JP3059573U - 呼び線収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の呼び線収納ケースの収納管の内面は、
その収納管の曲率に沿った平面としているので、呼び線
との接触が線と面との接触となり、接触面積が大きくな
って大きな摩擦力が働き、呼び線を収納管内に送り込ん
だり、収納管内から引き出したりするのに非常に時間が
かかると共に、その大きな摩擦力により呼び線に傷が付
いてしまうことがある。 【解決手段】 略Ｃ字状に折り曲げた収納管１を内面１
ａが蛇腹状になった管で構成したものとしている。そし
て、前記収納管１を可撓性管とし、この収納管１内に輪
形線材３を挿入して略Ｃ字状を維持するものとすること
ができる。さらに、前記収納管１の開口端部２を、略ラ
ッパ形状に拡開したものとするのが好ましい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、電線やケーブル等の線状物を天井裏や壁空間に配線するときなど に使用される呼び線を収納しておくための収納ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から存在する呼び線は、合成樹脂線や金属線等の真っ直ぐな弾性線材から なり、電線やケーブル等を通して引っ張るための小孔１１ａを設けた先端金具１ １をその先端に取り付けたものとしている。そして、このような呼び線は、使用 するときは弾性線材を真っ直ぐに伸ばした状態で使用するが、収納しておくとき は弾性線材をリール状に巻いて、例えば図４に示したような、収納ケースに収納 しておくようにしている。

【０００３】 図４に示した呼び線の収納ケースは、合成樹脂管や金属管とした収納管１２を 単に略Ｃ字状に折り曲げたものとしている。この収納管１２に呼び線Ｌを収納す るには、一方の開口端部１３から収納管１２内に呼び線Ｌの先端部を差し込み、 その先端部が収納管１２の他方の開口端部１３から出てくるまで、呼び線Ｌを収 納管１２に送り込む。さらに、その開口端部１３から出てきた呼び線Ｌの先端部 を再び最初の開口端部１３に差し込み、その先端部が収納管１２の他方の開口端 部１３から再び出てくるまで、呼び線Ｌをその収納管１２に送り込む。そして、 このような操作を何回も繰り返すことにより、呼び線Ｌをリール状に巻いて収納 管１２に収納している。また、この収納した呼び線Ｌを収納ケースから引き出す には、収納管１２に収納した呼び線Ｌの開口端部１３と開口端部１３の間に露出 して束になった部分を、図５中の矢印方向に次々に送り込みながら、呼び線Ｌの 先端部を開口端部１３から徐々に引っ張って行けばよい。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の呼び線収納ケースでは、前記したように呼び線Ｌを収納管１ ２内に送り込んだり、収納管１２内から引き出したりする場合に、リール状に巻 かれた呼び線Ｌがその復元力で収納管１２の外径方向に拡がろうとし、その収納 管１２の外径側の内面１２ａに強く接触する。

【０００５】 しかしながら、前記呼び線収納ケースの収納管１２の内面１２ａは、その収納 管１２の曲率に沿った平面としているので、呼び線Ｌとの接触が線と面との接触 となり、接触面積が大きくなって大きな摩擦力が働き、呼び線Ｌを収納管１２内 に送り込んだり、収納管１２内から引き出したりするのに非常に時間がかかると 共に、その大きな摩擦力により呼び線Ｌに傷が付いてしまうことがあるという課 題を有していた。

【０００６】 そこで、この考案は、上記従来の課題を解決するものであり、呼び線Ｌを収納 管１２内に送り込んだり、収納管１２内から引き出したりする場合に、呼び線Ｌ と収納管１２との接触面積を少なくし大きな摩擦力が働かないようにして、その 呼び線Ｌを収納管１２内に送り込んだり、収納管１２内から引き出したりするの を非常に素早くできるようにすると共に、呼び線Ｌに傷が付きにくくした呼び線 収納ケースを提供することを目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そのため、この考案の呼び線収納ケースは、略Ｃ字状に折り曲げた収納管１を 内面１ａが蛇腹状になった管で構成したものとしている。

【０００８】 そして、この考案の呼び線収納ケースは、前記収納管１を可撓性管とし、この 収納管１内に輪形線材３を挿入して略Ｃ字状を維持するものとすることができる 。

【０００９】 さらに、この考案の呼び線収納ケースは、前記収納管１の開口端部２を、略ラ ッパ形状に拡開したものとするのが好ましい。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の呼び線収納ケースの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説 明する。

