においては、多数キャリア注入用のMISFET
と多数キャリア引抜き用MISFETとを逆導電型にす
べく、多数キャリア引抜き用MISFETを2重拡散型
構造としたことを特徴とする。
【0120】従って次の効果を奏する。
【0121】(1) 第3半導体領域内の多数キャリア
を第1導電型のMISFETを介して直接引き抜くこと
ができ、キャリアの変換のための短絡用電極が不要とな
る。従って、微細電極形成の困難さと電極配線の2層構
造とを回避できる。また、第1導電型のMISFETは
2重拡散型構造であるため、短チャネル化を実現でき、
MISFET自身の低オン抵抗化が可能である。このた
め、スイッチング損失を低減でき、多数キャリアの引き
抜き速度を早めることができ、ターンオフ速度を上げる
ことができる。更にMISFETの特性バラツキも抑え
ることができる。
を第1導電型のMISFETを介して直接引き抜くこと
ができ、キャリアの変換のための短絡用電極が不要とな
る。従って、微細電極形成の困難さと電極配線の2層構
造とを回避できる。また、第1導電型のMISFETは
2重拡散型構造であるため、短チャネル化を実現でき、
MISFET自身の低オン抵抗化が可能である。このた
め、スイッチング損失を低減でき、多数キャリアの引き
抜き速度を早めることができ、ターンオフ速度を上げる
ことができる。更にMISFETの特性バラツキも抑え
ることができる。
【0122】特に、本発明では、第2導電型MISFE
Tと第1導電型MISFETとの少なくとも一方にトレ
ンチゲート型MISFETを含む構成を特徴とする。縦
型チャネルが並列的に増えるので、全体としてチャネル
幅が増大し、電流容量の増大を図ることができる。また
ゲート長の微細化にも寄与する。
Tと第1導電型MISFETとの少なくとも一方にトレ
ンチゲート型MISFETを含む構成を特徴とする。縦
型チャネルが並列的に増えるので、全体としてチャネル
幅が増大し、電流容量の増大を図ることができる。また
ゲート長の微細化にも寄与する。
【0123】(2) 第1導電型MISFETが第6半
導体領域及び第4半導体領域を分けるトレンチ溝にゲー
ト絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレンチゲート電
極を有するトレンチゲート型MISFETであり、第2
導電型MISFETが第3半導体領域のウェル端のトレ
ンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレ
ンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFET
である場合においては、IGBT状態時の正孔引き抜き
力が強くなり、ターンオフ時間を速くすることができ
る。また、正孔引き抜き電流が分散化するため、寄生抵
抗による電圧降下も抑制でき、ラッチアップ耐量を大き
くできる。更に、第2導電型MISFETのゲート電極
の側壁に沿ってはじめから縦方向に電子電流が流れるの
で、そのゲート電極の微細化が可能であり、またオン抵
抗が低くなるので、スイッチング損失を低減できる。
導体領域及び第4半導体領域を分けるトレンチ溝にゲー
ト絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレンチゲート電
極を有するトレンチゲート型MISFETであり、第2
導電型MISFETが第3半導体領域のウェル端のトレ
ンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレ
ンチゲート電極を有するトレンチゲート型MISFET
である場合においては、IGBT状態時の正孔引き抜き
力が強くなり、ターンオフ時間を速くすることができ
る。また、正孔引き抜き電流が分散化するため、寄生抵
抗による電圧降下も抑制でき、ラッチアップ耐量を大き
くできる。更に、第2導電型MISFETのゲート電極
の側壁に沿ってはじめから縦方向に電子電流が流れるの
で、そのゲート電極の微細化が可能であり、またオン抵
抗が低くなるので、スイッチング損失を低減できる。
【0124】(3) 上記のトレンチゲート型MISF
ETの構成において、第4半導体領域と第5半導体領域
が重なり接続して成る場合には、サイリスタ状態時には
第5半導体領域は勿論のこと第4半導体領域も含めて広
い集電領域として機能するので、電流容量の増大を図る
ことができる。
ETの構成において、第4半導体領域と第5半導体領域
が重なり接続して成る場合には、サイリスタ状態時には
第5半導体領域は勿論のこと第4半導体領域も含めて広
い集電領域として機能するので、電流容量の増大を図る
ことができる。
【0125】(4) 第1導電型MISFETが第6半
導体領域及び第4半導体領域の相対向するウェル端のト
レンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたト
レンチゲート電極を有する一対のトレンチゲート型MI
SFETであり、第2導電型MISFETが第3半導体
