JP3059350B2 - オーディオ信号ミキシング装置 - Google Patents

オーディオ信号ミキシング装置

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JP3059350B2
JP3059350B2 JP6316758A JP31675894A JP3059350B2 JP 3059350 B2 JP3059350 B2 JP 3059350B2 JP 6316758 A JP6316758 A JP 6316758A JP 31675894 A JP31675894 A JP 31675894A JP 3059350 B2 JP3059350 B2 JP 3059350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーディオ信号ミキ
シング装置に関し、特に、オーディオ信号の混合比が急
変した場合におけるノイズの発生や音声等の途切れを抑
えたオーディオ信号ミキシング装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号ミキシング装置として、
外部入力として受けた複数のオーディオ信号をミキシン
グして出力する単機能の装置の他、コンパクトディスク
プレーヤーなどのオーディオ装置であってさらにミキシ
ング機能をも備えた多機能のミキシング装置もある。例
えば、コンパクトディスクプレーヤーなどにおいて、コ
ンパクトディスクにデジタルデータとして記録された左
右2チャンネルのオーディオ信号を入力として、これら
の入力信号のそれぞれを対応する左右2チャンネルのそ
れぞれの出力端にそのまま出力するステレオモード、左
右の入力を入れ換えて出力するステレオ反転モード、あ
るいはこれらの入力信号を混合してモノラル信号を合成
しこのモノラル信号を両方の出力端に出力するモノラル
モードなどの何れかのミキシングモードを選択して切り
換えることが可能なものである。
【0003】図5に、このような従来の2チャンネル・
デジタルオーディオ信号ミキシング装置の一例につい
て、そのブロック図を示す。図中、1a,1 bはそれぞ
れオーディオ信号L,Rを受ける入力端子群、2a〜2
dはスイッチ群、3a,3bは加算器、4a,4bは1
ビットシフトの右ビットシフター、5a,5bはオーデ
ィオ信号L0 ,R0 出力用の出力端子群、6は入力端子
1cを介して受けたモード設定信号Mに応じてこのミキ
シング装置が該当ミキシングモードで動作するようにス
イッチ群2a〜2dおよびビットシフター4a,4bを
制御する制御回路である。なお、オーディオ信号L,
R,L0 ,R0 がDnビットのデジタル信号であること
に対応して、入力端子群1a,1 bおよび出力端子群5
a,5bはそれぞれがDn個の端子からなるものであ
る。スイッチ群2a〜2dのそれぞれも同様にDn個の
スイッチからなる。
【0004】ここで、このような構成のデジタルオーデ
ィオ信号ミキシング装置について、先に例示した各ミキ
シングモードにおける動作を説明する。 (1)ステレオモード モード設定信号Mによってステレオモードが指定された
場合、これに応じた制御回路6の制御により、スイッチ
群2aはオン状態に、スイッチ群2bはオフ状態に、ス
イッチ群2cはオフ状態に、スイッチ群2dはオン状態
になる。また、ビットシフター4a,4bはビットシフ
トを行わない状態になる(図6の表におけるステレオモ
ードの行を参照)。
【0005】このような制御状態の下では、入力端子群
1a,1 bを介して入力されたそれぞれDnビットのデ
ジタルオーディオ信号L,Rは、それぞれオン状態のス
イッチ群2a,2dを介して加算器3a,3bの一方の
入力とされる。そして、加算器3a,3bではオフ状態
のスイッチ群2b,2c側の入力である他方の入力の値
を“0”として演算が行われ、オーディオ信号L,Rの
値がそれぞれそのまま加算器3a,3bから出力され
る。さらに、これらの値がそのまま、シフト動作を行わ
ないビットシフター4a,4bを介して、それぞれオー
ディオ信号L0 ,R0 の値とされる。そこで、出力端子
群5a,5bには、それぞれデジタルオーディオ信号
L,Rがそのままオーディオ信号L0 ,R0 として出力
される。 (2)モノラルモード モード設定信号Mによってモノラルモードが指定された
場合は、これに応じた制御回路6の制御により、スイッ
チ群2a,2b,2c,2dは、全てオン状態になる。
また、ビットシフター4a,4bはビットシフトを行う
状態になる(図6の表におけるモノラルモードの行を参
照)。
【0006】このような制御状態の下では、入力端子群
1a,1 bを介して入力されたデジタルオーディオ信号
L,Rは、共に、オン状態のスイッチ群2a,2b,2
c,2dを介して加算器3a,3bの双方に入力され
る。そして、加算器3a,3bの双方から、デジタルオ
ーディオ信号L,Rの和(L+R)が出力される。さら
に、この値(L+R)が、1ビット右シフト動作を行う
ビットシフター4a,4bを介して2分の1の値((L
+R)/2)にされ、この加算平均値((L+R)/
2)がオーディオ信号L0 ,R0 双方の値とされる。そ
こで、出力端子群5a,5bには、共に、デジタルオー
ディオ信号L,Rが等分の混合比でミキシングされて生
成された信号((L+R)/2)が、オーディオ信号L
0 ,R0 として出力される。 (3)ステレオ反転モード モード設定信号Mによってステレオ反転モードが指定さ
れた場合には、これに応じた制御回路6の制御により、
スイッチ群2aはオフ状態に、スイッチ群2bはオン状
態に、スイッチ群2cはオン状態に、スイッチ群2dは
オフ状態になる。また、ビットシフター4a,4bはビ
ットシフトを行わない状態になる(図6の表におけるス
テレオ反転モードの行を参照)。
【0007】このような制御状態の下では、入力端子群
1aを介して入力されたデジタルオーディオ信号Lは、
オン状態のスイッチ群2cを介して加算器3bの一方の
入力とされる。また、入力端子群1 bを介して入力され
たデジタルオーディオ信号Rは、オン状態のスイッチ群
2bを介して加算器3aの一方の入力とされる。そし
て、加算器3a,3bではオフ状態のスイッチ群2a,
2d側の入力である他方の入力の値を“0”として演算
が行われ、オーディオ信号Lの値はそのまま加算器3b
から出力される一方、オーディオ信号Rの値はそのまま
加算器3aから出力される。さらに、これらの値がその
まま、シフト動作を行わないビットシフター4a,4b
を介して、それぞれオーディオ信号L0 ,R0 の値とさ
れる。そこで、出力端子群5aにはデジタルオーディオ
信号Rがそのままオーディオ信号L 0 として出力される
とともに、出力端子群5bにはデジタルオーディオ信号
Lがそのままオーディオ信号R0 として出力される。す
なわち、左右のオーディオ信号が反転して出力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このようなオーディオ信号ミキシング装置では、モード
設定信号によって外部から設定されるミキシングモード
が変更されると、このモード変更が設定モードに応じて
上述の如くスイッチ群などの切り換え制御によって行わ
れることから、各出力端子を介する出力が新たな設定モ
ードに応じた新たな状態に即座に切り換わてしまう。こ
のため、かかるモード変更の際に、モード変更の前後に
