JP3058409U - 包装用箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】一枚の基板から組立て可能な箱自体に内容物に
関する細かな説明等を表示可能なスペースを付加すると
共に、この付加スペースをワンタッチで箱枠に重ねた
り、この重ねを解いたりすることができる包装用箱を提
供する。 【解決手段】基板Ｉ'を、第１乃至第４の側板１〜４
と、中蓋５、内蓋片６，６'及び外蓋７と、中底８、内
底片９，９'及び外底１０と、貼着片１１と、側板重ね
板１２とから構成し、側板重ね板１２を、第１乃至第３
側板重ね部１３〜１５とから構成する。第３側板重ね部
１５に切れ目２８によって押込片１６を設定し、第３の
側板３の押込片１６に重なる部分に、離脱片１７を設定
する。側板１〜４から箱枠を形成した後、押込片１６の
内側面を離脱片１７の外側面に貼り着けることのみによ
り、側板重ね板１２を第１乃至第３の側板１〜３上に重
ねる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は包装用箱、特に一枚の基板から組立て可能な、薬品、食品、物品等の包 装用の箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば薬品の多くは一枚の紙製の基板から組み立てた包装箱に収容されて市販 されており、箱の外表面には、当該薬品を他の薬品と区別し目立たせるべく、薬 品及び製造元の名称やロゴマーク等が所要のデザインと共に大きく表示される。 そのため、箱の外表面には薬品に関する細かな説明等を表示するスペースはなく 、薬品の主成分や基本的な服用法等の必要最小限の情報のみが表示され、服用上 の注意事項等の薬品の細かな説明等は別紙に記載され、この説明書は薬品と共に 箱内に一般的に収容されている。

【０００３】 しかしながら、箱から独立した説明書は紛失してしまう場合が多々あり、その 場合、詳しい注意事項等を参照できなくなるといった問題がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は以上のような問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、一枚 の基板から組立て可能な箱自体に内容物に関する細かな説明等を表示可能なスペ ースを付加すると共に、この付加スペースをワンタッチで箱枠に重ねたり、この 重ねを解いたりすることができる包装用箱を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決しようとする手段】

本考案に係る包装用箱は、角筒状の箱枠を成す少なくとも三つの側板と、前記 箱枠の上下の開放部を閉じる蓋及び底を成す蓋構成板及び底構成板とを備える一 枚の基板から組立て可能な包装用箱において、前記基板に前記箱枠の少なくとも 一つの側板の外側の少なくとも一部に重ねる側板重ね板を各側板が並ぶ方向に連 設し、この側板重ね板に切れ目によって内側に押込み可能とした押込片を設定し 、前記箱枠に前記側板重ね板を重ねた際、前記押込片に対応する側板部分に環状 の切れ目をわずかな切残し部を残して設けることにより、前記基板から離脱せず に残る離脱片を設定し、前記基板を組み立てる際、前記押込片の内側と前記離脱 片の外側との貼着のみによって前記箱枠に前記側板重ね板を重ねるようにし、こ の重なり状態を解くと、前記離脱片が前記基板から離脱し、この離脱片が離脱し て生じた開口に前記押込片を係合させることにより、前記箱枠に前記側板重ね板 を再び重ねることができるようにしたことを特徴とする。

【０００６】 即ち、本考案では、基板において三つ以上の側板が並ぶ方向に延長して側板重 ね板を連設し、この側板重ね板を側板が成す箱枠に重ね、この重なり状態を必要 に応じて解放したり、再び重ねたりすることができる。従って、側板重ね板の裏 面及び／又は表面あるいは箱枠の側板重ね板によって隠れる部分を例えば内容物 に関する説明やセールスプロモーション等を表示するための付加スペースとして 利用することができる。

【０００７】 また、側板重ね板は、基板を箱に組み立てた当初において押込片の裏面と箱枠 上に来る離脱片の表面とを貼着することのみによって箱枠に対する重なり状態と なり、この初期の重なり状態から側板重ね板を箱枠から剥がすようにすると、外 板重ね板の重なり状態が解かれると共に、押込片の裏面に貼着される離脱片が箱 枠（側板）から離脱する。一旦初期の重なり状態が解放された側板重ね板は、押 込片（裏面に離脱した離脱片が貼着されている。）を離脱片が抜けて生じた箱枠 上の開口に押し込むことにより、再度箱枠に重なった状態となる。