領域のウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋
め込み形成されたトレンチゲート電極を有するトレンチ
ゲート型MISFETである場合には、第2導電型MI
SFETのゲート電極間の距離を短縮可能であるので、
第5半導体領域の平面的占有比率を拡大でき、電流容量
の増大を図ることができる。かかる場合、第4半導体領
域を不純物低濃度の第1導電型領域として形成した場
合、第2導電型MISFETはディプレッション型であ
るので、ゲート駆動回路の簡素化を図ることができる。
導体領域及び第4半導体領域の相対向するウェル端のト
レンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたト
レンチゲート電極を有する一対のトレンチゲート型MI
SFETであり、第2導電型MISFETが第3半導体
領域のウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋
め込み形成されたトレンチゲート電極を有するトレンチ
ゲート型MISFETである場合には、第2導電型MI
SFETのゲート電極間の距離を短縮可能であるので、
第5半導体領域の平面的占有比率を拡大でき、電流容量
の増大を図ることができる。かかる場合、第4半導体領
域を不純物低濃度の第1導電型領域として形成した場
合、第2導電型MISFETはディプレッション型であ
るので、ゲート駆動回路の簡素化を図ることができる。
【0126】(5) 第5半導体領域に導電接触する電
極に接続した短絡電極を第3半導体領域に接続して成る
構造においては、トランジスタ状態にはこの第3半導体
領域内の多数キャリアを直接引き抜くことができ、可制
御電流値の増大を図ることができる。特に、第3半導体
領域がストライプ状のウェルであり、このウェルの長手
方向の端部表面に上記短絡電極が形成されて成る構造で
は、コーナー部でのラッチアップを抑制することができ
ると共に、サイリスタ動作モードにおいても第3半導体
領域内の多数キャリア密度の豊富化を図ることができ
る。また、第1導電型のMISFET及び第2導電型の
MISFETをオフ状態にしたまま、アノード・カソー
ド間電圧を印加しても、短絡電極を介してカソードに電
流が漏れるので、電源投入時のラッチアップを防止する
ことができる。
極に接続した短絡電極を第3半導体領域に接続して成る
構造においては、トランジスタ状態にはこの第3半導体
領域内の多数キャリアを直接引き抜くことができ、可制
御電流値の増大を図ることができる。特に、第3半導体
領域がストライプ状のウェルであり、このウェルの長手
方向の端部表面に上記短絡電極が形成されて成る構造で
は、コーナー部でのラッチアップを抑制することができ
ると共に、サイリスタ動作モードにおいても第3半導体
領域内の多数キャリア密度の豊富化を図ることができ
る。また、第1導電型のMISFET及び第2導電型の
MISFETをオフ状態にしたまま、アノード・カソー
ド間電圧を印加しても、短絡電極を介してカソードに電
流が漏れるので、電源投入時のラッチアップを防止する
ことができる。
【0127】(6) 第3半導体領域の相対向するウェ
ル端に形成された1対の第5半導体領域で挟まれた領域
に、多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFET部
を複数個形成した構造においては、IGBT状態時の多
数キャリア引き抜きを強めることができ、可制御電流を
増大させることができる。
ル端に形成された1対の第5半導体領域で挟まれた領域
に、多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFET部
を複数個形成した構造においては、IGBT状態時の多
数キャリア引き抜きを強めることができ、可制御電流を
増大させることができる。
【0128】(7) 複数個の多数キャリア引き抜き用
第1導電型MISFET部の間で第3半導体領域の表面
側にウェル状の第1導電型の第8半導体領域を形成した
構造においては、第8半導体領域よる集電能力が増すた
め、サイリスタ時の電流容量の増大を図ることができ
る。
第1導電型MISFET部の間で第3半導体領域の表面
側にウェル状の第1導電型の第8半導体領域を形成した
構造においては、第8半導体領域よる集電能力が増すた
め、サイリスタ時の電流容量の増大を図ることができ
る。
【0129】(8) 第3半導体領域の相対向するウェ
ル端側に形成された第4半導体領域及び第6半導体領域
との2重拡散構造と、これら2重拡散構造に挟まれた領
域で第3半導体領域の表面側にウェル状に形成された第
1導電型の第8半導体領域とを有して成る構成を採用し
た場合、多数キャリアの引き抜き電流経路を短縮できる
ので、可制御電流容量の増大を図ることができる。
ル端側に形成された第4半導体領域及び第6半導体領域
との2重拡散構造と、これら2重拡散構造に挟まれた領
域で第3半導体領域の表面側にウェル状に形成された第