おける出力信号の連続性が、確保されない。そして、モ
ード変更の前後における出力信号の値の差がある程度以
上大きい場合には、出力信号におけるこの不連続部分
が、聴感上不快なスイッチングノイズとして感じ取られ
ることがある。
【0009】これに対し、かかるミキシングモード変更
時のスイッチングノイズの発生を抑えるための対策とし
て、オーディオ信号の入力側あるいは出力側にミュート
回路を設け(図7におけるスイッチ群7a,7b等参
照)、ミキシングモード変更の際にはこのミュート回路
によって一時的に消音状態を確保した上でモード変更を
行うことも、従来試みられていた。しかし、この方法で
は、上述のスイッチングノイズの発生を抑制することは
できても、音声等の音響の出力が一旦途切れてしまうこ
ととなる。
【0010】いずれにしても、ミキシングモード変更時
などのオーディオ信号の混合比が急変する際に、上述の
如くスイッチングノイズが発生したり、あるいは音声等
が途切れたりするのは、音響出力の連続性を妨げるので
聴感上好ましくない。この発明は、上記従来技術におけ
る未解決の課題に着目してなされたものであり、聴感上
不快なスイッチングノイズを発生することなく、かつ、
音声等の音響出力を途切れさせることもなく、ミキシン
グモード変更などによってオーディオ信号の混合比を変
化させることができるオーディオ信号ミキシング装置を
提供することを目的とする。また、この発明は、かかる
オーディオ信号ミキシング装置の容易な実現を図ること
をも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係るオーディオ信号ミキシング装
置は、図1(a)に示す如く、受けた第1のオーディオ
信号(L)と第2のオーディオ信号(R)とを所定の混
合比で混合することにより第3のオーディオ信号
(L0 )を生成して出力するオーディオ信号ミキシング
装置において、前記混合比を与えられて前記混合比に応
じた第1の混合係数(x)と第2の混合係数(y)とを
生成して出力する混合係数生成手段(101)と、前記
第1のオーディオ信号(L)と前記第1の混合係数
(x)とを入力しこれらの入力値の積を出力する第1の
乗算手段(102)と、前記第2のオーディオ信号
(R)と前記第2の混合係数(y)とを入力しこれらの
入力値の積を出力する第2の乗算手段(103)と、前
記第1の乗算手段の出力(Lx)と前記第2の乗算手段
の出力(Ry)とを入力しこれらの入力値の和を前記第
3のオーディオ信号(L0 )の値として出力する加算手
段(104)とを備え、前記混合係数生成手段(10
1)は、第1の目標係数及び第2の目標係数により前記
混合比を与えられ、前記第1の目標係数を第1の制御目
標とし自己の出力する第1の制御出力の変化率を所定の
範囲内に制限しつつ前記第1の制御出力を前記第1の制
御目標に追従させ前記第1の制御出力を前記第1の混合
係数として出力する第1の追従制御手段と、前記第2の
目標係数を第2の制御目標とし自己の出力する第2の制
御出力の変化率を所定の範囲内に制限しつつ前記第2の
制御出力を前記第2の制御目標に追従させ前記第2の制
御出力を前記第2の混合係数として出力する第2の追従
制御手段とを有するものである。
【0012】なお、ここでいうオーディオ信号ミキシン
グ装置は、ミキシング機能だけの単機能の装置に限ら
ず、コンパクトディスクプレーヤーなどのオーディオ装
置であってさらにミキシング機能をも備えた多機能の装
置をも意味する。そして、上記第1,第2のオーディオ
信号は、外部入力として受けた複数のオーディオ信号に
限らず、オーディオ信号ミキシング装置内部で再生等に
よって発生した複数のオーディオ信号を内部で受けたも
のであってもよい。また、オーディオ信号ミキシング装
置が3以上の多数のオーディオ信号をミキシングするも
のであって、上記第1,第2のオーディオ信号がその多
数のオーディオ信号の一部である場合を除外するもので
もない。さらに、ここでいう混合係数の変化率とは、混
合係数を時間で微分又は差分等して得られる値をいい、
その所定の範囲は、最終的な音響出力の変化が聴感上不
快なスイッチングノイズとして感じ取られないような変
化率の範囲として測定実験の結果等に基づいて定められ
る。
【0013】
【0014】上記目的を達成するために、請求項の発
明に係るオーディオ信号ミキシング装置は、図1(
に示す如く、受けた第1のオーディオ信号(L)と第2
のオーディオ信号(R)とを所定の混合比で混合するこ
とにより第3のオーディオ信号(L 0 )を生成して出力
するオーディオ信号ミキシング装置において、前記混合
比を与えられて前記混合比に応じた第1の混合係数
(x)と第2の混合係数(y)とを生成して出力する混
合係数生成手段と、前記第1のオーディオ信号(L)と
前記第1の混合係数(x)とを入力しこれらの入力値の
積を出力する第1の乗算手段と、前記第2のオーディオ
信号(R)と前記第2の混合係数(y)とを入力しこれ
らの入力値の積を出力する第2の乗算手段と、前記第1
の乗算手段の出力(Lx)と前記第2の乗算手段の出力
(Ry)とを入力しこれらの入力値の和を前記第3のオ
ーディオ信号(L 0 )の値として出力する加算手段とを
備え、前記混合係数生成手段は、目標係数により前記混
合比を与えられ、前記目標係数を制御目標とし自己の制
御出力の変化率を所定の範囲内に制限しつつ前記制御出
力を前記制御目標に追従させ前記制御出力を前記第1の
混合係数として出力する追従制御手段と、前記追従制御
手段の前記制御出力を入力としこの入力を前記混合比に
基づく前記第1の混合係数と前記第2の混合係数との既
定の関係に従って変換することにより前記第2の混合係
数を生成する混合係数変換手段とを有するものである。
ここで、第1の混合係数と第2の混合係数との既定の関
係とは、オーディオ信号ミキシング装置が2つの第1,
第2のオーディオ信号だけをミキシングするものである
ときは、第1の混合係数と第2の混合係数の和が、第3
のオーディオ信号の出力レベルに対応した一定値、例え
ば“1”になるという関係をいう。また、オーディオ信
号ミキシング装置が3以上の多数のオーディオ信号をミ
キシングするものであるときは、第1の混合係数と第2
の混合係数を含むこれら多数のオーディオ信号について
の混合係数の和が、やはり第3のオーディオ信号の出力
レベルに対応した一定値、例えば“1”になるという関
係をいう。
【0015】上記目的を達成するために、請求項の発
明に係るオーディオ信号ミキシング装置は、図1(
に示す如く、受けた第1のオーディオ信号(L)と第2
のオーディオ信号(R)とを所定の混合比で混合するこ
とにより第3のオーディオ信号(L 0 )を生成して出力
するオーディオ信号ミキシング装置において、前記混合
比を与えられて前記混合比に応じた第1の混合係数
(x)と第2の混合係数(y)とを生成して出力する混
合係数生成手段と、前記第1のオーディオ信号(L)と
前記第1の混合係数(x)とを入力しこれらの入力値の
積を出力する第1の乗算手段と、前記第2のオーディオ
信号(R)と前記第2の混合係数(y)とを入力しこれ
らの入力値の積を出力する第2の乗算手段と、前記第1
の乗算手段の出力(Lx)と前記第2の乗算手段の出力
(Ry)とを入力しこれらの入力値の和を前記第3のオ
ーディオ信号(L 0 )の値として出力する加算手段とを
備え、前記混合係数生成手段は、目標係数により前記混
合比を与えられ、前記目標係数を制御目標とし自己の制