【０００８】 基板としては、紙製のものを好ましく用いることができるが、例えばプラスチ ックシート等であってもよい。

【０００９】 箱枠の上下を閉じる蓋構成板及び底構成板としては公知の形態を採用すること ができる。

【００１０】 側板重ね板は、箱の形状を損なうことなく箱枠の少なくとも一部に重なること ができる限り、形状及び大さを任意に設定することができ、押込片は離脱片との 貼着によって側板重ね板を箱枠に確実に重ねることができるよう、基板において 側板と側板重ね板との境目から遠い側の側板重ね板の端部付近に設けることが望 ましい。尚、本考案では特に、前記側板重ね板が二つ以上の側板に重なるように したり、前記側板重ね板が三つの側板に重なるようにすることができ、この場合 、側板重ね板は付加スペースとして十分なものとなる。

【００１１】 尚、離脱片を規定する環状の切れ目（切残し部を含む）としては、円形、長円 形、楕円形の他、矩形等を含む。

【００１２】 また、各筒状の箱枠を成す側板の数は三つ以上であれば特に限定しないが、側 板を四つ設定して箱を直方体とすることが好ましい。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１は本考案に係る包装用箱Ｉ（図５等参照）の展開図であり、この展開図は 、プレス機によって型抜きと共に折り目１９〜２７及び切れ目２８，２９を設定 した一枚の紙製の基板Ｉ'の平面図に相当する。

【００１５】 基板Ｉ'は、折り目２０，２１，２２を介しながら横方向（方向は相対的なも のである。以下、同じ。）に連設した同一長方形状の第１乃至第４の側板１〜４ 、各側板１〜４の上方に折り目２６を介して連設した蓋構成板としての中蓋５、 内蓋片６，６'及び外蓋７と、各側板１〜４の下方に折り目２７を介して蓋構成 板と同一形態にて連設した底構成板としての中底８、内底片９，９'及び外底１ ０と、第１の側板１の左方に折り目１９を介して連設した貼着片１１と、第４の 側板４の右方に折り目２３を介して側板並び方向に連設した側板重ね板１２とを 備える。尚、折り目２６，２７は蓋及び底を確実に閉じるべく厳密には同一直線 上の折り目ではない。

【００１６】 側板重ね板１２は、折り目２３，２４によって各側板１〜４とそれぞれ同一形 状の第１乃至第３側板重ね部１３〜１５に区分され、基板Ｉ'を箱に組み立てた 際、第１側板重ね部１３は第１の側板１上に、第２側板重ね部１４は第２の側板 ２上に、第３側板重ね部１５は第３の側板３上にそれぞれ重なる。尚、側板重ね 部１５の右辺にはわずかな凸部１８が設定される。

【００１７】 第３側板重ね部１５の中央よりやや右方には、ほぼC字状の切れ目２８によっ て押込み可能な押込み片１６が設定される。

【００１８】 第３の側板３の中央よりやや右方、即ち、基板Ｉ'を組み立てた際、第３側板 重ね部１５の押込片１６に重なる部分には、縦長長円形の環状の切れ目２９を上 下にわずかな切残し部３０，３０'を残して設けることにより、基板Ｉ'から離脱 せずに残る長円形状の離脱片１７が設定される。尚、押込片１６を規定する切れ 目２８は離脱片２９の外郭に合致するか、この外郭よりわずかに内側に来る。

【００１９】 以上のように構成した基板Ｉ'の組立て工程を便宜的に説明すれば、まず、図 ２に示すように第１〜第４の側板１〜４を各折り目２０〜２２から折り曲げて角 筒状にすると共に、貼着片１１を第４の側板４の内側に貼り着けて箱枠を形成す る。次いで、所定の内容物を収容した後、図３に示すように、内蓋片６，６'及 び内底片９，９'、中蓋５及び中底８を順に折り曲げ、外蓋７及び外底１０を中 蓋５及び中底８に貼り着けて箱枠の上下開放部を閉じる。また、側板重ね板１２ も各折り目２２〜２５から折り曲げて、第１乃至第３側板重ね部１３〜１５を第 １乃至第３の側板１〜３上にそれぞれ重ねるようにし、図４に示すように、押込 片１６の内側面を離脱片１７の外側面に貼り着けることのみにより、側板重ね板 １２を箱枠に重ねる。このようにして図５に示す包装用箱Ｉが完成する。

【００２０】 包装用箱Ｉにおていは、側板重ね板１２の裏面や側板重ね板１２が重なって隠 れる箱枠面に内容物の細かな説明等を記載することができる。また、側板重ね板 １２によって箱枠の三側面が二重構造となるため、内容物に対する緩衝的保護機 能が向上する。