1導電型の第8半導体領域とを有して成る構成を採用し
た場合、多数キャリアの引き抜き電流経路を短縮できる
ので、可制御電流容量の増大を図ることができる。
【0130】(9) 第5半導体領域と第8半導体領域
とを第1導電型の連結拡散層を介して接続し、第8半導
体領域に電極を導電接触させた構造においては、第5半
導体領域から連結拡散層及び第8半導体領域を介して上
記電極に到る電流経路には拡散抵抗が寄生しているが、
この拡散抵抗の電圧降下によってウェル端側の第5半導
体領域とその直下の第3半導体領域との順方向電圧が相
対的に高くならず、ラッチアップを抑制でき、可制御電
流容量の増大を図ることができる。
とを第1導電型の連結拡散層を介して接続し、第8半導
体領域に電極を導電接触させた構造においては、第5半
導体領域から連結拡散層及び第8半導体領域を介して上
記電極に到る電流経路には拡散抵抗が寄生しているが、
この拡散抵抗の電圧降下によってウェル端側の第5半導
体領域とその直下の第3半導体領域との順方向電圧が相
対的に高くならず、ラッチアップを抑制でき、可制御電
流容量の増大を図ることができる。
【0131】(10) 第5半導体領域と第8半導体領域
とを導通遮断する経路スイッチング用第2導電型MIS
FETを形成し、第8半導体領域に電極を導電接触させ
た構造においては、ターンオフ時に経路スイッチング用
第2導電型MISFETをオンさせると、第5半導体領
域を流れる電流が消失するため、ラッチアップを無くす
ことができる。特に、上記経路スイッチング用第2導電
型MISFETのゲート電極として第2導電型MISF
ETのゲート電極の一部を用いて成る場合は、製造工数
の削減及び微細化が可能となる。
とを導通遮断する経路スイッチング用第2導電型MIS
FETを形成し、第8半導体領域に電極を導電接触させ
た構造においては、ターンオフ時に経路スイッチング用
第2導電型MISFETをオンさせると、第5半導体領
域を流れる電流が消失するため、ラッチアップを無くす
ことができる。特に、上記経路スイッチング用第2導電
型MISFETのゲート電極として第2導電型MISF
ETのゲート電極の一部を用いて成る場合は、製造工数
の削減及び微細化が可能となる。
【0132】(11) 第2導電型MISFETのゲート
電極はチップレイアウト上でストライプ状に複数本並設
されており、その複数本のゲート電極にはゲートパッド
に繋がる複数のゲート配線が格子状に導通して成る構成
を採用した場合、ゲート信号の伝播遅延が減少し、ター
ンオフ時における最遠のゲート電極での電流集中が抑制
される。このため、ターンオフの高速化は勿論のこと、
最遠のゲート電極での破壊が起こり難くなり、可制御電
流容量の増大を図ることができる。
電極はチップレイアウト上でストライプ状に複数本並設
されており、その複数本のゲート電極にはゲートパッド
に繋がる複数のゲート配線が格子状に導通して成る構成
を採用した場合、ゲート信号の伝播遅延が減少し、ター
ンオフ時における最遠のゲート電極での電流集中が抑制
される。このため、ターンオフの高速化は勿論のこと、
最遠のゲート電極での破壊が起こり難くなり、可制御電
流容量の増大を図ることができる。
【0133】(12) 第2導電型MISFETのゲート
電極はチップレイアウト上で格子点に設けられた島状で
あり、上記ゲート電極にはゲートパッドに繋がる複数の
ゲート配線が格子状に導通しており、上記ゲート配線で
区分された格子内領域が第1導電型MISFETの格子
状のゲート電極で分割されて成る構成を採用した場合、
ゲートパッドから遠い第2導電型MISFETのゲート
電極でも伝播遅延が抑制されるので、ターンオフの高速
化と可制御電流容量の増大を図ることができる。
電極はチップレイアウト上で格子点に設けられた島状で
あり、上記ゲート電極にはゲートパッドに繋がる複数の
ゲート配線が格子状に導通しており、上記ゲート配線で
区分された格子内領域が第1導電型MISFETの格子
状のゲート電極で分割されて成る構成を採用した場合、
ゲートパッドから遠い第2導電型MISFETのゲート
電極でも伝播遅延が抑制されるので、ターンオフの高速
化と可制御電流容量の増大を図ることができる。
【0134】また、第1導電型MISFETのゲート電
極も縦横格子状に形成されているめ、ターンオンの高速
化にも寄与する。1格子内領域がゲート電極で分割され
ているため、サイリスタ動作時には電流容量の増大を図
ることができる。加えて、IGBT動作での多数キャリ
アの引き抜きを分散的に行うことができ、ラッチアップ
耐量の増大に寄与する。
極も縦横格子状に形成されているめ、ターンオンの高速
化にも寄与する。1格子内領域がゲート電極で分割され
ているため、サイリスタ動作時には電流容量の増大を図
ることができる。加えて、IGBT動作での多数キャリ
アの引き抜きを分散的に行うことができ、ラッチアップ
耐量の増大に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図2】実施例1の半導体装置の等価回路を示す回路図