御出力の変化率を所定の範囲内に制限しつつ前記制御出
力を前記制御目標に追従させ前記制御出力を前記第1の
混合係数及び前記第2の混合係数として出力する追従制
御手段と、前記第2の乗算手段と前記加算手段との間に
介挿されて前記加算手段に入力される前記第2の乗算手
段の出力に対し前記混合比に基づく前記第1の混合係数
と前記第2の混合係数との既定の関係に従う演算を行う
演算手段とを有するものである。なお、ここでいう既定
の関係は、請求項の発明に係るオーディオ信号ミキシ
ング装置について述べた関係と同様である。
【0016】上記目的を達成するために、請求項の発
明に係るオーディオ信号ミキシング装置は、図1(
に図示する如く、請求項乃至請求項の何れかに記載
のオーディオ信号ミキシング装置であって、前記混合係
数生成手段は、ミキシングモードを選択的に設定するた
めのモード設定信号を受け、前記モード設定信号に応じ
て前記目標係数の値を選択的に切り換えて設定すること
により、前記ミキシングモードに対応した前記混合比が
与えられる目標係数設定手段を有するものである。
【0017】上記目的を達成するために、請求項の発
明に係るオーディオ信号ミキシング装置は、図1(d)
に示す如く、請求項乃至請求項の何れかに記載のオ
ーディオ信号ミキシング装置であって、前記追従制御手
段は、前記目標係数と前記制御出力とを入力としこれら
の入力値の大小を比較して比較結果を出力する比較手段
と、前記比較手段の出力を受け、前記比較手段の比較結
果に応じて、前記制御出力が前記目標係数を上回ってい
るときは前記所定の範囲に基づく所定の変化量率で積分
量を減少させ、前記制御出力が前記目標係数に一致して
いるときは前記積分量をそのまま維持し、前記制御出力
が前記目標係数を下回っているときは前記所定の範囲に
基づく前記所定の変化量率で前記積分量を増加させ、前
記積分量に対応して決まる値を前記制御出力の値とする
積分手段とを有する。
【0018】上記目的を達成するために、請求項の発
明に係るオーディオ信号ミキシング装置は、請求項
載のオーディオ信号ミキシング装置であって、前記積分
手段は、アップダウンカウントの可能な計数手段を有
し、前記計数手段のカウント値が前記積分量及び前記制
御出力の値とされ、前記カウント値のアップダウン制御
が前記比較手段の比較結果に応じてなされることにより
前記所定の範囲に基づく前記所定の変化量率での前記積
分量の増減を行うものである。
【0019】
【0020】
【作用】 請求項記載の発明に係るオーディオ信号ミキ
シング装置にあっては、2つの目標係数の設定等によっ
て混合比が与えられるが、それぞれの目標係数に対して
個別の追従制御手段が設けられ、しかも各追従制御手段
により各目標係数に対し所定の範囲内の変化率で徐々に
追従するように第1,第2の混合係数それぞれが制御さ
れる。これにより、いずれの目標係数が急変した場合で
あっても、該当する混合係数は、所定の範囲内に制限さ
れた変化率を超えることなく、徐々に変化する。そこ
で、混合比の変化に応じて第1,第2の混合係数の少な
くとも一方が変化するときの変化率は所定の範囲内に制
限されることとなる。したがって、この発明によれば、
混合比が2つの目標係数の設定等によって与えられるオ
ーディオ信号ミキシング装置についても、聴感上不快な
スイッチングノイズを発生することなく、かつ、音声等
の音響出力を途切れさせることもなく、ミキシングモー
ド変更などによってオーディオ信号の混合比を変化させ
ることができる。
【0021】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、1つの目標係数の設定等に
よって混合比が与えられるが、この目標係数に対して追
従制御手段が設けられ、しかもこの追従制御手段により
目標係数に対して所定の範囲内の変化率で徐々に追従す
るように第1の混合係数が制御される。これにより、目
標係数が急変した場合であっても、第1の混合係数は、
所定の範囲内に制限された変化率を超えることなく、徐
々に変化する。そして、第2の混合係数は、この第1の
混合係数から既定の関係に従う変換によって生成される
ので、やはり目標係数が急変した場合であっても徐々に
変化する。そこで、混合比の変化に応じて第1,第2の
混合係数が変化するときの変化率は所定の範囲内に制限
されることとなる。したがって、この発明によれば、混
合比が1つの目標係数の設定等によって与えられるオ
ディオ信号ミキシング装置についても、聴感上不快なス
イッチングノイズを発生することなく、かつ、音声等の
音響出力を途切れさせることもなく、ミキシングモード
変更などによってオーディオ信号の混合比を変化させる
ことができる。
【0022】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、やはり混合比が1つの目標
係数の設定等によって与えられるが、この目標係数に対
して追従制御手段が設けられ、しかもこの追従制御手段
により目標係数に対して所定の範囲内の変化率で徐々に
追従するように制御出力が制御され、さらにこの制御出
力が第1,第2の混合係数の双方に用いられることか
ら、混合比の変化に応じて第1,第2の混合係数が変化
するときの変化率は所定の範囲内に制限されることとな
る。また、こうして徐々に変化するようにされた第2の
乗算手段の出力に対して演算手段により既定の関係に従
う演算を行うことから、第1,第2の乗算手段に入力さ
れる第1,第2の混合係数として同一の値を用いながら
も、目標係数により混合比が変えられるという機能を損
なうことはない。したがって、この発明によっても、混
合比が1つの目標係数の設定等によって与えられるオ
ディオ信号ミキシング装置について、聴感上不快なスイ
ッチングノイズを発生することなく、かつ、音声等の音
響出力を途切れさせることもなく、ミキシングモード変
更などによってオーディオ信号の混合比を変化させるこ
とができる。
【0023】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、モード設定信号によってミ
キシングモードが選択的に設定されることから、ミキシ
ング動作状態の設定に関して、ミキシングモードの選択
可能な従来のオーディオ信号ミキシング装置との互換性
が維持される。それでいて、オーディオ信号の実際の混
合比を定める第1,第2の混合係数を直接的に直ちにモ
ード設定信号に従って切り替えるのではなく、モード設
定信号によって先ず目標係数の値を切り替えて設定する
こととしたことにより、モード設定信号によって選択さ
れたミキシングモードに対応する混合比は、徐々に変化
する第1,第2の混合係数に基づいて、やはり徐々に変
化することとなる。したがって、この発明によれば、聴
感上不快なスイッチングノイズを発生することなく、か
つ、音声等の音響出力を途切れさせることもなく、ミキ
シングモードを切り替えることができる。
【0024】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、追従制御手段が上述の構成
の比較手段と積分手段とを有することから、フィードバ
ック制御により制御出力が目標係数に対し漸近して追従
する追従制御が行われて、制御出力ひいては混合係数が
徐々に変化する。しかも、かかる構成の下では積分手段
がローパスフィルタとして働くことから、追従制御手段
等をアナログ回路若しくはデジタル回路又はコンピュー
タプログラム処理によって具体化した場合に、この積分