【００２１】 そして、箱Ｉは図５の状態から、凸部１８等から第３側板重ね部１５を箱枠の 側板３から剥がすようにすると、図６に示すように、押込片１６の内側に貼り着 けられた離脱片１７が側板３から離脱して、側板重ね板１２の箱枠に対する重な り状態が解かれる。更に、このように初期の重なり状態が解かれた側板重ね板１ ２は、内側に離脱片１７が貼着されたままとなっている押込片１６を、離脱片が 抜けて側板３上に生じた開口１７'に押し込んで嵌め合わせたり、あるいは引っ 掛けることにより、再び箱枠に対し重なった状態に戻すことができる。

【００２２】 以上の実施例では、側板重ね板１２を箱枠の第１乃至第３の側板１〜３に重な るように設定したが、これに限らず、例えば第１の側板１あるいは第１及び第２ の側板１，２にのみ重なるように設定したり、第１乃至第４の側板１〜４に重な るように設定することができる。また、各側板重ね部１３〜１５を側板と同一形 状に設定せずに、側板から外れない範囲で自由な形状に設定することもできる。

【００２３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案に係る包装用箱では、基板において各側板が並ぶ方 向に連設した側板外側重ね板の表面及び／又は裏面等を内容物に関する説明等を 表示可能な付加スペースとして利用することができる。また、かかる側板重ね板 は箱組立て時点では押込片と離脱片との貼着のみによって箱枠に重なり、この状 態から側板重ね板を箱枠から剥がすようにすると、離脱片が箱枠から離脱して側 板重ね板が解放され、この解放状態の側板重ね板は押込片を離脱片が抜けた箱枠 の開口に係合させることにより、再び箱枠に重なる。このように側板重ね板の箱 枠に対する重なり及びその解放をワンタッチで行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】包装用箱の展開図に相当する基板の平面図であ
る。

【図２】箱枠を形成した状態の斜視図である。

【図３】箱枠に蓋及び底を閉じた状態の斜視図である。

【図４】側板重ね板を箱枠に重ねる直前の斜視図であ
る。

【図５】完成した包装用箱の斜視図である。

【図６】側板重ね板の箱枠に対する重なりを解く状態の
斜視図である。

【符号の説明】

Ｉ 包装用箱 Ｉ' 基板 １ 第１の側板 ２ 第２の側板 ３ 第３の側板 ４ 第４の側板 ５ 中蓋 ６，６' 内蓋片 ７ 外蓋 ８ 中底 ９，９' 内底片 １０ 外底 １１ 貼着片 １２ 側板重ね板 １３ 第１側板重ね部 １４ 第２側板重ね部 １５ 第３側板重ね部 １６ 押込片 １７ 離脱片 １８ 凸部 １９〜２７ 折り目 ２８，２９ 切れ目 ３０，３０' 切残し部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 角筒状の箱枠を成す少なくとも三つの側
   板と、前記箱枠の上下の開放部を閉じる蓋及び底を成す
   蓋構成板及び底構成板とを備える一枚の基板から組立て
   可能な包装用箱において、前記基板に前記箱枠の少なく
   とも一つの側板の外側の少なくとも一部に重ねる側板重
   ね板を各側板が並ぶ方向に連設し、この側板重ね板に切
   れ目によって内側に押込み可能とした押込片を設定し、
   前記箱枠に前記側板重ね板を重ねた際、前記押込片に対
   応する側板部分に環状の切れ目をわずかな切残し部を残
   して設けることにより、前記基板から離脱せずに残る離
   脱片を設定し、前記基板を組み立てる際、前記押込片の
   内側と前記離脱片の外側との貼着のみによって前記箱枠
   に前記側板重ね板を重ねるようにし、この重なり状態を
   解くと、前記離脱片が前記基板から離脱し、この離脱片
   が離脱して生じた開口に前記押込片を係合させることに
   より、前記箱枠に前記側板重ね板を再び重ねることがで
   きるようにしたことを特徴とする包装用箱。
2. 【請求項２】 前記側板重ね板が二つ以上の側板に重な
   る請求項１に記載の包装用箱。
3. 【請求項３】 前記側板重ね板が三つの側板に重なる請
   求項１に記載の包装用箱。
4. 【請求項４】 前記側板が四つ備わる請求項１乃至請求
   項３のいずれかに記載の包装用箱。