である。
である。
【図3】(a)は実施例1の半導体装置のサイリスタ状
態における電子電流及び正孔電流の流れを示す説明図、
(b)は実施例1の半導体装置のトランジスタ状態(I
GBT状態)における電子電流及び正孔電流の流れを示
す説明図である。
態における電子電流及び正孔電流の流れを示す説明図、
(b)は実施例1の半導体装置のトランジスタ状態(I
GBT状態)における電子電流及び正孔電流の流れを示
す説明図である。
【図4】実施例1の半導体装置において第1のゲート電
極および第2のゲート電極に印加される電位とアノード
・カソード間電圧VAK及びアノード電流IA との関係を
示す波形図である。
極および第2のゲート電極に印加される電位とアノード
・カソード間電圧VAK及びアノード電流IA との関係を
示す波形図である。
【図5】本発明の実施例2に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例3に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例4に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例5に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例6に係るダブルゲートを備えた
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
サイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例7に係るダブルゲートを備え
たサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
たサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例8に係るダブルゲートを備え
たサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
たサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例9に係るダブルゲートを備え
たサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
たサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例10に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例11に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例12に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図16】本発明の実施例13に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図17】(a)は本発明の実施例14に係るダブルゲ
ートを備えたサイリスタ半導体装置のセルパターンを示
す概略斜視図で、(b)はその等価回路を示す回路図で
ある。
ートを備えたサイリスタ半導体装置のセルパターンを示
す概略斜視図で、(b)はその等価回路を示す回路図で
ある。
【図18】本発明の実施例15に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図19】本発明の実施例16に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図20】本発明の実施例17に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す概略斜視図であ
る。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す概略斜視図であ
る。
【図21】実施例17の半導体装置の等価回路を示す回
路図である。
路図である。
【図22】本発明の実施例18に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す概略斜視図であ
る。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す概略斜視図であ
る。
【図23】(a)は本発明の実施例19に係るダブルゲ
ートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を示す概略斜
視図、(b)は(a)中のA−A′線に沿って切断した
矢視図、(c)は(a)中のB−B′線に沿って切断し
た矢視図である。
ートを備えたサイリスタ半導体装置の構造を示す概略斜
視図、(b)は(a)中のA−A′線に沿って切断した
矢視図、(c)は(a)中のB−B′線に沿って切断し
た矢視図である。
【図24】実施例1に係るダブルゲートを備えたサイリ