手段の積分量に対する変化量率を設定や調整等すること
により、簡易かつ確実に第1,第2の混合係数の変化率
を所定の範囲内に制限することができる。したがって、
この発明によれば、聴感上不快なスイッチングノイズを
発生することなく、かつ、音声等の音響出力を途切れさ
せることもなく、ミキシングモード変更などによってオ
ーディオ信号の混合比を変化させることができるオーデ
ィオ信号ミキシング装置を実現することが容易になる。
【0025】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、カウント値のアップダウン
制御に基づいて所定の変化量率での積分量の増減を行う
ことから、オーディオ信号がデジタル信号である場合
に、殊にこの場合に対応して積分手段等をデジタル回路
又はコンピュータプログラム処理によって具体化すると
きに、カウンタ回路やソフトウェアカウンタを用いるこ
とにより、簡易かつ確実に第1,第2の混合係数の変化
率を所定の範囲内に制限することができる。したがっ
て、この発明によれば、聴感上不快なスイッチングノイ
ズを発生することなく、かつ、音声等の音響出力を途切
れさせることもなく、ミキシングモード変更などによっ
てオーディオ信号の混合比を変化させることができるデ
ジタルオーディオ信号ミキシング装置を実現することが
容易になる。
【0026】
【実施例】図2に、この発明のオーディオ信号ミキシン
グ装置の第1の実施例について、その回路ブロック図を
示す。このミキシング装置は、従来例において示したミ
キシング装置と同様の機能を有するものである。すなわ
ち、ステレオモード、モノラルモード、ステレオ反転モ
ードなどのミキシングモードをモード設定信号Mにより
選択して切り換えることが可能なものであり、左右2チ
ャンネルのデジタルオーディオ信号L,Rを入力として
ミキシングモードに応じた割合で混合することにより左
右2チャンネルのデジタルオーディオ信号L0 ,R0
生成して出力する装置である。もっとも、その性能と構
成については改良がなされている。すなわち、その回路
構成等を一部変更することにより、聴感上不快なスイッ
チングノイズを発生することなく、かつ、音声等の音響
出力を途切れさせることもなく、ミキシングモードを切
り替えることができるように性能が改善されている。
【0027】先ず、図1を参照しながらこの第1の実施
例についてその構成を明らかにするが、従来例における
構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明す
る。図中、1a,1 bはそれぞれDnビット(例えば1
6ビット)のオーディオ信号L,Rを受ける入力端子
群、1cはモード設定信号Mを受ける入力端子群、20
a〜20dはオーディオ信号L,Rの何れかと混合係数
x,yの何れかとの積を算出する乗算器、21b,21
cはそれぞれオーディオ信号L,Rから乗算器20b,
20cの出力を減ずる減算器、3a,3bは乗算器20
a〜20dの出力を2つずつ加算する加算器、5a,5
bは加算器3a,3bから出力されたオーディオ信号L
0 ,R0 を出力するための出力端子群、60は混合係数
x,yを生成する混合係数生成回路である。なお、オー
ディオ信号L,R,L0 ,R0 がDnビットのデジタル
信号であることに対応して、入力端子群1a,1 bおよ
び出力端子群5a,5bは、それぞれがDn個の端子か
らなる。
【0028】この実施例のミキシング装置は、この発明
を一部重複する形で2度実施することにより具現化され
ている。具体的には、外部から入力端子群1aを介して
第1のオーディオ信号としてのオーディオ信号Lを受
け、外部から入力端子群1bを介して第2のオーディオ
信号としてのオーディオ信号Rを受け、外部から入力端
子群1cを介してモード設定信号Mを受け、混合係数生
成手段としての混合係数生成回路60はモード設定信号
Mを受けこのモード設定信号Mに応じた値の混合係数
x,yを生成して出力し、第1の乗算手段としての乗算
器20aはオーディオ信号Lと混合係数xとを受けてこ
れらの積を出力し、第2の乗算手段としての乗算器20
bはオーディオ信号Rと混合係数xとを受けてこれらの
積を出力し、この乗算の出力と加算手段の入力との間に
介挿される演算手段としての減算器21bはオーディオ
信号Rと乗算器20bの出力とを受けてこれらの差を出
力し、加算手段としての加算器3aは乗算器20aの出
力と減算器21bの出力とを受けてこれらの和を出力
し、この加算器3aの出力を第3のオーディオ信号とし
てのオーディオ信号L0 とし、オーディオ信号L0 を出
力端子群5aを介して外部へ出力する。このような部分
の回路等によって、この発明のミキシング装置が1つ構
成される。
【0029】さらに、次のような部分の回路等によって
も、この発明のミキシング装置がもう1つ構成される。
すなわち、第1のオーディオ信号としてオーディオ信号
Lを共用し、第2のオーディオ信号としてオーディオ信
号Rを共用し、混合係数生成手段として混合係数生成回
路60を共用するとともに、第1の乗算手段としての乗
算器20dはオーディオ信号Rと混合係数yとを受けて
これらの積を出力し、第2の乗算手段としての乗算器2
0cはオーディオ信号Lと混合係数yとを受けてこれら
の積を出力し、この乗算の出力と加算手段の入力との間
に介挿される演算手段としての減算器21cはオーディ
オ信号Lと乗算器20cの出力とを受けてこれらの差を
出力し、加算手段としての加算器3bは乗算器20dの
出力と減算器21cの出力とを受けてこれらの和を出力
し、この加算器3bの出力を第3のオーディオ信号とし
てのオーディオ信号R0 とし、オーディオ信号R0 を出
力端子群5bを介して外部へ出力する。このようにこの
発明を2度実施することにより、この第1の実施例のミ
キシング装置では、ミキシングされたオーディオ信号の
ステレオ信号出力が生成される。
【0030】各回路の構成を詳述すると、混合係数生成
回路60は、モード設定信号Mに応じた目標係数X0
び目標係数Y0 を生成して出力する目標係数設定手段と
しての目標係数設定回路61と、目標係数X0 を制御目
標として追従制御を行って自己の制御出力を混合係数x
として出力する追従制御手段としてのフィードバック制
御回路64aと、目標係数Y0 を制御目標として追従制
御を行って自己の制御出力を混合係数yとして出力する
追従制御手段としてのフィードバック制御回路64bと
から構成される。さらに、フィードバック制御回路64
aは、比較手段としてのデジタルコンパレータ62a
と、積分手段及び計数手段としての例えばN+1ビット
アップダウンカウンタ63aとからなる。同様に、フィ
ードバック制御回路64bも、比較手段としてのデジタ
ルコンパレータ62bと、積分手段及び計数手段として
のやはりN+1ビットアップダウンカウンタ63bとか
らなる。ここで、Nは適宜選択できるが、聴感上違和感
の少ない音圧変化が得られる10ビット程度が好適であ
る。
【0031】目標係数設定回路61は、例えば、2ビッ
トでエンコードされたデジタル値のモード設定信号Mを
制御入力とし目標係数X0 の値として各モードに対応し
て既定のそれぞれのデジタル値を信号入力としこれらの
入力の中から制御入力によって選択されたデジタル値を
目標係数X0 として出力するセレクタと、やはりモード
設定信号Mを制御入力とし目標係数Y0 の値として各モ
ードに対応して既定されたそれぞれのデジタル値を信号