【００１１】 図１に示したように、この考案の呼び線収納ケースは、略Ｃ字状に折り曲げた 収納管１の内面１ａを蛇腹状にしたものとしている。この収納管１は、合成樹脂 管や金属管より成るものとすることができ、管径を約３〜８ｃｍとし、略Ｃ字状 の折り曲げ径を約５０〜７０ｃｍとするのが、一般に市販されている約３０〜５ ０ｍの呼び線をリール状に巻いて収納するのに充分であり、また呼び線収納ケー スがそんなに嵩張らないものとなり好ましいが、このような寸法に限定されるも のではない。そして、この収納管１の開口端部２は、直に押し広げたり、別部材 を取り付ける等して、略ラッパ形状に拡開したものとすることにより、呼び線が 開口端部２に引っ掛かることなく、呼び線を収納したり引き出したりし易いもの としている。

【００１２】 また、前記収納管１の内面１ａを蛇腹状にしたものとするには、内面、外面と も蛇腹状になった市販品として存在する可撓性の蛇腹管を使用することができる 。このような蛇腹管を使用した場合には、そのままの状態では収納管１を略Ｃ字 状に維持しておくことができないので、図２に示したように、収納管１内に輪形 線材３を挿入して略Ｃ字状に維持するものとしている。この収納管１内に挿入し た輪形線材３は、収納管１の内径側の内面１ａに沿うようにした曲径としている 。なお、収納管１を樹脂成形により略Ｃ字状に折り曲げた状態にするには困難な 作業がともない製品コストが高くなるが、このように市販品として存在する可撓 性の蛇腹管内に輪形線材３を挿入して略Ｃ字状に維持するようにすれば、収納管 １を略Ｃ字状に折り曲げた状態にするのが非常に容易なものとなり、製品コスト が安くなる。

【００１３】 前記輪形線材３は、合成樹脂線や金属線等からなり、弾性線材であっても非弾 性線材であってもよいが、リール状に巻かれた呼び線の強い復元力が収納管１に 作用するので、この復元力に充分耐え得るだけの張力を有するものとしている。

【００１４】 このように構成したこの考案の呼び線収納ケースに呼び線Ｌを収納するには、 従来の呼び線収納ケースと同様、一方の開口端部２から収納管１内に呼び線Ｌの 先端部を差し込み、その先端部が収納管１の他方の開口端部２から出てくるまで 、呼び線Ｌを収納管１に送り込む。さらに、その開口端部２から出てきた呼び線 Ｌの先端部を再び最初の開口端部２に差し込み、その先端部が収納管１の他方の 開口端部２から再び出てくるまで、呼び線Ｌをその収納管１に送り込む。そして 、このような操作を何回も繰り返すことにより、呼び線Ｌをリール状に巻いて収 納管１に収納することができる。また、この収納した呼び線Ｌを収納ケースから 引き出すには、収納管１に収納した呼び線Ｌの開口端部２と開口端部２の間に露 出して束になった部分を、図３中の矢印方向に次々に送り込みながら、呼び線Ｌ の先端部を開口端部２から徐々に引っ張って行けばよい。

【００１５】 この場合、リール状に巻かれた呼び線Ｌがその復元力で収納管１の外径方向に 拡がろうとし、その収納管１の外径側の内面１ａに強く接触する。しかしながら 、この発明の呼び線収納ケースの収納管１の内面１ａは、蛇腹状にしているので 、呼び線Ｌとの接触が蛇腹の頂部との接触となり、接触面積が少なくなるので大 きな摩擦力が働かないようになる。

【００１６】

【考案の効果】

この考案の呼び線収納ケースは、以上に述べたように構成されており、呼び線 を収納管内に送り込んだり、収納管内から引き出したりする場合に、呼び線と収 納管との接触面積を少なくし大きな摩擦力が働かないようにしたので、その呼び 線を収納管内に送り込んだり、収納管内から引き出したりするのが非常に素早く できるようになると共に、呼び線にも傷が付きにくいものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の呼び線収納ケースの一実施形態を示
す部分断面図である。

【図２】この考案の呼び線収納ケースの他実施形態を示
す部分断面図である。

【図３】この考案の呼び線収納ケースの使用状態を示す
説明図である。

【図４】従来の呼び線収納ケースの部分断面図である。

【図５】従来の呼び線収納ケースの使用状態を示す説明
図である。

【符号の説明】

１ 収納管 １ａ 内面 ２ 開口端部 ３ 輪形線材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略Ｃ字状に折り曲げた収納管（１）を内
   面（１ａ）が蛇腹状になった管で構成したことを特徴と
   する呼び線収納ケース。
2. 【請求項２】 前記収納管（１）を可撓性管とし、この
   収納管（１）内に輪形線材（３）を挿入して略Ｃ字状を
   維持するものとしたことを特徴とする請求項１記載の呼
   び線収納ケース。
3. 【請求項３】 前記収納管（１）の開口端部（２）を、
   略ラッパ形状に拡開したものとしたことを特徴とする請
   求項１記載の呼び線収納ケース。