スタ半導体装置のチップレイアウトを示す平面図であ
る。
スタ半導体装置のチップレイアウトを示す平面図であ
る。
【図25】本発明の実施例20に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置のチップレイアウトを示す平
面図である。
えたサイリスタ半導体装置のチップレイアウトを示す平
面図である。
【図26】図25中のB−B′線に沿って切断した概略
斜視図である。
斜視図である。
【図27】(a)は本発明の実施例21に係るダブルゲ
ートを備えたサイリスタ半導体装置のチップレイアウト
を示す平面図、(b)は(a)中のA−A′線に沿って
切断した矢視図である。図である。
ートを備えたサイリスタ半導体装置のチップレイアウト
を示す平面図、(b)は(a)中のA−A′線に沿って
切断した矢視図である。図である。
【図28】(a)〜(d)は本発明の基本的構造の製造
方法(実施例22)を説明する工程断面図である。
方法(実施例22)を説明する工程断面図である。
【図29】実施例22において第3半導体領域の形成法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図30】(a)は実施例22の製造方法を用いて形成
された半導体装置の第2のゲート電極直下近傍の構造を
示す断面図、(b)は(a)中の表面濃度分布を示すグ
ラフ、(c)は(a)中の破線(正孔電流経路)位置に
対するポテンシャルの関係を示すグラフである。
された半導体装置の第2のゲート電極直下近傍の構造を
示す断面図、(b)は(a)中の表面濃度分布を示すグ
ラフ、(c)は(a)中の破線(正孔電流経路)位置に
対するポテンシャルの関係を示すグラフである。
【図31】(a)〜(d)は本発明の基本的構造の別の
製造方法(実施例24)を説明する工程断面図である。
製造方法(実施例24)を説明する工程断面図である。
【図32】(a)〜(e)は本発明の基本的構造のまた
別の製造方法(実施例25)を説明する工程断面図であ
る。
別の製造方法(実施例25)を説明する工程断面図であ
る。
【図33】本発明の実施例26に係るダブルゲートを備
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
えたサイリスタ半導体装置の構造を示す断面図である。
【図34】(a)〜(e)は実施例26の半導体装置の
製造方法を示す断面図である。
製造方法を示す断面図である。
【図35】従来のダブルゲート型半導体装置の構造の一
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図36】図35に示す半導体装置の等価回路を示す回
路図である。
路図である。
【図37】(a)は図35に示す半導体装置のサイリス
タ状態における電子電流及び正孔電流の流れを示す断面
図、(b)は同半導体装置のトランジスタ状態(IGB
T状態)における電子電流及び正孔電流の流れを示す断
面図である。
タ状態における電子電流及び正孔電流の流れを示す断面
図、(b)は同半導体装置のトランジスタ状態(IGB
T状態)における電子電流及び正孔電流の流れを示す断
面図である。
1…アノード電極 2…p++型のコレクタ層(第1半導体領域) 3a…n+ 型のバッファ層 3…n- 型のベース層(第2半導体領域) 4…p型のベース層(第3半導体領域) 4a…内側領域 4b…高濃度領域 4c…p型分離層 4d…p+ 型第3半導体領域 4s…拡散層 9,110a,121a…ゲート酸化膜(ゲート絶縁
膜) 10,110…第1のゲート電極 10a…張出ゲート電極部 21,121…第2のゲート電極 12,112…第1のMOSFET 15,15′…第4半導体領域 16…第5半導体領域 16a…浅いn+ 型内側ウェル 16b…深いn型外側ウェル 16M…n+ 型連結拡散層 16N…n+ 型張出領域 17…第6半導体領域 18a,18b,18d…カソード電極 18c…短絡電極 19…浅い第7半導体領域 20…深い第7半導体領域 23,123…第2のMOSFET 30…表層p型領域 32…第8半導体領域。 33…第9半導体領域 36…第8半導体領域 61,62…ゲートパッド 65…ゲートランナー(ゲート配線)。
膜) 10,110…第1のゲート電極 10a…張出ゲート電極部 21,121…第2のゲート電極 12,112…第1のMOSFET 15,15′…第4半導体領域 16…第5半導体領域 16a…浅いn+ 型内側ウェル 16b…深いn型外側ウェル 16M…n+ 型連結拡散層 16N…n+ 型張出領域 17…第6半導体領域 18a,18b,18d…カソード電極 18c…短絡電極 19…浅い第7半導体領域 20…深い第7半導体領域 23,123…第2のMOSFET 30…表層p型領域 32…第8半導体領域。 33…第9半導体領域 36…第8半導体領域 61,62…ゲートパッド 65…ゲートランナー(ゲート配線)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/78 655A H03K 17/56 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/332 H01L 29/74 - 29/749