入力としこれらの入力の中から制御入力によって選択さ
れたデジタル値を目標係数Y0 として出力するセレクタ
とで構成される。これにより、モード設定信号Mに応じ
て、目標係数X0 ,Y0 の値を選択的に切り換えて設定
することができて、ミキシングモードを選択することが
できる。なお、各ミキシングモードに対応する目標係数
0 ,Y0 の具体的な値は、例えば図3(a)に示す如
く、ステレオモードのとき共に“2N ”となり、モノラ
ルモードのとき共に“2N-1 ”となり、ステレオ反転モ
ードのとき共に“0”となる。このように、目標係数X
0 ,Y0 の値として“0”と“2N ”以外の“2N- 1
も設定可能とすることにより、従来例において必要とさ
れていたビットシフターは不要となった。なお、目標係
数X0,0 の最大値は、“2N ”としている。
【0032】デジタルコンパレータ62aは、目標係数
設定回路61からの目標係数X0 とカウンタ63aの制
御出力すなわち混合係数xとを入力とし、これらの入力
値の大小を比較し、この比較結果に応じた値のUP信号
及びDOWN信号を出力する。具体的には、制御出力
(x)が目標係数X0 を上回っているときは、UP信号
の値を“L”(ローレベル)とし、DOWN信号の値を
有意の“H”(ハイレベル)とする。また、制御出力
(x)が目標係数X0 に一致しているときは、UP信号
及びDOWN信号の値を共に“L”とする。さらに、制
御出力(x)が目標係数X0 を下回っているときは、U
P信号の値を有意の“H”とし、DOWN信号の値を
“L”とする。
【0033】カウンタ63aは、クロック同期式アップ
ダウンカウンタであり、カウントアップの制御入力とし
てデジタルコンパレータ62aからのUP信号を受け、
カウントダウンの制御入力としてデジタルコンパレータ
62aからのDOWN信号を受け、クロック入力として
周波数fsのパルス信号を受ける。ここで、周波数fs
は、オーディオ信号L,Rがデジタル化されたときのデ
ータサンプリング周波数である。かかるカウンタ63a
は、UP信号が有意の“H”のとき、時間(1/fs)
の経過毎にカウント値を1インクリメント(+1)する
一方、DOWN信号が有意の“H”のとき、時間(1/
fs)の経過毎にカウント値を1デクリメント(−1)
する。そこで、カウンタ63aは、例えばN+1ビット
のカウンタとすれば、N+1ビットのカウント値をデジ
タルの積分量とする積分手段として機能し、そのカウン
ト値の変化量率は単位時間当たり一定値±fsとなる。
【0034】そして、このカウント値が混合係数xとし
て乗算器20a等に出力されるが、後述の如く実効上の
混合割合はカウント値の(1/2N )であるから、カウ
ント値が一定の変化量率fsで変化したときの混合係数
xの最大変化率は一定値(±fs/2N )となる。これ
が、混合係数xの変化率を制限すべき所定の範囲につい
ての変化率の限界値となる。したがって、カウンタ63
aとして、例えばN+2ビット,N+3ビットとさらに
ビット数の多いカウンタを採用すれば、混合係数xの最
大変化率は、一定値(±fs/2N+1 ),(±fs/2
N+2 )と小さくなるので、カウンタ63aのビット数を
変えることでカウント値の変化量率と混合係数の変化率
との対応を適宜調整することが可能である。さらに、こ
のようなデジタルコンパレータ62aとカウンタ63a
とからなる簡易な回路により容易にフィードバック制御
回路64aを構成しうるが、フィードバック制御回路6
4aでは、制御出力(x)が目標係数X0 を上回ってい
るときは制御出力(x)が目標係数X0 に一致するまで
DOWN信号の値が有意の“H”とされて一定の変化量
率fsで徐々にカウント値が減少し、制御出力(x)が
目標係数X0 を下回っているときは制御出力(x)が目
標係数X0 に一致するまでUP信号の値が有意の“H”
とされて一定の変化量率fsで徐々にカウント値が増加
する。これにより、目標係数X0 を制御目標とする追従
制御が行われて、自己の制御出力(x)の変化率を所定
の範囲内(±fs/2N )に制限しつつ徐々に、制御出
力(x)を制御目標(X0 )に追従させることができ
る。なお、フィードバック制御回路64bは、繰り返し
となる説明は割愛するが、フィードバック制御回路64
aと同様にして、目標係数Y0 を制御目標とする追従制
御が行われる。
【0035】乗算器20aは、Dnビットのオーディオ
信号LとN+1ビットの混合係数Xとを入力として、両
者の積(L×X)を算出し、加算器3aに出力する。前
述したように混合係数Xの最大値を“2N ”に設定すれ
ば、乗算の係数は1以下となるためMSBは常に“0”
となる。従って、キャリービットのMSBを除いて上位
Dnビットを加算器3aに出力している。そして、Dn
+N+1ビットの積(L×x)のうち下位Nビットを無
視することにより、特別な回路等を設けるまでもなく出
力値が(1/2N )倍される。そこで、加算器3aに入
力される乗算器20aの出力は、実効的には上述したよ
うに(L×(x/2N ))となる。
【0036】他の乗算器20b,20c,20dも同様
の構成であり、それぞれ、乗算器20bはオーディオ信
号Rと混合係数xとを入力して(R×(x/2N ))を
出力し、乗算器20cはオーディオ信号Lと混合係数y
とを入力して(L×(y/2 N ))を出力し、乗算器2
0dはオーディオ信号Rと混合係数yとを入力して(R
×(y/2N ))を出力する。
【0037】減算器21bは、例えば、乗算器20bの
出力(R×(x/2N ))を入力とするDnビットの補
数器と、この補数器の出力とオーディオ信号Rとを入力
とするDnビットの加算器との組み合わせにより構成さ
れる。オーディオ信号の入出力間での信号レベルを一定
に維持するという一般的な装置仕様に基づいて、オーデ
ィオ信号Lに対する混合係数xとオーディオ信号Rに対
する混合係数x’との間に和(x+x’)が一定値2N
になるという既定の関係があるからである。なお、この
関係は、N+1ビットの混合係数xの最上位ビットの次
に小数点があるものと見なすだけで、回路構成等の変更
を何ら伴うことなく、混合係数xと混合係数x’との和
(x+x’)が一定値“1”になるという通常の関係と
同一視できる。そこで、減算器21bは、Dnビットの
(R×(1−(x/2N )))を算出し、これを加算器
3aに出力する。
【0038】減算器21cも、減算器21bと同様の構
成であり、乗算器20cの出力(L×(y/2N ))か
らDnビットの(L×(1−(y/2N )))を算出
し、これを加算器3bに出力する。加算器3aは、例え
ばDnビットの2入力とDnビットの1出力とを有する
デジタルフルアダーであり、乗算器20aの出力(L×
(x/2N ))を一方の入力とし、減算器21bの出力
(R×(1−(x/2N )))を他方の入力として、こ
れらの入力の和を算出し、出力端子群5aに出力する。
そこで、この加算器3aにより、実効的には、乗算器2
0aの出力と減算器21bの出力との加算平均処理が行
われる。これにより、乗算器20aの出力と減算器21
bの出力との加算平均値を値とするDnビットのデジタ
ルオーディオ信号L0 が、出力端子群5aから出力され
る。
【0039】加算器3bも、加算器3aと同様の構成で
あり、乗算器20dの出力と減算器21cの出力とから
これらの加算平均値を算出して、その上位Nビットを出
力端子群5bに出力する。これにより、Dnビットのデ
ジタルオーディオ信号R0 が、出力端子群5bから出力
される。かかる構成のこの発明の第1の実施例のミキシ
ング装置について、図3の表等を参照しつつ、その動作
を説明する。図3において、(a)は、モード設定信号
Mによって外部から設定される各ミキシングモードと、
これに対応する目標係数X0 ,Y0 と、定常状態でのオ
ーディオ信号L0 ,R0 の成分との対応表である。ま
た、(b),(c)は、それぞれオーディオ信号L0
0 について、ミキシング装置のミキシングモードがス
テレオモードからモノラルモードに遷移しさらにステレ
オ反転モードに遷移したときの成分比率の変化状態を時
間経過に沿って示した図である。
【0040】先ず、ステレオモードで安定している状態
のときには(時刻t0部分参照)、混合係数生成回路6
0では、目標係数設定回路61により目標係数X0 ,Y
0 が共に値“2N ”に設定されており(図3(a)にお
けるステレオモードの行を参照)、さらに追従制御完了
状態のフィードバック制御回路64a,64bによって
混合係数x,yも共に値“2N ”に制御されている。そ
して、混合係数xが値“2N ”であることから、乗算器
20aの出力は(L×(x/2N ))のxに値“2N
を代入して(L)となり、同様に乗算器20bの出力は
(R)となり、減算器21bの出力は“0”となる。そ
こで、加算器3aから出力されるオーディオ信号L0
成分はオーディオ信号Lと一致する。また、混合係数y
が値“2 N ”であることから、乗算器20dの出力は
(R)となり、乗算器20cの出力は(L)となり、減
算器21cの出力は“0”となる。そこで、加算器3b
から出力されるオーディオ信号R0 の成分はオーディオ
信号Rと一致する(図3(a)におけるステレオモード
の行を参照)。
【0041】次に、モード設定信号Mの値が切り替わっ
て、ミキシングモードがステレオモードからモノラルモ
ードに切り替えられると(時刻t1部分参照)、目標係
数X 0 ,Y0 が共に値“2N-1 ”に設定される(図3
(a)におけるモノラルモードの行を参照)。ただし、
この時点では未だ混合係数x,yは共に値“2N ”のま
まである。この状態から、混合係数x,yは共に、フィ
ードバック制御回路64aにより、(1/fs)の時間
が経過するごとに、値“2N −1”,“2N −2”と
“1”づつ漸減させられる。そこで、オーディオ信号L
0 に占めるオーディオ信号Lの割合が“1”から漸減す
る一方、オーディオ信号L0 に占めるオーディオ信号R
の割合は“0”から漸増する。また、オーディオ信号R
0 に占めるオーディオ信号Rの割合が“1”から漸減す
る一方、オーディオ信号R0 に占めるオーディオ信号L
の割合は“0”から漸増する(時刻t1から時刻t2に
至る部分参照)。そして、(2N-1 /fs)の遷移時間
が経過した時点で(時刻t2部分参照)、混合係数x,
yは、共に、値“2N-1 ”に達して目標係数X0 ,Y0
に一致し、増減しなくなる。そこで、オーディオ信号L
0 ,R0 に占めるオーディオ信号L,Rの割合は共に
“0.5”で安定して(時刻t2から時刻t3に至る部
分参照)、モノラルモードの定常状態となる(図3
(a)におけるモノラルモードの行を参照)。
【0042】これに次いで、モード設定信号Mの値が切
り替わって、ミキシングモードがモノラルモードからス
テレオ反転モードに切り替えられると(時刻t3部分参
照)、目標係数X0 ,Y0 が共に値“0”に設定される
(図3(a)におけるステレオ反転モードの行を参
照)。すると、混合係数x,yは共に、値“2N-1 ”の
状態から、フィードバック制御回路64aにより、(1
/fs)の時間が経過するごとに、値“2N-1 −1”,
“2N-1 −2”と“1”づつ漸減させられる。そこで、
オーディオ信号L0 に占めるオーディオ信号Lの割合が
“0.5”から漸減する一方、オーディオ信号L0 に占
めるオーディオ信号Rの割合は“0.5”から漸増す
る。また、オーディオ信号R0 に占めるオーディオ信号
Rの割合が“0.5”から漸減する一方、オーディオ信
号R0 に占めるオーディオ信号Lの割合は“0.5”か
ら漸増する(時刻t3から時刻t4に至る部分参照)。
そして、やはり(2N-1 /fs)の遷移時間が経過した
時点で、混合係数x,yは、共に値“0”に達して目標
係数X0 ,Y0 に一致し、それ以上は増減しなくなる。
そこで、オーディオ信号L0 に占めるオーディオ信号
L,Rの割合はそれぞれ“0”,“1”で安定し、オー
ディオ信号R0 に占めるオーディオ信号L,Rの割合は
それぞれ“1”,“0”で安定して(時刻t4以降の部
分参照)、ステレオ反転モードの定常状態となる(図3
(a)におけるステレオ反転モードの行を参照)。
【0043】また、図示は割愛したが、この後さらに、
モード設定信号Mの値が切り替わって、ミキシングモー
ドがステレオ反転モードからステレオモードに切り替え
られると、目標係数X0 ,Y0 が共に再び値“2N ”に
設定される(図3(a)におけるステレオ反転モードの
行を参照)。すると、混合係数x,yは共に、フィード
バック制御回路64aにより、(1/fs)の時間が経
過するごとに、値“0”の状態から値“1”,“2”と
“1”づつ漸増させられる。そこで、オーディオ信号L
0 に占めるオーディオ信号Lの割合は“0”から漸増す
る一方、オーディオ信号L0 に占めるオーディオ信号R
の割合は“1”から漸減する。また、オーディオ信号R
0 に占めるオーディオ信号Rの割合は“0”から漸増す
る一方、オーディオ信号R0 に占めるオーディオ信号L
の割合は“1”から漸減する。そして、(2N /fs)
の遷移時間が経過した時点で、混合係数x,yは、共に
値“2N ”に達して目標係数X0 ,Y0 に一致し、それ
以上は増減しなくなる。そこで、オーディオ信号L0
占めるオーディオ信号L,Rの割合はそれぞれ“1”,
“0”で、オーディオ信号R0 に占めるオーディオ信号
L,Rの割合はそれぞれ“0”,“1”で安定して、ス
テレオモードの定常状態となる(図3(a)におけるス
テレオモードの行を参照)。
【0044】以上の動作説明より明らかなように、この
発明のミキシング装置の第1の実施例にあっては、2チ
ャンネルのステレオデジタルオーディオ信号についてオ
ーディオ信号のミキシングを行うに際し、ミキシングモ
ードが瞬時に切り替えられた場合でも、2チャンネル何
れのオーディオ信号出力に対しても、オーディオ信号の
混合成分の割合が、一定の変化率1/(2N ×fs)で
徐々に漸近的に切り替わる。したがって、聴感上不快な
スイッチングノイズを発生することなく、かつ、音声等
の音響出力を途切れさせることもなく、ミキシングモー
ド切り替えによって、2チャンネルのステレオデジタル
オーディオ信号の混合比を変化させることができる。
【0045】さらに、この実施例の構成によれば、目標
係数X0 ,Y0 を任意の値に個別に設定することが可能
であるから、図3(a)に示されたモードでの混合比以
外の任意の混合比で個別にオーディオ信号L0 ,R0
生成することが、目標係数X 0 ,Y0 を適宜設定するこ
とで容易に行える。また、カウンタ63aの構成の説明
時に述べたことの再確認になるが、カウンタ63aのビ
ット数がN+1のとき(2N /fs)等である遷移時間
は、カウンタ63aのビット数がN+2のときは(2
N+1 /fs)等となり、カウンタ63aのビット数がN