Claims (17)
- 【請求項1】 第1導電型の第1半導体領域,この上に
形成された第2導電型の第2半導体領域,この第2半導
体領域内にウェル状に形成された第1導電型の第3半導
体領域,この第3半導体領域内の表面側にウェル状に形
成された第2導電型の第4半導体領域,前記第3半導体
領域内の表面側のウェル端側にウェル状に形成された第
2導電型の第5半導体領域,前記第4半導体領域内の表
面側にウェル状に形成された第1導電型の第6半導体領
域,前記第3半導体領域及び前記第5半導体領域との2
重拡散型構造を有し、前記第5半導体領域から前記第2
半導体領域に対しその多数キャリアを注入する多数キャ
リア注入用第2導電型MISFET,並びにこの第2導
電型MISFETとは独立に開閉可能であって、前記第
4半導体領域及び前記第6半導体領域との2重拡散型構
造を有し、前記第3半導体領域から前記第6半導体領域
にその多数キャリアを引き抜く多数キャリア引き抜き用
第1導電型MISFET,を備えて成る半導体装置にお
いて、 前記多数キャリア注入用第2導電型MISFETと前記
多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFETとの少
なくとも一方にトレンチゲート型MISFETを含むこ
とを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、
前記多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFET
は、前記第6半導体領域及び前記第4半導体領域を分け
るトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成され
たトレンチゲート電極を有するトレンチゲート型MIS
FETであり、前記多数キャリア注入用第2導電型MI
SFETは、前記第3半導体領域のウェル端のトレンチ
溝にゲート絶縁膜を介して埋め込み形成されたトレンチ
ゲート電極を有するトレンチゲート型MISFETであ
ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、
前記第4半導体領域と前記第5半導体領域が重なり接続
して成ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の半導体装置おいて、前
記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間に第2導
電型のバッファ層を有して成ることを特徴とする半導体
装置。 - 【請求項5】 請求項1に記載の半導体装置おいて、前
記第6半導体領域を基準としてその両側に前記第2導電
型MISFET及び前記第1導電型MISFETをそれ
ぞれ有することを特徴とする半導体装置。 - 【請求項6】 請求項1に記載の半導体装置において、
前記多数キャリア引き抜き用第1導電型MISFET
は、前記第6半導体領域及び前記第4半導体領域の相対
向するウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋
め込み形成されたトレンチゲート電極を有する一対のト
レンチゲート型MISFETであり、前記多数キャリア
注入用第2導電型MISFETは、前記第3半導体領域
のウェル端のトレンチ溝にゲート絶縁膜を介して埋め込
み形成されたトレンチゲート電極を有するトレンチゲー
ト型MISFETであることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置において、
前記第4半導体領域は、前記第2導電型に替えて、不純
物低濃度の第1導電型領域であることを特徴とする半導
体装置。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に
記載の半導体装置において、前記第5半導体領域に導電
接触する電極に接続した短絡電極を前記第3半導体領域
に接続して成ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置において、
前記第3半導体領域はストライプ状のウェルであり、こ
のウェルの長手方向の端部表面に前記短絡電極が形成さ
れて成ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一項
に記載の半導体装置において、前記第3半導体領域の相
対向するウェル端に形成された1対の前記第5半導体領
域で挟まれた領域には、前記多数キャリア引き抜き用第
1導電型MISFET部が複数個形成されて成ることを
特徴とする半導体装置。 - 【請求項11】 請求項9又は請求項10に記載の半導
体装置において、前記複数個の多数キャリア引き抜き用