+3のときは(2 N+2 /fs)等となり、このビット数
を1増やすごとに混合係数の変化率が半減するから、ス
イッチングノイズの発生を抑え得るように制限すべき混
合係数の変化率の範囲が実験等により確定すれば、この
適切な範囲内に混合係数の変化率を制限することが、カ
ウンタ63aのビット数を調整することで容易に実現可
能である。さらに、カウンタ63a,63bにサインビ
ットを設けるとともに、乗算器20a〜20dを符号付
き演算可能なものに拡張することにより、混合比として
負の混合割合をも含むものを想定可能となり、例えば
(L−R)や(R−L)など、入力オーディオ信号L,
Rの差信号を出力オーディオ信号L0 ,R0 として得る
こともできる。
【0046】この発明のオーディオ信号ミキシング装置
の第2の実施例について説明する。図4は、その回路の
ブロック図である。この第2の実施例のミキシング装置
は、上述した第1の実施例のミキシング装置と同じく3
つのミキシングモードに対応したミキシング機能を発揮
するものであるが、第1の実施例のミキシング装置にお
いては何れのミキシングモードでも目標係数X0 ,Y0
の値が一致していることに着目して回路構成の簡素化を
図ったものである。
【0047】そこで、第1の実施例との相違点のみを述
べると、先ず混合係数生成回路65については、目標係
数設定回路61が目標係数X0 を生成して出力するだけ
のものであり、フィードバック制御回路64bが除去さ
れて、混合係数yに代えた出力として混合係数xが共用
されている。さらに、混合係数xが共用されたので、乗
算器についても、乗算器20bと乗算器20dの出力値
が同じであることから乗算器20bの出力に代えて乗算
器20dの出力を減算器21bの入力とすることで乗算
器20bが除去されるとともに、乗算器20aと乗算器
20cの出力値が同じであることから乗算器20cの出
力に代えて乗算器20aの出力を減算器21cの入力と
することで乗算器20cが除去されている。
【0048】このような構成の第2の実施例のミキシン
グ装置は、第1のオーディオ信号としてのオーディオ信
号Lと、第2のオーディオ信号としてのオーディオ信号
Rと、混合係数生成手段としての混合係数生成回路65
と、第1の乗算手段としての乗算器20aと、第2の乗
算手段としての乗算器20dと、第2の乗算手段の出力
と加算手段の入力との間に介挿される演算手段としての
減算器21bと、加算手段としての加算器3aと、第3
のオーディオ信号としてのオーディオ信号L0とによっ
てこの発明のミキシング装置が構成されるとともに、第
1のオーディオ信号としてのオーディオ信号Lと、第2
のオーディオ信号としてのオーディオ信号Rと、混合係
数生成手段としての混合係数生成回路65と、第1の乗
算手段としての乗算器20dと、第2の乗算手段として
の乗算器20aと、第2の乗算手段の出力と加算手段の
入力との間に介挿される演算手段としての減算器21c
と、加算手段としての加算器3bと、第3のオーディオ
信号としてのオーディオ信号R0 とによってもこの発明
のミキシング装置が構成される。このようにこの発明を
高い重複率で2度実施することにより、再度の詳細な説
明は割愛するが、第1の実施例のミキシング装置の機能
を維持しつつ回路構成の簡素化を実現している。
【0049】なお、以上の実施例では、各手段を個別の
デジタル回路によって具体化したが、乗算器20a〜2
0dによる乗算機能、減算器21b,20cによる減算
機能、加算器3a,3bによる加算機能、コンパレータ
62a,62bによる比較機能、カウンタ63a,63
bによる計数機能などの各種演算機能を所定の処理手順
で時分割処理可能な1つの数値演算論理回路(ALU)
によって行う構成を採ることによっても、各手段の具体
化が可能である。また、これらの各種演算機能をマイク
ロコンピュータのプログラム処理によって行う構成を採
ることによっても、可能である。
【0050】
【0051】
【発明の効果】 以上説明したように、 請求項記載の発
明に係るオーディオ信号ミキシング装置にあっては、2
つの目標係数の設定等によって混合比が与えられるが、
それぞれの目標係数に対して追従制御手段を設けること
により、聴感上不快なスイッチングノイズを発生するこ
となく、かつ、音声等の音響出力を途切れさせることも
なく、ミキシングモード変更などによってオーディオ信
号の混合比を変化させることができる。
【0052】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、1つの目標係数の設定等に
よって混合比が与えられるが、この目標係数に対して第
1の混合係数を徐々に追従させるとともに、第2の混合
係数をこの第1の混合係数から既定の関係に従う変換に
よって生成することにより、聴感上不快なスイッチング
ノイズを発生することなく、かつ、音声等の音響出力を
途切れさせることもなく、ミキシングモード変更などに
よってオーディオ信号の混合比を変化させることができ
る。
【0053】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、やはり混合比が1つの目標
係数の設定等によって与えられるが、この目標係数に対
して第1,第2の混合係数を徐々に追従させるととも
に、第2の乗算手段の出力に既定の関係に従う演算を行
うことにより、聴感上不快なスイッチングノイズを発生
することなく、かつ、音声等の音響出力を途切れさせる
こともなく、ミキシングモード変更などによってオーデ
ィオ信号の混合比を変化させることができる。
【0054】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、ミキシングモードの切り替
えが可能であるが、選択されたミキシングモードに対応
した混合比を徐々に変化させることにより、聴感上不快
なスイッチングノイズを発生することなく、かつ、音声
等の音響出力を途切れさせることもなく、ミキシングモ
ードを切り替えることができる。
【0055】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、制御出力が目標係数に対し
漸近して追従する追従制御を行うとともに、積分手段の
積分量に対する変化量率を設定や調整等することによ
り、聴感上不快なスイッチングノイズを発生することな
く、かつ、音声等の音響出力を途切れさせることもな
く、ミキシングモード変更などによってオーディオ信号
の混合比を変化させることができるオーディオ信号ミキ
シング装置を実現することが容易になる。
【0056】請求項記載の発明に係るオーディオ信号
ミキシング装置にあっては、カウント値のアップダウン
制御に基づいて所定の変化量率での積分量の増減を行う
ことにより、聴感上不快なスイッチングノイズを発生す
ることなく、かつ、音声等の音響出力を途切れさせるこ
ともなく、ミキシングモード変更などによってデジタル
オーディオ信号の混合比を変化させることができるデジ
タルオーディオ信号ミキシング装置を実現することが容
易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図である。
【図2】この発明のオーディオ信号ミキシング装置の第
1の実施例について、その回路ブロック図である。
【図3】その動作状態を説明するための図表等である。
【図4】この発明のオーディオ信号ミキシング装置の第
2の実施例について、その回路ブロック図である。
【図5】従来のオーディオ信号ミキシング装置例につい
て、その回路ブロック図である。
【図6】その動作状態を説明するための図表である。
【図7】従来のオーディオ信号ミキシング装置例につい
て、ミュート回路を付加した回路のブロック図である。
【符号の説明】
1a,1 b 入力端子群 2a〜2d スイッチ群 3a,3b 加算器 4a,4b ビットシフター 5a,5b 出力端子群 6 制御回路 7a,7b スイッチ群 20a〜20d 乗算器 21b,21c 減算器 60 混合係数生成回路 61 目標係数設定回路 62a,62b コンパレータ 63a,63b アップダウンカウンタ 64a,64b フィードバック制御回路 65 混合係数生成回路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受けた第1のオーディオ信号と第2のオ
    ーディオ信号とを所定の混合比で混合することにより第
    3のオーディオ信号を生成して出力するオーディオ信号
    ミキシング装置において、前記混合比を与えられて前記
    混合比に応じた第1の混合係数と第2の混合係数とを生
    成して出力する混合係数生成手段と、前記第1のオーデ
    ィオ信号と前記第1の混合係数とを入力しこれらの入力
    値の積を出力する第1の乗算手段と、前記第2のオーデ
    ィオ信号と前記第2の混合係数とを入力しこれらの入力
    値の積を出力する第2の乗算手段と、前記第1の乗算手
    段の出力と前記第2の乗算手段の出力とを入力しこれら
    の入力値の和を前記第3のオーディオ信号の値として出
    力する加算手段とを備え、前記混合係数生成手段は、第1の目標係数及び第2の目
    標係数により前記混合比を与えられ、前記第1の目標係
    数を第1の制御目標とし自己の出力する第1の制御出力
    の変化率を所定の範囲内に制限しつつ前記第1の制御出
    力を前記第1の制御目標に追従させ前記第1の制御出力
    を前記第1の混合係数として出力する第1の追従制御手
    段と、前記第2の目標係数を第2の制御目標とし自己の
    出力する第2の制御出力の変化率を所定の範囲内に制限
    しつつ前記第2の制御出力を前記第2の制御目標に追従
    させ前記第2の制御出力を前記第2の混合係数として出
    力する第2の追従制御手段とを有 するものであることを
    特徴とするオーディオ信号ミキシング装置。
  2. 【請求項2】 受けた第1のオーディオ信号と第2のオ
    ーディオ信号とを所定の混合比で混合することにより第
    3のオーディオ信号を生成して出力するオーディオ信号
    ミキシング装置において、前記混合比を与えられて前記
    混合比に応じた第1の混合係数と第2の混合係数とを生
    成して出力する混合係数生成手段と、前記第1のオーデ
    ィオ信号と前記第1の混合係数とを入力しこれらの入力
    値の積を出力する第1の乗算手段と、前記第2のオーデ
    ィオ信号と前記第2の混合係数とを入力しこれらの入力
    値の積を出力する第2の乗算手段と、前記第1の乗算手
    段の出力と前記第2の乗算手段の出力とを入力しこれら
    の入力値の和を前記第3のオーディオ信号の値として出
    力する加算手段とを備え、 前記混合係数生成手段は、目標係数により前記混合比を
    与えられ、前記目標係数を制御目標とし自己の制御出力
    の変化率を所定の範囲内に制限しつつ前記制御出力を前
    記制御目標に追従させ前記制御出力を前記第1の混合係
    数として出力する追従制御手段と、前記追従制御手段の
    前記制御出力を入力としこの入力を前記混合比に基づく
    前記第1の混合係数と前記第2の混合係数との既定の関
    係に従って変換することにより前記第2の混合係数を生
    成する混合係数変換手段とを有するものであることを特
    徴とするオーディオ信号ミキシング装置。
  3. 【請求項3】 受けた第1のオーディオ信号と第2のオ
    ーディオ信号とを所定の混合比で混合することにより第
    3のオーディオ信号を生成して出力するオーディオ信号
    ミキシング装置において、前記混合比を与えられて前記
    混合比に応じた第1の混合係数と第2の混合係数とを生
    成して出力する混合係数生成手段と、前記第1のオーデ
    ィオ信号と前記第1の混合係数とを入力しこれらの入力
    値の積を出力する第1の乗算手段と、前記第2のオーデ
    ィオ信号と前記第2の混合係数とを入力しこれらの入力
    値の積を出力する第2の乗算手段と、前記第1の乗算手
    段の出力と前記第2の乗算手段の出力とを入力しこれら
    の入力値の和を前記第3のオーディオ信号の値として出
    力する加算手段とを備え、 前記混合係数生成手段は、目標係数により前記混合比を
    与えられ、前記目標係数を制御目標とし自己の制御出力
    の変化率を所定の範囲内に制限しつつ前記制御出力を前
    記制御目標に追従させ前記制御出力を前記第1の混合係
    及び前記第2の混合係数として出力する追従制御手段
    と、前記第2の乗算手段と前記加算手段との間に介挿さ
    れて前記加算手段に入力される前記第2の乗算手段の出
    力に対し前記混合比に基づく前記第1の混合係数と前記
    第2の混合係数との既定の関係に従う演算を行う演算
    段とを有するものであることを特徴とするオーディオ信
    号ミキシング装置。
  4. 【請求項4】 前記混合係数生成手段は、ミキシングモ
    ードを選択的に設定するためのモード設定信号を受け、
    前記モード設定信号に応じて前記目標係数の値を選択的
    に切り換えて設定することにより、前記ミキシングモー
    ドに対応した前記混合比が与えられる目標係数設定手段
    有するものである請求項1乃至請求項3の何れかに
    載のオーディオ信号ミキシング装置。
  5. 【請求項5】 前記追従制御手段は、前記目標係数と前
    記制御出力とを入力 としこれらの入力値の大小を比較し
    て比較結果を出力する比較手段と、前記比較手段の出力
    を受け、前記比較手段の比較結果に応じて、前記制御出
    力が前記目標係数を上回っているときは前記所定の範囲
    に基づく所定の変化量率で積分量を減少させ、前記制御
    出力が前記目標係数に一致しているときは前記積分量を
    そのまま維持し、前記制御出力が前記目標係数を下回っ
    ているときは前記所定の範囲に基づく前記所定の変化量
    率で前記積分量を増加させ、前記積分量に対応して決ま
    る値を前記制御出力の値とする積分手段とを有するもの
    である請求項乃至請求項4の何れかに記載のオーディ
    オ信号ミキシング装置。
  6. 【請求項6】 前記積分手段は、アップダウンカウント
    の可能な計数手段を有し、前記計数手段のカウント値が
    前記積分量及び前記制御出力の値とされ、前記カウント
    値のアップダウン制御が前記比較手段の比較結果に応じ
    てなされることにより前記所定の範囲に基づく前記所定
    の変化量率での前記積分量の増減を行うものである請求
    5記載のオーディオ信号ミキシング装置。
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