第1導電型MISFET部の間で前記第3半導体領域の
表面側にウェル状に形成された第1導電型の第8半導体
領域を有して成ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
項に記載の半導体装置において、前記第3半導体領域の
相対向するウェル端側に形成された前記第4半導体領域
及び前記第6半導体領域との2重拡散構造と、これら2
重拡散構造に挟まれた領域で前記第3半導体領域の表面
側にウェル状に形成された第1導電型の第8半導体領域
とを有して成ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項13】 請求項11又は請求項12のいずれか
一項に記載の半導体装置において、前記第5半導体領域
と前記第8半導体領域とは第1導電型の連結拡散層を介
して接続しており、前記第8半導体領域に導電接触した
電極を有して成ることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項14】 請求項11又は請求項12のいずれか
一項に記載の半導体装置において、前記第5半導体領域
と前記第8半導体領域とを導通遮断する経路スイッチン
グ用第2導電型MISFETと、前記第8半導体領域に
導電接触した電極とを有して成ることを特徴とする半導
体装置。 - 【請求項15】 請求項14に記載の半導体装置におい
て、前記経路スイッチング用第2導電型MISFETの
ゲート電極は前記多数キャリア注入用第2導電型MIS
FETのゲート電極の一部を用いて成ることを特徴とす
る半導体装置。 - 【請求項16】 請求項1乃至請求項15のいずれか一
項に記載の半導体装置において、前記多数キャリア注入
用第2導電型MISFETのゲート電極はチップレイア
ウト上でストライプ状に複数本並設されており、その複
数本の前記ゲート電極にはゲートパッドに繋がる複数の
ゲート配線が格子状に導通して成ることを特徴とする半
導体装置。 - 【請求項17】 請求項1乃至請求項16のいずれか一
項に記載の半導体装置において、前記多数キャリア注入
用第2導電型MISFETのゲート電極はチップレイア
ウト上で格子点に設けられた島状であり、前記ゲート電
極にはゲートパッドに繋がる複数のゲート配線が格子状
に導通しており、前記ゲート配線で区分された格子内領
域が前記多数キャリア引き抜き第1導電型MISFET
の格子状のゲート電極で分割されて成ることを特徴とす
る半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10065665A JP3061029B2 (ja) | 1994-11-25 | 1998-03-16 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29185994 | 1994-11-25 | ||
JP6-291859 | 1994-11-25 | ||
JP10065665A JP3061029B2 (ja) | 1994-11-25 | 1998-03-16 | 半導体装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7293115A Division JP2798023B2 (ja) | 1994-11-25 | 1995-11-10 | 半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10294449A JPH10294449A (ja) | 1998-11-04 |
JP3061029B2 true JP3061029B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=26406803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10065665A Expired - Lifetime JP3061029B2 (ja) | 1994-11-25 | 1998-03-16 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3061029B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7956419B2 (en) | 2005-11-02 | 2011-06-07 | International Rectifier Corporation | Trench IGBT with depletion stop layer |
-
1998
- 1998-03-16 JP JP10065665A patent/JP3061029B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10294449A (ja) | 1998-11-04 |
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